JP4277661B2 - プレス成形性に優れた溶接継手用高強度薄鋼板およびこれを用いた溶接継手 - Google Patents
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(1)質量%で、0.06%<C≦0.1%、Si≦0.5%、Mn≦1.8%、P≦0.03%、S≦0.01%、Al≦0.1%、N≦0.006%、0.12%<Ti≦0.20%、0.6%<W≦1.5%を含有し、かつ、以下の(I)式および(II)式の関係を満たし、残部Feおよび不可避的不純物からなり、実質的にフェライト単相組織であり、平均粒径が10nm未満の炭化物が析出し、900MPa以上1100MPa以下の引張強度を有することを特徴とするプレス成形性に優れた溶接継手用高強度薄鋼板。
0.5≦〔{Ti-(48/32)S-(48/14)N}/48〕/(W/184)≦1.5 …(I)
(但し、Ti、S、N、Wは質量%)
Ceq=C+Mn/6+Si/24≦0.4 …(II)
(但し、C、Mn、Siは質量%)
(2)質量%で、0.06%<C≦0.1%、Si≦0.5%、Mn≦1.8%、P≦0.03%、S≦0.01%、Al≦0.1%、N≦0.006%、0.12%<Ti≦0.20%、W≦1.5%、Mo≦0.5を含有し、かつ、以下の(III)式および(IV)式の関係を満たし、残部Feおよび不可避的不純物からなり、実質的にフェライト単相組織であり、平均粒径が10nm未満の炭化物が析出し、900MPa以上1100MPa以下の引張強度を有することを特徴とするプレス成形性に優れた溶接継手用高強度薄鋼板。
0.5≦〔{Ti-(48/32)S-(48/14)N}/48〕/{(W/184)+(Mo/96)}≦1.5 …(III)
(但し、Ti、S、N、W、Moは質量%)
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Mo/4≦0.4 …(IV)
(但し、C、Mn、Si、Moは質量%)
(3)薄鋼板どうしを溶接してなる溶接継手であって、前記薄鋼板のうちの少なくとも一方が、上記(1)または(2)に記載の溶接継手用高強度薄鋼板であることを特徴とするプレス成形性に優れた溶接継手。
(4)上記(1)または(2)の溶接継手用高強度薄鋼板とC≧0.10%含む被溶接鋼板とを溶接してなることを特徴とするプレス成形性に優れた溶接継手。
(5)上記(3)または(4)の溶接継手において、前記溶接継手用高強度薄鋼板と前記被溶接鋼板との溶接線が曲線部を含む。
本発明の溶接継手用高強度薄鋼板は、質量%で、0.06%<C≦0.1%、Si≦0.5%、Mn≦1.8%、P≦0.03%、S≦0.01%、Al≦0.1%、N≦0.006%、0.12%<Ti≦0.20%、0.6%<W≦1.5%を含有し、かつ、以下の(I)式および(II)式の関係を満たすか、または、質量%で、0.06%<C≦0.1%、Si≦0.5%、Mn≦1.8%、P≦0.03%、S≦0.01%、Al≦0.1%、N≦0.006%、0.12%<Ti≦0.20%、W≦1.5%、Mo≦0.5を含有し、かつ、以下の(III)式および(IV)式の関係を満たす。さらに溶接継手用高強度薄鋼板は、残部Feおよび不可避的不純物からなり、実質的にフェライト単相組織であり、10nm未満の析出物が分散析出して高強度化されている。
0.5≦〔{Ti-(48/32)S-(48/14)N}/48〕/(W/184)≦1.5 …(I)
(但し、Ti、S、N、Wは質量%)
Ceq=C+Mn/6+Si/24≦0.4 …(II)
(但し、C、Mn、Siは質量%)
0.5≦〔{Ti-(48/32)S-(48/14)N}/48〕/{(W/184)+(Mo/96)}≦1.5 …(III)
(但し、Ti、S、N、W、Moは質量%)
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Mo/4≦0.4 …(IV)
(但し、C、Mn、Si、Moは質量%)
Cは鋼を高強度化する炭化物を形成する。C含有量が0.1%超となると、引張強度が1100MPaを超えやすくなり、プレス成形性が低下する。このため、C含有量を0.1%以下とした。また、900MPa以上の引張強度を得るためにはC含有量を0.06超とすることが必要である。
Siは従来鋼の延性を劣化させずに強度を上昇できる成分として積極的に添加されてきた。しかし、Siは鋼の焼入性を増し、かつ、表面性状も赤スケールで劣化することから、本発明ではSiを極力添加せず、Si含有量の上限を0.5%とした。Si含有量は好ましくは0.2%以下である。
Mnは固溶強化元素である。高強度を得るために添加するが、1.8%を超えて添加すると、鋼板内部に偏析組織を形成して、溶接継手のプレス成形性を劣化させる。そこで、Mn含有量を1.8%以下とした。高強度化の観点からはMn含有量は0.5%以上が好ましい。
Pは鋼中に偏析する不純物元素であるから、できる限り低減することが好ましい。このため、P含有量を0.03%以下とした。
SはTiと結合して鋼中に硫化物を形成する。そのため、S含有量の増加は鋼を析出強化するTiとW(もしくはTiとWとMo)を含む微細炭化物の析出量の低減をもたらし、さらにプレス成形性を劣化させることから、S含有量は可能な限り低減することが好ましい。このため、S含有量を0.01%以下とした。
Alは脱酸剤であり、鋼中にある程度含まれる。しかし、Al含有量が0.1%を超えると鋼が酸化しやすくなって延性が低下してしまう。そこで、Al含有量を0.1%以下とした。
NはTiと結合して鋼中にTiNとして析出する。このTiNは粗大なため強度向上に寄与しない。また、Tiを浪費して鋼の高強度化に寄与するTiとWまたはTiとWとMoを含む微細炭化物の析出量を減らすことから、Nの含有量は少ない方がよい。そのため、本発明においては、N含有量を0.006%以下とした。
Tiは鋼板を析出強化するために極めて重要である。Ti含有量が0.12%以下ではTiとWまたはTiとWとMoを含む微細炭化物による900MPaを超える高強度化が困難であり、0.2%を超えると強度が著しく高くなって、980MPa級としては、プレス成形性が低下する。このため、Ti含有量を0.12%超0.2%以下とした。
WはTiとともに微細な析出物を形成して鋼板を強化するため、本発明において極めて重要である。Wを含むがMoを実質的に含まない場合においては、Wが0.6%以下では、TiとWとを含有する析出物が形成されない。また、Wが1.5%超ではベイナイトが生成しやすくなり、フェライト単相化が困難となる。そこで、W含有量を0.6%超1.5%以下とした。
WおよびMoを同時に含有する場合において、W含有量が1.5%超であり、かつ、Mo含有量が0.5%超であると、ベイナイトやベイニティックフェライトが生成しやすくなって、Moを含有しないときよりもさらにフェライト単相化が困難となる。そこでW含有量は1.5%以下とし、Mo含有量は0.5以下とした。
上述したように、TiはS、Nと結合し、これらと結合しなかったTiが微細炭化物を形成し、鋼板の高強度化に寄与する。このSおよびNと結合しないTi量とW量の比は、本発明において極めて重要である。これは、TiとWが結合した炭化物が熱的に安定で、溶接入熱で粗大化しにくいからである。式:〔{Ti-(48/32)S-(48/14)N}/48〕/(W/184)の値が1.5を超えると(つまり、Ti量が多くなると)、鋼板を高強度化する微細炭化物の熱的安定性が失われて、HAZ軟化が著しく起こる。一方、この式の値が0.5未満となる(つまり、Wが多くなる)と、Tiと結合しないWが炭化物を形成できないことから、炭化物が減少して、十分な引張強度が得られなくなる。このため、この式の値を0.5以上1.5以下とした。
WおよびMoを同時に含有する場合には、上記理由と同じ理由により、〔{Ti-(48/32)S-(48/14)N}/48〕/{(W/184)+(Mo/96)}の値を0.5以上1.5以下とした。
Ceqは溶接金属の硬さを示す指標である。Ceqが0.4を超えると、母材の引張強度に対して溶接金属の硬さが著しく高くなる。このため、溶接継手をプレス成形すると溶接金属と鋼板との境界に応力集中が生じ、溶接金属と鋼板との境界が破壊する。そこで、Ceqの上限と0.4とした。
Moを含む場合には、上記理由と同じ理由により、Ceq=C+Mn/6+Si/24+Mo/4の上限を0.4とした。
Claims (5)
- 質量%で、0.06%<C≦0.1%、Si≦0.5%、Mn≦1.8%、P≦0.03%、S≦0.01%、Al≦0.1%、N≦0.006%、0.12%<Ti≦0.20%、0.6%<W≦1.5%を含有し、かつ、以下の(I)式および(II)式の関係を満たし、残部Feおよび不可避的不純物からなり、実質的にフェライト単相組織であり、平均粒径が10nm未満の炭化物が析出し、900MPa以上1100MPa以下の引張強度を有することを特徴とするプレス成形性に優れた溶接継手用高強度薄鋼板。
0.5≦〔{Ti-(48/32)S-(48/14)N}/48〕/(W/184)≦1.5 …(I)
(但し、Ti、S、N、Wは質量%)
Ceq=C+Mn/6+Si/24≦0.4 …(II)
(但し、C、Mn、Siは質量%) - 質量%で、0.06%<C≦0.1%、Si≦0.5%、Mn≦1.8%、P≦0.03%、S≦0.01%、Al≦0.1%、N≦0.006%、0.12%<Ti≦0.20%、W≦1.5%、Mo≦0.5を含有し、かつ、以下の(III)式および(IV)式の関係を満たし、残部Feおよび不可避的不純物からなり、実質的にフェライト単相組織であり、平均粒径が10nm未満の炭化物が析出し、900MPa以上1100MPa以下の引張強度を有することを特徴とするプレス成形性に優れた溶接継手用高強度薄鋼板。
0.5≦〔{Ti-(48/32)S-(48/14)N}/48〕/{(W/184)+(Mo/96)}≦1.5 …(III)
(但し、Ti、S、N、W、Moは質量%)
Ceq=C+Mn/6+Si/24+Mo/4≦0.4 …(IV)
(但し、C、Mn、Si、Moは質量%) - 薄鋼板どうしを溶接してなる溶接継手であって、前記薄鋼板のうちの少なくとも一方が、請求項1または請求項2に記載の溶接継手用高強度薄鋼板であることを特徴とするプレス成形性に優れた溶接継手。
- 請求項1または請求項2に記載の溶接継手用高強度薄鋼板とC≧0.10%含む被溶接鋼板とを溶接してなることを特徴とするプレス成形性に優れた溶接継手。
- 前記溶接継手用高強度薄鋼板と前記被溶接鋼板との溶接線が曲線部を含むことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のプレス成形性に優れた溶接継手。
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