JP4281164B2 - 触媒燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒燃焼装置に関するものであり、例えば車両の暖房や車両部品の暖機などに用いて好適な技術である。
【0002】
【従来の技術】
触媒燃焼装置では、触媒の活性化前では大量の排気エミッションが発生してしまうため、定常運転を行う前に触媒を予熱するものがある。この触媒の予熱手段として、補助バーナを用い、始動時に所定時間に亘って補助バーナを作動させて触媒を予熱した後に、触媒燃焼部に大量の燃料と空気を供給して定常運転を行うものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、予熱時間は、低温始動時においても排気エミッションを低減できるように、比較的長めに設定されている。このため、例えば始動時の環境温度が高い場合は、予熱時間が経過する前に触媒が活性化することになる。つまり、始動時の環境温度が高い場合は、触媒が活性化しても暫くは定常運転に移行せず、定常運転の開始が遅れてしまう。逆に、始動時の環境温度が極低温の場合は、予熱時間が経過しても触媒が活性化できない。つまり、始動時の環境温度が極低温の場合は、触媒が活性化する前に定常運転に移行してしまい、大量の排気エミッションが発生してしまう。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、始動時の環境温度に応じて触媒燃焼部の予熱時間を最適に設定する、あるいは始動時の環境温度に応じて予熱時間中に触媒燃焼部を最適に活性化させることができる触媒燃焼装置の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
始動時、その始動温度が低い時は予熱時間が長く、逆に始動温度が高い時は予熱時間が短くされる。つまり、予熱時間は排気エミッションを低減できる最短時間に設定できるため、無駄な予熱時間がなく、且つ排気エミッションの発生を効率的に抑えることができる。
また、予熱時の冷却用の空気量よりも、定常燃焼運転時の冷却用の空気量を多くすることにより、触媒燃焼部の温度上昇を抑える効果の他に、触媒燃焼部に供給される予混合気を攪拌して、触媒燃焼部での燃焼性を向上させる効果を得ることができる。
【0006】
〔請求項2の手段〕
始動時、その始動温度が低い時は主燃料供給手段による燃料供給量が少なく、逆に始動温度が高い時は主燃料供給手段による燃料供給量が多くされる。つまり、始動温度が低い時は、主燃焼用空気供給手段から供給される空気量が少なく、予熱手段による触媒予熱割合が高く、逆に始動温度が高い時は、主燃焼用空気供給手段から供給される空気量が多く、予熱手段による触媒予熱割合が低くなる。このように始動時の温度に応じて予熱時間中に触媒燃焼部を最適に活性化することができるため、定常運転時へ移行した際の排気エミッションを確実に低減できる。
また、予熱時の冷却用の空気量よりも、定常燃焼運転時の冷却用の空気量を多くすることにより、触媒燃焼部の温度上昇を抑える効果の他に、触媒燃焼部に供給される予混合気を攪拌して、触媒燃焼部での燃焼性を向上させる効果を得ることができる。
【0007】
〔請求項3の手段〕
始動時、その始動温度が低い時は冷却用の空気量が少なく、逆に始動温度が高い時は冷却用の空気量が多くされる。つまり、始動温度が低い時は、高温風で触媒燃焼部を予熱し、始動温度が高い時は低温風で触媒燃焼部を予熱する。このように始動時の温度に応じて予熱時間中に触媒燃焼部を最適に活性化することができるため、定常運転時へ移行した際の排気エミッションを確実に低減できる。
【0008】
〔請求項4の手段〕
外気温度センサを用いることにより、触媒燃焼装置の始動温度を検出することができる。
【0009】
〔請求項5の手段〕
内部温度センサを用いることにより、触媒燃焼装置の始動温度を検出することができる。
【0010】
〔請求項6の手段〕
流体温度センサを用いることにより、触媒燃焼装置の始動温度を検出することができる。
【0011】
〔請求項8の手段〕
予熱時の冷却用の空気量よりも、定常燃焼運転時の冷却用の空気量を多くすることにより、触媒燃焼部の温度上昇を抑える効果の他に、触媒燃焼部に供給される予混合気を攪拌して、触媒燃焼部での燃焼性を向上させる効果を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、複数の実施形態および変形例を用いて説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図3は第1実施形態を示すものであり、まず図1の触媒燃焼装置を用いた温水加熱装置を説明する。なお、実施形態中に示す上側は図1における上側を示し、下側は図1における下側を示すものとする。
【0013】
この実施形態に示す温水加熱装置は、自動車の車室内暖房用の流体(例えば、温水)を加熱する装置であり、触媒燃焼装置と、この触媒燃焼装置で得られた熱によって暖房用の流体を加熱する熱交換器とから構成されている。
触媒燃焼装置は、燃焼筒1を備える。この燃焼筒1は内部下側に触媒が担持された触媒燃焼部2を内蔵するものであり、この触媒燃焼部2によって上方から供給される混合気を触媒燃焼させるものである。
【0014】
熱交換器は、燃焼筒1の下側外部を覆う有底の円筒体を呈したハウジング3によって設けられており、ハウジング3と燃焼筒1の下側外部との間に環状の燃焼ガス通路4が形成されるとともに、ハウジング3の内部には、排気ガスと熱交換される流体通路5が形成されている。
なお、ハウジング3の上部には、燃焼ガス通路4を通って上側に導かれた燃焼ガスを外部に排出するための排気穴6が形成されている。また、ハウジング3の図示右側中間部には、流体を流体通路5に導く流体入口7が形成され、ハウジング3の図示左側下部には、流体通路5を通過して加熱された流体を外部へ導く流体出口8が形成されている。
【0015】
燃焼筒1は、下側内部に触媒が担持された触媒燃焼部2を内蔵するものである。触媒燃焼部2は、上下方向に伸びる多数の貫流孔を備える略ハニカム体の表面に、Pt、Pd、Rn等の貴金属、Ni、Cu等の金属、アルミナ、ジルコニア等の酸化物などの触媒を担持したものであり、多数の貫流孔を通過する混合気を触媒燃焼させるものである。
【0016】
燃焼筒1の上側内部には、燃料と燃焼用空気とを混合する混合室10が設けられている。
燃焼筒1の上部には、混合室10内に液体燃料(例えば軽油、ガソリン、アルコール燃料等)を噴霧するメインインジェクタ11(主燃料供給手段に相当する)が装着されている。このメインインジェクタ11は、中心軸からある角度(30〜50°)をもって燃料を噴射できる多数の噴射孔を設けた周知なものである(図3参照)。なお、メインインジェクタ11には、燃料タンク12内に蓄えられた液体燃料が、燃料ポンプ13の作動によって圧送されるように設けられている。この燃料ポンプ13は、車両の走行用エンジンの燃料圧送用燃料ポンプを共用したものである。
【0017】
燃焼筒1の図示左上側面には、混合室10内に燃焼用空気を供給するためのメイン空気導入口14が設けられている。このメイン空気導入口14は、メインエアポンプ15(主燃焼用空気供給手段に相当する)に接続されており、メインエアポンプ15の作動により、メイン空気導入口14から燃焼用空気が混合室10内に供給される。なお、メインエアポンプ15の作動によって混合室10内に供給される燃焼用空気量は、メインインジェクタ11によって混合室10内に供給される燃料供給量に対して理論空燃比よりも空気過剰となるように後述する制御装置25によって制御される。
【0018】
燃焼筒1の図示右上側面には、始動時に燃料の燃焼によって触媒燃焼部2を予熱する補助バーナ16(予熱手段に相当する)が装着されている。この補助バーナ16は、燃焼筒1の側面に固定される略円筒カップ状を呈したカバー17と、カバー17の外端に装着されたサブインジェクタ18と、着火用のスパークプラグ19とを備える。
【0019】
このサブインジェクタ18は、上記のメインインジェクタ11と同様、中心軸からある角度(30〜50°)をもって燃料を噴射できる多数の噴射孔を設けた周知なものである(図3参照)。なお、このサブインジェクタ18にも、メインインジェクタ11と同様、燃料タンク12内に蓄えられた液体燃料が、燃料ポンプ13の作動によって圧送されるように設けられている。
【0020】
カバー17のサブインジェクタ18の周囲には、サブインジェクタ18から噴射された燃料を燃焼させるための燃焼用空気をカバー17内に供給するサブ空気導入口20が設けられている。このサブ空気導入口20は、サブエアポンプ21に接続されており、サブエアポンプ21の作動により、サブ空気導入口20から燃焼用空気がカバー17内に供給される。
【0021】
カバー17の燃焼筒1側には、冷却用空気を混合室10内に供給するための冷却用空気導入口22が設けられている。この冷却用空気導入口22は、カバー17内に形成された冷却空気通路23を介して冷却エアポンプ24(冷却空気供給手段に相当する)に接続されており、冷却エアポンプ24の作動により、冷却用空気導入口22から冷却用空気が混合室10内に供給される。
また、カバー17の側面には、スパークプラグ19が装着されている。このスパークプラグ19は、サブインジェクタ18から噴射された燃料に着火を行うものであり、サブインジェクタ18から噴射される燃料の噴射角内にスパークプラグ19のスパーク部が配置されるものである。
【0022】
メインインジェクタ11、メインエアポンプ15、サブインジェクタ18、スパークプラグ19、サブエアポンプ21、および冷却エアポンプ24は、制御装置25によって作動が制御される。
この制御装置25は、始動時に補助バーナ16によって触媒燃焼部2を活性化温度まで上昇させる予熱運転を行い、その後メインインジェクタ11およびメインエアポンプ15を作動させて定常燃焼運転を行うものである。
【0023】
この制御装置25は、始動時における触媒燃焼装置の環境温度を検出する温度検出手段として、自動車の車室外の温度を検出する外気温度センサ26を備える。なお、触媒燃焼部2の温度を直接検出しようとすると、耐熱性の高い温度センサが要求されるが、外気温度を検出する外気温度センサ26には比較的耐熱性の低い温度センサを用いることができ、外気温度センサ26に要するコストを抑えることができる。あるいは、外気温度センサ26の耐久性を延ばすことができる。
【0024】
制御装置25は、始動時に、外気温度センサ26の検出する温度に応じて予熱時間t1 (図2参照)を設定する予熱時間設定手段を備えている。この予熱時間設定手段は、始動時に外気温度センサ26の検出する始動外気温度が低い時ほど予熱時間t1 を長くし、逆に始動外気温度が高い時ほど予熱時間t1 を短くするものである。これによって、予熱時間t1 は排気エミッションを低減できる最短時間に設定でき、無駄な予熱時間がなく、且つ排気エミッションの発生を効率的に抑えることができる。
【0025】
また、制御装置25は、始動時に、外気温度センサ26の検出する温度に応じて冷却用空気導入口22から混合室10に供給される冷却用空気量を設定する冷却空気設定手段を備えている。この冷却空気設定手段は、始動時に外気温度センサ26の検出する始動外気温度が低い時ほど冷却用空気導入口22から混合室10に供給される冷却用空気量を少なくし(h0 )、逆に始動外気温度が高い時ほど冷却用空気量を多く(h1 )するものである。これによって、始動温度が低い時は高温風で触媒燃焼部2を予熱でき、始動温度が高い時は低温風で触媒燃焼部2を予熱できる。このため、予熱時間t1 中に触媒燃焼部2を最適に活性化することができ、定常運転時へ移行した際の排気エミッションを確実に低減できる。
【0026】
さらに、制御装置25は、予熱運転から定常燃焼運転に切り替わった際に、冷却用空気導入口22から混合室10に供給される冷却用空気量を増大させる冷却空気増大手段を備えており、予熱時の冷却用空気量よりも、定常燃焼運転時の冷却用空気量を多くすることにより、触媒燃焼部2の温度上昇を抑えるとともに、触媒燃焼部2に供給される予混合気を攪拌して、触媒燃焼部2での燃焼性を向上させることができる。
【0027】
次に、始動時における制御装置25の制御を、図2のタイムチャートを用いて説明する。
図示しない運転スイッチがONされると、補助バーナ16のスパークプラグ19、サブインジェクタ18、サブエアポンプ21、冷却エアポンプ24を作動させる。この時、サブインジェクタ18から供給される燃料供給量と、サブエアポンプ21から供給される燃焼用空気量は、始動時の外気温度に関係なく一定であるが、冷却エアポンプ24から供給される冷却用空気量は、始動時の外気温度が低いほど小さな値となるように設定される。つまり、例えば、外気温度が−30℃ならば冷却用空気量を150L/分(h0 )とし、外気温度が20℃ならば冷却用空気量を250L/分(h1 )とする。そして、所定時間経過後あるいは着火確認後にスパークプラグ19の作動を停止させる。
【0028】
次に、始動時の外気温度によって設定した予熱時間t1 が経過した後は、定常燃焼運転に移行する。この定常燃焼運転は、メインインジェクタ11とメインエアポンプ15を作動させるとともに、冷却エアポンプ24による冷却用空気量を300L/分に増大させるものであり、メインインジェクタ11による燃料供給量と、メインエアポンプ15による燃焼用空気量とは、外気温度によらず一定のある値に設定される。なお、予熱時間t1 は、外気温度が低いほど長く設定されるものであり、例えば、外気温度が−30℃の時は予熱時間t1 は60秒に設定され、外気温度が20℃の時は予熱時間t1 は10秒に設定される。
【0029】
〔第2実施形態〕
図4に第2実施形態にかかるタイムチャートを示す。なお、この第2実施形態中における符号は、第1実施形態で示した同一符号と同一機物を示すものである。
この第2実施形態の制御装置25は、第1実施形態で示した予熱時間設定手段(外気温度センサ26の検出する温度に応じて予熱時間t1 を設定する)、冷却空気設定手段(外気温度センサ26の検出する温度に応じて冷却用空気導入口22から混合室10に供給される冷却用空気量を設定する)、および冷却空気増大手段(予熱運転から定常燃焼運転に切り替わった際に冷却用空気量を増大させる)の他に、外気温度センサ26の検出する温度に応じてメインインジェクタ11から噴射される燃料供給量を設定する燃料供給量設定手段を備えている。
【0030】
この燃料供給量設定手段は、始動時に外気温度センサ26の検出する始動外気温度が低い時ほどメインインジェクタ11から混合室10に噴射される燃料供給量を少なくし(h0 )、逆に始動外気温度が高い時ほど燃料供給量を多く(h1 )するものである。
メインエアポンプ15は、燃料供給量に応じて空気過剰となる燃焼用空気を燃焼筒1内に供給するため、始動温度が低くて予熱運転時にメインインジェクタ11から混合室10に噴射される燃料供給量が少ないと、メインエアポンプ15の風量が下がり、触媒燃焼部2を冷却する能力が下がり、補助バーナ16から供給された高温の燃焼ガスで触媒燃焼部2が予熱できる。逆に、始動温度が高くて予熱運転時にメインインジェクタ11から混合室10に噴射される燃料供給量が多いと、メインエアポンプ15の風量が上がり、触媒燃焼部2を冷却する能力が上がり、補助バーナ16から供給された高温の燃焼ガスの温度が下がる。このため、予熱時間t1 中に触媒燃焼部2を最適に活性化することができ、定常運転時へ移行した際の排気エミッションを確実に低減できる。
【0031】
次に、第2実施形態における始動時の制御を、図4のタイムチャートを用いて説明する。
図示しない運転スイッチがONされると、補助バーナ16のスパークプラグ19、サブインジェクタ18、サブエアポンプ21、冷却エアポンプ24を作動させる。この時、サブインジェクタ18から供給される燃料供給量と、サブエアポンプ21から供給される燃焼用空気量は、始動時の外気温度に関係なく一定であるが、冷却エアポンプ24から供給される冷却用空気量は、始動時の外気温度が低いほど小さな値(h0 )となるように設定される。つまり、例えば、外気温度が−30℃ならば冷却用空気量を150L/分(h0 )とし、外気温度が20℃ならば冷却用空気量を250L/分(h1 )とする。
【0032】
また、メインインジェクタ11から供給される燃料供給量は、始動時の外気温度が低いほど少なく設定される。つまり、例えば、外気温度が−30℃ならば燃料供給量は10cc/分(h0 )とされ、外気温度が20℃ならば燃料供給量は50cc/分(h1 )とされる。この時、メインエアポンプ15は、空気過剰となる燃焼用空気を燃焼筒1内に供給するように燃料供給量に応じて制御される。そして、所定時間経過後あるいは着火確認後にスパークプラグ19の作動を停止させる。
【0033】
次に、始動時の外気温度によって設定した予熱時間t1 が経過した後は、定常燃焼運転に移行する。この定常燃焼運転は、メインインジェクタ11とメインエアポンプ15を作動させるとともに、冷却エアポンプ24による冷却用空気量を300L/分に増大させるものであり、メインインジェクタ11による燃料供給量と、メインエアポンプ15による燃焼用空気量とは、外気温度によらず一定のある値に設定される。なお、予熱時間t1 は、外気温度が低いほど長く設定されるものであり、例えば、外気温度が−30℃の時は予熱時間t1 は60秒に設定され、外気温度が20℃の時は予熱時間t1 は10秒に設定される。
【0034】
〔第3実施形態〕
図5、図6は第3実施形態を示すものであり、図5は温水加熱装置の概略断面図、図6は始動時の作動を示すタイムチャートである。なお、図中において第1実施形態と同一符号は、第1実施形態で示した同一符号と同一機物を示すものである。
この第3実施形態は、第1実施形態で示した冷却用空気導入口22および冷却エアポンプ24を廃止し、冷却用空気導入口22および冷却エアポンプ24の役割をメイン空気導入口14およびメインエアポンプ15に担わせたものである。つまり、この第3実施形態では、メインエアポンプ15は、主燃焼用空気供給手段と冷却空気供給手段とを兼用するものである。
【0035】
この第3実施形態におけるサブ空気導入口20は、カバー17におけるサブインジェクタ18側の側面に設けられており、サブ空気導入口20から吹き出される燃焼用空気が直接カバー17内に吹き出される構成となっている。
【0036】
この第3実施形態の制御装置25は、始動時における触媒燃焼装置の環境温度を検出する温度検出手段として、第1実施形態と同様、自動車の車室外の温度を検出する外気温度センサ26を備える。
制御装置25は、第1実施形態と同様、始動時に外気温度センサ26の検出する始動外気温度が低い時ほど予熱時間t1 を長くし、逆に始動外気温度が高い時ほど予熱時間t1 を短くする予熱時間設定手段を備えている。これによって、予熱時間t1 は排気エミッションを低減できる最短時間に設定でき、無駄な予熱時間がなく、且つ排気エミッションの発生を効率的に抑えることができる。
【0037】
また、制御装置25は、始動時に外気温度センサ26の検出する始動外気温度が低い時ほど予熱時間t1 中におけるメイン空気導入口14から混合室10に供給される冷却用空気量を少なくし、逆に始動外気温度が高い時ほど冷却用空気量を多くする冷却空気設定手段を備えている。これによって、始動温度が低い時は高温風で触媒燃焼部2を予熱でき、始動温度が高い時は低温風で触媒燃焼部2を予熱できる。このため、予熱時間t1 中に触媒燃焼部2を最適に活性化することができ、定常運転時へ移行した際の排気エミッションを確実に低減できる。
【0038】
次に、第3実施形態における始動時の制御を、図6のタイムチャートを用いて説明する。
図示しない運転スイッチがONされると、補助バーナ16のスパークプラグ19、サブインジェクタ18、サブエアポンプ21、メインエアポンプ15を作動させる。この時、サブインジェクタ18から供給される燃料供給量と、サブエアポンプ21から供給される燃焼用空気量は、始動時の外気温度に関係なく一定であるが、メインエアポンプ15から供給される冷却用空気量は、始動時の外気温度が低いほど小さな値となるように設定される。つまり、例えば、外気温度が−30℃ならば冷却用空気量を150L/分(h0 )とし、外気温度が20℃ならば冷却用空気量を250L/分(h1 )とする。そして、所定時間経過後あるいは着火確認後にスパークプラグ19の作動を停止させる。
【0039】
次に、始動時の外気温度によって設定した予熱時間t1 が経過した後は、定常燃焼運転に移行する。この定常燃焼運転は、メインインジェクタ11とメインエアポンプ15を作動させるものであり、メインインジェクタ11による燃料供給量と、メインエアポンプ15による燃焼用空気量とは、外気温度によらず一定のある値に設定される。なお、予熱時間t1 は、第1実施形態と同様、外気温度が低いほど長く設定されるものであり、例えば、外気温度が−30℃の時は予熱時間t1 は60秒に設定され、外気温度が20℃の時は予熱時間t1 は10秒に設定される。
【0040】
〔第4実施形態〕
図7は第4実施形態を示す温水加熱装置の概略断面図である。
上記の各実施形態では、始動時の環境温度を検出する手段として外気温度センサ26を用いた例を示したが、この第4実施形態では触媒燃焼装置の内部の温度を検出する内部温度センサを用いたものである。具体的にこの実施形態は、内部温度センサの一例として、排気穴6から排出される直前の排気ガスの温度を検出する排気温度センサ27を用いたものである。このように、排気穴6から排出される直前の排気ガスは、熱交換器で流体と熱交換されて温度が低下しているため、比較的耐熱性の低い温度センサを用いることができ、排気温度センサ27に要するコストを抑えることができる。あるいは、排気温度センサ27の耐久性を延ばすことができる。
この実施形態では、始動時の環境温度を検出する手段が外気温度センサ26から排気温度センサ27に代わったのみであり、制御装置25は、この第4実施形態においても、第1実施形態あるいは第2実施形態と同じ制御を行うものである。
【0041】
〔第5実施形態〕
図8は第5実施形態を示す温水加熱装置の概略断面図である。
この第5実施形態も上記第4実施形態と同様に、触媒燃焼装置の内部の温度を検出する内部温度センサを用いたものであるが、第4実施形態の排気温度センサ27に代えて、カバー17内の温度を検出するカバー内温度センサ28を用いたものである。
この実施形態では、始動時の環境温度を検出する手段が第1、第2実施形態の外気温度センサ26からカバー内温度センサ28に代わったのみであり、制御装置25は、この第5実施形態においても、第1実施形態あるいは第2実施形態と同じ制御を行うものである。
【0042】
〔第6実施形態〕
図9は第6実施形態を示す温水加熱装置の概略断面図である。
この第6実施形態は、始動時の環境温度を検出する手段として熱交換器を流れる流体の温度を検出する流体温度センサ29を用いたものである。具体的にこの流体温度センサ29は、ハウジング3に固定されて、流体通路5内の流体の温度を検出するものである。暖房に用いられる流体の温度は、触媒燃焼部2や排気ガスの温度に比較して低いため、比較的耐熱性の低い温度センサを用いることができ、流体温度センサ29に要するコストを抑えることができる。あるいは、流体温度センサ29の耐久性を延ばすことができる。
【0043】
〔変形例〕
上記の実施形態では、予熱手段の一例として補助バーナ16を用いたが、触媒燃焼部2自体を通電性発熱体で設けるなど、他の予熱手段を採用して、本発明を適用しても良い。
上記の実施形態では、燃料ポンプ13を自動車のエンジン用燃料ポンプと共用したが、専用の燃料ポンプとし、これを制御装置25で制御するようにしても良い。
上記の実施形態では、触媒燃焼装置を自動車の暖房に使用する温水加熱装置に適用した例を示したが、自動車以外の温水加熱装置、温水を用いない暖房装置に適用、あるいは自動車部品の暖機装置として適用するなど、他の触媒燃焼装置に本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】温水加熱装置の概略断面図である(第1実施形態)。
【図2】始動時の作動を示すタイムチャートである(第1実施形態)。
【図3】インジェクタの断面図である(第1実施形態)。
【図4】始動時の作動を示すタイムチャートである(第2実施形態)。
【図5】温水加熱装置の概略断面図である(第3実施形態)。
【図6】始動時の作動を示すタイムチャートである(第3実施形態)。
【図7】温水加熱装置の概略断面図である(第4実施形態)。
【図8】温水加熱装置の概略断面図である(第5実施形態)。
【図9】温水加熱装置の概略断面図である(第6実施形態)。
【符号の説明】
2 触媒燃焼部
10 混合室
11 メインインジェクタ(主燃料供給手段)
15 メインエアポンプ(主燃焼用空気供給手段)
16 補助バーナ(予熱手段)
25 制御装置
26 外気温度センサ(温度検出手段)
27 排気温度センサ(温度検出手段、内部温度センサ)
28 カバー内温度センサ(温度検出手段、内部温度センサ)
29 流体温度センサ(温度検出手段)
Claims (8)
- 触媒が担持された触媒燃焼部と、この触媒燃焼部の上流の混合室に燃料を供給する主燃料供給手段と、この主燃料供給手段によって前記混合室内に供給される燃料供給量に対して理論空燃比よりも空気過剰となる燃焼用の空気を供給する主燃焼用空気供給手段と、始動時に前記触媒燃焼部を予熱する予熱手段とを備え、予熱後に定常燃焼運転を行う触媒燃焼装置であって、
始動時における前記触媒燃焼装置の環境温度を検出する温度検出手段と、
始動時に、前記温度検出手段の検出する温度が低い時に前記予熱手段による予熱時間を長くし、前記温度検出手段の検出する温度が高い時に前記予熱手段による予熱時間を短くする制御装置と、を備え、
前記制御装置は、予熱時の冷却用の空気量よりも、定常燃焼運転時の冷却用の空気量を多くすることを特徴とする触媒燃焼装置。 - 触媒が担持された触媒燃焼部と、この触媒燃焼部の上流の混合室に燃料を供給する主燃料供給手段と、この主燃料供給手段によって前記混合室内に供給される燃料供給量に対して理論空燃比よりも空気過剰となる燃焼用の空気を供給する主燃焼用空気供給手段と、始動時に前記触媒燃焼部を予熱する予熱手段とを備え、予熱後に定常燃焼運転を行う触媒燃焼装置であって、
始動時における前記触媒燃焼装置の環境温度を検出する温度検出手段と、
始動時に、前記温度検出手段の検出する温度が低い時に前記主燃料供給手段による燃料供給量を少なくし、前記温度検出手段の検出する温度が高い時に前記主燃料供給手段による燃料供給量を多くする制御装置と、を備え、
前記制御装置は、予熱時の冷却用の空気量よりも、定常燃焼運転時の冷却用の空気量を多くすることを特徴とする触媒燃焼装置。 - 触媒が担持された触媒燃焼部と、この触媒燃焼部の上流の混合室に燃料を供給する主燃料供給手段と、この主燃料供給手段によって前記混合室内に供給される燃料供給量に対して理論空燃比よりも空気過剰となる燃焼用の空気を供給する主燃焼用空気供給手段と、始動時に前記触媒燃焼部を予熱する予熱手段とを備え、予熱後に定常燃焼運転を行う触媒燃焼装置であって、
始動時における前記触媒燃焼装置の環境温度を検出する温度検出手段と、
始動時に、前記温度検出手段の検出する温度が低い時に冷却用の空気量を少なくし、前記温度検出手段の検出する温度が高い時に冷却用の空気量を多くする制御装置と、を備えることを特徴とする触媒燃焼装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかの触媒燃焼装置は、自動車に搭載されるものであって、
前記温度検出手段は、車室外の温度を検出する外気温度センサであることを特徴とする触媒燃焼装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかの触媒燃焼装置において、
前記温度検出手段は、前記触媒燃焼装置の内部の温度を検出する内部温度センサであることを特徴とする触媒燃焼装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかの触媒燃焼装置は、燃焼ガスと流体との熱交換を行う熱交換器を備えるものであって、
前記温度検出手段は、流体の温度を検出する流体温度センサであることを特徴とする触媒燃焼装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかの触媒燃焼装置において、
前記予熱手段は、燃料の燃焼によって得られた燃焼ガスを前記触媒燃焼部に供給する補助バーナであることを特徴とする触媒燃焼装置。 - 請求項3ないし請求項7のいずれかの触媒燃焼装置において、
前記制御装置は、予熱時の冷却用の空気量よりも、定常燃焼運転時の冷却用の空気量を多くすることを特徴とする触媒燃焼装置。
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