JP4279945B2 - 粉体中の異物検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、袋状体に収容された医薬品等の粉体中の異物を光学的に検出する異物検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医薬品等は、通常はクリーンルームで製造され、その製造工程の最後に所定の形態で包装される。前記医薬品等が、散剤、細粒剤、顆粒剤等の粉体である場合、前記包装の一形態として、内容物を外部から確認可能な袋状体に収容したものがある。前記医薬品等はクリーンルームで製造されるので異物が混入することは殆ど無いが、極く稀に作業員の毛髪、製造装置等の金属片、黒色異物等の異物が混入することがある。
【0003】
従来、前記袋状体に収容された医薬品等の粉体中の異物の検出は、前記包装後の段階で作業員の目視により行われている。前記目視によるときには前記異物が前記袋状体に収容された粉体の表面付近にある場合には比較的容易に発見できるが、前記異物が前記粉体中に埋没している場合には発見が困難である。そこで、前記従来の方法で、一見して前記異物が発見されない場合には、作業員が前記袋状体をさらに手で振ることにより、前記粉体中に埋没している前記異物の発見に努めている。
【0004】
しかしながら、作業員の手作業で前記袋状体を振るだけでは、前記粉体中に埋没している前記異物を該粉体の表面付近に移動させることは難しく、前記異物を発見することが非常に難しいとの不都合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、前記袋状体に収容された医薬品等の粉体中の異物を容易に検出することができる異物検出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の粉体中の異物検出装置は、内容物を外部から確認可能な袋状体に収容された粉体中の異物を光学的に検出する異物検出装置であって、該袋状体を吸着により保持する水平動自在の保持手段と、該袋状体を吸着により保持する該保持手段を水平に振動させる振動手段と、該振動手段の振幅をd、振動周波数をf及び振動時間をtとしたとき、式x=2dftにより定められる総変位量を調整する総変位量調整手段と、該総変位量調整手段により調整された総変位量を該振動手段により該袋状体に付与したときに、該袋状体に収容された粉体中の異物を光学的に検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の異物検出装置によれば、前記振動手段が前記保持手段を水平に振動させることにより、該保持手段により保持されている前記袋状体が水平に振動される。前記粉体が収容されている袋状体を前記のように保持手段に保持された状態で水平に振動させると、該振動による前記粉体の総変位量がある量を超えたときに、表面の粉体が内部に入り、内部の粉体が外部に出るような対流が起きると考えられる。
【0008】
前記対流は、前記粉体の総変位量が大きくなるほど起き易い。ここで、前記総変位量x(m)は、振動手段の振幅をd(m)、振動周波数をf(Hz)、振動時間をt(秒)とすると、次式(1)で示される。
【0009】
x=2dft ・・・(1)
そこで、本発明の異物検出装置では、前記総変位量調整手段により前記振動手段の振幅、振動周波数及び振動時間を調整して、前記対流が起き易い量になるようにした前記総変位量を、前記振動手段による振動として前記保持手段に保持された前記袋状体に付与するものである。前記総変位量の調整は、前記振幅、振動周波数及び振動時間の3つの要素をそれぞれ調整することによって行ってもよいが、他の要素を固定してどれか1つの要素を調整することにより容易に行うことができる。
【0010】
前記のように調整された総変位量が前記袋状体に付与される結果として、前記粉体中に前記異物が含まれるときには、前記異物が前記粉体の表面付近に移動せしめられ、前記検出手段により容易に検出することができる。
【0011】
本発明の異物検出装置として、粉体を収容すると共に該粉体を外部から確認可能な袋状体を搬送する第1の搬送手段と、第1の搬送手段の途中に設けられ該袋状体を吸着し所定時間保持したのち吸着を解除する水平動自在の保持手段と、該袋状体が該保持手段に吸着保持されている間、該保持手段を所定の振幅で水平に振動する振動手段と、該振動手段の振動周波数を調整する振動周波数調整手段と、該振動手段により振動が付与された該袋状体に収容された粉体中の異物を光学的に検出する検出手段とを備えることを特徴とする異物検出装置を用いることができる。
【0012】
前記異物検出装置によれば、前工程の最後で得られた前記袋状体は前記第1の搬送手段により搬送される途中で前記保持手段により吸着保持され、所定時間後に吸着が解除される。そして、前記袋状体が前記保持手段により吸着保持されている間、前記保持手段を前記振動手段により所定の振幅で水平に振動することにより、前記袋状体に収容された前記粉体に前記式(1)で示される総変位量xが付与される。
【0013】
このとき、前記総変位量xを定める要素のうち、振動時間t(秒)は前記保持手段が前記袋状体を吸着した後、該吸着を解除するまでの時間として定まる。そこで、本発明の異物検出装置では、前記振動手段により振幅d(m)を調整することにより、あるいは前記振動周波数調整手段により振動周波数fを調整することにより、容易に総変位量xを調整することができる。
【0014】
前記振動手段により前記保持手段を振動させることにより前記総変位量xが付与された該袋状体は、次いで前記検出手段により、前記粉体中の異物が光学的に検出される。
【0015】
本発明の異物検出装置は、前記保持手段が、前記袋状体を保持して第1の搬送手段と同一方向に搬送する第2の搬送手段を備え、第2の搬送手段の上流端で前記袋状体を吸着すると共に、第2の搬送手段の下流端で前記袋状体の吸着を解除することを特徴とする。前記保持手段が第2の搬送手段を備えるときには、前記袋状体は前記振動手段により振動されつつ第1の搬送手段と同一方向に搬送されるので、前記袋状体に振動を付与する処理を、両搬送手段により搬送される複数の袋状体に対して順次連続的に行うことができる。また、前記第2の搬送手段によれば、上流端で前記袋状体を吸着してから、下流端で前記袋状体の吸着を解除するまでの時間が前記振動時間t(秒)となる。
【0016】
本発明の異物検出装置において、前記第2の搬送手段は、前記第1の搬送手段の搬送方向に沿って前記保持手段の上流側及び下流側の両端に設けられた回転軸に巻き回された第1の無端状ベルトと、前記保持手段の外部に固定され第2の無端状ベルトを介して該回転軸の一方を回転駆動する第1の回転駆動手段と、前記保持手段の振動に対応して第2の無端状ベルトの張力を調整する張力調整手段とからなることを特徴とする。
【0017】
前記第2の搬送手段は、前記保持手段に駆動手段を備えず、前記保持手段の外部に固定された第1の回転駆動手段により前記回転軸が回転駆動されるようになっている。従って、前記保持手段が軽量化され、前記振動手段の負荷が軽減される。
【0018】
前記第1の回転駆動手段は、前記第2の無端状ベルトを介して前記回転軸を回転駆動するが、前記振動手段により前記保持手段が振動されると、第2の無端状ベルトの張力が変動し、前記回転軸を円滑に回転駆動することが難しくなる。そこで、本発明の異物検出装置において、前記第2の搬送手段は、前記張力調整手段により前記保持手段の振動に対応して前記第2の無端状ベルトの張力を調整することにより、前記回転軸を円滑に回転駆動することができる。
【0019】
また、前記振動手段は、例えば、前記保持手段の外部に軸支された偏心カムと、該偏心カムを回転駆動する第2の回転駆動手段と、該偏心カムに取着されて前記保持手段を前後動させるクランク軸とを備えることにより、前記保持手段を振動させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の粉体中の異物検出装置の構成を示す説明図であり、図2は図1示の搬送路の構成を示す斜視図であり、図3は図1の要部拡大図であり、図4は図3のIV−IV線断面図であり、図5は図1のV−V線断面図である。また、図6及び図7は本実施形態の粉体中の異物検出装置による総変位量x(m)に対する異物の検出率を示すグラフである。
【0021】
本実施態様の粉体中の異物検出装置は、図1示のように、医薬品等の粉体が収容された袋状体1が矢示方向に搬送される搬送路2を備える。搬送路2の途中には袋状体1を吸着保持する吸着箱3が設けられ、吸着箱3の下流には検出装置4が設けられている。
【0022】
袋状体1は、透明な合成樹脂シート11等がヒートシールされて図2示のように粉体を密封して収容する収容部12が形成されることにより、内容物を外部から確認可能な構成とされている。収容部12はその四方がヒートシールされており、1つの袋状体1は例えば6個の収容部12を備えている。袋状体1は、医薬品等の製造工程の最後に粉体を収容して密封されることにより形成され、搬送路2に供給される。
【0023】
搬送路2は、図2示のように袋状体1が載置されて搬送される搬送面13と、搬送面13に搬送方向に沿って設けられた2条の溝部14,14に案内されて、搬送面13上の袋状体1を押動する1対のフィンガー15,15とからなる。フィンガー15は搬送路2の両側に設けられた1対の無端状チェーン16,16に所定間隔で取着されたバー17の先端に接続されており、無端状チェーン16はスプロケット18を介して図示しないサーボモータ等により駆動される。
【0024】
吸着箱3は、図3及び図4に示すように、搬送路2の両側に搬送方向に沿って設けられた架台19上に取着された1対のリニアベアリング装置20,20により水平動自在に支持されている。
【0025】
リニアベアリング装置20は、リニアロール21と、リニアロール21に跨設されたリニアベアリングユニット22とからなり、リニアロール21とリニアベアリングユニット22との間にベアリング列(図示せず)が配設されている。リニアベアリング装置20によれば、リニアベアリングユニット22の側面に取着された吸着箱3を水平に支持して、リニアロール21に沿って円滑に前後動させることができる。前記リニアベアリング装置20としては、例えば、特許第2519795号公報記載の直線摺動用テーブル等を用いることができる。
【0026】
吸着箱3はその搬送路2の下流側に軸支されたクランク軸23を介して、吸着箱3の上流側で架台19上に軸支された偏心カム24に接続されている。クランク軸23及び偏心カム24は搬送路2に沿って吸着箱3の両側に各1対設けられており、プーリ25a,25bに巻き回された無端状ベルト26aを介してモータ26bにより回転駆動される。偏心カム24は、モータ26bの回転運動を直線運動に変換し、クランク軸23により吸着箱3を水平に振動する。このとき、本実施形態の異物検出装置は、クランク軸23及び偏心カム24が吸着箱3の両側に各1対設けられていることにより、吸着箱3を安定して振動させることができる。
【0027】
吸着箱3は、図4示のように中空体であり、図示しない真空ポンプ等に接続された吸引管27を介して、その内部を吸引する。吸着箱3は、その底面に搬送路2の搬送方向に沿ってスリット28が設けられており、その内部が吸引されたときに、スリット28から外気を吸引することにより搬送路2を搬送される袋状体1を吸着保持する。吸着箱3は、袋状体1を収容部12の中央部で吸着保持するように、収容部12に相当する間隔を存して6条のスリット28を備えている。
【0028】
吸着箱3は、搬送路2の搬送方向に沿って、その上流端及び下流端に回転軸29a,29bを備え、回転軸29a,29bに無端状ベルト30が巻き回されている。吸着箱3には6本の無端状ベルト30が備えられ、各無端状ベルト30はスリット28,28の間に配設されている。
【0029】
各無端状ベルト30は吸着箱3側に突起部31を備えている。該突起部31は吸着箱3の底面に搬送路2の搬送方向に沿って設けられた蛇行防止溝部32に係合されることにより、無端状ベルト30の蛇行を防止するようになっている。
【0030】
各無端状ベルト30は、図3示のように回転軸29bを駆動軸として、架台19上に設けられたモータ33によりスプロケット34a,34bに巻き回された無端状タイミングベルト35を介して、搬送路2と同一の搬送方向となるように回転駆動される。タイミングベルト35の長さは、吸着箱3が振動されてモータ33から最も遠ざかる位置にあるときに緊張状態となるように設定されており、吸着箱3がそれ以外の位置にある場合には弛みが生じる。そこで、本実施形態の異物検出装置は、図1示のようにテンション調整ローラ36を設けて、前記弛みを解消する方向にタイミングベルト35を押圧することにより、吸着箱3の振動に対応して、常にタイミングベルト35が緊張状態となるように、その張力を調整するようになっている。
【0031】
図1示の検出装置4は、搬送路2の上下に設けられた照明装置37とカメラ38とからなる。検出装置4が設けられている領域では、搬送面13は強化ガラスにより構成され、搬送路2の上下に設けられた照明装置37とカメラ38とにより、表裏両面から袋状体1に収容された粉体中の異物を検出できるようになっている。
【0032】
次に、本実施形態の異物検出装置の作動について説明する。
【0033】
まず、袋状体1は、医薬品等の粉体の製造工程の最後で収容部12に該粉体を密封収容した後、搬送路2の搬送面13上に供給される。搬送面13上に供給された袋状体1は、溝部14に案内されて移動するフィンガー15により押動されて、搬送される。
【0034】
次に、袋状体1は吸着箱3の上流側端部に差しかかると、吸着箱3により吸引され、その底面のスリット28に吸着保持される。一方、吸着箱3には前記のように無端状ベルト30が備えられているので、前記袋状体1はスリット28に吸着保持された状態で、無端状ベルト30により搬送路2と同一方向に搬送される。袋状体1は、吸着箱3の下流側端部まで搬送されると、無端状ベルト30によりスリット28の吸着範囲外に案内され吸着が解除され、搬送路2の搬送面13上に移載される。
【0035】
このとき吸着箱3は、モータ26bにより駆動されて水平に振動しているので、袋状体1は前記スリット28に吸着保持されている間中、前記振動が付与される。本実施形態では、前記振動の振動時間t(秒)は袋状体1が吸着箱3の上流側端部でスリット28に吸着保持されてから、無端状ベルト30により搬送され、吸着箱3の下流側端部で吸着が解除されるまでの時間となる。また、振幅d(m)は前記偏心カム24の偏心半径となる。そこで、モータ26bが振動周波数調整手段として作用し、その回転数を変えることにより、振動周波数f(Hz)を調整する。
【0036】
この結果、袋状体1に次式(1)で示される総変位量x(m)の振動が付与される。
【0037】
x=2dft ・・・(1)
総変位量x(m)が付与されると、袋状体1の収容部12内では、図5示に矢示するように粉体39に対流が起き、表面の粉体が内部に入り、内部の粉体が外部に出る。従って、粉体39に異物が含まれている場合には、該異物が収容部12の上方または下方で粉体39の表面付近に位置するようになる。
【0038】
前記異物は、例えば装置の機械部品に由来する金属の微粉や、作業員の毛髪、衣服の繊維等であり、一般に医薬品等の粉体39とは比重が著しく相違する。従って、一旦、粉体39の表面付近に位置するようになった前記異物が再度粉体39に埋没する虞は殆どなく、その検出が容易になる。尚、前記対流によれば、医薬品等の粉体39に比較して比重が大きい金属の微粉等の異物は収容部12の下方に、粉体39に比較して比重が小さい毛髪、繊維等は収容部12の上方に移動することが多い。
【0039】
前記総変位量xは、前記対流を起こして異物を検出するために、装置の強度等の条件が許す限り、大きいことが好ましい。ここで、前記振動における振動加速度αは、次式(2)で示されるように、振動周波数f(Hz)の2乗に大きく依存するが、本実施形態では、前記のように吸着箱3の振動の調整を振動周波数f(Hz)により行っているので、前記異物の検出を有利に行うことができる。
【0040】
α=4π2 2 d ・・・(2)
次に、吸着箱3の下流側端部で搬送面13上に移載された袋状体1は、再びフィンガー15により押動され、検出装置4が設けられている領域に搬送される。そして、袋状体1は、強化ガラスの表裏両面から照明装置37による照明を受けながら、カメラ38により撮像される。カメラ38の画像は図示しない画像処理装置などにより解析され、異物が検出された場合には該当する袋状体1が搬送路2から除去される。
【0041】
次に、本実施形態の異物検出装置による異物の検出例を示す。
【0042】
まず、6個の収容部12を備える袋状体1の各収容部に粉体として0.5gのノイエル細粒と、1つの収容部12当り1つの異物を混入した袋状体1のサンプルを作成した。前記異物としては毛髪及びステンレス球を用い、前記毛髪は長さ1mm、3mm、5mmの3種、前記ステンレス球は直径0.3mm、0.5mm、1mmの3種とした。
【0043】
次に、本実施形態の異物検出装置において、総変位量x(m)を変えて、それぞれの異物を混入した袋状体1のサンプルを用いて異物の検出を行い、総変位量x(m)に対する検出率を求めた。前記袋状体1のサンプルは、前記異物が前記ノイエル細粒中に完全に埋没していることを確認した上で使用し、吸着箱3による振動後、前記異物の検出は目視により行った。各長さの毛髪に関する総変位量x(m)に対する検出率を図6に、各直径のステンレス球に関する総変位量x(m)に対する検出率を図7にそれぞれ示す。
【0044】
図6から毛髪の長さが長い場合には総変位量x(m)に関わらず高い検出率が得られるが、毛髪の長さが短くなるに従って、総変位量x(m)が大きいほど検出率が高くなることが明らかである。また、図7からステンレス球の直径が大きい場合には総変位量x(m)に関わらず高い検出率が得られるが、ステンレス球の直径が小さくなるに従って、総変位量x(m)が大きいほど検出率が高くなることが明らかである。
【0045】
前記のように、異物が小さい場合に検出率を高くするには、総変位量x(m)を大きくすることが有効であることが明らかであるが、作業員が袋状体1を振るような手作業では前記総変位量x(m)を大きくするには限界がある。しかし、本実施形態の異物検出装置によれば、前記総変位量x(m)を調整することにより、前記手作業によっては検出困難な大きさの異物であっても検出することができ、異物の検出率を前記手作業に比較して4倍程度向上させることができる。
【0046】
本実施形態では、前記袋状体1として収容部12を6個備えるものを例に説明しているが、1つの袋状体1に1個またはそれ以上の収容部12が備えられていればよく、6個に限られるものではない。また、吸着箱3に備えられるスリット28及び無端状ベルト30の数は、収容部12の数に合わせて適宜変更することができる。
【0047】
また、本実施形態では、収容部12はその四方がヒートシールされることにより形成されているが、袋状の合成樹脂シート11ではその一方(開口部)をヒートシールして1個の収容部12を備える袋状体1としてもよく、筒状の合成樹脂シート11では収容部12の両端をヒートシールして複数の収容部12を備える袋状体1としてもよい。また、1枚の合成樹脂シート11を2つ折りにし、収容部12の三方をヒートシールして複数の収容部12を備える袋状体1としてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、搬送路2に吸着箱3を1つだけ備える構成を示しているが、吸着箱3は直列に複数設けるようにしてもよい。このようにするときには、吸着箱3の数により前記式(1)における振動時間t(秒)を調整することができる。吸着箱3を複数設けるときには、袋状体1は1つの吸着箱3の下流端で吸着を解除されると、一旦搬送路2に移載され、次の吸着箱3の上流端で該吸着箱3に吸着保持されるというようにして搬送される。
【0049】
また、本実施形態では、吸着箱3の振動をクランク軸23及びカム24により行っているが、吸着箱3を水平に前後動させることができるものであれば、他の機構であってもよい。前記他の機構として、例えばリニアスライダーを直接駆動する機構、シリンダにより吸着箱3を水平に前後動させる機構等を挙げることができる。
【0050】
さらに、本実施形態では、吸着箱3の下流の搬送路2に検出装置4を設けているが、検出装置4は搬送路2とは別の場所に備えられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉体中の異物検出装置の構成例を示す説明図。
【図2】図1示の搬送路の構成を示す斜視図。
【図3】図1の要部拡大図。
【図4】図3のIV−IV線断面図。
【図5】図1のV−V線断面図。
【図6】図1示の粉体中の異物検出装置による総変位量x(m)に対する異物の検出率を示すグラフ。
【図7】図1示の粉体中の異物検出装置による総変位量x(m)に対する異物の検出率を示すグラフ。
【符号の説明】
1…袋状体、 2…第1の搬送手段、 3…保持手段、 4…検出手段、 23…クランク軸、 24…偏心カム、 26b…第2の回転駆動手段(振動周波数調整手段)、 30…第1の無端状ベルト、 33…第1の回転駆動手段、 35…第2の無端状ベルト、 36…張力調整手段、 39…粉体。

Claims (5)

  1. 内容物を外部から確認可能な袋状体に収容された粉体中の異物を光学的に検出する異物検出装置であって、
    該袋状体を吸着により保持する水平動自在の保持手段と、該袋状体を吸着により保持する該保持手段を水平に振動させる振動手段と、該振動手段の振幅をd、振動周波数をf及び振動時間をtとしたとき、式x=2dftにより定められる総変位量を調整する総変位量調整手段と、該総変位量調整手段により調整された総変位量を該振動手段により該袋状体に付与したときに、該袋状体に収容された粉体中の異物を光学的に検出する検出手段とを備えることを特徴とする粉体中の異物検出装置。
  2. 粉体を収容すると共に該粉体を外部から確認可能な袋状体を搬送する第1の搬送手段と、第1の搬送手段の途中に設けられ該袋状体を吸着し所定時間保持したのち吸着を解除する水平動自在の保持手段と、該袋状体が該保持手段に吸着保持されている間、該保持手段を所定の振幅で水平に振動する振動手段と、該振動手段の振動周波数を調整する振動周波数調整手段と、該振動手段により振動が付与された該袋状体に収容された粉体中の異物を光学的に検出する検出手段とを備えることを特徴とする粉体中の異物検出装置。
  3. 前記保持手段は、前記袋状体を保持して第1の搬送手段と同一方向に搬送する第2の搬送手段を備え、第2の搬送手段の上流端で前記袋状体を吸着すると共に、第2の搬送手段の下流端で前記袋状体の吸着を解除することを特徴とする請求項2記載の粉体中の異物検出装置。
  4. 前記第2の搬送手段は、前記第1の搬送手段の搬送方向に沿って前記保持手段の上流側及び下流側の両端に設けられた回転軸に巻き回された第1の無端状ベルトと、前記保持手段の外部に固定され第2の無端状ベルトを介して該回転軸の一方を回転駆動する第1の回転駆動手段と、前記保持手段の振動に対応して第2の無端状ベルトの張力を調整する張力調整手段とからなることを特徴とする請求項3記載の粉体中の異物検出装置。
  5. 前記振動手段は、前記保持手段の外部に軸支された偏心カムと、該偏心カムを回転駆動する第2の回転駆動手段と、該偏心カムに取着されて前記保持手段を前後動させるクランク軸とを備えることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかの項記載の粉体中の異物検出装置。
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