JP4282120B2 - 手術用顕微鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は医療分野で使用される手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
手術用顕微鏡として例えば次の(1)〜(4)の文献に示されている構成が従来から知られている。(1)は特開昭62−166310号公報である。ここには実体顕微鏡の接眼部に内視鏡像等の撮像画像をモニター表示させる手段が開示されている。さらに、ここでは実体顕微鏡の光学像と内視鏡像等のモニター画像とを同一の接眼光学系に導く技術が開示されている。
【0003】
(2)は特開昭63−167317号公報である。ここには実体顕微鏡等の接眼部にデータを表示する手段が開示されている。さらに、顕微鏡等のメインの観察光束の外側からデータ等の光束を入射させることにより、顕微鏡像の射出瞳の外側にデータ像の射出瞳を投影する技術が開示されている。
【0004】
(3)は特開平3−105305号公報である。ここには実体顕微鏡の接眼部に2D内視鏡の光学像又は電子像を投影する手段が内蔵されている。さらに、ここには2D内視鏡の像を顕微鏡の左右光路に導く手段と、顕微鏡光束を遮光する部材とを備えた光学装置が開示されている。
【0005】
(4)は特開平8−140991号公報である。ここには顕微鏡の視野内又はその近傍に内視鏡画像や、患者の生体データを表示する手段が開示されている。さらに、ここには内視鏡画像等をハーフミラーで顕微鏡視野内に導く技術や、顕微鏡光路と内視鏡光路とを平行状態に並べて接眼レンズまで導き、同一視野内に表示する技術等が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(1)、(3)及び(4)の先行例に対し、顕微鏡光学像を撮影したTVカメラの映像信号と内視鏡像などのモニターに投影する映像信号は各々全く独立していたため、看護婦などがモニターを見ながら状況を把握する場合に別々のモニターを観察する必要があり、大変わずらわしいばかりでなく、術者が観察が不要と判断している視野内のモニター重畳部分をも観察してしまうために状況の把握が難しくなっていた。また、両方の画像のビデオへの記録も全く別々に行う必要があり、設備的な無駄や撮影したテープの編集・保管などについても大変効率の悪いものであった。
【0010】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、同一視野内に良好な顕微鏡光学像及び画像投影光学系からのモニター画像を得ることができる手術用顕微鏡を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、術部を観察して前記術部の顕微鏡視野の光学像を得るための顕微鏡光学系と、前記顕微鏡視野内に、前記顕微鏡光学系で得た光学像とは別のモニター画像を投影する画像投影光学系と、前記顕微鏡光学系の光路に挿脱可能に設けられ、前記顕微鏡光学系の光路内に位置したときに前記顕微鏡視野内に前記モニター画像を投影可能なプリズムと、前記プリズムを前記顕微鏡光学系の光路内に挿脱するソレノドを有した切り換え手段と、前記顕微鏡視野の光学像を撮像し、映像信号に変換する撮影機構と、前記切り換え手段の動作に連動して前記撮影機構からの映像信号に前記モニター画像の映像信号を重畳するミキサー手段と、前記ミキサー手段により処理した映像出力を表示するモニターと、を備えたことを特徴とする手術用顕微鏡システムである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図4(A),(B)を参照して説明する。図1は本実施の形態における内視鏡併用マイクロサージャリーの手術用顕微鏡システム1の概略構成を示すものである。本実施の形態の手術用顕微鏡システム1には手術用顕微鏡2と、この手術用顕微鏡2と併用される硬性鏡(内視鏡)3とが設けられている。
【0013】
また、本実施の形態の手術用顕微鏡2は図1に示すように対物レンズ4、ズーム光学系5、結像レンズ6、接眼レンズ7により、顕微鏡光学系が構成されている。このうち、ズーム光学系5、結像レンズ6、接眼レンズ7は各々左右1対の光学系(図1中に片側の光学系のみ図示)を成しており、立体観察光学系が構成されている。ここで、左右の各光学系構成要素は略同一構成になっているので、以下の説明では片側の光学系構成要素のみについて説明する。
【0014】
すなわち、本実施の形態の左右の各光学系構成ユニットには結像レンズ6の結像点に顕微鏡視野の視野面積を調整する液晶シャッター(視野調整手段)8が配置されている。この液晶シャッター8は図2に示すように液晶ドライバー9に接続されている。
【0015】
さらに、顕微鏡光学系を構成するズーム光学系5と結像レンズ6との間には、顕微鏡光学系の光軸aに対して直交する方向に伸びる光軸b方向に観察像を偏向するハーフミラー10が配置されている。このハーフミラー10から光軸bに沿って第2の結像レンズ11が配置されている。この第2の結像レンズ11の結像点には第1のTVカメラ12が配置されている。そして、ハーフミラー10、第2の結像レンズ11、TVカメラ12によって撮影光学系が構成されている。なお、このTVカメラ12は第1のCCU(カメラコントロールユニット)13に接続されている。
【0016】
また、対物レンズ4の後段には顕微鏡光学系の光軸a上から外れた位置に照明光用のプリズム14が配設されている。このプリズム14の後段にはズーム照明光学系15、照野絞り16、集光レンズ17、ライトガイド18が順次配置されており、照明光学系が構成されている。
【0017】
ここで、照野絞り16は照明光学系の照野面と共役な位置に配置されている。さらに、ズーム光学系5とズーム照明光学系15との間には図示しない連動機構が設けられている。なお、ライトガイド18の照明光入射端部は図示しない光源装置に接続されている。
【0018】
また、照明光学系の集光レンズ17とライトガイド18との間にはハーフミラー19が介設されている。このハーフミラー19は第1のロータリーソレノイド20の回転軸に取り付けられている。このロータリーソレノイド20は第1のソレノイド駆動回路21に接続されている。
【0019】
また、ハーフミラー19は第1のロータリーソレノイド20の回転にともない照明光学系の光路中に挿脱自在に支持されている。ここで、ロータリーソレノイド20がOFFの場合にはハーフミラー19は図1中に点線で示すように照明光学系から外れた待機位置で保持される。そして、ロータリーソレノイド20がONの場合にはハーフミラー19は図1中に実線で示すように照明光学系の光路内に挿入されたセット位置に回動される。このとき、ハーフミラー19はライトガイド18からの光束の一部を照明光学系の光軸cと直交する方向に偏向するように配置される。
【0020】
さらに、ハーフミラー19で偏向された光路d上には第2の集光レンズ22、一対のミラー23及び24、光拡散板25が順次配置されている。そして、この光路d上に導光される光によって後述するLCDモニタ26のバックライトが構成されている。
【0021】
また、光拡散板25の拡散方向には近接してLCDモニタ26が設けられている。このLCDモニタ26は図示しないLCDドライバーを介して図示しない画像セレクターに接続されている。そして、このLCDモニタ26には次に示すような各種の画像が表示できるようになっている。例えば、内視鏡画像、術前又は術中の診断画像(MRI像、CT像、レントゲン像、蛍光観察像等)、ナビゲーション画像、コンピューター画面、患者の生体データ(血流量、呼吸数、 脈拍数、体温等)、計時画面等である。さらに、LCDモニタ26の後段には結像レンズ27、ミラー28、プリズム29が順次配設され、顕微鏡視野内の一部に画像を投影するための画像投影光学系Lが形成されている。
【0022】
また、プリズム29は第2のロータリーソレノイド(光路切り換え手段)30の回転軸に取り付けられている。そして、このプリズム29はロータリーソレノイド30の回転にともない立体観察光学系の光路a内に挿脱自在に支持されている。すなわち、ロータリーソレノイド30がOFFの場合にはプリズム29は図1中に点線で示すように立体観察光学系から外れた待機位置で保持される。そして、ロータリーソレノイド30がONの場合にはプリズム29は図1中に実線で示すように立体観察光学系の光路a内の一部に挿入されたセット位置に回動されるようになっている。このとき、プリズム29はLCDモニタ26の像が立体観察光学系の結像位置と略同一な面に結像されるように配置される。
【0023】
なお、 プリズム29の入射面及び出射面を除く面は全面が黒く塗装されている。さらに、第2のロータリーソレノイド30は第2のソレノイド駆動回路31に接続されている。
【0024】
また、硬性鏡3は手術用顕微鏡2の使用中、術部に挿入されて手術用顕微鏡2による内視鏡併用観察に用いられる。この硬性鏡3の使用時にはこの硬性鏡3の手元側端部に第2のTVカメラ32が取り付けられる。このTVカメラ32は第2のCCU33に接続されている。さらに、第2のTVカメラ32のCCU33及び顕微鏡2の撮像光学系を構成する第1のTVカメラ12用のCCU13はビデオミキサー34に接続されている。このビデオミキサー34にはVTR35及びTVモニタ36が各々接続されている。
【0025】
また、図示しない顕微鏡架台にはコントローラ(絞り形状変形手段)37が内蔵されている。このコントローラ37には図示しないフォーカススイッチ、図示しないズームスイッチ、図示しない観察モード切替スイッチを有する入力手段38、第1のソレノイド駆動回路21、第2のソレノイド駆動回路31、液晶ドライバー9、ビデオミキサー34がそれぞれ接続されている。
【0026】
また、ハーフミラー10と顕微鏡2の撮像光学系の第2の結像レンズ11との間には輝度センサ39が設置されている。この輝度センサ39はコントローラ37に接続されている。そして、コントローラ37では入力手段38の図示しない観察モード切替スイッチの操作、例えば顕微鏡2の単独使用状態から顕微鏡2と硬性鏡3との併用状態に切り替える場合のような切替操作にともない第2のロータリーソレノイド30の操作に連動して液晶シャッター8の形状を変形させるようになっている。
【0027】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の手術用顕微鏡システム1の使用時には術者は図示しない顕微鏡架台を移動して、術部の上方に手術用顕微鏡2の顕微鏡光学系を配置して術部の観察を行う。
【0028】
そして、術部の観察時には図示しない光源装置で発せられた観察光はライトガイド18から入射される。ここで、第1のロータリーソレノイド20がOFFである場合にはハーフミラー19は図1中に点線で示すように照明光学系から外れた待機位置で保持される。そのため、ライトガイド18から入射した観察光はその全てが集光レンズ17にて集光され、照野絞り16、ズーム照明光学系15、プリズム14、対物レンズ4を介して術部に照射される。この状態では術部には照野絞り16による形状の観察光が、ズーム照明光学系15により立体観察光学系を構成するズーム光学系5に対応した適当な大きさで導かれる。
【0029】
また、術部で反射した観察光は対物レンズ4に入射し、ズーム光学系5、結像レンズ6、液晶シャッター8、接眼レンズ7を介して術者の眼に導かれ、術部の拡大観察が可能となる。このとき、液晶シャッター8は液晶ドライバー9の出力により図3(A)に示す形状を有している。すなわち、液晶シャッター8には光を完全に透過する円形の透過部41と、この透過部41の外側に配置された遮光部42とが形成されている。ここで、遮光部42では完全に光を遮断するようになっている。さらに、円形の透過部41の内径寸法は顕微鏡光学系が形成する結像面上のイメージサークル40(図3(A)中に点線で示す)の直径よりも若干小径に設定されている。そして、この液晶シャッター8は透過部41の外側の遮光部42で完全に光を遮断することで、立体観察光学系の視野絞りの役割を果たすようになっている。このために、術者は周辺までシャープな顕微鏡観察像を得ることができる。
【0030】
また、術部の拡大観察中、顕微鏡光学系を通る観察光の光束の一部はハーフミラー10で顕微鏡光学系の光軸aに対して直交する方向に伸びる光軸b方向に偏向される。ここで偏向された光束は、第2の結像レンズ11を介して第1のTVカメラ12の図示しない撮像素子上に結像される。さらに、この撮像素子上に結像された顕微鏡観察像は電気信号に変換されたのち、第1のCCU13へ送られる。
【0031】
このCCU13では送られてきた電気信号を規格化された映像信号に変換し、ビデオミキサー34に出力する。 この状態では、硬性鏡3を使用していないため、ビデオミキサー34からは顕微鏡観察像のみがTVモニタ36及びVTR35に出力される。そのため、看護婦等は図4(A)に示すTVモニタ36の画面に表示される顕微鏡観察像Pを目視することにより、術部の様子を観察することができる。また、必要に応じてVTR35により術部の様子(顕微鏡観察像P)を記録することができる。
【0032】
次に、顕微鏡2の死角を観察するときなどに内視鏡を併用する際には、まず術者は図示しない内視鏡ホルダー等に装着された硬性鏡3を手に保持して術部に挿入する。このとき、硬性鏡3に装着されている第2のTVカメラ32は、硬性鏡3の像を撮像し、第2のCCU33を介してビデオミキサー34に映像信号を出力する。
【0033】
また、この硬性鏡3の挿入作業時には術者は、顕微鏡像を観察しながら周辺組織を傷つけないように慎重に硬性鏡3を挿入してゆく。そして、顕微鏡像を見ながら所望の観察位置まで硬性鏡3を導いたあと、入力手段38に設置された図示しない観察モード切替スイッチを操作すると、この信号を受けたコントローラ37は第1のソレノイド駆動回路21、第2のソレノイド駆動回路31、液晶ドライバー9、及びビデオミキサー34に駆動信号を出力する。
【0034】
ここで、第1のソレノイド駆動回路21及び第2のソレノイド駆動回路31は駆動信号を受けると、各々第1のロータリーソレノイド20及び第2のロータリーソレノイド30に駆動電力を供給し、第1のロータリーソレノイド20及び第2のロータリーソレノイド30がONする。
【0035】
さらに、第1のロータリーソレノイド20がONするとハーフミラー19が照明光学系の光路中に挿入され、照明光の一部が集光レンズ22の方向に偏向される。偏向された照明光は集光レンズ22で集光され、ミラー23及び24を介して光拡散板25に導かれる。この光拡散板25に入射された照明光束は乱反射される。そして、この光拡散板25で乱反射された光がLCDモニタ26のバックライトとして機能する。
【0036】
また、LCDモニタ26には図示しない画像セレクターで選択された任意の画像が投影できるが、ここでは図示しないセレクター機能により内視鏡画像が投影される。
【0037】
また、第1のロータリーソレノイド20と同時に第2のロータリーソレノイド30がONする。この第2のロータリーソレノイド30のON操作時には、プリズム29が立体観察光学系の光束の一部に挿入される。そのため、LCDモニタ26に投影された内視鏡像は結像レンズ27によってミラー28及びプリズム29を介して液晶シャッター8上に結像される。この際にプリズム29は黒く塗装されているため、立体観察光学系の光束のうちプリズム29でケラれる部分の光束は本プリズム29で吸収され、液晶シャッター8には到達しない。なお、液晶シャッター8上には内視鏡像の結像位置と略同一面に立体観察光学系の光束も結像されている。
【0038】
また、液晶ドライバー9はコントローラ37からの制御信号を受け取ると、液晶シャッター8の透過率を図3(B)に示すように変更する。すなわち、本実施の形態では液晶シャッター8の視野の左上に完全に光束が透過される透過部43が形成される。そして、この透過部43にはLCDモニタ26に投影された内視鏡像が結像される領域が配置される。
【0039】
さらに、 立体観察光学系の形成するイメージサークル40(図3(B)中に点線で示す)よりも若干小さい円形の領域のうちでLCDモニタ26の結像領域である透過部43以外の部分には所定の比率で減光される減光部44が形成される。また、液晶シャッター8の透過部43及び減光部44を除く部分には完全に遮光される遮光部45が形成される。
【0040】
なお、減光部44の減光比率は次のように決定される。すなわち、顕微鏡観察中、撮影光学系を構成するハーフミラー10と第2の結像レンズ11との間の輝度センサ39によって観察光束の照度が検出される。この輝度センサ39からの検出データはコントローラ37に入力される。このコントローラ37では輝度センサ39の照度データを演算し、術者に最適な比率の顕微鏡像とモニター像の照度となるように液晶ドライバー9に制御信号を出力する。
【0041】
これにより、術者は液晶シャッター8上に結像された顕微鏡像とLCDモニター像(硬性鏡3の観察像)とを同時に最適な光量比で接眼レンズ7を介して観察することができる。
【0042】
また、顕微鏡2と硬性鏡3との併用時にはビデオミキサー34には第1のTVカメラ12で撮像された顕微鏡像と、第2のTVカメラ32で撮像された内視鏡像とが入力される。この状態で、ビデオミキサー34はコントローラ37からの制御信号を受け取ると、TVモニタ36及びVTR35へ出力する画像モードを次のように切り替える。すなわち、顕微鏡2の単独使用時には図4(A)に示すようにTVモニタ36の表示画面に顕微鏡像のみを出力する全画面表示用の画像モードで保持される。そして、顕微鏡2と硬性鏡3との併用時には図4(B)に示すようにTVモニタ36の表示画面に表示面積が大きい親画面46と、この親画面46よりも表示面積が小さい子画面47とが形成される親子画面表示用の画像モードに切り替える。 ここでは術者が肉眼観察している状態と同じ状態の画面、すなわち親画面46に顕微鏡像が表示されるとともに、この親画面46の視野の左上位置に子画面47が配置され、ここに内視鏡像が表示されるように設定されている。このTVモニタ36の親子画面の画像の映像信号はVTR35にも送られ、録画が行われる。
【0043】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では第2のロータリーソレノイド30の操作に連動して液晶シャッター8の形状を変形させるコントローラ37を設け、画像投影光学系Lの視野絞りを液晶シャッター8により次のように変化させることができるようにした。すなわち、通常の顕微鏡観察時には液晶シャッター8の形状を図3(A)に示すように円形の透過部41とその周囲の遮光部42とを備えた円形の視野絞りによる円形の視野が得られるようにするとともに、顕微鏡2と硬性鏡3との併用時には液晶シャッター8の視野絞りの形を図3(B)に示すように変形させ、LCDモニタ26の像と顕微鏡観察像とを同時に表示できるようにした。そのため、通常のイメージサークル40にとらわれない視野を得ることができるので、LCDモニタ26の像の結像位置の自由度が増すだけでなく、接眼レンズ7の性能上許される範囲で可能な限りLCDモニタ26の結像位置を顕微鏡視野に対して外側にずらすことで、内視鏡観察併用時の顕微鏡観察像のケラレを最小限に押さえ良好な視野を得ることができる。また、顕微鏡観察時には通常の顕微鏡像と変わらない高品位の光学像を得ることができる。
【0044】
さらに、本実施の形態ではLCDモニタ26のバックライトとして顕微鏡用光源の照明光を流用しているため、あらたにインバータ等を搭載したバックライト用の光源を用意する必要が無く、鏡筒部の発熱を押さえられる。
【0045】
また、内視鏡などのLCDモニタ26の像を観察する場合には、内視鏡のオリエンテーションを行う程度の作業となるので、通常の顕微鏡観察時ほどの照明量が不要であるが、 この際の余った光量をバックライト用の照明に流用できるので、照明効率が高い。
【0046】
また、顕微鏡観察像とLCDモニタ26による内視鏡観察像の明るさの差が大きいと観察が難しくなるが、本実施の形態によれば液晶シャッター8の透過率を各観察像の明るさに合わせて自動的に変化させることで、常に最適な明るさで両方の画像を観察することができ、手術を効率的に行うことができる。
【0047】
さらに、本実施の形態では内視鏡像を同時観察する際に、TVモニタ36の画像とVTR35の画像も同時に術者と同じ視野を得ることができるため、学生などの教育上、有用であるばかりでなく、助手や看護婦等の介助の効率が大幅にあがり、ひいては手術時間の短縮、術者及び患者への負担の軽減等の大きな効果がある。
【0048】
なお、本実施の形態では顕微鏡像の方が一般的にLCDモニター像よりも明るいことが多いことを前提として顕微鏡像を減光する例のみを説明したが、眼科における応用等でレッドリフレクス像等の比較的暗い像を観察する場合にはこの関係が逆転することも考えられる。その際には減光部44と透過部54の関係を変化させることで対応が可能である。
【0049】
また本実施の形態では顕微鏡2及び硬性鏡3の各観察像の明るさを制御するために両方の像の結像位置に視野絞りと共用の液晶シャッター8を用いたが、明るさ制御のための部材を視野絞りと共用せずに独立して設けてもよい。例えば、顕微鏡光学像のアフォーカル光束部に液晶シャッターまたは挿脱可能なNDフィルターを設けてもよい。
【0050】
これによれば接眼レンズ7による明るさ制御部材のドットの拡大が行われないため、多少ドットの粗い液晶シャッターを使用しても問題無く、安価に構成できるという利点がある。また、NDフィルターを使用した場合には液晶ドライバーが必要ないために、さらに安価で信頼性が高い。
【0051】
なお、本実施の形態では、液晶ディスプレイの画面を顕微鏡観察像の一部に挿脱して表示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、図10に示す如く、移動可能なプリズム29を固定ミラー100としても良い。また、LCDモニタ26を他の表示手段、例えばCRTディスプレイ101としても良い。このような図10の構成において、画像観察を行なわない場合には、図11(A)に示す如く液晶シャッター8が制御され、 顕微鏡光学像のみを観察できる。すなわち、液晶シャッター8は、斜線で示した遮光部102と、顕微鏡イメージサークル104よりも若干小さい透光部103とを成すように制御される。一方、画像観察を併用する場合には、図11(B)に示す如く液晶シャッター8が制御され、顕微鏡光学像に加えて第2の透光部105を通して画像を観察できる。すなわち、CRTディスプレイ101から出た光速は、結像レンズ27、ミラー28、ミラー100、液晶シャッター8の第2の透光部105を介して、接眼レンズ7に導かれ、顕微鏡観察像の左上に観察される。なお、106は画像観察併用時の遮光部である。
【0052】
したがって、図10に示すような構成によれば、プリズムの挿脱機構を省略できるため、小型・軽量化が可能となり、安価となる。
【0053】
また、図5乃至図9(A),(B)は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図4(A),(B)参照)の手術用顕微鏡システム1の構成を次の通り変更したものである。なお、図5乃至図9(A),(B)中で、第1の実施の形態と同じ構成の部分には、第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0054】
すなわち、本実施の形態では手術用顕微鏡2の鏡体51の下面に1つの対物レンズ4、鏡体51の上面に左右一対の接眼レンズ7(右眼用及び左眼用)がそれぞれ配設されている。さらに、 対物レンズ4と左右一対の接眼レンズ7との間には立体観察光学系を構成する左右の各観察光学系52L,52Rが配設されている。なお、本実施の形態の説明上、手術用顕微鏡2の立体観察光学系を構成している左右一対の各観察光学系52L,52Rの構成部分については特に必要のない限り、片側の構成部分(左目用の観察光学系52L)についてのみの説明とする。
【0055】
ここで、左目用の観察光学系52Lにはズーム光学系5、プリズム53、結像レンズ6が順次配設されている。なお、左右の各観察光学系52L,52Rのプリズム53はズーム光学系5の各々の光軸中心の延長線上にある軸a1 ,a2 を中心に回動自在に取り付けられている。
【0056】
さらに、プリズム53と結像レンズ6との間には後述する第1の輝度センサ54が配置されている。また、結像レンズ6と接眼レンズ7との間には第1の視野絞り55と、第2の視野絞り56とがそれぞれ設けられている。ここで、第1の視野絞り55は結像レンズ6の結像面に固定されている。さらに、この第1の視野絞り55は図7に示すように立体観察光学系の光束及び後述するLCDモニタ26からの光束の視野を確保する形状に形成されている。
【0057】
また、第2の視野絞り56の一端は第1のロータリーソレノイド57の軸に取り付けられている。そして、この第2の視野絞り56はロータリーソレノイド57によって回動駆動されるようになっている。ここで、第2の視野絞り56は、ロータリーソレノイド57がOFFの場合には図7中に一点鎖線で示すセット位置で保持され、ONの場合には同図中に実線で示す待避位置に回動操作されるようになっている。なお、第1の視野絞り55と第2の視野絞り56とは略同一平面上に配置されている。
【0058】
また、本実施の形態にも第1の実施の形態と同様にLCDモニタ26、結像レンズ27、ミラー28、プリズム29とから構成されるモニター観察光学系が設けられている。ここで、プリズム29は第2のロータリーソレノイド30の回転軸に取り付けられている。そして、第2のロータリーソレノイド30の回転にともない立体観察光学系の光路中にプリズム29が挿脱自在であることも第1の実施の形態と同様である。
【0059】
また、本実施の形態ではLCDモニタ26用のバックライト58は立体観察光学系中の軸a1 ,a2 と垂直の面に配置されている。このバックライト58の上部には2つ(左眼用及び右眼用)のプリズム59が配設されている。ここで、各プリズム59の一端は軸a1 ,a2 を中心に回動自在に支持されている。 さらに、各プリズム59の他端はLCDモニタ26の下面と離間対向する位置に配置されている。なお、LCDモニタ26と結像レンズ27との間には第2の輝度センサ60が取り付けられている。
【0060】
また、 プリズム53とプリズム59とは図示しない連動機構で連動されている。なお、モニター観察光学系を構成するLCDモニタ26、第2の輝度センサ60、結像レンズ27、ミラー28、プリズム29、第2のロータリーソレノイド30は、プリズム59の回動端側に配置されており、プリズム59と連動駆動するようになっている。
【0061】
また、立体観察光学系の左右の各ズーム光学系5とプリズム53との間にはビームスプリッター61が挿入されている。このビームスプリッター61は立体観察光学系の光束の一部をその光束の垂直方向に偏向するべく配置されている。ここで、偏向された左右光束のうちの任意の一方の光軸上には第1の実施の形態と同様に第2の結像レンズ11が配設されている。
【0062】
さらに、この第2の結像レンズ11の結像面には第1のTVカメラ12が配置されている。このTVカメラ12は図6に示すように第1のCCU13に接続されている。さらに、CCU13は第1の実施の形態と同様にビデオミキサー34に接続されている。
【0063】
また、本実施の形態の照明光学系には手術用顕微鏡2の鏡体51に内蔵されたランプ62が設けられている。さらに、対物レンズ4の後段には第1の実施の形態と同様に顕微鏡光学系の光軸a1 ,a2 上から外れた位置に照明光用のプリズム14が配設されている。このプリズム14の後段にはズーム照明光学系15が配設されている。
【0064】
また、第1の実施の形態で照野絞り16が配置されていた照野と共役な位置にはLCDシャッタ63が設けられている。このLCDシャッタ63は図9(A)に示す第1の状態と、 図9(B)に示す第2の状態とに切換え可能になっている。すなわち、図9(A)に示す第1の状態では円形の透光部63aと、この透光部63aの周囲に配設された遮光部63bとが形成されるようになっている。さらに、LCDシャッタ63が図9(B)に示す第2の状態に切換えられた場合には第1の状態の円形の透光部63a内に任意の位置および大きさの減光部63cが形成されるようになっている。
【0065】
また、LCDシャッタ63とランプ62との間には集光レンズ17が配設されている。そして、本実施の形態の照明光学系にはプリズム14の後段にはズーム照明光学系15、LCDシャッタ63、集光レンズ17、ランプ62が順次配置されている。なお、ズーム照明光学系15が立体観察光学系のズーム光学系5と図示しない連動機構で連動しているのは第1の実施の形態と同様である。
【0066】
また、 LCDシャッタ63はLCDドライバ64に接続されている。このLCDドライバ64はナビゲーション用のワークステーション65に接続されている。
【0067】
さらに、 立体観察光学系の左右のズーム光学系5には倍率検出手段66が設けられている。この倍率検出手段66はワークステーション65に接続されている。
【0068】
また、ワークステーション65にはナビゲーション用撮像部67およびコントローラ68がそれぞれ接続されている。さらに、コントローラ68には第1の輝度センサ54、第2の輝度センサ60、入力手段38、ビデオミキサー34、がそれぞれ接続されている。
【0069】
また、バックライト58は調光回路を内蔵するバックライト電源69に接続されている。さらに、第2のロータリーソレノイド30は第2のソレノイド駆動回路31に、第1のロータリーソレノイド57は第1のソレノイド駆動回路70にそれぞれ接続されている。そして、バックライト電源69、第2のソレノイド駆動回路31、第1のソレノイド駆動回路70はコントローラ68にそれぞれ接続されている。また、ランプ62は調光回路71に接続されている。この調光回路71はコントローラ68に接続されている。
【0070】
また、硬性鏡3、第2のTVカメラ32、第2のCCU33の構成は第1の実施の形態と同様であり、第2のCCU33はビデオミキサー34に接続されている。さらに、ビデオミキサー34にはVTR35及びTVモニタ36が接続されているのも第1の実施の形態と同様である。
【0071】
また、 本実施の形態では硬性鏡3には硬性鏡ナビゲーション用のマーカー72、顕微鏡2の鏡体51には顕微鏡ナビゲーション用のマーカー73がそれぞれ取り付けられている。
【0072】
次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態の手術用顕微鏡システム1の使用時には術者は図示しない顕微鏡架台を移動して、術部の上方に手術用顕微鏡2の顕微鏡光学系を配置して術部の観察を行う。
【0073】
そして、術部の観察時にはランプ62から発せられた照明光は集光レンズ17で集光され、LCDシャッタ63、ズーム照明光学系15、プリズム14、対物レンズ4を順次介して術部に照射される。
【0074】
この時、LCDシャッタ63はLCDドライバ64によって図9(A)に示す第1の状態で保持されている。すなわち、この第1の状態ではLCDシャッタ63の透光部63aを透過した観察光が術部に照射され、遮光部63bに入射した観察光は遮光される。なお、LCDシャッタ63は照野面に対して共役の位置に配置されているので、透光部63aの形状(本実施の形態では円形)が照野面に投影される。従って、LCDシャッタ63は照野絞りの役割を果たしている。その他の作用は第1の実施の形態と同様である。
【0075】
また、術部で反射した観察光は対物レンズ4に入射し、ズーム光学系5、ビームスプリッター61、プリズム53、結像レンズ6、第1の視野絞り55、第2の視野絞り56、接眼レンズ7を介して術者の眼に導かれ、術部の拡大観察が可能となる。この時、第1のロータリーソレノイド57はOFF状態で保持されているので、第2の視野絞り56は図7中に一点鎖線で示す位置にある。従って、第1の視野絞り55及び第2の視野絞り56により形成される視野絞りは、 立体観察光学系で形成されるイメージサークル40よりも若干小径に形成されるので、術者は周辺までシャープな顕微鏡観察像を得ることができる。
【0076】
また、ビームスプリッター61で偏向された一部の光束は、第2の結像レンズ11を介して第1のTVカメラ12に入射される。そして、図示しない撮像素子で電気信号に変換されて第1のCCU13に送られる。このCCU13では送られてきた電気信号を規格化された映像信号に変換し、ビデオミキサー34に出力する。
【0077】
この状態では、内視鏡を使用していないため、ビデオミキサー34は第1の実施の形態と同様に顕微鏡観察像のみをTVモニタ36に出力する。従って、看護婦等はTVモニタ36の表示画面を目視することにより、術部の様子を観察することができる。
【0078】
この時、ナビゲーション用撮像部67は顕微鏡2の鏡体51に取り付けられたマーカー73を図示しない3個の撮像素子によって撮像し、そのデータをワークステーション65に送る。さらに、ワークステーション65では送られてきたデータをもとに顕微鏡2の鏡体51の位置及び顕微鏡2の観察位置を算出する。この算出結果は図示しないモニター等に表示され、術者は術前診断画像等の画像上で現在の治療部位の特定などをすることができる。
【0079】
次に、顕微鏡2の死角を観察するときなどに内視鏡を併用する際には、まず術者は図示しない内視鏡ホルダー等に装着された硬性鏡3を手に保持して術部に挿入する。
【0080】
また、硬性鏡3の挿入作業中、硬性鏡3に装着されている第2のTVカメラ32は硬性鏡3による観察像を撮像し、第2のCCU33を介してビデオミキサー34に映像信号を出力する。このとき、術者は顕微鏡像を観察しながら周辺組織を傷つけないように慎重に硬性鏡3を挿入していく。
【0081】
さらに、硬性鏡3の挿入作業中、ナビゲーション用撮像部67は硬性鏡3に取り付けられたマーカー72を図示しない3個の撮像素子によって撮像し、そのデータをワークステーション65に送る。このとき、ナビゲーション用撮像部67によって顕微鏡用のマーカー73も同時に撮像される。そして、その顕微鏡用のマーカー73のデータも同時にワークステーション65に送られる。
【0082】
また、 ワークステーション65では送られてきた顕微鏡用のマーカー73のデータおよび硬性鏡3のマーカー72のデータをもとに顕微鏡2の鏡体51の位置、顕微鏡2の観察位置、硬性鏡3の先端位置、及び硬性鏡3の観察位置を算出する。そして、ワークステーション65は硬性鏡3の観察位置が顕微鏡2の観察位置に入った状態を検出すると、LCDドライバ64に対して制御信号を出力する。このとき、LCDドライバ64は制御信号を受け取るとLCDシャッタ63を図9(A)に示す第1の状態から図9(B)に示す第2の状態に切換えるように制御する。すなわち、LCDシャッタ63の透光部63aの一部に減光部63cが形成される。この減光部63cの大きさ及び位置は、顕微鏡2の観察視野に対する硬性鏡3の観察部の大きさ及び位置によって可変であり、ワークステーション65からの制御信号により制御される。
【0083】
また、ワークステーション65は検出した顕微鏡2の観察位置のデータと、硬性鏡3の観察位置のデータとから、硬性鏡3の観察位置と照野絞りを形成するLCDシャッタ63の位置との対応関係、すなわち硬性鏡3の観察位置とLCDシャッタ63のどの位置が対応しているかを算出し、 そのLCDシャッタ63上の硬性鏡3の観察位置のデータをLCDドライバ64に連続的に指示する。ここで、大きさに関しては、ワークステーション65はズーム光学系5に設けられた倍率検出手段66からのデータを受け取り、内視鏡観察部の顕微鏡観察範囲に対する比率を算出し、LCDドライバ64に連続的に指示を出す。これにより、図8(B)に示すように、硬性鏡3の観察部Eは、常に顕微鏡の照明光が減光された状態となる。
【0084】
また、顕微鏡像を見ながら所望の観察位置まで硬性鏡3を導いたあと、入力手段38に設置された図示しない観察モード切替スイッチを操作すると、この信号を受けたコントローラ68はビデオミキサー34、バックライト電源69、第2のソレノイド駆動回路31、及び第1のソレノイド駆動回路70に駆動信号を出力する。
【0085】
このとき、ビデオミキサー34はコントローラ68からの信号を受け取ると、第1の実施の形態と同様にTVモニタ36の表示画面を親子画面表示用の画像モードに切り替える。そして、図8(A),(B)に示すように表示面積が大きい親画面46に顕微鏡像が表示されるとともに、この親画面46の視野の左上位置に子画面47が配置され、ここに内視鏡像が表示される。
【0086】
また、 バックライト電源69はコントローラ68からの駆動信号を受け取ると、バックライト58に対して電力を供給する。これにより、バックライト58は点灯する。さらに、バックライト58が点灯すると、このバックライト58から発せられた光束はプリズム59介してLCDモニタ26に照射される。
【0087】
これと同時に、第2のソレノイド駆動回路31、及び第1のソレノイド駆動回路70は駆動信号を受けると、各々第2のロータリーソレノイド30及び第1のロータリーソレノイド57に駆動電力を供給し、第2のロータリーソレノイド30及び第1のロータリーソレノイド57がONする。
【0088】
ここで、 第2のロータリーソレノイド30がONすると、プリズム29は第1の実施の形態と同様に図5中で点線位置から実線位置に回動駆動される。これによりバックライト58により照射されたLCDモニタ26の像は結像レンズ27、ミラー28及びプリズム29を介して第1の視野絞り55と同一平面上のLCD結像位置74に結像される。なお、LCDモニタ26には第1の実施の形態と同様に様々な画像を表示することができるが、本実施の形態では硬性鏡3で観察した内視鏡画像を図示しない画像セレクターで選択して表示させている。
【0089】
また、第1の実施の形態と同様にプリズム29が黒く塗装されているので、立体観察光学系の光束のうち、プリズム29でケラれる部分は、視野絞りの設けられている結像位置までは到達しない。
【0090】
また、ロータリーソレノイド57がONするとその軸に取り付けられた第2の視野絞り56が、図7中に実線で示す位置に移動する。すなわち、視野絞りの形状は顕微鏡像のイメージサークル40の内側だけでなく、LCD結像位置74も透過するように変化する。
【0091】
この時、コントローラ68は、第1の輝度センサ54からの検出信号により顕微鏡光学像の明るさを、また第2の輝度センサ60からの検出信号によりLCDモニタ26の像の明るさを検出し、各々がほぼ同じ輝度となるように調光回路71及びバックライト電源69に調光信号を出力する。但し、顕微鏡2の光学像とLCDモニタ26の像との輝度の差は症例、投影する画像の種類、術者の好み等で適当な明るさの比率は異なるため、コントローラ68に設けられた図示しない設定部で適宜調節できるようにしてもよい。
【0092】
さらに、術者は顕微鏡2の左右の接眼レンズ7間の眼幅を調整する際に図示しない眼幅調整部を調整すると、プリズム53が一端部側の軸al ,a2 を中心に回動する。このとき、プリズム53の他端側(回動端側)には輝度センサ54、結像レンズ6、第1の視野絞り55、第2の視野絞り56、第1のロータリーソレノイド57、接眼レンズ7が一体で取り付けられているので、眼幅調整によるプリズム53の回動に合わせて回動し、観察を可能にする。
【0093】
さらに、プリズム53と連動してプリズム59もこのプリズム59の一端部側の軸al ,a2 を中心に回動するため、このプリズム59の他端側に取り付けられているLCDモニタ26、輝度センサ60、結像レンズ27、ミラー28、プリズム29、第2のロータリーソレノイド30もプリズム59の動きに合わせて移動する。そのため、LCDモニタ26の観察も可能である。
【0094】
したがって、これらの作用により術者は適度な眼幅で接眼レンズ7を介して顕微鏡光学像とLCDモニタ26に投影された内視鏡画像とを同時に、最適な光量比で観察することができる。
【0095】
そこで、本実施の形態では次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では第1の視野絞り55と第2の視野絞り56とをそれぞれ独立に設け、第1の視野絞り55に対して第2の視野絞り56を挿脱可能としたものである。 この場合、通常の顕微鏡2の観察時には円形の視野絞りによる円形の視野が得られる。そして、LCDモニタ26による硬性鏡3の像と顕微鏡2の観察とを併用する場合には第2の視野絞り56を待避させることで通常のイメージサークル40にとらわれない視野を得ることができる。そのため、LCDモニタ26の像の結像位置の自由度が増す効果がある。
【0096】
さらに、接眼レンズ7の性能上、許される範囲で可能な限りLCDモニタ26の結像点を顕微鏡2の視野に対して外側にずらすことで、第1の実施の形態と同様に内視鏡観察併用時の顕微鏡2の観察像のケラレを最小限に押さえることができ、良好な視野を得ることができる。これに加えて、構造が簡単なため、安価に実現することができる。
【0097】
また、本実施の形態では顕微鏡2の光学像とLCDモニタ26の画像の輝度を第1の輝度センサ54、及び第2の輝度センサ60によって各々検出し、ランプ62及びバックライト58の明るさを最適な光量比に調整するため、いずれの観察像も常に最適な光量で観察することができる。すなわち、脳神経外科の手術などでは顕微鏡2の光学像を非常に明るい状態で観察することが多いが、そのままではLCDモニタ26の像が顕微鏡2の像に比べて暗くなり、見にくくなってしまう場合などに、顕微鏡2の光量を若干落してLCDモニタ26の像を観察しやすくすることができる。
【0098】
また、その逆に、眼科の手術などでレッドリフレックス像等を観察する場合には、LCDモニタ像26が明るくなりすぎて顕微鏡2の光学像が見にくくなることを防ぐために、バックライト58の輝度を落とすことで両方の画像を観察しやすくできる。さらに、バックライト58又はランプ62が劣化して、いずれかの光量が低下した場合でも、常に最適な光量比を得ることができる。
【0099】
また、本実施の形態では1つのバックライト58から供給されるバックライトの光を左右のプリズム59によって左目用および右目用の各LCDモニタ26にそれぞれ分割して供給する構成としたので、バックライト58を点灯する回路が一つですみ、安価な上、眼幅調整時に2つのLCDモニタ26を同時に移動してもプリズム59が眼幅に連動して回動することでバックライト58の移動が必要ないため、観察の自由度が高く、可動による配線の劣化も防止できる。
【0100】
さらに、本実施の形態ではナビゲーションシステムにより硬性鏡3の観察位置を検出し、その部分の顕微鏡2の照明光を減光する減光部75を形成するため、硬性鏡3が照明している部位を顕微鏡2の光源でさらに照明してしまうことを防げる。そのため、内視鏡用TV画像の光量オーバーを防止することができる。
【0101】
また、硬性鏡3側の光源としてハロゲン光源を使用し、顕微鏡3側の光源としてキセノン光源を使用した場合でも、内視鏡観察部位にはキセノン光源の照明光は届かないので、硬性鏡3単体でホワイトバランスをとっていれば常に良好なカラーバランスで硬性鏡3による内視鏡観察が可能である。
【0102】
さらに、図8(A)に示すように、ナビゲーションシステムにより硬性鏡3の先端位置を検出して、その部分に顕微鏡2の照明光を減光する減光部75を形成するように構成すれば、硬性鏡3の先端が顕微鏡2の死角から外れた場合でも硬性鏡3に照明光が入射する量が減り、ハレーションなども防止できるため、硬性鏡3による良好な内視鏡画像が得られる。
【0103】
なお、本実施の形態では硬性鏡3の観察位置または先端位置の光量を減少した減光部75を形成したが、この部分の光量は完全に遮光しても同様な結果が得られることは明白である。
【0104】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
【0105】

(付記項1) 顕微鏡視野内の一部に画像を投影するための画像投影光学系 と、この画像投影光学系からの画像を顕微鏡視野内に挿脱するための切り換え手段と、顕微鏡視野の視野面積を調整する視野調整手段とを備えた手術用顕微鏡において、
前記切り換え手段の操作に連動して前記視野調整手段の形状を変形させる絞り形状変形手段を設けたことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0106】
(付記項1−1) 顕微鏡視野内の一部に画像を投影するための画像投影光学系と、顕微鏡視野内での観察状態を切り換える切り換え手段とを備えた手術用顕微鏡において、
前記切り換え手段の操作に連動して視野絞りの形状を変形させる視野絞り形状変形手段を具備したことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0107】
(付記項2) 前記視野絞りは液晶シャッターで構成されていることを特徴とする、付記項1または付記項1−1に記載の手術用顕微鏡。
(付記項3) 前記視野絞りの形状は、顕微鏡光学像のみを透過する形状、及び顕微鏡光学像と画像投影光学系の両方を透過する形状とを少なくとも有することを特徴とする、 付記項1、付記項1−1または付記項2に記載の手術用顕微鏡。
【0108】
(付記項4) 顕微鏡鏡体に内蔵され相対位置可変に設けられた複数のディスプレイと、顕微鏡視野内に前記ディスプレイの画像を投影するための画像投影光学系と、前記複数のディスプレイに光束を供給する単一の照明手段と、該照明手段からの光束を各々のディスプレイへ供給する導光手段を有する手術用顕微鏡において、前記複数のディスプレイは前記照明手段と略対称に配置されており、前記導光手段は前記ディスプレイと連動すことを特徴とした手術用顕微鏡。
【0109】
(付記項5) 顕微鏡鏡体に内蔵されたディスプレイと、顕微鏡視野内に前記ディスプレイの画像を投影するための画像投影光学系と、顕微鏡視野内における前記ディスプレイの画像の観察状態を切り換える切り換え手段と、顕微鏡視野を照明するための照明光学系を備える手術用顕微鏡において、前記照明光学系の一部にその光束の一部を偏向するための光路偏向部材と、該偏向された光束を前記ディスプレイに導く導光手段と、前記光路偏向部材を前記照明光学系の光路から挿脱する機構を備えたことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0110】
(付記項6) 前記光路偏向部材の前記照明光学系の光路からの挿脱は前記切り換え手段と連動することを特徴とした付記項5に記載の手術用顕微鏡。
(付記項7) 顕微鏡視野内の一部に画像を投影する画像投影光学系を有する手術用顕微鏡において、顕微鏡光学像または顕微鏡視野内に投影する画像の少なくとも一方の明るさを検出する検出手段と、該検出結果に基づいて前記顕微鏡光学像または前記顕微鏡視野内に投影する画像の明るさの少なくとも一方を制御する制御手段を設けたことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0111】
(付記項8) 前記制御手段は顕微鏡光路内に挿脱自在な減光フィルターであることを特徴とする、付記項7に記載の手術用顕微鏡。
(付記項9) 前記制御手段は顕微鏡照明用のランプの調光機構であることを特徴とする、付記項7に記載の手術用顕微鏡。
(付記項10) 前記制御手段は画像の輝度調整手段である事を特徴とする、付記項7に記載の手術用顕微鏡。
【0112】
(付記項11) 前記制御手段は顕微鏡光路内に設けられた液晶シャッターであることを特徴とする、付記項7に記載の手術用顕微鏡。
(付記項12) 顕微鏡視野内の一部に画像を投影する画像投影光学系と、顕微鏡視野内における画像の観察状態を切り換える切り換え手段と、顕微鏡光学像を撮像し映像信号に変換する撮影機構を有する手術用顕微鏡システムにおいて、前記切り換え手段に連動して前記撮影機構からの映像信号に前記画像を重畳するミキサー手段を備えたことを特徴とする手術用顕微鏡システム。
【0113】
(付記項12−1) 前記ミキサー手段の映像出力を記録する記録手段を備えたことを特徴とする、付記項12に記載の手術用顕微鏡システム。
(付記項13) 前記ミキサー手段により重畳される前記画像の位置は、顕微鏡視野内に投影される画像の位置と略同一であることを特徴とする、付記項12または付記項12−1に記載の手術用顕微鏡システム。
【0114】
(付記項14) 前記切り換え手段と前記ミキサー手段の連動動作は、前記顕微鏡システムに接続されたフットスイッチにより行われることを特徴とする、付記項12、付記項12−1または付記項13に記載の手術用顕微鏡システム。
【0115】
(付記項15) 術部を照明し観察する第1光学系と、前記第1光学系よりも術部に近接して観察する第2光学系と、前記第1光学系の観察範囲及び前記第2光学系の先端位置を検出するナビゲーションシステムとを有する手術システムにおいて、前記第2光学系の先端が前記第1光学系の観察範囲に導かれたときに、前記第1光学系の観察範囲の照明位置のうち前記第2光学系の先端位置のみを遮光または減光する手段を有することを特徴とする手術システム。
【0116】
(付記項16) 術部を照明し観察する第1光学系と、前記第1光学系よりも術部に近接して観察する第2光学系と、前記第1光学系の観察範囲及び前記第2光学系の観察位置を検出するナビゲーションシステムとを有する手術システムにおいて、前記第2光学系の観察位置が前記第1光学系の観察範囲に導かれたときに、前記第1光学系の観察範囲の照明位置のうち前記第2光学系の観察位置のみを遮光または減光する手段を有することを特徴とする手術システム。
【0117】
(付記項17) 前記遮光または減光手段は顕微鏡の照野面と共役の位置に配置された液晶シャッターであることを特徴とした、付記項15または付記項16に記載の手術システム。
【0118】
(付記項1〜17の従来技術) (1)特開昭62−166310号公報には実体顕微鏡の接眼部に内視鏡像等の撮像画像をモニター表示させる手段が開示されている。実体顕微鏡の光学像とモニター画像を同一の接眼光学系に導く技術が開示されている。
【0119】
(2)特開昭63−167317号公報には実体顕微鏡等の接眼部にデータを表示する手段が開示されている。顕微鏡等のメインの観察光束の外側からデータ等の光束を入射させ、顕微鏡像の射出瞳の外側にデータ像の射出瞳を投影する技術が開示されている。
【0120】
(3)特開平3−105305号公報には実体顕微鏡の接眼部に2D内視鏡の光学像又は電子像を投影する手段が内蔵されている。2D内視鏡の像を顕微鏡の左右光路に導く手段と、顕微鏡光束を遮光する部材を設けた光学装置が開示されている。
【0121】
(4)特開平8−140991号公報には顕微鏡の視野内又はその近傍に内視鏡画像や患者の生体データを表示する手段が開示されている。内視鏡画像等をハーフミラーで顕微鏡視野内に導く技術や、顕微鏡光路と内視鏡光路を平行させて接眼レンズまで導き同一視野内に表示する技術等が開示されている。
【0122】
(付記項1、1−1が解決しようとする課題) (1)において開示されているのは顕微鏡光学系とモニター光学系の像を同一の接眼光学系に導いているのみであり、モニター光学系の像を顕微鏡光学系の光学像の外側で観察しようとすると、顕微鏡視野絞りが邪魔になりモニター像がケラレるか、または顕微鏡視野絞りを外さなければならない。この場合顕微鏡像のみを観察したいときには本来モニター像が投影される領域に視野絞りが設けられていないため、顕微鏡光学系が形成するイメージサークルの外側まで見えてしまうことになり、常に画質の劣る周辺像をも観察しなければならず、画質の品位が低下して術者に無駄な疲労を生じさせる。
【0123】
(3)に関しては顕微鏡像と内視鏡像が同一の視野に重畳され、いづれかの画像を遮光しなければ各像の詳細な観察は出来ないため、顕微鏡視野内で内視鏡をオリエンテーションしながら内視鏡像を観察するような同時観察は困難である。
【0124】
(4)の図3における顕微鏡光路と内視鏡光路とを平行させて接眼レンズまで導く技術では、顕微鏡光路の外側に内視鏡光路を有し、かつ内視鏡光路は挿脱出来ないために内視鏡観察が必要ない場合でも内視鏡光路の部分には視野絞りが形成されず、(1)と同様に顕微鏡光学系のイメージサークルが見えてしまう。また内視鏡像を観察する場合にはモニター像をできるだけ大きく観察したいという要求があるが、この場合顕微鏡像を小さくする必要がありあまり実用的とは言えない。
【0125】
(付記項4が解決しようとする課題) (1)においては画像はモニタテレビによる投影と開示されているだけであり、2つのモニタテレビに対するバックライトが各々必要であり、高価格化と大型化を招いていた。また、各々のモニタテレビは固定されており、固定されたモニタテレビからの像を観察するための接眼光学系の自由度が極めて制限されるため、非常に使いにくいという問題点を有する。
【0126】
(付記項5が解決しようとする課題) (1)、(2)及び(4)に関しては内視鏡の電子画像を投影するためのバックライトは顕微鏡の照明光束と全く独立しているが、内視鏡観察時には内視鏡のオリエンテーションを行うだけなので、顕微鏡はそれほど明るさが要求されることがないにもかかわらず不要な光束を術部に照射しており、効率が悪かった。またこの状態でバックライトの点灯を独立して行っているので発熱も多かった。
【0127】
(付記項7が解決しようとする課題) (1)〜 (4)の全ての先行例に対し、顕微鏡光学像とモニター画像等の明るさの制御は各々独立しているため、モニター観察時に顕微鏡像が明るすぎるときなどには顕微鏡の明るさを手動で調光したり、また逆に眼科で眼底像等を観察する場合に顕微鏡像が暗いときなどにはモニターの輝度を落としたりしないと観察がしにくかった。これらは症例等により条件が異なるために、その度にいちいち調整を変更する必要があり、大変わずらわしかった。
【0128】
(付記項12が解決しようとする課題) (1)、(3)及び(4)の先行例に対し、顕微鏡光学像を撮影したTVカメラの映像信号と内視鏡像などのモニターに投影する映像信号は各々全く独立していたため、看護婦などがモニターを見ながら状況を把握する場合に別々のモニターを観察する必要があり、大変わずらわしいばかりでなく術者が観察が不要と判断している視野内のモニター重畳部分をも観察してしまうために状況の把握が難しくなっていた。また両方の画像のビデオへの記録も全く別々に行う必要があり、設備的な無駄や撮影したテープの編集・保管などについても大変効率の悪いものであった。
【0129】
(付記項15が解決しようとする課題) (1)、(3)及び(4)の先行例に対し、特に脳外分野等では顕微鏡像を観察する照明光は一般的には明るいほど良いとされているが、顕微鏡の死角を内視鏡などを使用して観察する場合に、術者の手で保持及び移動をされる内視鏡を常に顕微鏡照明光を避けながらオリエンテーションすることはほとんど不可能に近い。 従って術者がオリエンテーション中に顕微鏡の観察位置に内視鏡の先端を出してしまった場合、顕微鏡の照明光が内視鏡に入射してハレーションを起こし観察が不可能になってしまう場合があり、術者の疲労や手術の長時間化を招いてしまった。
【0130】
(付記項16が解決しようとする課題) (1)、(3)及び(4)の先行例に対し、顕微鏡の死角を内視鏡などを使用して観察する場合に、完全な顕微鏡の死角ならば問題無くても、内視鏡などの視野の一部が顕微鏡の視野に入っている場合などに、視野の重なっている部分は顕微鏡の照明光と内視鏡の照明光の両方に照明されることになってしまう。このような場合、一般的に光量の大きい顕微鏡視野にはそれほどの影響は与えないが、内視鏡では入射する照明光が通常の場合よりも大幅に増えるために調光範囲を超えて白飛びしてしまったり、また顕微鏡照明光がキセノン光源で内視鏡照明光がハロゲン光源だった場合には極端にカラーバランスが狂ってしまい、最悪の場合観察ができなくなってしまう場合があった。
【0131】
(付記項1〜17の目的) 上記問題点を解決し、同一視野内に良好な顕微鏡光学像及びモニター像を得ることを目的とする。
【0132】
(付記項1、1−1の課題を解決するための手段) 顕微鏡視野内の一部に画像を投影するための画像投影光学系と、この画像投影光学系からの画像を顕微鏡視野内に挿脱するための切り換え手段と、顕微鏡視野の視野面積を調整する視野調整手段とを備えた手術用顕微鏡において、前記切り換え手段の操作に連動して前記視野調整手段の形状を変形させる絞り形状変形手段を設けたことを特徴とする。
【0133】
また、顕微鏡視野内の一部に画像を投影するための画像投影光学系と、 顕微鏡視野内での観察状態を切り換える切り換え手段とを備えた手術用顕微鏡において、前記切り換え手段の操作に連動して視野絞りの形状を変形させる視野絞り形状変形手段を具備したことを特徴とする。
【0134】
(付記項4の課題を解決するための手段) 顕微鏡鏡体に内蔵され相対位置可変に設けられた複数のディスプレイと、顕微鏡視野内に前記ディスプレイの画像を投影するための画像投影光学系と、前記複数のディスプレイに光束を供給する単一の照明手段と、該照明手段からの光束を各々ディスプレイへ供給する導光手段を有する手術用顕微鏡において、前記複数のディスプレイは前記照明手段と略対称に配置されており、前記導光手段は前記ディスプレイと連動することを特徴とした。
【0135】
(付記項5の課題を解決するための手段) 顕微鏡鏡体に内蔵されたディスプレイと、顕微鏡視野内に前記ディスプレイの画像を投影するための画像投影光学系と、顕微鏡視野内における前記ディスプレイの画像の観察状態を切り換える切り換え手段と、顕微鏡視野を照明するための照明光学系を備える手術用顕微鏡において、前記照明光学系の一部にその光束の一部を偏向するための光路偏向部材と、該偏向された光束を前記ディスプレイに導く導光手段と、前記光路偏向部材を前記照明光学系の光路から挿脱する機構を備えたことを特徴とする。
【0136】
(付記項7の課題を解決するための手段) 顕微鏡視野内の一部に画像を投影する画像投影光学系を有する手術用顕微鏡において、 顕微鏡光学像または顕微鏡視野内に投影する画像の少なくとも一方の明るさを検出する検出手段と、該検出結果に基づいて前記顕微鏡光学像または前記顕微鏡視野内に投影する画像の明るさの少なくとも一方を制御する制御手段を設けたことを特徴とする手術用顕微鏡。
【0137】
(付記項12の課題を解決するための手段) 顕微鏡視野内の一部に画像を投影する画像投影光学系と、顕微鏡視野内における画像の観察状態を切り換える切り換え手段と、顕微鏡光学像を撮像し映像信号に変換する撮影機構を有する手術用顕微鏡システムにおいて、前記切り換え手段に連動して前記撮影機構からの映像信号に前記画像を重畳するミキサー手段を備えたことを特徴とする。
【0138】
(付記項15の課題を解決するための手段) 術部を照明し観察する第1光学系と、前記第1光学系よりも術部に近接して観察する第2光学系と、前記第1光学系の観察範囲及び前記第2光学系の先端位置を検出するナビゲーションシステムとを有する手術システムにおいて、前記第2光学系の先端が前記第1光学系の観察範囲に導かれたときに、前記第1光学系の観察範囲の照明位置のうち前記第2光学系の先端位置のみを遮光または減光する手段を有することを特徴とする。
(付記項16の課題を解決するための手段) 術部を照明し観察する第1光学系と、前記第1光学系よりも術部に近接して観察する第2光学系と、前記第1光学系の観察範囲及び前記第2光学系の観察位置を検出するナビゲーションシステムとを有する手術システムにおいて、前記第2光学系の観察位置が前記第1光学系の観察範囲に導かれたときに、前記第1光学系の観察範囲の照明位置のうち前記第2光学系の観察位置のみを遮光または減光する手段を有することを特徴とする。
【0139】
(付記項1〜17の効果) 本発明によれば顕微鏡像のみを観察する場合には通常の視野絞りと同じ形状の視野絞りとなり、内視鏡等の画像観察を併用する場合には顕微鏡の視野絞りの外側に画像観察用の視野絞りが形成されるため、常に良好な視野が得られ、かつ画像観察併用時にも顕微鏡視野のケラレを最低限に押さえることができる。
【0140】
【発明の効果】
本発明によれば、同一視野内に良好な顕微鏡光学像及び画像投影光学系からのモニタ画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における内視鏡併用マイクロサージャリーの手術用顕微鏡システムの概略構成図。
【図2】 第1の実施の形態に係る手術用顕微鏡システムの制御系のブロック図。
【図3】 第1の実施の形態の手術用顕微鏡における視野絞りを構成する液晶シャッタの動作を説明するもので、(A)は液晶シャッタの第1の形状を示す平面図、(B)は液晶シャッタの第2の形状を示す平面図。
【図4】 第1の実施の形態に係る手術用顕微鏡のモニタ観察画面を示すもので、(A)は顕微鏡観察像の表示状態を示す平面図、(B)は顕微鏡像とLCDモニタ像を同時に表示させた状態を示す平面図。
【図5】 本発明の第2の実施の形態における手術用顕微鏡システムの概略構成図。
【図6】 第2の実施の形態に係る手術用顕微鏡システムの制御系のブロック図。
【図7】 第2の実施の形態の手術用顕微鏡における視野絞りの構成及び動作を説明するための説明図。
【図8】 第2の実施の形態の手術用顕微鏡のモニター観察画面を示すもので、(A)は硬性鏡の先端位置の部分の顕微鏡照明光を減光させた状態で顕微鏡像と内視鏡画像を同時に表示させた表示状態を示す平面図、(B)は顕微鏡像を親画面、内視鏡像を子画面にそれぞれ表示させた状態を示す平面図。
【図9】 第2の実施の形態の手術用顕微鏡における視野絞りを構成するLCDシャッタの動作を説明するもので、(A)はLCDシャッタに円形の透光部と遮光部とが形成された第1の形状を示す平面図、(B)はLCDシャッタの透光部の一部に減光部を形成した状態を示す平面図。
【図10】第1の実施の形態の変形例に係る要部構成図。
【図11】図10の構成における視野絞りを形成する液晶シャッタの動作を説明するもので、(A)は液晶シャッタの第1の形状を示す平面図、(B)は液晶シャッタの第2の形状を示す平面図。
【符号の説明】
L 画像投影光学系
3 硬性鏡(内視鏡)
8 液晶シャッター(視野調整手段)
30 第2のロータリーソレノイド(切り換え手段)
37 コントローラ(絞り形状変形手段)

Claims (4)

  1. 術部を観察して前記術部の顕微鏡視野の光学像を得るための顕微鏡光学系と、
    前記顕微鏡視野内に、前記顕微鏡光学系で得た光学像とは別のモニター画像を投影する画像投影光学系と、
    前記顕微鏡光学系の光路に挿脱可能に設けられ、前記顕微鏡光学系の光路内に位置したときに前記顕微鏡視野内に前記モニター画像を投影可能なプリズムと、
    前記プリズムを前記顕微鏡光学系の光路内に挿脱するソレノドを有した切り換え手段と、
    前記顕微鏡視野の光学像を撮像し、映像信号に変換する撮影機構と、
    前記切り換え手段の動作に連動して前記撮影機構からの映像信号に前記モニター画像の映像信号を重畳するミキサー手段と、
    前記ミキサー手段により処理した映像出力を表示するモニターと、
    を備えたことを特徴とする手術用顕微鏡システム。
  2. 前記ミキサー手段の映像出力を記録する記録手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の手術用顕微鏡システム。
  3. 前記ミキサー手段により重畳される前記モニター画像の位置は、顕微鏡視野内に投影されるモニター画像の位置と略同一であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の手術用顕微鏡システム。
  4. 前記切り換え手段と前記ミキサー手段の連動動作は、前記顕微鏡システムに接続されたフットスイッチにより行われることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の手術用顕微鏡システム。
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