JP4279348B2 - 高分子アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、簡単かつ安価な構成で大きな伸縮動作を安定して実現できる高分子アクチュエータに関する。
家庭用ロボットなど人間に近い場所において動作する機械に対する要求の高まりに伴い、人間の筋肉のようにしなやかな動作をする人工筋肉アクチュエータへの期待も大きくなっている。人工筋肉アクチュエータの候補としては、導電性高分子を用いたアクチュエータ、カーボン微粒子を含有した高分子を用いたアクチュエータ(例えば、特許文献1参照)、カーボンナノチューブを含む高分子構造体を用いたアクチュエータ(例えば、特許文献2参照)等があり、これらのアクチュエータはイオンの動きに伴って高分子材料を含む構造体が伸縮する現象を利用していることから、イオン性高分子アクチュエータと総称されている。
イオン性高分子アクチュエータの一種である導電性高分子を用いた人工筋肉アクチュエータの一例としては、図7A,図7B,図7Cに示すような、たわみ変形を発生させるアクチュエータが提案されている。このアクチュエータは、導電性高分子を用いた高分子構造体であるポリアニリン膜体35a、35bで電解質托体層である固体電解質成形体32を挟み込む構造となっている。スイッチ37をオンすることで、電源36において設定された電位差がポリアニリン膜体35a、35b間に与えられ、図7Bに示されるように、一方のポリアニリン膜体35bには陰イオンが挿入されて伸長し、他方のポリアニリン膜体35aからは陰イオンが離脱して収縮し、結果として、たわみ変形が発生するようになる(例えば、特許文献3参照)。
この構成では、電極として作用する二つの導電性高分子膜であるポリアニリン膜体35a、35bの変位量の差によりたわみ変形を発生させているが、一方で、電解質托体層である固体電解質成形体32を液体もしくはゲル状の物質とすることで、両電極であるポリアニリン膜体35a、35bの変形がお互いに影響しないようにし、二つのポリアニリン膜体35a、35bののうちのいずれか片方の導電性高分子膜35a又は35bの変位のみを取り出して、伸縮変形を行うアクチュエータとする構成も知られている。この場合、変位を利用しない方の電極については、導電性高分子である必要はなく、主に金属電極が用いられているが、金属電極上に導電性高分子を設けることで変位が増加することも示されている(例えば、非特許文献1参照)。
イオン性高分子アクチュエータが伸縮する原理には、このようなイオンの挿入による体積変化だけでなく、高分子の構造変化による場合や静電反発などによる場合などもあるが、いずれの場合においても電解質托体層を介して接続された二電極間に電位差を与える構成となっており、それぞれの電極では互いに対応した現象が発生することになる。このようなイオン性高分子アクチュエータは、2〜3Vの低電圧で筋肉に匹敵するような歪みを発生するものもあることから、人工筋肉としての実用化が期待されている。
特開2005−176412号公報 特開2005−176428号公報 特開平11−169393号公報 Proceedings of SPIE,Vol.4695の8〜16ページ
しかし、イオン性高分子アクチュエータは柔軟な高分子構造体の伸縮を利用していることから、アクチュエータに負荷が加わった場合には、伸長状態、収縮状態の形状もそれぞれ変化することになり、アクチュエータとしての伸縮範囲が変化することになる。このため、一般的な位置制御では、無負荷の場合と負荷が加わった場合のいずれにおいても伸縮によって到達可能な範囲に動作範囲を限定させなければならないので、アクチュエータを最大限伸縮させることができないことになる。
このような課題に対応するためには、アクチュエータの伸縮状態に応じて動作状態を変化させるようにする必要がある。そのための方法としては、電荷を計測する方法、複数のセンサを用いる方法、一定電圧を印加し続ける方法などが考えられる。
前記電荷を計測する方法とは、イオン性高分子アクチュエータの変位が高分子構造体中の電荷もしくはそれに対応したイオンの数に依存することから、高分子構造体に出入りする電荷の数を計測し、それにより伸縮状態を評価する方法である。しかしこの方法では、アクチュエータを動作させるたびに電荷数の加減が行われるため、計測誤差が累積されることになる。そのため、高精度な電荷計測装置などの計測系を用いる必要があり、回路が複雑、高価になるという欠点がある。
次に、前記複数のセンサを用いる方法とは、例えば変位センサに加えて力センサを備え、あらかじめ計測しておいた負荷と伸縮範囲の関係を用いて伸縮状態を評価する方法である。しかしこの方法では、余分に力センサが必要となることからコスト増になるという欠点がある。
そして、前記一定電圧を印加し続ける方法とは、高分子構造体や電解質托体層が劣化しない程度の電圧で高分子構造体が伸長もしくは収縮する電圧を印加し続ける方法である。このようにすることで、高分子構造体は、時間とともに一定の伸縮状態に近づいていくことになる。しかしこの方法では、印加電圧を変化させるタイミングを決定するのが難しく、高分子構造体の変位が確実に安定するまで時間をかけた場合には、アクチュエータの動作が極めて遅くなり、早めに印加電圧を変化させるように動作させた場合には、高分子構造体の伸縮状態は過渡応答の状態になるので、印加電圧との相関が低くなってしまうという欠点がある。また、伸長側と収縮側の応答速度が異なる場合には、往復動作を意図して電圧を周期的に変化させた場合にも、片側に変位がドリフトしていく現象が発生するという問題も生じる。
従って、本発明の目的は、かかる点に鑑み、電荷計測装置や力センサなどの余分なシステムを追加することなく、負荷によらない最大限の伸縮動作を実現する高分子アクチュエータを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、導電性を備えた第1高分子構造体と、前記第1高分子構造体と電気的に接続された電解質托体層と、前記第1高分子構造体と前記電解質托体層を介して電気的に接続されかつ導電性を備えた第2高分子構造体とを備えて、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に電位差を与えることで前記第1高分子構造体および前記第2高分子構造体がそれぞれ伸縮する高分子アクチュエータにおいて、
前記第2高分子構造体を変位させることにより、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間の電位差を変化させることを特徴とする高分子アクチュエータを提供する。
よって、本発明によれば、電荷計測装置や力センサなどの余分なシステムを追加することなく、負荷によらない最大限の伸縮動作を実現する高分子アクチュエータを得ることができる。すなわち、本発明によれば、第1高分子構造体と第2高分子構造体との間の前記電位差を、第1高分子構造体と電気的に接続されているが、第1高分子構造体とは機械的に弱い接続となっている第2高分子構造体を変位させることにより、第1高分子構造体に加わる負荷に依存せずに第1高分子構造体の伸縮状態に対応した第2高分子構造体の伸縮状態に応じてアクチュエータを動作させられるようになる。従って、電荷計測装置や力センサなどの余分なシステムを追加することなく、負荷によらない最大限の伸縮動作を実現する高分子アクチュエータが得られるようになる。
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1態様によれば、導電性を備えた第1高分子構造体と、前記第1高分子構造体と電気的に接続された電解質托体層と、前記第1高分子構造体と前記電解質托体層を介して電気的に接続されかつ導電性を備えた第2高分子構造体とを備えて、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に電位差を与えることで前記第1高分子構造体および前記第2高分子構造体がそれぞれ伸縮する高分子アクチュエータにおいて、
前記第2高分子構造体を変位させることにより、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間の電位差を変化させることを特徴とする高分子アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、第1高分子構造体と第2高分子構造体との間の電位差を、第1高分子構造体と電気的に接続されているが、第1高分子構造体とは機械的に弱い接続となっている第2高分子構造体を変位させるので、第1高分子構造体に加わる負荷に依存せずに第1高分子構造体の伸縮状態に対応した第2高分子構造体の伸縮状態に応じてアクチュエータを動作させられるようになる。従って、簡単かつ安価な構成で大きな伸縮動作を安定して実現できる高分子アクチュエータを得ることができる。
本発明の第2態様によれば、導電性を備えた第1高分子構造体と、前記第1高分子構造体と電気的に接続された電解質托体層と、前記第1高分子構造体と前記電解質托体層を介して電気的に接続されかつ導電性を備えた第2高分子構造体とを備えて、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に電位差を与えることで前記第1高分子構造体および前記第2高分子構造体がそれぞれ伸縮する高分子アクチュエータにおいて、
前記第2高分子構造体の変位を検知する変位検知部と、
前記変位検知部により検知された変位をもとに、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に与えられる電位差を異なる電位差に切替える電位差切替部とをさらに備えることを特徴とする高分子アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、第1高分子構造体に加わる負荷に依存せずに第1高分子構造体の伸縮状態に対応した第2高分子構造体の伸縮状態に応じてアクチュエータを制御できるようになる。従って、簡単かつ安価な構成で大きな伸縮動作を安定して実現できる高分子アクチュエータを得ることができる。
本発明の第3態様によれば、前記導電性を備えた第1高分子構造体および前記導電性を備えた第2高分子構造体のどちらかもしくは両方が、有機導電性高分子を含む構造体であることを特徴とする第1〜2態様のいずれか1つに記載の高分子アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、高分子自体が導電性を持つため、他の物質を混ぜる必要が無く、より安定した特性の高分子構造体を有する高分子アクチュエータを得ることができる。
本発明の第4態様によれば、前記導電性を備えた第1高分子構造体および前記導電性を備えた第2高分子構造体のどちらかもしくは両方に、導電性を有する炭素素材が含まれることを特徴とする第1〜3態様のいずれか1つに記載の高分子アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、高分子自体が導電性を持たない場合でも、伸縮動作が可能な高分子構造体を得ることができるようになるので、より容易に高分子アクチュエータを得ることができる。
本発明の第5態様によれば、前記導電性を有する炭素素材が、チューブ状の炭素素材であることを特徴とする第4態様に記載の高分子アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、伸縮動作する際にも、安定して高分子構造体の導電性を確保できる高分子アクチュエータを得ることができる。
本発明の第6態様によれば、前記導電性を有する炭素素材が、粒状の炭素素材であることを特徴とする第4態様に記載の高分子アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、高分子構造体内の炭素素材量の調整が容易になり、様々の特性の高分子構造体を有する高分子アクチュエータを容易に得ることができる。
本発明の第7態様によれば、前記導電性を備えた第1高分子構造体と前記導電性を備えた第2高分子構造体が、周辺環境に対する特性が同一の高分子を用いた構造体であることを特徴とする第1〜6態様のいずれか1つに記載の高分子アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、温度変化等の周辺環境に対する特性、言い換えれば、温度変化等の周辺環境による影響が第1高分子構造体と第2高分子構造体とに同様に現れることになるので、第1高分子構造体と第2高分子構造体の伸縮状態の相関性が高くなり、より伸縮動作を安定して実現できる高分子アクチュエータを得ることができる。
本発明の第8態様によれば、前記電位差切替え部は、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に与えられる前記電位差を、前記第2高分子構造体が一定寸法以上収縮したときには前記第2高分子構造体が伸長動作する第1電位差に切り替え、逆に前記第2高分子構造体が一定寸法以上伸長したときには前記第2高分子構造体が収縮動作する第2電位差に切り替えるように構成していることを特徴とする第1〜7態様のいずれか1つに記載の高分子アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、収縮し続けている高分子アクチュエータは一定寸法以上収縮した段階で伸長し続けるようになり、その後、一定寸法以上伸長した段階で再び収縮し続けるようになるので、大きな伸縮動作を連続して行う高分子アクチュエータを得ることができる。
本発明の第9態様によれば、前記電位差切替え部が、前記第2高分子構造体の伸縮動作によって前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に与えられる前記電位差を、前記第1電位差と前記第2電位差との間で機械的に切り替えるスイッチであることを特徴とする第8態様に記載の高分子アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、より簡単かつ安価な構成で大きな伸縮動作を安定して実現できる高分子アクチュエータを得ることができる。
本発明の第10態様によれば、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に与えられる前記電位差が、常に直流電源によって与えられることを特徴とする第1〜9態様のいずれか1つに記載の高分子アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、より簡単かつ安価な構成で大きな伸縮動作を安定して実現できる高分子アクチュエータを得ることができる。
本発明の第11態様によれば、前記第1高分子構造体の出力が、概して伸長もしくは収縮の一方向へのみ出力を伝達する機構を介して外部に伝達されるよう構成されていることを特徴とする第1〜10態様のいずれか1つに記載の高分子アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、高分子アクチュエータを連続して伸縮させることでより大きな変位を実現できる高分子アクチュエータを得ることができる。
本発明の第12態様によれば、前記一方向へのみ出力を伝達する機構が、ラチェット機構を含む機構であることを特徴とする第11態様に記載の高分子アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、一方向にのみ第1高分子構造体の出力を伝達することが容易になり、大きな変位を実現できる高分子アクチュエータを得ることができる。
本発明の第13態様によれば、前記一方向へのみ出力を伝達する機構が、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に与えられる前記電位差と連動して伝達力を変化させる機構を含む機構であることを特徴とする第11態様に記載の高分子アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、摩擦力を調節する機構のために新たな制御装置を設ける必要が無くなり、より簡単かつ安価な構成で大きな変位を実現できる高分子アクチュエータを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1Aは、本発明にかかる第1実施形態の高分子アクチュエータの一例としての人工筋肉アクチュエータ1の概略を示した斜視図であり、図1Bはその内部の様子を示した斜視図である。また図2A、図2B、図2C、図2D、図2Eには人工筋肉アクチュエータ1の動作の様子を示す図1AのX−X線の断面図を示している。さらに、図3A、図3Bには、図2AにおけるA−A線の断面図とB−B線の断面図をそれぞれ示している。
図2A〜図2Eにおいて、2、3は導電性を備えた高分子構造体の一例である内側および外側の導電性高分子の筒状膜である。内側および外側の導電性高分子の筒状膜2、3を構成する導電性高分子は、酸化還元反応に伴って伸縮する素材であり、ポリピロール、ポリアニリン、又はポリメトキシアニリン等が利用可能だが、ポリピロールは変位が大きい点で望ましい。また、内側および外側の導電性高分子の筒状膜2、3における導電性高分子膜の厚みは数十μm程度であるのが望ましい。それより薄いと強度的に弱く、それより厚いと導電性高分子の筒状膜2、3の内部まで十分にイオンが出入りできなくなるので望ましくない。
内側および外側の導電性高分子の筒状膜2、3は、絶縁性の外筒10、絶縁性の内筒11、絶縁性の上蓋12、絶縁性の下蓋13に囲まれた空間を満たす電解質托体層である電解液4を介して電気的に接続されている。電解液4としては、イオン性液体が不揮発性で、かつ電気分解しない電位の範囲である電位窓が広いといった点で望ましい。
内側および外側の2つの導電性高分子の筒状膜2、3のうちの内側の導電性高分子の筒状膜2は、4本の導電性の棒状突起27a、27b、27c、27dを備えた断面L字状の導電性の保持リング7aと導電性又は絶縁性の押さえリング9aによって一端をクランプされており、もう一端も4本の導電性又は絶縁性の棒状突起27e、27f、27g、27hを備えた断面L字状の導電性又は絶縁性の保持リング7bと導電性又は絶縁性の押さえリング9bによってクランプされている。図1A〜図2B中には棒状突起27hが示されていないが、棒状突起27e、27f、27g、27hは、それぞれ棒状突起27a、27b、27c、27dに対向する位置に設けられている。導電性の保持リング7aが、導電性の棒状突起27a、27b、27c、27dを上蓋12の4個の嵌合穴12aにはめ込む形で絶縁性の上蓋12に固定される(すなわち、内側の導電性高分子の筒状膜2の上端側が上蓋12に固定される)一方で、保持リング7bは、その4本の棒状突起27e、27f、27g、27hが、下蓋13の4個の貫通穴13bを貫通し、下蓋13の4個の貫通穴13bに設けられたシール部材22a、22b、22c、22dにより半径方向を拘束されているが、軸方向には移動自在に保持されている(すなわち、内側の導電性高分子の筒状膜2の下端側が下蓋13に対して移動可能となっている)。図1A〜図2B中にはシール部材22b、22dが示されていないが、シール部材22a、22b、22c、22dはそれぞれ棒状突起27e、27f、27g、27hに対応するように設けられている。また棒状突起27e、27f、27g、27hには、それぞれラチェットの爪16a、16b、16c、16d(16b、16dは図示されていない)が設けられており、少なくとも軸方向沿いに4本のラチェットの歯14aを外周沿いに90度間隔で備えた絶縁性又は導電性の棒状の移動体14とかみ合っている。すなわち、ラチェットの爪16a、16b、16c、16dと4本のラチェットの歯14aとでラチェット機構を構成するようにしている。これにより、図2Aにおいて保持リング7bが上昇するときその駆動力は爪16a、16b、16c、16dと移動体14の歯14aとのかみ合いを介して移動体14に伝達されるが、保持リング7bが下降するときにはラチェットの爪16a、16b、16c、16dと移動体14の歯14aとはかみ合わないためその駆動力は移動体14に伝達されないことになる。よって、この第1実施形態では、前記内側の導電性高分子の筒状膜2の出力が、以下に詳述するように、概して収縮の一方向へのみ出力を伝達する機構の一例として機能するラチェット機構を介して、外部に伝達されるよう構成されている。
また、移動体14は、上蓋12と下蓋13の近傍の内筒11内に配置された軸受15a、15bにより、軸方向への移動を妨げないように半径方向に保持されている。
外側の導電性高分子の筒状膜3も同様に、4本の導電性の棒状突起26a、26b、26c、26dを備えた断面L字状の導電性の保持リング6aと導電性又は絶縁性の押さえリング8aによって一端をクランプされており、もう一端も4本の絶縁性又は導電性の棒状突起26e、26f、26g、26hを備えた断面L字状の絶縁性又は導電性の保持リング6bと絶縁性又は導電性の押さえリング8bによってクランプされている。保持リング6bが、棒状突起26e、26f、26g、26hを下蓋13の4個の嵌合穴13aにはめ込む形で、絶縁性の下蓋13に固定される(すなわち、外側の導電性高分子の筒状膜3の下端側が下蓋13に固定される)一方で、保持リング6aの4本の棒状突起26a、26b、26c、26dは、上蓋12の4個の貫通穴12bを貫通して外部に突出している(すなわち、外側の導電性高分子の筒状膜3の上端側が上蓋12に対して移動可能となっている)。外側の導電性高分子の筒状膜3の変位を検知する変位検知部の一例として機能する棒状突起26aには、導電性の弾性部材(例えば、バネ鋼製の線状部材)19を介して永久磁石を内蔵した電気端子18が電気的に接続されている。この電気端子18は、内蔵した永久磁石の磁力によって導電性かつ磁性体の上側と下側の電極17a、17bのどちらかと必ず電気的に接続するスイッチのように構成されており、電気端子18と弾性部材19と上側と下側の電極17a、17bと直流電源5a、5bとで制御機構又は電位差切替部100の一例を構成するものである。電気端子18の磁力と弾性部材19の弾性力は、電気端子18が接触する上側と下側の電極17a、17bが、外側の導電性高分子の筒状膜3が完全に伸長した時点および完全に収縮した時点で反転するように調整されている。すなわち、上側の電極17aと電気的に接続していた電気端子18(図2D参照)は、外側の導電性高分子の筒状膜3が完全に収縮した時点で下側の電極17bと接触するようになり(図2A参照)、逆に下側の電極17bと電気的に接続していた電気端子18(図2A参照)は、外側の導電性高分子の筒状膜3が完全に伸長した時点で上側の電極17aと接触するようになる(図2D参照)。また、電極17aと電極17bは、上蓋12に接続された絶縁性の側板21a、21bによって保持されるとともに、直列接続された直流電源5a、5bを介して電気的に接続されている。また、直流電源5a、5bの間には、スイッチ28と棒状突起27aを介して、保持リング7aと導通した配線が電気的に接続されている。よって、スイッチ28を介して、直流電源5a、5bにより、異なる電位が保持リング7aに電気的に接続可能となっている。
また、棒状突起26a、26b、26c、26dには、それぞれストッパー23a、23b、23c、23dが固定されており、ストッパー23a、23b、23c、23dそれぞれと上蓋12との間に弾性体の一例であるコイルバネ24a、24b、24c、24dを圧縮するように挟み込んでいる。これにより、外側の導電性高分子の筒状膜3には常に伸長方向への力がコイルバネ24a、24b、24c、24dにより加えられることになり、外側の導電性高分子の筒状膜3が伸長する際にも、座屈することなく伸長方向への駆動力を発生するようになっている。
一方、内側の導電性高分子の筒状膜2については、図2Aの上側が鉛直方向上側となるように人工筋肉アクチュエータ1が上下方向沿いに配置された場合には、移動体14等の自重により伸長方向への力が加えられているが、もちろん、外側の導電性高分子の筒状膜3と同様に、ストッパーとコイルバネを用いて伸長方向への力が加えられるようにしても良い。このように伸長方向への力を加えるようにすることは、重力方向に依存せずに、内側の導電性高分子の筒状膜2に伸長方向への力を加えられるようになるので、望ましい。言い換えれば、人工筋肉アクチュエータ1の配置方向を前記したように上下方向沿いに配置しなくても、横方向など任意の方向に向けて配置することができ、配置の自由度が大きくなるので望ましい。さらに、コイルバネを導電性高分子の筒状膜2、3と一体の構造物として、常に伸長方向への力をコイルバネにより発生させるようにしても良い。このようにすることは、コイルバネを配置するための余分のスペースが不要になる点で望ましい。また、コイルバネの導電率が導電性高分子の筒状膜2、3の導電率を上回る場合には、一体化させることで導電性高分子の筒状膜2、3の導電率を向上させたのと同じ効果を得ることができるようになり、人工筋肉アクチュエータ1の応答性が向上するという効果も得ることができるようになる。
さらに、上蓋12上には、移動体14の軸方向の移動を規制するための保持機構であるソレノイド20が備えられ、保持リング6a、7aを介して、導電性高分子の筒状膜2、3の間に印加される電圧と同じ電圧が供給されている。ソレノイド20は、コイル内に可動鉄心を設けたものであり、入力電圧の向きによって可動鉄心に連結された軸20aが前後して移動体14の外面に対して接離するアクチュエータである。ソレノイド20は、直流電源5aの電圧が印加されたときに軸20aを収納して、軸20aが移動体14の外面から離れて、移動体14の軸方向移動を自由にし(開放状態)、直流電源5bの電圧が印加されたときに軸20aを突出させて移動体14の外面に接触して摩擦力により移動体14の軸方向移動を拘束するようになっている(保持状態)。なお、軸20aは、移動体14の滑らかな外径部分に選択的に接触するような形状となっている。これは、外力により移動体14との間に滑りが発生するような事態が生じた場合にも、軸20aが破損しにくい点で望ましい。一方で、軸20aを移動体14の歯14aとかみ合うような形状としても良い。このような形状は、より大きな保持力が得られるという点で望ましい。
次に、この人工筋肉アクチュエータ1の作用を説明する。
導電性高分子の筒状膜2、3が伸長、収縮する原因としては、アニオン(陰イオン)の出入り、カチオン(陽イオン)の出入り、高分子構造の変化等があるが、図2A、図2B、図2C、図2D、図2Eによる動作原理の説明では、ポリピロールなどの材料系においては、アニオンのドープ、アンドープが主たる変形のメカニズムとされていることから、アニオンの出入りについて述べることにする。また、人工筋肉アクチュエータ1は、スイッチ28をオンにすることで、移動体14の位置を除いて繰り返し動作をするようになるので、以降ではその1サイクルについて説明する。
図2Aは、繰り返し動作中の1つの状態として、内側の導電性高分子の筒状膜2が伸長し、外側の導電性高分子の筒状膜3が収縮した状態を示している。この状態では、内側の導電性高分子の筒状膜2には多数のアニオンが挿入されている一方で、外側の導電性高分子の筒状膜3に挿入されているアニオンは少数になっている。外側の導電性高分子の筒状膜3が収縮しているので、電気端子18は、下側電極17bに磁力によって押しつけられている状態となり、その結果、保持リング6aと保持リング7aとの間には、直流電源5aが発生する電圧が印加されることになる。正の電位が与えられた保持リング6aと電気的に接続された外側の導電性高分子の筒状膜3には、アニオンが挿入されて外側の導電性高分子の筒状膜3が伸長していく一方で、負の電位が与えられた保持リング7aと電気的に接続された内側の導電性高分子の筒状膜2からはアニオンが離脱して内側の導電性高分子の筒状膜2が収縮していくようになる。すなわち、図2A中に矢印で示す方向にアニオンが移動することになる。この状態が続くことで、図2Bの状態となる。
図2Bは、内側の導電性高分子の筒状膜2が、内側の導電性高分子の筒状膜2が繰り返し動作中に発生させる最大変位dの半分だけ、すなわち変位(d/2)だけ、図2Aより収縮した状態を示している。図2Aと比べて内側の導電性高分子の筒状膜2が変位(d/2)だけ収縮したので、内側の導電性高分子の筒状膜2と電気的に接続された保持リング7bと棒状突起27a、27b、27c、27dとラチェットの爪16a、16b、16c、16dは、その収縮につれて外筒10に対して上昇し、同時に移動体14も外筒10に対して上昇することになる。図2B中の下端に2点鎖線で示しているのが、図2Aにおける移動体14の下端位置である。また、直流電源5aの電圧が印加されているソレノイド20は、軸20aを収納する開放状態となっており、移動体14の移動を妨げないようになっている。一方、外側の導電性高分子の筒状膜3は伸長しているので、保持リング6aは外側の導電性高分子の筒状膜3と共に上昇し、弾性部材19を介して保持リング6aと電気的に接続された電気端子18にも弾性部材19の弾性力による力が上方向に加わることになる。しかし、この状態では弾性部材19の弾性力よりも電気端子18の磁力が上回っているので、内側の導電性高分子の筒状膜2と外側の導電性高分子の筒状膜3に印加される電圧は変化せず、引き続き、外側の導電性高分子の筒状膜3にはアニオンが挿入されて伸長し、内側の導電性高分子の筒状膜2からはアニオンが離脱し収縮していき、図2Cの状態となる。
図2Cは、図2Bの状態よりさらに、内側の導電性高分子の筒状膜2が収縮し(言い換えれば、図2Aの状態から変位dだけ収縮し)、外側の導電性高分子の筒状膜3が伸長して、弾性部材19の弾性力が電気端子18の磁力を上回った時点における状態を示している。この状態に至るまでは、内側の導電性高分子の筒状膜2は収縮し、それにつれて移動体14は上昇し続けている。一方、外側の導電性高分子の筒状膜3の伸長につれて保持リング6aが上昇し続け、弾性部材19の弾性力が電気端子18の磁力を上回るようになった時点で、電気端子18が接触するのが、下側電極17bから上側電極17aに変化し、保持リング6aと保持リング7aとの間には直流電源5bが発生する電圧が印加されるようになっている。このため、反応の方向(アニオンの出入りの方向)はこれ以降反転し、内側の導電性高分子の筒状膜2にアニオンが挿入され、外側の導電性高分子の筒状膜3からアニオンが離脱するようになり、今までとは逆に、内側の導電性高分子の筒状膜2が伸長、外側の導電性高分子の筒状膜3が収縮し出すようになる。一方で、直流電源5bの電圧が印加されるようになったソレノイド20は、軸20aを移動体14に向けて突出させた保持状態となり、軸20aが移動体14の外面に接触して移動体14の移動を妨げるようになる。この状態が進展することで、図2Dの状態となる。
図2Dは、内側の導電性高分子の筒状膜2が、内側の導電性高分子の筒状膜2が繰り返し動作中に発生させる最大変位dの半分だけ、すなわち変位(d/2)だけ、図2Cより伸長した状態を示している。図2Cの状態から内側の導電性高分子の筒状膜2が伸長したので、保持リング7bと棒状突起27a、27b、27c、27dとラチェットの爪16a、16b、16c、16dは下降しているが、ラチェットの爪16a、16b、16c、16dが移動体14の歯14aにかみ合っていないため、ソレノイド20により保持された移動体14は、その位置を保ち続けている(言い換えれば、移動体14の下端位置は、図2Cと同様に、2点鎖線で示された図2Aにおける移動体14の下端位置よりも変位dだけ上昇した位置のままである。)。一方、外側の導電性高分子の筒状膜3は収縮しているので、保持リング6aは外側の導電性高分子の筒状膜3と共に外筒10に対して下降し、電気端子18は弾性部材19の弾性力による力が下方向に加わることになる。しかし、この状態では弾性部材19の弾性力よりも電気端子18の磁力が上回っているので、内側の導電性高分子の筒状膜2と外側の導電性高分子の筒状膜3に印加される電圧は変化せず、引き続き、内側の導電性高分子の筒状膜2にはアニオンが挿入されて伸長し、外側の導電性高分子の筒状膜3からはアニオンが離脱し収縮していき、図2Eの状態となる。
図2Eは、図2Dの状態よりさらに、内側の導電性高分子の筒状膜2が伸長し、外側の導電性高分子の筒状膜3が収縮して、弾性部材19の弾性力が電気端子18の磁力を上回った時点における状態を示している。この状態は移動体14がdだけ変位したのを除けば、図2Aと同じ状態である。この状態では、弾性部材19の弾性力が電気端子18の磁力を上回ったため、電気端子18が接触するのが上側電極17aから下側電極17bに再び変化し、保持リング6aと保持リング7aとの間には、直流電源5aが発生する電圧が再び印加されるようになる。それにつれて、ソレノイド20も軸20aが収納されて開放状態に変化している。直流電源5aが発生する電圧により、正の電位が与えられた保持リング6aと電気的に接続された外側の導電性高分子の筒状膜3には、アニオンが挿入されて伸長していく一方で、負の電位が与えられた保持リング7aと電気的に接続された内側の導電性高分子の筒状膜2からは、アニオンが離脱し収縮していくようになる。この一連のサイクルが繰り返されることで、移動体14には、内側の導電性高分子の筒状膜2の発生する最大変位d以上の変位が発生することになる。言い換えれば、1回のサイクルでは最大変位dであっても、例えば、前記サイクルが2回繰り返されると、前記最大変位dの2倍の変位2dが発生することになり、1回のサイクルで内側の導電性高分子の筒状膜2で発生する最大変位d以上の変位を発生させることができる。これは、1回のサイクルで内側の導電性高分子の筒状膜2で発生した最大変位dだけ移動した移動体14の位置をソレノイド20で保持した状態で、次のサイクルで内側の導電性高分子の筒状膜2で発生する最大変位dを移動体14に加えることができるためである。
以上のサイクルにおいて、内側の導電性高分子の筒状膜2の長さは移動体14に加わる負荷により変動するが、内側の導電性高分子の筒状膜2がどの程度伸長もしくは収縮しているかの状態については、内側の導電性高分子の筒状膜2に挿入されたアニオンの量によって決定される。すなわち、アニオンが十分に挿入された状態が伸長状態であり、アニオンが十分に離脱した状態が収縮状態となる。一方で、内側の導電性高分子の筒状膜2は電解液4を介して外側の導電性高分子の筒状膜3と電気的に接続されることで、直流電源5aもしくは5bを含めた電気回路の一部を形成しており、内側の導電性高分子の筒状膜2のアニオンの挿入及び離脱に対応して外側の導電性高分子の筒状膜3にもアニオンの離脱及び挿入が行われることになる。さらに、内側の導電性高分子の筒状膜2と外側の導電性高分子の筒状膜3は電解液4を介した接触のために機械的な相互作用はないので、既知の負荷の下で動作する外側の導電性高分子の筒状膜3の変位によって内側の導電性高分子の筒状膜2がどの程度伸長もしくは収縮しているかが見積もれることになる。このとき、内側の導電性高分子の筒状膜2と外側の導電性高分子の筒状膜3は周辺環境に対する特性が同一の素材(例えば高分子)により構成されることが望ましい。これは、気温等の周辺環境に対する特性(外部要因における影響)も同等に受けることで、伸縮動作における相関性がより高まるからである。さらに、内側の導電性高分子の筒状膜2と外側の導電性高分子の筒状膜3の電気的容量については、外側の導電性高分子の筒状膜3の容量が内側の導電性高分子の筒状膜2の容量を上回るのが望ましい。これは、外側の導電性高分子の筒状膜3の容量が内側の導電性高分子の筒状膜2の容量を下回っていると、外側の導電性高分子の筒状膜3が伸長や収縮した段階で内側の導電性高分子の筒状膜2の収縮や伸長が制限されてしまい、内側の導電性高分子の筒状膜2の能力を完全には生かせなくなってしまうからである。本実施形態では、内側の導電性高分子の筒状膜2の伸長状態や収縮状態に対応して外側の導電性高分子の筒状膜3を変位させることにより、電気端子18が電極17a、17bのどちらに電気的に接続するかが切り替わることで、移動体14に加わる負荷に関係なく、内側の導電性高分子の筒状膜2を伸長状態と収縮状態との間での最大振幅(但し、振幅幅は最大変位dである。)で往復動作をさせることができるようになっている。このときに利用されるのは、交流電源に比べて安価な直流電源5a、5bであり、外側の導電性高分子の筒状膜3、電気端子18および電極17a、17b等より構成される簡易な電位差切替え部である。特に、外側の導電性高分子の筒状膜3に連結される棒状突起26aを変位検知部として機能させることは、外側の導電性高分子の筒状膜3が内側の導電性高分子の筒状膜2を動作させるために元々必要な対極であることを考えると、外部センサにより導電性高分子膜の変位や負荷を計測して伸縮状態を判断する場合に比べて、非常に簡単かつ安価な構成であると言える。さらに、爪16a、16b、16c、16d、移動体14、ソレノイド20等の簡単な機構を組み合わせることで、内側の導電性高分子の筒状膜2の発生する以上の変位をさらに実現することもできる。
以上のように、第1実施形態によれば、第1高分子構造体の一例である内側の導電性高分子の筒状膜2と第2高分子構造体の一例である外側の導電性高分子の筒状膜3との間の電位差を、内側の導電性高分子の筒状膜2と電気的に接続されているが、内側の導電性高分子の筒状膜2とは機械的に弱い接続となっている外側の導電性高分子の筒状膜3の変位に応じて変化させるので、内側の導電性高分子の筒状膜2に加わる負荷に依存せずに内側の導電性高分子の筒状膜2の伸縮状態に対応した外側の導電性高分子の筒状膜3の伸縮状態に応じてアクチュエータを動作させられるようになるので、電荷計測装置や力センサなどの余分なシステムを追加することなく、負荷によらない最大限の伸縮動作を第1高分子構造体に発生させられるようになっている。さらに、爪16a、16b、16c、16dと移動体14の歯14aとのかみ合いにより駆動力が伝達されているので、内側と外側の導電性高分子膜の筒状膜2,3の伸縮により発生する変位以上の変位を実現する高分子アクチュエータが得られている。
なお、移動体14に一方向への駆動力を伝達する機構については、本実施形態のように駆動用にラチェット機構を用い、保持にソレノイド20を用いる機構に限定されるものではなく、同様の作用を実現するものであれば、あらゆる公知技術の組み合わせが利用可能である。また、ソレノイド20を動作させるのに内側と外側の導電性高分子膜の筒状膜2,3との間に印加される電位差を利用する場合についても、その電位差で直接動作させずに、その電位差を指令電圧として利用するようにしても良い。
(第2実施形態)
図4は、本発明にかかる第2実施形態の高分子アクチュエータの一例としての人工筋肉アクチュエータ1Aの概略を示した斜視図である。また図5A、図5B、図5C、図5D、図5Eには人工筋肉アクチュエータ1Aの動作の様子を示すX−X断面図を示している。さらに、図6A、図6Bには、図5AにおけるA−A線の断面図とB−B線の断面図をそれぞれ示している。なお、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
この第2実施形態では、前記内側の導電性高分子の筒状膜2の出力が、直接、外部に往復動作として伝達されるよう構成されているものである。この往復動作は、内側の導電性高分子の筒状膜2と外側の導電性高分子膜の筒状膜3との間に与えられる前記電位差と連動して変位方向を変化させて行わせるようにしている。
具体的には、第2実施形態では、第1実施形態における移動体14に相当するものはなく、アクチュエータ1Aの出力は、保持リング7bに設けられかつ下蓋13の中心の貫通穴13cを移動自在に貫通した出力軸25によって外部に取り出されるようになっている。出力軸25には、ストッパー23eが固定されており、ストッパー23eと下蓋13との間に弾性体の一例であるコイルバネ24eを圧縮するように挟み込んでいる。この圧縮されたコイルバネ24eにより、内側の導電性高分子の筒状膜2には常に伸長方向への力が加えられることになり、内側の導電性高分子の筒状膜2が伸長する際にも座屈することなく伸長方向への駆動力を発生するようになっている。また、出力軸25は、下蓋13の貫通穴13c内のシール部材22によって、半径方向に拘束しつつ、軸方向には移動自由に保持されている。
一方で、導電性の保持リング7aには導電性の棒状突起27が1本だけ設けられ、これが絶縁性の上蓋12の嵌合穴12cにはめ込まれることで、保持リング7aを上蓋12に固定している。さらに、保持リング7aには、内側の導電性高分子の筒状膜2の内部側の空間と外部側の空間とを常時連通させる断面T字状の貫通穴38が設けられ、内側の導電性高分子の筒状膜2の伸縮に伴って筒状膜2の内外にある電解液4が貫通穴38を通じて相互に自在に移動できるようになっており、内側の導電性高分子の筒状膜2に内外の電解液4による圧力差が加わることを防止している。また、スイッチ28からの配線は、導電性の棒状突起27を介して保持リング7aに電気的に接続されている。
次に、この人工筋肉アクチュエータ1Aの作用を説明する。
図5A、図5B、図5C、図5D、図5Eにおける導電性高分子の筒状膜2、3や電気端子18の状態などは、それぞれ図2A、図2B、図2C、図2D、図2Eと同じであり、第2実施形態においても、スイッチ28をオンにすることで、前記した第1実施形態と同様な一連のサイクルを繰り返すこととになる。ただし、第1実施形態と異なる点は、内側の導電性高分子の筒状膜2が発生する変位がそのまま出力軸25によって取り出されることから、アクチュエータ1Aにより発生させる変位動作は、振幅がdの往復動作ということになる。
このような一連のサイクルにおいて、内側の導電性高分子の筒状膜2の長さは出力軸25に加わる負荷により変動するが、内側の導電性高分子の筒状膜2がどの程度伸長もしくは収縮しているかの状態については、内側の導電性高分子の筒状膜2に挿入されたアニオンの量によって決定される。すなわち、内側の導電性高分子の筒状膜2にアニオンが十分に挿入された状態が、内側の導電性高分子の筒状膜2の伸長状態であり、内側の導電性高分子の筒状膜2からアニオンが十分に離脱した状態が、内側の導電性高分子の筒状膜2の収縮状態となる。一方で、内側の導電性高分子の筒状膜2は電解液4を介して外側の導電性高分子の筒状膜3と電気的に接続されることで、直流電源5aもしくは5bを含めた電気回路の一部を形成しており、内側の導電性高分子の筒状膜2のアニオンの挿入及び離脱に対応して外側の導電性高分子の筒状膜3にもアニオンの離脱及び挿入が行われることになる。
さらに、内側の導電性高分子の筒状膜2と外側の導電性高分子の筒状膜3は電解液4を介した接触のために機械的な相互作用はないので、既知の負荷の下で動作する外側の導電性高分子の筒状膜3の変位によって、内側の導電性高分子の筒状膜2がどの程度伸長もしくは収縮しているかが見積もれることになるので、外側の導電性高分子の筒状膜3を変位させることにより、電気端子18が電極17a、17bのどちらに電気的に接続するかが切り替わることで、出力軸25に加わる負荷に関係なく、内側の導電性高分子の筒状膜2を伸長状態と収縮状態との間での最大振幅dで往復動作をさせることができるようになっている。
以上のように、第2実施形態によれば、第1高分子構造体の一例である内側の導電性高分子の筒状膜2と第2高分子構造体の一例である外側の導電性高分子の筒状膜3との間の電位差を、内側の導電性高分子の筒状膜2と電気的に接続されているが、内側の導電性高分子の筒状膜2とは機械的に弱い接続となっている外側の導電性高分子の筒状膜3の変位に応じて変化させるので、内側の導電性高分子の筒状膜2に加わる負荷に依存せずに内側の導電性高分子の筒状膜2の伸縮状態に対応した外側の導電性高分子の筒状膜3の伸縮状態に応じてアクチュエータ1Aを動作させられるようになるので、電荷計測装置や力センサなどの余分なシステムを追加することなく、負荷によらない最大限の伸縮動作を実現できる高分子アクチュエータ1Aを得ることができる。
なお、前記様々な実施形態では、アニオン動作の場合について説明したが、カチオンの出入りにより動作するカチオン駆動においても同様に実施可能である。
また、内側の導電性高分子の筒状膜2と外側の導電性高分子の筒状膜3とで出入りするイオンが異なる場合についても同様に実施可能である。
また、本実施形態では、導電性を有する高分子構造体として、高分子自体が導電性を持つ有機導電性高分子を用いた場合について説明を行ったが、導電性を有する高分子構造体はこれに限定されるわけではなく、高分子構造体に導電体を複合させたような構造体でも同様の機能効果を得ることができる。例えばフッ素系の高分子にカーボンの微粒子などの粒状の炭素素材を含有させた構造体は、カーボン微粒子の含有量により高分子構造体の特性を調整できるので望ましい。また、カーボン微粒子の代わりにカーボンナノチューブ等のチューブ状の炭素素材を用いた構造体は高分子構造体が伸長、収縮する際にも安定した導電性を得ることができるので望ましい。また、高分子構造体に含める導電体はカーボンに限定されるわけではなく、金属系の導電体であってもよい。
さらに、伸長、収縮の原理も酸化還元反応に限定されるわけではなく、高分子の構造変化や静電反発によるものであっても良い。いずれの場合についても、第1高分子構造体と第2高分子構造体の変位には相関があるので、同様に実施可能である。
また、前記様々な実施形態では、導電性を備えた高分子構造体に伸長方向への駆動力を与えるためにコイルバネを用いているが、伸長方向への駆動力を与える方法はこれに限るわけではなく、重りにより外部から高分子構造体に引っ張り力を与える構造としても良いし、伸長時に座屈しないだけの強度を有する高分子を用いた高分子構造体とすることで、付加的な弾性要素の無い単体で動作させても良い。
さらに、電解質托体層も液体に限定する必要はなく、ゲル構造などによる固体電解質でも、高分子構造体の筒状膜2、3が互いの弾性変形の影響を機械的に受けない程度の界面における滑りもしくは固体電解質の柔軟性がある場合には利用可能である。
また、第1高分子構造体と第2高分子構造体との間に印加する電位差は2種類に限定する必要はなく、必要に応じて種類を増やしてもかまわない。
さらに、第2高分子構造体の変位に応じて電位差を変化させる電位差切替部100も、前記した実施形態における磁力を利用した方式に限定されるものではなく、変位に応じてスイッチングを行うあらゆる公知技術が利用可能である。
また、電源についても安価な直流電源であることが望ましいが、これに限定されるわけではなく、交流電源や任意波形の電圧を出力する電源等を利用しても良い。
これらいずれの場合についても、本発明に含まれる。
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明にかかる高分子アクチュエータは、電荷計測装置や力センサなどの余分なシステムを追加することなく、負荷によらない最大限の伸縮動作を実現するアクチュエータを得ることができるものであり、人工筋肉アクチュエータ等として有用である。人工筋肉アクチュエータのより具体的な例としては、腕の腱として本発明は利用可能である。また、前記第1実施形態の移動体を固定レールとすると、固定レールに対してアクチュエータ自身が進退移動する、自走式ロボットのアクチュエータとしても本発明は利用可能である。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。
図1Aは、本発明の第1実施形態による人工筋肉アクチュエータの概略を示す斜視図である。 図1Bは、本発明の第1実施形態による人工筋肉アクチュエータの概略を示す斜視図である。 図2Aは、本発明の第1実施形態による人工筋肉アクチュエータの概略を示す、図1AのX−X線断面図である。 図2Bは、本発明の第1実施形態による人工筋肉アクチュエータの概略を示す、図1AのX−X線断面図である。 図2Cは、本発明の第1実施形態による人工筋肉アクチュエータの概略を示す、図1AのX−X線断面図である。 図2Dは、本発明の第1実施形態による人工筋肉アクチュエータの概略を示す、図1AのX−X線断面図である。 図2Eは、本発明の第1実施形態による人工筋肉アクチュエータの概略を示す、図1AのX−X線断面図である。 図3Aは、図2AにおけるA−A線の断面を示す図である。 図3Bは、図2AにおけるB−B線の断面を示す図である。 図4は、本発明の第2実施形態による人工筋肉アクチュエータの概略を示す斜視図である。 図5Aは、本発明の第2実施形態による人工筋肉アクチュエータの概略を示す断面図である。 図5Bは、本発明の第2実施形態による人工筋肉アクチュエータの概略を示す断面図である。 図5Cは、本発明の第2実施形態による人工筋肉アクチュエータの概略を示す断面図である。 図5Dは、本発明の第2実施形態による人工筋肉アクチュエータの概略を示す断面図である。 図5Eは、本発明の第2実施形態による人工筋肉アクチュエータの概略を示す断面図である。 図6Aは、図5AにおけるA−A線の断面を示す図である。 図6Bは、図5AにおけるB−B線の断面を示す図である。 図7Aは、従来構成の人工筋肉アクチュエータの概略を示す図である。 図7Bは、従来構成の人工筋肉アクチュエータの概略を示す図である。 図7Cは、従来構成の人工筋肉アクチュエータの概略を示す図である。

Claims (11)

  1. 導電性を備えた第1高分子構造体と、前記第1高分子構造体と電気的に接続された電解質托体層と、前記第1高分子構造体と前記電解質托体層を介して電気的に接続されかつ導電性を備えた第2高分子構造体とを備えて、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に電位差を与えることで前記第1高分子構造体および前記第2高分子構造体がそれぞれ伸縮しかつ、前記第1高分子構造体に作用する外力とは独立に前記第2高分子構造体が伸縮する高分子アクチュエータにおいて、
    前記第1高分子構造体に対して外力が作用する場合において、前記第2高分子構造体を変位させることにより、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間の電位差を変化させる高分子アクチュエータ。
  2. 導電性を備えた第1高分子構造体と、前記第1高分子構造体と電気的に接続された電解質托体層と、前記第1高分子構造体と前記電解質托体層を介して電気的に接続されかつ導電性を備えた第2高分子構造体とを備えて、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に電位差を与えることで前記第1高分子構造体および前記第2高分子構造体がそれぞれ伸縮しかつ、前記第1高分子構造体に作用する外力とは独立に前記第2高分子構造体が伸縮する高分子アクチュエータにおいて、
    前記第1高分子構造体に対して外力が作用する場合における前記第2高分子構造体の変位を検知する変位検知部と、
    前記変位検知部により検知された変位をもとに、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に与えられる電位差を異なる電位差に切替える電位差切替部とをさらに備える高分子アクチュエータ。
  3. 前記導電性を備えた第1高分子構造体および前記導電性を備えた第2高分子構造体のどちらかもしくは両方が、有機導電性高分子を含む構造体である請求項1又は2に記載の高分子アクチュエータ。
  4. 前記導電性を備えた第1高分子構造体および前記導電性を備えた第2高分子構造体のどちらかもしくは両方に、導電性を有する炭素素材が含まれる請求項1又は2に記載の高分子アクチュエータ。
  5. 前記導電性を有する炭素素材が、チューブ状の炭素素材である請求項4に記載の高分子アクチュエータ。
  6. 前記導電性を有する炭素素材が、粒状の炭素素材である請求項4に記載の高分子アクチュエータ。
  7. 前記導電性を備えた第1高分子構造体と前記導電性を備えた第2高分子構造体が、周辺環境に対する特性が同一の高分子を用いた構造体である請求項1又は2に記載の高分子アクチュエータ。
  8. 導電性を備えた第1高分子構造体と、前記第1高分子構造体と電気的に接続された電解質托体層と、前記第1高分子構造体と前記電解質托体層を介して電気的に接続されかつ導電性を備えた第2高分子構造体とを備えて、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に電位差を与えることで前記第1高分子構造体および前記第2高分子構造体がそれぞれ伸縮する高分子アクチュエータにおいて、
    前記第2高分子構造体の変位を検知する変位検知部と、
    前記変位検知部により検知された変位をもとに、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に与えられる電位差を異なる電位差に切替える電位差切替部とをさらに備え、
    前記電位差切替え部は、前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に与えられる前記電位差を、前記第2高分子構造体が一定寸法以上収縮したときには前記第2高分子構造体が伸長動作する第1電位差に切り替え、逆に前記第2高分子構造体が一定寸法以上伸長したときには前記第2高分子構造体が収縮動作する第2電位差に切り替えるように構成している高分子アクチュエータ。
  9. 前記電位差切替え部が、前記第2高分子構造体の伸縮動作によって前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に与えられる前記電位差を、前記第1電位差と前記第2電位差との間で機械的に切り替えるスイッチである請求項8に記載の高分子アクチュエータ。
  10. 前記第1高分子構造体と前記第2高分子構造体との間に与えられる前記電位差が、常に直流電源によって与えられる請求項1又は2に記載の高分子アクチュエータ。
  11. 一端が固定された前記第1高分子構造体には、他端に前記第1高分子構造体の伸縮に伴って前記第1高分子構造体の伸縮方向に移動するラチェットの爪が設けられ、前記ラチェットの爪とかみ合うラチェットの歯を備えた棒状の移動体が、前記第1高分子構造体の伸縮方向と略同方向に移動可能に設けられ、前記ラチェットの爪と前記ラチェットの歯とでラチェット機構を構成して、前記第1高分子構造体が収縮するとき、前記ラチェットの爪と前記移動体の前記ラチェットの歯とがかみ合うことにより、前記ラチェットの爪と前記移動体とが前記第1高分子構造体の収縮方向に移動する一方、前記第1高分子構造体が伸張するとき、前記ラチェットの爪が前記移動体の前記ラチェットの歯から外れて、前記移動体に対して、前記ラチェットの爪が前記収縮方向とは逆方向に移動することにより、前記第1高分子構造体の出力が、一方向へのみ外部に伝達されるよう構成されている請求項1又は2に記載の高分子アクチュエータ。
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