JP4276880B2 - 食品製造ラインの洗浄度合検出方法及びその検出装置 - Google Patents
食品製造ラインの洗浄度合検出方法及びその検出装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、食品製造において、その配管などのラインの洗浄度合を検出する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品の安全性が叫ばれる今日、食品の製造ラインでは、そのラインを定期的に洗浄し、各種の細菌の発生を防いで安全な食品を世に提供するように要求される。このため、食品製造ラインには、その一部に洗浄装置を組み込み、その洗浄装置により、必要なとき、例えば定期的に又は随時にそのラインを自動洗浄するようにしている。これを定置洗浄、又はCIP(Cleaning in Place)洗浄と称している。
【0003】
この洗浄において、その洗浄度合は、製造物の種類に基づき、例えば、洗浄水にオゾン溶解水を使用した場合には、その廃液のオゾン濃度を測定してその濃度により洗浄度合を測定したり(特許文献1参照)、洗浄水のイオン性及び非イオン性の溶解成分の測定値により、洗浄度合を測定したり(特許文献2参照)、測定部位の所要位置間の電気容量変化を測定し、その変化に基づき、洗浄度合を測定している(特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−117708号公報 請求項2
【特許文献2】
特開平8−243520号公報 要約
【特許文献3】
特開平9−105736号公報 要約
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の何れの洗浄度合測定手段もその装置が大型化又は高価なものであり、コストダウンが叫ばれる今日、安価で簡単に、かつ精度良く洗浄度合を検出できる手段が要求されている。
【0006】
この発明は、その要求に応えることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、ある物に熱を与えると、その表面は、その全体が均質であれば同一の温度を示し、均質でなければ、その均質でない部分が均質な他の部分に比べて高い又は低い温度を示し、すなわち、均質度合に応じた温度分布が現われる事に着目し(特許文献4参照)、食品製造ラインの洗浄においてもその洗浄ラインの洗浄度合によってそのラインの表面温度分布が異なることを発見し、その温度分布に基づき洗浄度合を検出するようにしたのである。
【0008】
例えば、ラインの配管に洗浄水を流通させた際、その配管内面が食品残物の付着がなくきれいな場合は、その配管表面全域温度が洗浄水の温度に基づき均一に上昇又は下降するが、配管内面に食品残物が付着している場合には、その食品残物の存在により、その付着部分の配管表面は他の部分に比べ温度の昇降が遅れ、温度分布にムラが生じる。この温度分布のムラ度合により、食品残物度合、すなわち洗浄度合を検出することができる。
【0009】
具体的には、食品製造における配管などのラインに洗浄水を流通させてそのライン内を洗浄する際、前記ライン配管の所要測定部位の前記洗浄水の流通による表面温度分布を測定し、その測定温度の分布ムラにより、ライン内の洗浄度合を検出するようにしたのである。
【0010】
この方法は、製造ラインの洗浄度合を経時的又は随時等に検出する場合であるが、実験機で、その製造ラインの洗浄度合を推測し、その推測値に基づき、その製造ラインを操業する場合には、食品製造ライン配管の所要測定部位のサンプル内面に、食品製造で生じるライン内の残物を付着させた後、洗浄水を流通させて、前記測定部位の前記洗浄水の流通による表面温度分布を測定し、その測定温度の分布ムラにより、サンプルの洗浄度合を検出し、その検出値に基づき、食品製造ラインにおける前記測定部位の洗浄度合を推測するようにし得る。
【0011】
これらの洗浄度合測定方法は、適宜な装置で行えばよいが、例えば、ライン配管表面温度分布の測定器をその測定部位に設置し、その測定器による測定温度の分布ムラにより、ライン内の洗浄度合を検出する構成の装置を採用し得る。
【0012】
それらの表面温度測定は、非接触のサーモグラフィーにより行うことができ、例えば、赤外線を利用するものにあっては、その測定部位表面を黒色などの暗色にすると、感度が向上する。
【0013】
【特許文献4】
特開平−307013号公報
【0014】
【実施の形態】
一実施形態を図1及び図2に示し、この実施形態は、実験機において、製造ラインの所要部位の洗浄度合を推測するものであり、温水タンク1と洗浄水タンク2から、ポンプ3により、ロータメータ4を介して前記製造ライン配管の一部に相当するサンプルSにその温水又は洗浄水が選択的に送られるようになっている。サンプルSからはストレーナ5を通って温水又は洗浄水が各タンク1,2に戻る。この循環ラインには適宜に開閉弁6が設けられており、この各開閉弁6が適宜に開閉されて温水又は洗浄水が選択的に循環する。
【0015】
サンプルSには、非接触の赤外線サーモグラフィー8が対向させて設けられており、このサーモグラフィー8は、サンプルS表面からの輻射熱を検出してその温度分布を画像表示する。このとき、図2に示すように、サンプルSの表面に熱伝導性の高い黒色テープtを巻回してその表面を暗色にすると、サーモグラフィー8による温度検出精度を向上させることができる。
【0016】
図中、黒塗り開閉弁6が閉止状態、白抜きが開放状態を示す。この実施形態では、サンプルSをライン配管の一部としたが、タンクの一部等とライン内の適宜な位置を任意に選択し得る。サンプルSは循環ラインから取り外しが自在となっている。
【0017】
この実施形態において、洗浄度合を検出するには、まず、サンプルS内に仕込み口7からその内面に付着して洗浄する物、例えば、食品が「ごまだれ(胡麻、米酢、みりん、砂糖、 清酒、醤油、 胡麻油などの混合物)」ならば、その「ごまだれ」をサンプルS内に送り込み、図1に示す状態で、洗浄水及び温水を、製造ラインのCIP洗浄と同様に循環させる。この循環時におけるサンプルSの表面温度分布変化をサーモグラフィー8で測定し、その測定値に基づき、洗浄度合を検出する。例えば、どのような性状の洗浄水が洗浄効果が高いか?、その洗浄時間はどれくらいが最適か?、温水及び洗浄水の温度はどれくらいが最適か?、その温水の循環時間はどれくらいが最適か?、それらの循環速度(流速)はどのくらいが最適か?などを検出する。その最適検出値に基づき、実際の製造ラインを運転する。
【0018】
この実施形態において、サンプルSに、長さ:300mm、内径:25.4mm、厚み:1.2mmのSUS316L製鉄管を使用し、その管Sにごまだれ液を注入して、40℃の温水を0.5m/sの流速で循環させたサンプルSの表面温度分布の経時的変化を図3((a):10秒後、(b):15秒後、(c):20秒後)に示す。また、比較例として、ごまだれ液を注入しない(ブランクな)サンプルSにおける同一条件のサンプルSの表面温度分布の経時的変化を図4((a)〜(c))に示す。図中、温水の流れ方向を矢印で示し、サンプルS表面の点が小さくなるにつれて、その表面温度が高いことを示す。
【0019】
この結果から、図4のブランクにおいては、(a)〜(c)の全てにおいて、サンプル(管)Pの全面均一な温度分布となり、(a)から(c)のように時間が経過すると、温度変化はあるが、その温度分布は全面均一となっているのに対し、図3のごまだれ液を注入したサンプルSは、(a)〜(c)の全てにおいて、サンプル(管)Pの温度分布にムラ(濃度ムラ)があり、(a)から(c)のように時間が経過すると、その温度ムラも変化している。このとき、サンプルSの表面温度は、内面にごまだれが付着していると熱伝導が悪くなることにより、この温度ムラは、サンプルSの内面のごまだれ液の付着度合によって現われたものとなる。このため、この温度ムラにより、洗浄度合が測定できることが確認できる。
【0020】
なお、ラインに図1鎖線で囲む分岐部がある場合には、その分岐管10に食品が進入して洗浄がされにくい。このため、その部位には超音波をあてることにより、洗浄効果を高め、その効果を同様にしてその部位の表面温度変化でもって検出することができる。
【0021】
実施形態は実験機での場合であったが、製造ラインでその洗浄度合を検出する場合には、測定器8をそのラインの所要測定部位に設けて、その測定値に基づき洗浄度合を検出する。このようにラインに設ければ、ラインのCIP時に並列的に(同時に)その洗浄度合を検出できて便利である。
【0022】
【発明の効果】
この発明は、食品製造ラインの洗浄度合をそのライン配管表面の温度の分布ムラによって検出するようにしたので、その洗浄度合を安価で簡単に、かつ精度良く検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の概略配管図
【図2】同実施形態の要部拡大斜視図
【図3】同実施形態の作用図
【図4】比較例の作用図
【符号の説明】
1 温水タンク
2 洗浄水タンク
3 ポンプ
8 サーモグラフィー(表面温度測定器)
S サンプル
Claims (8)
- 食品製造ラインに洗浄水を流通させてそのライン内を洗浄する際、前記ライン配管の所要測定部位の前記洗浄水の流通による表面温度分布を測定し、その測定温度の分布ムラにより、ライン内の洗浄度合を検出することを特徴とする食品製造ラインの洗浄度合検出方法。
- 食品製造ラインに洗浄水を流通させて、そのライン内を洗浄する際の前記ライン配管の所要測定部位の洗浄度合を検出する方法において、
上記所要測定部位のサンプル(S)内面に、上記食品製造で生じるライン内の残物を付着させた後、前記洗浄水を流通させて、前記測定部位の前記洗浄水の流通による表面温度分布を測定し、その測定温度の分布ムラにより、サンプル内の洗浄度合を検出し、その検出値に基づき前記食品製造ラインの測定部位の洗浄度合を推測することを特徴とする食品製造ラインの洗浄度合検出方法。 - 上記測定部位の表面温度測定を、非接触のサーモグラフィーにより行うようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の食品製造ラインの洗浄度合検出方法。
- 上記ラインの測定部位表面を暗色にしたことを特徴とする請求項3に記載の食品製造ラインの洗浄度合検出方法。
- 食品製造ラインに洗浄水を流通させてそのライン内を洗浄する際、そのラインの洗浄度合を検出する装置であって、
上記洗浄水の流通によるライン配管の表面温度分布の測定器をそのライン配管の測定部位に設置し、その測定器による測定温度の分布ムラにより、ライン内の洗浄度合を検出することを特徴とする食品製造ラインの洗浄度合検出装置。 - 食品製造ラインに洗浄水を流通させて、そのライン内を洗浄する際の前記ライン配管の所要測定部位の洗浄度合を検出する装置において、
上記所要測定部位のサンプル内面に、上記食品製造で生じるライン内の残物を付着させた後、前記洗浄水を流通させて、前記測定部位の前記洗浄水の流通による表面温度分布を測定し、その測定温度の分布ムラにより、サンプル内の洗浄度合を検出し、その検出値に基づき前記食品製造ラインの洗浄度合を推測するようにしたことを特徴とする食品製造ラインの洗浄度合検出装置。 - 上記測定器を、非接触のサーモグラフィー機器としたことを特徴とする請求項5又は6に記載の食品製造ラインの洗浄度合検出装置。
- 上記ラインの測定部位表面を暗色にしたことを特徴とする請求項7に記載の食品製造ラインの洗浄度合検出装置。
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