JP4279316B2 - 資源の活用支援方法、資源活用支援のためのネットワークシステムを構成する情報処理装置、資源活用支援のためのコンピュータプログラム - Google Patents

資源の活用支援方法、資源活用支援のためのネットワークシステムを構成する情報処理装置、資源活用支援のためのコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、資源の適材適所を可能にする資源活用支援のためのコンピュータネットワーク技術に関する。ここにいう資源は、例えば事業経営に関わる人材、物資、資金、情報、知的財産、計画中の事業プロジェクトの情報のようなを含む。資源のうち、経営に用いるものを特に経営資源と称する。また、資源の一種である知的財産は、例えば特許権、商標権、意匠権、実用新案権、著作権のように、権利として登録されているもののほか、発明、考案、意匠、トレードマーク、ノウハウ、研究データ等のように、権利化前の知的創作物全般を指す。例えば著作物も知的財産である。本明細書では、キーワードとして使用する場合を除き、この知的財産を「知財」と略称する。また、知財のうち、例えば購入、譲渡、ライセンスイン、ライセンスアウトのように、独立した存在として管理が可能なものを「知財ツール」と称する。
事業の経営戦略において、経営資源、特に知財ツールの果たす役割は大きい。知財ツールは、組織又は個人で独自に創出するほか、他の組織又は個人で創出されたものを取引によって獲得する、ということも、しばしば行われている。しかし、従来、知財ツールの取引は、身近な相手との相対取引しかそれを実現することができなかった。つまり、従来は、企業等におけるライセンス担当セクションを通じた個別の交渉が、主たる知財ツールの流通方法であった。個別の交渉の態様は、例えば、秘密保持契約を締結し、次いで、コンフィデンシャルな情報を開示して、サンプル試用期間中に取引条件を提示しあうというものであった。このような交渉の態様では、通常、取引相手が負う探索のためのコスト及び時間が膨大なものとなる。そのため、知財ツールの円滑な流通とその活用とを妨げる傾向があった。
知財ツールの流通を活性化するために、インターネットにWebサイトを設け、このWebサイトを通じて、知財ツールの売買あるいはライセンスの仲介を行うシステムも種々提案されている。例えば、特開2004−78525号公報、特開2004−78524号公報、特開2004−62669号公報、特開2003−337892号公報、特開2003−331160号公報、特開2003−331159号公報には、Webサイトのサーバに、売却対象となる知的財産権の内容とその売却条件(評価額等の算定に工夫有り)とを公開して、正当と判別された入札の申込を受け付けるようにした知的財産権売買システムが紹介されている。
また、特開2002−99776号公報には、知的財産に関する権利の取引を促進させるために、これらの権利について早く取引申請をした者が遅く取引申請をした者よりも有利な条件となるように、取引提供人が取引提供装置を用いて取引条件を複数設定し、権利の内容及び取引条件につきサーバに公開し、取引受入人が取引条件を選択して取引を申し込むネットワーク利用の知的財産権取引方法が紹介されている。
さらに、特開2003−331154号には、知的財産の売買やライセンスを行う技術移転を支援するために、技術概要、技術移転に関わる者(売人、買人、仲介人)、依頼内容、専門分野等を登録しておき、登録内容の最適な組合せを検索したり、登録内容で使用されている用語相互の合致度に応じた評点を付与することによってマッチングを行い、検索やマッチングの結果を技術移転に関わる者に提供する技術移転支援システムが紹介されている。
特開2004−78525 特開2004−78524 特開2004−62669 特開2003−337892 特開2003−331160 特開2003−331159 特開2003−331154 特開2002−99776
このような従来のシステムは、例えば知財ツールを提供する側(供給元)と、その提供を受ける側(需要元)を探索するためのコストを削減する上では、非常に便利なものである。しかしながら、現実的には、知財ツールの市場流通は、必ずしも活性化しているとはいえない。その理由は、以下の点にあると考えられる。
(1)事業戦略と知財戦略とが連動していない。
おおよそ「戦略」は周囲の変化を自己に都合の良い方向に導くための基本的な方針であるが、事業戦略と離れた知財戦略は、知財ツールが活用されることがないから現実性がない。逆に、知財戦略の視点のない事業戦略は、他者の知財ツール等に影響される可能性が高いから危険である。つまり、知財戦略は、不動産と同様、知財ツールをどのような事業にどう活用するかという視点なしには定まらないのである。しかし、多くの組織において、知財戦略、つまり知財活用の指針は必ずしも明確とはいえない。
(2)知財ツールを活用した事業戦略は、トップシークレットである。
例えば技術開発系の企業が自らの知財戦略を公開することは、企業秘密の開示につながる。例えば、自社がどのような知財ツールを必要としているか、あるいは、どのような知財ツールを不要とするかという情報は、他社からみれば、自社の経営方針を事前に探る格好の材料となる。多くの企業は、知財戦略は外部からは見えないようにしているのが一般的である。また、知財ツールを公開市場に投入して市場原理で価格形成するのは、一般には不可能である。取引は、常にコンフィデンシャルな関係の相対でなければならない。
(3)滞貨知財ツールの活用が不十分である。
未利用の知財ツールの中には、それを保有する組織だけでは事業化できないものもある。しかし、知財ツール同士の組み合わせ、知財ツールと事業プランの組み合わせ、あるいは、知財ツールとその他の経営資源の組み合わせを、それぞれ既存のものと変えることにより、思いもよらない価値が生まれる場合がある。しかし、従来、経営戦略と知財ツールその他の経営資源とのマッチングの最適解を求める適材適所のシステムは存在しない。
(4)ニーズのマッチングはユニークな問題である。
知財ツールを創出した組織内部の情報、業界情報は、通常、その組織内の者が最も良く知っている。従って、知財流通市場における知財ツールの「マス」の取引では、需要元と供給元のニーズのマッチングは無理である。
(5)知財ツール以外の資源の組み換えが困難である。
同業他社への技術移転、知財ツールのライセンスは、一般的に、その企業の競争力を弱める結果となる。人的資源の交流は、機密上の問題がある。このような問題を解決するには、既存の経営資源を個別要素に分解して、その最適化を図ることが必要であるが、そのためには、かなりのエネルギーを必要とする。
知財ツールに関わらず、流通可能な資源の取引市場は、一般に、供給元のプッシュと需要元のプルの関係によって成立する。プッシュは、事業の戦略的な観点から行われる場合が多い。例えば、資源の戦略的なライセンシングアウト、棚卸、部門整理等を契機に行われる傾向がある。他方、プルは、例えば、紛争回避、競合他社への牽制、事業再編等、消極的なものが多い。知財ツールに関して述べた上記理由により、従来は、プッシュ、プルの圧力が、組織内部にかかることがなかった。
しかし、プッシュ、プルは、資源の有効活用により、それが関わる事業を活性化する上で不可避であり、マーケットを支配して事業・経営戦略を成功に結びつけるには、プッシュ、プルの創造が必要である。プッシュ、プルを創造するために成すべきことは、例えば、事業戦略のための情報整備の仕組み、特に、プッシュによるリスクヘッジのための情報整備の仕組みを組み込むことである。また、プル創出のために成すべきことは、例えば供給したい、あるいは供給しても良い資源があるときに、その資源を他の企業が「欲しいもの」に仕立て直すこと、事業戦略の柱になる資源を外部から調達するというモデルを確立することである。
現在のところ、企業内で、戦略的な視点からの資源の取引管理を統一的に行うシステムは存在しない。情報が膨大かつ複雑であるのに加え、企業内情報だけでは有効な判断を行うためのデータが不足しているためである。
本発明は、例えば事業戦略と経営資源とのマッチングの最適解を求める適材適所を可能にする、資源活用支援の新たな仕組みを提案することを主たる課題とする。
本発明は、それぞれネットワークを通じて接続され複数の装置により実行される資源の活用支援方法、この方法を実施する上で好適となるネットワークシステム用の情報処理装置、及び、このような情報処理装置をコンピュータで実現するためのコンピュータプログラムを提供する。
本発明が提供する資源の活用支援方法は、それぞれネットワークを介して接続されたサーバ装置及び複数のユーザ装置により実行される方法であって、以下の段階を、その実行の手順として含む方法である。
(1−1)それぞれネットワークを介して接続されたサーバ装置及び複数のユーザ装置により実行される方法であって、事業に活用される複数種類の資源のうち、少なくともいずれかの資源の需要元となり得るユーザにより操作される第1ユーザ装置及び前記少なくともいずれかの資源の供給元となり得るユーザにより操作される第2ユーザ装置が、それぞれ、事業に対する当該資源の関わり度合いを、当該資源の種類を表す種類データと、適合して欲しい範囲を絞り込むための範囲データと、当該資源の特徴を互いに視点が異なる複数種類の評価ルールに基づいて定量化した特徴データとを含む定量データ群に変換するとともに、当該資源について他のユーザに伝達するための特徴情報を、他のユーザ装置が認識可能なデータ形式の通用データに変換し、前記定量データ群及び前記通用データを当該資源の需要元又は供給元を識別するための需給IDと共に、前記サーバ装置へ送信する段階。
(1−2)前記サーバ装置が、前記第1ユーザ装置及び前記第2ユーザ装置より受信した定量データ群及び通用データを、それぞれ前記需給IDと対応付けて所定の記憶装置に蓄積するとともに、蓄積されている定量データ群のうち前記特徴データの表す特徴同士の比較を、前記種類データの表す資源の種類について前記需給IDにより特定される需要元と供給元の組毎に行うことにより、当該資源の需要と供給との適合度を判別し、前記第1ユーザ装置には前記適合度が前記範囲データの表す範囲となる供給元の通用データを提供可能にし、他方、前記第2ユーザ装置には前記適合度が前記範囲データの表す範囲となる需要元の通用データを提供可能にする段階。
従来技術、特に特開2003−331154号に記載されている技術移転支援に関する技術との対比では、本発明の技術では、資源の特徴がサーバ装置に認識される定量データ群、すなわち複数の定量データの集合に変換され、サーバ装置で需要元のものと供給元のものとの比較が行われるので、用語相互の合致度に応じた評点によりマッチングを行う従来技術に比べて、需給の適合度の妥当性を格段に高めることができる。また、定量データ群への変換に加えて、資源についての特徴情報が他のユーザ装置が認識可能な通用データに変換され、需要元となり得るユーザには供給元の通用データ、供給元となり得るユーザには、需要元の通用データがそれぞれ提供されるので、従来技術のように単に情報処理によるマッチングだけでなく、ユーザが適合度判定の確からしさをアナログ的に確認することができる。
この活用支援方法における、ある実施の態様では、前記第1装置及び前記第2ユーザ装置は、それぞれ、それを操作するユーザの属性を間接的に識別するための間接IDを前記サーバ装置に送信し、他方、前記サーバ装置は、各ユーザ装置より受信した前記間接IDを、当該ユーザ装置からの前記通用データと関連付けて前記記憶装置に蓄積し、前記第1ユーザ装置に前記供給元の通用データを提供するときは当該供給元の間接IDを提供可能にするとともに他の需要元の間接IDを秘匿し、他方、前記第2ユーザ装置に前記需要元の通用データを提供するときは当該需要元の間接IDを提供可能にするとともに他の供給元の間接IDを秘匿する。これにより、需要元と供給元との間では相互に他方の属性を間接的に把握することができる一方、需要元同士、あるいは供給元同士の存在は、秘匿されるので、クローズな環境で、資源の需給の情報を取得することができる。
需要元の便宜を図る観点からは、前記サーバ装置は、前記資源に対する第三者の評価結果を表す評価情報と、当該資源の活用形態例を表す支援情報の少なくとも一方を取得し、取得した前記評価情報又は前記支援情報を、前記供給元の通用データと関連付けて前記記憶装置に蓄積するとともに、その通用データを提供するときに前記評価情報と前記支援情報の少なくとも一方を併せて提供可能にする。これにより、供給の対象となる資源に対する客観性が担保され、需要元のユーザに対して取引判断に有効な情報を与えることができる。
需要元であれ、供給元であれ、ユーザは、サーバ装置より情報が伝達された後は、さらなる情報検索を行って取引判断を行うのが一般的である。これに対応して、本発明では、サーバ装置に、資源の活用に関する複数のキーワードを格納したキーワードDBと、前記キーワード毎に、そのキーワードから連想される複数の連想キーワードのIDをソース・ドキュメント・データにおける各々の出現頻度と関連付けた関連性テーブルを備えておく。そして、前記第1ユーザ装置又は前記第2ユーザ装置から、検索キーワード候補を伴う検索要求を受信したときに、当該検索キーワード候補に適合するキーワードに関連付けられた連想キーワードであってその出現頻度が所定範囲に属するいくつかの連想キーワードを前記関連性テーブルの記録情報に基づいて前記キーワードDBより抽出し、抽出した各連想キーワードを潜在検索キーワードとして前記検索要求の発信元のユーザ装置に提供できるようにする。
関連性テーブルの記録情報をより有効なものにする観点からは、前記サーバ装置が、前記発信元のユーザ装置に提供された各連想キーワードのいずれかが検索キーワードとして採用されたことを検知する度に、その連想キーワードのIDと関連付けられた前記関連性テーブルの領域に、前記連想キーワードの利用度を表す情報を記録するようにする。また、ユーザにより多くの「気づき」を与えるために、前記サーバ装置が、前記関連性テーブルの記録情報から、前記出現頻度が相対的に高いいくつかの連想キーワード、前記出現頻度が相対的に低いいくつかの連想キーワード、前記出願頻度のうち前記発信元のユーザ装置が指定した範囲内の連想キーワードの少なくともいずれかを特定し、特定した連想キーワードを抽出するようにしても良い。
本発明の情報処理装置は、上述した第1ユーザ装置又は第2ユーザ装置として動作する第1の情報処理装置と、上述したサーバ装置として動作する第2の情報処理装置である。
第1の情報処理装置は、ネットワークを介して接続されるサーバ装置と共に、資源活用支援のためのネットワークシステムを構成する装置であって、以下の構成要素を有するものである。
(2−1)自装置を操作するユーザが、事業に活用される複数種類の資源のうち需要のある前記資源又は供給可能な前記資源の前記事業に対する関わり度合いを、当該資源の種類を表す種類データと、適合して欲しい範囲を絞り込むための範囲データと、当該資源の特徴を互いに視点が異なる複数種類の評価ルールに基づいて定量化した特徴データとを含む定量データ群に変換する第1のデータ変換手段。
(2−2)前記需要のある資源又は前記供給可能な資源について他のユーザに認識させるための特徴情報を、前記サーバ装置及び他の情報処理装置が認識可能なデータ形式の通用データに変換する第2のデータ変換手段。
(2−3)前記定量データ群及び前記通用データを、それぞれ当該資源の需要元又は供給元を識別するための需給IDと共に前記サーバ装置へ送信するとともに、前記定量データ群のうち前記特徴データの表す特徴同士の比較を、前記種類データの表す資源の種類について前記需給IDにより特定される需要元及び供給元の組毎に行うことにより、当該資源の需要と供給との適合度を前記範囲データの表す範囲で判別した前記サーバ装置から、供給元の前記通用データを含む供給元情報、又は、需要元の前記通用データを含む需要元情報のいずれかを受信する通信手段。
(2−4)この通信手段で受信した供給元情報又は需要元情報を、所定の出力装置を通じて前記ユーザへ提示可能にする出力制御手段。
他のユーザに対して意外性のある特徴情報を伝達するために、キーワード毎に、当該キーワードから連想され得る情報であって前記ユーザ以外の者により選定され、あるいは、前記ユーザ以外の者の行為に起因して生じたセレンディピティ(serendipity)情報を蓄積した連想支援DBをさらに備えた情報処理装置とし、前記第2のデータ生成手段が、前記特徴情報に含まれるキーワードに対応するセレンディピティ情報を前記連想支援DBより抽出し、抽出したセレンディピティ情報を当該特徴情報に含めて前記通用データに変換するようにしても良い。また、前記第1のデータ生成手段が、前記資源の特徴に含まれるキーワードに対応するセレンディピティ情報を前記連想支援DBより抽出し、抽出したセレンディピティ情報を当該資源の特徴に含めて前記定量データ群に変換するようにしても良い。
第2の情報処理装置は、ネットワークを介して接続される複数のユーザ装置と共に、資源活用支援のためのネットワークシステムを構成する情報処理装置であって、以下の構成要素を有するものである。
(3−1)各ユーザ装置から、事業に活用される複数種類の資源のうち需要のある前記資源又は供給可能な前記資源の前記事業との関わり度合いが、当該資源の種類を表す種類データと、適合して欲しい範囲を絞り込むための範囲データと、当該資源の特徴が互いに視点の異なる複数種類の評価ルールに基づいて定量化された特徴データとを含む定量データ群、及び、当該資源について他のユーザ装置に認識させるための特徴情報が他のユーザ装置が認識可能なデータ形式に変換された通用データを、それぞれ当該資源の需要元又は供給元を識別するための需給IDと共に受信する受信手段。
(3−2)受信した各ユーザ装置からの前記定量データ群並びに前記通用データを前記需給IDと対応付けて蓄積する需給DB。
(3−3)この需給DBに蓄積されている定量データ群のうち前記特徴データの表す特徴同士の比較を、前記種類データの表す資源の種類について前記需給IDにより特定される需要元と供給元の組毎に行うことにより需給の適合度を判別し、需要元に係るユーザ装置には前記適合度が前記範囲データの表す範囲となる供給元の通用データを含む供給元情報を提供可能にし、他方、供給元に係るユーザ装置には前記適合度が前記範囲データの表す範囲となる需要元の通用データを含む需要元情報を提供可能にする需給管理手段。
この需給管理手段は、各ユーザ装置から、そのユーザ装置を操作するユーザの属性を間接的に識別するための間接IDを受信し、受信した間接IDを当該ユーザ装置からの前記通用データと関連付けて蓄積して、当該資源の需要元が複数となる場合には、前記供給元の通用データを提供する際に当該供給元の間接IDを提供可能にするとともに他の需要元の間接IDを秘匿し、他方、当該資源の供給元が複数となる場合には、前記需要元の通用データを提供する際に、当該需要元の間接IDを提供可能にするとともに他の供給元の間接IDを秘匿するようにしても良い。
クローズな環境での経営資源の活用支援を可能にする観点からは、前記需給管理手段を、前記資源の需要元が複数となる場合には、前記供給元データを提供する際に他の需要元の存在を秘匿し、他方、前記資源の供給元が複数となる場合には、前記需要元の通用データを提供する際に他の供給元の存在を秘匿するようにする。
第2の情報処理装置は、以下の構成要素をも含むように構成することもできる。
(3−4)複数のキーワードを、個々のキーワードを識別するためのIDと共に格納したキーワードDB。
(3−5)前記キーワードDBに格納されているいずれかのキーワードを標題キーワードとして定めるとともに、ソース・ドキュメント・データから抽出した、前記標題キーワードを除く複数のキーワードのうち、前記キーワードDBに格納されているものと同じキーワードをそれぞれ連想キーワードとして定め、前記ソース・ドキュメント・データにおける前記連想キーワード毎の出現頻度を導出するキーワード管理手段。
(3−6)前記標題キーワードと導出された各連想キーワードについてのIDとをそれぞれ前記キーワードDBから抽出するとともに、各連想キーワードのID並びに各々の連想キーワードについて導出された前記出現頻度を前記標題キーワードと関連付けることにより、当該標題キーワードと各連想キーワードとの関連性を表す関連性テーブルを生成し又はその記録情報を更新するテーブル管理手段。
(3−7)前記資源の活用支援に関わる情報を検索するための検索キーワード候補の入力を受け付けるキーワード候補受付手段。
(3−8)このキーワード候補受付手段で受け付けた検索キーワード候補に適合する標題キーワードの関連性テーブルが存在するかどうかを調べ、存在するときはその関連性テーブルに記録されている複数のIDに基づいて前記キーワードDBから各IDに対応する連想キーワードを抽出し、抽出した各連想キーワードを検索キーワードとして採用され得る潜在検索キーワードとして前記検索キーワード候補の発信元に提供する検索手段。
前記キーワード管理手段は、例えば、前記ソース・ドキュメント・データのうち標題領域から抽出した複数の抽出キーワードの当該標題領域での出現頻度を計測するとともに、これらの抽出キーワードと同じキーワードが前記キーワードDBに格納されているかどうかをサーチし、格納されていた場合に最も出現頻度の高い抽出キーワードと同じキーワードを前記標題キーワードとして定める。
前記発信元に提供された各連想キーワードのいずれかが検索キーワードとして採用されたことを検知する検知手段を備え、前記テーブル管理手段は、前記検知手段による検知回数を当該連想キーワードのIDと関連付けて前記関連性テーブルに累積的に記録するように構成してもよい。
検索者であるユーザに、資源活用に対する多くの「気づき」を与えるために、前記検索手段を、前記関連性テーブルの記録情報に基づいて、前記出現頻度が相対的に高いいくつかの連想キーワードのID、前記出現頻度が相対的に低いいくつかの連想キーワードのID、前記利用度が相対的に高いいくつかの連想キーワードのID、前記利用度が相対的に低いいくつかの連想キーワードのID、前記出現頻度又は前記利用度のうち前記発信元が指定した範囲内の連想キーワードのIDの少なくともいずれかを特定し、特定したIDに対応する連想キーワードを前記キーワードDBから抽出するように構成しても良い。
本発明の第1のコンピュータプログラムは、コンピュータを、ネットワークを通じて接続されるサーバ装置と共に、資源活用支援のためのネットワークシステムを構成するユーザ装置として動作させるためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
自装置を操作するユーザが、事業に活用される複数種類の資源のうち需要のある前記資源又は供給可能な前記資源の前記事業に対する関わり度合いを、当該資源の種類を表す種類データと、適合して欲しい範囲を絞り込むための範囲データと、当該資源の特徴を互いに視点が異なる複数種類の評価ルールに基づいて定量化した特徴データとを含む定量データ群に変換する第1のデータ変換手段、前記需要のある資源又は前記供給可能な資源について他のユーザに認識させるための特徴情報を、前記サーバ装置及び他の情報処理装置が認識可能なデータ形式の通用データに変換する第2のデータ変換手段、前記定量データ群及び前記通用データを、それぞれ当該資源の需要元又は供給元を識別するための需給IDと共に前記サーバ装置へ送信するとともに、前記定量データ群のうち前記特徴データの表す特徴同士の比較を、前記種類データの表す資源の種類について前記需給IDにより特定される需要元及び供給元の組毎に行うことにより、当該資源の需要と供給との適合度を前記範囲データの表す範囲で判別した前記サーバ装置から、供給元の前記通用データを含む供給元情報、又は、需要元の前記通用データを含む需要元情報のいずれかを受信する通信手段、及び、この通信手段で受信した供給元情報又は需要元情報を、所定の出力装置を通じて前記ユーザへ提示可能にする出力制御手段、として機能させる、資源活用のためのコンピュータプログラムである。
本発明の第2のコンピュータプログラムは、記憶装置を有するコンピュータを、ネットワークを通じて接続可能な複数のユーザ装置と共に、資源活用支援のためのネットワークシステムを構成するサーバ装置として動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記記憶装置に需給DBを構築するとともに、
前記コンピュータを、
各ユーザ装置から、事業に活用される複数種類の資源のうち需要のある前記資源又は供給可能な前記資源の前記事業との関わり度合いが、当該資源の種類を表す種類データと、適合して欲しい範囲を絞り込むための範囲データと、当該資源の特徴が互いに視点の異なる複数種類の評価ルールに基づいて定量化された特徴データとを含む定量データ群、及び、当該資源について他のユーザ装置に認識させるための特徴情報が他のユーザ装置が認識可能なデータ形式に変換された通用データを、それぞれ当該資源の需要元又は供給元を識別するための需給IDと共に受信する受信手段、
受信した各ユーザ装置からの前記定量データ群並びに前記通用データを前記需給IDと対応付けて前記需給DBに蓄積するDB管理手段、
この需給DBに蓄積されている定量データ群のうち前記特徴データの表す特徴同士の比較を、前記種類データの表す資源の種類について前記需給IDにより特定される需要元と供給元の組毎に行うことにより需給の適合度を判別し、需要元に係るユーザ装置には前記適合度が前記範囲データの表す範囲となる供給元の通用データを含む供給元情報を提供可能にし、他方、供給元に係るユーザ装置には前記適合度が前記範囲データの表す範囲となる需要元の通用データを含む需要元情報を提供可能にする需給管理手段、として機能させる、資源活用支援のためのコンピュータプログラムである。
本発明によれば、資源の需要元となり得るユーザにはその需要に適合する資源の供給元の情報が伝達される。つまり、プルの創出が可能になる。他方、資源の供給元となり得るユーザには、その供給に適合する資源の需要元の情報が伝達される。つまりプッシュの創出が可能になる。これにより、需要元及び供給元における資源の選択と集中が可能になる、という特有の効果が得られる。
また、需要元に係るユーザ装置、供給元に係るユーザ装置ともに、資源の内容を表す情報が通用データで提供されるので、供給元のユーザには需要に適う資源なのかどうか、需要元のユーザには、資源の内容が自己にとって魅力あるものなのかどうかを容易に判断する情報を与えることができる。資源が知財ツールの場合、その特徴を正しく認識することが非常に困難なので、本発明による上記効果はより顕著となる。
以下、本発明の実施の形態例を説明する。
<第1実施形態>
[全体構成図]
図1に、本発明が適用されるネットワークシステムの全体構成図の例を示す。本実施形態では、活用支援の対象となる資源が、事業の経営に用いる経営資源である場合の例を示す。ネットワークシステムは、それぞれユーザ装置として動作する複数の端末装置1と、例えばシステム管理を行う組織に設置されるサーバ装置2とを、インターネットのような広域ネットワークWNを介して接続することにより構成される。端末装置1は、それぞれ企業、大学、個人事業者等(以下、便宜上、「自社」と称する)に設置される。広域ネットワークWNがインターネットの場合、サーバ装置2は、単独あるいはグリッドコンピューティング等を応用した分散処理形態のWebシステムとして実施することができる。また、サーバ装置2にも端末装置1の機能をもたせることもできる。
広域ネットワークWNには、知財ツールに関する情報を提供する特許庁電子図書館のような公的機関システム3、民間の情報提供機関に設置されるデータバンク4、経営、知財、法律等の専門家が所属する第三者機関に設置される第三者操作端末5、エキスパートシステム6等も接続され、経営資源を活用する上で有用となる各種の情報が、適宜、端末装置1又はサーバ装置2において取得できるようになっている。
このネットワークシステムでは、複数の端末装置1の各々が、それぞれ、自社の事情に基づく経営資源の管理を行う。現在の事業、あるいは、これから行おうとする事業(以下、このような事業を「目標事業」と呼ぶ)を行う上で、現在の経営資源が自社にとって過不足ないという結果であれば、その端末装置1だけの処理で足りる。他方、目標事業を遂行する上で現在の経営資源に過不足があり、その過不足の分について外部との間で取引したいという場合は、その需給の情報、すなわち、不足分の資源については需要、余剰分の資源については供給の情報をそれぞれサーバ装置2に集約させる。
サーバ装置2は、集約した各端末装置1からの需給の情報を需給別に蓄積し、需給の組毎に適合度判定を行い、需要元となる端末装置1には、供給元からの情報(供給元情報)及び当該資源についての付加価値となる種々の情報を、他の需要元の存在を秘匿した状態で提供可能にする。また、供給元となる端末装置1には、需要元からの情報(需要元情報)及び当該資源についての付加価値情報を、他の供給元の存在を秘匿した状態で提供可能にする。まず、このような動作を可能にする端末装置1及びサーバ装置2の構成例を説明する。
[端末装置]
端末装置1は、端末用コンピュータプログラムにより動作するコンピュータ(情報処理装置)である。すなわち、ハードディスク等の記憶装置、キーボード/マウス等の入力デバイス、ディスプレイ等の出力装置を備えたコンピュータが、本発明の端末用コンピュータプログラムを実行することにより、端末装置1を実現することができる。端末用コンピュータプログラムは、ディスク等の記録媒体にコンピュータ読み取り可能な形態で記録されることにより、あるいは、広域ネットワークWNを通じて、サーバ装置2からダウンロード可能な形態で流通するものである。
本実施形態では、端末用コンピュータプログラムによって、図2に示されるように、記憶装置に経営戦略DB11を構築するとともに、コンピュータを、主制御部10、通信制御部12、入力制御部13、出力制御部14、経営資源管理部15、関連度データ管理部16、通用データ管理部17として機能させる。
経営戦略DB11は、経営資源管理部15の制御により、プッシュ創出及びプル創出による経営資源の適材適所を可能にするための多くの支援情報が分類されて蓄積される。本実施形態では、このような支援情報を、内部資源DB111、外部資源DB112、連想支援DB113、オプションDB114、ルールファイル115の5種類のDBに、分類して蓄積する。
内部資源DB111は、自社が保有する経営資源の管理情報を蓄積する。管理する経営資源は、例えば、ノウハウ、スキル等の自社利用の無体資産、自社及びそれ以外で利用可能な知財ツール、人材、物資、資金、顧客情報、戦略情報、検討中の事業プロジェクト等に関する情報である。管理情報は、これらの経営資源の利用により生じる、あるいは生じる可能性のある財務情報を含む。管理情報は、管理対象となる経営資源をシステム内で一意に識別するための資源IDによって他の経営資源の情報と識別される。この内部資源DB111に蓄積されている情報を、操作するユーザに対する支援目的に応じてID検索又はキーワード検索により抽出し、抽出した情報を利用した情報処理を行うことにより、そのユーザが、自社の戦力分析等を行うことができるようにする。
外部資源DB112には、自社以外の組織又は個人(以下、便宜上、「他社」と称する)が保有し、自社が保有したいと思う、あるいは気になる経営資源の情報、そのような経営資源毎の客観的な評価情報、事業に対する外部支援情報、各種統計情報が、それぞれ分野別、事業別に分類されて蓄積される。各分野ないし事業は、それをシステム内で一意に識別するためのIDによって区別され、これらのID又は各種情報内のキーワードに基づく検索により、該当する情報を抽出できるようになっている。この外部資源DB112に蓄積されている情報を、操作するユーザに対する支援目的に応じてID検索又はキーワード検索により抽出し、抽出した情報を利用した情報処理を行うことにより、自社のみならず、他社との間の相対的な戦力分析と、目標事業に対する経営資源の需要又は供給に対する判断等を行うことができるようにする。
連想支援DB113には、ユーザの連想を支援するためのセレンディピティ(serendipity)情報が蓄積される。ここにいうセレンディピティ情報は、ユーザが気づかなかったが、もともと探し求めていた、偶然によってそのことをユーザに気づかせる、そのような情報である。連想支援DB113は、人間が表出する「明の知」は限定的な意味しかない反面、その範囲が曖昧で、他の人間に正しく伝わりにくい、という事情を鑑み、情報のマッチングのさせ方に意外性をもたせ、少なくともユーザが望んだ以上のレベルの情報を端末装置1から提供するという観点より設けられるものである。
本実施形態では、例えば、類義語辞書、反対語辞書及び多くのユーザによって登録された辞書の各々の電子データをセレンディピティ情報の一例として保持しておく。そして、ユーザによって指定された語又は語句に関連付けられた類義語、反対語、登録された語を、後述する通用データに含めて、あるいは通用データと共に、出力する。例えばユーザが「パソコン」という語を指定したときに、娯楽、機械、廃棄物、流通、・・・という、シソーラス情報を超えた、思いもかけない情報をセレンディピティ情報として出力できるようにする。また、後述する経営資源の特徴データを生成する際に、セレンディピティ情報を特徴データの一つに含めるようにする。
オプションDB114には、セキュリティ情報ファイル、リスク要因ファイル、擬似プランファイル、画面レイアウトファイル、経営資源の分類結果ファイル、意思決定ツールファイル、ヒューマンリソースファイル、リスク要因ファイルのような、ユーザが必要に応じて選択的に使用する情報が格納される。
セキュリティ情報ファイルには、自社のセクション毎、例えば自社の経営陣、企画部門、知財部門、営業部門、研究部門毎に、それぞれ独自に設定されたユーザ認証用の操作権限レベル、自社の属性(組織名ないし個人名、IR情報等)を間接的に表す間接ID、サーバ装置1より受け取った他社の各部門の間接IDのようなセキュリティ性の高い情報が格納される。間接IDは、そのIDから直ちに自社の属性を外部に認識されないようにするためのもので、需給の適合がとれた当事者のみに、取引のために最低限必要な情報を伝達させるために使用する。
リスク要因ファイルには、目標事業の種類別に定めたリスク、例えば、知財ツールが存在しないときに要する追加費用の推定額、他社特許数、自社特許数、他社特許と自社特許の相対能力値、自社が許容可能なライセンスアウト料率、同じくライセンスイン料率等が、経営資源を活用する上でのリスク要因として格納される。この情報は、知財ツールの需給の有無を判断する際に参酌される。
擬似プランファイルには、目標事業に対する複数の擬似プラン、各擬似プランをシュミレートするためのデータ、既存事業毎の統計データ、当該事業が関わる市況データ、提携/関連/競合の情報、サプライチェーン情報等が、事業IDと関連付けて蓄積される。これらの情報も経営資源の需給の有無を判断する際に参酌される。
画面レイアウトファイルには、端末装置1のディスプレイに表示させるための複数のインタフェース画面、各インタフェース画面のレイアウトデータ等も蓄積される。インタフェース画面には、操作権限レベルに応じて異なる情報表示領域のほか、関与部署間の連絡、指揮系統を支援するための情報を表示させる共通領域も形成されており、この共通領域の表示を通じて、組織全体の統一的な情報を、すべての権限レベルのユーザで共有できるようになっている。
分類結果ファイルには、内部資源DB111及び外部資源DB112に蓄積されている経営資源毎に、一度分類した関連情報ファイルが格納される。例えば、知財ツールファイル、財務情報ファイル、コスト情報ファイル、マーケティング情報ファイル、意思決定ツールファイル、ヒューマンリソースファイル等の複数のファイルが、それぞれ関連付けて格納される。各ファイルの情報は、ディスプレイに表示されるインタフェース画面、例えば分類メニュー画面を通じて、適宜、ビジュアルに表示される。
図3は、経営資源管理部15、出力制御部14並びに主制御部10の制御によって出力装置の一つであるディスプレイに表示される、ある分類メニュー画面の一例を示している。図中、「知財」の項目は知財ツールを格納した知財ツールファイル、「財務」の項目は各知財ツールに関連付けられた事業の財務情報を格納した財務情報ファイル、「コスト」の項目は各知財ツールの維持等に関するコストの情報を格納したコスト情報ファイル、「マーケティング」の項目は知財ツールが関わる事業のマーケティング情報を格納したマーケティング情報ファイル、「意思決定」の項目は知財ツールを活用する際の意思決定を支援するツールを格納した意思決定支援ファイル、「ヒューマンリソース」の項目は知財ツールが関わる事業についてのヒューマンリソース情報を格納したヒューマンリソース情報ファイルであり、それぞれ知財ツールファイル内の個々の知財ツールのIDをキーとして、各ファイルが関連付けられている。図4(a)〜(c)、図5(a)〜(c)は、ユーザが、図3における各項目の「click」画像をクリックすることにより切替表示されるファイルの内容例の表示画面例を示している。
図4(a)は知財ツールファイルの内容の表示画面例を示している。すなわち、自社が保有する知財ツールの一部である特許毎に、その内容を端的に表したカテゴリー名と、登録番号と、それを活用した事業を自社で実施かどうかを表す情報と、連動指数とが格納されるている様子が示されている。連動指数は、事業に連動する知財ツール単体の特徴を表す特徴情報と所定の評価基準データとの比較に基づいて定量化される評価値であり、例えば、満点を100としたときの相対数値で表される。この連動指数は、後述する定量データ群の一つとすることができる。すなわち、連動指数が「80」であれば、その数値に、外部資源DB112により判明した他の経営資源に対する重み付け係数を掛け合わせることにより、定量データの一つとすることができる。
図4(b)を参照すると、意思決定ツールファイルには、図4(a)に示した特許のうち、いずれかの特許が関わる事業、つまり、その特許発明を実施することに対するデシジョンツリーのデータが格納されている。デシジョンツリーは、例えば上述した連動指数を算定する際に利用される。つまり、自社実施でなければ指数を低くする等の重み付けに利用される。
図4(c)を参照すると、ヒューマンリソースファイルには、知財ツールファイルに関連したプロジェクトの社内セクションのつながりと社外システムないしセクションのつながりとが蓄積されている。すなわち、確保されている人材の情報が蓄積されている。これにより、経営資源の一つである人材の過不足等がビジュアルに表示されるので、人材の適材適所が可能になっているかをユーザに容易に判断させることができる。
図5(a)を参照すると、マーケティング情報ファイルには、知財ツールファイルに格納されている知財ツール(特許)の知財マップ、マーケティングセグメントマップ、あるいは、これらを融合させたポジショニングマップを例えば3次元構造で表現するためのデータが格納される。すなわち、競合する複数の他社及び自社の経営資源を、3次元の座標軸上に、集中度(リソース)、技術志向、マーケット指向の3つの視点で数値化して表現する。階層化されている次のインタフェース画面では、技術特性、さらに次のインタフェース画面では、評価基準・・・というように、複数のマトリクスでポジショニングを評価できるようにする。また、ミクロ分析(SWOT等)、各社事業計画、市場シェア、組織構造に即した画面構造とする。必要に応じて、マクロ環境情報、すなわち、知財マクロ環境情報と経済マクロ環境情報とを用いる。これらのマップデータは、例えば目標とする事業の選定、その事業による各種資源の需給を判断する際に参照される。このマーケティング情報により、事業の可能性等をユーザにビジュアルに判断させることができる。
図5(b)を参照すると、財務情報ファイルには、知財ツールファイルに関連付けられた事業について、数年分の財務データが蓄積されている。これは、例えばその事業の継続/中止、新規事業開拓の可否等を判断する際に参照される。図5(c)のコストファイルには、知財ツールファイルに関連付けれられた知財ツールのコスト、例えば権利化コスト、維持コスト等が蓄積されている。これは、例えば知財ツールを供給した方が良いかどうかの判断の際に参照される。
このような各ファイルの情報を目的に応じて利用した情報処理を行うことにより、経営資源毎の自社の現状の戦力分析等を行い、ユーザに対して、目標事業の候補の選別とそれに伴う経営資源の需給の判断を容易にさせる。
ルールファイル115には、自社/他社の経営資源の特徴を戦略的に評価・分析して定量化するための複数の評価ルールが格納される。本実施形態では、定性評価ルール、定量評価ルール、対応ルール、及び、関連度評価ルールを格納し、これらを用途に応じて、適宜組み合わせることにより、経営資源の特徴を互いに異なる複数の視点から定量化できるようにする。
定性評価ルールは、経営資源毎あるいは経営資源が関わる事業毎の相対評価、すなわちスコアリングによるランキング評価を行うための手法及びパラメータを定めたルールである。定量評価ルールは、一つの経営資源又は複数の経営資源の組み合わせによる定量評価、すなわち価額算定を行うための評価式の実行手順及びパラメータを定めたルールである。定性評価ルール及び定量評価ルールには、それぞれ評価目的を表す目的IDと、評価時に参照する参照データとが関連付けられている。事業毎又は経営資源毎の評価を行う場合には、その事業ID、経営資源IDとも関連付けられる。
定量評価ルールは、例えば経営資源が知財ツールの場合、図6に示される内容のものとなる。図6の例の場合、定量評価ルールR101の目的IDの欄には、添え字(n等)により区別される知財ツール(IP)の評価目的に対応するデータが設定される。例えば、「IPn」で識別される知財ツールを自社で保有する「現状維持」であれば「IPnH」、その知財ツールの「譲渡」であれば「IPnS」、「購入」であれば「IPnB」、「ライセンスアウト」であれば「IPnL1」、「ラインセンスイン」であれば「IPnL2」、のように、それぞれ目的IDが設定される。
各目的IDに関連付けられたフィールドの定量評価ルールの欄には、例えば評価のアプローチ手法、評価に使用する根拠情報、実行手順、使用する係数データの使用ルール等が設定される。使用する根拠情報としては、例えば、上述した経営戦略DB11に蓄積されている1又は複数種類の情報のアドレスが規定される(図6中、ad**10〜52)。アプローチ手法には、例えば市場価額を参考にするマーケットアプローチ(図6中、m1〜4)、収益額を算定するインカムアプローチ(ディスカウント・キャッシュフロー:DCF法又はその改良方法その他の評価手法:図6中、i1〜8)、実施料額に基づくロイヤリティアプローチ(図6中、r1〜r19)等のいずれかが規定される。実行手順は、実際に評価するときの順序である。例えば事業の評価の次に、製品、セールスポイント、知財ツールの順に評価を行う等である。それぞれ、社内事情に応じていくつかを選択することができる(p12〜p61)。使用する係数データは、評価目的に応じて異なるものが用意される(図6中、d211〜d601)。
各定量評価ルールに対応して、マーケットアプローチでは類似市場価格の統計データ、インカムアプローチでは分野別の評価式及びリスク係数等のパラメータ、ロイヤリティアプローチでは、分野別の国有特許実施料率及び係数が参照データとして、それぞれ目的IDに関連付けられて格納される。図6中、参照データの欄に示されている「i1101」、「i1102」、「m1105」、「L11110」、「L11112」は、それぞれ、参照データが格納されているファイルのアドレスである。
知財ツール以外の経営資源、あるいは、それらの組み合わせについても、図6の場合とほぼ同様に、予め戦略要素を考慮して定めた項目をもつ定量ルールを用意しておく。
対応ルールは、例えば事業が属する分野とその詳細な分類、経営資源の種類とその識別記号等、管理内容と装置内で認識可能な所属区分とを対応付けて定量化するためのルールである。図7は、この対応ルールの内容例を示した図である。図7(a)は分野と詳細分類との対応関係を示したものである。一例として、国際特許分類表に対応したルールR201を格納している。図7(b)は、経営資源の種類とそれぞれの所属区分とを対応付けたルールR301である。このほか、意匠分類、国際商標分類等も対応ルールの一つとして用いることができる。これらの対応表R201,R301のうち、右項目欄の詳細は、インタフェース画面のダイアログウインドウに詳細に掲載されており、ユーザが入力デバイスを使用して選択するだけで、該当する項目を識別するためのデータが入力される。対応ルールもまた、関連度データの生成等の際に利用される。関連度評価ルールは、活用の対象となる目標事業と経営資源との関連度合いを表現するためのルールである。これについては、後述する。
図2に戻り、端末装置1における他の各機能ブロックについて説明する。
通信制御部12は、図示しないメモリ領域に記録されているパラメータ及びプロトコルに従ってサーバ装置2との間で双方向通信を行うとともに、広域ネットワークWNに接続されている他の装置ないしシステムとのダイレクト通信を可能にする。通信制御部12は、また、広域ネットワークWNとの間に存在するファイアウォールも管理しており、自装置で管理する情報が外部装置によって窃取されることを防止している。
入力制御部13は、ユーザが操作する入力デバイス、図示しない社内情報蓄積手段、あるいは、広域ネットワークWNに接続されたサーバ装置2、他の端末装置1、公的機関システム3、データバンク4、第三者端末5、エキスパートシステム6からの情報の入力を受け付け、これらの情報を経営資源管理部15に伝達するための制御を行う。入力制御部13は、ユーザの最初の操作時には、ユーザ認証を行う。すなわち、認証用のインタフェース画面をディスプレイに表示させ、これに従ってユーザから権限情報が入力されたときに、この権限情報とオプションDB114に格納されている権限情報とを照合し、合致したときに、その操作権限レベルに応じた階層のインタフェース画面をオプションDB114より特定し、そのインタフェース画面をディスプレイに表示させる。インタフェース画面には、支援目的メニュー、すなわち、上述した目的IDと1対1に関連付けられた項目がメニュー表示される。入力制御部13は、また、インタフェース画面の表示により、入力デバイスを通じて入力された指示の内容を翻訳し、翻訳結果を主制御部10含む各機能ブロックに伝達する。例えば、ディスプレイに表示されたインタフェース画面のメニューの中から特定の項目が選択されたときに、その項目に対応付けられた内容を所定のルールに従い、各機能ブロック(図2に示された主制御部10、経営資源管理部15、関連度データ管理部16、通用データ管理部17)において認識可能なデータに変換する。そして変換後のデータを、それぞれ該当する機能ブロックに伝達する。他のインタフェース画面の表示を通じて選択される内容についても同様である。これにより、ユーザによる、事業の種類、目的ID、相関条件その他のデータの入力が、該当する機能ブロックに正しく伝達されることとなる。
出力制御部14は、ユーザからの指示に従い、ディスプレイ等に出力する情報の選別、編集、情報のマッピング、画像処理その他の出力制御を、ユーザが選択した用途に応じて行うことにより、様々な表現形態を演出する。図3〜図5に示した画面は、この出力制御部14による情報選別の結果得られたものである。出力制御部14は、ディスプレイに情報を表示させるタイミングをも制御する。
経営資源管理部15は、自社の経営資源のプッシュ/プルの創出支援に関する処理を行う。具体的には、DBマネージャ151と、情報の検索・分析エンジン152と、事業又は経営資源の価値評価機能を有する経営シュミレータ153とを補助モジュールとして含み、自社並びに他社が保有する経営資源の情報を管理するとともに、これらの経営資源の情報に基づくコンセプト創造、事業戦略立案、需給の要否判別その他の意思決定の支援のための処理を行う。
DBマネージャ151は、入力制御部13で受け付けた情報を選別して経営戦略DB11における該当DBに蓄積させ、各情報を適宜読み出し可能にする。検索・分析エンジン152は、例えば任意のキーワード入力による経営戦略DB11及び外部情報提供サイトからの情報の検索と、検索した情報に基づく各種分析を行う。分析は、例えば、競合組織の戦略、競合の経営資源の内容、経営資源の取引現状、リスク要因等について行う。
経営シュミレータ153は、ディスプレイに表示されるインタフェース画面のメニュー選択を通じて入力された、ユーザからのシミュレート目的と、それに必要な条件ないしパラメータ(各種変数)の受付を契機に、経営戦略DB11に蓄積されている各種情報を読み込み、読み込んだ情報と入力された条件ないしパラメータとを組み合わせた情報処理を行うことにより、事業の経営に対する事象の変化をシュミレートする。シミュレートを定性的に行う場合は、ルールファイル115に格納されている定性評価ルールを用いる。シミュレートを定量的に行う場合は、定量評価ルールを用いる。すなわち、ルールファイル115から特定された目的を表す目的IDに関連付けられた定性評価ルール/定量評価ルールと、経営戦略DB11に蓄積されている現状の経営資源の情報とを読み込み、各ルールに経営資源の情報を適用することにより、例えば、その事業における将来のリスクヘッジの予測、自社の経営資源の過不足、所定の条件を満たす経営資源によりどの程度の経済的価値を生み出すのか等を定量化することができる。
リスクヘッジは不確定要素の削除ないし損害の最小化であり、その予測は、例えば自社で保有する経営資源を他社に譲渡又はライセンスアウトしたときの予測利益幅と、その予測利益幅の変動から導かれる事業のリスクとを特定し、特定したリスクを組み込んだ譲渡等による利益が常に経営資源の自社管理と利用による利益を上回るような限界点を算出する、という処理である。
自社の経営資源の過不足は、いわゆる自社における経営資源の需給判別である。例えば目標事業を遂行する上で、ある経営資源が不足する、ある経営資源が必ずしも必要とされない、ある経営資源がまったく必要とされない、という結果を出力する処理である。経営資源が不足する場合は「需要」、経営資源が必要とされない場合は「供給」というように判別される。
所定の条件を満たす経営資源とは、例えば必要な知財ツールや資金等がすべて補充された場合の経営資源、あるいは、必要なものがいくつか補充されない場合の経営資源であり、その経済的価値の評価は、その経営資源によれば、例えばn年後にm円の超過利益が生じる、あるいは、損失が生じる、という結果を出力する処理である。
経営シュミレータ153は、また、自社の過去及び現在の財務情報をもとに将来の伸び率を計算し、これに基づいて経営資源のうち知財ツールを自社で獲得するために投入したリソース(金額換算)、その知財ツールを維持するために必要な資金、現状の知財ツールで生み出される利益、知財ツールを譲渡ないしライセンスアウトできる範囲、取引成立後の知財ツールを含む経営資源によりもたらし得る利益の範囲なども、評価の一つとして予測する。
経営シュミレータ153は、経営戦略DB11に既に蓄積されている経営資源の情報をベースとしたものに代えて、ユーザが直接入力した、あるいはユーザにより指定された経営資源に基づく擬似プランをオプションDB114から選び出し、選んだ擬似プランが類似する事業及び経営資源についての定量評価ルールに基づいて当該擬似プランの将来のビジネス展開をシュミレートするようにしても良い。そして、このシュミレート結果を、経営資源管理部14による定量評価結果としても良い。
なお、経営シミュレータ153については、製品版として種々のものが提供されているので、これを活用することもできる。例えば、株式会社エムピー経営から発売されているパッケージソフトウエア「MAP経営シミュレーションII」を経営シミュレータ153として使用することができる。
関連度データ管理部16は、経営資源管理部15との協働により、目標事業に対する経営資源との関連度合いを表す関連度データを生成する。関連度データは、複数の観点から定量化された複数の定量データ群を含む構造のデータである。関連度データ管理部16は、経営戦略DB11に蓄積されている各種情報と経営資源管理部15による分析・評価の結果情報に基づいて、及び/又は、ルールファイル115に格納されている関連度評価ルールに従って関連度データを生成する。
ここで、関連度評価ルールについて、詳しく説明する。目標事業と経営資源との関連度合いには、不確定要素が多い。例えば、経営資源が、製薬に関する特許の場合、通常、一つの製品について一つの特許がカバーし得るので、その特許が法的に有効で、市場性もあり、事業性も競争優位性もある場合、その特許の事業との関わり度合いは、ほぼ100%となり得る。これに対して、例えば電子装置のような多部品型の製品又はそれが関わるサービスでは、一つの製品ないしサービスに対して膨大な数の特許が関わる。この場合は、事業化容易性のほか、他社特許の数、他社特許に対する相対優位性の有無、技術的優位性の有無等が、その事業の遂行に大きな影響を与える。そのため、一つ々の特許の事業との関連度合いは、0〜数%程度にとどまる場合がある。著作権のような相対的独占権、商標権のように商品/サービスについての標章の使用権、意匠権のような物品の形態に関する排他的独占権の場合も同様のことがいえる。経営資源が人材の場合は、その人材の専門分野、スキル、性格等が、事業に大きな影響を与える。経営資源が物資の場合は、その性能、品質が事業に影響を与える。経営資源が資金の場合、通常は、それ単独では事業との関連度合いは低く、スキル及び意欲をもつ人材、物、情報、知財ツールとの連携によって事業との関わりが強くなる。事業と経営資源との間には、このような特殊な事情があるが、需要又は供給の候補となり得る経営資源の事業への関連度合いを最も良く知っているのは、通常は、その需要元又は供給元(ユーザ)であるという経験則がある。
そこで、本実施形態では、需要元又は供給元となり得るユーザへのアクションを促し、これにより得られたデータに基づく関連度データの生成手順を、経営資源の種類毎、分野ないし製品毎に定めたものを関連度評価ルールとした。
具体的には、ユーザにデータ入力等のアクションを起こさせるための複数の入力用画面をオプションDB114に用意しておき、これらの入力用画面をディスプレイに表示させるときのオプションDB114からの読み出し順序、階層構造、各入力用画面の表示を通じて入力あるいは生成されたデータについての重み付け係数を、経営資源の種類毎、分野ないし製品毎に変える。そして、入力された定量データの集合を、少なくともサーバ装置2において認識されるデータ構造に配列することにより、関連度データが生成できるようにする。
関連度データは、例えば図8(a)に示されるように、目標事業に活用される経営資源毎に、「需要/供給」の種別、「資源の種類」、その経営資源が活用される範囲を絞り込むための「関連範囲」、及び、その経営資源の特徴を互いに視点が異なる複数種類の評価ルールに基づいて定量化された「特徴データ」が、所定順に配列されたものとなる。
「需要/供給」の種別は、必要なパラメータをユーザが入力することで、上述した経営シミュレータ153により出力される需給の別を表現する一種の需給IDである。「資源の種類」は、図8(b)に例示された複数の項目のデータのいずれか又はそのいくつかがユーザにより設定される。これらの項目のデータは、図4(b)の右欄に示される記号によって定量化されたデータである。「関連範囲」は、図8(c)に例示される構造のデータである。すなわち、ユーザが選定した経営資源が関わる「分野」と、「セレンディピティ」及び「条件」の各データが構成要素となる。「分野」は選定された経営資源が技術あるいは特許の場合、図4(a)の分類欄のデータが設定される。「セレンディピティ」は、分類欄のデータが設定されたときに、その分類に属する語をキーワードとして自動的に連想支援DB113より抽出された連想語(セレンディピティ情報)が設定される。連想語は、ユーザも気がつかない意外性のある結果を得るために設定される。なお、このセレンディピティ情報の設定は、オフにすることもできる。「条件」は、サーバ装置2においてユーザが適合して欲しいと望む数値の範囲、例えば、需給が完全に一致することは稀である現実を鑑み、一定の範囲を決め、その範囲内で適合する情報を望む、という内容のものである。この「条件」を設定するかどうかも任意である。条件を設定しない場合は、サーバ装置2が定めた条件で適合度が判別される。
特徴データは、図8(d)に例示される項目のデータの集合、すなわちそれだけで定量データ群となるものである。図8(d)に例示される「A1」〜「E1」は、それぞれ、各々の項目についての評価結果を数値によって定量化したデータであり、「Σ」はその合計値である。「A1」〜「E1」の項目は、例えば、経営資源が特許の場合、一つの特許の事業又は製品への寄与度(A1)、事業化の容易性(B1)、市場性(C1)、競合に対する相対優位性(D1)、権利主張期間(E1)のような、それぞれ視点の異なる項目であり、合計値(Σ)が例えば0〜100点の範囲となるように各項目「A1」〜「E1」に重み付けがなされる。「A1」〜「E1」のすべてを均等の重み付けにする場合は、各項目について20点MAXの評価結果とすれば良い。数値ないし重み付けは、ユーザが必要なパラメータを入力することで、経営資源管理部15の経営シミュレータ153によって、自動的に計算されて出力される。
なお、「A1」〜「E1」の項目内容、項目数は例示であり、必要に応じて増加又は減少させることができる。また、合計値である「Σ」に代えて、平均値を設けることもできる。例えば図9(a)は、「A1」〜「E1」のすべての項目の評価結果と、その合計値を、特徴データの分布として表現したものであるが、図9(b)及び図9(c)に示されるように、いずれかの項目のみを選択し、選択した項目についての評価結果の平均値を合計値に代えて用いるようにしても良い。但し、項目数、項目内容をどのようにするかは、ネットワークシステム全体では共通のルールに従うことが望ましい。
このように、目標事業に対して需給の対象となる経営資源の関わり度合いが、定量データ群を含む関連度データで表現されるので、例えば、需給の組毎の経営資源の特徴同士の比較がきめ細かなものとなり、需給の適合度判別が緻密になることが期待される。また、セレンディピティ情報を含んで関連度データを生成しているので、ユーザが思いもかけない結果を得る可能性もある。なお、図9(a),(c)のような表現形態は、出力制御部14による描画処理によって実現することができる。
関連度データは、一つの事業において複数生成される場合がある。また、経営資源の「需要」のみならず、経営資源の「供給」が同時に存在する場合がある。例えば、自社において、特許の需要、特許の供給、技術者の需要、アライアンスパートナー(企業提携)の需要のように、複合的になる場合もある。
通用データ管理部17は、経営資源の特徴を表す特徴情報を、ネットワークシステムにおいて共通に認識可能なデータ形式で表現した通用データを生成し、これを例えば経営戦略DB11の所定領域(通用データ記録領域)に保持しておく。通用データは、例えば図10に示される構造のものである。すなわち、ヘッダと、複数の添付領域(図10の例では、添付#1,2)を含んで通用データを構成する。ヘッダは、それがどの関連度データと対応するかを示す情報が設定される。添付#1には、ユーザが入力した経営資源の特徴を表す特徴情報を、テキストデータのように他の端末装置1及びサーバ装置2が認識可能なデータ形式で記述したデータファイルが添付される。添付#2には、特徴情報に含まれる語をキーワードとして連想支援DB113より抽出したセレンディピティ情報が入力される。これにより、ユーザが意図する以上の予期せぬ情報を他のユーザに提示することができる。なお、必ずしも図10のようなデータ構造にしなければならないというものではない。
通用データの元になる特徴情報は、例えば、予め定めた通用データ入力フォーマットの画面をディスプレイに表示させ、これによってユーザより入力されたデータを所定順に配列することにより得られるものである。この特徴情報には、例えば経営資源が特許であれば、それが関わる技術の分野、どのようなビジネスに関係するかを表すビジネス適用データ、特許の効力が及ぶ範囲を端的に表現したデータ、その特許を保有する組織から提供される当該知財ツールのレビュー情報等が挙げられる。ビジネス適用データは、例えば、実施が可能な事業の種類、市場規模、各市場に投入し得る製品の種類、並びに、これらの製品等に対する知財ツールの寄与率等のデータである。
他の経営資源の場合も、上記と同様の手順で通用データを生成し、これを保持しておく。
通用データ管理部17は、また、サーバ装置2との通信が確立されたときに、需要又は供給の候補となる経営資源に対応する通用データを間接IDをキーとして読み出して、サーバ装置2へ伝達させるようにする。
関連度データ及び通用データが揃うと、主制御部10は、通信制御部12を通じて、関連度データ及び通用データを、ユーザの間接IDと共にサーバ装置2に伝達可能にする。関連度データは、需要のある経営資源のものについては需要元の関連度データ、供給の経営資源のものについては供給元の関連度データとなる。
[サーバ装置]
次に、サーバ装置2について説明する。サーバ装置2は、サーバ用プログラムと、サーバ機能搭載のコンピュータとを主たる構成要素として含む、外部記憶装置を備えた情報処理装置である。サーバ用プログラムは、ディスク等の可搬性記録媒体にコンピュータ読み取り可能な形態で記録されることにより、あるいは、広域ネットワークWNを通じてプログラムサーバ等からダウンロード可能な形態で流通するものである。本実施形態では、サーバ用プログラムによって、外部記憶装置に需給DB21を構築するとともに、サーバ機能搭載のコンピュータ内に、主制御部20、アクセス制御部22、需給管理部23及び戦略支援情報管理部24の機能を形成する。
需給DB21は、経営資源の需給に関する情報を蓄積するためのDBの集合である。具体的には、端末装置1から伝達された需要元の関連度データを当該需要元の間接IDと関連付けて蓄積する需要元DB211と、端末装置1から伝達された供給元の関連度データを当該供給元の間接IDと関連付けて蓄積する供給元DB212と、対象となる経営資源に関する紹介情報を蓄積するための紹介DB213と、連想支援DB214と、活用の対象となる経営資源に対してオプションサービスとして提供される種々の情報を蓄積するためのオプションDB215と、ルールブック216とを含む。需要元DB211と供給元DB212に蓄積される情報は、経営資源の種類毎に分類されている。
連想支援DB214は、端末装置1が備える連想支援DB113と同じ構造のものであるが、情報の使い方が多少異なる。端末装置1の連想支援DB113は、通用データ又は関連度データの一部となるセレンディピティ情報を導出するために使用するが、サーバ装置2の連想支援DB214は、需給の適合度判別の際に用いるセレンディピティ情報を導出する。
オプションDB215に蓄積されるオプションサービスに関する情報は、例えば、経営資源の取引契約に関する専門人材の紹介サービスに関する情報、事業の詳細情報の提供サービス、契約の仲介サービス等が挙げられる。これらは、アクセスしてきた端末装置1のディスプレイのインタフェース画面にそれぞれ項目の一つとして設けられ、ユーザにより選ばれたときに、その項目に対応するオプションサービスが起動され、実行されるようになっている。ルールブック216には、需給の適合度判別ルール、セレンデピティ変換ルールを含む各種ルールが格納される。
紹介情報DB213に蓄積される紹介情報は、例えば、端末装置1より各関連度データと共に伝達される通用データ、関連度データにより特定される経営資源と他者が保有する他の経営資源との相対評価結果データ、その経営資源に対する第三者の客観的な評価内容を表す評価情報、その経営資源又は目標事業に対する外部支援情報等が挙げられる。
通用データは、関連度データ及びそれと共に伝達された間接IDと関連付けられる。相対評価結果データは、全体に対する部分の相対的位置付けを表すデータ(統計データ、パテントマップデータ等)である。評価情報は、例えば経営資源が知財ツールの場合、法的評価、技術的評価、経済的評価のいずれかについて、第三者操作端末5より受け取った評価情報である。この評価情報は、供給元の通用データと関連付けておき、当該通用データを読み出すときに、この評価情報を併せて提供可能にする。これにより、その知財ツールについて購入したりライセンスインしたりする組織に客観的な判断材料を与えることができる。外部支援情報は、第三者操作端末5を通じて取得した知財アナリストレポートや最近の取引事例、競合の事業能力データ等であり、これも供給元の通用データと関連付けておき、当該通用データを端末装置1に提供するときに、評価情報に代えて、又は評価情報と共に提供可能にする。これにより、その端末装置1を操作するユーザが、経営資源を活用しようとする目標事業を選定することが容易となることが期待される。
主制御部20は、サーバ装置2として動作するために必要な各種制御を行う。また、必要に応じて、広域ネットワークWNに接続されている各種装置ないしシステムからの情報取得の制御、各端末装置1への情報提供の指示等を行う。
アクセス制御部22は、広域ネットワークWNに接続されているすべての装置ないしシステムとの間で、セキュリティ通信を可能にするものである。セキュリティ通信は、ごく単純には、所定の権限情報を伴うアクセスかどうかを認証し、認証されたアクセスのみとの通信を許容する暗号通信によって実現することができる。但し、他のセキュリティツールによって実現しても良いことは勿論である。
需給管理部23は、DBマネージャ231と、乱数発生デバイス232とを補助ツールとして含んでいる。DBマネージャ231は、需給DB21への各種情報の蓄積(ファイル構築)及びその読み出しを行う。乱数発生デバイス232は、例えば需給の適合度判別の際に偶然性を表出するための乱数を発生させるものである。需給管理部23は、これらの補助ツールを適宜起動し、また、ルールブック216に格納されている各種ルールを用いて、経営資源における需給の適合度判別と、需要元又は供給元への情報提供のための処理を主制御部20との協働により行う。
図12は、需給の適合度判別の概念を図示したものである。適合度判別は、需要元DB211に蓄積されているすべての需要元の関連度データと、供給元DB212に蓄積されているすべての供給元の関連度データとの各々に含まれる定量データ群の特徴同士の比較を、需給の種別を表すデータ(需給ID)により特定される需要元(需)と供給元(給)の組毎に行う。適合度判別には、適合度判別ルールR501、セレンデピティ変換ルールR502を用いる。必要に応じて、乱数発生デバイス232で発生した乱数を適合度判別のパラメータ、例えば適合すると判定する範囲を表す数値として用いる。
適合度判別ルールR501は、どの範囲のものを適合度有りとするかを定めたルールである。例えば、経営資源の種類(図8(b))が同じで、関連範囲における「分野」(図8(c)参照)も同じで、定量データ群(図8(d))が表す特徴間の相違が、予めシステム内で定めた条件に適合するものを「適合度有り」とする、という単純な内容のルールであっても良いが、関連範囲(図8(c)に含まれるユーザ指定の「条件」に従う条件に適合するかどうかを判別することが、求めるものを探そうとするユーザのニーズに合致する。例えば、ユーザが、関連範囲は「分野」のみならず「セレンディピティ」を含めて適合し、かつ、特徴データの「Σ」同士の適合度が20%以上、「A1」同士の適合度が20%以内、「b1」の適合度が30%以内・・・のような条件を指定した場合、その条件に合致するものを「適合度有り」とするルールにすることが好ましい。
セレンディピティ変換ルールR502は、例えば、ユーザが関連範囲で「セレンディピティ」を指定していない場合に、サーバ装置2の方でセレンディピティ情報を適合度判別のパラメータ(使用する情報の種類を定める変数)に含めるためのルールを定めたものである。例えば「分野」のデータに含まれる語をキーワードとして連想支援DB214より、そのキーワードから派生する、あるいは連想される情報を抽出し、この情報を上記の「セレンディピティ」に付加して適合度判別を行う。
上記の適合度判別ルールR501等を用いた需給の適合度判別の具体例を図13に示す。図13の例では、需要元DB211には、その先頭フィールドに需給IDである「J」が設定され、次いで、需要のある資源の種類を表すデータ「ALm」、「IPn」、「IPm」、「IPq」・・・、分野を表すデータ「H03」、「C12」・・・、特徴データとして複数の項目データの合計値を表す数値「20」、「70」、「85」が設定された複数の関連度データが、需要元の間接IDである「szk0101」、「abc0204」、「def0311」と関連付けて格納されている。他方、供給元DB212には、その先頭フィールドに供給IDである「K」が設定され、次いで、需要のある資源の種類を表すデータ「IPa」、「IPb」、「IPc」・・・、分野を表すデータ「H03」・・・、特徴データとして複数の項目データの合計値を表す数値「40」、「80」、「90」が設定された複数の関連度データが、供給元の間接IDである「ghi0355」、「jkl0380」、「mno0360」と関連付けて格納されている。資源の種類を表すデータは、図7(b)に例示されたものであり、分野を表すデータは、図7(a)に例示されたものである。図示の例では、「条件」や「セレンディピティ」については付加されておらず、サーバ装置2が設定したものを用いるものとしている。サーバ装置2において、「分野」が同じで「特徴データ」が10〜30%の範囲になる関連度データ同士を「適合有り」と判別する適合度判別ルールを用いるものとすると、サーバ装置2は、需要元DB211における関連度データ「J・IPn・H03・85・・・szk0101」が、供給元DB212における2つの関連度データ「K・IPa・H03・90・・・ghi0355」、「K・IPb・H03・80・・・jkl0380」とそれぞれ適合すると判定する。そして、需要元の端末装置1に、2つの供給元の通用データを提供可能にする。このとき、これらの資源についての評価情報、外部支援情報等が関連付けて記録されているときは、これらも併せて提供可能にする。他方、2つの供給元の端末装置1には、それぞれ同じ需要元の通用データを提供可能にする。その際、2つの供給元となる端末装置1には、それぞれ他の供給元となる端末装置1同士の存在を秘匿する。これは、例えば、関連度データの先頭フィールドに存在する需給IDを識別し、需要元及び供給元の双方向のうち一方からしか認識できないように関連度データをフィルタリングすることにより実現することができる。あたかも「マジックミラー」がそこに存在する如きの処理である。
戦略支援情報管理部24は、各組織又は個人における経営資源のプッシュ/プルの創出支援に関する処理を行う。具体的には、アクセスしてきた各端末装置1のディスプレイに、紹介情報DB213及びオプションDB215に蓄積されている情報を表示させ、各端末装置1のユーザが望む紹介情報を提供したり、経営資源の取引契約に関する専門人材の紹介サービス、事業の詳細情報の提供サービス、契約の仲介サービス等を行う。
[運用例]
次に、上記のように構成されるネットワークシステムの運用例を説明する。前提として、端末装置1では、アクセス制御部13により、ユーザ認証を終えており、サーバ装置2もまた、各端末装置1との認証を終えているものとする。
(1−1)コンセプトの創造支援
各端末装置1は、コンセプトの創造支援を行う機能を有する。経営資源の需給を判断する際に、ユーザは、この機能を選択することができる。コンセプトの創造支援の機能が選択されると、端末装置1の経営資源管理部15は、検索・分析エンジン151を起動させ、経営戦略DB11に蓄積されている多種多様の情報からコンセプトレベルの情報を選別するための処理を行う。つまり、ユーザの曖昧としたアイデアを形にしていく処理を行う。この処理は、ユーザが、ランダムに複数の語又は語句を入力することにより開始される。検索・分析エンジン151は、ユーザからの多数の語又は語句の入力を受け付けると、経営戦略DB11を検索して、既に蓄積されている情報に含まれる短いフレーズを多数抽出する。このとき、連想支援DB113から、入力された語又は語句に関連するキーワードを抽出し、これらのキーワードを含む短いフレーズを生成して出力する。例えば入力された語又は語句が「新規事業、新規分野の開拓、子ども向け、ニッチ、健康、投資最小限、地域限定」とすると、検索・分析エンジン151は、「噛む力を養うマシュマロ」、「歩数計」、「○○でサッカー」、「小型ペンダント型のアロマディスペンサー・・・」等というフレーズをたて続けに出力する。これらのフレーズは、端末装置1のディスプレイに逐次表示される。ユーザは、これらのフレーズを見て、コンセプトを膨らませる。新たな語又は語句を入力して関連市場の情報等を詳しく絞り込んでいくと、アロマディスペンサーは、子ども向けにキャラクターデザインも可能だし、マイクロ発信技術を応用してボタン電池の低電力で1年間使用可能だし、安全性も高いことがわかる。新型のインフルエンザを抑える効果が最近立証されたと報道されているアロマ成分を、このアロマディスペンサーに組み込めば、ニッチのポジショニングリーダの座を確保するのは、比較的簡単かもしれない、とユーザは、コンセプトを膨らます。
(1−2)関連度データ及び通用データの生成
上述したコンセプト創造支援の結果、ユーザは、アロマディスペンサーの製造・販売を目標事業として設定し、その目標事業に必要な経営資源と、今後のビジネス展開の予測を、経営シュミレータ152に行わせる。この予測によれば、ビジネス展開は良好だが、マイクロ波発振に係る技術と、それに関する特許がアロマディスペンサーを作るのに不可欠になるだろうということがわかる。同時に、マイクロ発振の技術は自社にはない技術であり、さらに、その技術についての特許も保有していない、人材も必ずしも充分でないこともわかる。そこで、ユーザは、目標事業に対する経営資源の需要がある旨を表す関連度データと通用データとを端末装置1に生成させる。関連度データは、需要を表す識別データと、需要のある資源の種類と、アロマディスペンサーの分野、セレンディピティ情報及び条件を含む関連範囲のデータと、特徴データである。条件は、特徴データのうち、特許については、経営シミュレータ152により導出された数値を表す定量データ群と、需要のある特許の法的安定性を重視する重み付け係数と、「Σ」が50%の範囲で適合するというデータとする。通用データは、例えば「アロマディスペンサー、芳香、雲霧、マイクロ波発振、インフルエンザ抑制・・・」のような特徴情報をもとに生成する。
端末装置1は、このような関連度データと通用データとを、自己の間接IDと共に、サーバ装置2に送信する。
(1−3)需給の適合度判別
サーバ装置2(需給管理部23)は、需要元DB211及び供給元DB212に蓄積されている各端末装置1からの関連度データのうち、上記の条件データに適合する範囲の需給の組を、例えば図13に例示した要領で特定する。そして、需要元に係るユーザの端末装置1には、条件データに適合する供給元の通用データ及び間接IDを配信する。その通用データに評価情報又は外部支援情報がリンクされているときは、それらの情報も配信する。
(1−4)経営資源の取引判断支援
ユーザは、端末装置1に配信された通用データその他の情報を参考にして、供給元の経営資源が自社にとって魅力的なものかどうかを判断する。その経営資源が自社にとって有用と判断したときには、サーバ装置2に、ダイレクト交渉、あるいは、専門家を媒介させた交渉を依頼する。サーバ装置2は、ダイレクト交渉のときには、間接IDを送出した供給元にその旨を連絡し、当事者間の個人情報の受け渡しの支援を行う。専門家を媒介させた交渉依頼のときは、専門家の派遣等を行う。なお、ユーザAが、端末装置1からサーバ装置2に対して、交渉のコンサルタント支援要請を行うこともできる。
このようにして、自社の戦力に応じた交渉が可能になる。
[第1実施形態の変形例]
第1実施形態では、サーバ装置2から需要元に係る端末装置1には供給元の通用データ、評価情報、間接ID(供給元情報)を提供可能にし、他方、供給元に係る端末装置1には需要元の通用データ、間接ID(需要元情報)を提供可能にする例を示したが、適合相手の関連度データを併せて提供可能にする形態も可能である。すなわち、サーバ装置2から需要元に係る端末装置1には供給元の通用データのほかに供給元の関連度データを供給元情報に含めて提供可能にし、他方、供給元に係る端末装置1には需要元の通用データのほかに需要元の関連度データを需要元情報に含めて提供可能にしても良い。このような適合相手の関連度データを受け取ることにより、端末装置1では、受け取った関連度データと自社の関連度データとの詳細な適合度を、より詳細に分析することができる。
このように、本実施形態のネットワークシステムによれば、サーバ装置2からユーザの端末装置1に、需要に適合する可能性の高い経営資源の供給元情報が提供されるので、自社で必要とする内容の経営資源が、どこに、どの位あるかという情報の取得が容易になり、ユーザに対するプル創出の支援が実現される。他方、経営資源を供給したいユーザの端末装置1には、その供給に適合する可能性の高い経営資源の需要元情報が提供されるので、それぞれ自社が供給可能な経営資源の需要がどこに、どの位あるか、という情報の取得が可能になり、ユーザに対するプッシュ創出の支援が実現される。これにより、事業戦略と経営資源のマッチングによる適材適所が可能になる。このネットワークシステムがなければ、お互いに敷居が高い場合であっても、本システムを通じてアクセスが可能となるという効用もある。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この実施形態では、第1実施形態において説明したサーバ装置2、特に、連想支援DB214を用いた検索機能を強化したものである。活用の対象となる資源の情報が、サーバ装置2からユーザの端末装置1に配信されたとしても、ユーザは、その資源の情報の確からしさを検証するために、さらなる情報検索をするのが一般的である。この場合、従来の検索エンジン、例えば米国Google社が提供している著名な「Google」では、多数のページからリンクされているページを「有用な情報をもつページ」と判断してランクを上げ、また、ランクの高いページからリンクされたページも高い評価を得るようにランク付けすることで、「よく参照される人気の高いページ」が上位に表示されるようにしている。最近は、ある検索キーワードに対する類義キーワードの提供サービスも行われている。しかし、このような検索エンジンによって手にする情報は、結局のところ、同質的なものとなる。リンクを貼るページと貼られるページとが同質的な内容のものだからである。従来の検索手法では、島宇宙のように分断して散在する情報ないし知識の小集団の連結が必ずしも充分なものとはいい難い。異質な情報に巡り合う偶然性及び意外性を備えたDB及び検索エンジンこそが、上述したコンセプト創造の発想の幅を広げ、散在する情報や知識の間に相互の関連性を見つけて新たな知を創発すると考えられる。斬新なコンセプト創造に基づいて新規事業・新商品の創出等の目的を達成するには、Googleに代表される従来型の検索手法では限界がある。この限界を打ち破る一手法となるのが、本実施形態で説明する検索手法である。
この実施形態のサーバ装置2は、例えば経営資源の需給に関する情報を受け取り、それに基づいてさらなる情報検索を望むユーザに対して、異質な情報に巡り合う偶然性及び意外性・連想性の機会を与えるものである。この実施形態では、キーワードなる用語を用いるが、これらを特に区別する必要がある場合は、キーワードのうち、ユーザが常用するキーワードを常用キーワード、常用キーワードのうち処理のターゲットとするキーワードを標題キーワード、常用キーワードのうち標題キーワードから連想される可能性のあるキーワードを連想キーワード、実際に検索に用いるキーワードを検索キーワード、ユーザがサーバ装置2に問い合わせるキーワードを検索キーワード候補と称する。
本実施形態のサーバ装置2は、図11に示した第1実施形態の構成に加え、さらに、図14に例示する機能及びDBを備えるものとした。
すなわち、外部装置との入出力制御を行うI/O制御部31、上述した各種キーワードの記録/読み出し等の管理を行うキーワード管理部32、関連性テーブルの生成ないし更新を行うテーブル管理部33、ユーザからの要求を受け付ける要求受付部34、新規な検索エンジンである検索部35、検索結果を評価する評価部36の機能を形成するとともに、記憶装置に、キーワードDB37を構築する。
I/O制御部31に接続される外部装置は、例えば、標題キーワードや連想キーワードとなり得るキーワードを抽出するためのソース・ドキュメント・データの入手源、常用キーワードの元となる電子辞書データの蓄積源、あるいは、情報要求を行う端末装置1である。
キーワードDB37には、電子辞書データあるいはユーザにより指定されたデータである複数の常用キーワードが、個々の常用キーワードを識別するためのIDと共に格納される。常用キーワードは五十音順にソートされている。IDは、ソートされた各常用キーワードと1対1に対応付けられたインデックス番号である。本実施形態で扱うキーワードは、すべてこのインデックス番号により一意に識別される。
サーバ装置2は、まず、ソース・ドキュメント・データからの標題キーワードと連想キーワードとの抽出を行い、両者の関連性を導出する。図15は、このときのサーバ装置2の動作手順説明図である。図15を参照すると、キーワード管理部32において、ソース・ドキュメント・データをページないしファイル単位(ページの概念がないデータの場合はファイル単位とする)で読み込む(ステップS201)。このとき、必須の処理ではないが、ページ内あるいはファイル内のデータの適切性診断を行う(ステップS202)。適切性診断は、データが故意に統計データを意識したようなデータでないかどうかを調べる処理である。例えば、一文の中に同じキーワードが複数連続して存在する場合は、不適切なデータであるとして、そのページ又はファイルからの読み出しを中止する。
適切性診断の結果、適切なデータであった場合、キーワード管理部32は、読み込んだファイルの標題領域を、文字認識等において用いられる公知の領域切り出し処理によって特定する。標題領域は、ファイルの先頭のヘッダ部分の領域であり、ソース・ドキュメント・データの種類によっても異なるが、例えば、「はじめに」や「プロローグ」等の見出しが付けられた領域である。このような見出しが存在しない場合、先頭から数百単語程度の塊の部分を標題領域としても良い。一般に、ビジネス文書からエッセイ、Webページに至るまで、結論から先に書くということが一般的になっている。重要なキーワードは、標題領域に出現する傾向がある。そこで、このような重要なキーワードを特定するために、標題領域から所定数の文字を抽出し、接続詞や空白、濁点、記号、英単語などを境とした単語分割により、キーワード抽出を行う(ステップS203)。
次に、抽出されたキーワードの数を累計し、最も出現頻度の高いものを特定する。そして、キーワードDB37を参照し、合致する常用キーワードがキーワードDB37に存在すれば、その常用キーワードを標題キーワードとして定める(ステップS204)。合致する常用キーワードがキーワードDB37に存在しなければ、次に出現頻度の高いキーワードと合致する常用キーワードを探しだし、見つかった場合は、それを標題キーワードとして定める。
その後、ページ又はファイルの先頭から最後まで、再び単語分解を行い、標題キーワード以外のキーワードを抽出するとともに、抽出したキーワードと同じ常用キーワードがキーワードDB37に存在するかどうかを確認する。存在すれば、各キーワードを連想キーワードとして定め、それぞれインデックス番号を付与する。そして、連想キーワード毎の出現頻度をスコアリングする。このスコアリング結果を、本実施形態では標題キーワードに対する個々の連想キーワードの連想度する(ステップS205)。連想度は、各連想キーワードの出現数を、標題キーワードが存在するページ又はファイル内に存在するキーワード総数で除算し、100を乗じて得られるパーセント表示の数値である。所定ルールに従ってポイント換算したものを連想度として用いることもできる。ここでの単語分解は、標題キーワードとの連想度を細かくチェックできるようにするために、できる限り、細かいレベルで行う。例えば、「知的財産の本」という語句がページ内に存在した場合、好ましくは、「知的」、「財産」、「の」、「本」の4つの単語に分解する。この文での「本」というキーワードの連想度(出現頻度)は1÷4×100=25%となる。その後、適切な連想度の範囲を以下のルールで判別する。
過小値<適切な連想(1〜10%)<過大値
過大値は、ページ又はファイル全体で過剰に出現することを意味する。これは、連想度を偏らせる結果となるために除かれる。過小値は、殆ど使われることがないため、同様の理由から除かれる。
このようにして、標題キーワードが存在するページないしファイル内における複数の連想キーワードの連想度が導出されると、キーワード管理部32は、テーブル管理部33に、関連性テーブルの管理を行わせる。テーブル管理部33は、標題キーワードとそのインデックス番号とをキーワードDB37から抽出するとともに、各連想キーワードのインデックス番号並びに各々の連想キーワードについて導出された連想度(%)を標題キーワードと関連付けることにより、当該標題キーワードと各連想キーワードとの関連性を表す関連性テーブルを生成する(ステップS206)。
以上の処理を他のページないしファイルについて繰り返す(ステップS207:Yes)。これにより、関連性テーブルが、標題キーワード毎に生成され、連想支援DB214に格納される。
次に、関連性テーブルを用いた情報検索の手順を説明する。図16は、このときのサーバ装置2の動作手順説明図である。
ユーザが、端末装置1を操作して、資源の活用支援に関わる情報を検索するために、検索キーワード候補を伴う検索要求をサーバ装置2に送信する。サーバ装置2は、要求受付部34でその要求を受け付けると(ステップS301)、検索部35が、検索キーワード候補に適合する標題キーワードの関連性テーブルが連想支援DB214に存在するかどうかをサーチする(ステップS302)。関連性テーブルが存在しない場合は、以後の検索処理を中止する(ステップS303;No)。存在するときはその関連性テーブルに記録されているいくつかのインデックス番号に基づいてキーワードDB37のキーワード領域から各インデックス番号に対応する連想キーワードを特定する(ステップS303;Yes、S304)。そして、これらをリストアップしたリストを生成するとともに、このリストにリストIDを付与し、リストIDとリストアップした連想キーワードのインデックス番号とを図示しないテンポラリファイルに記録する。リストアップされた連想キーワードが、それぞれ検索キーワードとして採用され得る潜在検索キーワードとなる。テンポラリファイルへの記録を終えると、検索部35は、各連想キーワードのリストをリストIDと共に、検索要求を発した端末装置1へ提供する(ステップS305)。
リストを受け取った端末装置1において、いずれかの連想キーワードが検索キーワードとして採用されると、リストIDとそのリスト内で採用された連想キーワードのインデックス番号とが、サーバ装置2に返信される。これによって評価部36は、テンポラリファイルを参照することで、どの連想キーワードが端末装置1において検索キーワードとして採用されたかを検知し、その結果をテーブル管理部33に伝達する。テーブル管理部33は、評価部36による検知回数を計算し、計算結果を当該連想キーワードのインデックス番号と関連付けて関連性テーブルに累積的に記録する(ステップS306;Yes、S307)。この検知回数が連想キーワードの利用度を表す情報となる。テーブル管理部33は、関連性テーブルの記録内容が更新される度に、そのソートを行う。関連性テーブルは、先頭フィールドの標題キーワードに対して連想度の高い連想キーワードのインデックス番号ほど先のフィールドに並び替えられる。利用度は、付随的な情報として記録される。
リスト内の他の連想キーワードの採用を検知した場合はステップS306以降の処理を繰り返す(ステップS308;No)。
このようにして更新される関連性テーブルの例を図17に示す。図17の例では、「知的財産」が標題キーワードとして定められている。この「知的財産」とキーワードDB37におけるインデックス番号(「知的財産」のID;「1287366」)が先頭フィールドに格納され、連想度の高い順に、「特許」のインデックス番号「1215245」とその連想度「20.13」及び利用度「0012」、「法務」のインデックス番号「1183324」とその連想度「10.31」及び利用度「0052」、「商標」のインデックス番号「5247122」とその連想度「08.66」及び利用度「0102」・・・が格納される。
ところで、上述したステップS304の処理におけるいくつかの連想キーワードの特定及びステップS305の処理におけるリストの作成は、例えば以下のように行う。
すなわち、図17に例示した関連性テーブルの記録情報から、連想度(出現頻度)が相対的に高いいくつかの連想キーワードのID、連想度が相対的に低いいくつかの連想キーワードのID、利用度(検知回数の累積値)が相対的に高いいくつかの連想キーワードのID、利用度が相対的に低いいくつかの連想キーワードのID、連想度又は利用度のうち検索要求の発信元となる端末装置1が指定した範囲内の連想キーワードのIDの少なくともいずれかを特定し、特定したIDに対応する連想キーワードのリストを生成する。生成される連想キーワードのリストは、例えば図18(a)に示されるものとなる。図中、右上に示される「List-ID102355」がリストIDである。
図18(a)において、「トップ5」は、標題キーワード「知的財産」との連想度が高い上位5つの連想キーワード、「ボトム5」は、標題キーワード「知的財産」との連想度が最も低いものからカウントして5つの連想キーワード、「ランダム5」は、乱数発生デバイス232が発生した乱数によって連想度又は利用度が特定される5つの連想キーワード、「ユーザ設定5」は、検索要求の際にユーザが設定した条件(例えば、利用度が上位、分野が同じで連想度が上位等)により特定される5つの連想キーワードである。このようなリストからユーザが検索キーワードとして「繊維」と「薬品」の2つを採用したことを示したのが図18(b)である。この「繊維」と「薬品」のIDがリストIDと共に、サーバ装置2に伝達されることにより、サーバ装置2側で、その利用度(回)を関連性テーブルに累積的に記録することになる。
このようなリストを検索要求の発信元に送信することにより、発信元のユーザに、自分でも気がつかなかった異質の情報に触れる機会を与えることができる。これにより、同質の情報しか得られない従来型の検索手法に比べて、より幅を拡げた情報検索が可能になり、資源活用に関する選択幅を格段に拡げることができるという、優れた効果が期待できる。
なお、図18(a),(b)では、便宜上2〜3文字からなるキーワードの例を挙げているが、文字数は任意である。また、必ずしも5つの連想キーワードに限る必要はない。
以上、本発明を複数の実施形態をもとに説明したが、本発明のネットワークシステムは、サーバ装置2として独立して存在する情報処理装置のみならず、端末装置1にサーバ機能を付加した装置を用いて実施することができる。
また、以上の説明では、経営資源を、活用対象となる資源の例として挙げたが、本発明は、必ずしも経営に直結しない公共的な用途に用いる資源にも同様に適用が可能である。
本発明の実施の形態例となるネットワークシステムの全体構成図。 本実施形態の端末装置の機能ブロック構成図。 知財ツールを中心に分類された資源情報を検索するときのインタフェース画面例を示した図。 (a)は自社特許の整理・分類結果の画面例、(b)は意思決定ツールの一つであるデシジョンツリーの画面例、(c)はヒューマンリソースの内容を示した画面例を示した図。 (a)はマーケティング情報の画面例、(b)は財務情報の画面例、(c)はコストの画面例を示した図。 定量評価ルールの内容例を示した図。 (a)、(b)は、それぞれ対応ルールの内容例を示した図。 (a)は関連度データの構造例、(b)は関連度データにおける資源の種類、(c)は関連度データにおける関連範囲、(d)は関連度データにおける特徴データ(定量データ群)を示した図。 (a)は、5つの項目の評価結果及びその合計値を含む特徴データの例、(b)は3つの項目に絞り込んだ例、(c)は(b)のように絞り込んだ項目の評価結果及びその平均値を含む特徴データの例を示した図。 通用データの構造説明図。 本実施形態によるサーバ装置の機能ブロック構成図。 サーバ装置における適合度判別の概念説明図。 適合度判別の具体例を示した説明図。 本発明の第2実施形態となるサーバ装置の追加分の機能構成図。 標題キーワード毎の関連性テーブルを生成するときのサーバ装置の動作手順説明図。 検索要求に基づいて連想キーワードを提供するときのサーバ装置の動作手順説明図。 関連性テーブルの内容例を示す図。 (a)は連想キーワードのリストの一例を示した図、(b)はユーザによってリストから選択された連想キーワードの説明図。
符号の説明
1・・・端末装置、2・・・サーバ装置、3・・・公的機関システム、4・・・データバンク、 5・・・第三者操作端末、6・・・エキスパートシステム、10・・・端末装置の主制御部、11・・・経営戦略DB、111・・・内部資源DB、112・・・外部資源DB、113・・・連想支援DB、114・・・オプションDB、115・・・ルールファイル、12・・・端末装置の通信制御部、13・・・端末装置の入力制御部、14・・・端末装置の出力制御部、15・・・端末装置の経営資源管理部、151・・・DBマネージャ、152・・・検索・分析エンジン、153・・・経営シミュレータ、16・・・関連度データ管理部、17・・・通用データ管理部、20・・・サーバ装置の主制御部、21・・・需給DB、211・・・需要元DB、212・・・供給元DB、213・・・紹介情報DB、214・・・連想支援DB、215・・・オプションDB、216・・・ルールブック、22・・・サーバ装置のアクセス制御部、23・・・戦略支援情報管理部、31・・・I/O制御部、32・・・キーワード管理部、33・・・テーブル管理部、34・・・要求受付部、35・・・検索部、36・・・評価部、37・・・キーワードDB、WN・・・広域ネットワーク。

Claims (12)

  1. それぞれネットワークを介して接続されたサーバ装置及び複数のユーザ装置により実行される方法であって、
    事業に活用される複数種類の資源のうち、少なくともいずれかの資源の需要元となり得るユーザにより操作される第1ユーザ装置及び前記少なくともいずれかの資源の供給元となり得るユーザにより操作される第2ユーザ装置が、それぞれ、事業に対する当該資源の関わり度合いを、当該資源の種類を表す種類データと、適合して欲しい範囲を絞り込むための範囲データと、当該資源の特徴を互いに視点が異なる複数種類の評価ルールに基づいて定量化した特徴データとを含む定量データ群に変換するとともに、当該資源について他のユーザに伝達するための特徴情報を、他のユーザ装置が認識可能なデータ形式の通用データに変換し、前記定量データ群及び前記通用データを当該資源の需要元又は供給元を識別するための需給IDと共に、前記サーバ装置へ送信する段階と、
    前記サーバ装置が、前記第1ユーザ装置及び前記第2ユーザ装置より受信した定量データ群及び通用データを、それぞれ前記需給IDと対応付けて所定の記憶装置に蓄積するとともに、蓄積されている定量データ群のうち前記特徴データの表す特徴同士の比較を、前記種類データの表す資源の種類について前記需給IDにより特定される需要元と供給元の組毎に行うことにより、当該資源の需要と供給との適合度を判別し、前記第1ユーザ装置には前記適合度が前記範囲データの表す範囲となる供給元の通用データを提供可能にし、他方、前記第2ユーザ装置には前記適合度が前記範囲データの表す範囲となる需要元の通用データを提供可能にする段階とを含む、
    資源の活用支援方法。
  2. ネットワークを介して接続されるサーバ装置と共に、資源活用支援のためのネットワークシステムを構成する情報処理装置であって、
    自装置を操作するユーザが、事業に活用される複数種類の資源のうち需要のある前記資源又は供給可能な前記資源の前記事業に対する関わり度合いを、当該資源の種類を表す種類データと、適合して欲しい範囲を絞り込むための範囲データと、当該資源の特徴を互いに視点が異なる複数種類の評価ルールに基づいて定量化した特徴データとを含む定量データ群に変換する第1のデータ変換手段と、
    前記需要のある資源又は前記供給可能な資源について他のユーザに認識させるための特徴情報を、前記サーバ装置及び他の情報処理装置が認識可能なデータ形式の通用データに変換する第2のデータ変換手段と、
    前記定量データ群及び前記通用データを、それぞれ当該資源の需要元又は供給元を識別するための需給IDと共に前記サーバ装置へ送信するとともに、前記定量データ群のうち前記特徴データの表す特徴同士の比較を、前記種類データの表す資源の種類について前記需給IDにより特定される需要元及び供給元の組毎に行うことにより、当該資源の需要と供給との適合度を前記範囲データの表す範囲で判別した前記サーバ装置から、供給元の前記通用データを含む供給元情報、又は、需要元の前記通用データを含む需要元情報のいずれかを受信する通信手段と、
    この通信手段で受信した供給元情報又は需要元情報を、所定の出力装置を通じて前記ユーザへ提示可能にする出力制御手段とを有する、
    情報処理装置。
  3. キーワード毎に収集した、当該キーワードから連想され得る情報であって前記ユーザ以外の者により選定され、あるいは、前記ユーザ以外の者の行為に起因して生じたセレンディピティ(serendipity)情報を当該キーワードと関連付けて蓄積した連想支援DBをさらに備えており、
    前記第2のデータ変換手段は、前記特徴情報に含まれるキーワードに対応する前記セレンディピティ情報を前記連想支援DBより抽出し、抽出したセレンディピティ情報を当該特徴情報に含めて前記通用データに変換する、
    請求項2記載の情報処理装置。
  4. 前記第1のデータ変換手段は、前記資源の特徴に含まれるキーワードに対応する前記セレンディピティ情報を前記連想支援DBより抽出し、抽出したセレンディピティ情報を当該資源の前記特徴に含めて前記定量データ群に変換する、
    請求項3記載の情報処理装置。
  5. ネットワークを介して接続される複数のユーザ装置と共に、資源活用支援のためのネットワークシステムを構成する情報処理装置であって、
    各ユーザ装置から、事業に活用される複数種類の資源のうち需要のある前記資源又は供給可能な前記資源の前記事業との関わり度合いが、当該資源の種類を表す種類データと、適合して欲しい範囲を絞り込むための範囲データと、当該資源の特徴が互いに視点の異なる複数種類の評価ルールに基づいて定量化された特徴データとを含む定量データ群、及び、当該資源について他のユーザ装置に認識させるための特徴情報が他のユーザ装置が認識可能なデータ形式に変換された通用データを、それぞれ当該資源の需要元又は供給元を識別するための需給IDと共に受信する受信手段と、
    受信した各ユーザ装置からの前記定量データ群並びに前記通用データを前記需給IDと対応付けて蓄積する需給DBと、
    この需給DBに蓄積されている定量データ群のうち前記特徴データの表す特徴同士の比較を、前記種類データの表す資源の種類について前記需給IDにより特定される需要元と供給元の組毎に行うことにより需給の適合度を判別し、需要元に係るユーザ装置には前記適合度が前記範囲データの表す範囲となる供給元の通用データを含む供給元情報を提供可能にし、他方、供給元に係るユーザ装置には前記適合度が前記範囲データの表す範囲となる需要元の通用データを含む需要元情報を提供可能にする需給管理手段と、を備えて成る、情報処理装置。
  6. 前記需給管理手段は、各ユーザ装置から、そのユーザ装置を操作するユーザの属性を間接的に識別するための間接IDを受信し、受信した間接IDを当該ユーザ装置からの前記通用データと関連付けて蓄積して、当該資源の需要元が複数となる場合には、前記供給元の通用データを提供する際に当該供給元の間接IDを提供可能にするとともに他の需要元の間接IDを秘匿し、他方、当該資源の供給元が複数となる場合には、前記需要元の通用データを提供する際に、当該需要元の間接IDを提供可能にするとともに他の供給元の間接IDを秘匿する、
    請求項5記載の情報処理装置。
  7. 複数のキーワードを、個々のキーワードを識別するためのIDと共に格納したキーワードDBと、
    前記キーワードDBに格納されているいずれかのキーワードを標題キーワードとして定めるとともに、ソース・ドキュメント・データから抽出した、前記標題キーワードを除く複数のキーワードのうち、前記キーワードDBに格納されているものと同じキーワードをそれぞれ連想キーワードとして定め、前記ソース・ドキュメント・データにおける前記連想キーワード毎の出現頻度を導出するキーワード管理手段と、
    前記標題キーワードと導出された各連想キーワードについてのIDとをそれぞれ前記キーワードDBから抽出するとともに、各連想キーワードのID並びに各々の連想キーワードについて導出された前記出現頻度を前記標題キーワードと関連付けることにより、前記標題キーワード毎に、当該標題キーワードと各連想キーワードとの関連性を表す関連性テーブルを生成し又はその記録情報を更新するテーブル管理手段と、
    前記資源の活用支援に関わる情報を検索するための検索キーワード候補の入力を受け付けるキーワード候補受付手段と、
    このキーワード候補受付手段で受け付けた検索キーワード候補に適合する標題キーワードについての関連性テーブルが存在するかどうかをサーチし、存在するときはその関連性テーブルに記録されている複数のIDに基づいて前記キーワードDBから各IDに対応する連想キーワードを抽出し、抽出した各連想キーワードを、検索キーワードとして採用され得る潜在検索キーワードとして前記検索キーワード候補の発信元に提供する検索手段とをさらに有する、
    請求項5記載の情報処理装置。
  8. 前記キーワード管理手段は、前記ソース・ドキュメント・データのうち標題領域から抽出した複数の抽出キーワードの当該標題領域での出現頻度を計測するとともに、これらの抽出キーワードと同じキーワードが前記キーワードDBに格納されているかどうかをサーチし、格納されていた場合に最も出現頻度の高い抽出キーワードと同じキーワードを前記標題キーワードとして定める、
    請求項7記載の情報処理装置。
  9. 前記発信元に提供された各連想キーワードが検索キーワードとして採用されたことを連想キーワード毎に検知する検知手段を有しており、
    前記テーブル管理手段は、前記検知手段による検知回数を当該連想キーワードのIDと関連付けて前記関連性テーブルに累積的に記録し、この検知回数の累積値を当該連想キーワードの利用度を表す情報として扱う、
    請求項8記載の情報処理装置。
  10. 前記検索手段は、前記関連性テーブルの記録情報に基づいて、前記出現頻度が相対的に高いいくつかの連想キーワードのID、前記出現頻度が相対的に低いいくつかの連想キーワードのID、前記利用度が相対的に高いいくつかの連想キーワードのID、前記利用度が相対的に低いいくつかの連想キーワードのID、前記出現頻度又は前記利用度のうち前記発信元が指定した範囲内の連想キーワードのIDの少なくともいずれかを特定し、特定したIDに対応する連想キーワードを前記キーワードDBから抽出する、
    請求項9記載の情報処理装置。
  11. コンピュータを、ネットワークを介して接続されるサーバ装置と共に、資源活用支援のためのネットワークシステムを構成するユーザ装置として動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、
    自装置を操作するユーザが、事業に活用される複数種類の資源のうち需要のある前記資源又は供給可能な前記資源の前記事業との関わり度合いを、当該資源の種類を表す種類データと、適合して欲しい範囲を絞り込むための範囲データと、当該資源の特徴を互いに視点の異なる複数種類の評価ルールに基づいて定量化した特徴データとを含む定量データ群に変換する第1のデータ変換手段、
    前記需要のある資源又は前記供給可能な資源について他のユーザに認識させるための特徴情報を、前記サーバ装置及び他の情報処理装置が認識可能なデータ形式の通用データに変換する第2のデータ変換手段、
    前記定量データ群及び前記通用データを、それぞれ当該資源の需要元又は供給元を識別するための需給IDと共に前記サーバ装置へ送信するとともに、前記定量データ群のうち前記特徴データの表す特徴同士の比較を、前記種類データの表す資源の種類について前記需給IDにより特定される需要元及び供給元の組毎に行うことにより、当該資源の需要と供給との適合度を前記範囲データの表す範囲で判別した前記サーバ装置から、供給元の前記通用データを含む供給元情報、又は、需要元の前記通用データを含む需要元情報のいずれかを受信する通信手段、及び、前記通信手段で受信した供給元情報又は需要元情報を、所定の出力装置を通じて前記ユーザへ提示可能にする出力制御手段、として機能させる、
    資源活用のためのコンピュータプログラム。
  12. 記憶装置を有するコンピュータを、ネットワークを介して接続される複数のユーザ装置と共に、資源活用支援のためのネットワークシステムを構成するサーバ装置として動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記記憶装置に需給DBを構築するとともに、前記コンピュータを、
    各ユーザ装置から、事業に活用される複数種類の資源のうち需要のある前記資源又は供給可能な前記資源の前記事業との関わり度合いが、当該資源の種類を表す種類データと、適合して欲しい範囲を絞り込むための範囲データと、当該資源の特徴が互いに視点の異なる複数種類の評価ルールに基づいて定量化された特徴データとを含む定量データ群、及び、当該資源について他のユーザ装置に認識させるための特徴情報が他のユーザ装置が認識可能なデータ形式に変換された通用データを、それぞれ前記資源の需要元又は供給元を識別するための需給IDと共に受信する受信手段、
    受信した各ユーザ装置からの前記定量データ群並びに前記通用データを前記需給IDと対応付けて前記需給DBに蓄積するDB管理手段、
    この需給DBに蓄積されている定量データ群のうち前記特徴データの表す特徴同士の比較を、前記種類データの表す資源の種類について前記需給IDにより特定される需要元と供給元の組毎に行うことにより需給の適合度を判別し、需要元に係るユーザ装置には前記適合度が前記範囲データの表す範囲となる供給元の通用データを含む供給元情報を提供可能にし、他方、供給元に係るユーザ装置には前記適合度が前記範囲データの表す範囲となる需要元の通用データを含む需要元情報を提供可能にする需給管理手段、として機能させる、
    資源活用支援のためのコンピュータプログラム。
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