上記特開平11−135018号公報に記載された方法は、単一の真空室内で、FPとRPとを位置合わせした後、この2枚の基板を封着する工程のみが用いられているので、上記した表示パネルを作成する上で必要な他の工程であるベーク処理、ゲッタ処理や電子線クリーニング処理などの工程は、やはり各々単一の真空室での処理を施すことが必要となる。このため製造工程時間が長くなっていたため、製造工程時間の大幅な短縮が求められていた。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、画像表示装置の製造における各工程時間の短縮化を図り、もって製造効率を向上させることを目的とする。
まず、第1の本発明(参考発明)は、画像表示装置のパネルを構成するパネル部材を、それぞれ温度制御手段を備える減圧された複数の処理室に順次搬送し、温度制御しながら前記パネル部材に複数の処理を施してパネルを形成する画像表示装置の製造方法であって、
前記複数の処理室は、前記パネル部材をベークするベーク処理室と、前記ベーク処理の後、前記パネル部材が搬送され、封着される封着処理室とを含み、前記複数の処理室における各処理は、当該処理室における前記パネル部材の温度を、前記搬送過程における前の処理室での当該パネル部材の温度以下に設定して行われることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
また、第2の本発明(参考発明)は、画像表示装置のパネルを構成するパネル部材を、それぞれ温度制御手段を備える減圧された複数の処理室に順次搬送し、温度制御しながら前記パネル部材に複数の処理を施してパネルを形成する画像表示装置の製造方法であって、
前記複数の処理室は、前記パネル部材をベークするベーク処理室と、前記ベーク処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材にゲッタ処理がなされるゲッタ処理室と、前記ゲッタ処理の後、前記パネル部材が搬送され、封着される封着処理室とを含み、前記複数の処理室における各処理は、当該処理室における前記パネル部材の温度を、前記搬送過程における前の処理室での当該パネル部材の温度以下に設定して行われることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
上記第2の本発明においては、前記ゲッタ処理室において、更に、ゲッタ処理室内のゲッタ処理が行われること、あるいは、
前記複数の処理室は、前記ベーク処理室でのベーク処理後、前記ゲッタ処理室への搬送前に前記パネル部材が搬送される、前記ゲッタ処理室と隣接した前室を含み、該前室内及び前記ゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、
が好ましい。
また、第3の本発明(参考発明)は、画像表示装置のパネルを構成するパネル部材を、それぞれ温度制御手段を備える減圧された複数の処理室に順次搬送し、温度制御しながら前記パネル部材に複数の処理を施してパネルを形成する画像表示装置の製造方法であって、
前記複数の処理室は、前記パネル部材をベークするベーク処理室と、前記ベーク処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材の表面を浄化する表面浄化処理室と、前記表面浄化処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材にゲッタ処理がなされるゲッタ処理室と、前記ゲッタ処理の後、前記パネル部材が搬送され、封着される封着処理室とを含み、前記複数の処理室における各処理は、当該処理室における前記パネル部材の温度を、前記搬送過程における前の処理室での当該パネル部材の温度以下に設定して行われることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
また、上記第3の本発明においては、前記ゲッタ処理室において、更に、ゲッタ処理室内のゲッタ処理が行われること、あるいは、
前記複数の処理室は、前記ベーク処理室でのベーク処理後、前記ゲッタ処理室への搬送前に前記パネル部材が搬送される、前記ゲッタ処理室と隣接した前室を含み、該前室内及び前記ゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、あるいは、
前記複数の処理室は、前記表面浄化処理室での表面浄化処理後、前記ゲッタ処理室への搬送前に前記パネル部材が搬送される、前記ゲッタ処理室と隣接した前室を含み、該前室内及び前記ゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、あるいは、
前記表面浄化処理室は、前記ゲッタ処理室と隣接しており、前記表面浄化処理室及び前記ゲッタ処理室は、10-4Pa以下に設定されていること、
が好ましい。
また、第4の本発明(参考発明)は、画像表示装置のパネルを構成するパネル部材を、それぞれ温度制御手段を備える減圧された複数の処理室に順次搬送し、温度制御しながら前記パネル部材に複数の処理を施してパネルを形成する画像表示装置の製造方法であって、
前記複数の処理室は、前記パネル部材をベークするベーク処理室と、前記ベーク処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材の表面を浄化する表面浄化処理室と、前記表面浄化処理の後、前記パネル部材が搬送され、当該処理室内のゲッタ処理が行われる予備ゲッタ処理室と、前記予備ゲッタ処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材にゲッタ処理がなされるゲッタ処理室と、前記ゲッタ処理の後、前記パネル部材が搬送され、封着される封着処理室とを含み、前記複数の処理室における各処理は、当該処理室における前記パネル部材の温度を、前記搬送過程における前の処理室での当該パネル部材の温度以下に設定して行われることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
また、上記第4の本発明においては、前記複数の処理室は、前記表面浄化処理室での表面浄化処理後、前記予備ゲッタ処理室への搬送前に前記パネル部材が搬送される、前記予備ゲッタ処理室と隣接した前室を含み、該前室内、予備ゲッタ処理室内及びゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、あるいは、
前記表面浄化処理室は、前記予備ゲッタ処理室と隣接しており、前記表面浄化処理室内、前記予備ゲッタ処理室内及び前記ゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、
が好ましい。
また、上記第3〜第4の本発明においては、前記表面浄化処理は、前記パネル部材の表面に電子線を照射して前記パネル部材の表面を浄化する処理であること、あるいは、
前記表面浄化処理は、前記パネル部材の表面にイオンを照射して前記パネル部材の表面を浄化する処理であること、あるいは、
前記表面浄化処理は、前記パネル部材の表面に紫外線を照射して前記パネル部材の表面を浄化する処理であること、あるいは、
前記表面浄化処理は、前記パネル部材の表面にプラズマを照射して前記パネル部材の表面を浄化する処理であること、
が好ましい。
また、第5の本発明(参考発明)は、画像表示装置のパネルを構成するパネル部材を、それぞれ温度制御手段を備える減圧された複数の処理室に順次搬送し、温度制御しながら前記パネル部材に複数の処理を施してパネルを形成する画像表示装置の製造方法であって、
前記複数の処理室は、前記パネル部材をベークするベーク処理室と、前記ベーク処理の後、前記パネル部材が搬送され、当該処理室内のゲッタ処理が行われる予備ゲッタ処理室と、前記予備ゲッタ処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材にゲッタ処理がなされるゲッタ処理室と、前記ゲッタ処理の後、前記パネル部材が搬送され、封着される封着処理室とを含み、前記複数の処理室における各処理は、当該処理室における前記パネル部材の温度を、前記搬送過程における前の処理室での当該パネル部材の温度以下に設定して行われることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
また、上記第5の本発明においては、前記複数の処理室は、前記ベーク処理室でのベーク処理後、前記予備ゲッタ処理室への搬送前に前記パネル部材が搬送される、前記予備ゲッタ処理室と隣接した前室を含み、該前室内、予備ゲッタ処理室内及びゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、が好ましい。
また、上記第1〜第5の本発明においては、前記封着処理室における前記パネル部材の封着処理の温度は、前記ベーク処理室におけるパネル部材のベーク処理の温度よりも低い温度に設定して行われること、あるいは、
前記ゲッタ処理室における前記パネル部材のゲッタ処理の温度は、前記ベーク処理室におけるパネル部材のベーク処理の温度よりも低い温度に設定して行われること、
が好ましい。
また、第6の本発明(参考発明)は、画像表示装置のパネルを構成するパネル部材を、それぞれ温度制御手段を備える減圧された複数の処理室に順次搬送し、温度制御しながら前記パネル部材に複数の処理を施してパネルを形成する画像表示装置の製造方法であって、
前記複数の処理室は、前記パネル部材をベークするベーク処理室と、前記ベーク処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材を冷却する冷却処理室と、前記冷却処理の後、前記パネル部材が搬送され、封着される封着処理室とを含み、前記複数の処理室における各処理は、当該処理室における前記パネル部材の温度を、前記搬送過程における前の処理室での当該パネル部材の温度以下に設定して行われることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
また、第7の本発明(参考発明)は、画像表示装置のパネルを構成するパネル部材を、それぞれ温度制御手段を備える減圧された複数の処理室に順次搬送し、温度制御しながら前記パネル部材に複数の処理を施してパネルを形成する画像表示装置の製造方法であって、
前記複数の処理室は、前記パネル部材をベークするベーク処理室と、前記ベーク処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材を冷却する冷却処理室と、前記冷却処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材にゲッタ処理がなされるゲッタ処理室と、前記ゲッタ処理の後、前記パネル部材が搬送され、封着される封着処理室とを含み、前記複数の処理室における各処理は、当該処理室における前記パネル部材の温度を、前記搬送過程における前の処理室での当該パネル部材の温度以下に設定して行われることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
また、上記第7の本発明においては、前記ゲッタ処理室において、更に、ゲッタ処理室内のゲッタ処理が行われること、あるいは、
前記複数の処理室は、前記冷却処理室での冷却処理後、前記ゲッタ処理室への搬送前に前記パネル部材が搬送される、前記ゲッタ処理室と隣接した前室を含み、該前室内及び前記ゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、あるいは、
前記冷却室は、前記ゲッタ処理室と隣接しており、前記冷却処理室内及び前記ゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、あるいは、
前記冷却処理室において、更に、冷却処理室内のゲッタ処理が行われること、あるいは、
前記冷却処理室において、更に、前記パネル部材の表面浄化処理が行われること、
が好ましい。
また、第8の本発明(参考発明)は、画像表示装置のパネルを構成するパネル部材を、それぞれ温度制御手段を備える減圧された複数の処理室に順次搬送し、温度制御しながら前記パネル部材に複数の処理を施してパネルを形成する画像表示装置の製造方法であって、
前記複数の処理室は、前記パネル部材をベークするベーク処理室と、前記ベーク処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材を冷却する冷却処理室と、前記冷却処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材の表面を浄化する表面浄化処理室と、前記表面浄化処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材にゲッタ処理がなされるゲッタ処理室と、前記ゲッタ処理の後、前記パネル部材が搬送され、封着される封着処理室とを含み、前記複数の処理室における各処理は、当該処理室における前記パネル部材の温度を、前記搬送過程における前の処理室での当該パネル部材の温度以下に設定して行われることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
また、上記第8の本発明においては、前記複数の処理室は、前記表面浄化処理室での表面浄化処理後、前記ゲッタ処理室への搬送前に前記パネル部材が搬送される、前記ゲッタ処理室と隣接した前室を含み、該前室内及び前記ゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、あるいは、
前記表面浄化処理室は、前記ゲッタ処理室と隣接しており、前記表面浄化処理室内及び前記ゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、あるいは、
前記ゲッタ処理室において、更に、ゲッタ処理室内のゲッタ処理が行われること、
が好ましい。
また、第9の本発明(参考発明)は、画像表示装置のパネルを構成するパネル部材を、それぞれ温度制御手段を備える減圧された複数の処理室に順次搬送し、温度制御しながら前記パネル部材に複数の処理を施してパネルを形成する画像表示装置の製造方法であって、
前記複数の処理室は、前記パネル部材をベークするベーク処理室と、前記ベーク処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材を冷却する冷却処理室と、前記冷却処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材の表面を浄化する表面浄化処理室と、前記表面浄化処理の後、前記パネル部材が搬送され、当該処理室内のゲッタ処理が行われる予備ゲッタ処理室と、前記予備ゲッタ処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材にゲッタ処理がなされるゲッタ処理室と、前記ゲッタ処理の後、前記パネル部材が搬送され、封着される封着処理室とを含み、前記複数の処理室における各処理は、当該処理室における前記パネル部材の温度を、前記搬送過程における前の処理室での当該パネル部材の温度以下に設定して行われることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
また、上記第9の本発明においては、前記複数の処理室は、前記表面浄化処理室での表面浄化処理後、前記予備ゲッタ処理室への搬送前に前記パネル部材が搬送される、前記予備ゲッタ処理室と隣接した前室を含み、該前室内、予備ゲッタ処理室内及びゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、あるいは、
前記表面浄化処理室は、前記予備ゲッタ処理室と隣接しており、前記表面浄化処理室内、前記予備ゲッタ処理室内及び前記ゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、
が好ましい。
また、上記第8〜第9の本発明においては、前記表面浄化処理は、前記パネル部材の表面に電子線を照射して前記パネル部材の表面を浄化する処理であること、あるいは、
前記表面浄化処理は、前記パネル部材の表面にイオンを照射して前記パネル部材の表面を浄化する処理であること、あるいは、
前記表面浄化処理は、前記パネル部材の表面に紫外線を照射して前記パネル部材の表面を浄化する処理であること、あるいは、
前記表面浄化処理は、前記パネル部材の表面にプラズマを照射して前記パネル部材の表面を浄化する処理であること、
が好ましい。
また、第10の本発明(参考発明)は、画像表示装置のパネルを構成するパネル部材を、それぞれ温度制御手段を備える減圧された複数の処理室に順次搬送し、温度制御しながら前記パネル部材に複数の処理を施してパネルを形成する画像表示装置の製造方法であって、
前記複数の処理室は、前記パネル部材をベークするベーク処理室と、前記ベーク処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材を冷却する冷却処理室と、前記冷却処理の後に、前記パネル部材が搬送され、当該処理室内のゲッタ処理が行われる予備ゲッタ処理室と、前記予備ゲッタ処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材にゲッタ処理がなされるゲッタ処理室と、前記ゲッタ処理の後、前記パネル部材が搬送され、封着される封着処理室とを含み、前記複数の処理室における各処理は、当該処理室における前記パネル部材の温度を、前記搬送過程における前の処理室での当該パネル部材の温度以下に設定して行われることを特徴とする画像表示装置の製造方法である。
また、上記第10の本発明においては、前記複数の処理室は、前記冷却処理室でのベ冷却処理の後、前記予備ゲッタ処理室への搬送前に前記パネル部材が搬送される、前記予備ゲッタ処理室と隣接した前室を含み、該前室内、予備ゲッタ処理室内及びゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、あるいは、
前記冷却処理室は、前記予備ゲッタ処理室と隣接しており、前記冷却処理室内、前記予備ゲッタ処理室内及びゲッタ処理室内は、10-4Pa以下に設定されていること、が好ましい。
また、上記第1〜第10の本発明においては、前記パネル部材の封着に用いられる封着材は、前記搬送過程において、前記封着処理室の前の処理室での前記パネル部材の温度以下の融点を有する封着材であること、あるいは、
前記封着材は、ガリウム−インジウム系合金、ガリウム−錫系合金、アルミニウム−ガリウム系合金のいずれかであること、
が好ましい。
また、上記第1〜第10の本発明においては、前記パネル部材は、前記パネルの表示面を構成するフェースプレートを有し、該フェースプレートと間隔をおいて対向配置されて前記パネルの背面を構成するリアプレートと封着されること、あるいは、
前記リアプレート側には、前記パネル部材との封着をなす第1の封着材が設けられていること、あるいは、
前記リアプレート側には、第2の封着材で固定された前記パネルの側面を構成する外枠と、該外枠に配置された前記パネル部材との封着をなす第1の封着材とが設けられていること、あるいは、
前記第2の封着材は、前記第1の封着材よりもその融点が高いこと、あるいは、
前記第1の封着材は、低融点金属あるいはその合金であること、あるいは、
前記第2の封着材は、フリットガラスであること、
が好ましい。
また、上記第1〜第10の本発明においては、前記パネル部材は、更に、前記フェースプレートに配置された第1の封着材を有し、前記リアプレートと前記第1の封着材で封着されること、あるいは、
前記リアプレート側には、第2の封着材で固定され前記パネルの側面を構成する外枠が設けられていること、あるいは、
前記第2の封着材は、前記第1の封着材よりもその融点が高いこと、あるいは、
前記第1の封着材は、低融点金属あるいはその合金であること、
が好ましい。
また、上記第1〜第10の本発明においては、前記パネル部材は、更に、前記フェースプレートに第2の封着材で固定された前記パネルの側面を構成する外枠を有し、前記リアプレートと封着されること、あるいは、
前記リアプレート側には、前記パネル部材との封着をなす第1の封着材が設けられていること、あるいは、
前記第2の封着材は、前記第1の封着材よりもその融点が高いこと、あるいは、
前記第1の封着材は、低融点金属あるいはその合金であること、あるいは、
前記第2の封着材は、フリットガラスであること、
が好ましい。
また、上記第1〜第10の本発明においては、前記パネル部材は、更に、前記フェースプレートに第2の封着材で固定された前記パネルの側面を構成する外枠と、該外枠に配置された第1の封着材とを有し、前記リアプレートと前記第1の封着材で封着されること、あるいは、
前記第2の封着材は、前記第1の封着材よりもその融点が高いこと、あるいは、
前記第1の封着材は、低融点金属あるいはその合金であること、あるいは、
前記第2の封着材は、フリットガラスであること、
が好ましい。
また、上記第1〜第10の本発明においては、前記パネル部材は、前記パネルの表示面を構成するフェースプレートと間隔をおいて対向配置されて前記パネルの背面を構成するリアプレートを有し、前記フェースプレートと封着されること、あるいは、
前記フェースプレート側には、前記パネル部材との封着をなす第1の封着材が設けられていること、あるいは、
前記フェースプレート側には、第2の封着材で固定された前記パネルの側面を構成する外枠と、該外枠に配置された前記パネル部材との封着をなす第1の封着材とが設けられていること、あるいは、
前記第2の封着材は、前記第1の封着材よりもその融点が高いこと、あるいは、
前記第1の封着材は、低融点金属あるいはその合金であること、あるいは、
前記第2の封着材は、フリットガラスであること、
が好ましい。
また、上記第1〜第10の本発明においては、前記パネル部材は、更に、前記リアプレートに配置された第1の封着材を有し、前記フェースプレートと前記第1の封着材で封着されること、あるいは、
前記フェースプレート側には、第2の封着材で固定され前記パネルの側面を構成する外枠が設けられていること、あるいは、
前記第2の封着材は、前記第1の封着材よりもその融点が高いこと、あるいは、
前記第1の封着材は、低融点金属あるいはその合金であること、あるいは、
前記第2の封着材は、フリットガラスであること、
が好ましい。
また、上記第1〜第10の本発明においては、前記パネル部材は、更に、前記リアプレートに第2の封着材で固定された前記パネルの側面を構成する外枠を有すること、あるいは、
前記フェースプレート側には、前記パネル部材との封着をなす第1の封着材が設けられていること、あるいは、
前記第2の封着材は、前記第1の封着材よりもその融点が高いこと、あるいは、
前記第1の封着材は、低融点金属あるいはその合金であること、あるいは、
前記第2の封着材は、フリットガラスであること、
が好ましい。
また、上記第1〜第10の本発明においては、前記パネル部材は、更に、前記リアプレートに第2の封着材で固定された前記パネルの側面を構成する外枠と、該外枠に配置された第1の封着材とを有し、前記フェースプレートと前記第1の封着材で封着されること、あるいは、
前記第2の封着材は、前記第1の封着材よりもその融点が高いこと、あるいは、
前記第1の封着材は、低融点金属あるいはその合金であること、あるいは、
前記第2の封着材は、フリットガラスであること、
が好ましい。
また、上記第1〜第10の本発明においては、前記フェースプレートは、蛍光体を有すること、あるいは、
前記フェースプレートは、蛍光体とメタルバックとを有すること、あるいは、
前記リアプレートは、蛍光体励起手段を有すること、あるいは、
前記蛍光体励起手段は、電子放出素子を有すること、
が好ましい。
本発明の製造装置は、画像表示装置のパネルを形成するパネル部材を、それぞれ温度制御手段を備える複数の処理室に順次搬送し、温度制御しながら前記パネル部材に複数の処理を施して画像表示装置を製造する画像表示装置の製造装置であって、
前記複数の処理室は、前記パネル部材をベークするベーク処理室と、前記ベーク処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材にゲッタ処理がなされるゲッタ処理室と、前記ゲッタ処理の後、前記パネル部材が搬送され、封着される封着処理室とを含み、
前記べーク処理室から前記封着処理室までの搬送過程における、前記べーク処理室と封着処理室とを含む各処理室の温度制御手段は、当該各処理室における前記パネル部材の温度を、直前の処理室での当該パネル部材の温度以下に設定する手段であることを特徴とする。
また、本発明の他の製造装置は、画像表示装置のパネルを形成するパネル部材を、それぞれ温度制御手段を備える複数の処理室に順次搬送し、温度制御しながら前記パネル部材に複数の処理を施して画像表示装置を製造する画像表示装置の製造装置であって、
前記複数の処理室は、前記パネル部材をベークするベーク処理室と、前記ベーク処理の後、前記パネル部材が搬送され、前記パネル部材を冷却する冷却処理室と、前記冷却処理の後、前記パネル部材が搬送され、封着される封着処理室とを含み、
前記各処理室の温度制御手段は、当該処理室における前記パネル部材の温度を、前記搬送過程における前の処理室での当該パネル部材の温度以下に設定する手段であることを特徴とする。
また、上記本発明の製造装置においては、前記封着処理室で用いられる封着材は、ガリウム−インジウム系合金、ガリウム−錫系合金、アルミニウム−ガリウム系合金のいずれかであること、あるいは、
前記各処理室間には熱遮蔽部材が設けられていること、あるいは、
前記熱遮蔽部材は、反射性金属により形成されていること、あるいは、
画像表示装置のパネルを形成するパネル部材は、蛍光体励起手段を配置した基板を含む第1のパネル部材と、蛍光体を配置した基板を含む第2のパネル部材との2個の構成部材であること、あるいは、
前記第1のパネル部材は、蛍光体励起手段を配置した基板と外枠とを有すること、あるいは、
前記第1のパネル部材は、蛍光体励起手段を配置した基板とスペーサとを有すること、あるいは、
前記第1のパネル部材は、蛍光体励起手段を配置した基板と、外枠と、スペーサとを有すること、あるいは、
前記第2のパネル部材は、蛍光体を配置した基板と外枠とを有すること、あるいは、
前記第2のパネル部材は、蛍光体を配置した基板とスペーサとを有すること、あるいは、
前記第2のパネル部材は、蛍光体を配置した基板と、外枠と、スペーサとを有すること、あるいは、
前記蛍光体励起手段は、電子線放出素子を有すること、
が好ましい。
以上述べた本発明においては、複数の異なる処理を連続して行う画像表示装置の製造方法および製造装置において、各処理室におけるパネル部材の温度を、搬送過程における前の処理室における当該パネル部材の温度以下に設定するため、温度制御、とりわけ昇温に要する時間が短縮され、製造工程時間を短縮することができる。
また、以上述べた本発明においては、極端な再昇温、とりわけ、封着処理時の再昇温などにより、パネル部材からガスが再放出され、雰囲気の真空度を低下させるといった不都合を解消することができる。
また、以上述べた本発明において、ゲッタ処理されるパネル部材の温度が、ベーク処理されるパネル部材の温度よりも低い温度に設定されてゲッタ処理されることは、前記パネル部材に形成されるゲッタ膜の熱による劣化を大幅に低減することができる。
また、以上述べた本発明において、ゲッタ処理室と隣接した、前室内あるいは前の処理室内が、10-4Pa以下、更に好ましくは、10-5Pa以下の減圧状態に設定されることは、ゲッタ処理室へ部材を搬送した際のゲッタ処理室内の真空度の極端な低減を防ぐことができ、ゲッタ処理室へ部材を搬送してからゲッタ処理までの待機時間を短縮することができる。
また、以上述べた本発明において、封着工程時における加熱温度が、ゲッタ処理されるパネル部材の温度以下にて封着処理されることは、前記パネル部材に形成されたゲッタ膜の熱による劣化を大幅に低減することができる。
また、以上述べた本発明において、冷却処理がなされる処理室内で、第1または第2の部材の表面浄化処理を行うことは、ベーク処理工程などの前の工程における余熱を前記部材の表面浄化に利用することができ、表面浄化処理をより効率的に行うことができる。
また、以上述べた本発明において、冷却処理、あるいは、冷却処理室を有することは、パネル部材の極端な降温による破損を防げるほか、ベーク処理工程とゲッタ処理工程の間に設けることで、前記部材に形成されるゲッタ膜の熱による劣化を大幅に低減することができる。
また、以上述べた本発明において、ベーク処理室とゲッタ処理室との間に熱遮蔽部材を設けることは、ゲッタ膜の熱による劣化を大幅に低減することができる。
また、以上述べた本発明において、各処理室間に熱遮蔽部材を設けることは、各処理室間の熱の移動を最小限にし、各処理室の温度制御に要する時間が大幅に短縮され、製造工程時間を大幅に短縮することができる。
また、以上述べた本発明において、フェースプレートあるはリアプレートに外枠を、高融点の第2の封着材を用いて固定しておくことは、封着処理室における第1の封着材の封着処理温度での前記第2の封着材の軟化による前記プレートと外枠との位置ずれを防ぐことができる。
本発明によれば、電子線放出素子やプラズマ発生素子をXY方向に100万画素以上のように大容量で設け、且つこの大容量画素を対角サイズ30インチ以上の大画面に設けた画像表示装置を製造するに当たって、製造工程時間を大幅に短縮することができた。
また、画像表示装置を構成する真空容器を10-6Pa以上のような高真空に達成させることができた。
図1(a)は本発明に係る製造装置を模式的に示した図、図1(b)は画像表示装置のパネル部材、即ち、画像表示装置のパネルを形成する部材の温度を示す温度プロファイル、図1(c)は製造装置内の圧力を示す圧力プロファイルである。以下、これらに基づいて本発明に係る製造方法と製造装置について、とりわけ、複数の電子放出素子がマトリクス配線された電子源とかかる電子源からの電子の照射により発光する蛍光体とをパネル内に具備する電子線画像表示装置を例に挙げ説明する。
図1(a)において、101はパネル部材であるところのリアプレート(以後RPと表記する)であり、蛍光体励起手段として、複数の電子放出素子がマトリクス配線された電子源が形成されている。102はパネル部材であるところのフェィスプレート(以後FPと表記する)であり、蛍光体、メタルバックなどが形成されている。103はパネル部材であるところの外枠でありRP101とFP102の間に配置され、RP101及びFP102とともに気密容器であるパネルを構成する。104はスペーサであり、RP101とFP102との間隔を維持するものである。本実施形態では外枠103とスペーサ104は事前にRP101上に配置固定されている場合を図示している。
105は前室、106はベーク処理室、107は表面浄化処理室、108は予備ゲッタ処理室(チャンバーゲッタ処理室)、109はゲッタ処理室(パネルゲッタ処理室)、110は封着処理室、111は冷却室であり、順次搬送方向(図中の矢印145)に従って配列接続され、それぞれ不図示の真空ポンプで排気されて、真空雰囲気が形成されている。
ここで、上記表面浄化処理室107は、RP、FP、あるいは外枠、スペーサなどの部材の表面に電子線、イオン、紫外線、あるいは、プラズマを照射することでかかる部材表面を浄化する処理室であり、本実施形態においてこの表面浄化処理室107は、電子線照射手段が設けられたエレクトロン・ビーム照射処理室(以後EB照射処理室と表記)となっている。
また、上記予備ゲッタ処理室(チャンバーゲッタ処理室)108は、処理室内に配置されたパネル構成部材以外の部材に対してゲッタ膜を形成する処理室であって、処理室内の真空度を上げ、次のゲッタ処理室109にパネル部材が搬入される際にかかるゲッタ処理室内の真空度の低下を防ぐ目的で設けられている。また、ゲッタ処理室(パネルゲッタ処理室)109は、パネル部材の封着後、パネル容器内の真空度を維持する目的で、パネルを構成する部材自体にゲッタ膜を形成する処理室である。
また、大気および、各処理室間はゲートバルブ112、113、114、115、116、117、118、119で隔てられており、パネル部材であるRP101、FP102、外枠103、スペーサ104は、まず、ゲートバルブ112の開閉により前室105に搬入され、順次、処理室へ各ゲートバルブの開閉によって移動する。120はパネル部材の各処理室への移動用のための搬送ローラーである。
また、121、123、127、132、136はRP101および、これに固定された外枠103とスペーサ104の温度を制御するためのホットプレートである。一方、122、124、128、133、137はFP102の温度を制御するためのホットプレートである。
125はEB照射処理室107内でEB照射するための電子銃、126は電子銃125から照射されたエレクトロン・ビームである。
チャンバーゲッタ処理室108内において、129はチャンバーゲッタフラッシュ装置、130はチャンバーゲッタフラッシュ装置から発生されるチャンバーゲッタフラッシュであり、Baなどの材料を瞬間的に蒸発させたものである。131はチャンバーゲッタ板であり、チャンバーゲッタフラッシュ130が被着し、チャンバーゲッタとして排気作用を行う、即ち、チャンバーゲッタ処理室108内の真空度を上げることができる。
パネルゲッタ処理室109において、134はパネルゲッタフラッシュ装置、135はパネルゲッタフラッシュ装置134から発生されるパネルゲッタフラッシュであり、Baなどの材料を瞬間的に蒸発させたものであり、FP102に被着される。
138、139、140、141、142は昇降機であり、それぞれ、ホットプレート121、123、127、132、136を支持しており、RP101を各処理工程に必要な高さに昇降させる機能を有する。
図1(b)はその横軸が、図1(a)の製造装置における各処理室での工程を示し、縦軸が各処理室での工程におけるパネル部材の温度である。この温度プロファイルは、RP101、FP102の温度状態を示すものである。また、図1(c)はその横軸が、図1(a)の製造装置における各処理室での工程を示し、縦軸が各処理室内の圧力である。
RP101とFP102、外枠103、スペーサ104は、搬送手段である搬送ローラ120の駆動によって、順次、矢印145方向に各処理室を通過し、この通過中に各種の処理が施される。
本実施形態においては、まず、前室105の真空雰囲気下に、電子源が配置されたRP101、外枠103、及び、スペーサ104からなる第1の部材と、蛍光体及びメタルバックが配置されたFP102からなる第2の部材とが用意され、ベーク処理室106におけるベーク処理、EB照射処理室107における電子線照射、チャンバーゲッタ処理室108におけるチャンバーゲッタ処理による高真空到達、パネルゲッタ処理室109におけるパネルゲッタ処理によるパネルへのゲッタフラッシュ、封着処理室110における加熱封着及び冷却室111における冷却処理の各工程が直列された一ライン上で行われ、かかるライン上に画像表示装置のパネルを形成する部材の複数が順次、搬入、搬送、搬出されることにより画像表示装置を製造するものとなっている。
図1(a)に図示した製造装置の各処理室間には、前述の通り、ゲートバルブ112、113、114、115、116、117、118、119が配置されており、各処理室は不図示の真空排気系で真空排気される。本実施形態においては、ゲートバルブ112、113、114、115、116、117、118、119を各処理室間毎に配置したが、このゲートバルブ配置は図1(c)に図示する圧力プロファイルの圧力が相違する処理室間および装置外大気間のみでよく、例えば、チャンバーゲッタ処理室108、パネルゲッタ処理室109、封着室110の間のゲートバルブ116、117は省略することも可能である。
上記のように隣接した処理室間にゲートバルブがなく、しかも各処理工程におけるパネル部材の温度が異なる場合は、該処理工程間には、例えばアルミニウム、クロム、ステンレスなどの反射性金属によって形成した熱遮蔽部材(板形状、フィルム形状など)が配置されていることが好ましい。この熱遮蔽部材は、図1(b)に図示するパネル部材の温度プロファイルの温度が相違する処理室間、例えば、ベーク処理室106とパネルゲッタ処理室109との間の何処かに配置するのが好ましい。また、該熱遮蔽部材は各処理室間毎に配置してもよい。上記熱遮蔽部材は、上に載置したFP102とRP101とが各処理室間を移動する際には、障害を与えないように設置される。
また、本実施形態では、前室105に搬入する前のRP101に、予め、真空構造をシールする外枠103及び耐大気圧構造を形成するスペーサ104を固定設置してあるがこれに限るものではない。例えば、外枠103にスペーサ104を事前に固定し(例えば外枠103内を横切る板状スペーサ104として、その両端を外枠103に固定。)、これを単独の構成部材としてRP101やFP102とは別に本装置内に投入し、各処理工程を行い、最終的に封着処理工程でパネルの構成部材として、所望の位置に配置固定することも、また、外枠103をFP102側に予め固定設置しておくものであっても良い。
尚、RP101側あるいはFP102側に外枠103を予め固定設置しておく場合には、その固定を後述する封着材143よりもより高い融点をもつ封着材を用いて行うことが好ましい。例えば、後述する封着材143がインジウムなどの低融点金属又はその合金であれば、フリットガラスを用いて外枠103をRP101あるいはFP102に予め固定しておくことが好ましい。
図1(a)において143は前述の如く封着材であり、RP101に配置された外枠103のFP102側端部に事前に設けることができるが、封着材143の配置はこれに限るものではなく、外枠103が接触固定されるFP102上の部分に配置しておいても良い。さらには、外枠103を単独の構成部材として独立して、本装置内に投入する場合は、外枠103のRP101側端部及びFP102側端部に封着材143を設けても良い。また、封着材143は、外枠103が接触固定されるRP101およびFP102上の部分に配置されても良い。上記封着材143を設ける部分は、外枠103の端部と、この外枠103の端部が接触固定されるRP101およびFP102上の部分の少なくともいずれか一方に設けてあれば良い。
ここで、本実施形態において用いられる封着材143は、100℃程度の比較的低温にて溶融、封着が可能な、ガリウム−インジウム系合金、あるいは、ガリウム−錫系合金、アルミニウム−ガリウム系合金などの封着材である。これらの封着材は、上記2元素の混合比率を変えることにより、その融点を調整することが可能である。
上記のように構成された装置において、パネルを真空排気して封着する工程を以下に示す。尚、以下の工程は1枚のパネルを封着する場合を示す場合であるが、連続して複数のパネルを連続的に処理して封着する場合は、各処理工程の処理時間が異なる場合があり、処理時間の長い工程については他の処理工程時間と調整するように、処理工程を複数の処理室に分割すること、あるいは同一の処理室に処理のための構成要素を、例えば、ホットプレート等を複数配置して、同時に処理を行うことよって可能となる。
まず、外枠103およびスペーサ104が事前に固定され、封着材143も事前に配置されたRP101と、FP102を前室105に搬入する。ここで、外枠103およびスペーサ104はRP101にフリットガラスを用いて固定されており、封着材143としてはGa−In合金が用いられる。搬入に際しては搬送用の治具に上記のRP101とFP102とを配置し、構造上、両者の基板に間隔が形成されるようにしてある。尚、搬入、搬送は治具を用いることに限るものではなく、RP101、FP102の基板をそのまま、装置本体側の支持搬送ユニットで搬送することも可能である。
搬入が終了したら、搬入口であるゲートバルブ112を遮蔽し、この前室105の内部を真空排気する。この間、ベーク処理室106以降の処理室は各々の真空度と温度プロファイルに設定されている。以降、RP101、FP102の基板の搬送に際して、対応する処理室間のゲートバルブ113〜119を順次、開放、遮断する。
上記前室105が10-5Pa台の圧力状態に達したとき、ゲートバルブ113を開放し、RP101とFP102とを前室105から搬出してベーク処理室106に移動し、この移動終了後にゲートバルブ113を遮断する。
大気に曝されることなくベーク処理室106に移動されてきたRP101とFP102は、このベーク処理室106内で、ホットプレート121、122による加熱処理(ベーク処理)が施される。このベーク処理によって、RP101とFP102に含有、吸着されている水素、酸素、水などの不純物をガス排出させることができる。このベーク処理は、ベーク処理室106の温度制御手段であるホットプレート121、122によりパネル部材の温度を300℃〜400℃、好ましくは350℃〜380℃に設定して行われ、本実施形態においてはパネル部材が380℃となるよう上記ホットプレート121、122の温度が設定される。また、このときのベーク処理室内の圧力は約10-4Paである。
ベーク処理を終了したRP101とFP102とをEB照射処理室107に移動させ、RP101をホットプレート123に固定し、昇降機139によってEB照射処理室107の上部へ移動させる。この間、一時的にRP101とFP102は加熱源であるベーク処理室106のホットプレート121、122から離れることになるが、急激な温度低下を発生しないようにしてEB照射処理室107のホットプレート123、124に固定し、加熱することで、穏やかに降温を行う。この降温状態の基板温度域において、電子銃125からEB126を任意の領域へ放出してEB照射処理を行う。このEB照射処理は、EB照射処理室107に配置された温度制御手段であるホットプレート123、124によりパネル部材の温度を、前の処理室であるベーク処理処理室106におけるパネル部材の設定温度以下、好ましくは、さらに以降の各処理室におけるパネル部材の設定温度以上の温度範囲に設定して行われる。また、この時のEB照射処理室内の圧力は約10-4Paから10-5Paになる。ここで、EB照射処理室107のようなパネル部材の表面浄化処理室内は10-4Pa以下、より好ましくは、10-5Pa以下の真空状態となるように設定されていることが好ましい。
EB照射処理はRP101、FP102への照射による吸着不純物のガス脱離による基板クリーニング等の効果がある。また、上述の通り、この際、ベーク処理工程での余熱を利用することができるので上記クリーニング効果は一層向上する。また、EB照射はRP101、FP102の両方、または、いずれか一方のみの処理でも良い。
また、EB照射はRP101、FP102に限らず、EB照射工程チャンバー内の任意の領域に照射しても良い。EB照射処理は、基板クリーニング以外に、チャンバー空間にEB照射することにより、ベーキング、EB照射基板クリーニングによって脱離したガスをEB照射によりイオン化し、後工程のゲッタフラッシュ処理工程で、よりゲッタへの吸着を促進することができる効果もある。
また、以上述べたEB照射処理室107、あるいは、このEB照射処理室107と後述する予備ゲッタ処理室108(チャンバーゲッタ処理室)とは、ベーク処理を終了したRP101及びFP102の降温を行う、冷却処理室としての機能をも果たすものであるが、ベーク処理室106とEB照射処理室107との間に別個、冷却処理室を設けることも好ましい形態の一つである。
このような冷却処理室においては、ベーク処理時のパネル部材温度からの急激な温度低下を発生しないように、RP101及びFP102のパネル部材はそれぞれホットプレートに固定され、穏やかに降温を行う。この時のパネル部材の温度域は、以降の処理室におけるパネル部材の設定温度以上であって、且つ、前の処理室であるベーク処理室におけるパネル部材の設定温度よりも低い温度の範囲で設定される。また、この時の冷却処理室内の圧力は10-4Pa以下、より好ましくは、10-5Pa以下となるように設定される。
EB照射処理が終了した後、昇降機139を降下させ、ホットプレート123からRP101を取り外し、FP102と共に、チャンバーゲッタ処理室108へ移動する。このとき、RP101とFP102は、チャンバーゲッタ処理室108に大気に曝すことなく移動される。チャンバーゲッタ処理室108内の真空状態は10-5Pa以下となるように設定されている。このチャンバーゲッタ処理室では、チャンバーゲッタフラッシュ装置129内に内蔵させていた蒸発型ゲッタ材(例えば、バリウムなどのゲッタ材)を抵抗加熱などの方法で加熱蒸発させてチャンバーゲッタフラッシュ130を生じさせ、パネル部材以外のチャンバー内に配置されたチャンバーゲッタ板131の表面にバリウム膜などからなるゲッタ膜(図示せず)を被着せしめる。この際のパネルゲッタの膜厚は、一般的に5nm〜500nm、好ましくは10nm〜200nm、より好ましくは、20nm〜200nmである。このチャンバーゲッタ処理工程により、チャンバーゲッタ板131に被着したゲッタ膜がチャンバー内のガスを吸着排気して、チャンバーゲッタ処理室内の圧力は10-6Pa台に到達する。このチャンバーゲッタ処理室108のRP101、FP102の温度調節手段であるホットプレート127、128は、これらのパネル部材の温度を、ベーク処理室106におけるパネル部材の設定温度よりも低く、前の処理室であるEB照射処理室107におけるパネル部材の設定温度以下であって、且つ、以降の各処理室におけるパネル部材の設定温度以上の温度範囲に設定されて行われ、本実施形態においては、パネル部材の温度が100℃となるようにホットプレート127、128の温度が設定されて当該処理が行われる。なお、チャンバーゲッタフラッシュ130によって、ゲッタ材が蒸発するため、一時的にチャンバー内の真空度は低下するが、真空排気により、高真空へと移行する。尚、以上述べたチャンバーゲッタ処理は、本実施の形態のようにチャンバーゲッタ処理室を独立して設けて行うに限らず、チャンバーゲッタ処理室を特に設けずに、以降述べるパネルゲッタ処理室内で行われるものであっても良い。
次に、RP101とFP102とをパネルゲッタ処理室109に移動させ、RP101をホットプレート132に固定し、昇降機141によってパネルゲッタ処理室109の上部へ移動させる。パネルゲッタ処理室は事前に10-6Pa台に真空排気されている。この真空度に到達するためには、一般的な真空排気ポンプの他に、上記、蒸発型ゲッタ材のフラッシュによる排気、非蒸発ゲッタ材の加熱活性化による排気などによる補助排気手段を用いることもできる。上記10-6Pa台に真空排気方法は、以下に述べる封着処理室110、冷却処理室111にも用いることができる。
パネルゲッタ処理室109ではパネルゲッタフラッシュ装置134内に内蔵させている蒸発型ゲッタ材(例えば、バリウムなどのゲッタ材)を抵抗加熱などの方法で加熱蒸発させてパネルゲッタフラッシュ135を生じさせ、FPの表面にバリウム膜などからなるゲッタ膜(図示せず)を被着せしめる。この際のパネルゲッタの膜厚は、一般的に5nm〜500nm、好ましくは10nm〜200nm、より好ましくは、20nm〜200nmである。ここで、ゲッタ膜が被着されるパネル部材の温度が、ベーク時におけるパネル部材の温度よりも低い温度とされることは、パネル部材に被着されるゲッタ膜の熱による劣化を大幅に低減することができる。よって、パネルゲッタ処理室にはRP101、FP102の温度制御手段であるホットプレート132、133が配置されており、このホットプレート132、133によりパネル部材の温度を、ベーク処理室におけるパネル部材の設定温度よりも低く、前の処理室であるチャンバーゲッタ処理室108におけるパネル部材の設定温度以下であって、且つ、以降の各処理室におけるパネル部材の設定温度以上の温度範囲に設定して、かかるパネルゲッタ処理がなされる。本実施形態においては、パネル部材の温度が100℃となるようにホットプレート132、133の温度が設定されて当該処理が行われる。また、成膜された蒸発型ゲッタは、当該処理工程のチャンバーが10-6Paの高真空であるためにガス吸着による劣化は小さく、十分にゲッタ真空排気能力を維持したまま、次の封着処理工程へ移される。
図1(a)ではFP102上にゲッタ膜を被着、形成したが、形成する部材はこれに限るものではなく、RP101等に形成することも可能である。ただし、ゲッタ材は一般に導電性であるため、封着されたパネルの画像表示駆動時に大きなリーク電流の発生や、駆動電圧の耐圧が維持できないなどの問題が発生する場合がある。例えば、図1(a)のRP101にパネルゲッタフラッシュを行うと、外枠103、スペーサ104にも導電性のゲッタ膜が成膜されるために、駆動時の電気的な問題が発生する場合がある。この様な場合には、ゲッタ膜を被着成膜してはならない部分をメタル薄板の成膜マスクで覆い、ゲッタ膜が被着形成されないようにしながらRP101の必要な部分にのみゲッタ膜を成膜させることができる。なお、パネルゲッタフラッシュによって、ゲッタ材が蒸発するため、一時的にチャンバー内の真空度は低下するが、真空排気により、高真空へと移行する。
パネルゲッタ処理工程が終了した後、昇降機141を降下させた後、ホットプレート132からRP101を取り外し、FP102と共に、封着処理室110へ移動する。
RP101、FP102を事前に10-6Pa台まで真空排気した封着処理室110へ移動させ、RP101、FP102を各々ホットプレート136、137に固定する。この時、RP101に配置固定された枠103上の封着材143とスペーサ104はFP102と接触せず、わずかに間隔を有して固定される。またこの固定時にRP101とFP102のパネル封着時の相対位置が決定される。相対位置の決定は突き当てピンによる端面基準で行うことができるがこれに限るものではない。
この後、昇降機142を下降させて、RP101に配置固定された外枠103をFP102に接触、押圧させながら、図1(b)の温度プロファイルに示すように、封着処理室110におけるパネル部材の温度を、前の処理室であるパネルゲッタ処理室109におけるパネル部材の設定温度よりも上げることなく、RP、FP両基板を加熱して、封着材143が軟化、または溶解状態でピーク温度で10分間保持し、その後、基板温度を降温させて、封着材料が接着固定される。これにより外枠103に形成された封着材143により外枠103とFP102が接着された後、封着材143が硬化して固定される。このとき封着処理室内の圧力は10-6Pa台を維持しており、本工程で封着されたパネル内も10-6Pa台の真空度となる。ここで、本実施形態においては、上記封着処理時のパネル部材の温度が100℃となるようホットプレート132及び133の温度を設定した。
本実施形態のように、100℃程度の比較的低温にてパネル部材の封着を可能ならしめるためには、封着材143として、例えば、ガリウム−インジウム系合金、ガリウム−錫系合金、アルミニウム−ガリウム系合金などの比較的低温にて溶融可能な封着材を用いれば良い。
本実施形態においては、Ga−In合金(Ga:In=26:74(重量比))を封着材143として用いた。Ga−In合金は融点が80℃であり、接着固定温度は、加熱ピーク温度を100℃、硬化固定温度を80〜70℃に設定とした。
封着材の硬化固定温度以下に温度が下がった時点で、封着処理が終了し、この後、ホットプレート136からRP101部を取り外し、昇降機142を上昇さる。ホットプレート137からFP102部を取り外しRP101、FP102外枠103、スペーサ104で構成された封着パネル144を、冷却処理室111へ移動する。この時、冷却処理室111は封着処理室の真空度を維持するために、10-6Pa台に真空排気されている。封着パネル144は封着材の硬化固定温度でホットプレートから取りはずされ、冷却処理室111で冷却される。冷却手段(温度制御手段)としては、水冷による温度制御機能を有する冷却プレートなどが用いられるがこれに限るものではなく、封着パネル144の急激な温度降下による基板損傷などが発生しなければ、冷却処理室111内で自然冷却を行っても良い。
封着パネル144の温度が室温、あるいは室温に近い温度まで降下した段階で、冷却処理室111の真空リークを行い処理室を大気圧にする。その後、装置外大気側のゲートバルブ119を開放し、封着パネル144を装置外へ搬出する。
本実施形態の製造装置は、上記封着処理室110と冷却室111との間に、ゲートバルブ118とを設け、該ゲートバルブの開放時に封着処理室110から表示パネルを搬出させ、冷却室111に搬入後、該ゲートバルブを遮蔽し、ここで冷却後、搬出口119を開放し、表示パネルを冷却室111から搬出させ、最後に該搬出口119を遮蔽して、全工程を終了する。また、次の工程の開始前に、冷却室111の内部を独立配置した真空排気系(図示せず)によって、真空状態に設定しておくのがよい。
本実施形態では、上述した、蒸発型ゲッタ材のほかに、RP101又はFP102上に、予め、チタン材などからなる非蒸発型ゲッタ膜又は非蒸発型ゲッタ部材を設けておいてもよい。
また、上述のホットプレート121、123、127、132、136は、RP101が脱落することなく十分な力で固定することができる機材、例えば、機械的に基板周辺をつかむツメによるチャック方式、静電チャック方式や真空着チャック方式を利用した機材を用いることができる。
上記の例は各処理工程の組み合わせの一例であるが、各処理工程の組み合わせによって、幾つかの処理室の変形例を挙げることができる。
すなわち、とりわけ、ベーク処理から封着処理までの過程においては、
第1の変形例として、前室105における真空雰囲気下での用意の後、ベーク処理室106におけるベーク処理、封着処理室110における加熱封着の順に工程を進めるように各処理室を直列させる例が挙げられる。
第2の変形例としては、前室105における真空雰囲気下での用意の後、ベーク処理室106におけるベーク処理、パネルゲッタ処理室109におけるパネルゲッタ処理、封着処理室110における加熱封着の順に工程を進めるように各処理室を直列させる例が挙げられる。
第3の変形例としては、前室105における真空雰囲気下での用意の後、ベーク処理室106におけるベーク処理、EB照射処理室107におけるEB照射処理などの表面浄化処理、パネルゲッタ処理室109におけるパネルゲッタ処理、封着処理室110における加熱封着の順に工程を進めるように各処理室を直列させる例が挙げられる。
第4の変形例としては、前室105における真空雰囲気下での用意の後、ベーク処理室106におけるベーク処理、EB照射処理室107におけるEB照射処理、チャンバーゲッタ処理室108におけるチャンバーゲッタ処理、パネルゲッタ処理室109におけるパネルゲッタ処理、封着処理室110における加熱封着の順に工程を進めるように各部屋を直列させる例が挙げられる。
第5の変形例としては、前室105における真空雰囲気下での用意の後、ベーク処理室106におけるベーク処理、チャンバーゲッタ処理室108におけるチャンバーゲッタ処理、パネルゲッタ処理室109におけるパネルゲッタ処理、封着処理室110における加熱封着の順に工程を進めるように各部屋を直列させる例が挙げられる。
第6の変形例としては、前室105における真空雰囲気下での用意の後、ベーク処理室106におけるベーク処理、冷却処理室におけるパネル部材の冷却処理、封着処理室110における加熱封着の順に工程を進めるように各処理室を直列させる例が挙げられる。
第7の変形例としては、前室105における真空雰囲気下での用意の後、ベーク処理室106におけるベーク処理、冷却処理室におけるパネル部材の冷却処理、パネルゲッタ処理室109におけるパネルゲッタ処理、封着処理室110における加熱封着の順に工程を進めるように各処理室を直列させる例が挙げられる。
第8の変形例としては、前室105における真空雰囲気下での用意の後、ベーク処理室106におけるベーク処理、冷却処理室におけるパネル部材の冷却処理、EB照射処理室107におけるEB照射処理などの表面浄化処理、パネルゲッタ処理室109におけるパネルゲッタ処理、封着処理室110における加熱封着の順に工程を進めるように各処理室を直列させる例が挙げられる。
第9の変形例としては、前室105における真空雰囲気下での用意の後、ベーク処理室106におけるベーク処理、冷却処理室におけるパネル部材の冷却処理、チャンバーゲッタ処理室108におけるチャンバーゲッタ処理、パネルゲッタ処理室109におけるパネルゲッタ処理、封着処理室110における加熱封着の順に工程を進めるように各処理室を直列させる例が挙げられる。
第10の変形例としては、前室105における真空雰囲気下での用意の後、ベーク処理室106におけるベーク処理、冷却処理室におけるパネル部材の冷却処理、EB照射処理室107におけるEB照射処理などの表面浄化処理、チャンバーゲッタ処理室108におけるチャンバーゲッタ処理、パネルゲッタ処理室109におけるパネルゲッタ処理、封着処理室110における加熱封着の順に工程を進めるように各処理室を直列させる例が挙げられる。
次に構成部材であるRP101、FP102、外枠103、スペーサ104の搬送と装置導入の変形例として、
第1の変形例としては、RP101と、FP102と、外枠103へ固定配置したスペーサ104との3個の構成部材として本装置内に投入することもできる。この場合、外枠103の本装置内での封着処理による封着面はRP101、FP102側両面となるために、それぞれの封着面に対して封着材を事前に形成しておくことが必要である。
第2の変形例としては、RP101と、FP102へ外枠103を、あるいは外枠103とスペーサ104とを接着固定配置した2個の構成部材として本装置に投入することもできる。この場合、外枠103の本装置内での封着処理による封着面はRP101側面となるために、封着面に対して封着材を事前に形成しておくことが必要である。
次に上記構成部材の変形例に対して、個々の構成部材ごとに装置の処理室を個別に一列のライン状に並べて、封着処理工程ですべての構成部材がひとつの処理室に合流して封着処理が行われる装置構成の変形例として、
第1の変形例としては、RP101と、FP102と、外枠103へ固定配置したスペーサ104との3個の構成部材として、前室105以降、パネルゲッタラッシュ処理室109までの各処理室を3ライン並べ、上記3個の構成部材を別々に各々の装置へ投入し、3つのパネルゲッタ処理室がひとつの封着処理室に合流するように接続され、該封着処理室で3個の構成部材を封着処理を行い、冷却処理を行う装置構成が挙げられる。
第2の変形例としては、FP102とRP101へ接着固定した外枠103、あるいは、FP102とRP101に接着固定したスペーサ104及び外枠103の2個の構成部材、あるいは、RP101とFP102へ接着固定した外枠103、あるいは、RP101とFP102へ接着固定した外枠103及びスペーサ104の2個の構成部材として、前室105以降、パネルゲッタラッシュ処理室109までの各処理室を2ライン並べ、上記2個の構成部材を別々に装置へ投入し、2つのパネルゲッタ処理室がひとつの封着処理室に合流するように接続され、該封着処理室で2個の構成部材の封着処理を行い、冷却処理を行う装置構成が挙げられる。尚以上の第1及び第2の変形例においては、ゲッタ処理は3個あるいは2個の構成部材のうちのいずれか一つになされれば良い場合をも含んでいる。
更に上述の実施態様の説明ではパネルの封着時の真空度を10-6Pa台に設定していたが、本発明はこの数値に限るものではない。すなわち、パネル封着時の真空度を一般の真空排気ポンプで到達可能な10-5Pa台に設定することもできる。この場合、処理室内の到達真空度を上げるために行われるチャンバーゲッタ処理室140と当該ゲッタ処理工程の省略が可能である。また10-6Pa台に到達するための補助的なゲッタポンプによる真空排気も省略することができる。
以上の処理工程を行った封着パネル144は、Baなどの蒸発型ゲッタ材が、例えばFP上に成膜形成されているにも関わらず、従来の封着パネルで存在していた蒸発型ゲッタ材の蒸発源である主に高周波加熱によってゲッタフラッシュを行うゲッタリングや主に抵抗加熱でゲッタフラッシュするゲッタラインが封着パネル内に残留しないという構成上の特徴を有している。
また、以上の処理工程と装置は、パネルゲッタフラッシュ処理工程と連続した封着工程が異なった処理室で構成されているという特徴を有している。
図2は、本実施形態の製造装置及び製造方法を用いて作成した画像表示装置の一部を示す断面図である。
図中、図1と同一符号は、同一部材である。上記装置及び方法によって作成した画像表示装置は、RP101とFP102と外枠103とによって真空容器又は減圧容器が形成されている。上記減圧容器内には、アルゴンガス、ネオンガスなどの不活性ガス又は水素ガスを減圧下で含有することができる。
また、真空容器の場合には、10-5Pa以上、好ましくは、10-6Pa以上の高真空に設定することができる。
上記真空容器又は減圧容器内には、スペーサ104が配置されて耐大気圧構造を形成している。本発明で用いたスペーサ104は、無アルカリガラスなどの無アルカリ絶縁物質からなる本体311と、該本体311の表面を覆って配置した高抵抗物質で成膜された高抵抗膜309と両端に設けた金属(タングステン、銅、銀、金、モリブデンやこれらの合金など)膜310とを有し、配線306上に導電性接着剤308を介して電気的に接続接着されている。スペーサ104は、上記前室105に搬入する際には、前もってRP101に接着剤308によって接着固定され、封着処理室110において処理が終了した時点で、上記スペーサ104のもう一方の端部とFP102とは電気的に接続されて接して配置される。
RP101は、ガラスなどの透明基板304と、ナトリウムなどのアルカリの侵入を防止するための下地膜(SiO2、SnO2など)305と、XYマトリクス配列した複数の電子線放出素子312とが配置されている。配線306は、電子線放出素子と接続したカソード側XYマトリクス配線の一方のカソード側配線を構成する。
本発明は、蛍光体励起手段又は画像表示素子部材として用いた電子線放出素子312に変えて、プラズマ発生素子を用いることができる。この際、容器内には、アルゴンガス、ネオンガスなどの不活性ガス又は水素ガスを減圧下で含有させる。
FP102は、ガラスなどの透明基板301と蛍光体層302とアノード源(図示せず)に接続したアノード金属(アルミニウム、銀、銅など)膜303とが配置されている。
また、本発明は、上記プラズマ発生素子を用いた際には、画像表示用部材として用いた蛍光体に変えて、カラーフィルターを用いることができる。
外枠103は、上記前室105に搬入する際には、前もってRP101にフリットガラスなどの低融点接着剤307によって接着固定しておき、上記封着処理室110における処理工程で、より低融点の封着材143によって固定接着されている。