JP4276450B2 - 半導体装置、温度補償発振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置及び温度補償発振装置に関し、特に、入力電流又は入力電圧に応じた温度依存する出力電流又は出力電圧を出力する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CMOSトランジスタにおける電流電圧特性は、温度に応じて異なるために、一般に制御することが困難である。そこで、従来はCMOSトランジスタに代えて、電流電圧特性の温度特性が容易に制御可能なバイポーラトランジスタを用いることが多かった。
【0003】
近年、集積回路装置(例えばLSI回路)は、高集積化の要求が高まるのにともない、MOSトランジスタを用いて作成され、集積回路装置内部のアナログ回路もMOSトランジスタを用いて作成されることが多くなってきている。さらに、集積回路装置内部のアナログ回路は、温度が変動したとしても出力結果が変動しないことが要求されている。
【0004】
従来のCMOS回路における温度補償方法等については以下のようなものが提案されている。
例えば、特許文献1にはMOSトランジスタを用いた定電圧発生回路が開示されている。特許文献1に開示された定電圧発生回路においては、2つのNチャネルMOSトランジスタのゲート幅及びゲート長の比を調整して、温度係数を打ち消すことにより温度補償を実現している。
【0005】
また、例えば特許文献2にはMOSトランジスタを用いたリングオッシレータの制御回路が開示されている。特許文献2に開示されたリングオッシレータの制御回路においては、トランジスタを弱反転領域で動作させるカレントミラー回路を設けることで温度に依存した制御電圧を取り出している。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−172353号公報
【特許文献2】
特開平11−346143号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示された定電圧発生回路、及び特許文献2に開示されたリングオッシレータの制御回路は、温度係数を打ち消したり、温度に依存した制御電圧を取り出したりするために、いずれの回路においてもトランジスタを弱反転領域で動作させる必要があった。
このように、トランジスタを弱反転領域にて動作させると、トランジスタを流れる電流が小さいために、ノイズの影響を受け易いという問題があった。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みて成されたものであり、MOSトランジスタにおける任意の動作領域にて、温度に依存した出力電流又は出力電圧を得ることができるようにすることを目的とする。また、本発明は、温度特性を有する装置の温度補償を行うことができるようにすることを第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置は、ドレインが共通接続された第1及び第2のトランジスタと、負の温度係数を有する抵抗とを備える。第2のトランジスタのソースと抵抗の一端とが接続され、第1のトランジスタのソースが第1の電源に接続され、抵抗の他端が第2の電源に接続される。また、抵抗は、第1及び第2のトランジスタの強反転領域及び速度飽和領域の少なくとも一方の領域にて、任意の入力電圧における第1の温度でのドレイン電流を第1の温度より低い第2の温度でのドレイン電流より大きくする抵抗値を有する。このように第2のトランジスタのソースと第2の電源との間に接続される抵抗に負の温度係数を有し、トランジスタの強反転領域及び速度飽和領域の少なくとも一方の領域において、入力電圧における第1の温度でのドレイン電流をそれより低い第2の温度でのドレイン電流より大きくする抵抗値を有する抵抗を用いることで、高温時に電流が流れ易い特性が得られ、弱反転領域以外の領域においても第2のトランジスタのゲートに供給される入力電圧に応じた高温時及び低温時のドレイン電流の大小関係が逆転しないようにすることができ、他の動作領域においても弱反転領域と同様の温度依存を示す電流を得ることができるようになる。
【0010】
また、弱反転領域と同様の温度依存を示す電流を他の動作領域においても得ることができるようになるので、例えば温度特性を有する回路を温度補償する際、第1及び第2のトランジスタを弱反転領域以外の動作領域で動作させて、回路が有する温度特性を打ち消すような電流又は電圧を生成することができるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による半導体装置10の原理を示す図である。
半導体装置10は、PチャネルMOSトランジスタTP1、NチャネルMOSトランジスタTN1及び抵抗R1で構成される。また、半導体装置10は、電源電圧が第1の電源ノード11を介して供給されるとともに、外部からの入力電圧V1が入力ノード12を介して供給され、第2の電源ノード13を介して接地(グランド電位(GND))に対して接続される。
【0013】
トランジスタTP1は、ソースが第1の電源ノード11に接続され、ゲートとドレインとが接続される。トランジスタTN1は、ドレインがトランジスタTP1のドレインに接続され、ゲートが入力ノード12に接続される。また、トランジスタTN1のソースは、他端が第2の電源ノード13に接続された抵抗R1に接続される。
抵抗R1は、負の温度係数を有する。例えば、抵抗R1は負の温度係数を持つノンシリサイドポリ抵抗等により構成される。
【0014】
図2(A)、(B)は、図1に示した半導体装置10における電流電圧特性の温度依存を説明するための図であり、横軸は入力電圧V1[V]であり、縦軸はドレイン−ソース間電流(以下、単に「ドレイン電流」とも称す。)Ids[A]である。
【0015】
図2(A)には、図1に示した半導体装置10にて負の温度係数を有する抵抗R1ではなく、正の温度係数を有する抵抗を用いた従来の半導体装置の電流電圧特性を示し、図2(B)には半導体装置10の電流電圧特性を示している。また、図2(A)、(B)において、実線THは、高温(例えば125℃)での電流電圧特性を示し、点線TLは、低温(例えば−40℃)での電流電圧特性を示す。
【0016】
図2(A)に示すように従来の半導体装置においては、入力電圧V1に応じた高温時及び低温時のドレイン電流Idsの大小関係が点Aにて逆になる。具体的には、入力電圧V1が高くなるにつれ、高温時と低温時とのドレイン電流Idsの差が小さくなり、点Aにて高温時及び低温時のドレイン電流Idsが等しくなる。さらに、入力電圧V1が高くなると、高温時及び低温時のドレイン電流Idsの大小関係が逆になり、高温時と低温時とのドレイン電流Idsの差が大きくなっていく。このように従来の半導体装置における電流電圧特性の温度依存は、すべてのトランジスタ動作領域(弱反転領域、強反転領域、及び速度飽和領域)で異なり、正の温度係数を有する抵抗の抵抗値を変化させたとしても点Aは常に存在する。
【0017】
一方、第1の実施形態における半導体装置10においては、図1に示した負の温度係数を有する抵抗R1の抵抗値を変化させることにより上記図1に示した点A(高温時及び低温時のドレイン電流Idsが等しくなる入力電圧V1)を変化させることができる。具体的には、抵抗R1の抵抗値を小さくすると、点Aは入力電圧V1にて低くなる側(低電位側)に移動していき、抵抗値が0Ωのとき最も低くなる。また、抵抗R1の抵抗値を大きくすると、点Aは入力電圧V1にて高くなる側(高電位側)に移動していき、抵抗値がある値で点Aは存在しなくなる(抵抗値がある値以上では点Aは存在しない。)。
【0018】
つまり、第1の実施形態における半導体装置10は、抵抗R1の抵抗値を調整するだけで、図2(B)に示すような電流電圧特性を容易に得ることができ、弱反転領域とは異なる動作領域でも温度依存した電流が発生可能になる。図2(B)に示す電流電圧特性は、高温時及び低温時のドレイン電流Idsの大小関係が入力電圧V1にかかわりなく、すべてのトランジスタ動作領域で保たれ、かつ、ある入力電圧V1の変化に対するドレイン電流Idsの変化の割合が温度にかかわらず略等しい、すなわち入力電圧V1にかかわらず高温時と低温時とのドレイン電流Idsの差ΔIが略一定になる。
【0019】
なお、第1の実施形態における半導体装置10は、図2(B)に示す電流電圧特性に限らず、抵抗R1の抵抗値を調整することにより、点Aが存在しても所定の動作領域、例えば弱反転領域及び強反転領域のみで温度依存した電流を発生するようにすることもできる。
以下では、説明の便宜上、第1の実施形態における半導体装置10は、図2(B)に示したような電流電圧特性を示すものとして説明する。
【0020】
図3は、第1の実施形態による半導体装置10を適用した電圧−電流変換装置の一構成例を示す回路図である。なお、図3において、図1に示した回路構成要素等と同一の機能を有する回路構成要素等には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0021】
図3において、TP2はPチャネルMOSトランジスタである。トランジスタTP2は、ソースが第1の電源ノード11に接続され、ドレインが出力ノード14に接続され、ゲートがトランジスタTP1のゲートに接続される。出力ノード14は、出力電流Iout1を外部に出力するためのものである。
【0022】
図3に示す電圧−電流変換装置は、入力ノード12より入力電圧V1が入力され、当該入力電圧V1に応じて図2(B)に示したような電流電圧特性を有する出力電流Iout1を出力ノード14より出力する。例えば、トランジスタTP1、TP2がゲート幅及びゲート長が等しいそれぞれ1つのトランジスタである場合には、入力電圧V1が入力されると、半導体装置10におけるドレイン電流Idsに等しい出力電流Iout1が出力ノード14より出力される。
【0023】
図4は、第1の実施形態における半導体装置10の具体的な適用例を示す図である。図4に示す装置は、温度補償された汎用装置(例えば、バンドギャップリファレンス回路)から入力される温度依存しない電流に基づいて、温度依存した電流を出力する装置を一例として示している。
【0024】
なお、この図4において、図1及び図3に示した回路構成要素等と同一の機能を有する回路構成要素等には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、図1及び図3に示した回路構成要素等と同一ではないが対応する機能を有する回路構成要素等には、同じ符号に’を付している。
【0025】
図4において、40は電流−電流変換装置、41は温度補償された第1の汎用装置である。電流−電流変換装置40は、入力ノード12’が第1の汎用装置41の出力ノード44に接続され、第1の汎用装置41から出力される温度補償された(温度が変化しても殆ど変化しない)電流Irefが入力ノード12’を介して入力される。第1の汎用装置41は、電源ノード42を介して電源電圧が供給され、電源ノード43を介して接地に対して接続される。
【0026】
電流−電流変換装置40は、NチャネルMOSトランジスタTN2が加わるだけで、図3に示した電圧−電流変換装置と構成は同様である。トランジスタTN2は、入力される電流Irefを電圧信号に変換するためのものであり、ソースが第2の電源ノード13に接続され、ゲートがドレイン及びトランジスタTN1のゲートに接続される。また、トランジスタTN2のゲートとドレインとの相互接続点が入力ノード12’に接続される。
【0027】
第1の汎用装置41から出力される温度補償された電流Irefは、入力ノード12’を介して電流−電流変換装置40に入力され、トランジスタN2の作用により電圧信号に変換される。電流Irefを変換して得られた電圧信号は、トランジスタTN1のゲートに入力される。したがって、温度補償された電流Irefは、電流−電流変換装置40により図3に示した電圧−電流変換装置と同様にして変換され、温度依存した出力電流Iout1として出力ノード14より出力される。
【0028】
なお、第1の汎用装置41から温度補償された電圧が出力される場合には、トランジスタTN2を設けずに、第1の汎用装置41の出力ノード44をトランジスタTN1のゲートに接続すれば良い。このようにした場合には、上述した説明と同様にして、温度補償された電圧に基づき、温度依存した出力電流Iout1を出力ノード14より出力することができる。
【0029】
また、温度補償された電流Irefに基づいて、温度依存した出力電圧を出力ノード14より出力するには、図5に示すように出力ノード14と接地との間に抵抗Rv1、Rv2を直列に接続し、温度依存した出力電圧Vout1を出力するための出力ノード15を出力ノード14と抵抗Rv1との相互接続点に接続すれば良い。ここで、抵抗Rv1は負の温度係数を有する抵抗を用い、抵抗Rv2は正の温度係数を有する抵抗を用いて、抵抗Rv1と抵抗Rv2との合成抵抗における温度係数がゼロになるように構成することが望ましい。また、図5では、2つの抵抗Rv1、Rv2を一例として示しているがこれに限定されるものではない。
【0030】
図6は、第1の実施形態における半導体装置10の他の具体的な適用例を示す図であり、図6においてはIout5が供給される温度特性を有する汎用回路を温度補償する温度補償装置60を示している。汎用回路65は温度補償された汎用装置である。
図6に示す温度補償装置60は、電圧−電流変換装置61、電流−電流変換装置67、乗算回路63、66、68、69、71、72、及び加算回路64、70、73により構成される。電圧−電流変換装置61は、図3に示した電圧−電流変換装置と同様に構成され、電流−電流変換装置67は、図4に示した電流−電流変換装置40と同様に構成される。
【0031】
乗算回路63、66、68、69、71、72は、0倍、1倍等を含む任意倍の演算処理を行い、例えば図3及び図4に示したトランジスタTP1、TP2のゲート幅及びゲート長を調整することにより構成することができる。また、トランジスタTP1、TP2として互いに同じ特性を有し、並列に接続されるトランジスタの数を調整することでも構成することができる。
【0032】
例えば、トランジスタTP1、TP2のゲート幅をW1、W2とし、ゲート長をL1、L2とすると、乗数(W2/L2)/(W1/L1)の乗算回路が構成される。また、例えばトランジスタTP1、TP2として、並列に接続されるトランジスタの数をM1、M2とすると、乗数M2/M1の乗算回路が構成される。
加算回路64、70、73は、図7(A)に示すように構成される。なお、加算回路64、70、73に代えて図7(B)に示すような減算回路を用いても良い。図7(A)、(B)については後述する。
【0033】
電圧−電流変換装置61は、入力ノード62より入力電圧Vin5が入力され、入力電圧Vin5に応じた出力電流Iaを乗算回路63に出力する。乗算回路63は、出力電流Iaに乗算処理を施した後、演算結果を加算回路64に出力する。
乗算回路66、68は、汎用回路65の出力電流Ibが入力され、出力電流Ibに乗算処理を施した後、演算結果を加算回路64、70にそれぞれ出力する。電流−電流変換装置67は、出力電流Ibが入力され、電流Ibに応じた出力電流Icを乗算回路69に出力する。乗算回路69は、出力電流Icに乗算処理を施した後、演算結果を加算回路70に出力する。
【0034】
加算回路64は、乗算回路63、66の演算結果を加算処理して乗算回路71に出力する。同様に、加算回路70は、乗算回路68、69の演算結果を加算処理して乗算回路72に出力する。乗算回路71、72は、加算回路64、70の演算結果に乗算処理を施して加算回路73に出力する。加算回路64は、乗算回路71、72の演算結果を加算処理して得られた結果を出力電流Iout5として出力ノード74より出力する。
【0035】
したがって、例えば乗算回路63、66、68、69、71、72が、それぞれA1、A2、A3、A4、A5、A6倍の乗算回路であるとすると、出力電流Iout5は、Iout5=(A1×A5)Ia+(A2×A5+A3×A6)Ib+(A4×A6)Icとなる。なお、図6において、温度補償装置60は、汎用回路65の出力電流Ibをも用いて温度補償するように構成したが、電圧−電流変換装置61と乗算回路63とで構成し、汎用回路65の出力電流Ibを用いずに乗算回路63での演算結果を出力電流Iout5として出力ノード74より出力するようにしても良い。
【0036】
図7(A)、(B)は、電流の加算回路及び減算回路の一例をそれぞれ示す回路図である。
図7(A)に示す加算回路は、4つのPチャネルMOSトランジスタTP3〜TP6と、2つのNチャネルMOSトランジスタTN3、TN4とにより構成される。トランジスタTP3〜TP6のソースは、電源電圧を供給するための電源ノード61に接続される。トランジスタTP3、TP4のゲートは、トランジスタTP3のドレインに接続され、トランジスタTP5、TP6のゲートは、トランジスタTP5のドレインに接続される。トランジスタTP4、TP6のドレインは、出力電流Iout61を出力するための出力ノード65に共通接続される。
【0037】
トランジスタTN3、TN4のソースは、接地に対して接続された電源ノード64に接続され、ゲートは、第1及び第2のバイアス電圧VB1、VB2を供給されるための入力ノード62、63にそれぞれ接続される。トランジスタTN3、TN4のドレインは、トランジスタTP3、TP5のドレインにそれぞれ接続される。
以上のように構成した加算回路は、入力ノード62、63を介して入力されるバイアス電圧VB1、VB2にそれぞれ応じた電流I61、I62を加算し、加算結果を出力電流Iout61(=I61+I62)として出力ノード65より出力する。
【0038】
図7(B)に示す減算回路は、5つのPチャネルMOSトランジスタTP7〜TP11と、3つのNチャネルMOSトランジスタTN5〜TN7とにより構成される。トランジスタTP7〜TP11のソースは、電源電圧を供給するための電源ノード61’に接続される。トランジスタTP7、TP8のゲートは、トランジスタTP7のドレインに接続され、トランジスタTP9のゲートは、自らのドレインに接続され、トランジスタTP10、TP11のゲートは、トランジスタTP10のドレインに接続される。トランジスタTP8のドレインは、トランジスタTP10のドレインに接続され、トランジスタTP11のドレインは、出力電流Iout62を出力するための出力ノード65’に接続される。
【0039】
トランジスタTN5〜TN7のソースは、接地に対して接続された電源ノード64’に接続される。トランジスタTN5のゲートは、第1のバイアス電圧VB1’を供給されるための入力ノード62’に接続され、トランジスタTN6、TN7のゲートは、第2のバイアス電圧VB2’を供給されるための入力ノード63’に接続される。トランジスタTN5、TN6、TN7のドレインは、トランジスタTP7、TP9、TP10のドレインにそれぞれ接続される。
【0040】
以上のように構成した減算回路は、入力ノード62’を介して入力されるバイアス電圧VB1’に応じた電流I61’を、入力ノード63’を介して入力されるバイアス電圧VB2’に応じた電流I62’から減算し、減算結果を出力電流Iout62として出力ノード65’より出力する。例えば、トランジスタTN6、TN7が、同じ特性(ゲート幅及びゲート長が互いに等しい。)を有する1つのトランジスタである場合には、出力電流Iout62=I62’−I61’になる。
【0041】
図8は、図6に示した温度補償装置60を用いて温度補償される温度特性を有する汎用回路の一例としての電流制御発振回路(ICO回路)75を示す回路図である。ICO回路75は、1つのPチャネルMOSトランジスタ、5つのNチャネルMOSトランジスタTN8〜TN12、3つの差動回路76〜78、及び入力される差動信号を1つの出力信号に変換して出力する差動シングル変換回路79により構成される。ICO回路75は、電源ノード80を介して電源電圧が供給され、電源ノード82を介して接地に対して接続される。
ICO回路75は、入力ノード81より入力電流Iin7が入力され、入力電流Iin7に応じた発振周波数の出力信号Fout7を出力ノード83より出力する。
【0042】
図9は、図8に示したICO回路75における入力電流−発振周波数特性の温度依存を示す図であり、横軸は入力電流Iin7[A]であり、縦軸は出力信号Fout7の発振周波数[Hz]である。また、図9において、THは高温での入力電流−発振周波数特性を示し、TLは低温での入力電流−発振周波数特性を示す。
【0043】
図9に示すように、出力信号Fout7の発振周波数は、高温時よりも低温時の方が高くなる。この原因としては、図2(A)に示したような電流電圧特性において点Aよりも入力電圧が高い領域で動作しているトランジスタが存在すること、導体(温度の上昇にともない抵抗値が増加する。)の配線による影響等がある。
【0044】
そこで、図10に示すように、ICO回路75の前段に図6に示した温度補償回路60を接続して、電圧制御発振回路(VCO回路)を構成する。そして、温度補償回路60は、入力ノード62より入力される入力電圧Vin5に基づいて、温度依存した出力電流Iout5を生成し、ICO回路75に出力する。出力電流Iout5は、任意の入力電圧Vin5のとき、ICO回路75が温度にかかわらず同じ発振周波数の出力信号Fout7を出力する電流値にする。例えば、温度補償回路60は、低温時よりも高温時の方が入力電圧Vin5における出力電流Iout5が大きくなるようにする。
【0045】
上述のように、温度補償回路60は、ICO回路75における入力電流−発振周波数特性に対して適切な温度依存を示す出力電流Iout5を出力することで、ICO回路75とほぼ逆の温度特性を実現し、ICO回路75における入力電流−発振周波数特性の温度依存をほぼ打ち消すことが可能になる。したがって、ICO回路75の前段に温度補償回路60を接続することで、出力信号Fout7の発振周波数が温度変動に対して変動しがたいVCO回路を構成することができる。
【0046】
なお、上述した説明では、図6に示した温度補償装置60により温度補償される汎用回路(装置)としてICO回路75を一例として示したが、温度補償される汎用回路(装置)はICO回路75に限らず、温度特性を有する回路(装置)であれば良い。温度補償装置60から出力される温度依存した電流あるいは電圧を、温度補償される汎用回路(装置)のバイアス電流あるいはバイアス電圧とすれば良い。
【0047】
図11は、図10に示したようなVCO回路におけるゲイン調整に係る回路の一例を示す図である。この図11において、図1に示した回路構成要素等と同一の機能を有する回路構成要素等には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0048】
図11において、TP13〜TP17はPチャネルMOSトランジスタであり、TN13、TN14はNチャネルMOSトランジスタである。トランジスタTP13〜TP17のソースは第1の電源ノード11に接続され、トランジスタTP13〜TP15のドレインは、トランジスタTN13のドレインに接続される。トランジスタTP13のゲートはトランジスタTP1のドレインに接続され、トランジスタTP14、TP15のゲートは、直列に接続されたスイッチSW1a、SW1bの相互接続点、直列に接続されたスイッチSW2a、SW2bの相互接続点にそれぞれ接続される。
【0049】
トランジスタTP16、TP17のゲートは、トランジスタTP16のドレインに接続され、トランジスタTP17のドレインは出力電流IoutAを出力する出力ノード114に接続される。トランジスタTN13、TN14のゲートは、トランジスタTN13のドレインに接続され、トランジスタTN14のドレインは、トランジスタTP16のドレインに接続される。
【0050】
スイッチSW1a、SW1b、SW2a、SW2bは、入力ノード111より入力される2ビットの制御信号Sinにより制御され、供給される制御信号がロウレベルのときに閉じる。制御信号Sinの下位1ビット目(LSB)S(1)は、スイッチSW1aに供給されるとともに、インバータ113を介してスイッチSW1bに供給される。同様に、制御信号Sinの2ビット目S(2)は、スイッチSW2aに供給されるとともに、インバータ112を介してスイッチSW2bに供給される。
【0051】
したがって、制御信号Sinの下位1ビット目S(1)の値が“0”のときには、トランジスタTP14がオフ状態になり、値が“1”のときにはトランジスタTP14が動作状態になる。同様に、制御信号Sinの2ビット目S(2)の値が“0”のときには、トランジスタTP15がオフ状態になり、値が“1”のときにはトランジスタTP15が動作状態になる。
【0052】
ここで、トランジスタTP1、TP13〜TP15において、トランジスタTP1、TP13、TP14は1つのトランジスタで構成され、トランジスタTP15のみが並列に接続された2つのトランジスタで構成されているとする。また、トランジスタTP1、TP13〜TP15を構成する各トランジスタのゲート幅及びゲート長は等しいものとする。
【0053】
このとき、制御信号Sinの値“0”、“1”、“2”、“3”における出力電流IoutAの電流比(値“0”のときを1とする。)は、1:2:3:4(値“0”から順に示してある。)である。また、値“0”〜“3”のときの出力電流IoutAは、温度依存した電流I11に応じた電流値であるので、制御信号Sinにより出力電流IoutAとして出力される温度依存した電流を調整することができる。ここで、VCO回路のゲインは、図12に示すように入力電圧1Vの変化したときの発振周波数の変化量G1である。したがって、図11に示すように回路を構成することで、入力電圧V1の変化量ΔV1に対する出力電流IoutAの変化量ΔIoutAを容易に調整することができる。さらに、出力電流IoutAをICO回路75における入力電流Iin7にすることにより、図10に示したVCO回路のゲインを調整することができる。
【0054】
上述したVCO回路のゲイン調整回路での制御信号Sinの値(以下、「制御値」と称す。)にて、温度補償の調整方法について説明する。
図13は、温度補償調整での制御値の調整方法を示すフローチャートである。図13においては、高温でのウエハー試験(以下、「高温PP」と称す。)及び常温でのウエハー試験(以下、「常温PP」と称す。)によりそれぞれ得られた試験結果に基づいて制御値を決定することにより、温度補償を微調整する方法を一例として示している。
【0055】
まず、高温PPにて、予め例えばVCO回路への入力電圧Vin5を1Vとし、VCO回路が出力する出力信号Fout7の発振周波数を測定する。高温PPにより得られた測定結果は、当該VCO回路を有するチップの位置を示すウエハーでのX,Y座標とともに記録媒体等に記録しておく。
【0056】
次に、当該VCO回路に対して常温PPを行う際、まず、ステップS1にて、同じチップを用いた高温PPでの測定結果(試験データ)を読み込む。高温PPでの測定結果は、測定結果とともに記録したウエハーでのX,Y座標に基づいて記録媒体等から読み出す。この読み込んだ高温PPでの測定結果をD1とする。
【0057】
ステップS2にて、入力電圧Vin5を1VとしてVCO回路に印加するとともに、変数Xの値を“0”にし、制御値SC1として変数Xを与える。ステップS3にて、上記条件でのVCO回路が出力する出力信号Fout7の発振周波数を測定する。ステップS3において得られた常温PPでの測定結果をD2とする。
【0058】
ステップS4にて、高温PPの測定結果D1と常温PPでの測定結果D2との差分を求め、それが要求された性能値T_SPEC(例えば、発振周波数の差の許容値)を満足するか否かを判断する。上記判断の結果、測定結果D1と測定結果D2との差分が性能値T_SPECを満足しない場合には、ステップS5にて変数Xの値を1増加させる。
【0059】
続いて、ステップS6にて変数Xの値が適切であるか否か、つまり制御値SC1として入力可能な値であるか否かを判断する。上記判断の結果、変数Xの値が制御値SC1として入力可能な値より大きい場合には、FAIL(制御不可)として終了する。ステップS6での判断の結果、変数Xの値が制御値SC1として入力可能な値である場合には、制御値SC1として変数Xを再び与え、上述したステップS3以降の処理を再び行う。
【0060】
また、上記ステップS4での判断の結果、測定結果D1と測定結果D2との差分が性能値T_SPECを満足する場合には、ステップS7にて、チップに組み込まれている例えばEEPROM等の不揮発性メモリに変数Xの値(制御値SC1)を書き込み、処理を正常終了する。なお、不揮発性メモリをチップに組み込まずに、ヒューズ等を設けてレーザー光あるいは過電流により切断し、変数Xの値(制御値SC1)に応じた状態を保持するようにしても良い。
【0061】
なお、上述した説明では、各トランジスタTP1、TP13、TP14、TP15を構成する並列接続されたトランジスタの数の比を1:1:1:2としたが、トランジスタの数の比を1:1:0.1:0.2とすると、制御信号Sinの値“0”、“1”、“2”、“3”における出力電流IoutAの電流比(値“0”のときを1とする。)は、1.0:1.1:1.2:1.3になる。これにより、入力電圧V1に対する出力電流IoutAをより細かく微調整することができる。
【0062】
また、例えば、上述した調整方法を図6に示した温度補償回路60内の任意の乗算回路63、66、68、69、71、72に適用することで、製造後であっても制御信号Sinにより入力電圧に対する出力電流を調整することが可能になる。これにより、例えば温度補償回路60等においてMOSトランジスタや抵抗の特性にばらつきがあったとしても、これらを補正し入力電圧に応じて適切な出力電流を出力することができる。
【0063】
また、上述した説明では、トランジスタTP14、TP15の動作状態を制御信号Sinに基づいて制御することで、入力電圧V1に応じた出力電流IoutAを調整するように構成しているが、これに限定されるものではなく、抵抗R1の値を制御しても同様に入力電圧V1に応じた出力電流IoutAを調整することができる。
【0064】
例えば、図14に示すように抵抗R1を直列に接続された抵抗RC1、RC2、RC3により構成し、制御信号Sinに基づいてスイッチSW1、SW2により抵抗RC2、RC3を作用させるか否かを制御する。なお、スイッチSW1、SW2は、制御信号Sinの1ビット目S(1)、2ビット目S(2)がロウレベル(“0”)のときに閉じる。また、ノード141はトランジスタTN1のドレインに接続され、ノード142は第2の電源ノード13に接続される。
【0065】
ここで、例えば抵抗値の比がRC1:RC2:RC3=1:0.2:0.1の場合には、制御信号Sinの値“0”、“1”、“2”、“3”における合成抵抗値の比が1.0:1.1:1.2:1.3になるので、出力電流IoutAを調整することができる。
【0066】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図15は、本発明の第2の実施形態による半導体装置10’を適用した電圧−電流変換装置の一例を示す回路図である。
第2の実施形態における電圧−電流変換装置は、半導体装置10’及びNチャネルMOSトランジスタTN2’により構成される。半導体装置10’は、PチャネルMOSトランジスタTP1’、NチャネルMOSトランジスタTN1’及び抵抗R1’を有する。半導体装置10’は、第1の電源ノード11’を介して電源電圧が供給されるとともに、入力ノード12’を介して入力電圧V1が供給され、第2の電源ノード13’を介して接地(グランド電位(GND))に対して接続される。
【0067】
トランジスタTP1’のソースは、他端が第1の電源ノード11’に接続された抵抗R1’に接続される。トランジスタTP1’のゲートは入力ノード12’に接続され、ドレインはトランジスタTN1’のドレインに接続される。トランジスタTN1’のソースは第2の電源ノード13’に接続され、ゲートはドレインに接続される。また、抵抗R1’は、第1の実施形態における抵抗R1に相当するものであり、負の温度係数を有する。
【0068】
また、トランジスタTN2’のソースは第1の電源ノード11’に接続され、ドレインが出力ノード14’に接続され、ゲートがトランジスタTN1’のゲートに接続される。出力ノード14’は、出力電流Iout1を外部に出力するためのものである。
【0069】
図15に示すように半導体装置10’を構成しても、上述した第1の実施形態における半導体装置10と同様の効果が得られる。また、半導体装置10’を用いた電圧−電流変換装置も、図3に示した第1の実施形態における電圧−電流変換装置と同様の効果が得られる。
【0070】
なお、上述した第1及び第2の実施形態では、半導体装置10、10’がそれぞれ有する抵抗R1、R1’は1つであるが、これに限定されるものではなく、任意の数の抵抗を用いても良い。
例えば、上述した図14と同様に抵抗R1を直列接続された負の温度係数を有する抵抗RC1と、正の温度係数を有する抵抗RC2、RC3により構成することで、抵抗R1に相当する抵抗RC1、RC2、RC3による合成抵抗の負の温度係数を適切に制御することができる。さらに、製造後であっても、上述したゲインの調整方法と同様にして、抵抗RC1、RC2、RC3による合成抵抗の負の温度係数を制御信号Sinにより制御することができる。これにより、MOSトランジスタや抵抗の特性にばらつきを補正して、入力電圧に応じた適切な出力電流を出力することができる。
【0071】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の諸態様を付記として以下に示す。
【0072】
(付記1)ゲートとドレインとが接続され、ソースが第1の電源に接続された第1のトランジスタと、
ドレインが上記第1のトランジスタのドレインに接続され、ゲートに入力電圧が供給される第2のトランジスタと、
負の温度係数を有し、一端が上記第2のトランジスタのソースに接続され、他端が上記第1の電源とは異なる第2の電源に接続された抵抗とを備えることを特徴とする半導体装置。
(付記2)上記抵抗は、強反転領域及び速度飽和領域の少なくとも一方の領域にて、任意の上記入力電圧における第1の温度でのドレイン電流を上記第1の温度より低い第2の温度でのドレイン電流より大きくする抵抗値を有することを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)上記抵抗は、弱反転領域、強反転領域、及び速度飽和領域のすべての領域にて、任意の上記入力電圧における第1の温度でのドレイン電流と、上記第1の温度より低い第2の温度でのドレイン電流との大小関係を保持する抵抗値を有することを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記4)上記抵抗は、強反転領域及び速度飽和領域の少なくとも一方の領域にて、上記第1の温度でのドレイン電流と上記第2の温度でのドレイン電流との差を略一定にする抵抗値を有することを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
(付記5)上記抵抗は、強反転領域及び速度飽和領域の少なくとも一方の領域にて、上記入力電圧の変化に対する上記第1の温度でのドレイン電流の変化割合と上記第2の温度でのドレイン電流の変化割合とを略等しくする抵抗値を有することを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
(付記6)ソースが上記第1の電源に接続され、ゲートが上記第1のトランジスタのドレインに接続され、ドレインが出力ノードに接続された第3のトランジスタをさらに備えることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記7)上記第1のトランジスタは、PチャネルMOSトランジスタであり、上記第2のトランジスタは、NチャネルMOSトランジスタであり、上記第1の電源の電位は電源電圧であり、上記第2の電源の電位は接地電位であることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記8)上記第1のトランジスタは、NチャネルMOSトランジスタであり、上記第2のトランジスタは、PチャネルMOSトランジスタであり、上記第1の電源の電位は接地電位であり、上記第2の電源の電位は電源電圧であることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記9)上記第1及び第3のトランジスタは、PチャネルMOSトランジスタであり、上記第2のトランジスタは、NチャネルMOSトランジスタであり、上記第1の電源の電位は電源電圧であり、上記第2の電源の電位は接地電位であることを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記10)上記第1及び第3のトランジスタは、NチャネルMOSトランジスタであり、上記第2のトランジスタは、PチャネルMOSトランジスタであり、上記第1の電源の電位は接地電位であり、上記第2の電源の電位は電源電圧であることを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記11)上記第2のトランジスタのゲートに、温度補償された回路より入力電圧又は入力電流が供給され、上記出力ノードから温度依存した出力電流又は出力電圧を出力することを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記12)上記温度補償された回路より供給される入力電流及び上記温度依存した出力電流に、任意の四則演算処理を施す演算回路をさらに備えることを特徴とする付記11に記載の半導体装置。
(付記13)上記演算回路は、複数の乗算回路と複数の加算回路とを備えることを特徴とする付記12に記載の半導体装置。
(付記14)上記出力ノードから出力される温度依存した出力電流又は出力電圧に基づいて、温度特性を有する回路を温度補償する電流又は電圧を生成することを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記15)温度補償された回路より供給される入力電流及び上記出力ノードから出力される温度依存した出力電流に、任意の四則演算処理を施す演算回路をさらに備えることを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記16)温度補償された回路より供給される入力電流又は入力電圧、及び上記出力ノードから出力される温度依存した出力電流又は出力電圧に基づいて、温度特性を有する回路を温度補償する電流又は電圧を生成することを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記17)生成した上記温度特性を有する回路を温度補償する電流又は電圧を、上記温度特性を有する回路のバイアス電流又はバイアス電圧として供給することを特徴とする付記16に記載の半導体装置。
(付記18)互いに異なる温度にて試験を行って得られた試験結果に基づいて、上記温度特性を有する回路を温度補償する電流又は電圧を調整可能にしたことを特徴とする付記16に記載の半導体装置。
(付記19)上記温度特性を有する回路を温度補償する電流又は電圧を調整するための外部から制御可能な調整回路をさらに備えることを特徴とする付記18に記載の半導体装置。
(付記20)上記付記12に記載の半導体装置と、
温度特性を有する発振回路とを備え、
上記半導体装置にて生成された電流又は電圧を上記発振回路に供給し、上記発振回路の出力信号の発振周波数を温度補償することを特徴とする温度補償発振装置。
(付記21)上記半導体装置にて生成される電流又は電圧を制御信号に基づいて制御し、上記発振回路のゲインを調整可能にしたことを特徴とする付記20に記載の温度補償発振装置。
(付記22)上記抵抗は、少なくとも1つの負の温度係数を有する第1の抵抗素子と、少なくとも1つの正の温度係数を有する第2の抵抗素子とからなることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記23)互いに異なる温度にて試験を行って得られた試験結果に基づいて、上記第1の抵抗素子と上記第2の抵抗素子との比率を制御可能にしたことを特徴とする付記22に記載の半導体装置。
【0073】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、高温時に電流が流れ易い特性を得ることができ、第2のトランジスタのゲートに供給される入力電圧に応じた高温時及び低温時のドレイン電流の大小関係が弱反転領域以外の領域においても逆転しないようにすることができる。したがって、MOSトランジスタの任意の動作領域にて温度に依存した出力電流又は出力電圧を得ることができる。
【0074】
また、MOSトランジスタの任意の動作領域にて温度に依存した出力電流又は出力電圧を得ることができるので、第1及び第2のトランジスタを弱反転領域以外の動作領域で動作させ、温度補償する回路が有する温度特性とほぼ逆の温度特性の電流又は電圧を生成することができ、当該回路が有する温度特性を打ち消し温度補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による半導体装置の原理を示す図である。
【図2】第1の実施形態による半導体装置における電流電圧特性の温度依存を説明するための図である。
【図3】第1の実施形態による半導体装置を適用した電圧−電流変換装置の一構成例を示す回路図である。
【図4】第1の実施形態における半導体装置の具体的な適用例を示す図である。
【図5】電圧出力回路の一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態における半導体装置の他の具体的な適用例を示す図である。
【図7】電流加算回路及び電流減算回路の一例を示す回路図である。
【図8】電流制御発振回路を示す回路図である。
【図9】図8に示した電流制御発振回路における入力電流−発振周波数特性の温度依存を示す図である。
【図10】第1の実施形態における半導体装置を適用した温度補償発振回路の構成例を示す図である。
【図11】図10に示したような電圧制御発振回路におけるゲイン調整に係る回路の一例を示す図である。
【図12】電圧制御発振回路におけるゲインを説明するための図である。
【図13】温度補償調整での制御値の調整方法を示すフローチャートである。
【図14】温度補償調整に係る回路の他の例を示す図である。
【図15】第2の実施形態による半導体装置を適用した電圧−電流変換装置の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
10 半導体装置
11、13 電源ノード
12 入力ノード
TP1 PチャネルMOSトランジスタ
TN1 NチャネルMOSトランジスタ
R1 抵抗
Claims (9)
- ゲートとドレインとが接続され、ソースが第1の電源に接続された第1のトランジスタと、
ドレインが上記第1のトランジスタのドレインに接続され、ゲートに入力電圧が供給される第2のトランジスタと、
負の温度係数を有し、一端が上記第2のトランジスタのソースに接続され、他端が上記第1の電源とは異なる第2の電源に接続された抵抗とを備え、
上記抵抗は、上記第1及び第2のトランジスタの強反転領域及び速度飽和領域の少なくとも一方の領域にて、任意の上記入力電圧における第1の温度でのドレイン電流を上記第1の温度より低い第2の温度でのドレイン電流より大きくする抵抗値を有することを特徴とする半導体装置。 - ゲートとドレインとが接続され、ソースが第1の電源に接続された第1のトランジスタと、
ドレインが上記第1のトランジスタのドレインに接続され、ゲートに入力電圧が供給される第2のトランジスタと、
負の温度係数を有し、一端が上記第2のトランジスタのソースに接続され、他端が上記第1の電源とは異なる第2の電源に接続された抵抗とを備え、
上記抵抗は、上記第1及び第2のトランジスタの弱反転領域、強反転領域、及び速度飽和領域のすべての領域にて、任意の上記入力電圧における第1の温度でのドレイン電流と、上記第1の温度より低い第2の温度でのドレイン電流との大小関係を保持する抵抗値を有することを特徴とする半導体装置。 - ソースが上記第1の電源に接続され、ゲートが上記第1のトランジスタのドレインに接続され、ドレインが出力ノードに接続された第3のトランジスタをさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
- 上記第1及び第3のトランジスタは、PチャネルMOSトランジスタであり、上記第2のトランジスタは、NチャネルMOSトランジスタであり、上記第1の電源の電位は電源電圧であり、上記第2の電源の電位は接地電位であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
- 上記第2のトランジスタのゲートに、温度補償された回路より入力電圧又は入力電流が供給され、上記出力ノードから温度依存した出力電流又は出力電圧を出力することを特徴とする請求項3又は4に記載の半導体装置。
- 上記温度補償された回路より供給される入力電流及び上記温度依存した出力電流に、任意の四則演算処理を施す演算回路をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
- 温度補償された回路より供給される入力電流又は入力電圧、及び上記出力ノードから出力される温度依存した出力電流又は出力電圧に基づいて、温度特性を有する回路を温度補償する電流又は電圧を生成することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
- 上記請求項6に記載の半導体装置と、
温度特性を有する発振回路とを備え、
上記半導体装置にて生成された電流又は電圧を上記発振回路に供給し、上記発振回路の出力信号の発振周波数を温度補償することを特徴とする温度補償発振装置。 - 上記半導体装置にて生成される電流又は電圧を制御信号に基づいて制御し、上記発振回路のゲインを調整可能にしたことを特徴とする請求項8に記載の温度補償発振装置。
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