JP4282061B2 - 画像形成装置および複写装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、例えばファクシミリ、レーザプリンタ、複写機に用いられる。
【0002】
【従来技術】
【特許文献1】
登録特許2704139には、プロセスユニット、現像剤カートリッジなどを装着することで画像の記録が可能となる画像形成装置が開示されている。この種の画像形成装置は、画像形成に使用される消耗品などの使用品交換を簡略化して、使用品の寿命によるマシン停止期間の低減、部品の交換時間の低減、部品交換作業の簡略化などサービス性を向上させている。
【0003】
【特許文献2】
特開2001−255787には、画像形成装置本体に対して装着される使用品から得られる情報に基づいて、画像形成装置の設置先における動作環境を確定して、この確定された動作環境に従って装置を動作させることが開示されている。
【0004】
上記特許文献1に開示されているような、使用品を収容する部分をカートリッジ化したものは、消耗品である電子写真プロセス部分をカートリッジ化して交換する構成のものであり、このカートリッジに設けられた感光体の特性にあった画像形成プロセス条件を完成させるために、カートリッジの一部に感光体の特性を表す情報源を設けたものである。そして、この情報源を画像形成装置が感知して適切な画像形成条件を設定するものである。しかし、このような画像形成装置では、装置本体が設置される先の動作環境(例えば温度,湿度,気圧,電源電圧,電圧,電圧の安定性等)に対応する調整値までは設定されない不具合があった。
【0005】
上記特許文献1は、画像形成装置本体に対して装着される使用品から得られる情報に基づいて、装置の予定設置先における動作環境を確定して、この確定された動作環境に従って装置を動作させるものであるが、新規部品の場合、動作環境の更新ができない不具合があった。
【0006】
【特許文献3】
特開2000−200187には、画像形成装置を常に画像形成が好適な状態に維持するために、メンテナンスサービスセンタ(メンテナンス業者)と契約して、画像形成装置の通信装置とサービスセンタの管理サーバとの間の通信を利用して、管理サーバで画像形成装置の状態情報を収集して、故障,消耗品の補充,交換の要否を把握し、必要な場合、管理サーバの管理者が画像形成装置の使用者に連絡をとって、サービスマンを派遣して画像形成装置を最適状態に維持する管理システムを開示している。この公報に開示の管理システムは、バージョンアップソフトをも、通信によって管理サーバから画像形成装置にダウンロードする。
【0007】
【特許文献4】
特開2001−117425には、プロセスカートリッジのメモリに個々の特性および使用量を読み書きして、メモリ情報に応じて付勢条件を設定する画像形成装置の開示がある。
【0008】
【特許文献5】
特開2001−242752は、部品ユニットに不揮発メモリを設けて、リサイクル履歴を書込み、画像形成装置で該部品ユニットを使用するときには、リサイクル履歴に対応して画像形成条件を設定するリサイクル方法およびそれを実施する画像形成装置を開示している。
【0009】
【特許文献6】
特開2002−055571は、オプション給紙装置のモータ駆動回路のICやセンサ入力回路の素子が故障して制御基板を交換する場合、制御基板上のEEPROMのシリアルナンバーや通算給紙枚数などの装置情報を画像形成装置本体側に読込んでセーブし、制御基板が交換されると、それにセーブした装置情報を書込む画像形成装置を開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで画像形成装置の保証,メンテナンス,リースあるいはレンタルにおいては、装置全体として保証値(プリント枚数)を設定したり、交換部品単位で保証値又は寿命値(プリント枚数)を設定している。いずれにしてもある部品が、保証値又は寿命値になるまでに故障すると、該部品の交換を無償で行い。故障した部品と交換した部品の使用実績値の合計が保証値又は寿命値になったときに画像形成装置又は部品をリサイクルのため回収すると、設計上の部品寿命より短い部品寿命を持った部品(前記交換した部品)が発生する。
【0011】
例えば、寿命回数使用する以前に部品が故障した場合に、残り回数分だけ、ユーザに部品を貸し出し、そこで交換を行う事で、ユーザは支払った金額に見合うだけ当該部品を使用することができる。ユーザに部品を貸し出したサービス側は、当該部品を回収した後、部品単体の寿命がくるまで、別途の、故障の発生したユーザに当該部品を貸し出す事が可能である。しかしながら、回収した部品の残り使用寿命(保証すべき寿命)を把握していないと、交換に使用した後、保証期間内に実際の寿命切れとなって、ユーザに更に迷惑をかけることも考えられる。
【0012】
本発明は、作像プロセス機器の使用寿命の管理を容易にし、しかも交換があっても画像形成装置は常に動作環境に好適な条件で動作可能にすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1)画像を用紙上に形成するための作像プロセス機器群,作像プロセス機器の機器情報対応の機器付勢情報を格納する格納手段(650,132)、および、作像指示に対応して作像プロセス機器群の動作を前記機器付勢情報に基いて制御して用紙上に画像を形成する制御手段(131)、を備える画像形成装置において、
作像プロセス機器に装備した、該作像プロセス機器の設定寿命値(A)および使用実績情報(D)を含む機器情報(Tp)を記憶する部品不揮発メモリ(98);
画像形成装置本体に装備した、作像プロセス機器宛てに使用実績値(d)および割当寿命値(e)を含む本体側管理情報(Tm)を記憶する本体不揮発メモリ(133b);および、
前記画像形成に従って部品不揮発メモリ(98)および本体不揮発メモリ(133b)の各使用実績値(D,d)を更新し(図7の85)、本体側管理情報(Tm)の使用実績値(d)が割当寿命値(e)に達したときおよび作像プロセス機器が故障したとき、該当する作像プロセス機器の交換要を報知し、交換後の作像プロセス機器の機器情報(Tp)に対応する機器付勢情報を前記格納手段(650,132)に書込み、前記故障の場合には、交換直前の割当寿命値(e)と本体側管理情報(Tm)の使用実績値(d)に基づいて、前記故障による寿命不足を補償する値を算出し本体側管理情報(Tm)の割当寿命値(e)に設定する、管理手段(131,630);
を備える画像形成装置。
【0014】
なお、理解を容易にするために括弧内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事項の符号を、例示として参考までに付記した。以下も同様である。
【0015】
ここで、部品不揮発メモリ(98)および本体不揮発メモリ(133b)は、接触型不揮発性メモリや、非接触型不揮発性メモリあるいは電源を備えた揮発性メモリなど、データの読み書きが可能で、外部からの給電が無くてもデータを保持できるメモリ素子またはメモリ装置を意味する。
【0016】
これによれば、作像プロセス機器を使用する毎に使用回数を作像プロセス機器自体に記録するため、当該機器を他の画像形成装置において使用する場合にも、それまでの使用量を認識する事が可能となる。画像形成装置本体に設定してある割当寿命値(e)と、作像プロセス機器の寿命を独立して認識し、制御を行う事が可能となる。
【0017】
また、格納手段(650,132)に、画像形成装置の動作環境に対応する、機器情報宛ての機器付勢情報を格納することにより、作像プロセス機器の交換があっても画像形成装置は常に動作環境に好適な条件で動作可能にすることができ、作像プロセス機器の交換が容易になる。
【0018】
画像形成装置本体に登録された割当寿命値(e)が消化されたときに、作像プロセス機器交換要が報知される。作像プロセス機器を交換すると、交換後の作像プロセス機器に適切な機器付勢情報が格納手段(650,132)に格納され、作像プロセス機器の交換があっても画像形成装置は常に好適な条件で動作する。作像プロセス機器の交換が容易になる。
【0019】
作像プロセス機器が故障したとき、作像プロセス機器交換要が報知される。作像プロセス機器を交換すると、交換後の作像プロセス機器に適切な機器付勢情報が格納手段(650,132)に格納され、作像プロセス機器の交換があっても画像形成装置は常に好適な条件で動作する。作像プロセス機器の交換が容易になる。
【0020】
作像プロセス機器の寿命まで使用する以前にそれが故障した場合に、画像形成装置本体に登録された割当寿命値(e)に対する残り回数分だけ、交換した作像プロセス機器の使用をさだめることが可能となる。交換された作像プロセス機器は、本来使用できる回数(A)を下回って使用された実回数が、当該作像プロセス機器に記録されているので、その後の再利用のための管理が容易である。
【0021】
【発明の実施の形態】
(2)管理手段(131,630)は、機器情報(Tp)の使用実績値(D)が作像プロセス機器の設定寿命値(A)に達したとき作像プロセス機器の交換要を報知し、交換後の作像プロセス機器の機器情報(Tp)に対応する駆動条件データを前記格納手段(650,132)に書込む;上記(1)に記載の画像形成装置。
【0022】
これによれば、部品不揮発メモリ(98)の作像プロセス機器の設定寿命値(A)が消化されたときに、作像プロセス機器交換要が報知される。作像プロセス機器を交換すると、交換後の作像プロセス機器に適切な機器付勢情報が格納手段(650,132)に格納され、作像プロセス機器の交換があっても画像形成装置は常に好適な条件で動作する。作像プロセス機器の交換が容易になる。
【0023】
(2a)管理手段(131,630)は、部品不揮発メモリ(98)の機器情報(Tp)の中の状態情報を「寿命」を表すものに更新する;上記(2)に記載の画像形成装置。これによれば、交換により取出された以前の作像プロセス機器において、それが「寿命」すなわち使い尽くされたものであることを容易に認識できる。
【0024】
(2b)管理手段(131,630)は、本体側管理情報(Tm)の割当寿命値(e)を、交換した作像プロセス機器の設定寿命値(A)に更新する;上記(2)又は(2a)に記載の画像形成装置。これによれば、画像形成装置本体に登録された割当寿命値(e)が消化されたときに、該当の作像プロセス機器を新品に交換することにより、画像形成装置本体に、残り寿命が設定寿命値(A)である新品の作像プロセス機器が装備され、しかも画像形成装置本体に登録された割当寿命値(e)が同じ寿命値(A)となる。以後の画像形成装置内作像プロセス機器の管理が容易になる。
【0025】
(2c)管理手段(131,630)は、作像プロセス機器が故障したとき、部品不揮発メモリ(98)の機器情報(Tp)の中の状態情報を「故障」を表すものに更新する;上記(1)の画像形成装置。これによれば、交換により取出された以前の作像プロセス機器において、それが「故障」すなわち使用不可のものであることを容易に認識できる。
【0026】
(2d)管理手段(131,630)は、本体側管理情報(Tm)の割当寿命値(e)を、交換直前の割当寿命値(e)から本体側管理情報(Tm)の使用実績値(d)を差引いた差値(c=e−d)に更新する;上記(1)又は(2c)に記載の画像形成装置。
【0027】
これによれば、作像プロセス機器の寿命まで使用する以前にそれが故障した場合に、画像形成装置本体に登録された割当寿命値(e)に対する残り回数分だけ、交換した作像プロセス機器の使用をさだめることが可能となる。交換された作像プロセス機器は、本来使用できる回数(A)を下回って交換されることが考えられるが、当該作像プロセス機器が使用された実回数が当該作像プロセス機器に記録されているので、その後の再利用のための管理が容易である。
【0028】
(3)画像形成装置は更に、管理サーバ(500)と通信する機能がある通信手段(606);を備え、管理手段(131,630)は、該通信手段を介して、交換された作像プロセス機器の機器情報(Tp)に対応付けられている機器付勢情報を前記管理サーバから入手して、前記格納手段(650,132)に書込む;上記(1)乃至(2d)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0029】
これによれば、管理サーバ(500)に、画像形成装置の動作環境に対応する、機器情報宛ての機器付勢情報を格納しておいて、画像形成装置が報知する機器情報に宛てられた機器付勢情報を読出して画像形成装置に送信することにより、画像形成装置には、動作環境と機器情報に対応する機器付勢情報が自動的に設定される。例えば、同一仕様の複数の画像形成装置でも、動作環境(温度,湿度,気圧,電源電圧,電圧,電圧の安定性等)が異なる複数の地域に出荷し、各ユーザがその地域の管理センタとメンテナンス契約を結む場合、各地域の管理センタの管理サーバには、その地域の動作環境に合わせた、機器情報(作像プロセス機器)対応の機器付勢情報をデータベースに格納しておくことにより、各地域に出荷した各画像形成装置に、各地域の動作環境対応の機器付勢情報が自動的に設定される。作像プロセス機器の交換があっても画像形成装置は常に動作環境に好適な条件で動作可能にすることができ、作像プロセス機器の交換が容易になる。
【0030】
(4)前記機器情報は、作像プロセス機器の特性を表す特性情報(荷電特性,感光体特性,現像特性,転写特性,定着特性)を含み;前記管理サーバは、該特性情報に対応した機器付勢パラメータを前記管理手段に送信する;上記(3)に記載の画像形成装置。
【0031】
これによれば、作像プロセス機器対応で最適な機器付勢パラメータを画像形成装置に自動設定することができ、作像プロセス機器の交換が容易になる。
【0032】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の画像形成装置(100,200);
原稿の画像を読取り画像データを発生する原稿スキャナ(300,400);および、
該原稿スキャナが発生する画像データならびに外部(PC,FCU)から通信によって与えられる書画情報を、前記画像形成装置が適応する作像用の画像データに変換して前記画像形成装置に与える画像処理手段(630,IPP);
を備える複写装置(図1,3)。
【0033】
これによれば、複写装置の作像プロセス機器の管理において、上記(1)乃至(5)に記述した作用効果を同様に得ることが出来る。
【0034】
(6)作像プロセス機器は、交流磁気に応じて電圧を誘起する受電コイル(91),誘起した電圧を整流し蓄電する整流平滑回路(93)および部品不揮発メモリ(98)に対してデータの読み書きをして画像形成装置本体の通信手段とデータを送受信する情報発受信器(95,99)を備え;画像形成装置本体は、前記受電コイル(91)と磁気結合する位置に配設され、交流磁気を発生する給電コイル(77a)および前記情報発受信器(95,99)とデータの送受信をする通信手段(70〜78)を備える;上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の画像形成装置又は複写装置。
【0035】
これによれば、情報発受信器(95,99)に電源電池を内蔵しなくても、機械的な電気接続線を介することなく、情報発受信器(95,99)に給電してデータの送受信動作をさせることができる。画像形成装置本体は、作像プロセス機器の管理情報が必要なときのみ給電コイル(77a)に交流電圧を印加すればよい。この交流電圧を印加していないときには、情報発受信器(95,99)において電力消費が無いので、電力節減効果が高い。
【0036】
(7)情報発受信器(95,99)および通信手段(70〜78)は、無線送受信機である;上記(6)に記載の画像形成装置又は複写装置。これによれば、給電のみならず機器情報信号の伝送にも、コネクタが不要であり、作像プロセス機器の、画像形成装置本体に対する着脱構造を簡易に構成できる。
【0037】
(8)情報発受信器(95,99)および通信手段(70〜78)のそれぞれは、両者間で無線で信号をやり取りする発光器および受光器(99,78)を含む、上記(6)又は(7)に記載の画像形成装置又は複写装置。これによれば、給電のみならず機器情報信号の伝送にも、コネクタが不要であり、作像プロセス機器の、画像形成装置本体に対する着脱構造を簡易に構成できる。
【0038】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明により明らかになろう。
【0039】
【実施例】
図1に、本発明の一実施例の複合機能フルカラーデジタル複写機の外観を示す。このフルカラー複写機は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)400と、操作ボード610と、カラースキャナ300と、カラープリンタ100と、給紙テーブル200の各ユニットで構成されている。機内のシステムコントローラ630(図3)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)が接続されている。この複写機のシステムコントローラ630(図3)は、通信網(インターネット)に接続することができ、該通信網を介して、管理センタの管理サーバ500と通信してデータを交換することができる。また、機内のファクシミリコントローラFCU(図3)は、交換機PBXおよび公衆通信網PNを介して、ファクシミリ通信をすることが出来る。
【0040】
図2に、図1に示す複写機の機構部の概要を示す。複写機のプリンタ100には、中央に、無端ベルトである中間転写ベルト10がある。中間転写ベルト10は、例えば伸びの少ないフッ素樹脂や伸びの大きなゴム材料に帆布など伸びにくい材料で構成された基層に、弾性層を設けた複層ベルトである。弾性層は、例えばフッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムの表面に、例えばフッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよいコート層を形成したものである。
【0041】
中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ14〜16に掛け廻されており、時計廻りに回動駆動される。第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17がある。
【0042】
第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15との間の中間転写ベルト10には、その移動方向に沿って、ブラック(K),イエロー(Y),マゼンタ(M)およびシアン(C)の、各色作像ユニット(作像プロセス機器)でなる作像装置20があり、各色作像ユニットは、それぞれ個別に交換用にユニット化され、プリンタ本体に対して脱着可能に装着されている。各色作像ユニットには、感光体ドラム40、ならびに、該感光体ドラムを荷電する帯電器,潜像を現像する現像器,クリーニング装置およびその他の周辺機器でなる作像関連機器18がある。
【0043】
作像装置20の上方には、各色作像ユニットの各感光体ドラムに画像形成のためのレーザ光を照射するレーザ露光装置21がある。これも作像プロセス機器であり、交換用にユニット化されている。
【0044】
作像プロセス機器であり交換用にユニット化された中間転写ベルト10の下方には、作像プロセス機器であって交換用にユニット化された2次転写装置22がある。2次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して、中間転写ベルト10を押し上げて第3の支持ローラ16に押当てるように配置したものである。この2次転写ベルト24は、中間転写ベルト10上の画像を、用紙上に転写する。2次転写装置22の横には、用紙上の転写画像を定着する定着装置25があり、トナー像が転写された用紙がそこに送り込まれる。
【0045】
定着装置25も作像プロセス機器であって交換用にユニット化されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加熱,加圧ローラ27を押し当てたものである。2次転写装置22および定着装置25の下方に、表面に画像を形成した直後の用紙を、裏面にも画像を記録するために表裏を反転して送り出すシート反転装置28がある。このシート反転装置28も、作像プロセス機器であって、交換用にユニット化されている。
【0046】
スタートスイッチが押されると、原稿自動搬送装置(ADF)400に原稿があるときは、それをコンタクトガラス32上に搬送してから、ADFに原稿が無いときにはコンタクトガラス32上に手置きの原稿を読むために直ちに、スキャナ300を駆動し、第1キャリッジ33および第2キャリッジ34を、読み取り走査駆動する。そして、第1キャリッジ33上の光源からコンタクトガラスに光を発射するとともに原稿面からの反射光を第1キャリッジ33上の第1ミラーで反射して第2キャリッジ34に向け、第2キャリッジ34上のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサであるCCD36に結像する。CCD36で得た画像信号に基づいてK,Y,M,C各色記録データが生成される。
【0047】
また、スタートスイッチが押されたときに、中間転写ベルト10の回動駆動が開始されるとともに、作像装置20の各作像ユニットの作像準備が開始され、そして各色作像ユニットの作像シーケンスが開始されて、各色作像ユニットに各色記録データに基づいて変調された露光レーザが投射され、各色作像プロセスにより、各色トナー像が中間転写ベルト10上に一枚の画像として、重ね転写される。このトナー画像の先端が2次転写装置22に進入するときに同時に先端が2次転写装置22に進入するようにタイミングをはかって用紙が2次転写装置22に送り込まれ、これにより中間転写ベルト10上のトナー像が用紙に転写する。トナー像が移った用紙は定着装置25に送り込まれ、そこでトナー像が用紙に定着する。
【0048】
なお、上述の用紙は、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転駆動し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚だけ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送してプリンタ100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止めてから、前述のタイミングで2次転写装置22に送り出されるものである。手差しトレイ51上に用紙を差し込んで給紙することもできる。ユーザが手差しトレイ51上に用紙を差し込んでいるときには、プリンタ100が給紙ローラ50を回転駆動して手差しトレイ51上のシートの一枚を分離して手差し給紙路53に引き込み、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
【0049】
定着装置25で定着処理を受けて排出される用紙は、切換爪55で排出ローラ56に案内して排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55でシート反転装置28に案内して、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0050】
一方、画像転写後の中間転写ベルト10上に残留する残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17で除去し、再度の画像形成に備える。
【0051】
レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、用紙の紙粉除去のためにバイアス電圧を印加することも可能である。例えば,導電性ゴムローラを用いバイアスを印加する。直径18mmで、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとする。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で109Ωcm程度である。このようにバイアスを印加したレジストローラ49を通過した後の紙表面は,若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写ベルト10からシートへの転写では、レジストローラ49に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変更する場合がある。
【0052】
中間転写ベルト10には、トナーを転写する側(表側)には−800V程度の電圧を印加し、紙裏面側は+200V程度の電圧を印加する。一般的に中間転写方式は紙粉が感光体にまで移動しずらいため,紙粉転写を避ける考慮をする必要が少なくアースになっていても良い。また、印加電圧として、DCバイアスが印加されているが、これはシートをより均一帯電させるためDCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。
【0053】
図3に、図1に示す複写機の、画像読み取り,画像処理,画像蓄積および画像形成、のシステム構成を示す。カラー原稿スキャナ300の、原稿を光学的に読み取る読み取りユニット11は、原稿に対する原稿照明光源の走査を行い、SBU(センサボードユニット)のCCD36に原稿像を結像する。原稿像すなわち原稿に対する光照射の反射光をCCD36で光電変換してR,G,B画像信号を生成し、SBU上でRGB画像データに変換しかつシェーディング補正し、そして出力I/F(インターフェイス)12で画像データバスを介して画像データ処理器IPP(Image Processing Processor;以下では単にIPPと記述)に送出する。
【0054】
IPPは、分離生成(画像が文字領域か写真領域かの判定:像域分離),地肌除去,スキャナガンマ変換,フィルタ,色補正,変倍,画像加工,プリンタガンマ変換および階調処理を行う。IPPは画像処理をおこなうプログラマブルな演算処理手段である。スキャナ300からIPPに転送された画像データは、IPPにて光学系およびデジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化)を補正され、フレームメモリ601に書き込まれる。
【0055】
システムコントローラ630は、スキャナアプリケーション,ファクシミリアプリケーション,プリンタアプリケーションおよびコピーアプリケーション等の複数アプリケーションの機能を有し、システム全体の制御を行う。操作パネル制御装置631は、操作ボード610の入力を解読して本システムの設定とその状態内容を表示する装置である。画像データバス/制御コマンドバスは、画像データと制御コマンドが時分割で転送されるバスである。
【0056】
システムコントローラ630のCPU605は、システムコントローラ630の制御を行う。ROM604にはシステムコントローラ630の制御プログラムが書かれている。RAM603は、CPU605が使用する作業用メモリである。NVRAM602は、不揮発性メモリであり、システム全体の情報の保管を行う。
【0057】
外部機器通信制御606は、画像読み取り,画像蓄積或いは画像印刷を要求する外部機器(たとえば同種の複写機,画像スキャナ,パソコン,プリンタ,ファクシミリ)ならびに管理センタの管理サーバ500との通信制御を行うものであり、ネットワークに接続するための物理I/Fの制御を行う。ネットワーク接続された外部機器通信制御606がネットワークからデータを受信すると、電気的な信号より通信データの内容だけシステムI/F607に送る。システムI/F607では、規定されたプロトコルに従い受信データを論理変換しCPU605に送る。CPU605では、論理変換された受信データを判断し処理を行う。また、CPU605が、ネットワークにデータを送信する時は、受信とは逆の手順で、システムI/F607、外部機器通信制御606に送信データが伝達され、電気信号としてネットワーク上に送出される。
【0058】
システムI/F607は、CPU605の命令によりシステム内で処理される、原稿読み取りデータ,ファクシミリ受信データ,パソコンのドキュメントデータ(印刷命令)の転送制御、ならびに、パソコンのドキュメントデータの印刷用のイメージデータ(画像データ)への変換と転送を行う。ワークメモリ600は、プリンタで使用する画像展開(ドキュメントデータからイメージデータへの変換)の作業用メモリである。フレームメモリ601は、電源が供給され続けている状態で即座に印刷される読み取り画像や書込み画像のイメージデータを、一時蓄える作業用メモリである。
【0059】
HDDC650は、システムのアプリケーションプログラムならびにプリンタ100の作像プロセス機器の機器付勢情報を格納するアプリケーションデータベース、ならびに、読み取り画像や書き込み画像のイメージデータ、すなわち画像データ、ならびにドキュメントデータを蓄える画像データベースとして用いられるハードディスクHDDとそのコントローラである。イメージデータおよびドキュメントデータは、符号化されたりドットイメージであったりする。FIFOバッファメモリ609は、入力画像をフレームメモリ601へ書込む時のデータ転送速度変換を行う。すなわち、転送元と転送先のデータ送出/受入れタイミングの差,転送単位のデータ量の相違,転送速度差等を吸収するデータの一時蓄積を行い、転送元の転送タイミングおよび速度でデータを受け入れ、転送先の転送タイミングおよび速度でデータを送り出す。同様にFIFOバッファメモリ608は、フレームメモリ601の画像データを出力画像としてデータ転送する時の速度変換を行う。
【0060】
メモリコントローラ610は、CPU605の制御なしにフレームメモリ601及び、HDDC650とバス間の画像の入出力をコントロールする。また、操作ボード301の入力装置614が受けたコマンドに応じて、フレームメモリ601を利用して、HDDCに蓄積している画像の編集,加工あるいは画像合成を行う。メモリコントローラ610は、HDDC650のHDDからワークメモリ600又はフレームメモリ601への画像情報の読出しと、おもに画像データアドレス変更操作による、転写紙に対する画像の印刷方向の変更,画像の回転,画像の組み合わせ編集と、画像データに対する設定値の加減乗除による濃度変換,画像データ同士の論理積演算や論理和演算による画像トリミングおよび合成と、このように処理した画像情報のHDDへの書込みとによって、各種の画像加工および編集を行うことができる。画像の読み取り変倍は画像読み取りユニット624が行い、印刷変倍は画像書込みユニット623が行う。
【0061】
CPU617は、操作ボード610の入出力制御を行う。すなわち、操作ボード610の入力読込みおよび表示出力を制御する。ROM616には、操作ボード610の制御プログラムが書かれている。RAM618は、CPU617で使用する作業用メモリである。614は、操作ボード610の入力キーおよび入力パネルを操作して使用者がシステム設定の入力を行う入力装置である。表示装置615は、操作ボード610にあって、使用者にシステムの設定内容,状態を表示するものであり、表示灯および表示パネルを含む。主走査及び副走査の基本倍率調整値は、システム調整工程でサンプル画像による倍率測定が行われ、操作パネル制御装置611により設定が行われる。また、主走査,副走査の四辺縁なし倍率調整値は、使用者またはメンテナンス担当者により印刷画像から、画像欠け及び余白が発生していないか確認され、それらを抑制する倍率調整値が操作ボード610により設定される。
【0062】
図2に示すプリンタ100の作像装置20の各色作像ユニット(K,Y,M,Cの4種),レーザ露光装置21,レジストローラ49,中間転写ベルト10,2次転写ベルト24,定着装置25およびシート反転装置28はそれぞれ、作像プロセス機器としてプリンタ本体に対して着脱可能にユニット化されて装着されている。各ユニットには、発受信回路81〜84,・・・が一体に組み込まれている。
【0063】
図3を再度参照すると、これらの発受信回路81〜84,・・・が発信する機器情報を受信するリーダ/ライタモジュール70が、I/O70に接続されている。このI/O70は、プリンタ100内にあって作像プロセス機器の作像シーケンスを制御するプロセスコントローラ131に接続されている。プロセスコントローラ131は、RAM132に書込んだ制御プログラムならびに作像プロセス機器付勢パラメータおよびタイミングデータに基づいて、作像プロセス機器を付勢しあるいは動作を設定し、動作シーケンスを制御する。
【0064】
各発受信回路81,82,83,・・・の管理チップ95の、不揮発メモリである管理メモリ98には、それを装備する作像プロセス機器ユニットの機器情報が格納されている。機器情報は、全ユニットに共通の、機器ID(機種コード+個体コード,個体コード=ロット番号+製品番号),状態情報,使用実績値Dおよび設定寿命値Aの他に、ユニット個別の特性情報を含む。2次転写ベルト24のユニットは、カラーの画像を形成する上で位置ずれの原因等、精度の高い制御が必要である。この制御を行うための基礎データとして、ベルトの厚み、抵抗値等の特性をあらわす特性情報を、特定の区間で区切り、区間宛てに管理メモリ98に書込んでいる。感光体ドラムおよびその周辺のプロセス機器を1ユニットにした各色作像ユニットの特性情報は、感光体特性,帯電ローラ特性および現像特性を含む。レジストローラ49のユニットの特性情報は、接地型かバイアス型かの特性識別情報と、バイアス型の場合には、バイアス電圧を定める指標となる特性(ローラ抵抗,表面抵抗等)を含む。中間転写ベルト10のユニットの特性情報は、各色転写ローラ又は転写ブレードの転写特性を含む。定着装置25のユニットの特性情報は、定着特性(定着温度/電源電圧/環境温度)を含む。
【0065】
図4に、作像プロセスユニットに組み込まれた発受信回路81〜84,・・・から、図3に示すシステムコントローラ630までの、ユニット管理データ伝送系の概要を示す。1つの発受信回路81には、超小型無線管理チップ95と、それに動作電圧を与えるための、受電コイル91,整流平滑回路93および定電圧回路94がある。受電コイル91はユニットケースの端面にあり、プリンタ本体側の給電コイル77aとの磁気結合が密になるように、磁性体コアに巻回されている。受電コイル91には、整流平滑回路93が接続されている。
【0066】
プリンタ本体には、発受信回路81を装備した作像プロセスユニットが装着されたときに前記受電コイル91が対向する位置に、給電コイル77aが配設されており、作像プロセスユニットがプリンタ本体に装着されているときには、受電コイル91が接するほどの近距離で給電コイル77aに対向する。他のユニットにも発受信回路81と同一仕様の発受信回路82,83,84,・・・が備わっており、それらのユニットがプリンタ本体に装着されたときに各発受信回路の各受電コイルに対向する給電コイル77b,77c,77d,・・・がプリンタ本体に配設されている。
【0067】
給電コイル77a〜77D,・・・は、選択接続回路76の第1〜第Npdの入出力ポートの各ポートに接続されている。システムコントローラ630がプロセスコントローラ131に、状態読取を指示すると、プロセスコントローラ131は、開閉スイッチ回路73を閉じる。そして、選択接続回路76を入出力ポート0から第1ポートへの電圧出力に切換えて第1ポートに結合されたユニットの発受信回路81に対するデータ転送を終えると、第2ポートへの電圧出力に切換えて、第2ポートでのデータ転送を終えると第3ポートへの電圧出力に切換えるという具合に、第Npdポートまで電圧出力を切換えてデータ転送をしてから、開閉スイッチ回路73を開く。
【0068】
開閉スイッチ回路73を閉じている間、交流電圧発生器74が交流電圧を発生し、これによって第1番の給電コイル77aに交流電流が流れ、交流磁界が発生する。この交流磁界によって、発受信回路81の受電コイル91に交流電流が誘起されて、整流平滑回路93の平滑コンデンサを充電する。平滑コンデンサの充電電圧が所定値に達してから定電圧回路94が管理チップ95への電圧印加を開始する。
【0069】
発受信回路81,82,83,・・・には、通信信号送信用の発光ダイオードと受信用のフォトトランジスタを対にした送受信端99があって、受電コイル91と並んでおり、これに対応する同様な送受信端78aがプリンタ本体にあって、送電コイル77aと並んでいる。プロセスユニットの送受信端99とプリンタ本体側の送受信端78aとは、送信用および受信用あわせて2対のフォトカプラを構成する。すなわち無線通信の中の光通信を行うものとした。
【0070】
プロセスコントローラ131は、読み出し命令又は書込み命令を管理チップ95に送信する。管理チップ95は、読み出し命令に応答してその内部の不揮発メモリである管理メモリ98のデータを読み出してプロセスコントローラ131に送出し、また、書込み命令に応答してプロセスコントローラ131が送り込んでくるデータを管理メモリ98に更新書込みする。
【0071】
プロセスコントローラ131は、第1ポート(に通信結合しているユニット)に対する管理データの読み書きを終えると、今度は、選択接続回路76を第1ポートから第2ポートへの電圧出力とデータ転送接続に切換えて、発受信回路82に対してデータの送受信を行う。
【0072】
プロセスコントローラ131は、このようなプロセスユニットに対するデータ転送(管理メモリ98の読み書き)を、選択接続回路76の、データ読み書きに設定された最後の、第Npd番の入出力ポートまで行い、これを終了すると、スイッチ73を開に戻す。
【0073】
各発受信回路81,82,83,・・・の管理チップ95の管理メモリ98には、管理テーブルTpが格納されている。管理テーブルTpのデータが、この実施例では、前述の、機器ID(機種コード+個体コード,個体コード=ロット番号+製品番号),状態情報,使用実績値D,設定寿命値Aおよび特性情報でなる機器情報である。
【0074】
状態情報は、新品,使用中,故障および寿命のいずれかを表わすものである。使用実績値Dは、使用回数=印刷枚数を表すものであり、)と、設定寿命値Aは、使用環境対応の設計上の寿命値である。
【0075】
カラープリンタ100の不揮発メモリ133bには、選択接続回路76の各ポートNo.1〜Npdに接続された各プロセスユニットの使用管理データを書込んだ登録テーブルTmが有る。登録テーブルTmの各ポートNo.1〜Npd宛てのデータは、この実施例では、そこに結合されたユニットの機器IDと、使用中,故障および寿命のいずれかを表わす状態情報と、使用実績値d(使用回数=印刷枚数)と、割当寿命値eである。
【0076】
新品のプリンタ100がユーザに提供されるときには、原則として、各プロセスユニットの管理テーブルTpの状態情報は新品、使用実績値D=0,設定寿命値A=出荷時の設計上の寿命値であり、登録テーブルTmの各ポート宛ての状態情報は使用中、使用実績値d=0,割当寿命値e=設定寿命値Aである。ただし、設定寿命値Aは、プロセスユニットごとに定められたものであり、プロセスユニットごとに異なるが、第iポートに結合されたプロセスユニットの管理テーブルTpの設定寿命値Aと、登録テーブルTmに第iポート宛てに登録された割当寿命値eとは、同一である。
【0077】
図5および図6に、システムコントローラ630(のCPU605)の制御動作の概要を示す。まず図5を参照すると、自身に動作電圧が印加されるとコントローラ630は、出力ポ−トのクリア,RAM603の初期化等を行ない(2)、操作ボード610の液晶タッチパネルに「お待ち下さい!」を表示してプリントキーの赤ランプを点灯する(ステップ1&2)。
【0078】
以下、カッコ内には、ステップという語を省略して、ステップNo.数字のみを記す。
【0079】
次にコントローラ630は、装置各部の状態を読み取り、異常検出を行なう(3)。以下においては、異常およびメンテ要の事項を、一括して異常等と表現する。電源オフの間に、作像プロセス機器ユニットの交換がありえるので、それがあったかを確認するために、各部状態読み取り(3)では、図7に示す「ユニット情報の読み取り」(3a)を実行するが、その内容は、図7を参照して後述する。
【0080】
各部状態読み取り(3)で、装置に異常又はメンテ要(用紙補充要,ユニット交換用,給紙カセット切り換え等々)があると、メンテ要請通知を行なうとの登録(通知登録)があるかをチェックして(20)、それが無いときには、異常等の表示或いはメンテ要の内容をセットして表示する(21)。
【0081】
異常等が修復されて準備ル−プを抜けると異常等の表示をリセットする(6)。通知登録があったときには、図6を参照すると、該異常等がNVRAM602の1領域に割り当てたメンテ要請項目テ−ブルに登録された異常等であるかをチェックして(22)、登録があるものであると、管理サーバ500への通知情報を編集して(24)、管理センタの管理サーバ500に送信する(25)。そして異常等の表示をセットする(21)。
【0082】
異常等が無かったときには、標準モ−ドにおけるコピ−処理の初期条件として、コピ−枚数:1,自動濃度,自動用紙選択,等倍を設定する(7)。そして液晶タッチパネルに「コピ−できます」を表示し、スタートキーの赤ランプ表示に換えて緑ランプを点灯して、複写,プリントレディをセットする(8)。そして、HDDの画像メモリ領域に、出力すべき画像データがあるかをチェックし(9)、無いと、ホストPCからの印刷コマンドおよび操作ボード610の入力ならびに管理サーバ500からの送信を待つ(10〜13)。ここで、複写入力があると、それを読込み、入力対応の処理(複写条件の設定)を行なう(13)。
【0083】
「操作ボ−ド読取」(11)でスタートキーの押下を検知するとコントローラ630は、「コピ−出力処理」(14)に進む(12−14)。「コピ−出力処理」(14)の概要は、一般のコピ−処理と同様である。原稿コピ−を終了すると、コントローラ630は、ステップ9〜13のチェックを行なう。ホストPCから印刷コマンドを受けるとコントローラ630は、「P出力処理」(プリンタ出力処理)(15)に進む(10−15)。「P出力処理」(15)の概要は、一般のプリンタ出力処理と同様である。プリント出力を終了すると、コントローラ630は、ステップ9〜13のチェックを行なう。
【0084】
上述の「コピ−出力処理」(14)又は「P出力処理」(15)を行なっているときに、他の印刷コマンドを受けたときには、コントローラ630は、印刷コマンドおよびプリントドキュメントデータをハードディスクHDDに蓄積する。また、「P出力処理」(15)を行なっているときにコピ−スタートキーの押下があると、ADF400およびスキャナ300を駆動して原稿画像データをハードディスクHDDの画像メモリ領域に蓄積する。そして、現行の「コピ−出力処理」(14)又は「P出力処理」(15)を終えると、ハードディスクHDDの蓄積データを書込みが早いものから順次に読出して、「コピ−出力処理」(14)又は「P出力処理」(15)にて順次に印刷出力する(9−16−14/15)。
【0085】
「コピ−出力処理」(14)又は「P出力処理」(15)を実行している間、ならびにそれを終了し待機しているときに、プロセスコントローラ131が状態読取を行ない(17)、異常等を認識すると、これをコントローラ630に報知し、これに応答してコントローラ630がメンテ交信テ−ブルの「サ−ビスセンタに通知」の項に「1」(通知登録あり)があるかをチェックする(20)。
【0086】
図6も参照すると、「1」(通知登録あり)があると、今回認知した異常等が、メンテ要請項目テ−ブルに登録(指定)されたものであるかをチェックする(22)。メンテ要請項目テ−ブルに登録された異常等であると、それがすでに管理サ−バ500に通知済かをチエックして(23)、未通知であると、メンテ交信テーブル上の複写機(対象機)ID(回線番号)および管理者ID(E−Mailアドレス又は回線番号)、該異常等を表わすデータを、送信情報フレ−ムに編集して(24)、管理センタの管理サ−バ500と交信して、該送信情報フレ−ムを管理サ−バ500に送信する。すなわち、メンテ要請通知を行なう。その後コントローラ630は、「各部状態読取」(図5の17)で、管理サ−バ500からの返信を認知する。
【0087】
図7に、「各部状態読み取り」(3)で実行する「ユニット情報の読み取り」(3a)の概要を示す。ここでシステムコントローラ630は、プロセスコントローラ131に機器情報の読み取りを指示する(3a1)。この指示に応答してプロセスコントローラ131は、図9〜図12に示す各部状態読み取り(32)で作像プロセス機器ユニットのそれぞれに装着されている発受信回路81,82,83,・・・の各管理メモリ98の管理テーブルTpを読み取って、管理テーブルTpと登録テーブルTmのデータを照合してユニットの交換要否をチェックして、必要に応じて管理テーブルTpおよび登録テーブルTmの情報を更新し、管理情報を生成してシステムコントローラ630に転送する(3a1)。
【0088】
システムコントローラ630は、管理情報を受けると、その中にユニットの故障,寿命あるいは交換済(交換直後)との情報があると、該情報を転送するための送信情報フレームを生成して、インターネットを介して管理サーバ500に送信する(3a2)。
【0089】
管理サーバ500は、作像プロセス機器ユニットの機器IDの機種コードに、機器付勢情報である機器付勢パラメータ(モータ回転速度,帯電ローラ印加電圧,現像バイアス電圧,色別1次転写電圧,2次転写電圧,レジストローラバイアス電圧,定着目標温度およびその他の作像パラメータ)、ならびに、設定寿命値Aを対応付けて格納した付勢情報抽出テーブルを持ち、また、複写機ID(回線番号)宛ての管理データベースを持つ。
【0090】
上記付勢情報抽出テーブルは、複写機の動作環境(例えば温度,湿度,気圧,電源電圧,電圧,電圧の安定性等)の大まかな区分で作成されているものであり、テーブルの内容(ユニットの特性に対する機器付勢パラメータ値および設定寿命値A)は、動作環境によって一部異なる。例えば、寒冷地用と暖地用とでは定着目標温度が異なり、商用電源電圧が低傾向の電源不安定地域用では、モータ回転速度や付勢電圧が高めに設定されている。また、環境が悪く寿命劣化が早いと推定される動作環境宛てには、設定寿命値Aが短く設定される。そして、管理サーバ500がある地域の動作環境に宛てられた付勢情報抽出テーブルが、該管理サーバ500のデータベースに格納されている。
【0091】
管理サーバ500は、送信情報フレームを送ってきた複写機ID(回線番号)宛ての管理データベースを、受信した情報に基づいて更新すると共に、受信した情報が、故障又は寿命であると、それに対処する管理センターの処置方報告情報又はユーザに対する対策報知情報をシステムコントローラ630に送信する(3a3)。受信した情報がユニット交換があったことを表わす「交換済」であると、そのユニットの機種コードに宛てられた機器付勢パラメータおよび設定寿命値Aを、上記付勢情報抽出テーブルから読み出して、システムコントローラ630に送信する(3a3)。
【0092】
システムコントローラ630は、受信した処置方報告情報又は対策報知情報は操作ボード610に表示し(3a4)、機器付勢パラメータはHDDに書込み、設定寿命値Aはプロセスコントローラ131を介して、該当ユニットの管理テーブルTpに更新書込みする(3a5)。HDDに書込んだ機器付勢パラメータはRAM132にも書込む(3a6)。
【0093】
なお、コピー或いはプリントアウトの像形成において、プロセスコントローラ131は、「初期化」(2)でHDDから読み出してRAM132に書き込んでいる機器付勢パラメータおよび作像制御プログラムにしたがって作像プロセス機器を付勢し作像シーケンスを進めるので、上述のようにユニット交換に対応してHDDおよびRAM132の機器付勢パラメータが更新されると、それに従った作像プロセス機器の付勢が行われる。
【0094】
図8に、プロセスコントローラ131の制御動作の概要を示す。自身に動作電圧が印加されるとコントローラ131は、出力ポ−トのクリア,RAM132の初期化等を行ない(31)、プリンタ内の「各部状態読み取り」(32)を行う。ここでシステムコントローラ630からコピー条件やプリント条件が与えられると、それをRAM132にセーブし、プリンタ内の機構あるいは回路を、与えられた条件に設定する。プリンタ内に異常またはメンテ要(異常等)が有るとそれをシステムコントローラ630に報知して、操作ボード610に表示する(34,44)。異常等が無いと、あるいは異常等がなくなると、レディをシステムコントローラ630に報知して異常等の表示は消去し(35,36)、システムコントローラ630から、印刷命令(コピースタート/プリントスタート)が到来するとプロセスコントローラ131は、指定された条件のコピープロセス又はプリントプロセスの制御を実行し(37,38)、プロセスユニットの使用実績値の更新要を示す「1」を、レジスタFRe(RAM上の1領域)に書込んで(39)、プリンタ内の「各部状態読み取り」(40)を行う。
【0095】
上記プリンタ内の「各部状態読み取り」(32)および(40)では、前述の管理テーブルTpおよび登録テーブルTmのデータ管理を行う。その内容は、図9以降を参照して後述する。
【0096】
「各部状態読み取り」(40)を終えると、その中でプロセスユニットの使用実績値の更新が済んでいるので(図9の53,87)、レジスタFReのデータを「0」に初期化する(41)。そして、各部が正常(レディ)であるとすなわち異常等がないと、「各部状態読み取り」(32)で、システムコントローラ630から印刷命令が到来するのを待ち、その間操作ボード610の入力,プリンタの前カバーの開閉などの変化があると、それに対応した処理を行う。
【0097】
図9〜図12に、「各部状態読み取り」(32)又は(40)に進んだときに実行する、管理テーブルTpおよび登録テーブルTmの更新処理を示す。この更新処理に進むとプロセスコンピュータ131は、選択接続回路76の第1ポートに結合したプロセスユニットの発受信回路81の管理メモリ98の管理テーブルTpの機器ID,状態情報,使用実績値Dおよび設定寿命値Aを読込む(51,52)。そして、プロセスユニットの使用実績値の更新要であると、すなわち、印刷(38)を実行した直後であると、読込んだ使用実績値Dを、印刷(38)での印刷回数(作像回数)を加えた値に更新して、管理テーブルTpに更新書込みするとともに、登録テーブルTmの第1ポート宛ての使用実績値dも、印刷回数を加えた値に更新する(53,87)。
【0098】
次にプロセスコントローラ131は、管理テーブルTpの機器IDを登録テーブルTmの第1ポート宛てのIDと照合して、IDの中の機種コードが不一致であると、「不正部品」との、システムコントローラ630への報知情報を生成して(55,86)、管理テーブルTpの読み書きを、選択接続回路76の第2ポートに切替えて(図10の63,64)、同様に第2ポートに結合したプロセスユニットの管理テーブルTpの読取と使用実績値D,dの更新を行う(52〜54)。
【0099】
次に、図10も参照する。機器IDの機種コードが合致していた場合には、正規のプロセスユニットを装備しているので、登録テーブルTmの第1ポート宛ての状態情報を参照して(56)、それが「使用中」を示すものであると、使用実績管理(図10の57〜66)を行う。
【0100】
すなわち、第1ポートのプロセスユニットの管理テーブルTpの状態情報が、使用可を意味する「新品」又は「使用中」であって、故障していないとすなわち異常なしである場合は、管理テーブルTpの使用実績値Dがプロセスユニットの設定寿命値A以上になっているときには、「部品交換要」との、システムコントローラ630への報知情報を生成し管理テーブルTpの状態情報を「寿命」に更新する(57〜60)。また、登録テーブルTmの第1ポート宛ての使用実績値dが割当寿命値e以上になっているときには、「部品交換要」との、システムコントローラ630への報知情報を生成し登録テーブルTmの第1ポート宛ての状態情報を「寿命」に更新する(61,62)。使用実績値D<設定寿命値Aかつ使用実績値d<割当寿命値eであると、第1ポートのプロセスユニットの交換は不要であるので、管理テーブルTp,登録テーブルTmのデータ更新はせず、報知情報も生成しないで、次の第2ポートのプロセスユニットの管理テーブルTpの読込をする(57,58,59,61,63,64,52)。
【0101】
しかし、第1ポートのプロセスユニットを故障と判定しているときには、プロセスコントローラ131は、システムコントローラへの異常報知情報を生成し管理テーブルTpおよび登録テーブルTmの第1ポート宛ての各状態情報を「故障」を表わすものに更新する(58,66)。また、読込んだ管理テーブルTpの状態情報が「故障」であると、同様に、システムコントローラ630への異常報知情報を生成し管理テーブルTpおよび登録テーブルTmの第1ポート宛ての各状態情報を「故障」を表わすものに更新する(57,65,66)。
【0102】
生成したシステムコントローラ630への報知情報は、第1ポートから第Npdポートに結合した各プロセスユニットの管理テーブルTpの読取と使用実績値の更新をすべて完了した時点に、プロセスコントローラ131からシステムコントローラ630に送られ、操作ボード610に報知される(63,85)。この報知があると、報知があったプロセスユニットの交換が必要であり、交換が完了するまで、プリンタ100は作像プロセスに進行しない、交換待機状態(異常等の修復のための待機状態の一態様)となる。
【0103】
ユーザ又はサービスマンがプリンタ100の前カバーを開いて該当のプロセスユニットを交換して前カバーを閉じると、このカバー開から閉への切換りに応答して、プロセスコントローラ131およびシステムコントローラ630が各部状態読取を行う。
【0104】
このとき、登録テーブルTmの、管理テーブルTpを読込んだポート宛ての状態情報が、「故障」であると、今回の前カバー開閉は、該故障のプロセスユニットの交換であったと考えることが出来る。この場合には、プロセスコントローラ131は、図11に示す「故障」登録後の、プロセスユニット交換に対応するための管理テーブルTpおよび登録テーブルTmの更新(56,67〜77)を実行する。しかし「寿命」であったときには、今回の前カバー開閉は、該寿命のプロセスユニットの交換であったと考えることが出来る。この場合には、プロセスコントローラ131は、図12に示す「寿命」登録後の、プロセスユニット交換に対応するための管理テーブルTpおよび登録テーブルTmの更新(56,78〜84)を実行する。
【0105】
図11を参照する。登録テーブルTmの、管理テーブルTpを読込んだポート宛ての状態情報が「故障」であるとプロセスコントローラ131は、ID(機種コード+個体コード)が合致する場合には、「故障」と報知したにもかかわらずプロセスユニットの交換は行われていないので、部品交換要とのシステムコントローラ630への報知情報を生成する(67,77)。IDが不一致(機種コードは合致するが、個体コードは不一致)である場合には、プロセスユニットが交換されているので、交換されたプロセスユニット(読込んだ管理テーブルTp)の状態情報が使用可を表す「新品」又は「使用中」のときには、システムコントローラ630に、データ更新要求とともに交換されたプロセスユニットの管理テーブルTpを与える。システムコントローラ630が、図7に示す「ユニット情報の読み取り」(3a)と同様な通信処理により、プロセスコントローラ131が与えた情報を管理サーバ500に送信し、管理サーバ500が、該管理テーブルTpの機器IDの機種コードと使用実績値Dに対応する駆動付勢パラメータと機種コード対応の設定寿命値Aをシステムコントローラ630に送信する。システムコントローラ630は、機器付勢パラメータはHDDに書込み、設定寿命値Aはプロセスコントローラ131を介して、該当ユニットの管理テーブルTpに更新書込みし、HDDに書込んだ機器付勢パラメータはRAM132にも書込む。この過程で、プロセスコントローラ131は、システムコントローラ630がサーバ500から受信した設定寿命値Aを、交換されたプロセスユニットの管理テーブルTpに更新書込みする(図11の68a〜68c)。
【0106】
そして、該管理テーブルTpの使用実績値Dが設定寿命値A未満であると登録テーブルTmの前記状態情報と管理テーブルTpの状態情報をともに「使用中」に更新する(67〜70)。使用実績値Dが設定寿命値A以上であると使用不可のプロセスユニットに交換されているので、部品交換要とのシステムコントローラ630への報知情報を生成して管理テーブルTpの状態情報を「寿命」に更新する(69,76)。
【0107】
上述の、適正なプロセスユニットに交換が行われたとして、テーブルTp,Tmの状態情報をともに「使用中」に更新した流れ(67〜70)は、プロセスユニットが故障して、別のプロセスユニットに交換が行われた、ユニット交換直後のものである。ここで、プリンタ100として、交換後のプロセスユニットに対する使用期限を、割当寿命値eとして設定する。
【0108】
この実施例では、「自動」が設定されているときには、本来補償さるべき割当寿命e(過去に故障実績がないとe=設計寿命値A)から、先の、故障ユニットの使用実績値dを差引いた差値c=e−d(過去に故障実績がないとc=A−d)とする、残り値を割当寿命値eに設定する保証残値設定態様と、交換したプロセスユニットの設定寿命値Aを割当寿命値eに設定するユニット寿命設定態様、の一方を選択するようにしており、「手動」が設定されているときには、オペレータが入力した値を割当寿命値eに設定するようにしている。
【0109】
すなわち、不揮発メモリ133bの登録テーブルTmには、選択接続回路76の第1〜第Npdポートのそれぞれ宛に、設定指定レジスタFAsおよび割当値指定レジスタFPesが割当てられており、プロセスコントローラ131は、自動選択レジスタFAsのデータが、「自動」を指定する「1」である場合には、割当値指定レジスタFPesのデータが「設定寿命」を指定する「1」であると割当寿命値eを設定寿命値Aに更新して使用実績値dを基点値0に初期化し(71,73,75)、割当値指定レジスタFPesのデータが「保証残値」を指定する「0」であると割当寿命値eを、ユニット故障時の割当寿命値eから使用実績値dを減算した差値c=e−dに更新して使用実績値dを基点値0に初期化する(71,73,74)。
【0110】
設定指定レジスタFAsのデータが、「手動」を指定する「0」である場合には、プロセスコントローラ131は、交換したプロセスユニットに割当てる使用回数をオペレータに入力させるための入力催告画面の表示要求をシステムコントローラ630に報知し、システムコントローラ630がこれを操作ボード610に転送し、操作ボード610がその表示装置615の液晶タッチパネルに、割当寿命値入力画面を表示する。オペレータが画面上の割当寿命値入力欄に数値を入力してエンターキーにタッチすると、入力値がシステムコントローラ630を介してプロセスコントローラ131に報知され、プロセスコントローラ131が、割当寿命値eを入力値に更新して使用実績値dを基点値0に初期化する(71,72a,72b)。
【0111】
なお、上述の設定指定レジスタFAsおよび割当値指定レジスタFPesへのデータ設定は、図13を参照して後述する。
【0112】
図12を参照して、「寿命」を登録テーブルTmに登録した後の、プロセスユニット交換に対応するための管理テーブルTpおよび登録テーブルTmの更新(56,78〜84)を説明する。登録テーブルTmの、管理テーブルTpを読込んだポート宛ての状態情報が「寿命」であるとプロセスコントローラ131は、図10のステップ56から図12のステップ78に進んで、ID(機種コード+個体コード)が合致する場合には、「寿命」と報知したにもかかわらずプロセスユニットの交換は行われていないので、部品交換要とのシステムコントローラ630への報知情報を生成する(78,84)。IDが不一致(機種コードは合致するが、個体コードは不一致)である場合には、プロセスユニットが交換されているので、交換されたプロセスユニット(読込んだ管理テーブルTp)の状態情報が使用可を表す「新品」又は「使用中」のときには、システムコントローラ630に、データ更新要求とともに交換されたプロセスユニットの管理テーブルTpを与える。システムコントローラ630が、与えられた情報を管理サーバ500に送信し、管理サーバ500が、該管理テーブルTpの機器IDの機種コードと使用実績値Dに対応する駆動付勢パラメータと機種コード対応の設定寿命値Aをシステムコントローラ630に送信する。システムコントローラ630は、機器付勢パラメータはHDDに書込み、設定寿命値Aはプロセスコントローラ131を介して、該当ユニットの管理テーブルTpに更新書込みし、HDDに書込んだ機器付勢パラメータはRAM132にも書込む。この過程で、プロセスコントローラ131は、システムコントローラ630がサーバ500から受信した設定寿命値Aを、交換されたプロセスユニットの管理テーブルTpに更新書込みする(図12の79a〜79c)。
【0113】
そして、該管理テーブルTpの使用実績値Dが設定寿命値A未満であると登録テーブルTmの前記状態情報と管理テーブルTpの状態情報をともに「使用中」に更新する(78〜82)。そして割当寿命値eを設定寿命値Aに更新して使用実績値dを基点値0に初期化する(83)。
【0114】
使用実績値Dが設定寿命値A以上であると、使用不可のプロセスユニットに交換されているので、部品交換要とのシステムコントローラ630への報知情報を生成して管理テーブルTpの状態情報を「寿命」に更新する(81)。
【0115】
再度図10を参照する。以上に説明した、1つのプロセスユニットの管理テーブルTpの読み込みと、読み込んだ情報と該プロセスユニットに宛てた登録テーブルTm上の情報とを照合した「プロセスユニットの使用管理」を、選択接続回路76の第1番〜第Npd番の入出力ポートのそれぞれに結合したプロセスユニットのすべてについて終了すると、プロセスコントローラ131は、その間に生成した報知情報をシステムコントローラ630に送信し(63,85)、システムコントローラ630が操作ボード610に表示する。この表示に応答して、ユーザ又はサービスマンが、プロセスユニットの交換などの、対応処置を行い、これによってプリンタ100の前カバーの開から閉への切換り(状態変化)があると、プロセスコントローラ131が各部状態読取を行い、その中で、上述の「プロセスユニットの使用管理」を再度実行する。
【0116】
通常は、プリンタ100に登録してある割当寿命値eと、プロセスユニットをユニット単位で寿命とする設定寿命値Aは同一である。これに差異が生じる場合とは、即ちプロセスユニットにおいて、ユニットの寿命Aとなる以前にプリンタ100から取り出され、再び同一或いは別のプリンタに入れて使用した場合である。
【0117】
前述の通り、使用して寿命となる以前のユニットにおいて、ユニット故障等の異常が発生し、ユニットが使用不可能であると判断した場合には、操作ボード610が異常等を表示し、機械停止する。この後、ユニットが交換された時、プロセスコントローラ131は、設定寿命値Aと、これまでに使用してきた回数dから、残り使用回数(保証残値c=A−d)を算出する。別途予めの設定により、これを用いる設定(FPes=「1」)とされていた場合には、これを新たにプリンタ100に設定してあるユニット毎の割当寿命値e(=c=A−d)とする。交換されたユニットに使用履歴が全くない場合には、この回数eだけ使用すると、プロセスコントローラ131は、保証寿命の完了と判断してプリンタを停止する。斯様にして、ユニットの設計寿命とは異なる残存寿命を持ったユニットが発生する。
【0118】
プリンタ100において、該残存寿命を持ったユニットを新品ユニットに交換すると、プロセスコントローラ131は、新品ユニットの設定寿命値Aを、プリンタに設定してある割当寿命値eとする。
【0119】
実使用としては、寿命回数A使用する以前にユニットが故障した場合に、残り回数c=A−d分だけ、ユーザにユニット(プロセスユニット)を貸し出し、そこで交換を行う事で、ユーザは支払った金額に見合うだけ当該ユニットを使用することができる。又、ユーザにユニットを貸し出したサービス側は、当該ユニットを回収した後、その使用実績値Dと設定寿命値Aから残り寿命値A−Dを確認することが出来、ユニットの寿命Aとなるまで、別途故障の発生したユーザに当該ユニットを貸し出す事が可能になる。更に、ユーザが、貸し出されたユニットの使用後に、当該ユニットを新品ユニットに交換を行った後には、設定寿命値Aまで、新規購入した部品を使用できるようになる。
【0120】
図13に、図5の「操作ボ−ド読取」(11)で、システムコントローラ630が操作ボード610を用いて行う、スタートキー以外のキーが操作されたときに実行する「他のキーの読取処理」(13)の内容の一部PRPを示す。入力を待っているとき、操作ボード610の初期設定キーが押されると、操作ボード610の液晶タッチパネルに設定メニュ−の第1頁(初期設定メニュ−No.0)を表示する(91,92)。そして操作ボード610へのオペレータ入力を読込む(93)。該設定メニュ−No.0の中に、「部品使用回数の選択設定」の処理指定があり、それにオペレ−タがタッチすると、操作ボード610の液晶タッチパネルに、「自動/手動」指定キー,故障時設定値選択のための「部品寿命/不足寿命」キーおよびエンターキーを表示する。オペレータが「自動/手動」指定キーの「自動」又は「手動」にタッチし、かつ「部品寿命/不足寿命」キーの「部品寿命」又は「不足寿命」にタッチしてからエンターキーにタッチすると、これらの入力情報が操作ボード630からシステムコントローラ630に与えられ、システムコントローラ630がこれらの情報を、設定指定レジスタFAsおよび割当値指定レジスタFPesへの書込データ(「1」,「0」)にエンコードしてプロセスコントローラ131を介して不揮発メモリ133bの登録テーブルTmに登録する(94〜102)。
【0121】
また、設定メニュ−No.0の中に、「管理,登録情報の出力」の処理指定があり、それにオペレ−タがタッチすると、システムコントローラ630は、操作ボード610の液晶タッチパネルに、スクロール形式の管理テーブルTpおよび登録テーブルTmの表示画面を表示し、プロセスコントローラ131に管理テーブルTpおよび登録テーブルTmを要求する。これに応答してプロセスコントローラ131は、選択接続回路76を介して、その第1〜Npd番の入出力ポートに結合した各プロセスユニットの管理テーブルTpを読込んでシステムコントローラ630を介して操作ボード610に転送し、また、不揮発メモリ133bの登録テーブルTmを操作ボード610に転送する。操作ボード610はこれらのテーブルのデータをテーブル表示画面に表示する(103,104)。表示画面上のタスクバーにある「印刷」にオペレータがタッチすると、システムコントローラ630は、プロセスコントローラ131がレディ(印刷可)を報知してきている場合には、プロセスコントローラ131に印刷を指示して、表示情報をプリント用の画像データに変換して送出する。これにより表示情報のプリントが得られる(105〜107)。
【0122】
また、設定メニュ−の中に、「管理センタに登録」の処理指定があり、それにオペレ−タがタッチすると、システムコントローラ630は、操作ボード610の液晶タッチパネルに、複写機の管理者と管理センタとのメンテナンス契約に基づいて、複写機および管理者と管理センタのサーバ500との間の交信を設定する画面を表示する。サーバ500に通知登録を行なうときには、まず「サ−ビスセンタに通知」の項に「1」を入力する。そして、メンテナンスサ−ビスを提供する管理センタの管理サ−バ500のPBXの回線番号,IPアドレスならびに管理センタの音声会話のための電話番号(電話通話番号)を、「管理センタ」の欄に入力する。次に、複写機の管理者のパソコン又はファクシミリの回線番号,IPアドレス)ならびに音声会話のための電話番号(電話通話番号)を、「管理者」の欄に入力する。更に、複写機のPBX45の回線番号,IPアドレスならびにその場所の音声会話のための電話番号(電話通話番号)を、「対象機」の欄に入力する。「問合せ」を選択する場合には、管理サ−バ500からの問合せ情報を、複写機に接続したPC宛てのE−Mailの名宛て(回線番号)にするか、複写機の操作ボードのディスプレイ(液晶パネル)にするか、あるいは、複写機によるプリントアウトにするかを、各出力手段宛てのID(回線番号)を入力することによって、選択指定する。入力データは、NVRAM602に、設定メニュ−宛てに書込まれる。これらのデータ群を書込んだメモリ領域を、以下においてはメンテ交信テ−ブルと称す。画面上の「登録」キーにオペレ−タがタッチすると、システムコントローラ630が、外部機器通信制御606を介して、管理センタ(の管理サ−バ500)の回線番号に、メンテ交信テ−ブルと、メンテ要請項目を、送信する(33〜36)。管理サ−バ500はその内部のメンテ登録メモリ(データベ−ス)に、受信した各テ−ブルおよびリストを、送信元の複写機宛てに書込む。
【0123】
操作ボード610の表示画面上の「閉じる」ボタンにオペレータがタッチすると、システムコントローラ630は、初期設定メニューNo.0の入力画面を閉じる(108)。
【0124】
【発明の効果】
作像プロセス機器を使用する毎に使用回数を作像プロセス機器自体に記録するため、当該機器を他の画像形成装置において使用する場合にも、それまでの使用量を認識する事が可能となる。画像形成装置本体に設定してある割当寿命値(e)と、作像プロセス機器の寿命を独立して認識し、制御を行う事が可能となる。作像プロセス機器がその寿命まで使用する以前に故障した場合に、交換後の割当寿命値(e)を作像プロセス機器に設定された寿命値(A)から本体不揮発メモリ(133b)の使用実績値(d)を差引いた差値(c)に更新することにより、残り割当分だけ稼働可能とする交換品を提供する事が可能となる。故障品と交換された作像プロセス機器は、割当寿命値(e)を消化したときに、本来使用できる回数を下回って交換されても、当該作像プロセス機器の実使用回数を容易に確認することができる。その再利用が容易になる。
【0125】
また、格納手段(650,132)に、画像形成装置の動作環境に対応する、機器情報宛ての機器付勢情報を格納することにより、作像プロセス機器の交換があっても画像形成装置は常に動作環境に好適な条件で動作可能にすることができ、作像プロセス機器の交換が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の複合機能があるカラー複写機の外観を示す正面図である。
【図2】 図1に示す複写機の機構概要を示す縦断面図である。
【図3】 図1に示す複写機の画像処理システムの概要を示すブロック図である。
【図4】 図3に示す、プロセスユニットに装備した発受信回路81,82,83,・・・からシステムコントローラ630までの、ユニット情報伝送経路の概要を示すブロック図である。
【図5】 図3に示すシステムコントローラ630の、システム制御の概要の一部を示すフローチャートである。
【図6】 図3に示すシステムコントローラ630の、システム制御の概要の残部を示すフローチャートである。
【図7】 図5に示す「各部状態読み取り」(3)の中で実行する「ユニット情報の読み取り」(3a)の概要を示すフローチャートである。
【図8】 図3に示すプロセスコントローラ131の、プロセスユニットの管理および制御の概要を示すフローチャートである。
【図9】 図6に示す「各部状態読み取り」(32)および(40)の中で実行する「プロセスユニットの使用管理」の中の一部を示すフローチャートである。
【図10】 図6に示す「各部状態読み取り」(32)および(40)の中で実行する「プロセスユニットの使用管理」の中の他の一部を示すフローチャートである。
【図11】 図6に示す「各部状態読み取り」(32)および(40)の中で実行する「プロセスユニットの使用管理」の中の他の一部を示すフローチャートである。
【図12】 図6に示す「各部状態読み取り」(32)および(40)の中で実行する「プロセスユニットの使用管理」の中の残部を示すフローチャートである。
【図13】 図3に示すシステムコントローラ630が図4の「他のキーの読取処理」(13)で実行する初期設定処理の一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10:中間転写ベルト 14〜16:支持ローラ
17:中間転写体クリーニング装置
18:作像関連機器 20:作像装置
21:レーザ露光装置 22:2次転写装置
23:ローラ 24:2次転写ベルト
25:定着装置 26:定着ベルト
27:加圧ローラ 28:シート反転装置
32:コンタクトガラス
33:第1キャリッジ 34:第2キャリッジ
35:結像レンズ 36:CCD
40:感光体ドラム 42:給紙ローラ
43:ペーパーバンク 44:給紙カセット
45:分離ローラ 46:給紙路
47:搬送ローラ 48:給紙路
49:レジストローラ 50:給紙ローラ
51:手差しトレイ 55:切換爪
56:排出ローラ 57:排紙トレイ
77a,77b,77c,・・・:給電コイル
91:受電コイル
Claims (5)
- 画像を用紙上に形成するための作像プロセス機器群,作像プロセス機器の機器情報対応の機器付勢情報を格納する格納手段、および、作像指示に対応して作像プロセス機器群の動作を前記機器付勢情報に基いて制御して用紙上に画像を形成する制御手段(131)、を備える画像形成装置において、
作像プロセス機器に装備した、該作像プロセス機器の設定寿命値および使用実績情報を含む機器情報を記憶する部品不揮発メモリ;
画像形成装置本体に装備した、作像プロセス機器宛てに使用実績値および割当寿命値を含む本体側管理情報を記憶する本体不揮発メモリ;および、
前記画像形成に従って部品不揮発メモリおよび本体不揮発メモリの各使用実績値を更新し、本体側管理情報の使用実績値が割当寿命値に達したときおよび作像プロセス機器が故障したとき、該当する作像プロセス機器の交換要を報知し、交換後の作像プロセス機器の機器情報に対応する機器付勢情報を前記格納手段に書込み、前記故障の場合には、交換直前の割当寿命値と本体側管理情報の使用実績値に基づいて、前記故障による寿命不足を補償する値を算出し本体側管理情報の割当寿命値に設定する、管理手段;
を備える画像形成装置。 - 管理手段は、機器情報の使用実績値が作像プロセス機器の設定寿命値に達したとき作像プロセス機器の交換要を報知し、交換後の作像プロセス機器の機器情報に対応する駆動条件データを前記格納手段に書込む;請求項1に記載の画像形成装置。
- 画像形成装置は更に、管理サーバと通信する機能がある通信手段;を備え、管理手段は、該通信手段を介して、交換された作像プロセス機器の機器情報に対応付けられている機器付勢情報を前記管理サーバから入手して、前記格納手段に書込む;請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記機器情報は、作像プロセス機器の特性を表す特性情報を含み;前記管理サーバは、該特性情報に対応した機器付勢パラメータを前記管理手段に送信する;請求項3に記載の画像形成装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像形成装置;
原稿の画像を読取り画像データを発生する原稿スキャナ;および、
該原稿スキャナが発生する画像データならびに外部から通信によって与えられる書画情報を、前記画像形成装置が適応する作像用の画像データに変換して前記画像形成装置に与える画像処理手段;
を備える複写装置。
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