JP4276548B2 - 耐酸化性を有するランプ用モリブデン外部リード線 - Google Patents

耐酸化性を有するランプ用モリブデン外部リード線 Download PDF

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本発明は、高融点金属であるモリブデンの耐酸化性を改善した材料に関する。また、ランプ用外部リードに用いられるモリブデン線に関する。
気密に密閉され且つ内部に電極が配置されたガラスランプ容器と、各々前記電極に接続され且つ前記ランプ容器から突出するモリブデンからなる端部を有し、該端部に耐酸化保護手段が設けられている電流導体とを具えた電気ランプに関する発明として、特許文献1が既知である。ここで、モリブデン端部を有する電流導体の石英ガラスとの熱膨張係数の相違が少ないモリブデンが、酸化した際にランプホルダーの接続端子と良好な電気接触が失われてしまうことに着目し、モリブデン端部を耐酸化金属の金属ブッシュ内に封止固定している。しかし、ブッシュおよびそれらの取り付けはランプの製造コストを増大する欠点がある。また、例えばニッケル、プラチナ、パラジウム、金のような貴金属の被覆を有する端部を用いることが述べられている。このような被覆は、ニッケルまたは銅の下地層を必要とし、モリブデンと反応してランプ製造中に使用されうる温度よりも低い温度で溶融する合金を形成する恐れがあるとされている。工程上、下地層が必要とされ、その厚みも検討がなされていない。
また、特許文献2では、ランプ容器から突出し電気素子に接続されたモリブデン端部に窒化モリブデンの外皮層が設けられている電気ランプが開示されている。窒化モリブデンの膜を得ることは600〜850℃でアンモニアガスにモリブデンをさらすことにより得ることができるが、耐酸化性を有する温度は200℃程度に留まり不十分である。
また、特許文献3においても外部電流導体が白金で被覆され且つ燐化白金の膜を有し、モリブデン箔の少なくとも第1端部が燐化モリブデンの膜を有し、前記の白金、燐化白金の膜、燐化モリブデンの膜が前記の耐酸化保護被覆を構成し、前記の毛管状のスペースが硼酸塩ガラスで封じられているランプが示されている。この発明においては、外部電流導体の白金被覆、燐化白金だけでなくモリブデン箔にも燐化モリブデンの膜を必要とし、さらに硼酸塩ガラスの封止が必要であり、構成が複雑であるがゆえに製造コストを増大させ、製造歩留を低下させる問題点がある。
特許文献4では、ランプの外部リード部がタングステンもしくはモリブデンからなり、該外部リード部の表面に耐酸化層として(a)NaO・B・SiOを主成分とする硼珪酸ガラス、(b)金属成分と珪素化合物、(c)SiOを主成分とする化合物、(a)〜(c)のいずれかである管球が示されている。特許文献4においては、当該表面が非導電性物質であるが故に、外部リードがランプホルダの接点と接する部分においては、被覆を行うことができない。
特許文献5においては、ショートアーク型放電ランプのスリーブ部材と封止管部との間にモリブデン箔が配置され、当該モリブデン箔の封止管部側の外表面が、耐酸化性を有する高融点金属であるタングステン、レニウム、タンタル、ロジウムまたは白金により表面処理されているショートアーク型放電ランプが示されている。これはモリブデン箔の耐酸化性を向上する為の処理で外部リードの耐酸化性を向上させるためのものではない。
また、特許文献6においてもモリブデン箔の耐酸化性を向上することを目的として外面側が酸化珪素の含有割合が高くなるように形成されたモリブデンと酸化珪素からなる耐酸化性皮膜とを具えている気密封止用導体が示されているが、これも外部リードの特性を向上するためのものではなく、モリブデン箔の改善による製造時における作業性、歩留などを向上する為のものである。
特許文献7ではモリブデン材料の特性を向上するために、モリブデン珪化物層を有するモリブデン材料が示されている。ここでは結晶粒の加工に制限がある。
また、特許文献8にモリブデンまたはモリブデン合金からなる金属母材の表面に窒素と炭素を含有した耐酸化層を有する高融点金属材料が示されている。これは1100℃以上の高温且つ1MPaという高圧の窒素雰囲気が必要であり、工業的な外部リードの作製には適さない。
特許文献9ではモリブデン、ニオビウムおよびそれらの合金の表面に耐酸化性および耐食性に優れる被覆層およびその製造方法として、表面被覆を等軸晶のMoSi結晶粒界にSi粒子が分散した組織を有することを特徴とするMoSi−Si複合被覆層が示されている。ここで、珪素、窒素の気相蒸着工程を組み合わせる必要があり、工程が複雑で工業的な製造が難しい。
カロライズ、シリコナイズについては、特許文献10に宇宙機器の外壁用の炭素系母材の耐酸化コーティング方法、特許文献11にはプロセス装置の炭素析出を装置の側において防止する方法と炭素析出を防止したプロセス装置、特許文献12には粉末輸送管のベンド部の摩耗防止装置、特許文献13には鉄鋼製材自体の熱用編により装着した黒鉛質耐火材の脱落を防止できる耐火性治具等の発明があるが、いずれも使用の目的、使用される分野が異なり、特に電流導体としての導電性に関して考察されている文献ではない。
ランプの外部リード線の特性改善の試みは上記種々の材質に亘って実施されているが、使用条件である当該温度を考慮する発明と、製造コストに関する両立を行うことができる外部リード部材は存在しなかった。
最近のランプ出力の増大により、ランプ電極の発熱が大きくなり外部リード線にかかる熱負荷が大きくなってきている。外部リード線はランプの金属部品としては唯一大気に曝される部品であり、酸化により外部リードが細ったり、金属酸化物となることにより導電性を失って、ランプとしての寿命を迎える。また、タングステンは酸素との反応温度が高い為、外部リード線に使用することにより耐酸化性を改善できる見込みがあるが、材料価格が高くコスト的に不利なこと、他の部品との溶接条件の検討が必要なことなどから、外部リード線はモリブデンであることが望ましい。
米国特許4015165号明細書 特開平6−52840号公報 特開平6−295710号公報 特開2000−182566号公報 特開2000−306549号公報 特開2001−102008号公報 特開平8−209327号公報 特開2001−288556号公報 特開2003−268529号公報 特開平05−117066号公報 特開平6−146008号公報 特開平10−87072号公報 特開平11−153387号公報 Materials Science Forum Vols.308−311 (1999) pp.774−781
そこで、本発明の技術的課題は、上記の問題点に鑑み、高融点金属であるモリブデンに耐酸化性を有するように特性改善を行い、電球の寿命を長くすることが出来る外部リード線を提供することにある。
本発明では、ランプが点灯しなくなる寿命が、外部リード線の酸化に伴うリード線の外径減少による接触不良、および外部リード線の表面酸化に伴うランプホルダの接点との抵抗増大が原因であるランプとして、ランプ用の外部リード線の温度がランプ点灯時に400℃以上600℃以下であり、かつ、ランプ出力が300W以上1000W以下であるランプに着目し、外部リード線の耐酸化性を向上することにより点灯不良を解決したものである。
即ち、本発明によれば、モリブデンを母材とするランプ用の外部リード線において、ランプ点灯時に400℃以上600℃以下の温度であり、かつ、ランプ出力が300W以上1000W以下であるランプに使用し、当該外部リード線は、Al 17 Mo 、MoSi 、単相ニッケル、及び単相の金の内のいずれか一種からなる耐酸化性を有する表面層と、前記表面層から内部に向かって次第に前記表面層成分が減少する10μm以上の傾斜組成層とを備えたことを特徴とする耐酸化性を有するランプ用モリブデン外部リード線が得られる。
ここでのAl17Mo表面の形成にはカロライズ処理、アルミパック処理および高濃度浸アルミ処理といった表面拡散処理のなかの1種を選択することができる。カロライズ処理、アルミパック処理および高濃度浸アルミニウム処理それ自体は、特許文献13にあるように公知であり、通常、鉄−アルミニウム合金粉末、アルミナおよびハロゲン化物の混合粉末中あるいはアルミニウム粉末およびアルミナの混合粉末中に被処理材料を埋没し、中性雰囲気中で圧力を調整しながら加熱する方法が行われる。また、高濃度浸アルミニウム処理は、上記のようにカロライズ処理した被処理材の表面に溶融アルミニウムめっきを施すか或いはアルミニウムを溶射したものを耐火物で覆い、中性雰囲気中で加熱処理する方法である。形状としては板状、棒状、筒状、球状など任意である。
また、MoSi表面形成のためのシリコナイズ処理も、特許文献11にあるように公知であり、Siを拡散浸透させて改質し、耐食性とくに耐高温酸化性を向上するための手段として一般的である。
本発明によれば、高融点金属であるモリブデンに耐酸化性を有するように特性改善を行い、外部リードの酸化によるランプ寿命を長くすることが出来る外部リード線を提供することができる。
また、本発明品は公知の技術(カロライズ処理、アルミパック処理、高濃度浸アルミニウム処理、シリコナイズ、めっき、熱処理)技術を用いて得ることが出来、即ち、汎用装置を用いて作製できるため製造コスト面で有利である。
以下、本発明について更に詳しく説明すると、本発明では通常の粉末冶金法によって製造され、塑性加工により線材を得るモリブデン材料への耐酸化性を向上するものである。
図1は本発明の実施の形態によるランプの説明図である。図1を参照すると、ランプ100は、ガラス球11と、ガラス球11内に配置されたフィラメント12と、フィラメント12の両端から延びた端部及びMo外部リード線10を接続するMo箔13からなる接続部とを備えている。この接続部は、ガラス球11の一端を封止するピンチシール部14によって埋設されている。Mo外部リード線10は、ランプホルダ接点15に装着され、このランプホルダ接点15を介して電流16が供給される外部リード線10に通電される。
図2は本発明の実施の形態による外部リードの構成を示す概略断面図である。図2を参照すると、外部リード線10はモリブデン母材3の最表面に形成された表面耐酸化層1と、その内側から径方向中心に向かって厚さ数μm以上(約10μm以上)で形成された傾斜組成層2と、中心部のモリブデン母材とを備えている。 次に、本発明の実施の形態による外部リードの耐酸化性を評価するために、大気中での種々の材質の耐酸化性を調査する予備テストを行った。その結果を下記表1に示す。本発明で重要な特性は、特許文献7で論じられている昇華により重量減少するような1000℃〜1300℃の耐酸化性でなく、外部リード線が曝される400℃〜600℃での酸化物の付着による重量増加が起こるような特性および電気抵抗値の変化が重要である。
また、下記表1は種々の直径1.0mm長さ20mmのサンプルを各温度100時間保持した後の重量変化を示す。黒鉛塗布は約1μmの厚み、金めっき、ニッケルめっきは各々約5μmの厚み、Al17Mo(カロライズ)、MoSi(シリコナイズ)は各々約10μmの厚みとした。ここで、黒鉛はモリブデン線への黒鉛水溶液の刷毛塗り後、乾燥により実施、金めっきおよびニッケルめっきは市販の電解めっき液による電解めっき、カロライズおよびシリコナイズは特許文献10,特許文献11、特許文献12、及び特許文献13に開示された公知の手法を用いた。
Figure 0004276548
上記表1において、括弧内は10%の重量変化が起こった時間を示す。それ以上の時間保持すると、酸化が進行して粉末状になり、形状を維持できなくなった。
これらの予備試験により、金めっき、ニッケルめっき、Al17Mo、MoSi表面には耐酸化性が認められることが判った。
よって、本発明の第1の実施の形態に係る耐酸化性を有する最表面と、内部に向かって10μm以上の傾斜組成層によれば、当該外部リード線が600℃といった非常に高温になった場合でも、その表面は酸化反応を生じることなく、外径減少や接触不良を生じることがないため、ランプの不点灯を防止することができる。
次に、上記表1で得られた予備テスト評価結果に基づき、下記表2に示す1〜15の試料を下記の方法で作製した。
試料は、予備テストと同じく公知のカロライズおよびシリコナイズ、金メッキおよびニッケルめっきは、市販の電解めっきによる電解めっきをそれぞれ行ない試料番号1〜15とした。なお、試料15は、従来技術1に基づき銅の下地層を形成した。また、下記表2の本発明の試料1〜8の表面組成層を含む傾斜組成層厚みは、テスト結果に基づき、好ましい範囲を記載した。
本発明の第1の例に係るAl17Mo表面の傾斜組成層を10μm以上得るためには、例えば5μmのAl17Mo層形成後に、1500℃5時間の真空中での熱処理を行うことで20μm程度の十分な傾斜組成層を得ることができた。但し、熱処理前のAl17Mo層の形成を30μm以上にして1700℃5時間の熱処理を行うと傾斜組成層が300μm超えて接触抵抗値が10mΩ程度増大し、70μm以上の熱処理前のAl17Mo形成においては、熱処理後に傾斜組成層が500μmを超えて導通不良を起こす場合が非常に多くなった。傾斜組成部分にはAlMoなる中間組成も存在し、この組成の徐々に変化する傾斜組成層が、熱膨張係数の段階的な変化およびせん断応力の低減をもたらし、耐酸化層の剥離を防止するようになる。従って、表2に示す結果から、必要な傾斜組成層は、10μm以上であることが好ましい。なお、熱処理温度は1000℃以上であれば目的とする傾斜組成層の形成厚みを確認することで、任意の温度、時間を選択することができる。尚、以下に述べるいずれの例においても、母材は純モリブデンである。
本発明の第1の例に係るAl17Mo表面と、内部に向かって10μm以上の傾斜組成層によれば、当該外部リード線が600℃といった非常に高温になった場合でも、その表面は酸化反応を生じることなく、外径減少や接触不良を生じることがないため、ランプの不点灯を防止することができる。
また、本発明の第2の例に係るMoSi表面の傾斜組成層を10μm以上得る場合には、例えば、MoSi層を3μm形成処理の後に1650℃、3時間の真空中での熱処理を行うことで15μm程度の十分な傾斜組成層を得ることができた。但し、熱処理前のMoSi層を40μm以上とすると50mΩ程度接触抵抗が増大し、80μm以上の熱処理前のMoSi形成を行うと導通不良をおこした。80μm以上の熱処理前のMoSi層を形成して1850℃の熱処理を行うと傾斜組成層が500μmを超えた。傾斜組成部分にはMoSiなる中間組成も存在し、この組成の徐々に変化する傾斜組成層が、熱膨張係数の段階的な変化およびせん断応力の低減をもたらし、耐酸化層の剥離を防止するようになる。従って、表2に示す結果から、必要な傾斜組成層は、10μm以上であることが好ましい。なお、熱処理温度は1200℃以上であれば目的とする傾斜組成層の形成厚みを確認することで、任意の温度、時間を選択することができる。
本発明の第2の例に係るMoSi表面と、内部に向かって10μmの傾斜組成層によれば、当該外部リード線が非常に高温になった場合でも、その表面は酸化反応を生じることなく、外径減少や接触不良を生じることがないため、ランプの不点灯を防止することができる。また、ガラスとの濡れが良い為、ガラスとの密着性を向上できる。
本発明の第3の例に係るニッケル表面の傾斜組成層を10μm以上得るには、例えば3μmのニッケルめっき形成後に1200℃1時間の熱処理を行うことによって15μmの傾斜組成層とニッケル表面を有する耐酸化層が得られた。1500℃以上の熱処理を行うと表面にニッケル単相が残存せず、表面はニッケルが固溶したモリブデン表面となり耐酸化性が認められなくなった。また、熱処理前に10μm以上のニッケルめっき層を形成して1200℃1時間の熱処理を行うと300μm以上の傾斜組成層が形成され、モリブデンとの金属間化合物を形成した中間層の形成により導通不良が起こった。傾斜組成とすることで、中間層の影響がなく、耐酸化性を兼ね備えた外部リードを得ることができた。従って、下記表2に示す結果から、必要な傾斜組成層は、10μm以上であることが好ましい。なお、熱処理温度は1000℃以上であれば目的とする傾斜組成層の形成厚みを確認することで、任意の温度、時間を選択することができる。
よって、本発明の第3の例に係るニッケル表面と、内部に向かって10μm以上の傾斜組成層によれば当該外部リード線が非常に高温になった場合でも、その表面は酸化反応が少なく、外径減少や接触不良を生じることがないため、ランプの不点灯を防止することができる。特に、最表面が金属であるために、電気抵抗を増大させること無くリードとしての役割を果たすことが出来る。
本発明の第4の例に係る金表面の傾斜組成層を10μm以上得るには、例えば6μmの金めっき形成後に1300℃2時間の熱処理を行うことによって20μm程度の傾斜組成層と金表面を得ることができ、耐酸化性を有した外部リードを得ることができた。ここで、熱処理前に10μm以上の金めっき層を形成すると、その金めっき層が容易に剥離し歩留が低下し工業的な製造品となり得なかったため、熱処理前のめっき厚みは10μm未満とすることが望ましい。また、傾斜組成が無い場合にはランプ使用時に起こり得た金めっきとモリブデンの母材との剥離が、傾斜組成層を設けることにより生じなくなった。従って、下記表2に示す結果から、必要な傾斜組成層は、10μm以上であることが好ましい。なお、熱処理温度は1000℃以上であれば目的とする傾斜組成層の形成厚みを確認することで、任意の温度、時間を選択することができる。
よって、本発明の第4の例に係る金表面と、内部に向かって10μm以上の傾斜組成層によれば当該外部リード線が非常に高温になった場合でも、その表面は酸化反応を生じることが少なく、外径減少や接触不良を生じることがないため、ランプの不点灯を防止することができる。特に、金表面であるために表面の接触抵抗が極端に少なく、かつ傾斜組成層に不導体である金属間化合物を形成することがないため、電気抵抗を増大させること無くリードとしての役割を果たすことが出来る。
上記本発明の第3及び第4の例においては、最表面が金属であるために、抵抗値の増大は起こらなかった。
実際のランプとしての使用に当たり、JIS C 7527に基づき、JC36V400Wランプの寿命加速試験を実施した。ここで、寿命はリード部の規格温度である400℃を超えた際にも耐久するかどうかの確認を行うために、40Vの電圧を投入し、定格寿命である50時間の2倍である100時間を耐久できるかどうかを評価基準とした。口金形状はJIS C 7709におけるG6.35形状で、外部リードの直径は1.0mmで、突出長さ8.5mm、リード線間隔6.35mmのランプを寿命試験に用いた。寿命試験の結果を同様に下記表2に示す。ここで、傾斜組成層の厚み測定にはEPMA8705による電子顕微鏡像および元素の線分析結果より評価した。また、線分析の測定はビーム径1.0μm、試料移動速度100μm毎分で各々元素の特性X線を分光結晶により強度測定し、チャートに記録することにより評価した。
図3は測定結果の概略図である。上記測定により、表面層、傾斜組成層およびモリブデン下地を判別した。この結果も、下記表2に示すとおり、本発明の試料1〜8の耐酸化層の形成は、比較例9〜13及び従来技術1に相当する試料番号14,15に対し、耐久寿命に優れ長寿命のランプを得られることが判明した。
なお、上記に記述したせん断応力の低減については、本発明者が公表した非特許文献1に記述しており、有限要素法による計算の結果、傾斜構造がせん断応力を低減できることはこの考えに基づいている。
Figure 0004276548
本発明の範囲においては、せん断応力の適性範囲と、他の使用時の要素である導電性、耐酸化がバランスしている範囲であると考える。
以上の本発明に係るモリブデンリード線によれば、純モリブデン棒との溶接歩留の差異は1%未満であった。また、本発明に係るモリブデンリード線のいずれもが、従来技術3で述べられているモリブデン箔への燐化モリブデン膜を必要としないため、製造コストの増大を避けることができる。
以上の説明においては、具体的にハロゲンランプに用いる外部リード線を得る技術に関して述べたが、本発明はガラス管球外部にモリブデンリード線を有するランプであれば、メタルハライドランプや放電ランプにも適用できるものであることは当然のことである。
いずれの本発明の具体例においても、外部リード線の材質として高価なタングステンではなくモリブデンを使用することが出来、かつ、ランプの製造条件である溶接、封入、さらにはランプホルダの接点との接触抵抗、はめあいをも現在までのモリブデンと変更することなく、経済的に製造することができる。
以上説明したように、本発明の外部リード線は、ガラス管球外部に外部リード線を備えたランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、放電ランプの外部リード線として用いることができる。
本発明の実施の形態によるランプの説明図である。 本発明の実施の形態による外部リード線の構成を示す概略断面図である。 EPMAによる測定結果の概略例を示す図である。
符号の説明
1 表面耐酸化層
2 傾斜組成層
3 モリブデン母材
10 Mo外部リード線
11 ガラス球
12 フィラメント
13 Mo箔
14 ピンチシール部
15 ランプホルダ接点
100 ランプ

Claims (1)

  1. モリブデンを母材とするランプ用の外部リード線において、ランプ点灯時に400℃以上600℃以下の温度であり、かつ、ランプ出力が300W以上1000W以下であるランプに使用し、当該外部リード線は、Al 17 Mo 、MoSi 、単相ニッケル、及び単相の金の内のいずれか一種からなる耐酸化性を有する表面層と、前記表面層から内部に向かって次第に前記表面層成分が減少する10μm以上の傾斜組成層とを備えたことを特徴とする耐酸化性を有するランプ用モリブデン外部リード線。
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