JP4274787B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原動機と駆動輪とを結ぶ伝達経路の途中に無段変速機を設け、原動機と無段変速機との間にクラッチを設けるとともに、無段変速機の駆動プーリとクラッチとの間に、シフトレバーの操作に従って少なくとも前進位置と中立位置とに切替可能な切替機構を設けた車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2001−330095号公報
特許文献1には、エンジンと駆動輪とを結ぶ伝達経路の途中に無段変速機を設け、エンジンと無段変速機との間にクラッチを設けるとともに、無段変速機の駆動プーリとクラッチとの間に、前進位置と中立位置とに切替可能な切替機構を設けたものが開示されている。
この無段変速機は、駆動プーリと、従動プーリと、駆動プーリと従動プーリとの間に巻きかけられたVベルトとを備えており、変速用モータによって駆動プーリと従動プーリのベルト巻き掛け径(プーリ溝幅)を相反方向に可変とするとともに、テンションローラによってVベルトの緩み側を押圧してベルト張力を付与する構造となっている。
【0003】
ところで、上記のようにエンジン、クラッチ、切替機構、駆動プーリの順に配置された車両の場合、変速制御とクラッチ制御とを行うために、クラッチ出力回転数と駆動プーリ回転数と従動プーリ回転数(または出力軸回転数)とをそれぞれ検出するための3個のセンサが最低限必要である。すなわち、クラッチ入力回転数(エンジン回転数)とクラッチ出力回転数とによってクラッチ制御が可能になり、駆動プーリ回転数と従動プーリ回転数とによって無段変速機の変速比が演算される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような3個のセンサのうち、クラッチ出力回転数センサと駆動プーリ回転数センサは、車両がDレンジで走行中であれば、クラッチ出力回転数と駆動プーリ回転数とが一対一に対応するので、いずれか一方のセンサを省略しても、変速比の演算が可能である。しかしながら、例えばDレンジで走行中にシフトレバーをNレンジに切り換えると、クラッチ出力軸と駆動プーリとの間の動力伝達が断たれるので、クラッチ出力回転数と駆動プーリ回転数とが一対一に対応しなくなる。そのため、クラッチ出力回転数センサを省略した場合には、Nレンジ時にクラッチの接続ポイントを学習するなどのクラッチ制御ができなくなり、駆動プーリ回転数センサを省略した場合には、変速制御ができなくなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、少ない個数の回転数センサでクラッチ制御と変速制御とを実施可能な車両の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、原動機と駆動輪とを結ぶ伝達経路の途中に無段変速機を設け、原動機と無段変速機との間にクラッチを設けるとともに、無段変速機の駆動プーリとクラッチとの間に、シフトレバーの操作に従って少なくとも前進位置と中立位置とに切替可能な切替機構を設けた車両において、上記シフトレバーの位置を検出するシフト位置検出手段と、上記切替機構を切替作動させるアクチュエータと、上記原動機の出力回転数又はクラッチの入力軸回転数を検出する第1のセンサと、上記クラッチの出力軸回転数又は上記無段変速機の駆動プーリ回転数を検出する第2のセンサと、上記無段変速機の従動プーリ回転数又は車速を検出する第3のセンサと、上記第1のセンサと第2のセンサとによって検出された回転数を用いて上記クラッチを断接制御するクラッチ制御手段と、上記第3のセンサによって検出された車速が所定車速以上であって、上記シフト位置検出手段によるシフトレバーの検出位置が中立位置にある時、上記切替機構を前進位置とするよう上記アクチュエータに指令し、かつ上記クラッチを断状態とするようクラッチ制御手段に指令する中立制御手段と、上記第2のセンサと第3のセンサとによって検出された回転数を用いて上記無段変速機の変速制御を行う変速制御手段と、を備えたことを特徴とする車両の制御装置を提供する。
【0007】
シフトレバーを前進位置から中立位置へ切り換えたとき、切替機構は前進位置のままで保持し、クラッチを断状態とするので、無段変速機の駆動プーリとクラッチ出力軸とが一対一に対応する。そのため、クラッチ出力回転数センサ又は駆動プーリ回転数を検出するセンサのいずれかを省略することができる。つまり、原動機の出力回転数(又はクラッチの入力軸回転数)を検出するセンサとクラッチ出力回転数センサ(または駆動プーリ回転数センサ)と従動プーリ回転数センサ(または出力軸回転数センサ)の3個のセンサで、変速制御とクラッチ制御とを実施することが可能となり、コスト低減を実現できる。
また、走行中にシフトレバーを前進位置から中立位置へ切り換えたとき、切替機構を中立位置とし、クラッチを接続状態とする従来の方法を採用すると、切替機構の入力側と出力側とで回転速度差が発生し、次に再度前進位置へ切り換えた時、大きなショックが発生する可能性がある。これに対し、本発明では、シフトレバーが中立位置の状態で走行中、切替機構は前進位置のままでクラッチを断状態としているので、前進位置へ再度切り換えた時、クラッチの入力回転数と出力回転数との間に差が発生することがあっても、クラッチをすべり制御しながら締結することで、ショックを低減できる。
【0008】
請求項2のように、車両の車速が0付近の所定車速以下のとき、または無段変速機の変速比が最大変速比近傍の変速比以上のとき、アクチュエータおよびクラッチ制御手段に対する中立制御手段の指令を禁止するのがよい。
例えば、中立位置においてクラッチを断状態にできないような故障(係合故障)があった場合、不意に車両が飛び出す恐れがあるため、車両がほぼ停止状態にある場合には、シフトレバーを前進位置から中立位置へ切り換えた時、切替機構を通常どおり中立位置としている。つまり、請求項1の中立制御を、車速がある程度以上の走行状態に限ることで、上記の問題を解消することができる。同様に、変速比が最大変速比(Low)近傍にあるときにクラッチが係合故障すると、エンジンブレーキが強く効き、ニュートラルとの違和感が大きくなるため、これを解消するために、変速比がLow近傍にあるときにシフトレバーを前進位置から中立位置へ切り換えた時、切替機構を通常どおり中立位置としている。
なお、車速は出力軸の回転速度、差動装置の回転速度あるいは従動プーリの回転速度などを検出する車速センサによって検出することができる。また、変速比は、クラッチ出力回転数センサ(または駆動プーリ回転数センサ)と車速センサとで検出できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明にかかる車両の駆動機構の一例を示す骨格図である。
エンジン1の出力軸2は、クラッチ3を介して無段変速機の入力軸5に接続されている。この実施例のクラッチ3は乾式クラッチであるが、断状態が得られるクラッチであれば、湿式クラッチや電磁クラッチを用いることもできる。クラッチ3はクラッチ制御用アクチュエータ4によって断接制御される。
【0010】
入力軸5には相対回転する前進用ギヤ5aと一体回転する後進用ギヤ5bとが設けられ、前進用ギヤ5aはシンクロ式の前進切替機構6によって入力軸5に固定されたクラッチハブ5cに対して選択的に連結される。この前進切替機構6は、フォーク7によって前進位置Dと中立位置Nと後退位置Rの3位置に切替可能である。
【0011】
カウンタ軸8には、前進用ギヤ5aと噛み合うギヤ8aと、駆動軸10のエンジン側端部に固定されたギヤ10aと噛み合うギヤ8bとが一体回転可能に設けられている。カウンタ軸8のギヤ8a,8bの減速比を適切に設定することで、入力軸5から駆動軸10へ駆動力をベルト駆動に適した減速比で伝達している。
【0012】
駆動プーリ11は、駆動軸10上に固定された固定シーブ11aと、駆動軸10上に軸方向移動自在に支持された可動シーブ11bと、可動シーブ11bの背後に設けられたストローク機構14とを備え、ストローク機構14はVベルト15よりエンジン側に配置されている。この実施例のストローク機構14は、変速用モータ40によって可動シーブ11bを軸方向に移動させるボールネジ機構であり、可動シーブ11bに軸受12を介して相対回転自在に支持された雌ねじ部材14bと、変速機ケース(図示せず)に固定された雄ねじ部材14cと、その間に配置されたボール14aとを備え、雌ねじ部材14bの外周部に変速ギヤ14dが固定されている。
【0013】
従動プーリ21は、従動軸20上に固定された固定シーブ21aと、従動軸20上に軸方向移動自在に支持された可動シーブ21bと、可動シーブ21bの背後に設けられたストローク機構22とを備え、ストローク機構22はVベルト15より反エンジン側に配置されている。このストローク機構22も駆動プーリ11のストローク機構14と同様の構成を有するボールネジ機構であり、可動シーブ21bに軸受18を介して相対回転自在に支持された雌ねじ部材22bと、変速機ケースに固定された雄ねじ部材22cと、その間に配置されたボール22aとを備え、雌ねじ部材22bの外周部に変速ギヤ22dが固定されている。
【0014】
従動軸20の従動プーリ21よりエンジン側の部位には、後進用ギヤ24が回転自在に支持されており、このギヤ24は入力軸5に固定された後進用ギヤ5bと噛み合っている。ギヤ24は後進切替機構25によって従動軸20に固定されたクラッチハブ26に対して選択的に連結される。後進切替機構25には、上述の前進切替機構6を操作するフォーク7が係合しており、フォーク7をシフト切替用アクチュエータ28で操作することで、両方の切替機構6,25を同時に切り替えることができる。
【0015】
例えば、フォーク7を図1の右側にシフトすると、前進切替機構6がクラッチハブ5cと前進用ギヤ5aとを連結し、後進切替機構25は後進用ギヤ24から離れており、D位置となる。中間位置では、前進切替機構6および後進切替機構25がそれぞれ前進用ギヤ5a、後進用ギヤ24と離れており、N状態となる。フォーク7を図1の左側にシフトすると、後進切替機構25がクラッチハブ26と後進用ギヤ24とを連結し、前進切替機構6は前進用ギヤ5aと離れているため、R位置となる。
このように、1本のフォーク7で前進切替機構6および後進切替機構25を操作するので、前進切替機構6がD位置の時に後進切替機構25がR位置になるといった不具合を解消できる。
【0016】
従動軸20のエンジン側端部には減速ギヤ27が固定されており、この減速ギヤ27は減速軸30に固定されたギヤ30aと噛み合い、さらに減速軸30に固定されたギヤ30bを介して差動装置31のリングギヤ31aに噛み合っている。そして、差動装置31に設けられた出力軸32を介して左右の駆動輪33が駆動される。
【0017】
上記構成よりなる無段変速機の前進時および後進時の動力伝達経路は次の通りである。
シフトレバー65を前進位置(D位置)へシフトすると、その動きをシフトレバーセンサ66が検出して後述する無段変速機制御用コントローラ60に送り、コントローラ60はシフト切替用アクチュエータ28に指令してフォーク7を操作し、前進切替機構6を前進位置(D)へ切り替える。クラッチ3から入力軸5に入力されたエンジン動力は、前進用ギヤ5a、カウンタ軸8、駆動軸10、駆動プーリ11、Vベルト15、従動プーリ21、従動軸20、減速軸30、差動装置31を介して出力軸32に伝達される。
一方、後進時には、シフトレバー65を後退位置(R位置)へシフトすると、その動きをシフトレバーセンサ66が検出して無段変速機制御用コントローラ60に送り、コントローラ60はシフト切替用アクチュエータ28に指令してフォーク7を操作し、後進切替機構25を後進位置(R)へ切り替える。クラッチ3から入力軸5に入力されたエンジン動力は、後進用ギヤ5b,24、従動軸20、減速軸30、差動装置31を介して出力軸32に伝達される。つまり、後退時にはVベルト15を経由せずに動力が伝達される。
【0018】
次に、この無段変速機における変速比可変機構について説明する。
変速機ケースには変速用モータ40が取り付けられている。変速用モータ40の出力ギヤ42は第1変速軸45の一端に設けられた減速ギヤ45aに噛み合っている。第1変速軸45の他端部に設けられたギヤ45bは駆動プーリ11の可動シーブ11bの移動ストローク分の長さを有する歯車であり、駆動プーリ11に設けられた変速ギヤ14dと噛み合っている。第1変速軸45のギヤ45bを回転させると、変速ギヤ14dが追随回転することでボールネジ機構(ストローク機構)14の作用により、可動シーブ11bを軸方向へ移動させることができる。つまり、駆動プーリ11のプーリ溝幅(ベルト巻き掛け径)を連続的に変化させることができる。
【0019】
駆動プーリ11の変速ギヤ14dは、変速機ケースに架け渡して設けられた第2変速軸46の第1アイドラギヤ46aとも噛み合い、さらに第2変速軸46の第2アイドラギヤ46bは従動プーリ21の変速ギヤ22dと噛み合っている。これらアイドラギヤ46a,46bも、第1変速軸45のギヤ45bと同様に、可動シーブ11b,21bの移動ストローク分の長さを有する歯車で構成されている。変速用モータ40の回転力は、第1変速軸45,駆動プーリ11の変速ギヤ14d,第2変速軸46を介して従動プーリ21の変速ギヤ22dへと伝達される。そのため、駆動プーリ11の可動シーブ11aと従動プーリ21の可動シーブ21aは互いに同期し、かつ互いにプーリ溝幅(ベルト巻き掛け径)を逆方向に変化させながら軸方向へ移動することができる。
また、変速用モータ40の回転力をストローク機構14,22に伝達し、かつ駆動プーリ11と従動プーリ21の両ストローク機構14,22を機械的に連結する伝達ギヤ機構(42,45a,45b,14d,46a,46b,22d)が設けられているので、可動シーブ11b,21bの位置、つまり変速比は機械的に決まる。そのため、変速用モータ40のみで変速比を高精度に制御できる。
【0020】
上記のようにプーリ11,21のプーリ溝幅(ベルト巻き掛け径)は変速用モータ40によって可変されるが、それだけでは伝達トルクによってVベルト15とプーリ11,21との間に滑りが発生してしまう。そこで、Vベルト15に滑りを生じさせないベルト張力を与えるため、テンション装置50が設けられている。図2に示すように、テンション装置50はテンションローラ51を備え、このテンションローラ51はリンク52を介してテンションアーム53によって揺動可能に支持されている。
【0021】
テンションアーム53の回動軸53aは駆動プーリ11の近傍に設けられ、引張スプリング54によってVベルト15方向に付勢されている。そのため、テンションローラ51はVベルト15の緩み側を内側に向かって押し付けている。このように外側から内側に向かってVベルト15を押圧することで、所定のベルト張力を得るとともに、プーリ11,21に対するVベルト15の巻き付け長さを長くし、伝達効率を高めている。
なお、テンションローラ51はVベルト15を外側から内側に向かって押圧するものに限らず、内側から外側に向かって押圧してもよい。
また、テンションローラ51をリンク52を介してアーム53に取り付けたが、リンク52を省略してテンションローラ51をアーム53に直接取り付けてもよい。
【0022】
上記のようにテンション装置50は、Vベルト15の緩み側を押し付けてベルト張力を与えるが、後進時にVベルト15が逆回転すると緩み側も逆転するので、テンション装置50が緊張側を押しつけることになり、Vベルト15に過大な負荷がかかる。しかしながら、この実施例では、前進時のみVベルト15にトルクが伝達され、後退時にはVベルト15にトルクが伝達されないので、テンション装置50は常にVベルト15の緩み側を押し付けることになり、Vベルト15の負担を軽減し、ベルトの寿命向上を実現できる。
【0023】
上記実施例のテンション装置50は引張スプリング54を用いたものであるが、特開2001−330097号公報のように、引張スプリングの他にアシストモータや油圧シリンダなどのアクチュエータを備えたものであってもよく、この場合には伝達トルクに応じてベルト張力を制御することが可能である。また、特開2002−213549号公報のように、引張スプリングと圧縮スプリングとを併用したものであってもよい。
【0024】
図1において、60は無段変速機制御用のコントローラ、61はエンジン制御用のコントローラであり、両コントローラ60,61は通信用バス62によって相互に接続されている。無段変速機制御用コントローラ60には、入力軸5の回転数を検出するセンサ63、出力軸32の回転数(差動装置31の回転数)を検出する車速センサ64、シフトレバー65の位置を検出するシフトレバーセンサ66からそれぞれ信号が入力され、クラッチ制御用アクチュエータ4、シフト切替用アクチュエータ28および変速用モータ40を制御している。また、エンジン出力軸2の回転数センサ67の信号はエンジン制御用コントローラ61に入力され、通信用バス62を介して無段変速機制御用コントローラ60にも入力されている。
【0025】
次に、本発明にかかる車両の制御方法の一例を説明する。
上述のように、シフトレバー65の位置はシフトレバーセンサ66によって検出され、その信号はコントローラ60に入力される。そして、コントローラ60はシフト切替用アクチュエータ28に指令し、切替機構6,25をシフトレバー65と対応した位置へシフトしている。
しかしながら、走行中にシフトレバー65をD→N→Dへと切り換えた場合には、N位置において切替機構6,25をシフトレバー65の位置とは異なり、D位置に保持している。
すなわち、走行中にシフトレバー65をD位置からN位置へ切り換えたとき、切替機構6,25をD位置のままで保持し、クラッチ3を断状態とするよう制御する。そのため、無段変速機の駆動プーリ11とクラッチ出力軸(入力軸)5とが一対一に対応し、駆動プーリ11の回転数を入力軸回転数センサ63で検出することが可能となる。入力軸回転数センサ63と車速センサ64の2個のセンサで、駆動プーリ11の回転数と従動プーリ21の回転数とを検出できるので、少ない個数のセンサで変速制御を実施することが可能となる。また、エンジン回転数センサ67と入力軸回転数センサ63とでクラッチ3の制御を実施できることは言うまでもない。
一方、車両停止中にシフトレバー65をD位置からN位置へ切り換えたときには、通常どおり、切替機構6,25をシフトレバー65と対応したN位置へ切り替える。そのため、万一クラッチ3が誤係合した場合でも、車両が飛び出すという不具合を解消できる。
さらに、車両走行中であっても、変速比が最大変速比近傍にある場合には、通常どおり、切替機構6,25をシフトレバー65と対応したN位置へ切り替えることで、アクチュエータ4の故障などでクラッチ3が係合した場合でも、エンジンブレーキが強く効き過ぎる不具合を解消できる。
【0026】
図3は本発明にかかる車両の制御方法、特にシフトレバーをD→Nへ切り換えた時の制御方法を示す。
制御がスタートすると、シフトレバーがD→Nへ切り換えられたかどうかをシフトレバーセンサ66の信号によって判定する(ステップS1)。シフトレバーがD→Nへ切り換えられた場合には、次に車速を所定値Voと比較する(ステップS1)。この所定値Voは、例えば5km/h程度の低車速である。
車速<Voの場合には、車両がほぼ停止していると判断し、通常どおり切替機構6,25をN位置とするようシフト切替用アクチュエータ28にN位置を指令する(ステップS3)とともに、クラッチ3を接続状態とするようクラッチ制御用アクチュエータ4に接続指令を出す(ステップS4)。この場合は、切替機構6,25が断状態であるため、駆動プーリ11の回転数を検出できないが、車両がほぼ停止状態であるため、変速用モータ40に最大変速比となるよう指令すればよい(ステップS5)。
一方、車速≧Voの場合には、続いて変速比を無段変速機の最大変速比近傍の変速比(RL )と比較する(ステップS6)。変速比≧RL のとき、つまりRL よりLow側にあるときには、ステップS3〜S5の制御を行う。
車速≧Voでかつ変速比<RL である場合には、車両が走行状態であると判断し、切替機構6,25をD位置に維持するようシフト切替用アクチュエータ28にD位置を指令する(ステップS7)とともに、クラッチ3を断状態とするようクラッチ制御用アクチュエータ4に断指令を出す(ステップS8)。そして、入力軸回転数センサ63と車速センサ64とから入力される回転数によって、変速用モータ40に最適な変速比となるように変速指令を出す(ステップS9)。この場合の変速指令としては、例えばクラッチ3の入力回転数と出力回転数との差が小さくなる方向に変速してもよい。
上記のように、シフトレバー65をN位置とした状態でクラッチ3を断状態としているので、D位置へ再度切り換えた時、クラッチ3の入力回転数と出力回転数との間に差があっても、クラッチ3をすべり制御しながら締結することで、ショックを低減できる。
【0027】
本発明は上記実施例に限定されるものではない。
本発明の原動機とは、エンジンに限らず、モータを用いてもよいし、その両者を用いてもよい。
クラッチを断接制御するクラッチ制御手段として、上記実施例ではアクチュエータ4を使用したが、湿式クラッチの場合には油圧制御装置を、電磁クラッチの場合には電流制御装置を使用すればよい。
切替機構としては、実施例では前進位置と中立位置とを切り替える切替機構6を駆動プーリ11とクラッチ3との間に設け、後退位置と中立位置とを切り替える切替機構25をクラッチ3と出力軸32との間に設けたが、後退切替機構25も前進切替機構6と同様に、駆動プーリ11とクラッチ3との間に設けてもよい。従動プーリ21の回転数を検出するため、車速センサ64を利用したが、従動プーリ21と出力軸32とはギヤを介して直結されているので、車速センサ64が出力軸32(差動装置31)の回転数ではなく、従動プーリ21の回転数を検出してもよいし、さらには減速軸30の回転数を検出してもよい。
クラッチ出力回転数センサ63で、クラッチ出力回転数つまり入力軸3の回転数を検出したが、クラッチ出力軸5と直結されている回転部材であれば、いかなる部材の回転数を検出してもよい。例えば、後進用ギヤ5bやギヤ24の回転数を検出してもよい。
本発明の無段変速機は、実施例のような変速用モータ40とテンション装置50とを備えたものに限らず、油圧サーボやトルクカムなどのプーリに対して軸方向の推力を発生する公知の推力発生装置を用いて変速制御とベルト推力制御とを実施するものでもよい。また、Vベルトも乾式ベルトに限らず、湿式ベルト(金属ベルト)であってもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に係る発明によれば、シフトレバーを前進位置から中立位置へ切り換えたとき、切替機構を前進位置のままで保持し、クラッチを断状態とするようにしたので、駆動プーリ回転数をクラッチ出力回転数センサで検出することが可能となり、駆動プーリ回転数を検出するセンサを省略することができる。そのため、クラッチ出力回転数センサ(または駆動プーリ回転数センサ)と従動プーリ回転数センサ(または出力軸回転数センサ)の2個のセンサで、変速制御とクラッチ制御とを実施することが可能となり、コスト低減を実現できる。
また、N位置で走行中、クラッチを断状態とするので、クラッチの入力回転数と出力回転数との間に差が発生することがあるが、次にD位置に切り換えた時、クラッチをすべり制御しながら締結することで、ショックを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる車両の駆動系の一例のスケルトン図である。
【図2】最低速比におけるテンション装置を示す図である。
【図3】本発明にかかる制御方法の一例のフローチャート図である。
【符号の説明】
1 エンジン
3 クラッチ
4 クラッチ制御用アクチュエータ
6 切替機構
11 駆動プーリ
15 Vベルト
21 従動プーリ
28 シフト切替用アクチュエータ
40 変速用モータ
50 テンション装置
60 無段変速機制御用コントローラ
61 エンジン制御用コントローラ
63 クラッチ出力回転数センサ
64 車速センサ
65 シフトレバー
66 シフトレバーセンサ
Claims (2)
- 原動機と駆動輪とを結ぶ伝達経路の途中に無段変速機を設け、原動機と無段変速機との間にクラッチを設けるとともに、無段変速機の駆動プーリとクラッチとの間に、シフトレバーの操作に従って少なくとも前進位置と中立位置とに切替可能な切替機構を設けた車両において、
上記シフトレバーの位置を検出するシフト位置検出手段と、
上記切替機構を切替作動させるアクチュエータと、
上記原動機の出力回転数又はクラッチの入力軸回転数を検出する第1のセンサと、
上記クラッチの出力軸回転数又は上記無段変速機の駆動プーリ回転数を検出する第2のセンサと、
上記無段変速機の従動プーリ回転数又は車速を検出する第3のセンサと、
上記第1のセンサと第2のセンサとによって検出された回転数を用いて上記クラッチを断接制御するクラッチ制御手段と、
上記第3のセンサによって検出された車速が所定車速以上であって、上記シフト位置検出手段によるシフトレバーの検出位置が中立位置にある時、上記切替機構を前進位置とするよう上記アクチュエータに指令し、かつ上記クラッチを断状態とするようクラッチ制御手段に指令する中立制御手段と、
上記第2のセンサと第3のセンサとによって検出された回転数を用いて上記無段変速機の変速制御を行う変速制御手段と、を備えたことを特徴とする車両の制御装置。 - 上記車両の車速が0付近の所定車速以下のとき、または無段変速機の変速比が最大変速比近傍の変速比以上のとき、上記アクチュエータおよび上記クラッチ制御手段に対する上記中立制御手段の指令を禁止することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
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Publications (2)
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