JP4275213B2 - プレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤及び紙粉付着防止方法 - Google Patents

プレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤及び紙粉付着防止方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤及び紙粉付着防止方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、各種の紙、板紙を製造する抄紙工程において、プレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着を防止するためのプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤及び紙粉付着防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙、板紙の抄紙工程において、プレスロールやドライヤーロールに微細パルプや填料粒子からなる紙粉が付着し、製品の品質に悪影響を与えたり、断紙により作業性を低下させるなどの問題が発生している。特に、製紙原料に填料含有量の多い古紙が多く使用されるようになった昨今は、紙粉付着防止対策が強く求められている。
紙粉の付着防止方法としては、デンプンや紙力増強剤を内部添加剤として大量にミキシングチェストなどからパルプ原料スラリーに添加する方法や、界面活性剤や油性の剥離剤をドライヤーロール表面に噴霧する方法などが知られている。
内部添加剤を適用する方法は、非常に多量の薬剤が必要となるので、その実用性は低い。また、剥離剤を噴霧する方法は、(1)専用の噴霧装置が必要である、(2)散布量が必ずしも均一ではない、(3)飛散が多く薬剤のロスが多い、(4)飛散に伴いマシン周りが汚れる、(5)ノズルが詰まる、などの問題が生じる。さらに、剥離剤を噴霧する方法では、ドライヤーロール表面の紙粉付着防止は可能であっても、プレスロールの紙粉には対応できず、根本的な改善はできなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、各種の紙、板紙を製造する抄紙工程において、プレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着を効果的に防止することができるプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤及び紙粉付着防止方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、コロイド当量値がmeq/g以上であるカチオン性ポリマーをプレスロールの水ドクターに添加することにより、プレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着を効果的に防止し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)コロイド当量値がmeq/g以上であるカチオン性ポリマーを含有することを特徴とするプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤、
(2)カチオン性ポリマーが50重量%水溶液の25℃における粘度が50〜500cpのエピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物である第(1)項記載のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤、
(3)カチオン性ポリマーが25重量%水溶液の25℃における粘度が100〜1,500cpのポリエチレンイミンである第(1)項記載のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤、及び、
(4)第(1)項記載のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤を添加量がプレスロール幅1m当たり0.001〜50g/分となるよう、抄紙機のプレスロールの水ドクターに添加することを特徴とする紙粉付着防止方法、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤は、コロイド当量値が3meq/g以上、より好ましくは5meq/g以上であるカチオン性ポリマーを含有するものである。また、本発明の紙粉付着防止方法においては、コロイド当量値が3meq/g以上、より好ましくは5meq/g以上であるカチオン性ポリマーを、添加量がプレスロール幅1m当たり0.001〜50g/分、より好ましくは0.001〜5g/分となるよう、抄紙機のプレスロールの水ドクターに添加する。
本発明に用いるカチオン性ポリマーは、コロイド当量値が3meq/g以上であれば特に制限はなく、例えば、エピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物、ポリエチレンイミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドのコポリマー、ポリジメチルアミノエチルアクリレートの4級化物、ジメチルアミノエチルアクリレートのコポリマーの4級化物、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物、ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマーの4級化物、ポリビニルホルムアミドの加水分解物、ビニルホルムアミドのコポリマーの加水分解物などを挙げることができる。カチオン性ポリマーのコロイド当量値が3meq/g未満であると、カチオン性ポリマーのは荷電密度が低く、紙粉付着防止効果が十分に発現しないおそれがある。本発明において、カチオン性ポリマーとしてエピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物を特に好適に使用することができる。エピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物は、少量の添加により顕著な紙粉付着防止効果を発揮する。
【0006】
本発明において、カチオン性ポリマーがエピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物である場合、その50重量%水溶液の25℃における粘度が50〜500cpであることが好ましく、70〜300cpであることがより好ましく、80〜250cpであることがさらに好ましい。エピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物の50重量%水溶液の25℃における粘度が50cp未満であると、紙粉付着防止効果が不十分となるおそれがある。エピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物の50重量%水溶液の25℃における粘度が500cpを超えると、水溶液の粘度が高くなりすぎて、ポリマーによる汚れを引き起こし、あるいは、取り扱いが困難になるおそれがある。
本発明において、カチオン性ポリマーがポリエチレンイミンである場合、その25重量%水溶液の25℃における粘度が100〜1,500cpであることが好ましく、300〜1,300cpであることがより好ましく、500〜1,200cpであることがさらに好ましい。ポリエチレンイミンの25重量%水溶液の25℃における粘度が100cp未満であると、紙粉付着防止効果が不十分となるおそれがある。ポリエチレンイミンの25重量%水溶液の25℃における粘度が1,500cpを超えると、水溶液の粘度が高くなりすぎて、ポリマーによる汚れを引き起こし、あるいは、取り扱いが困難になるおそれがある。
本発明に用いるカチオン性ポリマーには、濃度10〜70重量%の水溶液として商業的に入手可能なものがある。例えば、エピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物は、SNF社よりPRP2350、PRP2449、PRP2850などとして市販されている。
エピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物は、水を媒体とする溶液重合によって製造することができる。例えば、ジメチルアミンの50重量%水溶液を撹拌しながら、室温で当量のエピクロルヒドリンを滴下し、その後80℃程度に加熱して数時間反応することにより、下記の反応式にしたがってエピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物の水溶液を得ることができる。縮合物の水溶液は、必要に応じて水を加えて希釈し、適当な濃度の水溶液とすることができる。
【化1】
Figure 0004275213
本発明のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤は、プレスロールの水ドクターに添加することが最も好ましいが、プレスロールの水ドクターを有しない抄紙機においては、類似する構造の位置あるいはシャワー水などに添加することができる。
【0007】
本発明方法においては、コロイド当量値が3meq/g以上、より好ましくは5meq/g以上であるカチオン性ポリマーを、添加量がプレスロール幅1m当たり0.001〜50g/分、より好ましくは0.01〜5g/分となるよう、抄紙機のプレスロールの水ドクターに添加する。本発明方法において、カチオン性ポリマーの添加量は、抄紙する紙又は板紙の種類、原料スラリーの性状、抄紙速度などに応じて適宜選択することができる。カチオン性ポリマーの添加量が、プレスロール幅1m当たり0.001g/分未満であると、紙粉付着防止効果が不十分となるおそれがある。カチオン性ポリマーの添加量は、通常はプレスロール幅1m当たり50g/分以下で十分であり、プレスロール幅1m当たり50g/分を超えるカチオン性ポリマーを添加しても、紙粉付着防止効果はカチオン性ポリマーの添加量に応じては向上しない。
本発明方法において、カチオン性ポリマーの添加方法に特に制限はなく、重合により得られたカチオン性ポリマーの水溶液又は商業的に入手したカチオン性ポリマーの水溶液をそのまま添加することができ、あるいは、カチオン性ポリマーの水溶液を水により希釈し、粘度を調整して添加することもできる。
本発明のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤の添加により、プレスロールのみならずドライヤーロールへの紙粉の付着をも防止し得る作用機構は必ずしも明らかではないが、プレスロールの表面に本発明の紙粉付着防止剤が供給されることにより、カチオン性ポリマーが抄紙機から紙又は板紙表面に移行し、紙粉の原因となるウェブ上の填料粒子や微細パルブ繊維と内部のパルブとの間にイオン結合が生じ、填料粒子や微細パルブ繊維がウェブから剥離してロール表面へ移行することが抑制されるものと推定される。このイオン結合は後工程のドライヤー工程においても有効であるために、ドライヤーロールまでも紙粉付着防止効果が持続するものと考えられる。
【0008】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
ひとつの抄紙機で中性及び酸性の上質紙を抄造している抄紙機のプレスロールの水ドクターにエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物を添加し、紙粉付着防止試験を行った。この抄紙機では、従来より、プレスロールに紙粉が付着し、それが原因で筋状の欠点の発生や断紙などの障害があり、大量のカチオンデンプンを内添することにより対策を講じてきたが、生産コストがかかりすぎるために十分な処理ができない状況であった。なお、中性紙抄造時のパルプスラリーの性状は、懸濁固形分0.48重量%、白水pH7.4、ゼータ電位−9.1mVであり、酸性紙抄造時のパルプスラリーの性状は、懸濁固形分0.53重量%、白水pH4.1、ゼータ電位+0.1mVであった。
コロイド当量値が6.5meq/gであり、50重量%水溶液の25℃における粘度が50cpであるエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物の水溶液[SNF社製、PRP2350]を、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物の添加量がプレスロール幅1m当たり1g/分となるように水ドクターに添加し、1日間運転後のプレスロール及びドライヤーロールへの紙粉付着状況を目視により観察するとともに、水ドクター中の懸濁固形分濃度を測定した。
中性紙抄造時のプレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着は、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物を添加しない場合に比べて半減し、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.21重量%であった。
酸性紙抄造時のプレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着は、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物を添加しない場合に比べて半減し、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.36重量%であった。
実施例2
コロイド当量値が6.5meq/gであり、50重量%水溶液の25℃における粘度が100cpであるエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物の水溶液[SNF社製、PRP2449]を用いた以外は、実施例1と同様にして、紙粉付着防止試験を行った。
中性紙抄造時のプレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着は全く認められず、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.07重量%であった。
酸性紙抄造時のプレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着は全く認められず、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.13重量%であった。
実施例3
コロイド当量値が6.5meq/gであり、50重量%水溶液の25℃における粘度が200cpであるエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物の水溶液[SNF社製、PRP2850]を用いた以外は、実施例1と同様にして、紙粉付着防止試験を行った。
中性紙抄造時のプレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着は全く認められず、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.06重量%であった。
酸性紙抄造時のプレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着は全く認められず、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.14重量%であった。
比較例1
水ドクターにエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物を添加することなく、従来法である製品1トン当たり8〜9kgのカチオンデンプンを内添する条件で、中性紙及び酸性紙をそれぞれ1日間抄造し、プレスロール及びドライヤーロールへの紙粉付着状況を目視により観察するとともに、水ドクター中の懸濁固形分濃度を測定した。
中性紙抄造時には、プレスロール及びドライヤーロールへ紙粉が付着し、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.32重量%であった。
酸性紙抄造時にも、プレスロール及びドライヤーロールへ紙粉が付着し、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.56重量%であった。
実施例1〜3及び比較例1の結果を、第1表に示す。
【0009】
【表1】
Figure 0004275213
【0010】
第1表に見られるように、コロイド当量値が6.5meq/gであるエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物をプレスロールの水ドクターに添加することにより、プレスロール及びドライヤーロールへの紙粉付着が減少し、水ドクター中の懸濁固形分濃度も低下した。50重量%水溶液の粘度が50cpであるエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物を添加した実施例1においては、紙粉付着減少効果も水ドクター中の懸濁固形分低減効果もやや不十分であるが、50重量%水溶液の粘度が100cpであるエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物を添加した実施例2及び該粘度が200cpであるエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物を添加した実施例3においては、プレスロール及びドライヤーロールへ紙粉が全く付着せず、水ドクター中の懸濁固形分濃度も著しく低下した。この結果から、コロイド当量値が同じであっても、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物の分子量がある程度高い方が、紙粉の付着防止効果が大きいことが分かる。
実施例2と同じ条件で、コロイド当量値が6.5meq/gであり、50重量%水溶液の粘度が100cpであるエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物を添加しつつ、中性紙及び酸性紙の抄造を継続したところ、この抄紙機における従来の欠点が解消し、製品品質の向上、生産性の向上、作業性の改善、生産コストの低減などに顕著な効果が得られた。
【0011】
実施例4
クラフト紙を抄造している抄紙機のプレスロールの水ドクターに、コロイド当量値が6.5meq/gであり、50重量%水溶液の25℃における粘度が100cpであるエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物の水溶液[SNF社製、PRP2449]を添加し、紙粉付着防止試験を行った。この抄紙機では、従来より、プレスロールに紙粉が付着し、それが原因で欠点などの障害があり、プルロニック型界面活性剤を水ドクターに添加することにより対策を講じてきたが、欠点がわずかに減少する程度の効果しか得られていなかった。なお、白水の性状は、懸濁固形分0.08重量%、白水pH4.2、ゼータ電位+1.0mVであった。エピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物を、プレスロール幅1m当たり0.002g/分となるように水ドクターに添加し、1日間運転後のプレスロール及びドライヤーロールへの紙粉付着状況を目視により観察するとともに、水ドクター中の懸濁固形分濃度を測定した。プレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着は全く認められず、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.013重量%であった。
実施例5
エピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物の代わりに、コロイド当量値が10meq/gであり、25重量%水溶液の25℃における粘度が1,000cpであるポリエチレンイミン[BASF社製]を用いた以外は、実施例4と同様にして、紙粉付着防止試験を行った。
プレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着は全く認められず、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.012重量%であった。
比較例2
この紙粉付着防止試験を開始する以前は、この抄紙機ではプルロニック型界面活性剤を、プレスロール幅1m当たり0.002g/分となるように水ドクターに添加し、クラフト紙を抄造していた。
当時の状況は、界面活性剤を添加しない場合に比べるとプレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着量の減少は認められるものの、なおかなりの量の紙粉が付着し、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.032重量%程度であった。比較例3
エピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物の代わりに、コロイド当量値が1.5meq/gであり、50重量%水溶液の25℃における粘度が500cpであるポリジメチルアミノエチルアクリレートの4級化物[ミサワセラミック社製]を用いた以外は、実施例4と同様にして、紙粉付着防止試験を行った。
プレスロール及びドライヤーロールへ紙粉が付着し、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.034重量%であった。
比較例4
水ドクターにエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物を添加することなく、クラフト紙を1日間抄造し、プレスロール及びドライヤーロールへの紙粉付着状況を目視により観察するとともに、水ドクター中の懸濁固形分濃度を測定した。
プレスロール及びドライヤーロールへ紙粉が付着し、水ドクター中の懸濁固形分濃度は0.053重量%であった。
実施例4〜5及び比較例2〜4の結果を、第2表に示す。
【0012】
【表2】
Figure 0004275213
【0013】
第2表に見られるように、コロイド当量値が6.5meq/gであるエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物をプレスロールの水ドクターに添加した実施例4及びコロイド当量値が10meq/gであるポリエチレンイミンをプレスロールの水ドクターに添加した実施例5においては、プレスロール及びドライヤーロールへ紙粉が全く付着せず、水ドクター中の懸濁固形分濃度も著しく低下した。これに対して、従来より実施してきたプルロニック型界面活性剤をプレスロールの水ドクターに添加する比較例2及びコロイド当量値が1.5meq/gであるポリジメチルアミノエチルアクリレートの4級化物をプレスロールの水ドクターに添加した比較例3においては、紙粉付着防止剤成分を添加しない比較例4に比べて付着量は減少するものの、なおプレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着が発生し、水ドクター中の懸濁固形分の減少量も少ない。コロイド当量値が大きいカチオン性ポリマーを添加した場合には、顕著な紙粉付着防止効果が得られるが、カチオン性ポリマーのコロイド当量値が小さい場合には、紙粉付着防止効果が不十分であることが分かる。
実施例4と同じ条件で、コロイド当量値が6.5meq/gであり、50重量%水溶液の粘度が100cpであるエピクロルヒドリン−ジメチルアミン縮合物を添加しつつ、クラフト紙の抄造を継続したところ、この抄紙機における従来の欠点が解消し、製品品質の向上、生産性の向上、作業性の改善、生産コストの低減などに顕著な効果が得られた。
【0014】
【発明の効果】
本発明のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤及び紙粉付着防止方法によれば、抄紙工程において、プレスロール及びドライヤーロールへの紙粉の付着を防止し、また、水ドクター中の懸濁固形分を減少して、製品品質の向上、生産性の向上、作業性の改善、生産コストの低減などに顕著な効果を得ることができる。

Claims (4)

  1. コロイド当量値がmeq/g以上であるカチオン性ポリマーを含有することを特徴とするプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤。
  2. カチオン性ポリマーが50重量%水溶液の25℃における粘度が50〜500cpのエピクロルヒドリンとジメチルアミンの縮合物である請求項1記載のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤。
  3. カチオン性ポリマーが25重量%水溶液の25℃における粘度が100〜1,500cpのポリエチレンイミンである請求項1記載のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤。
  4. 請求項1記載のプレスロールの水ドクター用紙粉付着防止剤を添加量がプレスロール幅1m当たり0.001〜50g/分となるよう、抄紙機のプレスロールの水ドクターに添加することを特徴とする紙粉付着防止方法。
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