JP4280812B2 - 変色歯の漂白材及び漂白システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯に沈着した色素(着色、変色)や細菌をリンとカルシウムの化合物の作用により漂白、除去することに関するものである。更に詳しくは、本発明は、変色歯の表面に光活性を有する特定の組成からなる漂白材を付着させ、当該部分に光を照射することにより生ずる光活性作用に基づき歯を漂白することを特徴とする変色歯の漂白法、当該漂白法に有用な、光照射により光活性作用を生ずるリンとカルシウムの化合物と4%以下の過酸化水素水及び/又はリン酸ないしピロリン酸などの酸を含有する新規な漂白材、その製造方法、及び上記漂白材等を組み合わせてなる漂白システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、歯科診療において、歯の形態、配列、調和などの改善を求める、いわゆる審美性の改善に関する要望が強くなっている。これらの中で、最近、若い女性が美容上の重要な要素としての歯を白くしたいという希望から歯科診療を求めるケースが増えている。歯の変色(discoloration)ないし着色(pigmentation,stain)の原因は、例えば、有色物質の沈着(タバコ、茶渋など)、色素生成菌、修復物の変色(主にコンポジットレジン)、金属塩(主にアマルガム、硝酸銀、アンモニア銀)などによるいわゆる外因性(extrinsic)のものと、例えば、増齢、化学物質や薬材(フッ素、テトラサイクリンなど)、代謝異常や遺伝性疾患、歯の傷害などによるいわゆる内因性(instinsic)のものとに大別されるが、歯科保健診療においては主に後者の内因性の変色歯が漂白法の適応症となる。
【0003】
変色歯の審美性を改善する方法としては、従来、いくつかの方法が提案されているが、これらの中で漂白法(bleaching)は、それぞれの症例に適した方法を選択して適切に行えば、多少、後戻りがみられる場合がある等の問題点はあるとしても、歯質の保存性の高い優れた処置法であるといえる。この漂白法は、基本的には、化学反応によって有色物質を無色化する方法であり、従来、生活歯の漂白法(vitalbleach)と失活歯の漂白法(non−vitalbleach)を中心として種々の化学薬材からなる漂白材及びそれを用いた漂白法が種々報告されている。
【0004】
それらの方法としては、例えば、以下のものが例示される。
薬剤として30%H22 を使用し、過酸化水素水に光と熱を併用する漂白法。これは、30%H22 を浸したガーゼ小片を唇面に乗せ、500Wの写真撮影用ランプ2燈で左右から30分間照射する方法である。この方法では、ランプはできるだけ接近させ、ガーゼが乾燥しないように約5分毎にH22 を補給する必要がある。
【0005】
その他、過酸化水素水とオルトリン酸とを混合してなる歯の漂白材、及び漂白方法(特開平8−143436/1996)、過酸化水素水に無水ケイ酸を混合してなる漂白材、及び当該漂白材を塗布することを特徴とする生活歯の漂白方法(特開平5−320033/1993)、歯科用漂白材(過酸化尿素水素、過酸化水素カルバミド、カルバミドペルオキシドなど)とマトリックス材料(カルボキシメチレンなど)からなる歯科漂白組成物、及びそれらを用いて歯を漂白する方法(特開平8−113520/1996)、など数多くのものが報告されている。
【0006】
ところで、歯の漂白に際し、漂白法及び漂白材について、次の諸条件;
(a)漂白効果が顕著であること、(b)使用薬剤に毒性がないこと、(c)作業が簡易であること、(d)術后歯質の物性に劣化を生じさせないこと、(e)生活歯、失活歯、双方に有効であること、(f)短期間で漂白効果が現れること、が要求される。以上の諸条件を備えた漂白法であれば、歯の形態を維持しつつ審美性の改善を図ることが可能であり、その改善効果は顕著であるといえる。しかし、従来の漂白法は、組織腐蝕性の強い30〜35%過酸化水素水が主薬剤であり、その酸化作用により漂白を行うことを基本とするものである。現在、日本の国内で行われている各種の漂白法は、前述のように、いずれも30〜35%過酸化水素水と各種器具と他の薬剤との組合せであるといえる。尚、米国で行われている漂白法の一つとして、30〜35%過酸化水素水を使用せず、10%過酸尿素を使用している例があるが、これも、薬効と安全性に問題があるとして、現在、係争中であり、日本では認可が得られていない。
そのほかに、以上のような過酸化水素のよる漂白を行った後にフッ化アパタイトを歯に塗布して、荒れたエナメル質を再石灰化させて修復する方法もある。しかし、この方法も一度改質したエナメル質を完全に修復することは不可能である。
【0007】
また、特許3030380号では、二酸化チタン粉沫体と過酸化水素水の溶液/ペーストを変色歯の表面に付着させ、この部分に光を照射することにより生ずる光活性作用に基づき歯を漂白することを特徴とする変色歯の漂白法が報告されている。この方法は従来のように危険な高濃度過酸化水素を使用しないで、3%以下の低濃度の過酸化水素と体に害のない二酸化チタンを複合化させた漂白材で、光を当てて漂白するものである。安全で、簡単でしかも顕著な効果がある。しかし、エナメル質との親和性がよく漂白がより効率的に行える漂白材が求められている。本発明者らは、アパタイトを表面に被覆した二酸化チタンと過酸化水素により歯を漂白する方法を提案している(特願2000−344640)。アパタイトの生体親和性によりエナメル質とのなじみがよくなり良好に漂白が行える。しかし、これでもアパタイトの比率が極めて小さいためエナメル質とのなじみは十分でなく、そのため、もっと効果的に漂白できる方法が求められている。
【0008】
従来の湿式法等の製法で作製された市販品等のアパタイトでは漂白効果は薄い。
現在、保険診療で認められている漂白法は、無髄歯に限定されており、漂白のためにノンカリエス歯を抜髄する症例もある。また、各種漂白法においても毒性の強い30〜35%過酸化水素水や二酸化チタンを使用することにより、作業等に様々な制約が生じ、特に、有髄歯の漂白効果の限界が指摘されている。したがって、歯の漂白法として、現在、安全性、簡易性、生体親和性に優れ、短期間で有髄歯、無髄歯、双方に有効でエナメル質を痛めない新しい漂白材を開発することが強く求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者は、擬似体液中に析出したリンとカルシウムの化合物が光活性や生体親和性に優れ、顕著な漂白効果や除菌効果を示すこと発見し、この発明をするに至った。すなわち、本発明者は、安全性、簡便性に優れ、しかも顕著な漂白効果が得られる新しい漂白法を確立することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、光活性を有し、かつ生体内に存在する成分であり生体親和性に優れたアパタイトなどのリンとカルシウムの化合物を有効成分として使用することによって所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。本明細書において、光活性とは、リンとカルシウムの化合物に光を照射すると電子と正孔を生じ、過酸化水素と反応して活性酸素を生じる作用を有することを意味する。
すなわち、本発明は、安全性、簡便性に優れ、短期間で、有髄歯、無髄歯、双方に有効な新しい漂白材を提供することを目的とするものである。また、本発明は、上記漂白材の製造方法、及び上記漂白材を用いた歯の漂白システムを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)歯の表面に塗布して光の照射とともに使用される変色歯の漂白材であって、リンとカルシウムの化合物と過酸化水素を有効成分として含有(但し、オルトリン酸、二酸化チタンを含有しない。)光を照射することにより生じる活性酸素の酸化力に基づいて変色歯を漂白する作用を有することを特徴とする上記変色歯の漂白材。
(2)リンとカルシウムの化合物と過酸化水素水及びリン酸あるいはピロリン酸を含有する前記(1)に記載の変色歯の漂白材。
)粒子径1nm〜10μmのリンとカルシウムの化合物と4%以下の過酸化水素水を含有する前記(1)又は(2)に記載の変色歯の漂白材。
)リンとカルシウムの化合物として、水酸アパタイト、フッ化アパタイト、リン酸八カルシウム、リン酸三カルシウムより選択されるリン酸カルシウムの一種以上を配合する前記(1)から()のいずれかに記載の変色歯の漂白材。
)リンとカルシウムの化合物が、A9 (BO46 X、式中、AはCa、又はCaの一部をCo、Ni、Cu、Al、La、Cr、Fe、Mgより選択される金属原子に一部置換、BはP、を表す、を構造中に含む擬似体液中で生成させたものである前記(1)から(6)のいずれかに記載の変色歯の漂白材。
)前記(1)から()のいずれかに記載の漂白材と、当該漂白材を付着させる手段、照射器具、及び/又は歯の前処置用材料とを組み合わせてなる変色歯の漂白システム。
)可視光の紫の光及び/又は紫外光を発する照射器具を組み合わせてなる前記()に記載の変色歯の漂白システム。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、主として光活性による酸化、還元作用を利用し、変色歯に対する高い漂白効果を達成することを特徴とするものである。なお、本発明において、変色とは、着色をも含めた広義の意味を表すものとして定義されるものである。本発明で使用する薬材、器具は、基本的には、アパタイト等のリンとカルシウムの化合物、過酸化水素水(好適には、4%以下)リン酸、ピロリン酸などの酸の一種以上と、光線(照射器具)で足りるものであり、その安全性、作業の簡易性、及び漂白効果は、顕著である。
【0012】
本発明の漂白材は、一つの好適な態様として、リンとカルシウムの化合物から構成される。ここで、リンとカルシウムの化合物としては、例えば、粒子径約1nm〜10μmの非晶質の、アパタイトやリン酸カルシウム又はそれを主体とするものが好適なものとして用いられるが、これらに限らず、同効のもの、すなわち、光活性作用を生ずるリンとカルシウムの化合物であれば、その形態、性状を問わず同様に使用することができる。この場合、粒子径の小さいものは、高活性が期待できること、付着させる量が少なくて済むこと、使用量を低減できること、例えば、塗布膜が薄くできるので短時間で高い漂白効果が得られること、等の利点があり、特に、望ましい。
【0013】
本発明によるリンとカルシウムからなる化合物は、その好ましい実施の形態に関して説明すると、次の通りであるが、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではない。本発明では、後記する実施例に具体的に示されるように、光活性度を測定し、その数値を指標として漂白のレベルを定量化することができる。
この光活性度が0.1以上であれば、F1からF2の歯の汚れを分解することができ、漂白材として利用することができる。更に好ましくは0.2以上であれば、F3以下の歯を漂白できるし、更に好ましくは0.3以上であれば、ほとんどの有機化学物質を吸着・分解することができる。
【0014】
上記成分の量比は、例えば、変色度が軽度のものと高度のもので、適宜、変更、調節することが可能であり、それにより、症例に応じた製品を揃えることができる。本発明の漂白材は、通常、リンとカルシウムの化合物を水に配合し、練合、分散することにより、均一な透明溶液、あるいはペーストの形態にして用いられるが、これに限らず、これらと同様にして調製されたものであれば本発明の範囲に含まれる。この場合、上記成分の配合、練合、分散などの漂白材の調製手段、装置、漂白材を付着させる手段などは、特に限定されるものではなく、適宜のものを使用することができる。また、漂白材を歯面に付着させる方法として、例えば、漂白材を直接歯面に塗布する方法が好適なものとして例示されるが、これに限らず、適宜の方法を使用することができる。この際、本発明の漂白材、すなわち、光活性作用を有するリンとカルシウムの化合物の含有物を、布、紙、ガラスクロス、セラミックスペーパー、有機ゲル、無機ゲル等に含浸し、それを歯面に付着させ、光を照射してもよい。その他、上記漂白材を適当な担体に保持してこれを歯又は歯列に装着し、付着させる方法等、適宜の方法、手段を利用することができる。
【0015】
本発明の漂白材は、上記の二成分を有効成分として併用したことを特徴とするものであって、例えば、これらの成分を配合した溶液やペーストの形態で使用することが可能であり、また、これらの成分を別体として適宜組み合わせた形態で使用することも可能であり、その形態は特に制限されるものではない。上記漂白材による変色歯の漂白は、光活性作用を有するリンとカルシウムの化合物の溶液又はペーストを、例えば、歯面に塗布し、光を照射する処置を数回くり返すことにより実施される。これらの塗布及び光照射の回数は、変色度の軽度及び高度の程度に応じて適宜調整すればよく、特に限定されるものではない。上記溶液又はペーストの塗布等の付着操作は、通常、約1〜20分おきに新たな溶液又はペーストを付着させればよく、その間隔及び頻度は歯の状態に応じて適宜設定すればよい。本発明の漂白材は、無髄歯、有髄歯、双方の漂白に有効であり、それらの歯を安全、かつ簡便に漂白する上で顕著な効果を発揮する。以上の漂白材は、リンとカルシウムの化合物だけでなく、低濃度、すなわち4%以下過酸化水素水及び/又はリン酸、ピロリン酸などの酸等の一種以上を複合化して使用することができる。
【0016】
リンとカルシウムの化合物は、Ca9 (PO46 を構造中に有するアパタイトやリン酸八カルシウム、リン酸三カルシウムなどの一種以上からなるものが好ましいが、特にアパタイトの中で、水酸アパタイト、フッ化アパタイトが生体親和性に優れ、かつ光活性機能が高いので好ましい。更に、これらのアパタイトは、通常、カルシウムを金属元素して含有するが、Fe、Cr、Mg、Zr、Alなどに一部置換していてもよい。
リンとカルシウムの化合物は、歯のエナメル質とのなじみが良く、他の材料よりも効果的に漂白が行われる。すなわち、歯の表面に塗布したとき粉末がエナメル質に吸着しやすいために、光活性がそれほど大きくなくても十分に漂白することができる。また、そのため、エナメル質の再石灰化などを促し、高濃度の過酸化水素を用いた場合には、エナメル質が脱灰したりして傷むことで、表面の光沢がなくなったり、後戻りが起こりやすくなる。
リンとカルシウムの化合物の粒径は、細かい方が活性は高く、生体親和性にも優れるので好ましく、そのため、細かいリンとカルシウムの化合物が得られる製法により作製することが好ましい。特に、擬似体液中で生成させたリンとカルシウムの化合物が好ましい。この方法で作製したリンとカルシウムの化合物は、粒径が小さく、表面積が大きく、そのため、光活性や生体親和性がきわめて良い。
このようなアパタイトの製造には、擬似体液中に析出したものが最も好ましい。もちろん、他の一般的な製法でも可能であり、たとえば、湿式法、水熱法、メカノケミカル法、更には自然の珊瑚や動物などの骨から採取しても良い。
【0017】
擬似体液は、NaCl、NaHCO3 、KCl、K2 HPO4 ・3H2 O、MgCl2 ・6H2 O、CaCl2 とNa2 SO4 あるいはNaF、FeSO4 、FeCl3 などを、水に溶かすことで調製される。また、HClや(CH2 OH)3CNH2 等によりpHを7〜8、特に7.4に調整することが好ましい。
本発明に用いられる擬似体液の組成は、Na+ 120〜1000mM、K+ 1〜200mM、Ca2+0.5〜100mM、Mg2+0.5〜50mM、Cl- 80〜2000mM、HCO3-0.5〜300mM、HPO4 2-1〜200mM、SO4 2- 0.1〜200mM、F- 0.5mM、Fe、Cr、Zr、Al等の金属イオン一種以上が0.1〜20mM、が好ましい。これより濃度が薄いと、リンとカルシウムからなる化合物の析出に時間がかかり、これより濃度が高いと、リンとカルシウムからなる化合物の析出が急激に起こって、形状や粒径の制御が難しくなる。
擬似体液の温度は、30〜100℃が好ましい。これより温度が低いと、リンとカルシウムからなる化合物の析出に時間がかかり、これより温度が高いと、擬似体液の蒸発により粒径や多孔質度の制御ができなくなる。最も好ましくは30〜60℃の温度である。時間は、10秒から18日間が好ましい。これより時間が短いと、リンとカルシウムからなる化合物の析出が不十分であり、これより時間が長いと、大きくなりすぎる。
【0018】
光活性、形状を、擬似体液の組成や温度、時間を変えることによって制御することができる。リンやカルシウムの含有量を少なくしたり、温度を低くしたり、時間を短くした場合には、粒径の小さいリンとカルシウムからなる化合物が生成する。リンやカルシウムの含有量を多くしたり、温度を高くした場合には、リンとカルシウムからなる化合物の粒径が大きくなる。
このようにして析出したリンとカルシウムからなる化合物は、非晶質でもよいし、結晶性であってもよく、リン酸3カルシウムやリン酸8カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、クロロアパタイト等のアパタイトなどのリン酸カルシウムであってもよく、これらの一種以上からなるものである。
また、実際に使用する場合は、濾過や遠心分離して、洗浄して用いても良いし、用途によっては、そのまま、あるいは濃縮して使っても良い。
【0019】
本発明によるリン酸カルシウムの一つの好適な形態としては、たとえば、次のような一般式によって表すことができる。
9 (BO4
6 を構造中に含むこと、好適には、Ax (BOy z X、式中、Aは、Caの金属原子を表し、Bは、Pの原子を表し、そして、Xは、水酸基(−OH)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl)などである。このようなリン酸カルシウムの例としては、アパタイト、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、クロロアパタイト、燐酸三カルシウム、燐酸水素カルシウムなどが例示される。本発明において、好適に用いることのできるアパタイトは、上式中のXが水酸基もしくはフッ素であるヒドロキシアパタイトもしくはフッ化アパタイトであり、更に好ましくは、上式中のXが水酸基であり、かつAがカルシウム(Ca)であるアパタイトである。更に、上記AのCaの一部がCo、Ni、Cu、Al、La、Cr、Fe、Mgより選択される金属原子に一部置換していてもよい。
【0020】
更に、その形状は、板状もしくはリボン状のものが光活性や吸着機能に優れるので好ましい。通常、たとえば、アパタイトは6角柱状の鉛筆のような形状をしているが、特に好ましいのは板状である。しかし、もともと形状が6角柱状であるから、製造時に最初は板状であっても、粒子が成長する際に6角状になろうと成長する。したがって、もともと最初に生成した粒子の形状が板状であれば、6角柱状に変わろうとする課程の形状、中途半端な形状のリンとカルシウムの化合物でも十分に機能は発現する。たとえば、最も薄い部分と長い部分の比が1.2以上であればよい。これより小さいと光活性が小さくなり、更に好ましくは1.5以上である。
【0021】
前記したように、リンとカルシウムの化合物の粒径は、細かい方が活性は高く、生体親和性にも優れるので好ましく、そのため、細かいリンとカルシウムの化合物が得られる擬似体液中で生成させることが好ましい。この方法で作製したリンとカルシウムの化合物は、粒径が小さく、表面積が大きく、そのため、吸着性、光活性や生体親和性がきわめて良い。こうして得られた本発明によるアパタイトは、蛋白質やアミノ酸、細菌、ウイルスなどを吸着し、生体親和性が良い。粒径は、1nmから10ミクロンが好ましい。これより小さいと、取り扱いが難しく、これより大きいと、光活性や吸着性が悪くなる。比表面積が5m2 /g以上が好ましく、これより小さいと、光活性や吸着性が悪くなる。好ましくは1nmから2μmが望ましい。2μm以上では歯の表面に塗布する操作が難しくなる。
【0022】
【作用】
本発明の漂白材の主たる作用は、リンとカルシウムの化合物による漂白作用である。リンとカルシウムの化合物に光を照射すると電子と正孔を生じ、それが過酸化水素と反応して活性酸素が生じる。この活性酸素は、オゾンよりもはるかに強力な酸化力を持ち、ほぼすべての有機物を炭酸ガスにまで酸化分解することができる。更に、例えば、4%過酸化水素水との溶液として使用した場合、光の照射により容易に強力な酸化力を有する活性酸素を生じ、単独使用より、電荷分離、電子ホールの易動度、プロトンや水酸基との反応性等の値は確実に上昇し、4%過酸化水素水自身の酸化作用と重なって相乗作用が生じる。
【0023】
ところで、歯の着色因子は、以下の通り、外因性と内因性に大別される。外因性着色因子
I.食物成分(色素類)
硬水(含鉄等)
嗜好飲料(お茶、コーヒー、ココア、コカコーラ、赤ワイン等)
II.口腔細菌産生色素
III.タバコ
IV.金属蒸気
V.薬剤(消毒剤)
【0024】
内因性着色因子
I.歯髄壊死
II.歯髄内出血(外傷、抜髄後、亜砒酸)
III.根管充填剤の成分(アマルガム、銀粉、ヨード等)
IV.歯腐蝕、リウマチ熱
V.代謝病(先天性)組織褐変症アルカプトン尿症、先天性赤血球形成性ギルフィン症、胎児性赤芽球症新生児重症黄疸
VI.薬剤(抗生物質、根管治療薬)
VII.硬水(含弗素)
【0025】
上記の着色因子は、各種色素、鉄塩、タンニン酸、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニュウムクロルヘキシジン、サイクロン類などに起因し、これらの有色物質が歯のエナメル質、象牙質に沈着する。リンとカルシウムの化合物と4%以下の過酸化水素水の溶液は、生体親和性に優れるため、歯のエナメル小柱間、象牙質間に浸潤し、光活性による酸化、還元作用で有色物質を分解し、漂白が行われる。本発明の漂白法は、上記内因性、外因性、双方の変色歯に対して高い漂白効果を奏することができる。本発明に用いられる光の光源(照射器具)としては、一般に、白熱灯、蛍光灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀灯、UVランプなどが例示されるが、安全性、簡便性、漂白効果の点から、特に、LED(発光ダイオード)、半導体レーザー、ランプ(ペンライト)などが好適なものとしてあげられる。照射する光は、光活性作用による活性酸素の発生及びその酸化作用の点からは、紫外線などエネルギーの大きな短波長の光を多く含む光が望ましいが、紫外線は人体に炎症やガンを引き起こし有害であるため、安全性の面から可視光が好ましく、その中でもエネルギーの大きな紫の光が最も好ましい。本発明においては、上記漂白材、当該漂白材を付着させる手段(塗布器具等)、照射器具、他の薬剤、他の歯の処置用材料、器具等を適宜組み合わせて歯の漂白システム(キット)とすることができる。
【0026】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は当該実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例
(1)光活性度の測定
光活性度は、次のようにして測定した。色素の脱色実験は、ヘマトポルフェリンで染色した光沢紙にアパタイトを塗布して、これに光を照射して、色の変化を測定した。
染色する紙には、インクジェットプリンター用EPSONスーパーファイン専用光沢フィルムの裏面、ヘマトポルフェリンはSIGMA H−5518、エタノールは特級試薬を使用し、0.1%ヘマトポルフェリンエタノール溶液(0.1g/100ml)にフィルムを浸漬後、9×50mmに裁断し、サンプルを得た。光照射にはハロゲンランプ光源装置(ウシオ電機(株)製)を使用した(光源装置:型式JCR12V−100WC、波長は380〜460nm、電力は100W、照射エネルギーは上記波長にて204mW/cm2 )。色差計はOFC−300A(日本電色工業(株)製)を使用した。アパタイト0.06%の水溶液40mgを紙にたらして塗布し、照射装置の光ケーブルの先に3mmにおいて、1分間光を照射し、サンプル片を蒸留水で洗浄した後、水分を良く拭き取り、色差計で測定した。これを5回繰り返した。L*値は実験前61であった。
実験後のL*値−実験前のL*値/実験前のL*値
を光活性度とした。
【0027】
(2)漂白材の調製
合成したリンとカルシウムの化合物を、表1のように、水、過酸化水素水を配合し、練合、分散させて溶液を調製した。リンとカルシウムの化合物1〜4は、表2に記載の1〜4を示す。
擬似体液として、NaCl、NaHCO3 、KCl、K2 HPO4 ・3H2 O、MgCl2 ・6H2 O、CaCl2 とNa2 SO4 あるいはNaF、FeSO4 、FeCl3 などと、蒸留水とを用いて、表2の組成で、pH7.4の水溶液を調整し放置した。
【0028】
(3)歯の漂白システムの作製
上記漂白材と、塗布器具、照射器具(メタルハライドランプの紫の光を使用)、前処置器具を組み合わせて容器に収容し、歯の漂白システム(キット)を作製した。
【0029】
(4)変色歯の漂白
変色歯の漂白上記漂白材を用いて、以下の手順で変色歯の漂白を実施した。
1)前準備として歯垢、歯石、タール等を超音波スケーラーで除去した。
2)歯の表面を常法によりラバーカップ等で清掃の後、乾燥した。
3)簡易防湿を行った。
4)各溶液を歯面に塗布し、可視光を照射した。
5)1回を1分とし、1分おきに新たな上記溶液の塗布及び光照射を5回くり返した。
【0030】
(5)結果
上記漂白材による効果を表1に示す。表1から明らかなように、変色度が軽度のもの(F1)は、上記手順を約1回、また、変色度が中程度のもの(F2〜3)は約2〜3回で顕著な漂白効果と除菌効果が得られた。更に、変色度が高いもの(F4)は約4〜5回で漂白効果が得られた。上記漂白効果は、後戻りがなく高い持続性がみられた。また、本発明の漂白材は、リン酸カルシウムによる漂白作用との相乗効果による顕著な漂白効果と除菌効果が得られるため、従来の毒性の強い30〜35%過酸化水素水の場合のような作業上の様々な制約がなく、しかも、安全性に優れていることから、有髄歯、無髄歯の双方に使用することが可能であることが分かった。また、本発明の漂白材の漂白効果は、従来の二酸化チタンや過酸化水素水を主薬材とした漂白材のものと比較して、その酸化エネルギーからみて、約4倍以上の漂白効果を短時間で得ることができることが分かった。更に、表1から分かるように、過酸化水素水の濃度が低くなれば所要時間が長くなる傾向を示した。表1において、実施例1、5、7、9は参考実施例として示したものである。
【0031】
【表1】
Figure 0004280812
【0032】
【表2】
Figure 0004280812
【0033】
変色度の分類は、以下に従った。
F1:淡い黄色、褐色、灰色で歯冠全体が一様に着色されていて、シマ模様は見られないもの。
F2:F1よりも濃く歯冠全体が一様に着色されていて、シマ模様は見られないもの。
F3:濃い灰色、青味がかった灰色でシマ模様を伴うもの。
F4:著しく濃い紫色、灰色がかった紫色で歯冠部全体が変色しているもの。
また、効果の表示は、以下に従った。
+++:漂白効果著しく白色に改善されたもの。
++:漂白効果は認められるがやや着色(変色)が残るもの。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、変色歯の表面に付着させ、当該部分に光を照射することにより生ずる光活性作用に基づき変色歯を漂白するための漂白材であって、光照射により光活性を生ずるリンとカルシウムからなる化合物を有効成分として組み合わせてなることを特徴とする漂白材等に係るものであり、本発明によれば、(1)変色歯に対する新しい漂白材の提供が可能となる、(2)有髄歯、無髄歯、双方に対する漂白が可能となる、(3)口腔内の細菌の除去に有効である、(4)高い安全性、簡易な作業性及び短期間での漂白効果が得られる、(5)受診者にとっての心理的負担の軽減効果が得られる、(6)色調のレベルをコントロールできる、(7)受診者の希望する色調の改善を選択することが可能である、等の格別の効果が得られるので、本発明による歯の審美性の改善に対する寄与は大である。

Claims (7)

  1. 歯の表面に塗布して光の照射とともに使用される変色歯の漂白材であって、リンとカルシウムの化合物と過酸化水素を有効成分として含有(但し、オルトリン酸、二酸化チタンを含有しない。)光を照射することにより生じる活性酸素の酸化力に基づいて変色歯を漂白する作用を有することを特徴とする上記変色歯の漂白材。
  2. リンとカルシウムの化合物と過酸化水素水及びリン酸あるいはピロリン酸を含有する請求項1に記載の変色歯の漂白材。
  3. 粒子径1nm〜10μmのリンとカルシウムの化合物と4%以下の過酸化水素水を含有する請求項1又は2に記載の変色歯の漂白材。
  4. リンとカルシウムの化合物として、水酸アパタイト、フッ化アパタイト、リン酸八カルシウム、リン酸三カルシウムより選択されるリン酸カルシウムの一種以上を配合する請求項1からのいずれかに記載の変色歯の漂白材。
  5. リンとカルシウムの化合物が、A9 (BO46 X、式中、AはCa、又はCaの一部をCo、Ni、Cu、Al、La、Cr、Fe、Mgより選択される金属原子に一部置換、BはP、を表す、を構造中に含む擬似体液中で生成させたものである請求項1からのいずれかに記載の変色歯の漂白材。
  6. 請求項1からのいずれかに記載の漂白材と、当該漂白材を付着させる手段、照射器具、及び/又は歯の前処置用材料とを組み合わせてなる変色歯の漂白システム。
  7. 可視光の紫の光及び/又は紫外光を発する照射器具を組み合わせてなる請求項に記載の変色歯の漂白システム。
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