JP4275919B2 - アフェレーシス装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアフェレーシス装置、及びアフェレーシス方法又は血液製剤の製造方法に関する。より詳しくは本発明は、アフェレーシスの各サイクル中におけるアフェレーシス用使い捨てシステム(ディスポーザブル)内での血液成分の移動を最適化することにより、アフェレーシス装置における血液製剤の製造効率を高めることに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にアフェレーシスは、供血者から全血を採取して遠心分離器内に収集し、高密度、中間密度及び低密度の各成分に分離するいわゆる「ドロー」ステップに始まり、所要血液成分を分取した後、使い捨てシステム内に残った血液成分を供血者に戻すいわゆる「リターン」ステップで終わる。現在のアフェレーシスは、間歇血流方式が主流であり、アフェレーシス中に供血者と装置の間で行われる流体のやりとりは、単一の、例えば採血針のような経路を通して行われる。本出願人の特公平1−16505号に記載のように、これは供血者の拘束による負担が少なく、またそれ以前の方法よりも処理時間を大幅に短縮することができる。
【0003】
これまでアフェレーシスは種々の手法により改良されてきており、その中には本出願人が所有する日本特許第2776988号(PCT/US94/01107)に記載されているように、遠心分離器外に分取した低密度成分を遠心分離器に短期間再循環させるいわゆる「ドウェル」ステップや、米国特許第4416654号などに記載されているように、低密度成分をサージ流量、即ち時間と共に増大する流量で遠心分離器内に再循環させ、中間密度成分から血小板等を優先的に流出させるいわゆる「サージ」ステップ等がある。現在一般には、アフェレーシスはこれらの工程を組み合わせて構成される1サイクルを数サイクル繰り返し、所定の血液成分を採取するように行われている。
【0004】
またドローステップにも改良が加えられており、やはり本出願人が所有する日本特許第3196838号に記載のように、ドローステップ中に遠心分離器内を通過する血漿流速や遠心回転数を供血者に応じて選択し、1サイクル当たりの全血処理量を個々の供血者に最適となるよう制御することが提案されている。こうしたサイクルの適正化は、処理時間を短縮することにもつながる。しかしながら、1サイクルに要する時間は平均して15分程度であり、これを複数回繰り返すことを考えると、各サイクルをより短い時間で効率的に行うことが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
間歇血流方式において、供血者とアフェレーシス装置の間の、通常はディスポーザブルに含まれる「単一経路」に存在する流体は、ドローステップとリターンステップとでは相互に正反対の方向に向かって流動する。一方、例えばドウェル及びサージステップといった工程では、単一経路内の流れは停滞した状態になっている。また単一経路に存在する流体は、ドローステップでは抗凝固剤を含まない供血者の全血であり、リターンステップでは一定の血液成分が分取された後の抗凝固剤を含む血液成分である。従って、例えばドウェル又はサージステップの期間中のように、単一経路内の流体が抗凝固剤を含まない供血者の全血であり、流体の流れが停滞した状態となる場合、血液が少なくとも部分的に凝固あるいは凝集を引き起こす可能性がある。これは各サイクルの終わりに行われるリターンステップの障害となり、アフェレーシスの続行不能や、脱血および返血効率の低下、遅延を引き起こすことがある。また、単一経路内に流体が停滞していることは製造効率の観点から見ると無駄な期間であり、処理時間増大の原因となる。本発明が指向するのは、これらの問題点を解決することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、アフェレーシス装置は、単一経路内で流体が停滞した場合、その時点において生成可能な流れによって停滞を解消するように制御される。即ち本発明によれば、これまでであれば単一経路内の流体に停滞が発生する期間中に、例えばバッグの如き容器に存在する、いずれリターンステップで供血者に戻す予定になっている既に採取された血液成分や生理食塩水を単一経路に向けて流す。これにより、リターンステップに先立って、リターンステップと同様の供血者に向かう方向に流れを発生させる。これはいわばリターンステップを部分的に先取りすることになるが、これによって単一経路内での停滞による血液の凝固あるいは凝集の問題を解決することができる。また後で供血者に戻す予定の成分を先に戻すことにより、流体が停滞する無駄な時間の有効活用を図ることができる。
【0007】
本発明によれば、アフェレーシス装置は、供血者に接続される針手段と、入口ポート及び出口ポートを有し、入口ポートを介して受容した全血を低密度成分、主として血小板及び白血球からなる中間密度成分、及び高密度成分に分離するための遠心分離器と、針手段と入口ポートを接続する第1の通路と、この第1の通路に配置され、全血を入口ポートへと流入させ(ドローステップ)、或いは遠心分離器から入口ポートを介して少なくとも1つの血液成分を供血者に戻す(リターンステップ)よう作動可能な第1のポンプと、及び針手段と第1のポンプの間の接続個所で第1の通路に接続され、第1の通路内の全血に対して第2のポンプによって第1の容器から抗凝固剤を供給するための第2の通路とからなる。ここで上記の「単一経路」は、第1の通路のうち接続個所から針手段の間に延びる部分を含み、供血者に向かう方向の流れは、第1のポンプをリターンステップと同様の方向に作動することによって得られる。これによって第1の通路内の流体、典型的には抗凝固剤を含む全血が接続個所から針手段に向けて給送され、単一経路を満たす。こうした動作を停滞が生ずる期間に行っておけば、仮に実際のリターンステップまでの間に再度停滞が生ずる場合でも、単一経路内での血液の凝固、凝集の問題を解決することができる。
【0008】
また本発明によれば、アフェレーシス装置はさらに、遠心分離器の入口ポート及び出口ポートと選択的に連通され、出口ポートから第3の通路を介して流出する低密度成分を収集する第2の容器と、この第2の容器から延び、第1のポンプと入口ポートの間で第1の通路に接続された第4の通路と、この第4の通路に配置され、低密度成分を第2の容器から入口ポートへと循環するよう送るための第3のポンプをさらに含む。第3のポンプは、低密度成分、即ち血漿を血漿バッグのような第2の容器から遠心分離器内へと循環させるが、これは遠心分離器からの中間密度成分の流出なしに(ドウェルステップ)、或いは遠心分離器から中間密度成分を流出させるべく(サージステップ)行われる。これまで、ドウェルステップやサージステップに入ると第1のポンプは停止され、追加採血を行うような場合を除けばリターンステップまで作動されることはなかった。本発明は特にこれらの期間を用いて、例えば第3のポンプによる低密度成分の循環と少なくとも部分的に同時に、即ちドウェル及び/又はサージの少なくとも一部の期間を利用して、第1のポンプにより供血者に向かう流れを生成する。この場合、第1のポンプにより供血者へと給送される流量を補うように、第3のポンプの流量を増大させることが好ましい。
【0009】
本出願人により市販されている商品名MultiやCCSによる血小板アフェレーシスにおいては、蠕動ポンプの如き第1のポンプを用いて、既にバッグの如き容器に採取された血漿を供血者に戻すと同時に、この血漿を第3のポンプを用いて循環させてドウェル及び/又はサージステップを実行し、流体が停滞する時間を有効利用することで、製造効率の向上が可能となる。このように本発明によれば、第1のポンプによる供血者に向けての給送動作と、第3のポンプの動作とが同時に行われることになるが、第3のポンプが第1のポンプよりも大きな流量で動作され、循環動作が行われる点において、例えば日本特許第2575769号(ヨンソン,スバンテ)に記載のような、返血時に血漿を用いて稀釈を行う技術とは明確に区別される。
【0010】
或いはまた本発明によれば、アフェレーシス装置は、上記のように低密度成分を循環すべく備えられる第2の容器ではなしに、或いはこれに加えて、生体適合性のある流体、例えば生理食塩水及び/又は血小板保存液を収容し、入口ポートと選択的に連通された第3の容器と、この第3の容器から延び、第1のポンプと入口ポートの間で第1の通路に接続された第5の通路と、この第5の通路に配置され、流体を第3の容器から入口ポートへと送るための第4のポンプをさらに含む。なお、上記した第2の容器を備える場合、第4のポンプと第3のポンプは同じであってよい。生理食塩水及び/又は血小板保存液のような流体は、第4のポンプの作動により、分離される血液成分に対して必要に応じて添加/混合されるが、この場合に第1のポンプによる供血者に向けての給送動作と第4のポンプの作動とを少なくとも部分的に同時に行うことにより、単一経路内に血液成分、特に抗凝固処理をしていない全血を停滞させることなく、効率的にアフェレーシス処理を行うことができる。
【0011】
なお本発明のアフェレーシス装置は従来と同様に、出口ポートと選択的に連通され、出口ポートから血小板を収集するための第4の容器を含むことができ、さらに同様に出口ポートと選択的に連通され、出口ポートから白血球を収集するための第5の容器を含むことができる。またアフェレーシス装置が各種のアフェレーシスプロトコルの実施に際し、必要に応じて通路を開閉するためのバルブ、各種のセンサーなどを含みうること、及びそれらの配置、動作、制御方法などは当業者に明らかである。
【0012】
さらに本発明によれば、供血者からの全血を遠心分離器内に収集し、収集した全血を複数の血液成分に分離し、分離された少なくとも1つの血液成分を分取し、残余の血液成分を供血者に返血するアフェレーシス方法において、返血(リターンステップ)に先立つ少なくとも1つの処理段階において予備返血を行うことを特徴とするアフェレーシス方法が提供される。上述した第1のポンプによる供血者に向けての給送動作はこの予備返血に相当する。この場合、予備返血は上記したドウェルステップのような分離段階の一部において、或いはサージステップのような分取段階の一部において行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1及び図2を参照すると、抗凝固剤を格納するバッグ即ち第1の容器B1は、除菌フィルターF2、空気検出器D3、第2の通路たるチューブT2、及びYコネクタC1を介して、静脈針付チューブT1と連通している。チューブT2には第2のポンプP3が配置されている。また、静脈針付チューブT1は、共に第1の通路を構成するチューブT3、血液フィルターF1、バルブV1、第1のポンプP1、チューブT4(第1の通路の一部)、及び遠心ボウル入口ポートPT1を介して遠心分離ボウルCB1に連通される。遠心分離ボウルCB1の遠心ボウル出口ポートPT2はチューブT5、ラインセンサーL1、3路YコネクタC3、TコネクタC4、バルブV3及び第3の通路たるチューブT8を介して、重量計S1に懸架された血漿というラベルの付された第2の容器B3の入口PT3と選択的に連通される。空気というラベルの付された別の容器B2がチューブT5、バルブV2及びチューブT6を介して、また血小板というラベルの付された第4の容器B4がチューブT5、バルブV4及びチューブT9を介してそれぞれ選択的に連通される。さらに図示しない白血球バッグを第5の容器として設けても良い。
【0014】
第2の容器B3の出口PT4からは第4の通路T7が延び、YコネクタC2を介してチューブT4に接続されている。第4の通路T7には第3のポンプP2が配置されており、第2の容器B3からの低密度成分の循環を可能にしている。或いはこれに代えて、溶液というラベルの付された第3の容器B5を設け、生理食塩水や血小板保存液などを収容させて、チューブT10,T11などを介してYコネクタC5によりチューブT4に接続させてもよい。ポンプP1、P2及びP3は、バルブV1からV7と相俟って、ラインセンサーL1、供血者圧力モニター(DPM)M1、システム圧力モニター(SPM)M2、及び空気検出器D1、D2及びD3により発生される信号に応じて、アフェレーシス装置E1を通じての流れの方向及び持続時間を制御する。空気検出器D1,D2及びD3は、液体の存在又は不存在を検出する。圧力モニターM1及びM2は、装置E1内での圧力レベルを監視する。ラインセンサーL1は光学センサーであり、遠心ボウル出口ポートPT2からラインセンサーL1を通過する血液成分の存在を検出する。
【0015】
初期動作においては、ポンプP1及びP3が付勢され、アフェレーシス装置E1のチューブT2を容器B1からの抗凝固剤でプライミングする。抗凝固剤は除菌フィルターF2とYコネクタC1を通り、空気検出器D2に到達する。空気検出器D2は、D2における抗凝固剤の存在を検出し、抗凝固剤のプライミングの動作を終了させる。プライミング動作の間、バルブV2は開放されており、抗凝固剤によって遠心ボウルCB1から流出された無菌空気が、容器B2に入る。
【0016】
次いで静脈針付チューブT1が供血者に挿入され,ドローステップが開始される。ドローステップ中、供血者から静脈針付チューブT1を介して採取された全血は、ポンプP3により、容器B1から転送される抗凝固剤とYコネクタC1で混合され、さらにポンプP1により、抗凝固剤が混合された全血は、チューブT3及びチューブT4を介して、入口ポートPT1から遠心分離ボウルCB1に供給される。アフェレーシス装置E1における各ポンプ、バルブ等の動作は、図示しないマイクロコンピュータの制御の下に、所望とするプロトコルに従って行われる。この場合、YコネクタC1より供血者側、即ち「単一経路」を構成する静脈針付チューブT1の内部は抗凝固処理していない全血で満たされていることが明らかであろう。 遠心分離ボウルCB1が回転されると、ボウルの底部に導入された抗凝固処理された全血は遠心力により、成分の密度に応じて、赤血球、白血球、血小板及び血漿などの異なる成分へと分離される。ボウルの回転数は例えば4000〜6000rpmの範囲から選択されることができ、典型的には例えば4800rpmである。遠心分離ボウルCB1の内部では、血液成分はより高密度の成分から順に、外側から内側へと同心の層をなす。即ち赤血球層は最も外側へと押しやられ、血漿層は中心付近に存在するようになる。両者の間には、血小板の内側層と、血小板及び白血球の遷移層と、白血球の外側層とから成っているバフィーコート層が形成される。血漿層は出口ポートPT2に最も近い成分であり、抗凝固処理された全血が入口ポートPT1を通って遠心分離ボウルCB1に追加されるに際して、出口ポートPT2を介して最初に流出される。
【0017】
ドローステップ中に出口ポートPT2から流出した血漿は、チューブT5、ラインセンサーL1、バルブV3及び容器入口ポートPT3を介して容器B3に収集される。容器B3に収集された血漿はポンプP2により、容器出口ポートPT4からチューブT7、YコネクタC2及びチューブT4を介し、入口ポートPT1を通って遠心ボウルCB1へと循環される。循環される血漿は抗凝固化された全血を希釈し、遠心ボウル内での血液成分の分離を容易にする。ここで日本特許3196838号に詳細に記述されているように、供血者のヘマトクリット値などに応じて、遠心分離器内を通過する血漿流速や遠心回転数を選択し、1サイクル当たりの全血処理量を個別に最適化することができる。
【0018】
遠心分離ボウルCB1の肩部には光学センサー(図示せず)が適用されており、バフィーコートを監視している。本発明の図示しない制御手段は、光学センサーがバフィーコートを特定の位置に検出すると、ドウェルステップを開始する。即ちポンプP1による供血者からの全血の供給は中断され、血漿が一定期間、ポンプP2によって一定速度で再循環される。これによってバフィーコート中の血小板と白血球の分離が改善されるが、何れの成分もまだ遠心分離ボウルCB1を出ていくことはない。この場合、従来はポンプP1は単に停止されるのみであり、またバルブV1も閉じられている。しかしながら本発明においては、バルブV1は開放されており、ポンプP1は逆方向に、ポンプP2よりも低い流量で、この場合には血漿を供給するよう回転される。これによってYコネクタC1より供血者側、即ち「単一経路」を構成する静脈針付チューブT1の内部に存在する抗凝固処理していない全血は供血者に返血され、単一経路は抗凝固剤を含む流体で満たされる。なお、従来ドウェルがポンプP2により100mLで行われていた場合に、ポンプP1を用いて20mLでこの予備返血動作を行うものとすると、この分を補うためにポンプP2を120mLで動作させることが好ましい。
【0019】
ドウェルステップ終了後、必要であれば所定の追加採血を行った後に、サージステップが開始される。サージにおいては、ポンプP2の速度は例えば5〜10ml/分の増分で増大され、約200〜250ml/分の血小板サージ速度に達するまで、容器B3の血漿はチューブT7及びチューブT4を介して再度入口ポートPT1から遠心ボウルCB1に循環供給される。この血小板サージ速度は、血小板は遠心分離ボウルCB1を出て行くことができるが赤血球又は白血球は出て行けない速度である。ボウルを出て行く血漿は血小板で曇ったようになり、この曇りがラインセンサーL1によって検出される。ラインセンサーL1は、チューブT5を通る血液成分に光を照射するLEDと、血液成分を通過した後に光を受信する光電検出器とからなる。光電検出器により受信される光の量は、チューブT5を流れる液体の密度と相関される。これによって、例えば血小板のみが遠心分離ボウルCB1から追い出される。ドウェルステップの場合と同様、本発明ではこれと同時に、ポンプP1を逆方向に作動させて、ポンプP2により再循環される血漿の一部をYコネクタC2からバルブV1、血液フィルターF1及びチューブT3を介して供血者に返血する。サージステップで用いられる加速流量は、ポンプP1の速度の低減によって達成してもよい。
【0020】
或いは、必要であれば所定の追加採血終了後に、容器B5内の溶液によりサージステップを行ってもよい。この場合、容器B5の溶液をポンプP2によりチューブT10及びチューブT4を介して入口ポートPT1から遠心ボウルCB1に供給すると同時に、ポンプP1は、容器B3の血漿をチューブT7、YコネクタC6、バルブV5、YコネクタC5からバルブV1、血液フィルターF1及びチューブT3を介して供血者に返血するように動作する。
【0021】
ポンプP1による予備返血動作は、ドウェルステップとサージステップの全期間にわたって継続させることができる。その後リターンステップが開始されると、予備返血動作はリターンステップに統合されることになる。リターンの間、遠心分離ボウルCB1の回転は停止され、遠心分離ボウルCB1内に残留する血液成分は、バルブV1を開き静脈針付チューブT1を介して供血者へと、ポンプP1を逆回転して戻される。リターンの間に空気が遠心分離ボウルCB1に入ることができるように、バルブV2もまた開かれる。容器B3からの血漿は、遠心分離ボウルCB1内の濃縮された血液成分を希釈する。即ちポンプP2は血漿を遠心分離ボウルCB1内の戻り成分と混合させ、戻される赤血球成分を血漿で希釈してリターン時間をスピードアップさせる。ボウル内の残りの血液成分が供血者に戻された場合にリターンステップは終了される。
【0022】
ドロー、サージ及びリターンからなるこのサイクルは、前述のようにして決定された回数だけ実行される。なおドローの間、特に最初のサイクルで循環用の血漿が未だ得られていない場合、遠心分離ボウルCB1に入る抗凝固処理された全血は、他の容器からの生理的食塩水の如き溶液で希釈するように構成することもできる。
【0023】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、使い捨てシステムを構成するチューブ内に流体が停滞しないように有効利用を図ることにより、血液の凝固や凝集による不具合を防止すると共に、処理時間を短縮し、血液製剤の製造効率を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアフェレーシス装置の好ましい実施例の概略図である。
【図2】図1のアフェレーシス装置に用いるための使い捨てシステムの概略図である。
【符号の説明】
E1 アフェレーシス装置
CB1 遠心分離ボウル
P1−P3 ポンプ
T1−T9 チューブ
V1−V7 バルブ
B1−B5 バッグ
Claims (8)
- 供血者に接続される針手段と、
入口ポート及び出口ポートを有し、入口ポートを介して受容した全血を低密度成分、主として血小板及び白血球からなる中間密度成分、及び高密度成分に分離するための遠心分離器と、
前記針手段と前記入口ポートを接続する第1の通路と、
前記第1の通路に配置され、全血を前記入口ポートへと流入させ、或いは前記遠心分離器から前記入口ポートを介して少なくとも1つの血液成分を供血者に戻すよう作動可能な第1のポンプと、
前記針手段と前記第1のポンプの間の接続個所で前記第1の通路に接続され、前記第1の通路内の全血に対して第2のポンプによって第1の容器から抗凝固剤を供給するための第2の通路と、
前記入口ポート及び前記出口ポートと選択的に連通され、前記出口ポートから第3の通路を介して流出する低密度成分を収集する第2の容器と、
前記第2の容器から延び、前記第1のポンプと前記入口ポートの間で前記第1の通路に接続された第4の通路と、及び
前記第4の通路に配置され、前記低密度成分を前記第2の容器から前記入口ポートへと送るための第3のポンプとからなり、
前記第1のポンプが、供血者への前記少なくとも1つの血液成分の戻しに先立って、前記第1の通路内の流体を前記接続個所から前記針手段に向けて給送するよう作動され、
前記第1の通路内の流体を前記接続個所から前記針手段に向けて給送する前記第1のポンプの作動が、前記第3のポンプの作動と少なくとも部分的に同時に行われる、アフェレーシス装置。 - 前記第3のポンプの前記作動が、前記遠心分離器からの中間密度成分の流出なしに、前記低密度成分を前記第2の容器から前記入口ポートを通り前記遠心分離器へと循環させるよう行われる、請求項1のアフェレーシス装置。
- 前記第3のポンプの前記作動が、前記遠心分離器から前記中間密度成分を流出させるべく、前記低密度成分を前記第2の容器から前記入口ポートを通り前記遠心分離器へと循環させるよう行われる、請求項1のアフェレーシス装置。
- 前記第3のポンプの前記作動が、前記遠心分離器からの中間密度成分の流出なしに、前記低密度成分を前記第2の容器から前記入口ポートを通り前記遠心分離器へと循環させるよう行われる作動、及び前記遠心分離器から前記中間密度成分を流出させるべく、前記低密度成分を前記第2の容器から前記入口ポートを通り前記遠心分離器へと循環させるよう行われる作動の両者である、請求項1のアフェレーシス装置。
- 生体適合性のある流体を収容し、前記入口ポートと選択的に連通された第3の容器と、
前記第3の容器から延び、前記第1のポンプと前記入口ポートの間で前記第1の通路に接続された第5の通路と、及び
前記第5の通路に配置され、前記流体を前記第3の容器から前記入口ポートへと送るための第4のポンプをさらに含み、
前記第1の通路内の流体を前記接続個所から前記針手段に向けて給送する前記第1のポンプの作動が、前記第4のポンプの作動と少なくとも部分的に同時に行われる、請求項1のアフェレーシス装置。 - 前記流体が生理食塩水及び/又は血小板保存液である、請求項5のアフェレーシス装置。
- 前記中間密度成分が血小板であり、前記出口ポートと選択的に連通され、前記出口ポートから血小板を収集するための第4の容器をさらに含む、請求項1から6の何れか1のアフェレーシス装置。
- 前記中間密度成分が白血球であり、前記出口ポートと選択的に連通され、前記出口ポートから白血球を収集するための第5の容器をさらに含む、請求項1から7の何れか1のアフェレーシス装置。
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