JP4282142B2 - 通信機能付きメータ用データ送受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、通信機能を有するガスメータや電力メータや水道メータ等の通信機能付きメータにおける積算値データや固有データ等を非接触で読み取ることができる通信機能付きメータ用データ送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、メータにマイコンを内蔵し、ガス使用量の積算値やガス使用時の異常を監視するガスメータ(以下、マイコンメータと言う)は普及しており、電話回線を利用し、ガス事業者へマイコンメータの積算値の自動検針やガス使用時の異常情報を送信することは行われている。
【0003】
また、電話回線を利用しないで検針する場合には、たとえば検針員がハンディーターミナルを持ってマイコンメータの設置場所まで行き、マイコンメータの積算値を目視して、人手によりハンディーターミナルに手入力する検針方法も普及している。
【0004】
さらに、特開平5−101293号公報に記載されているように、電磁誘導式の送受信部と表示部とマイコン部とを備えたハンディーターミナルを使用して、マイコンメータの積算値を非接触で直接読み取る検針方法もすでに提供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マイコンメータに電話回線を接続して通信を行うシステムでは、通信の設備投資が高いため、通信機能があるマイコンメータを使用していても、現実には全体設置率の僅かしかその通信機能を利用しておらず、一ガス事業者の中でも電話回線利用による自動検針とハンディーターミナルによる人手入力検針とを併用しているのが実状である。この人手入力検針の場合には、データ入力ミスが発生する問題があった。
【0006】
また、マイコンメータの積算値を非接触で直接読み取れるハンディーターミナルを使用する場合には、それに対応した電磁誘導式送受信部をマイコンメータ側にも備えなければならず、その備えが無い既設のマイコンメータに適用するには難点があった。
【0007】
そこで、この発明の目的は、通信機能付きメータは広く普及してきているが、ハンディーターミナルによる検針も併用され、また非接触で読み取れるハンディーターミナルも提供されている現状に鑑み、通信機能付きメータに変更を加えることなく、その積算値データや固有データ等を、ハンディーターミナルを用いて非接触で自動的に読み取れるようにする簡易なデータ送受信装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明による通信機能付きメータ用データ送受信装置は、通信機能付きメータの通信インターフェースと接続できるシリアルインターフェース部と、このシリアルインターフェース部を通じて前記メータから読み出したデータを前回のデータとして記憶する記憶部と、前記メータから読み出したデータを、ハンディーターミナルに対しては今回のデータとして非接触で送信する送受信部と、ハンディーターミナルから発せられた電波によって誘導起電力を生ぜしめ、その電力を用いて前記記憶部および前記送受信部を駆動するアンテナコイルとを備えたことを特徴とする。
【0009】
このデータ送受信装置は、既設の通信機能付きメータにも簡単に付設できるように、メータ本体に取り付ける樹脂製ケース内に組み込むとよい。
【0010】
このデータ送受信装置の記憶部に、メータの管理番号や交換年月日等の固有データも記憶すれば、該固有データを、ハンディーターミナルからの電波による要求信号によりハンディーターミナルへ送信できる。
【0011】
また、このデータ送受信装置の記憶部に記憶されている前回の検針データと、メータから新たに読み出した今回の検針データとを、ハンディーターミナルからの電波による要求信号によりハンディーターミナルへ送信すると、今回の積算値と前回の積算値をハンディーターミナルにおいて演算して、たとえば月毎の使用量を知ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を図面にしたがって詳細に説明する。
【0013】
図1は、通信機能付きマイコンメータ(ガスメータ)10にこの発明によるデータ送受信装置20を付設し、このデータ送受信装置20を経由してマイコンメータ10の積算値データ等をハンディーターミナル30で非接触で読み取るシステムのブロック図である。
【0014】
マイコンメータ10は、マイコン11、電池12、液晶表示部13、電話回線による伝送を行う伝送装置に接続可能な2つの通信端子DT・SGを有する通信インターフェース14、外部機器インターフェース15、ガス遮断弁16、流量センサ17および積算カウンタ18から構成されている。積算カウンタ18の積算値はマイコン11の内部メモリに記憶され、その積算値データを通信インターフェース14により端子DT・SGを経由して外部へ送信できるようになっている。
【0015】
データ送受信装置20は、アンテナコイル21、送受信部22、読み書き可能な記憶部23、マイコンメータ10と通信するためのシリアル通信変換部24、マイコンメータ10の通信端子DT・SGとシリアル接続された通信インターフェース部25、およびシーケンス部26から構成され、マイコンメータ10に付設されている。
【0016】
ハンディーターミナル30は、アンテナコイル31、送受信部32、電源部33、マイコン部34、表示部35、ブザー36、およびスイッチ37から構成され、マイコンメータ10とは分離している。
【0017】
マイコンメータ10の積算値等のデータを計測する場合、データ送受信装置20のアンテナコイル21にハンディーターミナル30のアンテナコイル31を近接させ、スイッチ37をオンにしてハンディーターミナル30から電波を発し、その電波によってアンテナコイル31に誘導起電力を生ぜしめ、その電力で起動してデータ送受信装置20を経由してマイコンメータ10に要求信号を送信し、計測を開始する。
【0018】
データ送受信装置20において、アンテナコイル21でハンディーターミナル30からの信号を受信すると、誘起された電力により送受信部22、シリアル通信変換部24、記憶部23、およびシーケンス部26が駆動される。そして、記憶部23に記憶されているマイコンメータ10の管理番号や交換年月日等の固有データ、および該記憶部23に記憶されていた前回の積算値データが読み出され、シーケンス部26を経由して送受信部22からハンディーターミナル30へ送信される。
【0019】
また、データ送受信装置20において、ハンディーターミナル30からの要求信号を受信すると、その信号はシリアル通信変換部24にてマイコンメータ10との通信プロトコルに変換され、通信インターフェース部25を経由してマイコンメータ10に送信される。
【0020】
マイコンメータ10のマイコン11では、要求信号を受信すると、内部メモリに記憶している積算値データを通信インターフェース14を経由してデータ送受信装置20へ送信する。これを通信インターフェース部25にて入力したデータ送受信装置20は、シリアル通信変換部24を経由して記憶部23に送り、この記憶部23に前回積算値として記憶するとともに、ハンディーターミナル30に対しては、送受信部22により今回の積算値データとして送信する。
【0021】
上記のようにデータ送受信装置20からハンディーターミナル30へ送信された前回の積算値データおよび今回の積算値データは、ハンディーターミナル30のマイコン部34にて演算され、たとえば月毎の使用量として表示部35に表示される。また、上記のようにデータ送受信装置20から送信されたマイコンメータ10の管理番号や交換年月日等の固有データも表示される。
【0022】
図2は、マイコンメータ10の外観図で、メータ本体40の端子箱40aのプラスチック製の端子蓋(ケース)41内に、この発明によるデータ送受信装置20を一体に組み込み、この端子蓋41にて端子箱40aを閉じることにより、データ送受信装置20をメータ本体40に付設するようにした例である。この場合、データ送受信装置20は、大きくはアンテナ部とその他の電気回路部に分かれており、電気回路部に含まれる通信インターフェース部25からの2本の信号線25aを、メータ本体40の端子箱40a内に設けられている通信端子DT・SGに接続するようになっている。
【0023】
したがって、データ送受信装置20は、端子蓋41を交換するだけで、既設のマイコンメータ10に対しても容易に取り付けることができる。
【0024】
図3は、端子蓋41に代えて樹脂製の伝送ボックス(ケース)50内にデータ送受信装置20を組み込み、この伝送ボックス50をメータ本体40に直接的または間接的に取り付け、あるいは近傍に設置し、データ送受信装置20の通信インターフェース部25からの2本の信号線25aを、メータ本体40側の通信端子DT・SGに接続するようにしたものである。
【0025】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、既設または新設の通信機能付きマイコンメータの通信端子に接続して付設するから、通信機能付きマイコンメータに変更を加えることなく、その積算値データや固有データ等を、ハンディーターミナルを用いて非接触で自動的に読み取れることができるので、電話回線に接続していないマイコンメータの積算値の計測を、記入ミスや入力ミスなく正確に検針できるようになる。
【0026】
請求項2の発明によれば、メータ本体に取り付けるケース内に組み込むから、上記の効果に加え、既設のマイコンメータにも容易に取り付けることができる。
【0027】
請求項3の発明によれば、マイコンメータの管理番号や交換年月日等の固有データを読み出すことができるので、既設のマイコンメータに付設することにより、そのメータの固有データの追加または変更が可能である。
【0028】
請求項4の発明によれば、データ送受信装置の記憶部に記憶されている前回の検針データと、メータから新たに読み出した今回の検針データとを、ハンディーターミナルからの電波による要求信号により読み出すことができるので、ハンディーターミナルにおいてたとえば月毎の使用量を演算して表示できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるデータ送受信装置の内部構成と、これを使用してマイコンメータの積算値データ等をハンディーターミナルで非接触で読み取るシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明によるデータ送受信装置をマイコンメータのメータ本体に付設する一例の外観斜視図である。
【図3】別の付設例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 マイコンメータ
14 マイコンメータの通信インターフェース
20 データ送受信装置
21 アンテナコイル(アンテナ)
22 送受信部
23 記憶部
24 シリアル通信変換部
25 通信インターフェース部
26 シーケンス部
30 ハンディーターミナル
32 ハンディーターミナルの送受信部
34 ハンディーターミナルのマイコン部
41 端子蓋(ケース)
50 伝送ボックス(ケース)
Claims (4)
- 通信機能付きメータの通信インターフェースと接続できるシリアルインターフェース部と、
このシリアルインターフェース部を通じて前記メータから読み出したデータを前回のデータとして記憶する記憶部と、
前記メータから読み出したデータを、ハンディーターミナルに対しては今回のデータとして非接触で送信する送受信部と、
ハンディーターミナルから発せられた電波によって誘導起電力を生ぜしめ、その電力を用いて前記記憶部および前記送受信部を駆動するアンテナコイルと、
を備えてなることを特徴とする、通信機能付きメータ用データ送受信装置。 - メータ本体に取り付ける樹脂製ケース内に組み込んだことを特徴とする、請求項1に記載の通信機能付きメータ用データ送受信装置。
- 前記記憶部に、前記メータの管理番号や交換年月日等の固有データを記憶でき、該固有データを、前記ハンディーターミナルからの電波による要求信号により該ハンディーターミナルへ送信できることを特徴とする、請求項1、または2に記載の通信機能付きメータ用データ送受信装置。
- 前記記憶部に記憶されている前回のデータと、前記メータから読み出した今回のデータとを、前記ハンディーターミナルからの電波による要求信号により該ハンディーターミナルへ送信できることを特徴とする、請求項1、2、または3に記載の通信機能付きメータ用データ送受信装置。
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