JP4283994B2 - 往復動式能動的磁気再生冷凍装置 - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、全般的には磁気冷凍の分野に関し、特に能動的磁気再生冷凍装置に関する。
【0002】
(発明の背景)
能動的磁気再生とは、再生器を磁気熱量効果に基づいて作動する装置と組み合わせたものである。能動的磁気再生器の動作は、Barclay等の米国特許第4,332,135号に記載されている。能動的磁気再生器の実験的なモデルが造られ、テストされてきており、A.J. DeGregoria等の論文、「Test Results of An Active Magnetic Regenerative Refrigerator」、Advances in Cryogenic Engineering, Vol. 37B, 1991に記載されている。能動的磁気再生器の詳細なモデルが、A.J. DeGregoriaの論文、Advances in Cryogenic Engineering, Vol. 37B, 1991に記載されている。
【0003】
能動的磁気再生器は、磁気熱量効果を利用する一種のクーラーまたはヒートポンプである。磁気熱量効果を示す材料は、磁化した際に暖まり、消磁した際に冷えるか、あるいはその逆となる。基本的な能動的磁気再生(AMR)装置においては、伝熱流体に対して多孔質である磁気材料ベッドを2つの熱交換器間に設置し、1つの熱交換器からもう一方の熱交換器へ磁気材料ベッドを通して流体の往復流動を行わせる機構が設けられる。また、ベッドを磁化したり、消磁したりする機構も設けられる。AMRサイクルには4つの部分がある。すなわち、ベッドの磁化であり、磁気熱量効果によってベッド内の磁気材料および流体を暖める部分と、ベッドを通してのコールド・サイドからホット・サイドへの流体の流れであり、ホット・サイド熱交換器を通して熱を放出させる部分と、ベッドの消磁であり、ベッド内の磁気材料および流体を冷却する部分と、ベッドを通してのホット・サイドからコールド・サイドへの流体の流れであり、コールド・サイド熱交換器のところで冷却した流体が熱を吸収する部分とである。
【0004】
AMR装置は、再生器概念の延長である。再生器は、異なる温度の2つのリザーバ間で往復して流体を交換するときに熱を回収するのに用いられる。再生サイクルは2つの部分を有する。すなわち、コールド・リザーバからホット・リザーバへのベッドを通しての流れと、その後のホット・リザーバからコールド・リザーバへのベッドを通しての流れである。
【0005】
再生器装置においては、シャトル流体が一方向へ流れ、そして逆転して流れる全流体質量となる。ベッドを通してシャトル流体が何回も往復流動した後、ベッド材料は、冷たい流体が入る側(コールド・サイド)から熱い流体が入る側(ホット・サイド)へ増大する温度分布を確立する。
コールド・サイドからホット・サイドへの流れている間、流体は、温度Tc(コールド・サイド・リザーバにおける流体温度)で入る。シャトル流体は、ベッドを通過するにつれてベッドによって暖められ、Th(ホット・サイド・リザーバの温度)より低い温度でベッドから出る。ホット・サイドからコールド・サイドへの流れるとき、流体は、温度Thでベッドに入り、ベッドを通過するにつれてベッドによって冷やされ、Tcより高い温度でベッドから出る。サイクル全体を通じて、ベッドは、理論的には、正味熱を受け取らない。ベッドは、暖かい流体から熱を吸収し、冷たい流体にこの熱を放出する中間ヒート・リザーバとして作用する。シャトル流体がコールド・リザーバに入る温度とコールド・リザーバ流体の温度Tcとの温度差Δtは、ホット・リザーバからコールド・リザーバまでの熱の流れを表す。最悪の場合、この差は、Th−Tcとなり、これは再生器が存在しない場合である。Δt対Th−Tcの比は、再生器無効性と呼ばれる。
【0006】
AMR装置は、流体がコールドからホットに流れる前にベッドを磁化し、暖め、次に、ホット・サイドからコールド・サイドに流体が流れる前にベッドを消磁して冷却する。磁化されたベッドへ磁場を与えることにより、ベッドに一対の温度および相対位置のプロファイルを創り出す。一方のプロファイルはベッドが磁化されたときのものであり、他方のプロファイルはベッドが磁化されていないときのものである。任意のロケーションでの2つのベッド・プロファイル間の差は、磁場の変化が生じる際の磁気材料の断熱温度変化である。断熱温度変化が十分に大きい場合、ベッドのコールド・サイドから現れる流体はコ―ルド・リザーバの温度よりも低い温度を有する可能性があり、その結果、普通の再生器の場合におけるホット・リザーバからコ―ルド・リザーバへの熱漏洩というよりもむしろ、コールド・リザーバの正味冷却となる。もちろん、熱力学の法則によれば、熱はコ―ルド・リザーバからホット・リザーバに流れているので、このようなプロセスでも仕事は行わなければならない。AMRの場合、磁石、ベッドを相対的に動かす駆動機構によって、または、回転式永久磁石あるいは電気切替式磁石を使用することによって、この仕事が行われる。ホット・サイド、コールド・サイドの両方で熱交換器を利用することよって、熱はAMRを通してコールド・サイド熱交換器から取り出し、ホット・サイド熱交換器を通して放出させることができる。この伝達を達成するための構造が、上述した米国特許第4,332,135号に開示されている。
【0007】
上記したAMRサイクルは、サイクルの磁化、消磁(仕事入力)部分が、一定のエントロピ、すなわち、流体の流れおよび伝熱なしに行われるという点で、ガス冷凍装置のブレイトン・サイクルに類似している。エリクソン・サイクルに磁気的に類似したサイクルでは、磁場の変化は一定のベッド材料温度で行われ、これには、磁化、消磁プロセス間で伝熱を必要とする。ブレイトン、エリクソンの中間サイクルも実施し得る。これは、磁化中に、ブレイトン、エリクソン・サイクルの必要とする量の中間の伝熱量を特徴とする。エリクソン・サイクルおよび中間サイクルに類似しているAMRサイクルは、磁化、消磁プロセス中にベッド材料内に若干の流体の流れを許すことによって実施することができる。
【0008】
能動的磁気再生器の更なる延長が、DeGregoria等の米国特許第5,249,424号に示されている。この米国特許では、ベッドを通る伝熱流体の流れが不平衡にされ、ベッドのコールド・サイドからホット・サイドまで流れる流体よりもベッドのホット・サイドからコールド・サイドまでベッドを通って流れる流体が多くなるようにされている。余分な伝熱流体は、ベッドのホット・サイドへ戻され、能動的磁気再生器の多段ステージを使用することができる。この米国特許で説明されているように、再生器ベッドは往復動式に磁場内外へ動かされてもよいし、回転ホイール内にベッドを装着してもよい。
【0009】
能動的磁気再生器の欠点1つは、往復動式能動的磁気再生器内の伝熱流体が再生器ベッド(単数または複数)とそれぞれのホット、コ―ルド熱交換器との間で前後に往復流動させられるために生じる非能率性である。流体の流れがベッドと熱交換器の間で単一方向ではないので、伝熱流体の若干量が、常に、ベッドと熱交換器の間の接続管路内にあり、ベッド、熱交換器の両方を決して循環することがないのである。この捕らえられた伝熱流体(普通、「デッド・ボリューム」と呼ばれる)は、従来の能動的磁気再生器における非能率性の重要な原因となっている。
【0010】
普通のガス・サイクル冷凍装置においては、最も普通の、経済的に適切な冷媒(たとえば、クロロフルオロカーボン)の多くは、環境的に危険である。能動的磁気再生器を含む磁気冷凍装置においては、作業材料は固体であり、別体の流体を使用して熱交換器へおよびそこから熱を運ぶ。伝熱流体が圧縮、膨張を行う必要がないので、冷凍装置の温度範囲にわたって許容できる熱容量および流れ特性を有する任意の流体を使用できる。
【0011】
(発明の概要)
本発明によれば、能動的磁気再生冷凍装置は、往復動式再生器ベッドと、伝熱流体分配弁とを包含する。この伝熱流体分配弁は、ベッドが磁石の磁場内にある位置と、磁石の磁場の外にある位置との間で再生器ベッドが動くときに付勢される。分配弁は、通常静止している第1弁部材と、可動第2弁部材とを有し、これらの弁部材は互いに摺動可能に係合しており、各弁部材は、伝熱流体の出入りするポートを有する。ベッドは、可動第2弁部材にあるポートと連通した状態で可動第2弁部材に装着され、その結果、伝熱流体が単一方向で弁を通って運ばれ、可動第2弁部材にあるポートを通って弁を出て、再生器ベッド内へ直接入る。弁へ入り、そこを通って出る流体の流れ方向は、ベッドの両位置において同じままであり、ベッドの磁化位置、非磁化位置において弁がベッドを通る流体の流れ方向を切り替える。こうして、伝熱流体のデッド・ボリュームがほとんどないので、本発明の再生器装置の効率はかなり向上する。
【0012】
本発明の能動的磁気再生冷凍装置は、好ましくは、ホット、コ―ルド熱交換器と、再生器ベッドが取り付けられる分配弁にこれらのホット、コ―ルド熱交換器を接続している導管と、伝熱流体を弁へ、そして、弁から熱交換器を通して駆動するポンプとを包含する。往復動式駆動部(たとえば、ピストン空気シリンダ)が分配弁に連結してあり、弁をその2つの位置間で動かし、再生器ベッドをその2つの位置間で動かす。好ましくは、2つの再生器ベッドが分配弁に装着され、1つのベッドが弁の各末端位置で磁石の磁場内にあり、他方のベッドが磁場の外にあるようにする。所望に応じて、本装置は、一緒に動かされるもっと多くのベッドを包含してもよい。たとえば、4つのベッドと、2つの磁石(1磁石あたり2つのベッド)としてもよいが、その場合、冷凍電力はそれに伴って増大する。分配弁は、ベッド(単数または複数)を通る流体の流れ方向を切り替え、磁場内にあるベッドを通って流れた伝熱流体が、まず、ホット熱交換器を通り、次いで、磁場の外にあるベッドに流れるようにしている。磁場の外にあるベッドを通過する流体は、分配弁によってコ―ルド熱交換器に導かれ、次いで、磁場内にあるベッドに戻る。ポンプは、装置の種々の構成要素を通る連続ループに流れを維持するように導管に接続される。ベッドがそれらの2つの位置間で動かされるとき、ポンプは、好ましくは、オフにされるか、バイパスされ、ベッドがそれらの末端位置になるまでなんら流体が流れないようにする(ブレイトン・タイプ・サイクルの場合)。これらの末端位置で、分配弁が各ベッドを通る流体の流れ方向を変え、その間、ベッド外のすべての場所における伝熱流体の単一の流れ方向を維持し、伝熱流体のデッド・ボリュームを最小限に抑える。或る種の場合、ベッド消磁、磁化プロセスの初期部分または最終部分で伝熱流体の流れを必要とする、ブレイトン、エリクソン・サイクルの中間のサイクルを実行すると望ましいかも知れない。これは、通常静止の第1弁部材を限られた距離にわたって第2弁部材の動きに追従させることによって、通常静止の第1弁部材および可動第2弁部材にあるポートを整合状態に維持することによって達成され得る。
【0013】
自己付勢式分配弁は、2つの再生器ベッドを互いに隔たった位置で取り付けた外側チューブで形成される可動第2弁部材と、外側チューブより小さいが、外側チューブの内径に接近した外径を有する内側チューブで形成される第1部材とを包含し得る。往復動式駆動部は、外側チューブに連結され、この外側チューブを往復運動させる。内側チューブは、壁によって4つのカドラント導管(2つベッドの場合、すなわち、1つのベッドについて2つの半導管を使用し得る)に分割された中空の管腔を有する。そして、4つのカドラント導管は、第1弁部材の4のポートと連通する。熱交換器およびポンプまで延びている外部の導管がこれらのポートに接続してあり、内側チューブの4つのカドラント導管の各々へ伝熱流体を供給し、あるいはこれらのポートから伝熱流体を受け取る。内側チューブの円筒形の壁は、内側チューブの管腔が分割されている4つのカドラント導管のそれぞれと連通する隔たった対の開口を有する。2つのベッドの場合、内側チューブに3対の等間隔に位置した開口があり、これら3対の開口は、ベッドのドウェル位置に位置する。これらの対の開口のうち2対は、磁石の磁場の外側の位置にあり、1対の開口は磁石の磁場内にある。外側チューブは、チューブの壁を貫いて1つのベッド(外側チューブに取り付けられた円筒形のケーシングとして形成されると好ましい)まで延びるポート対を有する。このケーシングには、磁気熱量効果を示す材料が満たされており、再生器ベッドまで延びる外側チューブにおけるポートはベッドのための円筒形のケーシングの2つの端近くの位置にある。シールが、内側、外側チューブ間に係合しており、外側チューブにおける開口が内側チューブにおける開口と整合したときを除いて、ベッドからあるいはベッドへ伝熱流体が流れるのを阻止するようになっている。これらのシールは、内外のチューブ間に延びるリングとして形成してもよく、こうすれば、単純で、耐久性があり、信頼性のある摺動シールを得ることができる。
【0014】
好ましくは、磁石の磁場の外側の位置に位置する通常静止している内側チューブにある2対の開口は、管腔の同じ2つのカドラント導管に開いている。これらの2つの導管は、これらのポートの1つからコ―ルド熱交換器まで延びていて、ベッドから導管を経てコ―ルド熱交換器に至る経路上へ伝熱流体を与えるのに対し、これらのポートのうち他方のポートは導管によってホット熱交換器に接続され、もう一方がホット熱交換器から導管およびカドラント導管を通してベッドへ流体を供給する。内側チューブにある他の2対の開口(磁場内に位置する)は、他の2対のカドランド導管内に開いており、カドラント導管の1つは1つのポートまで延びており、このポートが、ベッドが磁場内にあるときにベッドからホット熱交換器に伝熱流体を与えるように導管によって接続しており、他方のカドラント導管が、コ―ルド熱交換器から流体を受け取るように導管によって接続したポートまで延びている。このようにして、磁場内に位置したベッドはが、コ―ルド熱交換器から伝熱流体を受け取ることになり、伝熱流体がベッドを通って一方向へ流れ、外側チューブにある他の開口を通って外へ導かれ、次いで、カドラント導管を通って、第1弁部材のポートから外部の導管を通ってホット熱交換器に流れる。
【0015】
再生器ベッド内の材料は、磁気熱量効果を示す。したがって、ベッドの材料は、それが磁場に入ったとき、その温度が上昇する。磁場内にあるベッドを通る伝熱流体は、再生器ベッド材料から熱を受け取り、この熱は伝熱流体によってホット熱交換器へ運ばれ、そして、ホット熱交換器がこの流体から熱を取りだし、その結果、ホット熱交換器を出る流体がより低い温度となる。磁場の外にあるベッドにおける磁気熱量材料は、ベッドが磁場から外に移動したとき、温度を低下させる。ベッドは、その時の再生器ベッドの温度より高い温度でホット熱交換器から伝熱流体を受け取る。したがって、再生器ベッドは、伝熱流体から熱を吸収し、ベッドを出る流体は、ベッドに入ったときよりも低い温度である。次に、この流体は、分配弁からコ―ルド熱交換器に流れ、そこにおいて、伝熱流体が冷却されるべき材料(たとえば、冷蔵冷凍装置の内部)から熱を奪い、温度を上昇させる。次に、コ―ルド熱交換器を出た伝熱流体は、導管を通って分配弁のポートに戻り、そこにおいて、分配弁のカドラント導管によって磁場内にある再生器ベッドに導かれる。こうして、この伝熱流体は、ベッドを通過するにつれて再生器ベッドから熱を奪う。
【0016】
伝熱流体が2つのベッドを通過するにつれて、磁場内にあるベッド内の磁気熱量材料の温度は低下する(と共に、ベッドの入口サイドから出口サイドに向けて上昇する温度勾配を維持する)。そして、磁場の外側にあるベッド内の磁気熱量材料の温度は上昇する(と共に、ベッドの入口サイドからベッドの出口サイドまで低下する温度勾配を維持する)。
【0017】
冷凍を達成するのに必要な仕事をなすべく、末端位置での選択されたドウェル時間の後、往復動駆動部が分配弁およびベッドを反対側の末端位置へ移動させ、その結果、磁場内にあった一方のベッドが磁場から外れ、磁場外にあった他方のベッドが磁場内に入る。次に、再び、分配弁は、2つの再生器ベッドに流体を供給する。ここで、先の位置でベッドを通る流体の流れ方向と反対の流体流れ方向となり、ベッド内の温度勾配を維持し、再生作用を達成する。磁場内にあったベッドにおける磁気熱量材料は、ベッドが磁場の外へ移動したときに温度を低下させる。このとき、このベッドは、ホット熱交換器から伝熱流体を受け取る。この流体は、最も暖かい温度であるベッドのサイドで入り、最も冷たい温度であるベッドのサイドで出る。ベッドの一端から他端までの温度勾配は、ベッドが磁場内から磁場の外へ移動するときに維持されるが、ベッド内のあらゆる位置での磁気熱量材料の温度は低下する。同様に、磁場の外から磁場内に移動するベッドの場合、ベッドの両端間の温度勾配は維持されるが、ベッド内のすべての位置での材料の温度は上昇する。
【0018】
磁石は、好ましくは、分配弁の第1弁部材および可動第2弁部材と軸線方向に整合した円筒形の内部を有するソレノイド磁石である。磁石は、電源に接続した電磁石であってもよいし、所望に応じてデュワー瓶および冷媒液浴内に保持される超伝導磁石であってもよいし、あるいは、強い永久磁石であってもよい。
【0019】
室温あるいはそれに近い温度での本発明の操作の場合、たとえば、凍結温度あるいはそれに近い温度に内部を維持するように冷凍装置を作動させる場合、伝熱流体は水または水/不凍液混合物であってもよい。伝熱流体として水、緩衝水溶液あるいは水/不凍材料を使用すると、これらの材料が安価であり、容易に入手でき、環境破壊を最小限に抑えられるので、非常に望ましい。
【0020】
本発明のさらなる目的、特徴および利点は、添付図面を参照しながらの以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【0021】
(発明の詳細な説明)
図面を参照して、本発明による能動的磁気再生冷凍装置が、図1において全体的に20で示してある。この装置20は、能動的磁気再生器21を包含し、これに、ホット熱交換器23、コ―ルド熱交換器24およびポンプ25が接続している。装置20は、コ―ルド熱交換器24によって、冷凍負荷(たとえば、流体または密閉スペース)から熱を取り出し、ホット熱交換器23によって装置から熱を放出する。伝熱流体は、能動的再生器21から導管26(たとえば、金属パイプ)を通してホット熱交換器23に高温で流れ、次いで、流体は、ホット熱交換器23を通り(その結果、温度が低下し)、導管27を通ってポンプ25に流れ、ポンプから導管28を通って能動的再生器21へ戻る。同様に、低温度の伝熱流体は、能動的再生器21から導管30を通ってコ―ルド熱交換器24に流れる。コ―ルド熱交換器を通った伝熱流体(したがって、導管30内の流体より高い温度である)は、導管31を通って再生器21に戻る。導管26、27、28内の伝熱流体の温度は、周囲温度よりも一般に高いので、これらの導管に断熱材は不要である。しかしながら、導管30、31内の伝熱流体の温度は、一般に周囲温度よりも低くなるので、これらの導管のまわりに断熱材を設け、装置の全効率を高めるとよい。
【0022】
能動的磁気再生器21のための磁場は、たとえば、ニオブ・チタンまたはニオブ・スズのような巻いた普通の超伝導体で作った超伝導ソレノイド磁石コイル34で発生させられる。超伝導状態にソレノイド・コイル34を維持するために、コイルは、標準方法でデュワー瓶37内に保持された液体ヘリウムまたは液体水素の浴36に浸漬される。コイル34は、適当な低温クーラーを使用しても冷却できる。このような超伝導磁石およびそれと組み合わせたデュワー瓶は、周知であり、磁気共鳴造影装置のような種々の市販機器で使用されている。デュワー瓶37はその中心を貫いて延びる円筒形の中央開口38を有する。この中央開口は、円筒形の断熱内壁39によって構成されている。ソレノイド・コイル34は、壁39のまわりに延び、それに密接している。したがって、コイル34は、その内部を貫き、デュワー瓶の中空の中央開口38内の概略的に40で示す部分を貫いて延びる強い磁場を与える。
【0023】
分配弁42の一部は、中央開口38内に位置する。弁42は、互いに摺動自在に係合した第1弁部材43、可動第2弁部材44を有する。第1弁部材43は、通常、所定位置に固定され、ブレイトン冷凍サイクルについて静止しているが、ブレイトン・サイクル、エリクソン・サイクルの中間のサイクルが望まれる場合には、短い範囲の摺動運動を行えるように取り付けてもよい。第1再生器ベッド45および第2再生器ベッド46が、可動第2弁部材44に取り付けてある。分配弁42の可動第2弁部材44は、軸47によって駆動部48、たとえば、空気シリンダに連結してあるが、液圧シリンダ、電気モータなどの任意適当な駆動装置を利用してもよい。駆動部48は、往復運動を行って分配弁42の位置を切り替えるように作動する共に、ベッド45、46を2つの末端位置間で移動させるように作動する。図1に示す第1の末端位置において、第1の、すなわち、上方のベッド45は、ソレノイド34からの磁場内のスペース40内にあり、第2の、すなわち、下方のベッド46はソレノイドからの磁場の充分外にある。第2位置において、可動第2弁部材44およびベッド45、46は、駆動部48によって上方へ引かれ、その結果、第2ベッド46がソレノイド34からの磁場内のスペース40に入り、第1ベッド45がソレノイド34上方へ上昇し、磁場から外れる。分配弁42の第1弁部材43は、その底部を、導管26、28、30、31を接続したマニホルド49に連結されている。説明のために、デュワー瓶37およびその上で支えられている駆動部48は、車輪付き移動プラットフォーム52に取り付けた脚51上に取り付けた状態で示してある。マニホルド49は、プラットフォーム52に固着してある。しかしながら、能動的再生器21を固体のフロアあるいは任意他の適当な表面に直接取り付けてもよく、また、分配弁42および駆動部48を、所望に応じて、弁のための適切な摺動マウントおよび支持体で、垂直方向以外、たとえば水平方向に向けてもよいことは明らかである。
【0024】
また、磁場を与えるのに用いる超伝導ソレノイド34が説明の目的のためだけに示してあり、本装置を他の磁石(たとえば、電力で与える電磁石または永久磁石)と共に利用してもよく、実用的な高温超伝導ソレノイドが利用できるようになるので、適切な高温超伝導ソレノイドを利用してもよいことは了解されたい。超伝導ソレノイドの使用は、スペース40内に非常に高い磁場、たとえば、1テスラから5テスラあるいはそれ以上の範囲の磁場を発生させるために、そして、ソレノイド内に流れる電流を維持し、したがって、磁場を維持するのにソレノイドを充電した後は非常に少ないエネルギ入力で済むという両方の点で望ましい。低温冷凍剤36(たとえば、低温超伝導体の場合には液体ヘリウムまたは水素、高温超伝導体のためには液体窒素)を補充するコストは、いくぶん総効率を低下させながらも、強い磁場で能動的再生器21を利用する冷凍プロセスの高効率によって相殺される。非営業的な用途の場合、超伝導ソレノイド34よりむしろ永久磁石が磁場を与えるのに充分適しているが、磁場の内外でのベッド45、46の1サイクル当たりの冷凍効率はそれ相応にいくぶん低下する。すなわち、同じ冷凍を達成するのに、より強い磁場の磁石で要求されるよりも、より弱い磁石での方が磁場内外へのベッドのサイクル数が多くなる。
【0025】
能動的磁気再生冷凍装置20を使用できる冷凍システムの例が、図2の概略工程系統図に示してある。図2には、装置を通る伝熱流体の流れの作動シーケンスおよび分配弁42の切り替えを制御するコントローラ54も例示してある。コントローラ54は、たとえば、分配弁42の上下の末端位置で可動第2弁部材44によって切り替えられるリミット・スイッチ55、56からの信号を受信することができる。コントローラは、ポンプ25からの管路内のソレノイド作動式通常閉の弁58に電線57によって接続してあり、また、ポンプ25まわりに連結したソレノイド作動式バイパス弁60のソレノイドに電気供給線59によって接続してある。コントローラは、駆動シリンダ48への空気の供給量を制御する弁63にも、電気信号ライン62によって接続してある。
【0026】
コントローラ54(標準のプログラムできるコントローラ、一組のリレーなどであってもよい)は、リミット・スイッチ55、56から受け取った信号によって分配弁42の位置を決定する。弁42がその末端位置の1つに到達したとき、コントローラは弁58を開け、バイパス弁60を閉じるように信号を与え、それによって、加圧状態の伝熱流体をポンプ25から弁42を通り、コ―ルド熱交換器24を通ってホット熱交換器23に、そこからポンプ25へ戻る循環経路に導く。分配弁42がその1つの末端位置で選択された時間にわたって停止した後、コントローラは、弁58、60に信号を与え、弁58を閉じ、弁60を開け、分配弁42への伝熱流体の流れを遮断する。次に、コントローラは、弁63に通じるライン62に信号を与え、駆動シリンダ48によって分配弁42をその他方の末端位置へ切り替える。弁42がその他の位置に到達すると、リミット・スイッチ55または56がコントローラに信号を与え、末端位置に到達したことを示す。次いで、コントローラは、弁58、60に信号を与え、弁58を開けると共に弁60を閉ざし、ここで再び、分配弁42を通して伝熱流体をコ―ルド熱交換器およびホット熱交換器に与える。弁42のこの切り替えサイクルは、絶えず繰り返される(すなわち、冷却されるべき負荷の所望温度が達成されるまで)。駆動部48の作動要領に依存して、コントローラは、弁63に信号を与えて弁48への空気を遮断してもよい。あるいは、駆動シリンダ48がそのピストンロッドの厳しい移動限度間で作動し、シリンダの移動限度が分配弁42の所望末端位置と一致するように駆動シリンダ48を選んでもよい。後者の場合、コントローラは、加圧空気を一方向で駆動シリンダ48に与え続けるように弁63を切り替えた状態に維持し、弁42を切り替えるべきときまでシリンダをその限界位置に保持してもよい。その際、コントローラは、シリンダ48への空気の供給を切り替え、シリンダを他方の限界まで駆動し、分配弁42を反対側の末端位置へ駆動してもよい。
【0027】
分配弁42およびポンプ・バイパス弁60は、ブレイトン・サイクルの場合、サイクルの磁場変更部分でまったく流れが生じないようにするのに用いられる。ブレイトン・サイクル、エリクソン・サイクルの中間のサイクルを望む場合には、分配弁およびバイパス弁のタイミングを変えて、ベッドの動きの最初あるいは最終またはこれら両方の部分で流れを許すようにするとよい。このような流れを許すのに用いることができる変更態様は2つあり、1つは、分配弁の内側第1弁部材43に開口するスロットを長くするか、もう1つは、内側の第1弁部材43が分配弁の外側の第2弁部材44の移動開始時に限られた距離移動できるようにすることである。この動きは、内外の弁部材間のシールに生じる摩擦によって生じさせることができる。この動きの変位量は機械的な止めで制限してもよい。
【0028】
使用する冷凍材料は、選んだ冷凍サイクルに最も合うように選ぶことができる。たとえば、CR. Cross, et al., "Optimal Temperature--Entropy Curves For magnetic Refrigeration", Adv. Cryogenic Engineering, R.W. Fast, Ed. 4 Vol. 33, Plenum Press, 1988, pp. 767-776を参照されたい。
【0029】
能動的磁気再生冷凍装置20は、たとえば、冷保存設備、食品ロッカーその他を冷却するための普通の営利的冷凍用途で利用することができる。この場合、ホット熱交換器23は、周囲空気に熱を排出するのに適している普通のラジエータ・タイプ熱交換器であってもよい。コ―ルド熱交換器24は、食品ロッカーのような冷凍スペースの内壁面に取り付けたパイプを包含してもよい。または、冷凍スペース内に周囲空気から熱を吸収するための普通のラジエータとして形成してもよい。
【0030】
図2の冷凍システムは、コ―ルド熱交換器24において冷たい温度で熱を取りだし、ホット熱交換器23において高温で熱を排出するようになっている。図2のシステムは、図2Aに示すように改造して、高温の流体を冷温度に急冷するようにすることができる。図2Aの配置において、導管30上の冷流体は、T字形コネクタ65に導かれ、このコネクタは、流体の流れを、一部が導管31上の分配弁42へ戻り、一部が流体急冷熱交換器24(たとえば、そこを通って流れる水を冷却するのにコ―ルド熱交換器24を使用してもよい)を通って流れるように分割する。コ―ルド熱交換器24を通過した流体は、導管66に沿って流量制御弁67を通ってコネクタ69に導かれる。このコネクタ69は、導管27につながり、導管66からの流体をポンプ25の入口に導く。導管66からの流体は、ポンプ25によって分配弁42へ戻される。この配置は、流体から取りだされた熱の大部分が急冷流体で生じる全温度上昇を通じて運ばれないため、必要な仕事入力を減らしながら流体を急冷する目的にとっては有利である。このような不平衡流の利点は、参考資料としてここに援用した上述の米国特許第5,249,424号に記載されている。
【0031】
自己付勢式分配弁42の作用が図3、4に示してある。これらの図は、弁42の2つの末端位置における再生器ベッド45、46の位置を示している。図3に示す弁42の位置は、図1における弁の位置に対応する。弁42は、説明のために図3、4においては概略的に示してあるが、以下により詳しく説明する。分配弁42の第1弁部材43は、固定した円筒形の内側チューブ75を有し、この内側チューブは、マニホルド49を介して導管26、28、30、31に接続している。可動第2弁部材44は、内側チューブ75のまわりに取り付けた外側チューブ76を有し、この外側チューブは、内側チューブ75の外径よりもわずかに大きい内径を有する。したがって、外側チューブ76は、内側チューブ75と同軸に摺動し、それに密接に係合することができる。可動部材44の外側チューブ76は、軸47に連結してあり、図1に示すように、駆動部48によって往復運動で駆動される。好ましくは、この連結は、自在継手78を介して行われる。そうすると、内側チューブ75上を自由に摺動させるのに必要であるかも知れない外側チューブ76の任意のわずかな変位にも順応できる。
【0032】
第1弁部材の内側チューブ75は、好ましくは、図3、4でA、B、C、Dという符号が付けてある4つのカドラントに壁79、80によって分割された中空の管腔を有する。各カドラントは、第1弁部材の軸線方向内部導管を構成している。内側チューブ75は、それぞれ、その外壁面に形成した3対の開口を有し、第1対の開口81、82は、磁石34内の磁場40の位置の外にある位置で、それぞれ、カドラントA、Cに開いている。第2対の開口83、84は、磁場の領域40の外にあるカドラントA、Cにそれぞれ開口している。第3対の開口86、87は、カドラントB、Dに開口しており、磁石34の磁場領域40内に位置している。各対における2つの開口の間隔は、各対に対して同じである。図3、4には示していないが、可動部材の外側チューブ76は、外側チューブの壁を貫いて延び、ベッドの端付近で再生器ベッド45、46に開口した複数対のポートを有する。外壁におけるポートは、対のポート81−82、83−84、86−87の間隔に等しい距離隔たっている。図3に示す弁の位置において、再生器ベッド45におけるポートは、開口86、87と整列し、再生器ベッド46におけるポートは、開口81、82と整列している。これらの位置において、伝熱流体は、これらの開口を通って、内側チューブの分割管腔から再生器ベッドに自由に流れ、再び開口を通って戻ることができる。同様に、弁42が図4に示す位置にあるときには、開口83、84が再生器ベッド45にあるポートと整列し、開口86、87が再生器ベッド46にある開口と整列し、これらの開口を通してベッドへ、そして、ベッドからの伝熱流体の自由な流れを可能にする。
【0033】
図3に示すような弁42の第1位置において、伝熱流体は、ポンプ25によって、導管28を通して分配弁のカドラントC導管に送られ、開口82から再生器ベッド46に送られる。再生器ベッド46を通過した後、伝熱流体は、開口81を通ってカドラントA導管内へ流れ、次いで、内側チューブ75から導管30を通ってコ―ルド熱交換器24に流れる。再生器ベッド46は、図3において磁石34の磁場外にあるので、温度を下げ、開口81を通してベッド46から出る流体は低い温度T1である。温度T1での伝熱流体は、コ―ルド熱交換器24を通して流れ、熱をピックアップし、導管31に沿って高い温度T2で出る。流体は、導管31によって第1弁部材のカドラントB導管に導かれ、開口86を通して再生器ベッド45内へ出る。ベッド45を通過した後、伝熱流体は、開口87を通ってカドラントD導管に流出し、第1弁部材43から導管26を通ってホット熱交換器23に流れる。再生器ベッド45が磁石34の磁場内にあるので、ベッド45内の磁気熱量材料は温度を上げ、ベッド45を通って流れる伝熱流体が熱をピックアップする。したがって、開口87を通ってベッド45を出る流体の温度T3は、流体が開口86を通ってベッドに入ったときの温度T2よりも高い。温度T3の伝熱流体は、ホット熱交換器23を通過し、熱を失い、より低い温度T4で出る。温度T4の流体は、ポンプ25を通って導管27に流れ、導管28に沿ってカドラントC導管へ戻り、そこにおいて、流体は再び、開口82を通って再生器ベッド46内へ流出する。
【0034】
図4に示す弁42の第2位置において、伝熱流体は、ポンプ25によって導管28を通してカドラントC導管に駆動され、次いで、開口84を通って再生器ベッド45内へ流れる。このとき、再生器ベッド45は、磁場の外にあり、その結果、ベッド45内の磁気熱量材料が温度を下げている。ベッド45を通過している伝熱流体は、このベッド内の磁気熱量材料に熱を奪われ、温度を下げてから、温度T1で開口83を通してカドラントA導管に流出する。流体は、カドラントA導管から導管30を通ってコ―ルド熱交換器24に流れ、そこにおいて、流体は、熱をピックアップし、導管31に沿って温度T1で熱交換器を流出し、そこから第1弁部材43のカドラントB導管に流れる。流体は、カドラントB導管から開口86を通って再生器ベッド46の磁気熱量材料内に流れる。この再生器ベッド46は、磁石34の磁場内にあるので、温度を上げる。こうして、ベッド46を通過している伝熱流体は、磁気熱量材料からの熱を受け取って温度を上げ、入口温度T2より大きい温度T1で開口87を通って流出する。開口87を通ってカドラントD導管に流出する流体は、導管26を通り、そして、ホット熱交換器23を通って流れる。そこにおいて、熱を失い、温度T3より低い温度T4で流出する。次いで、この流体は、導管27に沿ってポンプ25に流れ、そこにおいて、流体は、導管28内へ駆動され、次いで、第1弁部材43のカドラントC導管に戻される。
【0035】
第1弁部材内側チューブ75と可動第2弁部材外側チューブ76の内部との間にあるシールは、図3に示す位置において開口83、84をシールし、図4に示す弁42の位置において開口81、82をシールする。このようなシールは、また、内側チューブにある開口から再生器ベッド45、46にあるポートまで流れる流体が内側チューブ75と外側チューブ76との間のスペースに漏れるのも防ぐ。上述したように、弁42を切り替え中、ソレノイド制御式弁58は、好ましくは、閉じており、弁60が開いていて、弁42を通ってまったく伝熱流体が流れず、伝熱流体の漏洩の可能性をさらに最小限に抑えるようにしてある。
【0036】
可動第2弁部材44および再生器ベッド45、46は、図5のより詳細な断面図に示してある。図示したように、可動第2弁部材44の外側チューブ76は、たとえば、ポリ塩化ビニルまたは他のプラスチックあるいはエポキシ・ガラス繊維などの薄肉チューブとして形成される。チューブ76は、好ましくは、滑らかな円筒形の内面90を有し、好ましくは、壁に組み込んだ黒鉛のような固形潤滑剤を有する。このことは、静止している内側チューブ75の外面と滑らかに摺動係合するのに適している。再生器ベッド45、46は、同様の構造であり、互いから適当な間隔で可動第2弁部材44の外側チューブ76に取り付けられる。再生器ベッド45、46の各々は、円筒形の外壁92と端壁93とからなるケーシングを有する。これらの端壁は、外側チューブ76の外面に係合し、たとえば、接着剤でそれに固着される。壁92、93も、たとえば、プラスチックまたはエポキシ・ガラス繊維で形成してもよい。一般に、磁場内で移動する部分は、最小のうず電流損を有する材料で形成しなければならない。円筒形の外壁92および端壁93は、外側チューブ76の表面94と共に、環状の体積部を構成しており、この中に多孔質の磁気熱量材料95が詰めてある。多孔質の磁気熱量材料95は、一緒にパックした小さい粒子の形であってもよく、伝熱流体が磁気熱量材料の個々の粒子まわりを流れることができる隙間を残してもよいが、材料95を他の方法、たとえば、間隔を置いた材料シートで物理的に形成してもよい。所望に応じて、粒状材料は、より大きい構造上の安定性を得るために焼結しもよい。選ばれる特定の磁気熱量材料は、再生器装置の温度作動範囲および磁石34の利用できる磁場に依存する。特に低温で使用するのに適したこのような材料の例は、上述の米国特許第5,249,424号に挙げられている。室温またはその付近の温度での動作のためには、適当な磁気熱量材料の1タイプはガドリニウムである。そして、適当な伝熱流体は水または不凍液と混合した水である。好ましくは、緩衝水溶液を用いると、磁気熱量材料と伝熱流体の間の化学反応を排除できる。
【0037】
ポート97が、端壁93に隣接した位置においてベッド45、46の端で可動部材外側チューブ76の壁に形成されている。これらのポートは、図6に示すように、外側チューブ76の壁に設けた一連の間隔を置いたスロットとして形成すると好ましく、これらのスロットがスクリーン98で覆って、ばらの磁気熱量材料95がポート97を形成しているスロットを通って移動したり、スロットを詰まらしたりするのを防ぐと好ましい。好ましくは、可動第2弁部材44は、さらに、ベッド45、46間で外側チューブ76まわりに取り付けてあり、それぞれの端壁93に固着してあり、ベッド45、46の間隔を維持すると共に、外側チューブ76上にベッドをより確実に保持する円筒形のチューブ99を包含する。
【0038】
第1弁部材43の構造のより詳細な外観図が図6に示してある。内側チューブ75における開口81、82、83、84、86、87の各々は、好ましくは、内側チューブの壁に設けた中央のくぼんだ部分として形成してあり、その両側でチューブ壁部に溝102が形成してあり、これらの溝にシール、たとえば、ゴム製のOリング105が取り付けてあるとよい。開口81、82、83、84、86、87は、チューブ75の壁に設けたスロット103として形成すると好ましく、これらのスロットは、第1弁部材の適切なカドラント導管まで延びている。カドラント導管の1つからスロット103を通って外方へ流れている伝熱流体は、くぼんだスロット100の全周まわりを流れることができるが、内外のチューブ75、76間のスペース内へ流入するのがOリング・シール105によって阻止される。こうして、流体は、外側チューブの全周まわりの位置で外側チューブにあるポート97まで流れることができる。同様に、ポート97を通って再生器ベッド44、45から戻ってくる伝熱流体は、内側チューブの全周まわりにくぼみ100によって構成されたスペース内に流入することができ、最終的には、流体は、スロット103の位置に流れ、次いで、スロットを通して第1弁部材43内の適切なカドラント導管に流れる。
【0039】
内側チューブ75内に第1弁部材内部導管を形成する好ましい方法が図7〜14に示してある。図7の側面図、図8の端面図に示すように、垂直な内側壁79、80を形成するのに、まず、扁平材料、たとえば、エポキシ・ガラス繊維またはポリ塩化ビニルのストリップを、適当な接着剤(たとえば、Hysolョエポキシ)で接着する。図9の側面図、図10の端面図に示すように、適当な外側寸法を有する薄肉チューブ106を、直径方向に対向する切断位置107で、その全長にわたって半分に切断する。次いで、各半分のチューブの中間位置でこれら2つの半分チューブの壁に溝108を切る。壁79、80の幅は、壁80が溝108内に嵌合し、壁79の端が、図11の側面図、図12の端面図に示すように、カット部107によって生じたスペースを満たすように、選ぶ。垂直な壁79、80は、たとえば、エポキシで、所定場所に接着され、次いで、完成したチューブ75の外面を被覆して滑らかで強い構造を形成してもよい。たとえば、チューブの外面をHysolョエポキシでゲル・コーティングしてもよい。次いで、チューブの一端を、図11に示すように、チューブ75の内径孔内に端栓109を接着することによって塞ぎ、壁79、80によって構成されるカドラントをシールするとよい。次に、センタレス研削/機械加工作業を実施して、Oリング溝102、くぼんだ部分100およびスロット103(図11、13には図示せず)を形成する。次に、図13の側面図、図14の端面図に示すように、チューブ75の他端にマニホルド49を取り付ける。マニホルド49は、たとえば、内部壁によって4つの室に分割された円筒形の囲いで形成してもよい。各室の頂部にある開口は、内側チューブ75内の4つのカドラント導管と連通し、マニホルド49の外壁にある4つのポート110は、第1弁部材43の入口、出口ポートを構成し、各々、マニホルドの1つの室に開口しており、ここに導管26、28、30、31が接続する。
【0040】
ここで、本発明がここに図示し、説明した部分の特別な構造、配置に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に定義されるような修正形態のすべても含むことは了解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明による能動的磁気再生冷凍装置の単純化した概略図である。
【図2】 図2は、本発明の冷凍装置を組み入れた冷凍システムの流体流れ概略図である。
【図2A】 図2Aは、図2と同様の冷凍システムの流体流れ概略図であるが、流体を高温から低温まで急冷するように改造した例を示す図である。
【図3】 図3は、ホット、コ―ルド熱交換器と連動する分配弁の動作を示す図であり、分配弁および再生器ベッドの第1末端位置を示す図である。
【図4】 図4は、分配弁および再生器ベッドの第2末端位置を示す、図3と同様の図である。
【図5】 図5は、分配弁の可動第2弁部材およびそれに取り付けた磁気再生器ベッドの横断面図である。
【図6】 図6は、分配弁の第1弁部材の外観図である。
【図7】 図7は、分配弁の第1弁部材の分割した管腔内側チューブの好ましい構築例を示す簡略図である。
【図8】 図8は、分配弁の第1弁部材の分割した管腔内側チューブの好ましい構築例を示す簡略図である。
【図9】 図9は、分配弁の第1弁部材の分割した管腔内側チューブの好ましい構築例を示す簡略図である。
【図10】 図10は、分配弁の第1弁部材の分割した管腔内側チューブの好ましい構築例を示す簡略図である。
【図11】 図11は、分配弁の第1弁部材の分割した管腔内側チューブの好ましい構築例を示す簡略図である。
【図12】 図12は、分配弁の第1弁部材の分割した管腔内側チューブの好ましい構築例を示す簡略図である。
【図13】 図13は、分配弁の第1弁部材の分割した管腔内側チューブの好ましい構築例を示す簡略図である。
【図14】 図14は、分配弁の第1弁部材の分割した管腔内側チューブの好ましい構築例を示す簡略図である。

Claims (25)

  1. (a)磁場を発生する磁石と、
    (b)多孔質であり、伝熱流体が通過できる、磁気熱量効果を示す材料を含むベッドと、
    (c)往復動式駆動部と、を含む能動的磁気再生冷凍装置であって
    (d)互いに摺動自在に係合した第1弁部材及び可動第2弁部材を有する分配弁であって、第1弁部材及び可動第2弁部材の各々が伝熱流体の出入りできるポートを有する分配弁を有し、
    (e)ベッドは、可動第2弁部材と一緒に動けるように可動第2弁部材に取り付けられた磁気再生ベッドであり、可動第2弁部材は、ベッドの第1サイドに開くポートと、ベッドの第2サイドに開くポートとを有し、これらのポート間を流れる流体がベッドの磁気熱量材料を通って流れるようになっており、
    (f)往復動式駆動部は、可動第2弁部材に連結されており、可動第2弁部材及びこれに取り付けられた再生器ベッドを、再生器ベッドが磁石の磁場外にある第1位置と、再生器ベッドが磁石の磁場内にある第2位置との間で摺動させるようになっており、
    (g)ホット熱交換器と、
    (h)コールド熱交換器と、
    (i)第1弁部材のポート、並びにホット熱交換器及びコールド熱交換器に連結された導管とを有し、この導管は回路内で伝熱流体を導くようになっており、この回路は、ベッドが磁場外にあるときにベッドから分配弁を通ってコールド熱交換器まで、次いで分配弁を通って戻る回路を構成し、ベッドが磁場内にあるときにベッドから分配弁を通ってホット熱交換器まで、次いで分配弁を通って戻る回路を構成するようになっており、分配弁は導管を通る流れの循環が分配弁の両位置で同じ方向を維持するように、且つベッドを通る流れの方向が弁の各々の位置で逆転するように、分配弁を通る流れを導くようになっており、
    (j)伝熱流体をホット熱交換器及びコールド熱交換器、導管、並びに分配弁を通して動かすために導管に連結されているポンプと、を含むことを特徴とする能動的磁気再生冷凍装置。
  2. 第1弁部材は、外面を有する細長い中空の内側チューブとして形成されており、
    可動第2弁部材は、内側チューブの外径よりも僅かに大きい内径を有する細長い中空のチューブとして形成されており、軸線方向に摺動するように内側チューブに取り付けられており、
    内側チューブは、4つのカドラント導管を画定するために4つのカドラントに分割された内側管腔を有し、内側チューブの壁に二対の開口を含み、第1対の開口は4つのカドラント導管のうちの2つと連通し磁石の磁場外の位置に配置されており、第2対の開口は他の2つのカドラント導管と連通し磁石の磁場内の位置に配置されており、
    ベッドは、可動第2弁部材の外側チューブの周りに取り付けられており、
    ベッドと連通する第2弁部材のポートは、内側チューブの開口対間の間隔と等しい距離の間隔を隔てており、
    分配弁の第1位置では、ベッド内に開いている可動第2弁部材のポートが内側チューブの最初の二つのカドラント導管と連通しており、
    分配弁の第2位置では、ベッド内に開いている可動第2弁部材のポートが第1位置で連通していなかったカドラント導管と連通するようになっている、請求項1に記載の装置。
  3. 各再生器ベッドは、円筒形の外側ケーシング及び端壁を含み、ケーシングの壁、端壁、及び可動第2弁部材の外側チューブの間に環状の囲いを画定し、この環状の囲いが多孔質の磁気熱量材料で満たされている、請求項1又は請求項2に記載の装置。
  4. 前記コールド熱交換器は、流体を冷却するためのものであり、
    ベッドが磁場外にあるときに、回路は、ベッドから分配弁を通り、次いでコールド熱交換器を通り、次いでポンプを通り、次いで分配弁に戻る第1副回路、及びベッドから分配弁に戻る第2副回路を含み、
    ベッドが磁場内にあるときに、回路は、ベッドから分配弁を通り、次いでホット熱交換器を通り、次いでポンプを通り、次いで分配弁に戻るようになっている、請求項1又は請求項2に記載の装置。
  5. ポンプから通じる導管に連結されソレノイド作動式弁と、
    駆動部及びソレノイド弁に接続されたコントローラとを含み、このコントローラは、選択時間で分配弁を切り替えて選択時間の間第1及び第2位置で分配弁を停止させ、さらに分配弁が2つの位置の間で切り替えられるときにソレノイド弁を制御してポンプからの伝熱流体の流れを防ぎ、且つ分配弁がその2つの位置で停止しているときにソレノイド弁を開いてポンプからの流れを許すように駆動部を制御する、請求項1又は請求項2に記載の装置。
  6. ポンプの周りに連結され、且つコントローラに連結されたソレノイド弁を含み、ソレノイド弁は、分配弁がその2つの位置で停止しているときに閉じ、且つ分配弁が2つの位置の間で切り替えられているときに開くように制御される、請求項5に記載の装置。
  7. 磁石は、超伝導体のソレノイド巻線で形成されており、
    さらに巻線を冷やすように超伝導体のソレノイド巻線を保持するデューア瓶と、ソレノイド超伝導巻線を通って延びるデューア瓶の中央開口とを含み、
    分配弁およびそれに取り付けた再生器ベッドは、デューア瓶の開口内に位置決めされ、駆動部によって可動第2弁部材を、前記少なくとも一つの再生器ベッドがソレノイド巻線内に発生した磁場外にある第1位置から、前記少なくとも一つの再生器ベッドがソレノイド巻線の磁場内にある第2位置へ移動させることができるようになっている、請求項1又は請求項2に記載の装置。
  8. 可動第2弁部材の少なくとも一つのポートは、一つ又はそれ以上のスロットを含み、このスロットは、再生器ベッドのケーシングの端壁に近接した位置で可動第2弁部材の外側チューブの壁を貫いて形成される、請求項3に記載の装置。
  9. 内側チューブの管腔は、内側チューブを通じて軸線方向に延び、且つ内側チューブの円筒形の壁と係合した、交差する真直ぐな壁によって4つのカドラント導管に分割されている、請求項2に記載の装置。
  10. 第1弁部材は、内側チューブの端に取り付けられたマニホルドを含み、このマニホルドは4つのチャンバを有し、各チャンバは、内側チューブの分割された管腔の4つのカドラント導管の1つと連通しており、
    第1弁部材のポートは、マニホルド内の4つのチャンバに通じるマニホルドの開口として形成されており、各ポートが内側チューブの分割された管腔のカドラント導管の1つと連通している、請求項2に記載の装置。
  11. 前記再生器ベッドが第1再生器ベッドであり、
    前記装置は、多孔質であり、そこを通して伝熱流体が流れるのを許す、磁気熱量効果を示す材料を含む第2再生器ベッドを含み、
    第2再生器ベッドが、2つの再生器ベッドが互いに間隔を隔てるように可動第2弁部材に取り付けられており、
    可動第2弁部材は、第2再生器ベッドの第1サイドに開く1つのポートと、第2再生器ベッドの第2サイドに開く1つのポートとを有し、これらのポート間を流れる流体が第2再生器ベッドの磁気熱量材料を通って流れるようになっており、
    第1再生器ベッドが磁場外にあるときに、回路は、第1再生器ベッドから分配弁を通ってコールド熱交換器まで、次いで分配弁を通って第2再生器ベッドに戻り、次いで分配弁を通ってホット熱交換器まで、次いで分配弁を通って戻るようになっており、
    第1再生器ベッドが磁場内にあるときに、回路は、第1再生器ベッドから分配弁を通ってホット熱交換器まで、次いで分配弁を通って第2再生器ベッドに戻り、次いで分配弁を通ってコールド熱交換器まで、次いで分配弁を通って戻るようになっている、請求項1に記載の装置。
  12. 第1弁部材は、外面を有する細長い中空の内側チューブとして形成されており、可動第2弁部材は、内側チューブの外径より僅かに大きい内径を有する細長い中空のチューブとして形成され、軸線方向に摺動するように内側チューブに取り付けられており、
    内側チューブは、4つのカドラント導管を画定するために4つのカドラントに分割された内側管腔を有し、内側チューブの壁に三対の開口を含み、等しい間隔を隔てた二対の開口は、4つのカドラント導管のうちの2つと連通し磁石の磁場外の位置に配置されており、第3の開口対は、他の二対の間に位置決めされたの二つのカドラント導管と連通し磁石の磁場内に配置されており、
    第1再生器ベッド及び第2再生器ベッドは、可動第2弁部材の外側チューブの周りに取り付けられており、
    ベッドと連通している可動第2弁部材のポートは、内側チューブにある開口対の間隔と等しい間隔を隔てており、
    分配弁の第1位置では、第1ベッド内に開いている可動第2弁部材のポートが内側チューブの最初の2つのカドラント導管と連通し、第2ベッド内に開いている可動第2弁部材のポートが内側チューブの他の2つのカドラント導管と連通しており、
    分配弁の第2位置では、2つのベッド内に開いている可動第2弁部材のポートは、第1位置で連通していなかったカドラント導管と連通するようになっている、請求項11に記載の装置。
  13. 各再生器ベッドは、円筒形の外側ケーシング及び端壁を含み、ケーシングの壁、端壁、及び可動第2弁部材の外側チューブの間に環状の囲いを画定し、この環状の囲いが多孔質の磁気熱量材料で満たされている、請求項11又は請求項12に記載の装置。
  14. 前記コールド熱交換器は、流体を冷却するためのものであり、
    ベッドが磁場外にあるときに、回路は、ベッドから分配弁を通り、次いでコールド熱交換器を通り、次いでポンプを通り、次いで分配弁に戻る第1副回路、及びベッドから分配弁に戻る第2副回路を含み、
    ベッドが磁場内にあるときに、回路は、ベッドから分配弁を通り、次いでホット熱交換器を通り、次いでポンプを通り、次いで分配弁に戻るようになっている、請求項11又は請求項12に記載の装置。
  15. ポンプから通じる導管に連結されソレノイド作動式弁と、
    駆動部及びソレノイド弁に連結されたコントローラとを含み、このコントローラは、選択時間で分配弁を切り替え、選択時間の間第1及び第2位置で分配弁を停止させ、さらに分配弁が2つの位置の間で切り替えられるときにソレノイド弁を制御してポンプからの伝熱流体の流れを防ぎ、且つ分配弁がその2つの位置で停止しているときにソレノイド弁を開いてポンプからの流れを許すように駆動部を制御する、請求項11又は請求項12に記載の装置。
  16. ポンプの周りに連結され、且つコントローラに連結されたソレノイド弁を含み、ソレノイド弁は、分配弁がその2つの位置で停止しているときに閉じ、且つ分配弁が2つの位置の間で切り替えられているときに開くように制御される、請求項15に記載の装置。
  17. 磁石は、超伝導体のソレノイド巻線で形成されており、
    さらに巻線を冷やすように超伝導体のソレノイド巻線を保持するデューア瓶と、ソレノイド超伝導巻線を通って延びるデューア瓶の中央開口とを含み、
    分配弁およびそれに取り付けた少なくとも一つの再生器ベッドは、デューア瓶の開口内に位置決めされ、駆動部によって可動第2弁部材を、前記少なくとも一つの再生器ベッドがソレノイド巻線内に発生した磁場外にある第1位置から、前記少なくとも一つの再生器ベッドがソレノイド巻線の磁場内にある第2位置へ移動させることができるようになっている、請求項11又は請求項12に記載の装置。
  18. 可動第2弁部材の少なくとも一つのポートは、一つ又はそれ以上のスロットを含み、このスロットは、再生器ベッドのケーシングの端壁に近接した位置で可動第2弁部材の外側チューブの壁を貫いて形成される、請求項13に記載の装置。
  19. 内側チューブの管腔は、内側チューブを通じて軸線方向に延び、且つ内側チューブの円筒形の壁と係合した交差する真直ぐな壁によって、4つのカドラント導管に分割されている、請求項12に記載の装置。
  20. 第1弁部材は、内側チューブの端に取り付けられたマニホルドを含み、このマニホルドは4つのチャンバを有し、各チャンバは、内側チューブの分割された管腔の4つのカドラント導管の1つと連通しており、
    第1弁部材のポートが、マニホルド内の4つのチャンバに通じるマニホルドの開口として形成されており、各ポートが内側チューブの分割された管腔のカドラント導管の1つと連通している、請求項12に記載の装置。
  21. 駆動部は、可動第2弁部材を、第1再生器ベッドが磁石の磁場外にあり第2再生器ベッドが磁場内にある第1位置と、第1再生器ベッドが磁石の磁場内にあり第2再生器ベッドが磁石の磁場外にある第2位置との間で移動させる、請求項11又は請求項12に記載の装置。
  22. 可動第2弁部材の外側チューブは、可動第2弁部材のすべての位置で第1弁部材の内側チューブにあるすべての開口対を覆い、
    内側チューブの開口に隣接して、内側チューブと外側チューブの間のシールを含み、このシールは、内側チューブの開口から内側チューブと外側チューブの間の間隙への伝熱流体の流れを防いでおり、
    溝が、内側チューブの開口の両側の位置の内側チューブの外面に形成されており、
    溝内に取り付けられたOリングを含み、このOリングは、外側チューブの内面をシールして各開口の周りにシールを提供し、流体が開口から内側チューブと外側チューブの間の間隙に流れるのを妨げると共に、内側チューブと外側チューブが互いに摺動するのを可能にする、請求項1、請求項2、請求項11、又は請求項12の何れか1項に記載の装置。
  23. 可動第2弁部材の外側チューブは、可動第2弁部材のすべての位置で第1弁部材のすべての開口対を覆うようになっており、
    内側チューブの開口に隣接して、内側チューブと外側チューブの間のシールを含み、このシールは、内側チューブの開口から内側チューブと外側チューブの間の間隙への伝熱流体の流れを防ぐようになっている、請求項1、請求項2、請求項11、又は請求項12の何れか1項に記載の装置。
  24. 窪みが、内側チューブの外周の内側チューブの各開口の位置に形成されており、流体が開口まで、又は開口から内側チューブ外周の窪み内全体に流れるようになっている、請求項1、請求項2、請求項11、又は請求項12の何れか1項に記載の装置。
  25. 駆動部は、空気シリンダを備え、この空気シリンダは、空気シリンダから延びて可動第2弁部材の外側チューブに連結されたシャフトを備え、
    空気シリンダは、シャフト及びシャフトに連結された外側チューブが第1位置と第2位置との間で作動するように駆動する、請求項1、請求項2、請求項11、又は請求項12の何れか1項に記載の装置。
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