JP4274928B2 - 音源方向検出装置 - Google Patents
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Description
原子力発電所の配管トラブルが発生すると、原子炉を手動停止しており、原子力発電所稼働率の低下を招いている。
これらのことから、配管設備異常の事前兆候をキャッチするには異常音を感知する装置(センサ)が適切であるといえるが、配管設備異常の事前兆候をキャッチし、それに対応するためには、異常音の大きさだけではなく、配管のどこから異常音が発生しているかを検出する必要がある。
前記各マイクロホンの出力に接続された増幅回路および波形整形回路を備えてもよい。
前記各マイクロホンが、一つの面が集音部(111)とされた容器(110)と、該容器(110)に充填された固体中伝播音伝達物質(120)と、前記容器(110)内に前記固体中伝播音伝達物質(120)で覆われて設けられたマイクロホン(130)とをさらに備えてもよい。
(1)n個の方向に音源があり得る場合でも、n(n−1)/2個のフリップフロップ回路を備えることにより音源方向を検出することができるため、音源方向検出装置の構成を簡単化することができる。
(2)各マイクロホンの出力側に増幅回路および波形整形回路を設けることにより、小さい音や立上り波形が急峻でない音であっても、その音源方向を検出することができる。
すなわち、たとえば、2つのマイクロホンの間隔を10cmとして、一方のマイクロホンを左側に配置するとともに他方のマイクロホンを右側に配置し、この2つのマイクロホンを結ぶ直線上の左側から音が発生した場合を考えると、音はまず一方のマイクロホンに入ったのちに他方のマイクロホンに入る。このときの時間差は、空気中伝播音の場合には約0.3ミリ秒であり、配管等固体中伝播音の場合には約20マイクロ秒であり、どちらの場合にも微少な時間差となり、この微少な時間差を検出する必要がある。到達音の時間差の検出方法としては、標準クロックパルスとの比較等により到達音の時間差を求めてその先後を判定する方法があるが、この方法では、周期がミリ秒オーダーまたはマイクロ秒オーダーの標準クロックパルスを使用する必要がある。
そこで、音源からの音の到達時間差について考えてみると、到達時間差は2つのマイクロホンの間隔によって決まり音源の位置には関係しないことがわかる。このことは、単に音源方向を決定するだけであれば具体的な到達時間差値を検出する必要性はないということである。したがって、具体的な到達時間差値というアナログ情報ではなく、どちらの音が先に到達したかというディジタル情報に着目して、到達時間差の判定をすることとする。このようなディジタル情報による到達時間差検出方法は、マイクロ秒オーダーの短周期入力パルスに応答する2安定マルチバイブレータ(フリップフロップ回路)を使用することにより実現することができる。
なお本発明では空気中伝播音を遮断するとともに配管内を伝播する音を効率良く集音するために固体中伝播音集音マイクロホンを使用している。
本発明の第1の実施例による音源方向検出装置10は、2方向(第1および第2の方向)のうちのいずれの方向に音源があるかを検出する2端子センサであり、図1に示すように、第1の方向からの音を最先に検出するための第1のマイクロホン11と、第1のマイクロホン11と所定の間隔をあけて設けられかつ第2の方向からの音を最先に検出するための第2のマイクロホン12と、第1および第2のマイクロホン11,12の出力信号A,Bが入力されるフリップフロップ回路(FF回路)13と、フリップフロップ回路13の第1および第2の出力信号QA,QBが入力される音源方向検出部14とを備える。
マイクロホンについては、空気中伝播音を対象とする場合は、通常のコンデンサマイクロホンなどを使用すればよい。しかし、たとえば空気中を伝播する多種多様な雑音(空気中伝播音)の中に曝されている配管の異常音を検出する場合には、空気中伝播音を遮断し真に必要な配管からの異常音のみを抽出しなければならない。そこでこのような場合のために本発明では、空気中伝播音を遮断し配管内を伝播する音のみを集音するマイクロホンとして、図8に示す固体中伝播音集音マイクロホン100を使用する。
これにより、固体中伝播音集音マイクロホン100では、配管140からの異常音のみを固体中伝播音集音マイク容器110の集音部111から取り込んでマイクロホン130により検出することができる。
フリップフロップ回路13は、複数個のマイクロホンのうちの異なる組合せの2個ずつのマイクロホンの出力信号がそれぞれ入力されかつ入力された2個のマイクロホンの出力信号に基づいてどちらのマイクロホンに音が先に到達したかを検出する少なくとも1つの到達先後検出手段として機能し、図2にその一例の回路図を示すように、2安定マルチバイブレータの2つの入力端子に第1および第2のマイクロホン11,12の出力信号A,Bをそれぞれ入力するように構成されている。すなわち、フリップフロップ回路13は、図3に示すように、第1のマイクロホン11の出力信号Aがハイレベルからロウレベルに変化すると、第1の出力信号QAはハイレベルのときにはロウレベルに変化するとともに第2の出力信号QBはロウレベルのときにはハイレベルに変化し、かつ、第2のマイクロホン12の出力信号Bがハイレベルからロウレベルに変化すると、第1の出力信号QAはロウレベルのときにはハイレベルに変化するとともに第2の出力信号QBはハイレベルのときにはロウレベルに変化する。
音源方向検出部14は、フリップフロップ回路13の第1または第2の出力信号QA,QBのレベルが変化すると、所定の時間経過後にフリップフロップ回路13の第1および第2の出力信号QA,QBのレベルを検出し、検出したフリップフロップ回路13の第1および第2の出力信号QA,QBのレベルに基づいて音源方向を決定する。
図4に示すように、第1の方向から音が発生すると、時刻t1で第1のマイクロホン11の出力信号Aがハイレベルからロウレベルに変化したのち、第1のマイクロホン11と第2のマイクロホン12との間隔によって決まる音の到達時間差分だけ遅れた時刻t2で第2のマイクロホン12の出力信号Bがハイレベルからロウレベルに変化する。これにより、時刻t1でフリップフロップ回路13の第1の出力信号QAがハイレベルからロウレベルに変化するとともに第2の出力信号QBがロウレベルからハイレベルに変化し、また、時刻t2でフリップフロップ回路13の第1の出力信号QAがロウレベルからハイレベルに変化するとともに第2の出力信号QBがハイレベルからロウレベルに変化する。音源方向検出部14は、時刻t2から所定時間遅れた時刻t3でフリップフロップ回路13の第1および第2の出力信号QA,QBのレベルを検出する。その結果、第1の出力信号QAのレベルがハイレベルであるため、音源方向検出部14は第1の方向を音源方向と決定する。
本実施例による音源方向検出装置20は、3方向(第1乃至第3の方向)のうちのいずれの方向に音源があるかを検出する3端子センサであり、図5に示すように、第1の方向からの音を最先に検出するための第1のマイクロホン21と、第1のマイクロホン21と所定の間隔をあけて設けられかつ第2の方向からの音を最先に検出するための第2のマイクロホン22と、第1および第2のマイクロホン21,22と所定の間隔を置いて設けられかつ第3の方向からの音を最先に検出するための第3のマイクロホン23と、第1および第2のマイクロホン21,22の出力信号A,Bが入力される第1のフリップフロップ回路24と、第1および第3のマイクロホン21,23の出力信号A,Cが入力される第2のフリップフロップ回路25と、第2および第3のマイクロホン22,23の出力信号B,Cが入力される第3のフリップフロップ回路26と、第1のフリップフロップ回路24の第1および第2の出力信号Q1A,Q1Bと第2のフリップフロップ回路25の第1および第2の出力信号Q2A,Q2Cと第3のフリップフロップ回路26の第1および第2の出力信号Q3B,Q3Cとが入力される音源方向検出部27とを備える。
なおマイクロホンが固体中伝播音集音マイクロホンであることは実施例1と同様である。
また、第1乃至第3の方向は必ずしも図5に示した3つの方向である必要はない。
本実施例による音源方向検出装置30は、4方向(第1乃至第4の方向)のうちのいずれの方向に音源があるかを検出する4端子センサであり、図6に示すように、第1の方向からの音を最先に検出するための第1のマイクロホン31と、第1のマイクロホン31と所定の間隔をあけて設けられかつ第2の方向からの音を最先に検出するための第2のマイクロホン32と、第1および第2のマイクロホン31,32と所定の間隔をあけて設けられかつ第3の方向からの音を最先に検出するための第3のマイクロホン33と、第1乃至第3のマイクロホン31〜33と所定の間隔をあけて設けられかつ第4の方向からの音を最先に検出するための第4のマイクロホン34と、第1および第2のマイクロホン31,32の出力信号A,Bが入力される第1のフリップフロップ回路35と、第1および第3のマイクロホン31,33の出力信号A,Cが入力される第2のフリップフロップ回路36と、第1および第4のマイクロホン31,34の出力信号A,Dが入力される第3のフリップフロップ回路37と、第2および第3のマイクロホン32,33の出力信号B,Cが入力される第4のフリップフロップ回路38と、第2および第4のマイクロホン32,34の出力信号B,Dが入力される第5のフリップフロップ回路39と、第3および第4のマイクロホン33,34の出力信号C,Dが入力される第6のフリップフロップ回路40と、第1のフリップフロップ回路35の第1および第2の出力信号Q1A,Q1Bと第2のフリップフロップ回路36の第1および第2の出力信号Q2A,Q2Cと第3のフリップフロップ回路37の第1および第2の出力信号Q3A,Q3Dと第4のフリップフロップ回路38の第1および第2の出力信号Q4B,Q4Cと第5のフリップフロップ回路39の第1および第2の出力信号Q5B,Q5Dと第6のフリップフロップ回路40の第1および第2の出力信号Q6C,Q6Dとが入力される音源方向検出部41とを備える。
なおマイクロホンが固体中伝播音集音マイクロホンであることは実施例1と同様である。
(1)第1のフリップフロップ回路35の第1の出力信号Q1A,第2のフリップフロップ回路36の第1の出力信号Q2Aおよび第3のフリップフロップ回路37の第1の出力信号Q3Aのレベルがハイレベルであるときには、第1の方向を音源方向と決定する。
(2)第1のフリップフロップ回路35の第2の出力信号Q1B,第4のフリップフロップ回路38の第1の出力信号Q4Bおよび第5のフリップフロップ回路39の第1の出力信号Q5Bのレベルがハイレベルであるときには、第2の方向を音源方向と決定する。
(3)第2のフリップフロップ回路36の第2の出力信号Q2C,第4のフリップフロップ回路38の第2の出力信号Q4Cおよび第6のフリップフロップ回路40の第1の出力信号Q6Cのレベルがハイレベルであるときには、第3の方向を音源方向と決定する。
(4)第3のフリップフロップ回路37の第2の出力信号Q3D,第5のフリップフロップ回路39の第2の出力信号Q5Dおよび第6のフリップフロップ回路40の第2の出力信号Q6Dのレベルがハイレベルであるときには、第4の方向を音源方向と決定する。
また、第1乃至第4の方向は必ずしも図6に示した4つの方向である必要はない。
本実施例による音源方向検出装置は、n方向(第1乃至第nの方向)のうちのいずれの方向に音源があるかを検出するn端子センサであり、第1乃至第nの方向からの音をそれぞれ最先に検出するための第1乃至第nのマイクロホンと、第1乃至第nのマイクロホンのうちの異なる組合せの2個ずつのマイクロホンの出力信号がそれぞれ入力される第1乃至第n(n−1)/2のフリップフロップ回路と、第1乃至第n(n−1)/2のフリップフロップ回路の出力信号が入力される音源方向検出部とを備える。
なおマイクロホンが固体中伝播音集音マイクロホンであることは実施例1と同様である。
第1乃至第n(n−1)/2のフリップフロップ回路は、複数個のマイクロホンのうちの異なる組合せの2個ずつのマイクロホンの出力信号がそれぞれ入力されかつ入力された2個のマイクロホンの出力信号に基づいてどちらのマイクロホンに音が先に到達したかを検出する少なくとも1つの到達先後検出手段として機能し、図2に示したフリップフロップ回路13と同様の構成を有するとともに同様に動作する。すなわち、第1乃至第n(n−1)/2のフリップフロップ回路は、入力される2個のマイクロホンの出力信号のうち一方のマイクロホンの出力信号がハイレベルからロウレベルに変化すると、第1の出力信号はハイレベルのときにはロウレベルに変化するとともに第2の出力信号はロウレベルのときにはハイレベルに変化し、かつ、他方のマイクロホンの出力信号がハイレベルからロウレベルに変化すると、第1の出力信号はロウレベルのときにはハイレベルに変化するとともに第2の出力信号はハイレベルのときにはロウレベルに変化する。
本実施例による音源方向検出装置50は、第1および第2の増幅回路53,54と、波形整形回路として機能する第1および第2の微分回路55,56とを備え、第1および第2のマイクロホン51,52の出力信号A,Bを第1および第2の増幅回路53,54で増幅したのちに第1および第2の微分回路55,56で立上りエッジを急峻にする点で、図1に示した第1の実施例による音源方向検出装置1と異なる。
なおマイクロホンが固体中伝播音集音マイクロホンであることは実施例1と同様である。
11,12,21〜23,31〜34,51,52,130 マイクロホン
13,24〜26,35〜40,57 フリップフロップ回路
14,27,41,58 音源方向検出部
53,54 増幅回路
55,56 微分回路
100 固体中伝播音集音マイクロホン
111 集音部
110 固体中伝播音集音マイク容器
120 固体中伝播音伝達物質
140 配管
Claims (6)
- 複数の方向からの音をそれぞれ最先に検出するための複数個のマイクロホンと、
該複数個のマイクロホンのうちの異なる組合せの2個ずつのマイクロホンの出力信号がそれぞれ入力され、かつ、該入力された2個のマイクロホンの出力信号に基づいてどちらのマイクロホンに音が先に到達したかを検出する少なくとも1つの到達先後検出手段と、
該少なくとも1つの到達先後検出手段の出力信号に基づいて音源方向を検出する音源方向検出手段と、を備え、
前記各マイクロホンが、一つの面が集音部(111)とされた容器(110)と、該容器(110)に充填された固体中伝播音伝達物質(120)と、前記容器(110)内に前記固体中伝播音伝達物質(120)で覆われて設けられたマイクロホン本体(130)と、を備えた固体中伝播音集音マイクロホン(100)である、ことを特徴とする音源方向検出装置。 - 前記複数個のマイクロホンが、第1乃至第nの方向からの音をそれぞれ最先に検出するための第1乃至第nのマイクロホンを含み、
前記少なくとも1つの到達先後検出手段が、前記第1乃至第nのマイクロホンのうちの異なる組合せの2個ずつのマイクロホンの出力信号がそれぞれ入力され、かつ、該入力された2個のマイクロホンのどちらに音が先に到達したかを示す出力信号をそれぞれ出力する第1乃至第n(n−1)/2のフリップフロップ回路を含み、
前記音源方向検出手段が、前記第1乃至第n(n−1)/2のフリップフロップ回路の出力信号に基づいて、該第1乃至第n(n−1)/2のフリップフロップ回路のうちの第mのマイクロホンの出力信号が入力される(n−1)個のフリップフロップ回路の出力信号がすべて該第mのマイクロホンに音が先に到達したことを示す場合には第mの方向を音源方向として決定する音源方向検出部を含む、
ことを特徴とする、請求項1記載の音源方向検出装置。 - n=2であり、かつ、m=1または2であることを特徴とする、請求項2記載の音源方向検出装置。
- n=3であり、かつ、m=1,2または3であることを特徴とする、請求項2記載の音源方向検出装置。
- n=4であり、かつ、m=1,2,3または4であることを特徴とする、請求項2記載の音源方向検出装置。
- 前記各マイクロホンの出力に接続された増幅回路および波形整形回路をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載の音源方向検出装置。
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