JP4278474B2 - 有機積層体用材料の選定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱的プロセス劣化耐性や、安定性に優れた有機デバイスを得るための耐熱性に優れた有機積層体用材料を選定する方法に関するものである。
有機材料、特に有機高分子材料で形成される有機積層体及びその有機積層体を一部に有する有機デバイスは、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)、有機トランジスタ、有機半導体、液晶表示デバイスなど、多方面で研究されている。
有機積層体を含む有機デバイスは、多くの場合、熱的製造プロセスを経由して製造されている。耐熱性が低い有機積層体は、その熱的製造プロセスを経由する過程で、材料自体の劣化(バルクの化学構造変化)や、有機積層体の層間界面の状態変化を伴い易いという難点がある。そのため、耐熱性の低い有機積層体をその一部に有するように構成した有機デバイスの製造は、生産性が悪く、高性能の有機デバイスや有機素子を製造することが難しいという問題があった。
有機積層体を形成する材料自体の劣化は、従来より化学構造の研究において高い熱的安定性を有する材料が提案されていることから、近年徐々に改善されつつある。一方、有機積層体の層間界面の状態変化は、界面の電子状態の影響が大きいと考えられているが、電子状態を解析する手法が十分に確立されていないため、層間界面の状態変化の研究は進んでいない。そのため、層間界面の状態変化の少ない積層構造の検討が不十分なまま、有機デバイスの最終的な性能向上を目指して研究が進められているのが現状である。
層間界面を解析する手法としては、多重内部反射赤外分光法や、ケルビンプローブ接触電位差測定法等が提案されている。しかし、これらの手法は特定の界面のみの測定しかできないことから汎用性がなく、さらに再現性にも乏しいという難点があり、上述した層間界面の有効な解析手法とは言えなかった。
ところで、スラブ型光導波路を利用して界面、表面吸着物、薄膜、極微量の試料などのスペクトルを高感度に測定するための装置が知られている(例えば、特許文献1、2を参照)。このスペクトル測定装置は、ある一定の波長幅を持つ光、例えば白色光をレンズで集光して、レンズと所定間隔に設定したプリズムから光をスラブ型光導波路の光導波路膜に入射し、光導波路膜内を全反射した光をプリズムを経てプリズムと所定間隔に設定したレンズで取り出し、分光器で出射光を分光し、検出器に送ることにより、極めて大きな反射回数が得られ、高感度のスペクトルの測定が可能である。
特開平8−75639号公報 特開2001−108611号公報
本発明は、耐熱性に優れた有機デバイスの開発を目的としてなされたものであって、耐熱性に優れた有機積層体を形成するための有機積層体用材料の選定方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、有機デバイスを形成するための各種の材料について検討している過程で、スラブ型光導波路を利用したスペクトル測定で得られるスペクトルデータに着目し、熱的要素印加前後における有機積層体の各層のデータ変化が有機積層体の各層の界面現象の状態変化を表していること、及びその状態変化が得られる有機積層体の耐久性に影響していることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、上記目的を達成するための本発明の有機積層体用材料の選定方法は、
組成の異なる2種以上の有機積層体用材料で2層以上の有機積層体を作製する作製プロセスと、
前記有機積層体用材料で前記有機積層体を形成した後の各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトルデータと、前記有機積層体に熱的要素を印加した後の各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトルデータとを、スラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置を用い、当該スラブ型光導波路への入射光の入射角度θを変えて下記式で表されるエバネッセント波の染み込み深さdpを変化させて測定する測定プロセスと、
前記測定プロセスで得られた紫外可視吸収スペクトルデータを比較して所定の有機積層体材料を選定する選定プロセスと、を有し、
前記測定プロセスは、(i)前記光導波路と1層目の界面を測定して界面1に係る紫外可視吸収スペクトルを得るステップ、(ii)前記光導波路への入射角度を変えてエバネッセント波の染み込み深さdpを大きくし、1層目の界面を含むバルクの紫外線可視吸収スペクトルを得るステップ、(iii)前記光導波路への入射角度を変えてエバネッセント波の染み込み深さdpをさらに大きくし、1層目のバルク及び1層目と2層目の界面を含む紫外可視吸収スペクトルを得るステップ、(iv)前記(ii)と(iii)の差スペクトルを求めて1層目と2層目の界面2に係る紫外可視吸収スペクトルを得るステップ、(v)同様に、熱的要素を印加した後に前記(i)〜(iv)のステップ順でスペクトル測定し、前記界面1に係る紫外可視吸収スペクトルと前記界面2に係る紫外可視吸収スペクトルを得るステップ、をその順で少なくとも有し、
前記選定プロセスは、(ア)熱的要素を印加する前後における前記界面1に係る紫外線可視吸収スペクトル強度の変化率と前記界面2に係る紫外可視吸収スペクトルの変化率を求めるステップ、(イ)それら変化率の最大値が250nm〜600nmの範囲内で10%未満となる有機積層体用材料を選定するステップ、をその順で少なくとも有する、ことを特徴とする。(下記式において、λは入射波波長、θは入射角度、nは光導波路の屈折率、nは各層又は周辺環境の屈折率である。)。
Figure 0004278474
この発明によれば、有機積層体を形成した後の各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトル強度と、その有機積層体に熱的要素を印加した後の各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトル強度との差が小さい材料を選定するので、耐熱性に優れた有機積層体用材料を選定することができる。すなわち、本発明は、異なる有機積層体用材料で形成された有機積層体の比較を、有機積層体を形成した後の各層の界面近傍、及び当該有機積層体に熱的要素を印加した後の各層の界面近傍で得られるスペクトルデータで行う。そして、熱的要素を印加前後の各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトル強度を対比し、その差が小さい有機積層体用材料を選定することにより、有機積層体の界面状態変化を予測することができ、耐熱性に優れた有機積層体用材料を選定でき、さらには望ましい有機デバイスの開発に利用できる。
本発明は、上記有機積層体用材料の選定方法において、前記有機積層体に熱的要素を印加した後の各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトルデータが、当該熱的要素の印加に加えて、光、電場及び磁場から選ばれる1又は2以上の外的要素を印加して得られたものであることを特徴とする。
この発明によれば、熱的要素の印加に加えて、光、電場及び磁場から選ばれる1又は2以上の外的要素を印加し、その結果得られた各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトル強度と、熱的要素等を印加する前の有機積層体各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトル強度との差が小さい材料を選定する。選定された有機積層体用材料で形成される有機積層体は、耐熱性のみならず、光、電場、磁場等に対する耐性に優れたものとなるので、本発明の選定方法によれば、そうした耐性に優れた有機積層体用材料を簡単に選定することができる。
本発明は、上記有機積層体用材料の選定方法において、前記有機積層体の各層を形成する材料が、水系溶液、水系分散液、非水系溶液、非水系分散液又はそれらの組成物であることを特徴とする。
以上説明したように、本発明の有機積層体用材料の選定方法によれば、スラブ型の光導波路を利用したスペクトル測定を利用した有機積層体の界面状態変化の予測に基づいて、耐熱性に優れた有機積層体用材料を選定することができるので、耐熱性に優れた有機積層体用材料の迅速な選定に好ましく利用できる。さらに、そうした迅速な有機積層体用材料の選定は、耐熱性さらに他の耐性に優れた有機デバイスの迅速な開発に好ましく利用できる。
また、本発明の有機積層体によれば、上記の方法で選定された有機積層体用材料で形成されるので、耐熱性やさらに他の耐性に優れた有機積層体を提供できる。また、本発明の有機デバイスによれば、上記の方法で選定された有機積層体用材料で形成された有機積層体を有するので、耐熱性やさらに他の耐性に優れた有機デバイスを提供できる。
以下、本発明の有機積層体用材料の選定方法、その方法で選定された有機積層体、及びその有機積層体を含む有機デバイスについて具体的に説明する。
本発明の有機積層体用材料の選定方法は、耐熱性に優れた有機積層体の各層を形成する材料の選定を、スラブ型の光導波路を利用したスペクトル測定装置を用いて行う方法であって、有機積層体を形成した後の各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトル強度と、その有機積層体に熱的要素を印加した後の各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトル強度との差が小さい材料を選定する方法である。
こうした選定方法は、有機積層体用材料の溶液を調製すると共にその有機積層体用材料で有機積層体を作製するプロセス(準備プロセスともいう)と、スラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置を用いて熱的要素を印加する前後の有機積層体のスペクトルデータを測定するプロセス(測定プロセスともいう)と、その測定で得られるスペクトルデータを比較して熱的要素を印加する前後のスペクトル強度の差が小さい有機積層体材料を選定するプロセス(選定プロセスともいう)とを少なくとも有する方法である。
(準備プロセス)
準備プロセスは、本発明の選定方法の対象となる有機積層体用材料の調製と、調製された有機積層体用材料を用いて測定対象となる有機積層体の作製を行うプロセスである。
有機積層体用材料の調製は、有機材料と有機溶媒を選定し、各成分の含有量と配合量を選定し、さらに撹拌等により溶液を調製する工程を含んでいる。有機積層体の作製については、2種以上の有機積層体用材料溶液を用いて層状に成膜した後、乾燥させて有機積層体を得る工程を含んでいる。
ここで、有機積層体とは、組成の異なる有機積層体用材料で形成された層を2層以上重ねて形成される積層構造体である。その有機積層体を形成するための有機積層体用材料としては、例えば、導電性高分子材料、感光性高分子材料、オーバーコーティング用高耐久性高分子材料、電磁波シールディング用高耐久性高分子材料、電流発光性高分子又は低分子材料等を挙げることができる。
有機積層体の各層を形成するための有機積層体用材料は、水系溶液、水系分散液、非水系溶液又は非水系分散液であることが好ましく、例えばポリビニルアルコールの水溶液や、ポリスチレンスルホン酸の水分散液、ポリビニルカルバゾールの芳香族有機溶剤溶液や、ポリオレフィンの芳香族有機溶剤分散液等が挙げられる。
(測定プロセス)
測定プロセスは、スラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置を用いて、有機積層体用材料で有機積層体を形成した後の各層の界面近傍における層間界面の状態変化の測定と、その有機積層体に熱的要素を印加した後の各層の界面近傍における層間界面の状態変化を測定するプロセスである。
最初に、スラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置について説明する。スラブ型光導波路分光法は、分子や官能基の振動を捉える赤外分光法ではなく、電子状態やエネルギーバンドギャップに関わる短波長域の界面吸収特性を経時的に測定できる分光法である。そのため、化学結合や化学構造の変化を伴わない膜状態の微妙な変化や相違、ダイナミクスの分析に有効である。
図1は、スラブ型光導波路分光法の原理図である。スラブ型光導波路においては、光導波路基板1に光2を入れると、その光2が光導波路基板1の表面で全反射して進む。このとき、光導波路基板上に測定に供される塗布膜3を形成すると、基板内を全反射して進む光2の表面波が塗布膜中に僅かに染みこむ。この表面波は、エバネッセント波4と言われ、図1中に記載したように、塗布膜内に指数関数的に減衰しながら染みこむ。このときの染み込み深さ(dp)は、次式のように表される。下記式において、λは入射波波長、θは入射角度、nは導波路基板の屈折率、nは塗布膜もしくはサンプル膜周辺環境の屈折率である。
Figure 0004278474
このスラブ型光導波路においては、染み込み深さ(dp)が非常に浅く、調整により光導波路基板1の表面から1μm以内に存在する分子のみについての情報を選択的に且つ非破壊的に解析することができる。また、より薄い光導波路基板1を用いることにより、反射回数を増やすことができ、より高感度で測定することができる。こうしたスラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置としては、特開平8−75639号公報及び特開2001−108611号公報に開示されている測定装置を挙げることができ、より具体的には、システムインスツルメンツ社製のSIS−50型装置を挙げることができる。
図2は、特開平8−75639号公報に開示されているスラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置の一例を示す構成図である。図2において、光源10としては、遠紫外から遠赤外までのうち任意の波長範囲を持つ光を発射する光源が使用され、例えば、Xeランプが使用される。光チョッパー30は、光源10からの光を一定の周期の断続光にするものであり、光源10と入射光側光ファイバー31の間に設けられる。試料測定部は、入射光側レンズ11、出射光側レンズ15、入射光側プリズム12、出射光側プリズム14、スラブ型光導波路13、位置制御機構16を有している。入射光側レンズ11は、入射光側光ファイバー31の出口側の先端に設けられ、出射光側レンズ15は、出射光側光ファイバー32の入口側の先端に設けられる。なお、特開2001−108611号公報に記載のように、プリズムを使用しない光結合法を適用することもできる。
図3と図4は、スラブ型光導波路の平面図と断面図であり、入射光側プリズム12と出射光側プリズム14は、スラブ型光導波路13上に配置される。各プリズム12,14は、試料54と参照部分53をプリズムを付け直すことなく測定可能にするため、細長いものが使用される。スラブ型光導波路13は、光導波路層52を支持するための基板51と、光導波路層52とからなる。スラブ型光導波路13の片側部分には帯状に試料54が載り、その反対側、即ち試料54のない部分は参照部分53となる。
検出部は、図2に示すように、分光器41、光電子増倍管43、増幅器44、及びコンピュータ42を有している。光源10から発射された白色光は、光チョッパー30で一定の周期の断続光にされた後、入射光側光ファイバー31に導入される。入射光側光ファイバー31に導入された断続光は、入射光側光ファイバー31を通り、出光側の先端に設けられた入射光側レンズ11で集光され、適当な角度で入射光側プリズム12に導入される。入射光側レンズ11で集光された断続光は、入射光側プリズム12に導入された後、スラブ型光導波路13の光導波路層52内に入射し、その光導波路層52内に入射した断続光は、光導波路層52内で全反射を繰返した後、光導波路層52内から出射し、出射光側プリズム14に導入される。出射光側プリズム14に導入された断続光は、出射光側光ファイバー32の入光側の先端に設けられた出射光側レンズ15により取り出され、出射光側光ファイバー32によって、分光器41に送られる。分光器41によって分光された断続光は、光電子増倍管43、増幅器44を経て、コンピュータ42に送られ演算処理されることにより、スペクトルが得られる。
図5は、本発明に好ましく適用するスラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置である。図5に示すスラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置は、多重反射型紫外可視吸収スペクトル測定と、蛍光発光スペクトル測定とを同時に行うことができる装置である。この測定装置は、塗布膜3と光導波路基板1との間の多重反射型紫外可視吸収スペクトルを検出する紫外可視吸収用CCD分光器7を備えている。また、光導波路から取り出される蛍光発光9を検出する蛍光用PMT分光器8を備えている。なお、符号5はプリズムであり、符号6は反射ミラーである。
この多重反射型紫外可視吸収スペクトル測定は、界面の電子状態変化、配向状態に関する情報を入手するのに有効である。
こうしたスペクトル測定装置は、上記の各分光器7,8から得られた経時的な分光情報を、解析装置101に出力する。図5に示す解析装置101は、得られた分光情報を解析可能に処理する機能を有するものであれば特に限定されず、パーソナルコンピュータ等の演算機能を内蔵した情報処理装置又は画像表示装置、又は演算素子を内蔵したプリンター装置等を挙げることができる。こうした解析装置101により、例えば図5に示すように、時間軸に対する分析情報を表示することができる。
本発明の測定プロセスは、有機積層体を形成した後の各層の界面近傍の紫外可視吸収スペクトルデータと、熱的要素を印加した後の各層の界面近傍の紫外可視吸収スペクトルデータとを、上述したスラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置で測定する。このとき、各層の界面近傍の紫外可視吸収スペクトルデータは、光導波路への入射光角度を変化させることにより得ることができる。また、各層の界面近傍の紫外可視吸収スペクトルデータは、得られた各層のスペクトルデータにおけるスペクトル強度の差(一般に差スペクトルという)より得ることができる。
測定対象は、有機積層体を形成した後の各層の界面近傍、及び、有機積層体に熱的要素を印加した後の各層の界面近傍である。ここで、「有機積層体を形成した後」とは、組成の異なる有機積層体用材料で2層以上の層を形成した後のことであり、それぞれの層は、有機積層体用材料を塗布し乾燥させて得ることができる。また、「界面近傍」とは、互いに接触した2つの層の境界面付近をいい、本発明では、層間界面からバルクに向かって100nm以下の領域をいう。なお、上述した塗布膜は、有機積層体用材料を塗布した塗布膜に対応する。
各層の界面近傍での測定は、上述したスラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置において(図1)、光2の入射角度θを変化させ、塗布膜3へのエバネッセント波4の染み込み深さdpを変化させることにより行われる(数1を参照)。具体的には、n層目の界面近傍の測定は、先ず、(n−1)層目の界面を含むバルクの紫外可視吸収スペクトルを測定し、次に、入射角度θを変えてエバネッセント波の染み込み深さdp大きくして(n−1)層目のバルクの紫外可視吸収スペクトルを測定し、さらに順次、(n−1)層目/n層目界面を含む紫外可視吸収スペクトルを測定して行われる。この2つの紫外可視吸収スペクトルの差スペクトルを求めることにより、(n−1)層目/n層目界面の紫外可視吸収スペクトルが得られる。
ここで、有機積層体への「熱的要素の印加」とは、例えば、有機積層体を形成した後、後処理や成形処理、エージング工程等を経由することによる、熱エネルギーの有機材料積層体へ照射、伝播のことを示す。有機積層体に印加する熱には、温熱と冷熱が含まれ、印加する装置としては、例えば、ホットプレート、熱線ヒーター、オーブン、高温槽等が挙げられる。熱的要素を印加する前後において、有機積層体の各層の界面近傍の紫外可視吸収スペクトルデータを得ることにより、有機積層体各層の界面状態の変化情報が測定される。これらは、有機積層体の耐熱性の判断材料となる。
さらに、そうした熱的要素の印加に加えて、光、電流及び磁気から選ばれる1又は2以上の外的要素を印加された条件下でも、有機積層体を形成した後の各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトル強度と、その有機積層体に熱的要素を印加した後の各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトル強度との差が小さいことが好ましい。
光、電流及び磁気から選ばれる1又は2以上の外的要素は、一時的、継続的、又は連続的に印加され、熱的要素の印加と同時でもよいし、その前後でもよい。
光には、レーザ(位相のそろった単色光)、紫外線、可視光線、赤外線等、波長の異なる光が含まれ、また、電子線、放射線が含まれ、また、X線、γ線等の放射も含まれる概念で定義する。電流は直流でも交流でもよく、電流値も各種の値で印加可能である。磁気は、任意の電場を与えた場合であり、磁石による磁場でも電磁石によるものでもよい。上記の光を照射する装置としては、例えば、紫外線露光装置、電子線露光装置等が挙げられ、電流を印加する装置しては例えば直流電源装置又は交流電源装置が挙げられ、磁気を印加する装置としては、例えば、電磁石、強力永久磁石等が挙げられる。
一時的とは、上述した外的要素を一度印加することにより、有機積層体の化学情報が変化するような場合に適用される印加スタイルである。また、断続的にとは、上述した外的要素を一定時間毎に印加することにより、有機積層体の化学情報が変化するような場合に適用される印加スタイルである。また、連続的にとは、上述した外的要素を絶え間なく連続して印加することにより、有機積層体の化学情報が変化するような場合に適用される印加スタイルである。有機積層体用材料で形成された有機積層体にこれらの外的要素を印加することにより、有機積層体各層の界面の電子状態の変化情報が測定される。これらは耐光性、耐熱性等、電子デバイス性能の安定性に関する判断材料となる。
次に、他の分析データとの関係について説明する。
有機積層体に対する他の測定として、熱分析測定や質量分析、分光分析を行うことができる。熱分析測定としては、熱重量減少変化測定(TGA)、示差熱分析測定(DSC)、昇温脱離ガス分析測定(TDS)等を挙げることができる。これらのうち、熱重量減少変化測定(TGA)や示差熱分析測定(DSC)等の一般的な熱分析測定を行うことによって、界面の重量変化やエネルギー変化に関する情報を入手することができ、界面の電子状態変化と熱的挙動変化との関係が明らかとなる。また、質量分析としては、一般的な質量分析装置(MS)を連動させて行うことにより、界面の熱的変化や変化中に生じたガス成分に関する情報を入手することができ、アウトガス分析結果との間では、界面の電子状態変化と、変化の過程で膜より生じる分解物、アウトガス成分との関係が明らかとなる。また、分光分析装置としては、赤外分光測定(IR)、蛍光発光分光測定、ラマン分光測定、X線光電子分光測定(XPS)、和周波分光測定(SFG)、第2高調波分光測定(SHG)等を挙げることができる。これらのうち、赤外分光測定(IR)を連動させることにより、化学結合や、化学構造変化に関する情報を入手することができ、界面の電子状態と化学構造変化、変質との関係が明らかとなる。
また、上述したスペクトルデータ及び分析データ、さらにそれらの解析結果を、有機積層体用材料で形成された有機積層体の特性データと比較し、両者の関係をより解析することができる。有機積層体の特性データとしては、例えば、耐熱性データ、耐光性データ、膜硬度データ、ガスバリア性データ等を挙げることができる。こうした特性データは、スラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置で測定されたスペクトルデータや異種分析手段により測定された分析データと対比される。対比した結果、特性データの特異的な結果が、スペクトルデータ及び分析データ、さらにそれらの解析結果に対応している場合に、そのスペクトルデータが示す界面の電子挙動の状態変化が特性に影響していることが明らかになる。
(選定プロセス)
選定プロセスは、測定で得られるスペクトルデータにおいて熱的要素を印加する前後のスペクトル強度の差が小さい有機積層体用材料を選定するプロセスである。
有機積層体を形成した後の各層の界面近傍において行ったスペクトル測定の結果と、その有機積層体に熱的要素を印加した後の各層の界面近傍において行ったスペクトル測定の結果とから得られるスペクトルデータを基に、異なる有機積層体用材料で形成された有機積層体を比較することにより、耐熱性に優れた有機積層体用材料を選定する。また、上述の他の分析データ及び特性データと対比して最適な材料を選定してもよい。
なお、熱等の外的要素印加前後の紫外可視吸収スペクトル強度の変化率は、250nm〜600nmの範囲内での最大値が、10%未満であることが好ましい。250nm〜380nmの紫外域は、有機積層体の電子状態、分子配向に関係する領域であり、380nm〜600nmの可視域は、有機積層体の着色や、可視光吸収、透過性に関係する領域であり、共に、高性能な有機積層構造を形成する上で重要な吸収波長域である。この両領域においての外的要因印加による吸収強度の変化率が10%以上である場合、紫外域であれ
ば電子状態、分子の配向性等の面で何らかの変化変質を生じ、可視域であれば層の色味、光学特性の面で、何らかの変化変質を生じるため、結果として求めるものとは異なる低性能有機デバイスが形成されることとなる。
こうした態様は、有機積層体用材料からなる塗布膜の配向性、結晶性に最も関与するものである。結晶性とは、膜全体における結晶化割合をいい、配向性とは、同じ方位を持つ結晶が膜中に含まれる割合をいう。その塗布膜を乾燥して得られた有機層は、高結晶性、高配向性であるため、耐熱性等の特性について優れた性質を有し、熱的製造プロセスを経由する有機デバイスには極めて有効である。
また、塗布適正を向上させる目的で水溶液、非水溶液又は組成物に界面活性剤等の添加剤を加えて用いる場合でも、その添加によって界面の電子状態にどのような影響が出るかについて経時的に解析することも可能である。
本発明においては、有機積層体用材料の特性に応じて、又は、印加する外的要素と有機積層体用材料との間の関係に応じて、各種の外的要素から適当な外的要素を選択する。このとき、1種類の外的要素を印加してもよいし、2種類以上の外的要素を印加してもよい。2種類以上の外的要素を印加する場合には、各外的要素の印加スタイル(一時的、断続的、連続的)は同じにしてもよいし、異なる印加スタイルにしてもよい。例えば、一の外的要素は連続的に印加し、他の一の外的要素は断続的に印加することもできる。
本発明の有機積層体用材料は、こうした外的要素を付与した場合においても、その熱的要素を印加する前後におけるスペクトルデータが、上述した変化態様であることが好ましく、それゆえ、結晶性、配向性について優れた性質を有し、分子配列が規則的であるため耐熱性、耐光性、膜強度、膜硬度、緻密性、ガスバリア性等に優れた有機層積層体が形成されることとなる。
以上説明した有機積層体用材料は、有機デバイスに含まれる有機積層体を構成することが好ましい。得られる有機積層体は、安定した耐熱性及びその他の特性を有するので、その有機積層体から形成される有機デバイスは、熱的プロセスダメージが少なく、耐熱性等の耐久性に優れる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例1)
ここでは、熱的プロセスを経由して製造される有機EL素子の正孔輸送層を構成する材料及び電子輸送性発光層を構成する材料について評価する。
具体的には、正孔輸送層を形成する有機積層体用材料として、バイエル社製導電性高分子材料ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸ドープ水分散液(商品名:バイトロンP)を用いた。表面にITO層を有する合成石英からなる光導波路基板(システムインスツルメンツ社製)を2枚用意し、その上に前記水分散液を塗布し、成膜した。このとき乾燥膜厚が各々80nmになるようにした。成膜された前記水分散液の水分を除去するために、前記水分散液が塗布された光導波路基板を150℃のホットプレート上で30分間静置・乾燥させることにより、光導波路基板上に正孔輸送層を作製した。
次に、電子輸送性発光層を形成する高分子発光材料として一般的なADS社製試薬ADS128GEを2種類の溶媒に溶解させた。具体的には、関東化学株式会社製特級キシレン、および同社製特級モノクロロベンゼンを用い、各々にADS社製試薬ADS128GEを2重量%溶解させ2種類の溶液を得た。
上述の正孔輸送層を光導波路基板上に作製したもの2つのうち、1つに前記キシレンを用いて作製した溶液を塗布し積層させ、もう1つに前記モノクロロベンゼンを用いて作製した溶液を塗布し積層させた。このとき乾燥膜厚が80nmになるように塗布した。次に、150℃のホットプレート上で10分間静置することにより、溶媒を揮発・乾燥させ、電子輸送性発光層とした。このようにして光導波路基板上に同じ正孔輸送層を含み、異なる電子輸送性発光層(同じ高分子発光材料と異なる溶媒からなる)を含む2種類の有機積層体が得られた。ここで、キシレン系溶媒からなる電子輸送性発光層を含む有機積層体を「有機積層体A」、モノクロロベンゼン系溶媒からなる電子輸送性発光層を含む有機積層体を「有機積層体B」とする。また、ITO付き光導波路基板/正孔輸送層界面を「界面1」と、正孔輸送層/電子輸送性発光層界面を「界面2」とする。
次に、スラブ型光導波路分光測定装置(システムインスツルメンツ株式会社製SIS−50型)を用いて、熱的要素の印加前後におけるスペクトルの変化を調査した(計4検体)。すなわち、光導波路基板上に形成された有機積層体Aの耐熱試験前後の界面1及び界面2、さらに光導波路基板上に形成された有機積層体Bの耐熱試験前後の界面1及び界面2においてスペクトル測定を行った。
耐熱性試験は、光導波路基板上に形成された有機積層体A及び光導波路基板上に形成された有機積層体Bを180℃のホットプレート上で、1時間静置することにより行った。なお、界面2の界面スペクトルの求め方は次のように行った。(1):導波路基板/1層目界面の測定、紫外可視吸収スペクトルを得た。(2):光導波路への入射角度(図1中θ)を変え、エバネッセント波の染み込み深さ(図1中dp)を大きくし、1層目界面を含むバルクの紫外可視吸収スペクトルを得た。(3):さらに同様にエバネッセント波の染み込み深さを大きくし、1層目バルク及び1層目/2層目界面を含む紫外可視吸収スペクトルを得た。(4):(2)と(3)の差スペクトルを求めることにより、1層目/2層目界面の紫外可視吸収スペクトルを得た。
結果を図6〜9に示す。有機積層体Aの界面1のスペクトルデータ(図6)における紫外可視吸収スペクトル強度の変化率の最大値は0.3%、界面2のスペクトルデータ(図7)における紫外可視吸収スペクトル強度の変化率の最大値は9.1%を示し、ともに250nm〜600nmの範囲内で10%未満であった。一方有機積層体Bの界面1のスペクトルデータ(図8)における紫外可視吸収スペクトル強度の変化率の最大値は22.8%及び界面2のスペクトルデータ(図9)における紫外可視吸収スペクトル強度の変化率の最大値は37.2%を示し、250nm〜600nmの範囲内で10%以上であるような変化を示した。
(実施例2)
ここでは、有機EL素子の耐熱性試験後の輝度評価を行うことにより、有機積層体を構成する有機積層体用材料の評価をする。
最初に、実施例1と同様に、有機積層体A及び有機積層体Bを作製した。すなわち、正孔輸送層にバイエル社製導電性高分子材料ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸ドープ水分散液(商品名:バイトロンP)用い、電子輸送性発光層に関東化学株式会社製特級キシレンにADS社製試薬ADS128GEを溶解させたものを用い、有機積層体Aを得た。また、正孔輸送層にバイエル社製導電性高分子材料ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸ドープ水分散液(商品名:バイトロンP)を用い、電子輸送性発光層に関東化学株式会社製特級モノクロロベンゼンにADS社製試薬ADS128GEを溶解させたものを用い、有機積層体Bを得た。
次に、これら有機積層体A及び有機積層体Bをそれぞれを構成内に有する有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を作製した。具体的には、ガラス基板/ITO(陽極)/有機積層体A/Ca層/Ag(陰極)の層構成からなる有機EL素子(以下、「有機EL素子A」という)と、ガラス基板/ITO(陽極)/有機積層体B/Ca層/Ag(陰極)の層構成からなる有機EL素子(以下、「有機EL素子B」という)を作製した。耐熱性試験は、有機EL素子A及び有機EL素子Bを180℃のホットプレート上で、1時間静置することにより行った。トプコン社製輝度計BM−8を用いEL発光輝度を評価した。
その結果、有機EL素子Aにおいて7000cd/m、有機EL素子Bにおいては4500cd/mを示し、有機EL素子Bでは熱的要素印加後で明らかな輝度低下がみられたのに対し、有機EL素子Aを用いた素子においては殆ど輝度の低下が少なく、高いEL発光輝度を示した。従って、有機積層体Aを用いた素子において、発光輝度特性の優れた、熱的プロセスダメージの少ない有機EL素子が形成されたことが分かった。
熱的要素印加中、ホットプレートのような熱源から、一般にガラス基板、膜界面、膜バルクという形で熱が伝導する。
この中で、特に、ガラス基板から界面への熱の伝導、或いはその伝導に伴う界面分子の構造変化、劣化に際し、有機積層体Aでは、有機積層体Bに比べ、各界面における分子運動性が抑制された環境にあると考えられ、結果として、熱的エネルギーが加わっても変質することが少なく、有機EL素子に用いた場合でも発光輝度特性の低下は抑えられたものと考えられる。
従来、デバイス作製し、特性評価まで行わなければ熱的プロセスダメージ耐久性や、安定性に最適な有機積層体を選定できなかったが、本発明によれば、熱的要素印加時の各界面紫外可視吸収スペクトルを測定し、その変化を調べることによって、界面の配向状態、電子状態がどれほど熱的に安定かを把握する指標を得ることができる。その結果、この解析結果を援用することにより、他の有機デバイス用材料の選定について、素子作製し、特性評価まで行わなくても、選定作業における方向性が明らかになるので、選定の大幅な簡略化が期待できる。
スラブ型光導波路分光法の原理図である。 特開平8−75639号公報に開示されているスラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置の一例を示す構成図である。 スラブ型光導波路の平面図である。 スラブ型光導波路の断面図である。 本発明に好ましく適用するスラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置である。 有機積層体Aの界面1の耐熱試験前後のスペクトル変化を示したものである。 有機積層体Aの界面2の耐熱試験前後のスペクトル変化(差スペクトルより計算。)を示したものである。 有機積層体Bの界面1の耐熱試験前後のスペクトル変化を示したものである。 有機積層体Bの界面2の耐熱試験前後のスペクトル変化(差スペクトルより計算。)を示したものである。
符号の説明
1 光導波路基板
2 光
3 膜(塗布膜)
4 エバネッセント波
5 プリズム
6 反射ミラー
7 紫外可視吸収用CCD分光器
8 蛍光発光用PMT分光器
9 蛍光発光
10 光源
11 入射光側レンズ
12 入射光側プリズム
13 スラブ型光導波路
14 出射光側プリズム
15 出射光側プリズム
16 スラブ型光導波路の位置、角度の制御機構
30 光チョッパー
31 入射光側光ファイバー
32 光ファイバー
33、34 レンズ
41 分光器
42 コンピュータ
43 光電子増倍管
44 増幅器

Claims (3)

  1. 組成の異なる2種以上の有機積層体用材料で2層以上の有機積層体を作製する作製プロセスと、
    前記有機積層体用材料で前記有機積層体を形成した後の各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトルデータと、前記有機積層体に熱的要素を印加した後の各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトルデータとを、スラブ型光導波路を利用したスペクトル測定装置を用い、当該スラブ型光導波路への入射光の入射角度θを変えて下記式で表されるエバネッセント波の染み込み深さdpを変化させて測定する測定プロセスと、
    前記測定プロセスで得られた紫外可視吸収スペクトルデータを比較して所定の有機積層体材料を選定する選定プロセスと、を有し、
    前記測定プロセスは、(i)前記光導波路と1層目の界面を測定して界面1に係る紫外可視吸収スペクトルを得るステップ、(ii)前記光導波路への入射角度を変えてエバネッセント波の染み込み深さdpを大きくし、1層目の界面を含むバルクの紫外線可視吸収スペクトルを得るステップ、(iii)前記光導波路への入射角度を変えてエバネッセント波の染み込み深さdpをさらに大きくし、1層目のバルク及び1層目と2層目の界面を含む紫外可視吸収スペクトルを得るステップ、(iv)前記(ii)と(iii)の差スペクトルを求めて1層目と2層目の界面2に係る紫外可視吸収スペクトルを得るステップ、(v)同様に、熱的要素を印加した後に前記(i)〜(iv)のステップ順でスペクトル測定し、前記界面1に係る紫外可視吸収スペクトルと前記界面2に係る紫外可視吸収スペクトルを得るステップ、をその順で少なくとも有し、
    前記選定プロセスは、(ア)熱的要素を印加する前後における前記界面1に係る紫外線可視吸収スペクトル強度の変化率と前記界面2に係る紫外可視吸収スペクトルの変化率を求めるステップ、(イ)それら変化率の最大値が250nm〜600nmの範囲内で10%未満となる有機積層用体材料を選定するステップ、をその順で少なくとも有する、ことを特徴とする有機積層体用材料の選定方法。(下記式において、λは入射波波長、θは入射角度、nは光導波路の屈折率、nは各層又は周辺環境の屈折率である。)
    Figure 0004278474
  2. 前記有機積層体に熱的要素を印加した後の各層の界面近傍における紫外可視吸収スペクトルデータが、当該熱的要素の印加に加えて、光、電場及び磁場から選ばれる1又は2以上の外的要素を印加して得られたものである、請求項1に記載の有機積層体用材料の選定方法。
  3. 前記有機積層体の各層を形成する材料が、水系溶液、水系分散液、非水系溶液、非水系分散液又はそれらの組成物である、請求項1又は2に記載の有機積層体用材料の選定方法。
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