JP4282348B2 - プラスチックレンズの染色方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた均染性で染色し得るとともに、染色後の処理が容易なプラスチックレンズの染色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラスチックレンズはガラスレンズの代わりに多方面で使用されているが、中でも視力矯正用に使用するコンタクトレンズや眼鏡用レンズはコスメティック効果等の目的からレンズを染色することが盛んに行われている。ガラスレンズがプラスチックレンズに置き換えられる理由として、プラスチックレンズの軽量性及び安全性の他に容易に染色できる可染性を挙げることができる。
【0003】
プラスチックレンズの染色に関しては、従来から浸漬法が用いられている。この方法は、プラスチックレンズに対して着色能を有する分散染料を水に溶解及び/又は懸濁させた染色液を加熱し、その中に染色すべきプラスチックレンズを所定の時間浸漬した後、プラスチックレンズを加熱して、レンズ内部に浸透した染料をさらに内部に拡散させて安定化する方法である。
【0004】
しかしながらこの方法では、染色液中の分散染料の濃度、染色液の温度、及びプラスチックレンズの着色能等に依存して、着色レンズの色調が大きく変わりやすく、均一な色調を有する着色レンズを安定して得ることが困難である。また最近、高付加価値を求める市場ニーズに応えて、プラスチックレンズ素材の多様化が進んだ結果、浸漬法では染色が困難な素材が増えてきている。
【0005】
浸漬法では染色が困難であったプラスチックレンズを容易に染色できる方法として、気相法が提案されている。この方法としては、例えば昇華性染料を有する基体とプラスチックレンズとを一定の間隔をもって対向させ、昇華性染料を昇華させてプラスチックレンズを染色する方法[例えば特開平1-277814号、特開2000-329901号(特許文献1及び2)]が知られている。しかしこれらの方法では、着色レンズの染色ムラを防ぐために基体とレンズとの間に一定の間隔を設けて染色するので、着色レンズの染色濃度に限界がある。
【0006】
プラスチックレンズの染色濃度を上げるために、レンズ表面にウレタン樹脂等からなるインク受容層を設け、インクジェットプリンタにより当該インク受容層に昇華性染料を含むインクを印刷した後、プラスチックレンズを加熱することにより染色する方法[例えば、特開平8-20080号(特許文献3)]が提案されている。しかしながらこの方法では、インクジェットプリンタによりインク受容層に昇華性染料を印刷する際、インク受容層に横筋状の印刷ムラが形成され、このため着色レンズにも横筋状の染色ムラができてしまうという問題がある。また染色後に着色レンズからインク受容層を除去するのが困難であるという問題もある。
【0007】
このため昇華性染料を有する水溶性ポリマーからなるインク受容層を用いてプラスチックレンズを染色し、得られた着色レンズからインク受容層を水で洗浄することにより除去する方法[例えば、特許第3075403号(特許文献4)]が提案されている。しかしながら、水溶性ポリマーからなるインク受容層を用いても着色レンズからインク受容層を完全に除去するのは容易でない。また上記いずれのインク受容層を用いる方法でも大気中でプラスチックレンズを加熱して染色しただけでは、高濃度に染色されたプラスチックレンズを得ることはできない。高濃度の着色レンズを得るためには、長時間及び/又は高温の加熱処理が必要となるが、長時間染色処理を行うと作業効率が悪くなり、高温で染色処理を行うとプラスチックレンズが変形してしまうという問題がある。
【0008】
そこで本出願人は先に、プラスチックレンズ表面に水溶性ポリマーからなるインク受容層を設け、インク受容層に昇華性染料を含むインクをインクジェットプリンタにより印刷し、得られたプラスチックレンズを加熱水蒸気雰囲気中で染色処理することにより、効率よく高濃度にプラスチックレンズを染色することを提案した(特願2002-198852号)。しかしながらこの方法でも、インク受容層の横筋状の印刷ムラにより着色レンズに横筋状の染色ムラができてしまう。また着色レンズからインク受容層を除去するのが困難であるという問題もある。
【0009】
【特許文献1】
特開平1-277814号公報
【特許文献2】
特開2000-329901号公報
【特許文献3】
特開平8-20080号公報
【特許文献4】
特許第3075403号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、優れた均染性で染色し得るとともに、染色後にはインク受容層を容易に除去できるプラスチックレンズの染色方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、昇華性染料を含有するインク受容層とプラスチックレンズとの間に、剥離層を設けてプラスチックレンズを染色すれば、(1) インク受容層の昇華性染料がプラスチックレンズに転写される際、剥離層を介することでインク受容層の印刷パターンがぼかされて転写されるため、着色レンズにおける横筋状のムラができないこと、(2) 染色後、プラスチックレンズからインク受容層ごと剥離層を剥離できることを発見し、本発明に想到した。
【0012】
すなわち、本発明のプラスチックレンズの染色方法は、プラスチックレンズと、剥離層と、昇華性染料を含有するインク受容層とを用いたプラスチックレンズの染色方法であって、前記プラスチックレンズの表面に前記剥離層を形成し、前記剥離層の上にインク受容層を形成することで、前記プラスチックレンズと前記インク受容層との間に前記剥離層を設け、前記インク受容層に昇華性染料を含有させた後、前記プラスチックレンズを加熱すると、前記インク受容層の少なくとも一部の前記昇華性染料が前記剥離層を透過して前記プラスチックレンズに転写され、もって前記プラスチックレンズを染色することを特徴とする。
【0013】
染色後、プラスチックレンズからインク受容層ごと剥離層を剥離するのが好ましい。また剥離剤を用いてプラスチックレンズから剥離層を除去すると同時に、インク受容層も剥離するのも好ましい。
【0014】
インク受容層に昇華性染料を含有させる方法としては、昇華性染料を含むインクを用いてインクジェットプリンタによりインク受容層に所望のパターンで印刷するのが好ましい。加熱処理は水蒸気雰囲気中で行うのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
[1] 剥離層
本発明で用いる剥離層は、加熱処理時にプラスチックレンズに密着するとともに、インク受容層の少なくとも一部の昇華性染料を速やかに透過してプラスチックレンズへ転写する。また染色処理後には、プラスチックレンズからインク受容層ごと剥離層を剥離できるか、又は剥離剤を用いてプラスチックレンズから剥離層を除去できるのが好ましい。
【0016】
プラスチックレンズから剥離できる剥離層を形成する材料としては、例えばシリコン樹脂、天然ゴム、アセチルセルロース等が好ましい。剥離剤を用いてプラスチックレンズから除去できる剥離層を形成する材料としては、有機溶媒に対する溶解性が高いポリマーが好ましく、特にアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂及び塩化ビニル樹脂等が好ましい。
【0017】
剥離剤としては、プラスチックレンズが溶解せず、かつ剥離層に対する溶解性が高いものであればよく、特に制限はない。このような剥離剤としては、例えばケトン類、エステル類、芳香族化合物及び塩素化炭化水素等が好ましい。
【0018】
剥離層の厚さは1〜50μmであるのが好ましい。剥離層の厚さが1μm未満であると、インク受容層の横筋状の印刷ムラが十分にぼかされず、着色レンズに横筋状の染色ムラができてしまう。剥離層の厚さが50μm超であると、インク受容層の昇華性染料がプラスチックレンズに転写されるのに時間がかかりすぎるので好ましくない。
【0019】
[2] インク受容層
本発明で用いるインク受容層は、昇華性染料に対する親和性が低いものが好ましい。加熱水蒸気雰囲気中でプラスチックレンズを染色する場合、インク受容層は吸水して型崩れしないものが好ましい。このようなインク受容層を形成する材料としては、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、水溶性ポリエステル、水溶性ナイロン及びポリビニルピロリドン、水溶性セルロースエーテル等が好ましい。これらのポリマーは単独で用いても数種類併用してもよい。
またインク受容層と基材との間に剥離層を設けるため、インク受容層はインクを受容するものであれば良く、水溶性にはこだわらなくてもよい。一般的に使用されている多くのインク受容層が使用可能であり、ポリエステル系樹脂やポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂が代表例として挙げられる。
さらにインク受容層中に、インクの吸収を良くするために、酸化ケイ素などの繊維状物質を混入してもよい。
【0020】
インク受容層の厚さは1〜50μmであるのが好ましい。インク受容層の厚さが1μm未満であると、プラスチックレンズに転写される十分な量の昇華性染料を含有することができない。インク受容層の厚さが50μm超であると、インク受容層の昇華性染料がプラスチックレンズに転写されるのに時間がかかりすぎるので好ましくない。
【0021】
[3] プラスチックレンズの素材
本発明の染色方法を適用するプラスチックレンズの素材には特に制限はない。適用可能な素材としては、例えばメチルメタクリレート単独重合体、メチルメタクリレートと1種類以上の他のモノマーとの共重合体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート単独重合体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートと1種類以上の他のモノマーとの共重合体、イオウ含有共重合体、ハロゲン含有共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン等が挙げられる。
【0022】
[4] 昇華性染料
昇華性染料は加熱により昇華する性質を有するものであれば良く、特に制限はない。このような昇華性染料の例としては、カヤセットブルーN(日本化薬(株))、スミカロンイエローEG(住友化学工業(株))、カヤセットブルー906(日本化薬(株))、カヤセットブラウン939(日本化薬(株))等が挙げられる。また分散済みの昇華染料でもよく、このような例としてはHANAE II((株)サンリュウ)、インクジェットプリンタ用昇華インクカートリッジ((株)エルテックス)などが挙げられる。
【0023】
[5] プラスチックレンズの染色方法
本発明の好ましい染色方法について以下詳細に記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
(1) 各層の形成
(a) 剥離層の形成
剥離層をプラスチックレンズ表面に形成する方法としては、特に制限はないが、例えば液体の剥離層の材料を直接プラスチックレンズにコーティングするか、又は固体の剥離層の材料を有機溶媒に溶解して剥離層溶液を調製し、得られた剥離層溶液をプラスチックレンズにコーティングした後、剥離層溶液を乾燥して剥離層を形成させる方法を用いてもよい。剥離層溶液の乾燥は室温で行ってもよいが、必要に応じてプラスチックレンズを20〜150℃に加熱してもよい。
【0025】
固体の剥離層の材料を有機溶媒に溶解する場合、有機溶媒としては容易に揮発するとともにプラスチックレンズを溶解しないものであれば特に制限されない。このような有機溶媒は、例えばアセトン、塩化メチレン、トルエン、及びエタノール等が挙げられる。これらの溶媒を単独で用いてもよいし、混合溶媒として用いてもよい。
【0026】
剥離層溶液における剥離層の材料の含有量は1〜30重量%であるのが好ましい。含有量が1重量%未満であると、溶液の粘度が低くなりすぎ、プラスチックレンズ表面にコーティングする際、剥離層溶液が流れやすくなり、必要な厚さを有する剥離層を形成し難くなる。また含有量が30重量%超であると、剥離層溶液の粘度が高くなりすぎ、プラスチックレンズ表面に均一な厚さの剥離層を形成するのが困難になる。
【0027】
剥離層溶液をプラスチックレンズ表面にコーティングする方法としては、均一な厚さでムラなくコーティングできる方法であればよく、特に制限はない。このような方法の例としては、刷毛塗り、ディップ法、スピンコート法及びスプレー法等が挙げられる。
【0028】
(b) インク受容層の形成
(a)でプラスチックレンズ表面に設けた剥離層上にインク受容層を形成する方法としては、特に制限はないが、例えば水又は有機溶媒にポリマーを溶解させてインク受容層溶液を調製し、このインク受容層溶液を剥離層上にコーティングした後、加熱することによりインク受容層を形成するのが好ましい。有機溶媒としては例えばエタノール、イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ及びジメチルホルムアミド等を用いるのが好ましい。これらの溶媒を単独で用いてもよいし、混合溶媒として用いてもよい。インク受容層溶液を剥離層にコーティングする方法は、(a)のコーティング方法と同じでよい。
【0029】
インク受容層溶液におけるポリマーの含有量は1〜30重量%であるのが好ましい。含有量が1重量%未満であると、インク受容層溶液の粘度が低くなりすぎ、剥離層にコーティングする際、インク受容層溶液が流れやすくなり、必要な厚さを有するインク受容層を形成し難くなる。また含有量が30重量%超であると、インク受容層溶液の粘度が高くなりすぎ、剥離層に均一な厚さのインク受容層を形成するのが困難になる。
【0030】
インク受容層溶液をプラスチックレンズ表面にコーティングした後、プラスチックレンズを20〜150℃に、1分〜12時間程度加熱して乾燥することによりインク受容層を形成するのが好ましい。
【0031】
(2) プラスチックレンズの染色方法
本発明のプラスチックレンズの染色方法は、(1)の方法によりプラスチックレンズ上に剥離層及びインク受容層を順に形成し、インク受容層に昇華性染料を含むインクをインクジェットプリンタにより印刷した後、プラスチックレンズを加熱(又は水蒸気雰囲気中で加熱)してプラスチックレンズを染色する方法である。染色後にはプラスチックレンズからインク受容層ごと剥離層を剥離するか、又は剥離剤を用いてプラスチックレンズから剥離層を除去すると同時に、インク受容層を剥離する。
【0032】
図1は本発明の染色方法の概略図である。図1(a)に示すように、(1)の方法によりプラスチックレンズ1上に剥離層2及びインク受容層3を順に形成した後、インク受容層3にインクジェットプリンタのノズル4から昇華性染料を含むインク5を噴出し、昇華性染料の印刷層6を形成する。このレンズ1を適当なレンズ保持部材(図示せず)に固定し、プラスチックレンズ1を加熱(又は水蒸気雰囲気中で加熱)するための装置内に載置する。
【0033】
図1(b)に示すように、プラスチックレンズ1を加熱(水蒸気雰囲気中で加熱)すると、昇華性染料の分子は昇華してインク受容層3から剥離層2を透過してプラスチックレンズ1に転写され、さらにプラスチックレンズ1の内部に拡散する。インク受容層3の印刷層6に横筋状の印刷ムラがあっても、昇華性染料が剥離層2を透過すると印刷層6の印刷パターンがぼかされるので、プラスチックレンズ1には横筋状の染色ムラはできない。
【0034】
図1(c)に示すように、プラスチックレンズ1から剥離層2を剥離する場合、インク受容層3ごと剥離層2を剥離する。また図1(d)に示すように、剥離剤を用いてプラスチックレンズ1から剥離層2を除去する場合、剥離剤8を含む容器9にプラスチックレンズ1を浸漬し、プラスチックレンズ1から剥離層2を溶解して除去すると同時にインク受容層3を剥離する。これにより均染性に優れた着色層7を有するプラスチックレンズ1が得られる。
【0035】
加熱処理は大気中で実施しても良いが、水蒸気雰囲気中で行うのが好ましい。水蒸気雰囲気中で加熱処理する場合、水蒸気雰囲気中の相対湿度は50〜100%であると染色効果は向上する。相対湿度が50%以上であると、染色効果は向上する。なお大気中で加熱処理する場合電気炉等を使用できるが、水蒸気雰囲気中で染色する場合はオートクレーブやプレッシャークッカー等を使用する。
【0036】
加熱温度は所望の染色濃度に依存するが、80〜200℃であるのが好ましい。加熱温度が80℃未満であると、十分な染色効果が得られず、また200℃超であると、プラスチックレンズ1の変色及び変形が起こる。より好ましい加熱温度は100〜150℃である。
【0037】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0038】
実施例1
チオウレタン系モノマー(三井化学(株)製、MR-8)からなるプラスチックレンズの表面に、二液性のシリコン樹脂(信越化学工業(株)製、KE1603-A/B)を塗布した後、乾燥させて剥離層としてシリコン樹脂層を設けた。プラスチックレンズ表面に設けた剥離層上にインク受容層としてポリビニルアルコール層を設けた。図1(a)に示すように、インク受容層3にインクジェット用昇華性分散染料((株)サンリュウ製、HANAE-II)を含むインク5をインクジェットプリンタ((株)マスターマインド製、MMP-900RT)によりに印刷した。得られたプラスチックレンズ1をレンズ保持部材(図示せず)に固定し、プレッシャークッカー((株)平山製作所製)内に載置した。図1(b)に示すように、プレッシャークッカー内を相対湿度90%として、レンズ1を130℃に加熱し、1時間染色処理を行った。
【0039】
図1(c)に示すように、プラスチックレンズ1からインク受容層3ごと剥離層2を剥離した後、着色レンズ1の均染性を目視で調べたところ、レンズ1全体が均一でムラがなく染色されたことが確認された。
【0040】
実施例2
剥離層としてアクリル樹脂(綜研化学(株)製、ケミスノーMP-1451)を用いた以外、実施例1と同様な方法でプラスチックレンズを染色した。図1(d)に示すように、剥離剤8としてアセトンを含む容器9に染色されたプラスチックレンズ1を浸漬することにより、プラスチックレンズ1から剥離層2を溶解して除去すると同時にインク受容層3を剥離した。着色レンズ1の均染性を目視で調べたところ、レンズ1全体が均一でムラがなく染色されたことが確認された。
【0041】
比較例1
剥離層を設けない以外、実施例1と同様な方法でプラスチックレンズを染色した。染色後、水による洗浄でインク受容層を除去したが、完全にインク受容層を除去できなかった。また着色レンズの均染性を目視で調べたところ、着色レンズに横筋状の染色ムラができていた。
【0042】
【発明の効果】
上記の通り、本発明のプラスチックレンズの染色方法では、昇華性染料を含有するインク受容層とプラスチックレンズとの間に剥離層を設けてプラスチックレンズを染色する。そのため(1) インク受容層の昇華性染料がプラスチックレンズに転写される際、剥離層を介することでインク受容層の印刷パターンがぼかされて転写されるため、高い均染性で着色レンズを得ること、(2) 着色レンズからインク受容層ごと剥離層を剥離するか、又は剥離剤を用いて着色レンズから剥離層を除去すると同時に、インク受容層を剥離することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるプラスチックレンズの染色方法を示す概略断面図であり、(a)はプラスチックレンズ上の剥離層に設けたインク受容層にインクジェットプリンタにより昇華性染料を含むインクを印刷する様子を示し、(b)は得られたプラスチックレンズを加熱(水蒸気雰囲気中で加熱)する様子を示し、(c)は着色レンズからインク受容層ごと剥離層を取り除く様子を示し、(d)は着色レンズを剥離剤に浸漬することにより、着色レンズから剥離層を除去する様子を示す。
【符号の説明】
1・・・プラスチックレンズ
2・・・剥離層
3・・・インク受容層
4・・・インクジェットプリンタのノズル
5・・・昇華性染料を含むインク
6・・・昇華性染料の印刷層
7・・・プラスチックレンズの着色層
8・・・剥離剤
9・・・容器

Claims (4)

  1. プラスチックレンズと、剥離層と、昇華性染料を含有するインク受容層とを用いたプラスチックレンズの染色方法であって、
    前記プラスチックレンズの表面に前記剥離層を形成し、前記剥離層の上にインク受容層を形成することで、前記プラスチックレンズと前記インク受容層との間に前記剥離層を設け、
    前記インク受容層に昇華性染料を含有させた後、前記プラスチックレンズを加熱すると、前記インク受容層の少なくとも一部の前記昇華性染料が前記剥離層を透過して前記プラスチックレンズに転写され、
    もって前記プラスチックレンズを染色することを特徴とするプラスチックレンズの染色方法。
  2. 請求項1に記載のプラスチックレンズの染色方法において、前記プラスチックレンズから前記インク受容層ごと前記剥離層を剥離することを特徴とする方法。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載のプラスチックレンズの染色方法において、前記昇華性染料を含むインクを用いてインクジェットプリンタにより前記インク受容層に所望のパターンで印刷することを特徴とする方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチックレンズの染色方法において、前記加熱処理を水蒸気雰囲気中で行うことを特徴とする方法。
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