JP4278313B2 - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水中油型乳化化粧料、特に粉体を配合した化粧料の使用性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬品、化粧品の分野において、乳化化粧料が用いられていることは周知であり、特に皮膚外用剤として用いた場合にはみずみずしくなめらかな使用感を有すること、肌荒れ改善効果を有すること等から、水相中に油分を分散させた水中油型乳化組成物が多く用いられている。しかしながら、耐水性の点で満足できるものが少なく、このため化粧くずれしやすいという欠点があった。
一方、一般の界面活性剤を用いずに化粧用乳化物を得る方法として、α−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類と、シリコーン油とを含有する乳化方法が開発されている(国際公開番号:WO97/44001)。この中で、粉体を5%以上含有することを特徴とするメーキャップ化粧料が記載されており、界面活性剤を実質的に用いずに乳化を行うことのできるこの技術をメーキャップ化粧料に応用することにより優れた化粧持ちを得ることができるとしている。
また、同様の目的で発明された従来の技術として、アルキル変性カルボキシビニルポリマーと、疎水化処理粉末と、シリコーン樹脂とを配合することを特徴とする水中油型乳化化粧料がある(公開番号:特開平11−43417)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の技術においては、比較的化粧持ちには優れていたが、メーキャップ化粧料としては、化粧持ちがよい組成は限られており、粉体の配合量も20重量%までであり、化粧持ちの良さ及びカバー力という点ではまだ改善の余地が残されていた。また、後者の技術においては、せいぜい20重量%までしか粉体を配合できないためカバー力に劣ることがあるという問題点があった。また、使用感において上記発明は、塗布中のコクやシットリ感の付与が難しかった。
【0004】
本発明は、前記従来技術の課題に鑑み為されたものであり、その目的は、伸び広がりがよく、みずみずしい使用感触を有しながら、肌とのなじみがよく、かつ耐水性に優れるだけでなく、化粧もちがさらによく、カバー力にも優れた水中油型乳化化粧料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明者らが鋭意研究を行った結果、α−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類と、シリコーン油とを含有し、シリコーン油がα−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類を除く油相中の10重量%以上であることを特徴とする水中油型乳化組成物にと疎水化処理粉末、さらには疎水化粉末とシリコーン樹脂とを含有すれば、上記した水中油型メーキャップ化粧料を得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明の水中油型乳化化粧料は、α−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類と、シリコーン油とを含有し、シリコーン油の含有量がα−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類を除く油相中の10重量%以上である水中油型乳化組成物において、疎水化処理粉末を油相中に20〜30質量%含有し、さらに下記一般式(1)で表されるシリコーン樹脂を化粧料全体中1〜20重量%含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料。
n i ( 4−n ) /2 …(1)
(式中、Rは炭素数1〜6の炭化水素基またはフェニル基、nは1.0〜1.8の数を示す)
【0009】
また、本発明の水中油型化粧料においては、α−モノアルキルグリセリルエーテルのアルキル基が炭素数8〜24の直鎖アルキル基であることが好適であり、特にバチルアルコールがα−モノアルキルグリセリルエーテルとして好適である。
また、本発明の水中油型化粧料においては、α−モノアルキルグリセリルエーテルの配合量が0.2〜15重量%であることが好適である。
【0010】
また、本発明に用いるワックス類は動植物ワックスであることが好適であり、特に蜜ロウ、キャンデリラロウ、木ロウ、コレステロール、フィトステロール及びそれらの誘導体であることが最適である。
また、ワックス類の配合量が水中油型組成物中0.2〜20重量%であることが好適である。
【0011】
また、本発明の水中油型化粧料においては、さらに高級アルコールを含有することが好適である。
また、本発明の水中油型化粧料においては、さらに水溶性高分子を含有することが好適である。
【0012】
また、本発明において、実質的に界面活性剤を含まないことが好適である。
また、本発明の水中油型化粧料は、とくにメーキャップ化粧料に好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明においては、O/W乳化型の油分中に疎水化処理粉末が内包されており、このため従来のものに比べて粉体が疎水化状態を保ち、また肌を被覆するシリコーン樹脂ともなじみがよいため、塗布した時に耐水性が高く、化粧もちがよいという利点がある。
以下、本発明の水中油型乳化化粧料の各構成成分について説明する。
【0014】
α−モノアルキルグリセリルエーテル
本発明で用いるα−モノアルキルグリセリルエーテルはアルキル基が炭素数8〜24の直鎖アルキル基、炭素数8〜24の分岐アルキル基のいずれのものでもよく、例えば、バチルアルコール、キミルアルコール等が挙げられる。中でも、アルキル基が炭素数8〜24の直鎖アルキル基であることが好ましく、特にバチルアルコールが好ましい。
【0015】
本発明において、α−モノアルキルグリセリルエーテルは一種又は二種以上を選択して配合することが可能であり、その配合量は0.2〜15重量%、好ましくは0.3〜10重量%である。0.2重量%以下では、十分な乳化安定性を得ることはできない。また、乳化安定性は配合量の増加とともに良好になるが、15重量%を越えると使用感の改善が不十分なものとなってしまう。
【0016】
疎水化処理粉末
本発明で用いられる疎水化処理粉末は、公知の粉体を表面撥水処理したものであり、粉体の例としては、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、シリカ、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロースパウダー等の体質顔料;酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、群青、紺青、酸化クロム、有機タール系色素、レーキ等の着色剤;および雲母チタン、酸化鉄コーテツド雲母等の複合顔料等が挙げられ、また、表面処理剤の例としては、シリコーン、デキストリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、金属石鹸、アミノ酸、アルキルフォスフォエーテル、フッ素化合物等が挙げられる。疎水化処理粉末のうち、好ましいものとしては、高級脂肪酸、デキストリン脂肪酸エステル、フッ素化合物、シリコーン等を用いて疎水化処理した粉体が挙げられる。このようにして得られた粉体は疎水性が強く、実際に乳化物に適用した場合も水や汗に強く、化粧くずれが起きにくい。また、乳化粒子が緻密で、長期安定性も優れている。なお撥水処理をしない無処理の粉体を使用した場合は、粉体表面の親水性が強いため、水や汗による化粧くずれが非常に起きやすい。
【0017】
疎水化処理粉末は、本発明の水中油型乳化化粧料中に0.5〜30重量%、好ましくは20重量%より多く25重量%以下配合される。0.5重量%より少ない場合は、発色に乏しく、メーキャップ化粧料としては不適当であると共に、化粧持続性も充分得られない。特に20重量%より多いとカバー力に優れたメーキャップ化粧料が得られる。また30重量%より多い場合は、50℃付近で転相ができず、油中水系乳化型となるため使用感で満足のいくものとならない。
【0018】
シリコーン樹脂
本発明においては、前記一般式(1)で表されるシリコーン樹脂を配合することにより、水中油型乳化化粧料を肌に塗布し、乾燥させた後に油性被膜が形成され、さらに耐水性及び二次付着しない効果を向上させることができる。
【0019】
かかるシリコーン樹脂はベンゼンに可溶であり、各種の方法で製造しうる。一例をあげると、一般式RSiX,RSiX,RSiX およびSiX(Xは加水分解しうる基、例えば塩素、臭素、フッ素等の基、アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ等の基、アシロキシ基等を表す)で示される化合物を、目的とする樹脂組成に応じてベンゼン、トルエン、キシレン等の適当な溶媒に添加し、次いでこの溶媒を適当な酸性溶媒中における希望する加水分解および共縮合を得るに充分な量の水中に加える。こうして得られた二相系から水相を除去し、残留する樹脂状物質を重炭酸ナトリウムあるいは他のアルカリ性物質の充分量を用いて中和し、溶媒を除去すれば目的のシリコーン樹脂が得られる。
【0020】
本発明の有機シリコーン樹脂は、揮発性シリコーン油またはジメチルポリシロキサンの溶液として入手可能であり、たとえばKF7312F、KF7312J、KF7312K、KF9001、KF9002(信越化学工業)、DC593、BY11−018(東レダウコーニングシリコーン)、TSF4600(東芝シリコーン)等をあげることが出来る。
【0021】
シリコーン樹脂の配合量は、1〜20重量%が好ましく、特に1〜10重量%が好ましい。
【0022】
ワックス類
本発明に用いられるワックス類のうち、動植物ワックスを用いることが好ましく、特に、蜜ロウ、キャンデリラロウ、木ロウ、コレステロール、フィトステロール及びそれらの誘導体であることが好ましい。
【0023】
本発明は、前記α−モノアルギルグリセリルエーテルと共に、ワックス類と、シリコーン油を含む条件下で初めて良好な水中油型の乳化を図ることが可能となったのである。
【0024】
本発明において、ワックス類は一種又は二種以上を選択して配合することが可能であり、その配合量は0.2〜20重量%、好ましくは0.3〜15重量%である。0.2重量%以下では、十分な乳化安定性が不十分となる。また、乳化安定性は配合量の増加とともに良好になるが、20重量%を越えると使用感の改善が不十分なものとなってしまう。
【0025】
シリコーン油
本発明で用いるシリコーン油は直鎖構造、環状構造のどちらのものでもよく、また、揮発性、不揮発性いずれのものも用いることが可能である。具体的には、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン等がある。
【0026】
これらの油分のうち、揮発性油分、特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の揮発性シリコーンが好ましい。揮発性油分を用いることで、肌に塗布した後の残存油分量が低減化され、べたつきが抑えられる。また残存油分を少なくすることで、樹脂がより被膜を作りやすくなり、化粧もちを向上させることができる。
【0027】
本発明において、シリコーン油は一種又は二種以上を選択して配合することが可能であり、その配合量の増加に伴い乳化安定性は改善されるが、α−モノアルキルグリセリルエーテルとワックス類を除いた油相全体に対し、シリコーン油の占める割合は10重量%以上、好ましくは15重量%以上である。シリコーン油の占める割合が10重量%以下であると、良好な水中油型の乳化を図ることができない。
【0028】
高級アルコール
高級アルコールを加えることによりさらに良好な水中油型乳化組成物を得ることが可能となるのである。本発明に用いられる高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。これらの高級アルコールは一種又は二種以上を選択して配合することが可能である。ただし、8重量%以上配合すると、使用感触が悪化するため、5重量%以下配合することが好ましい。
【0029】
水溶性高分子
本発明において水溶性高分子は、乳化粒子の分離を防止するので、より高い長期安定性を有する水中油型乳化組成物を得ることが可能である。
水溶性高分子としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グァーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド(褐藻エキス)等の植物系高分子、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOL(登録商標)等)等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等がある。
【0030】
その他の成分
本発明に用いられる水中油型乳化化粧料には、通常化粧料に用いられる各種の原料が使用できる。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、〔4−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3−メチルブチル〕−3,4,5,−トリメトキシケイ皮酸エステル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン等がある。
【0031】
金属イオン封鎖剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム等がある。中和剤としては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等がある。pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等がある。酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等がある。抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0032】
薬剤としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール等のホルモン、アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸、アラントイン、グリチルレチン酸、アズレン酸の抗炎症剤、アルブチン等の美白剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤、L−メントール、カンフル等の清涼剤やイオウ、塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、γ−オリザノール等がある。
【0033】
各種の抽出液としては、ドクダミエキス、オウバクエキス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、キナエキス、ユキノシタエキス、クララエキス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サクラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、シコンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、スギナエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキス、ニンジンエキス、カロットエキス、マロニエエキス、モモエキス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグルマギクエキス、ハマメリス抽出液、プラセンタエキス、胸線抽出物、シルク抽出液等がある。また、上記薬物は遊離の状態で使用されるほか、造塩可能なものは酸または塩基の塩の型で、またカルボン酸基を有するものはそのエステルの形で使用することができる。
【0034】
さらに、本発明の水中油型乳化化粧料には、必要に応じて適当な香料、色素等を乳化安定性を損わない範囲で添加できる。
【0035】
本発明の水中油型乳化化粧料は、実質的に界面活性剤を含まないことが望ましい。ただし、モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル等の界面活性剤を少量添加してもよい。
【0036】
本発明の水中油型乳化化粧料は、その効果を損なわない限り各種剤型の化粧料とすることができ、クリーム、乳液、ローションの他、美容液、メーキャップ化粧料、クレンジング等の水中油型乳化化粧料に適用することができるが、特にメーキャップ化粧料に好適である。
【0037】
本発明においては、本来水中油型での乳化が困難なワックス及びシリコーン油を用いて、α−モノアルキルグリセリルエーテルにより水中油型乳化を行っている。そこで、この技術を用いた水中油型乳化組成物について以下、説明する。
【0038】
下記表1に示す各組成物を調製し、その長期乳化安定性、化粧料としての使用感触について検討を行った結果を表1に併せて示す。なお、評価は40℃で1ヶ月間保存した組成物を用いて、以下の基準に従い行った。
【0039】
[評価基準]
(長期安定性)
○:油あるいは水の分離が全く認められなかった
△:油あるいは水の分離がわずかに認められる
×:油あるいは水の分離が明確に認められる
(使用感触)
◎:被験者の80%以上が良好と認める
○:被験者の50%以上80%未満が良好と認める
△:被験者の30%以上50%未満が良好と認める
×:被験者の30%未満が良好と認める
【0040】
【表1】
Figure 0004278313
【0041】
<製法>
常法に従い、水相及び油相をそれぞれ70℃に加温し、水相を油相に徐々に添加して乳化機で乳化する。その後、該混合物を室温まで放冷して組成物を得る。
【0042】
<結果>
上記表1において、試験例2,3,4より明らかなように、油相としてデカメチルシクロペンタシロキサン(シリコーン油)、流動パラフィン(その他油分)、ミツロウ(ワックス)をそれぞれ単独で用いた場合には、バチルアルコールを用いた場合にも長期安定性が得られないことがわかる。
【0043】
また、試験例5,6より明らかなように、デカメチルシクロペンタシロキサン及びミツロウの両者を用いた場合であっても、一般的な界面活性剤であるステアリン酸モノグリセリドを用いた場合には長期安定性に欠け、ポリエーテルシリコーン(シリコーン系界面活性剤)を用いた場合には、乳化安定性はやや向上するものの未だ十分ではなく、使用感触も改善の余地が残されている。
【0044】
試験例7,8より、油相としてデカメチルシクロペンタシロキサンを用いた場合には、通常の界面活性剤ではなく、ポリエーテルシリコーンなどを用いることで乳化安定性の改善が図られるが、安定性、使用感触ともに不十分である。
【0045】
試験例9,10より、油相として流動パラフィンを用いた場合には、ステアリン酸モノグリセリドの使用によりある程度の安定性が得られるが、使用感触は不十分であり、さらに試験例11,12も同様の傾向を示す。
【0046】
これに対し、試験例1では、デカメチルシクロペンタシロキサン、ミツロウ及びバチルアルコールという、それぞれではほとんど界面活性作用を有しない組み合わせを用いると、乳化の長期安定性が著しく良好となり、しかもクリームとした場合などの使用感触が良好となることが理解される。
【0047】
この特異的な現象から、図1に示すような乳化モデルが想定されている。
【0048】
すなわち、高温下で油相10と水相12が混合された状態では、油中水型の乳化状態となっており、一部のα−モノアルキルグリセリルエーテルは水滴の界面に存在し、粗大エマルションが形成されている(図1(A))。
【0049】
これを徐々に冷却すると、50℃付近で混晶を生成すると共に転相し(図1(B))、界面張力の低下により室温では水中油型の微細エマルションが生成し、層状構造をもつ結晶膜が生成され、乳化エマルションが安定化する(図1(C))。
【0050】
このα−モノアルキルグリセリルエーテルは、界面活性能が低く、水中油型乳化組成物を得るための乳化剤として単独で用いられることはほとんどない。したがって、実質的には、界面活性剤としてではなく、乳化の安定化剤、使用改善剤として一般によく用いられている。
【0051】
しかしながら、その構造は界面活性剤と近似することもあり、この技術では、その構造に着目して、α−モノアルキルグリセリルエーテルによる乳化について検討が行われ、一定条件下において乳化剤としても十分に機能しうることが見出されている。
【0052】
本技術は、前記α−モノアルキルグリセリルエーテルと共に、ワックス類と、シリコーン油を含む条件下で初めて良好な水中油型の乳化を図ることが可能となったのである。
【0053】
この場合、α−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類と、シリコーン油は油相中に添加して用いることが可能である。また、α−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類と、シリコーン油をそれらのみであらかじめ均一に混合して、これを水中油型乳化剤として他の油相及び水相に混合して用いることも可能である。
【0054】
次に、表2に、より具体的な水中油型乳化クリームを調整し、その長期安定性、使用感触の評価を行った結果を示す。
【0055】
【表2】
Figure 0004278313
【0056】
<製法>
70℃に加熱した水相を70℃に加熱した油相中に添加して乳化し、30℃まで攪拌冷却して水中油型乳化組成物を調製した。
【0057】
表2より明らかなように、乳化剤として既知の界面活性剤であるステアリン酸モノグリセリドを用いると(試験例14、15)、乳化安定性が低く、40℃で1ヶ月放置した場合には、油相と水相とが分離してしまうことがわかる。また、シクロデキストリンとカルボキシメチルセルロースを乳化剤として用いた場合(試験例16)も、安定性が低く、油相と水相の分離が認められることがわかる。
【0058】
また、乳化剤としてバチルアルコールを用いた場合であっても、ワックス類を配合しないと(試験例17)、安定性が低く、40℃で1ヶ月放置した場合には、油相と水相とが分離してしまうことがわかる。
【0059】
さらに、油相としてシリコーン油を配合しない場合には(試験例18)、製造段階において、安定な水中油型乳化組成物を得ることができないことがわかる。
【0060】
一方、乳化剤としてバチルアルコールを用い、動植物ワックスである蜜ロウ、デカメチルシクロペンタシロキサンを配合した本発明の水中油型乳化組成物(試験例13)は、長期安定性に優れ、しかも使用感触が良好な組成物であることがわかる。
【0061】
したがって、この水中油型乳化組成物によれば、乳化粒子の長期安定性に優れ、しかも使用感触のよい水中油型乳化組成物となることが示唆される。
【0062】
シリコーン油の配合量
上記検討により、配合するシリコーン油のα−モノアルキルグリセリルエーテルとワックス類とを除く全油相中に占めるシリコーン油の割合が水中油型の乳化に大きな影響を与えることが見出された。
【0063】
そこで、表3に示すような試験を行い、その関係について検討が行われた。なお、表中のシリコーン油の割合とは、α−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類を除いた全油相中にしめるシリコーン油の重量%を示す。
【0064】
評価は、乳化については、下記の基準に従い、また、長期安定性及び使用感触は、表1と同様の方法で評価された。
[評価基準]
(乳化)
◎:直径1〜2μの乳化粒子が形成された
○:直径2〜5μの乳化粒子が形成された
△:直径5〜8μの乳化粒子が形成された
×:乳化されなかった。
【0065】
【表3】
Figure 0004278313
【0066】
上記結果より明らかなように、シリコーン油の割合が1重量%では乳化されなかった。また、5重量%では、乳化はされるものの微細な乳化粒子を得ることができなかった。
【0067】
一方、シリコーン油を10重量%配合すると、直径5μ以下の乳化粒子を得ることができ、さらに、15重量%以上配合すると、直径2〜3μの微細な乳化粒子を得ることが可能である。
【0068】
したがって、本技術においては、シリコーン油がα−モノアルキルグリセリルエーテルとワックス類とを除く油相中に、10重量%以上含まれることが必要であり、特に、15重量%以上含まれることが好ましい。
【0069】
α−モノアルキルグリセリルエーテルの配合量
次にα−モノアルキルグリセリルエーテルの配合量について検討を行った。
処方と結果を表4に示す。
【0070】
【表4】
Figure 0004278313
【0071】
上記結果より明らかなように、バチルアルコールの配合量が0.1重量%では乳化安定性が不十分であることがわかる。一方、バチルアルコールを20重量%配合すると使用感触が悪くなってしまうことがわかる。
したがって、好適なα−モノアルキルグリセリルエーテルの配合量は、0.2〜15重量%、より好ましくは0.3〜10重量%である。
【0072】
ワックス類の配合量
さらにワックス類の配合量について検討を行われた。
処方と結果を表5に示す。
【0073】
【表5】
Figure 0004278313
【0074】
上記結果より明らかなように、蜜ロウの配合量が0.1重量%では乳化安定性が不十分であることがわかる。一方、蜜ロウを25重量%配合すると使用感触が悪くなってしまうことがわかる。
したがって、好適なワックス類の配合量は、0.2〜20重量%、より好ましくは0.3〜15重量%である。
【0075】
高級アルコール及び水溶性高分子の配合
図2は、下記表6の処方に基づき調整した、クリームを用いて行った乳化実験の結果である。
【0076】
【表6】

(油相)
デカメチルシクロペンタシロキサン 32.0重量%
スクワラン 4.0
テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 4.0
バチルアルコール *
ビーズワックス *
ベヘニルアルコール *
(水相)
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
フェノキシエタノール 0.3
イオン交換水 46.665
カルボキシビニルポリマー 0.025
苛性カリ 0.01

【0077】
なお、*で示したバチルアルコール、ビーズワックス及びベヘニルアルコールの配合量は、これらの配合量の比が図2で示される比率であり、配合量の合計が5重量%となる様に調整された。
ベヘニルアルコールの比率が高くなると、乳化剤として機能するバチルアルコールと、ビーズワックスの量が相対的に低くなるため、乳化性が悪くなることがわかる。
【0078】
また、図より明らかなように、ビーズワックスとバチルアルコールを混合した組成物では、処方によっては凝集を生じ、水中油型乳化組成物中に凝集物ができる。そこで、このような処方においてベヘニルアルコールを加えると凝集物が消失し、さらに水中油型の乳化が安定化することが示唆される。したがって、高級アルコールを加えることによりさらに良好な水中油型乳化組成物を得ることが可能となることがわかる。
これらの高級アルコールは一種又は二種以上を選択して配合することが可能である。ただし、8重量%以上配合すると、使用感触が悪化するため、5重量%以下配合することが好ましい。
【0079】
さらに高級アルコール、水溶性高分子の配合についての検討について示す。
処方と結果を表7に示す。
【0080】
【表7】
Figure 0004278313
【0081】
上記結果より明らかなように、カルボキシメチルセルロース及び又はセチルアルコールを配合した水中油型乳化組成物は、安定性及び使用感触とも優れたものである。また、該水中油型乳化組成物を顕微鏡にて観察すると、試験例46〜48のいずれもが、試験例13よりも乳化粒子が細かく1μm以下であり、さらに安定に保たれていることが示唆される。
本技術においては水溶性高分子は、乳化粒子の分離を防止するので、さらに高い長期安定性を有する水中油型乳化組成物を得ることが可能である。
つぎに本発明者は上記安定性と使用感触に優れる水中油型乳化組成物をメーキャップ化粧料に応用することを試みた。
【0082】
従来のメーキャップ化粧料
粉体を5%以上含むようないわゆるメーキャップ化粧料は、塗布後も長時間にわたり肌上に残ることが要求され、一般的な栄養クリームなどとは異なり、皮脂などによる化粧くずれは外観を著しく害する場合がある。
このため、ファンデーションなどのメーキャップ化粧料では、耐水性、耐油性が要求されている。
【0083】
一方、メーキャップ化粧料に配合される粉体の表面は、親水性が強く、水や汗で化粧くずれをしやすいことが知られている。この点については、粉体の表面を疎水化処理する技術が応用されている。
【0084】
また、メーキャップ化粧料には固形のものも多いが、使用性などの観点から液状の乳化型メーキャップ化粧料も汎用され、これらは元々相当量の界面活性剤を含むため、塗布面上で水、汗などに接触すると再乳化し、化粧くずれの原因となってしまうことが知られている。
【0085】
例えば、表8に一般的なO/W型乳化型ファンデーションの組成を比較例1及び2として示す。また、該化粧料の評価結果も併せて示す。評価結果は、下記の通りである。
【0086】
<メーキャップ化粧料の評価>
各サンプルのメーキャップ化粧料について、10名の専門パネラーが、その使用感、化粧もち、みずみずしさ、耐水性、二次付着のなさ及びカバー力を下記の基準に基づき官能評価した。
(評価基準)
◎:10人中、8名以上が良好と評価した。
○:10人中、6名以上8名未満が良好と評価した。
△:10人中、4名以上6名未満が良好と評価した。
×:10人中、3名以下が良好と評価した。
【0087】
【表8】
Figure 0004278313
Figure 0004278313
【0088】
<製法>
70℃に加温した新油性の界面活性剤を含む油相に疎水化した粉末を添加しホモミキサーにて分散する。その後、同様に70℃に加温した水相成分を添加しホモミキサーにて乳化した後40℃以下まで冷却する。
【0089】
表9の結果より、疎水化処理をしない粉体を用いた従来技術のメーキャップ化粧料(比較例1)は、化粧持ちが悪く、塗布後の耐水性、二次付着のなさにおいて劣ることがわかる。また、疎水化処理粉体を用いた従来技術のメーキャップ化粧料(比較例2)は、化粧持ち、塗布後の耐水性、二次付着のなさにおいて少し改善されているものの、完全な改善には至っていないことがわかる。
【0090】
これは、そもそもO/W乳化型の化粧料は、耐水性に劣り、水や汗により化粧くずれしやすいことによる。そこで、疎水化処理粉体を配合したW/O乳化型メーキャップ化粧料も開発されている。例えば表9に疎水化粉体を配合したW/O乳化型ファンデーションの組成を比較例3として示す。また、該化粧料の評価結果も併せて示す。評価結果は、前記の通りである。
【0091】
【表9】
Figure 0004278313
<製法> 常法による
【0092】
表9の結果より、疎水化粉体を含むW/O乳化型ファンデーションは、耐水性に優れ、化粧持ちがよいことがわかる。しかしながら、W/O乳化型のメーキャップ化粧料は、塗布中のみずみずしさや塗布時ののび等の使用感触に劣る傾向がある。
【0093】
そこで本発明者らは、安定性及び使用感触に優れ、界面活性剤を実質的に用いずに乳化を行うことのできる前記水中油型乳化組成物をメーキャップ化粧料に応用し、さらに二次付着がなく化粧持ちが良い、使用感触及びカバー力に優れたメーキャップ化粧料を完成すべく検討した。
【0094】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。また、配合量は特に指定がない限り重量%で示す。
【0095】
通常粉末を配合したメーキャップ化粧料
まず、本発明者は、前記の界面活性剤を用いない水中油型乳化組成物に通常の粉末を配合したメーキャップ化粧料を調製し、検討することとした。
すなわち、表10に示す配合組成の乳化ファンデーションを上記製法により製造し、10名の専門パネラーが、その使用感、化粧もち、みずみずしさ、耐水性及びカバー力を下記の基準に基づき官能評価した。比較例4及び5は、比較的粉末量が少ない組成物であり、比較例6及び7は粉末量が20重量%より多い組成物である。また、比較例5及び7はシリコーン樹脂を配合した組成物である。評価結果も併せて表10に示す。
【0096】
【表10】
Figure 0004278313
Figure 0004278313
*1:分子量約5000、平均式(CH1.8SiO1.1で表される有機シリコーン樹脂
【0097】
<製法>
水系の増粘剤であるベントナイトを分散したプロピレングリコールを精製水に加え70℃でホモミキサー処理した後、残りの水相成分を添加し十分に攪拌した。これに十分混合粉砕された粉体部を攪拌しながら添加し、70℃でホモミキサー処理した。次に70〜80℃で加熱溶解された油相を徐々に添加し70℃でホモミキサー処理した。これを攪拌しながら冷却し、45℃で香料を加え、室温まで冷却した。最後に脱気し容器に充填した。
【0098】
表10の結果より、通常の粉体を配合しただけでは、化粧持ち、耐水性に優れたメーキャップ化粧料とはならないことがわかる。
【0099】
疎水化処理粉末を配合したメーキャップ化粧料
そこで、本発明者は、前記表10の粉末の代わりに疎水化処理をした粉末を配合したメーキャップ化粧料を調製し、検討を行った。結果を表11に示す。
【0100】
【表11】
Figure 0004278313
Figure 0004278313
*1:分子量約5000、平均式(CH1.8SiO1.1で表される有機シリコーン樹脂
【0101】
<製法>
70℃に加熱した油相中に疎水化粉末を分散し、そこに70℃に加熱した水相を添加して乳化し、30℃まで撹拌冷却して水中油型乳化化粧料を調製した。
【0102】
表11の結果より、α−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類と、シリコーン油とを含有し、シリコーン油の含有量がα−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類を除く油相中の10重量%以上である水中油型乳化組成物に、疎水化処理粉末を含有する水中油型乳化化粧料は、化粧持ち、塗布中のみずみずしさ、のび、耐水性、二次付着のなさに優れていることがわかる。また、シリコーン樹脂を配合しない組成物(実施例1、3)より、シリコーン樹脂を配合した組成物(実施例2、4)のほうが、化粧持ち、塗布後の耐水性及び二次付着のなさにおいて、優れていることがわかる。また、より優れたカバー力を得るためには、20重量%以上の疎水化処理粉末を配合する必要があることがわかる。
【0103】
疎水性粉末の配合量の検討
つぎに本発明者は、下記組成のメーキャップ化粧料を調製し、疎水化粉末の配合量を検討した。
【0104】
【表12】
Figure 0004278313
Figure 0004278313
*1:分子量約5000、平均式(CH1.8SiO1.1で表される有機シリコーン樹脂
【0105】
表12の結果より、本発明においては、メーキャップ化粧料としてより優れたカバー力を得るには、疎水化処理粉末を20重量%より多く配合することが必要なことがわかる。また、本発明においては、疎水化粉体の配合は、約30重量%までは可能なことがわかる。
【0106】
シリコーン樹脂の配合量の検討
本発明者は、下記組成のメーキャップ化粧料を調製し、シリコーン樹脂の配合量を検討した。
【0107】
【表13】
Figure 0004278313
Figure 0004278313
*1:分子量約5000、平均式(CH1.8SiO1.1で表される有機シリコーン樹脂
【0108】
表13の結果より、シリコーン樹脂を1重量%以上配合すると化粧もち、耐水性及び二次付着のなさにおいてより優れたメーキャップ化粧料が得られることがわかる。また、シリコーン樹脂の配合は約20重量%までは配合可能なことがわかる。
【0109】
以下に、さらに実施例を挙げる。
実施例16 乳化ファンデーション
粉末
(1)シリコーン被膜処理酸化チタン 18.0
(2)シリコーン被膜処理酸化鉄(赤) 0.3
(3)シリコーン被膜処理酸化鉄(黒) 0.015
(4)シリコーン被膜処理酸化鉄(黄) 1.2
(5)シリコーン被膜処理タルク 5.0
油相
(6)ベヘニルアルコール 0.6
(7)バチルアルコール 1.25
(8)蜜ロウ 1.25
(9)デカメチルシクロペンタシロキサン 9.0
(10)シリコーン樹脂(*1) 8.0
水相
(11)EDTA・3Na 0.1
(12)イオン交換水 残 量
(13)グリセリン 3.0
(14)ジプロピレングリコール 4.0
(15)1,3−ブチレングリコール 2.0
(製法)実施例1と同様にして製造した。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、α−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類と、シリコーン油とを含有し、シリコーン油の含有量がα−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類を除く油相中の10重量%以上である水中油型乳化組成物において、疎水化処理粉末を配合したので、べたつきがなくみずみずしい使用感触を有しながら、耐水性に優れ、二次付着のない化粧もちのよい水中油型乳化化粧料を得ることができる。したがって、メーキャップ化粧料として好適である。さらに、特定シリコーン樹脂を配合した水中油型乳化化粧料においては、特に化粧持ちの良さ、耐水性及び二次付着のなさに優れている。また、本発明においては、20重量%より多く疎水化処理粉体を配合することにより、カバー力に特に優れたメーキャップ化粧料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の水中油型乳化化粧料の乳化機構の説明図であり、同図(A)は70℃付近での状態、同図(B)は50℃付近での状態、同図(C)は室温での状態をそれぞれ示す。
【図2】図2は、本発明の水中油型乳化化粧料におけるバチルアルコール、ビーズワックス、ベヘニルアルコールの配合量比による乳化安定性を示す相図である。

Claims (11)

  1. α−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類と、シリコーン油とを含有し、シリコーン油の含有量がα−モノアルキルグリセリルエーテルと、ワックス類を除く油相中の10重量%以上である水中油型乳化組成物において、疎水化処理粉末を油相中に20〜30質量%含有し、さらに下記一般式(1)で表されるシリコーン樹脂を化粧料全体中1〜20重量%含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料。
    n i ( 4−n ) /2 …(1)
    (式中、Rは炭素数1〜6の炭化水素基またはフェニル基、nは1.0〜1.8の数を示す)
  2. 請求項1記載の化粧料において、α−モノアルキルグリセリルエーテルのアルキル基が直鎖アルキル基であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
  3. 請求項1又は2記載の化粧料において、α−モノアルキルグリセリルエーテルがバチルアルコールであることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料において、α−モノアルキルグリセリルエーテルの配合量が水中油型乳化組成物中0.2〜15重量%であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の化粧料において、ワックス類が動植物ワックスであることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
  6. 請求項に記載の化粧料において、ワックス類が蜜ロウ、キャンデリラロウ、木ロウ、コレステロール、フィトステロール及びそれらの誘導体であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の化粧料において、ワックス類の配合量が水中油型乳化組成物中0.2〜20重量%であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の化粧料において、さらに高級アルコールを含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の化粧料において、さらに水溶性高分子を含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の化粧料において、実質的に界面活性剤を含まないことを特徴とする水中油型乳化化粧料。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の化粧料において、該水中油型乳化化粧料がメーキャップ化粧料であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
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