JP4274513B2 - 液体噴射記録ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録液等の液体を吐出口(オリフィス)から噴射して液滴を形成する液体噴射記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて記録用紙やプラスチック薄板等の記録媒体に画像を記録するように構成されている。この種の記録装置は、記録方式により、インクジェット方式、ワイヤドット方式、サーマル方式、レーザービーム方式等に分類することができる。
【0003】
記録媒体の搬送方向(副走査方向)と交差する方向を主走査する記録方式を採るシリアルタイプの記録装置においては、記録媒体を所定の記録位置にセットした後、記録媒体に沿って移動するキャリッジ上に搭載した記録手段によって画像を記録(主走査)し、1行分の記録を終了した後に所定量の紙送り(ピッチ搬送)を行い、その後に次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返すことにより、記録媒体上に画像全体の記録が行なわれる。
【0004】
一方で、記録媒体の搬送方向の副走査のみで記録するラインタイプの記録装置においては、記録媒体を所定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を行った後、所定量の紙送り(ピッチ送り)を行い、さらに、次の行の記録を一括して行うという動作を順次繰り返すことにより、記録媒体上に画像全体の記録が行なわれる。
【0005】
このようなシリアルタイプおよびラインタイプで液体噴射方式を採用した記録装置の代表的なものとしては、液体噴射記録ヘッドを搭載した記録装置が挙げられる。このような記録装置は、いわゆるノンインパクト記録方式の記録装置であり、高速記録と、各種記録媒体に対する記録とを行うことが可能であり、記録時における騒音が実質的に生じないといった諸特徴がある。
【0006】
このような液体噴射記録ヘッドの中で、特に熱エネルギーを利用して記録液を吐出する液体噴射記録ヘッドは、エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体プロセスを経て、基板上に成膜された電気熱変換体、電極、流路壁、天板、オリフィスプレート等を形成することにより、流路を高密度に形成することが可能であり、更にコンパクト化を図ることができる。
【0007】
この種の液体噴射記録ヘッドは、代表的な噴射方法として電気熱変換素子を用いた噴射方法が知られており、微小な吐出口から液滴を吐出させて、記録媒体に対して記録を行うものがある。
【0008】
以下、従来の液体噴射記録ヘッドの一例を図面を参照して説明する。一般に、液体噴射記録ヘッドは、液滴を形成するための記録ユニットと、この記録ユニットに対して記録液を供給する記録液供給部とを備えて構成されている。
【0009】
図21に従来の液体噴射記録ヘッドの外観の斜視図を示し、図22に従来の液体噴射記録ヘッドの分解斜視図を示す。
【0010】
図21および図22に示すように、従来の液体噴射記録ヘッドは、液滴を吐出する記録素子基板201と、この記録素子基板201を支持する支持基板202と、記録素子基板201に記録信号を供給するための配線シート203および端子配線基板205と、記録素子基板201に記録液を供給するための流路を有する流路形成部材206とを備えている。
【0011】
記録素子基板201は、エネルギー発生体である不図示の電気熱変換素子(ヒータ)と、この電気熱変換素子に対向する位置に設けられる吐出口201aとを有している。そして、この記録素子基板201は、例えばアルミニウムやセラミックスからなる支持基板202上に積層されて接合されている。
【0012】
また、支持基板202上には、記録素子基板201に電気パルス信号を送るためのTAB(Tape Automated Bonding)、FPC(Flexible Printed Circuit)等からなる配線シート203が接着されている。記録素子基板201と配線シート203は、ワイヤボンディングまたはリードボンディング等によって電気的に接続されている。
【0013】
また、配線シート203の一端は、記録装置が備える駆動制御部(不図示)に電気的に接続するための端子配線基板205に電気的に接続されている。この端子配線基板205は、PWB(Printed Wiring Board)、TAB、FPCなどからなり、駆動制御部が電気的に接続される接触式の接続端子204が主面上に設けられている。
【0014】
そして、流路形成部材206と端子配線基板205は、図示しないが、端子配線基板205の穴に、流路形成部材206に設けられたボスを挿入して、加熱溶着や接着剤等によって接合されて固定されている。
また、流路形成部材206は、記録素子基板201に記録液を供給するための記録液供給路206aを有している。
【0015】
さらに、支持基板202は、流路形成部材206に接合されて固定されることによって、不図示の記録液タンク内に貯蔵された記録液が流路形成部材206の記録液供給路206aを介して記録素子基板201側に供給される。
【0016】
上述した液体噴射記録ヘッドは、複数の記録素子基板201が単一の支持基板202上に積層されて設けられた構成であるが、その他の構成として、単一の記録素子基板201が支持基板202上に積層されて設けられた液体噴射記録ヘッドもある。
【0017】
上述したように、単一の記録素子基板201を実装した液体噴射記録ヘッドを記録装置に搭載する場合には、単一の液体噴射記録ヘッドを搭載する形態と、複数の液体噴射記録ヘッドを搭載する形態とがある。
【0018】
支持基板202上に複数の記録素子基板201が積層されて構成される液体噴射記録ヘッドは、個々の記録素子基板201が半導体実装技術によって積層されるため、支持基板上に各記録素子基板間の相対位置が高精度に配設される。一方、単一の記録素子基板が支持基板上に積層された液体噴射記録ヘッドが記録装置に複数個搭載されるような形態では、記録装置のキャリッジ(または液体噴射記録ヘッドの収容部)上で複数の液体噴射記録ヘッドが個別にそれぞれ位置決めされる。このため、記録素子基板間の相対位置精度は、各記録素子基板の位置精度と、各液体噴射記録ヘッドをキャリッジに対して搭載する位置精度とが合算された値となる。
【0019】
上述したように、電気熱変換素子を用いた液体噴射記録ヘッドは、電気熱変換素子が設けられた加圧室を有しており、この加圧室に記録信号となる電気パルスを与えることにより、記録液に熱エネルギーを与えて、その時の記録液の相変化によって生じる記録液の発泡時(膜沸騰時)の気泡圧力を記録液滴の吐出に利用したものである。
【0020】
さらに、電気熱変換方式を用いた液体噴射記録ヘッドの場合には、電気熱変換素子が配列された基板に対して平行に記録液を吐出させる方法(以下、エッジシュータと称する。)と、電気熱変換素子が配列された基板に対して垂直に記録液を吐出させる方法(以下、サイドシュータと称する。)がある。
【0021】
このような液体噴射記録ヘッドにおいては、記録中に記録素子基板が過度に昇温された場合、記録信号となる電気パルスや記録液の発泡状態等に異常が生じて、記録状態が悪化する虞がある。このため、液体噴射記録ヘッドは、内部に何等かの放熱対策を施すことが一般的である。
【0022】
放熱対策として、エッジシュータタイプの液体噴射記録ヘッドの場合には、上述したように、Si材料からなる記録素子基板の裏面上に、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、セラミックス等の材料からなる支持基板を放熱部材として接着させる場合が多い。
【0023】
他方、サイドシュータタイプの液体噴射記録ヘッドの場合には、簡素な放熱対策として、記録液貯蔵媒体から記録素子基板の裏面を介して吐出される記録液により放熱を行う方法がある。さらに他の放熱対策として、記録素子が高密度化されることで昇温し易いサイドシュータタイプの液体噴射記録ヘッドにおいては、記録素子基板との接触面積が比較的大きく確保される放熱部材としての支持基板を設けて、記録素子基板を支持基板上に接合して固定する方法等がある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、単一の記録素子基板を実装した液体噴射記録ヘッドをキャリッジ上に複数個並べて搭載する形態の記録装置の場合には、液体噴射記録ヘッド全体の幅が大きくなる不都合がある。
【0025】
さらに、一方で、キャリッジ上では各液体噴射記録ヘッド間を間仕切するスペースが形成されるため、複数個の記録液素子基板を実装した液体噴射記録ヘッドが搭載される記録装置に比べて、キャリッジの幅が大きくなり、記録装置全体を大型化させる要因となっていた。
【0026】
また、複数個の記録液素子基板を実装する液体噴射記録ヘッドでは、一部の電気配線経路を共通化することにより、液体噴射記録ヘッド上の接続端子の総数を減らすことができる。これに対して、単一の記録素子基板を実装する液体噴射記録ヘッドでは、接続端子を共通化することが困難であるため、単一の記録素子基板を実装する液体噴射記録ヘッドに比べて接続端子の総数が多くなり、これら接続端子のレイアウトによって、液体噴射記録ヘッド全体がキャリッジ上に占める搭載スペースを大型化させていた。
【0027】
またさらに、従来の液体噴射記録ヘッドは、流路形成部材に、接続端子を有する端子配線基板を保持する保持領域を確保する必要があるため、流路形成部材が大型化していた。流路形成部材の大型化に伴って、液体噴射記録ヘッドの製造工程において、流路形成部材の製造ラインが占める仕掛かりスペースが大きくなり、生産性を悪化させていた。
【0028】
そこで、本発明は、液体噴射記録ヘッドの小型化を図り、生産性を向上することができる液体噴射記録ヘッドを提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明における液体噴射記録ヘッドは、記録液を吐出するための複数の記録素子が設けられた記録素子基板と、記録素子基板に電気的に接続されて記録素子基板に記録信号を伝達するための可撓性を有する配線シートと、配線シートの一端部に電気的に接続されて外部から記録信号を入力するための端子部を有する配線基板と、記録素子基板を保持して記録素子基板に記録液を供給するための記録液供給通路が設けられた流路形成部材と、流路形成部材に配されて配線基板の一端部を位置決めする位置決めピンと、配線基板の他端部の対向する両側端がそれぞれ係合する一組の係合溝が形成された、記録液供給通路を介して記録素子基板へ供給される記録液を貯留するための記録液貯蔵部の枠体とを備える。そして、流路形成部材と枠体とを記録液連通可能に結合する際に、配線基板は、一端部が位置決めピンに位置決めされて支持された状態で、流路形成部材に対する枠体の結合方向に沿って枠体に配されている一組の係合溝に、他端部の両側端がそれぞれ挿入されて係合され、流路形成部材と枠体との結合によって、配線基板は流路形成部材と枠体とに跨って保持される。
【0031】
以上のように構成された本発明に係る液体噴射記録ヘッドによれば、配線基板が流路形成部材に対して例えば加熱圧着によって固定されるような構成に比較して、配線基板上に加熱溶着用の穴を形成するためのスペースを設ける必要がなく、配線基板の幅が小さくすることが可能になる。これによって、配線基板の幅に対応する液体噴射記録ヘッド全体の幅のコンパクト化が図られる。
【0032】
また、この液体噴射記録ヘッドによれば、流路形成部材と記録液貯蔵ユニットあるいはホルダ部材を組付ける際に、配線基板の一端部を係合溝内に挿入させて保持されるため、配線基板を固定するための製造工程を削減することが可能になり、生産性の向上が図られる。さらに、配線基板は、記録液貯蔵ユニットまたはホルダ部材から容易に取り外すことができるため、液体噴射記録ヘッドを記録ユニットと記録液貯蔵ユニットまたはホルダ部材とに分解する分解作業を容易に行うことが可能になり、リサイクル性も向上することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照して説明する。
【0044】
まず、本実施形態の液体噴射記録ヘッドは、インクジェット記録方式であり、その中でも特に、液体のインクを吐出するために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段を備え、その熱エネルギーによってインクの状態変化を生起させる方式が採用された記録ヘッドである。この方式が用いられることにより、記録される文字や画像等の高密度化および高精細化を達成している。特に本実施形態では、熱エネルギーを発生する手段として発熱抵抗素子を用い、この発熱抵抗素子によりインクを加熱して膜沸騰させたときに生じる気泡による圧力を利用してインクを吐出しているが、インクを吐出させる方式としては、発熱抵抗素子による方式に限定されることなく、例えばピエゾ素子等の電気機械変換素子を用いて、インクに機械的な振動を与え、この振動による圧力を利用してインクを吐出する方式が採用されてもよい。
【0045】
図1および図2に第1の実施形態の液体噴射記録ヘッドの外観の斜視図を示し、図3に液体噴射記録ヘッドの分解斜視図を示す。図4および図5に記録ユニットの斜視図を示し、図6に記録素子基板の接合状態の斜視図を示し、図7に記録素子基板の分解状態の斜視図を示す。図8に枠体の外観の斜視図を示す。図9に流路形成部材の要部を説明するための斜視図を示す。図10に流路形成部材の係合爪および突起を説明するための模式図を示し、図11に係合爪および突起に端子配線基板が保持されている状態を示す。図12および図13に突起が無い場合に端子配線基板が倒れた状態を示す。図14に液体噴射記録ヘッドがキャリッジに搭載される状態の斜視図を示し、図15に液体噴射記録ヘッドがキャリッジに搭載された状態の斜視図を示す。図16にジョイントゴムの斜視図を示し、図17にブレードのワイピング動作を説明するための模式図を示す。
【0046】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態の液体噴射記録ヘッドについて図面を参照して説明する。
【0047】
本実施形態の液体噴射記録ヘッド51は、図1、図2および図3に示すように、記録液を吐出して記録媒体に情報を記録する記録ユニット15と、この記録ユニット15に供給する記録液を収容するとともに記録ユニット15を保持する枠体16とを備えている。
【0048】
詳しくは後述するが、記録ユニット15は、概略、液滴を吐出する吐出口(ノズル)が列をなして形成されたノズル列から記録信号に基づいて液滴を吐出する液滴吐出部と、記録装置が備える駆動制御部(不図示)との間を伝送される記録信号の受け渡しを行う電気配線をなすフレキシブルケーブルやTAB等の配線シートとを有している。枠体16は、概略、記録ユニット15に供給される記録液等を収容する記録液貯蔵室(共通液室)を有する記録液貯蔵ユニットの役割と、記録ユニット15を保持するための筐体の役割とを担うように構成されている。そして、この液体噴射記録ヘッド51は、記録装置が備えるキャリッジに対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式が採用されている。
【0049】
まず、記録ユニット15の構成の一例について図面を参照して説明する。
【0050】
図1ないし図7に示すように、記録ユニット15は、記録液を吐出する記録素子基板1と、この記録素子基板1を支持する支持基板である第1のプレート2と、記録素子基板1に記録信号を伝達する配線シート3と、この配線シート3の一端が電気的に接続されて記録信号が供給される端子配線基板4と、第2のプレート5と、記録素子基板1に記録液を供給する記録液供給路を有する流路形成部材6と、記録液中の塵埃等を除去する多孔質部材7とを備えている。
【0051】
記録素子基板1には、Si基板の片面に記録液を吐出するための複数の記録素子と、これら各記録素子に電力を供給するAl等の配線とが成膜処理により形成され、この記録素子に対応した複数の記録液流路と複数の吐出口(不図示)とがフォトリソグラフィ処理により形成されるとともに吐出口と連通される複数の記録液流路に記録液を供給するための記録液供給口1aが裏面側に開口して形成されている。
【0052】
図3、図6および図7に示すように、第1のプレート2には、長辺方向の側面の両端に、円筒面部2a、2bがそれぞれ設けられている。また、第1のプレート2には、短辺方向の側面の中央に、円筒溝2cが設けられている。そして、2箇所の円筒面部2a、2bの頂点部を結ぶ平面(以下、第1の基準平面と称する。)および円筒溝2cを基準として、記録素子基板1の記録素子配列平面の相対位置および傾きをそれぞれ調整した後に、記録素子基板1を第1のプレート2の主面上に載置して接合する。このように、記録素子基板1と第1のプレート2との相対位置は、半導体実装技術によって高精度に設定されるため、記録素子基板1から記録素子配列平面までの傾き量を小さくして実装することができる。
【0053】
また、第1のプレート2は、板状に形成されているため、記録素子基板1の実装面およびその対向面における平面幾何精度と、さらに、記録素子基板1の実装面とその対向面との平行度を高精度に製作することができる。その結果、図示しないが、記録素子基板の接合装置(不図示)においては、第1のプレート2を載置する基台の構造を簡素化することができ、第1のプレート2を基台上に対して高精度に載置することができる。これによって、第1のプレート2に対する記録素子基板1の調整精度がさらに向上するため、第1のプレート2の第1の基準平面と記録素子基板1との相対的な傾き精度がより良好となり、液体噴射記録ヘッドの生産性の向上が図られる。
【0054】
また、第1のプレート2の側面の第1の基準平面は、記録素子基板1の長辺方向の側面と平行であるため、これら双方の面が直交するように配設される場合と比較して、記録素子基板1の接合装置におけるワークの観察領域が狭小化されるため、第1のプレート2と記録素子基板1との調整作業が容易となり作業時間の短縮が可能となる。その上、ワークを載置するスペースも小さくできるため、接合装置を安価に製造することができる。
【0055】
さらに、第1のプレート2は、円筒面部2a、2bの頂点間の距離が、記録素子基板1の記録素子配列長さよりも大きく設定される。このため、第1のプレート2によれば、調整作業をする際に、第1の基準平面に対する記録素子基板1の傾きを容易に調整することが可能になり、調整精度が向上し、安定して生産できるようになる。
【0056】
また、第1のプレート2には、図3および図7に示すように、記録素子基板1に記録液を供給するための記録液供給路2dが形成されている。
【0057】
また、第1のプレート2には、第2のプレート5が接着されて固定されている。この第2のプレート5の主面上の中央には、記録素子基板1の実装時の干渉を避けるための開口部5aが設けられている。
【0058】
一方、配線シート3は、一端部が第2のプレート5の主面上に接合されて保持されており、記録素子基板1に電気的に接続されている。さらに、配線シート3の他端部と端子配線基板4は、例えば、ACF(異方性導電膜)、リードボンディング、ワイヤボンディング、コネクタ等の接続手段を介して電気的に接続されている。
【0059】
なお、本実施形態では、記録素子基板1に記録信号を供給する電気配線手段として、配線シート3と端子配線基板4とを別部材に構成しているが、配線シート3と端子配線基板4とを同一部材で一体的に形成した構成にしてもよい。
【0060】
上述した電気配線手段は、配線シート3と端子配線基板4とを電気的に接続した一連の配線部であり、記録素子基板1に記録液を吐出するための電気信号を印加する。
【0061】
端子配線基板4は、略長方形をなす平板状に形成されており、記録素子基板1に対応する電気配線(不図示)が設けられている。図5に示すように、端子配線基板4の長手方向の一端部には、電気配線の一端と配線シート3の一端とが電気的に接続される接続部が設けられている。また、端子配線基板4の主面には、電気配線の他端が接続されて、記録装置の駆動制御部(不図示)からの記録信号が入力される外部信号入力端子4aが設けられている。
【0062】
また、端子配線基板4には、流路形成部材6に対して位置決めするための位置決め穴4b、4cがそれぞれ設けられている。そして、この端子配線基板4は、流路形成部材6の一側面に位置決め穴4b、4cによって位置決めされて固定されている。
【0063】
また、第1のプレート2は、図4および図5に示すように、流路形成部材6に例えば接着剤、ビス等の接合手段によって接合されて固定されている。第1のプレート2と流路形成部材6は、互いに接合されることにより、第1のプレート2側の記録液流路と流路形成部材6側の記録液流路とが連通されている。
また、流路形成部材6には、液体噴射記録ヘッド51を後述するキャリッジに対して位置決めするための球状の位置決めボス6a、6bが突出して設けられている。液体噴射記録ヘッド51は、位置決めボス6aによって図4中矢印B方向に対して位置決めされ、位置決めボス6bによって図4中矢印C方向に対して位置決めされる。
【0064】
さらに、流路形成部材6には、第1のプレート2が接合された側の反対側の上面6k側に、記録液を濾過する多孔質部材7が接合されている。液体噴射記録ヘッド51は、この多孔質部材7によって、記録液供給経路の上流側から塵埃が侵入することが防止されている。
【0065】
また、流路形成部材6には、第1のプレート2が接合された側の反対側の上面6k上に、流路形成部材6の長辺方向の両端に位置して、枠体16に係合される係合突部9a、9bがそれぞれ形成されている。したがって、流路形成部材6には、係合突部9a、9bの対向間に多孔質部材7が位置されている。
【0066】
そして、流路形成部材6には、上面6k側に多孔質部材7が組み付けられた状態で、上面6kに略直交する方向(多孔質部材7の厚み方向)に対する各係合突部9a、9bの上端面の位置(以下、単に高さと称する。)が、多孔質部材7の高さよりやや大きく形成されている。
【0067】
ところで、流路形成部材の製造ラインでは、流路形成部材に多孔質部材が組み付けられた後に、流路形成部材に対して加工作業が行われている。このとき、流路形成部材は、記録液吐出側を鉛直上方側に向けて、すなわち多孔質部材7を鉛直下方側に向けて作業台等に載置された場合、多孔質部材が作業台に当接してしまうため、加工作業時に多孔質部材を損傷させてしまう虞があった。そのため、従来の流路形成部材の製造ラインでは、多孔質部材を鉛直下方側に向けて作業台に載置する場合、流路形成部材の多孔質部材を受ける治具等を用いていた。
【0068】
上述したように、流路形成部材6は、係合突部9a、9bの高さが多孔質部材7の高さより大きく形成されることにより、
流路形成部材6の製造ラインにおいて多孔質部材7を鉛直下方側に向けて作業台に載置する場合に、各係合突部9a、9bによって保護されて多孔質部材7を作業台に当接させることなく載置することが可能になる。したがって、この流路形成部材6によれば、従来の流路形成部材6の製造ラインで用いられている治工具等が不要になり、作業性を向上することができる。
【0069】
また、流路形成部材6は、各係合突部9a、9bの高さと多孔質部材7の高さの差が5mm以下程度に設定されており、各係合突部9a、9bが、多孔質部材7を保護することができる高さに形成されることによって、流路形成部材6全体が不必要に大型化されることがない。このため、流路形成部材6は、非常にコンパクトな形状となり、液体噴射記録ヘッドの製造工程における流路形成部材6の製造ラインが占めるスペースが狭小化されて、生産性の格段なる向上を図ることができる。
【0070】
さらに、流路形成部材6の係合突部9aには、図9に示すように、端子配線基板4の下端部4eを保持するための保持凹部38が設けられている。この保持凹部38には、図10および図11に示すように、端子配線基板4の位置決め穴4b、4cに係合される位置決めピン6p、6qがそれぞれ一体に突出して形成されている。また、保持凹部38には、位置決めピン6p、6qの近傍に位置して、端子配線基板4の下端部4eの対向する両側端に係合する一組の係合爪6r、6sがそれぞれ一体に突出して形成されている。
【0071】
さらに、保持凹部38には、各係合爪6r、6sを結ぶ直線の略中央に位置して、端子配線基板4の下端部4eの裏面に当接する突起35が一体に突出して形成されている。そして、図10に示すように、端子配線基板4の厚みをtとしたときに、端子配線基板4の厚み方向と平行な方向に対して、突起35の先端面と係合爪6r、6sの係合面との間の距離xが、端子配線基板4の厚みtよりやや小さく形成されている。
【0072】
以下、端子配線基板4について、流路形成部材6の係合突部9aに保持される状態を図面を参照して詳細に説明する。
【0073】
図10および図11に示すように、端子配線基板4は、配線シート3が電気的に接合された後(図9に示す状態)、配線シート3を折曲部3bで折り曲げて、端子配線基板4の下端部4e側の位置決め穴4b、4cに、流路形成部材6の位置決めピン6p、6qに挿入することによって位置決めされる。さらに、端子配線基板4は、下端部4eの対向する両側端が、流路形成部材6の係合爪6r、6sにそれぞれ係合されて抱え込まれることにより、端子配線基板4の下端部4eが流路形成部材6に保持される。
【0074】
また、端子配線基板4の下端部4eは、距離xが端子配線基板4の厚みtよりやや小さく形成されているため、位置決めピン6p、6qおよび係合爪6r、6sによって保持凹部38内に保持された状態で、裏面に突起35が当接されることによって、対向する両側に亘って、図10中に破線で示すように湾曲された状態で、寸法公差のバラツキによるガタツキが生じることなく良好に保持されている。
【0075】
上述したように、端子配線基板4は、流路形成部材6に下端部4eのみが保持された状態で、流路形成部材6に上端部4dが保持されていないため、外力が負荷されたときに曲げ変形が生じる状態で保持されている。すなわち、端子配線基板4は、下端部4eのみが一時的に保持されている状態である。ただし、端子配線基板4は、流路形成部材6に保持されることによって、X軸、Y軸、Z軸の3軸方向に対してそれぞれ位置決めされている。
【0076】
そして、端子配線基板4は、湾曲された状態で保持されることにより、上端部4d側に曲げ方向の外力が負荷された場合に、係合爪6r、6sによる係合状態が容易に解除されるため、端子配線基板4や記録ユニット15が破損するが確実に防止される。
【0077】
一方で、端子配線基板4は、係合状態が解除されたとき、湾曲変形時に作用する応力から開放されて、直ちに弾性回復力によって元の平板状態に復帰する。すなわち、端子配線基板4は、係合爪6r、6sによる係合状態が解除された際に、この端子配線基板4に永久ひずみが生じないような湾曲変形が付与されて保持されている。
【0078】
したがって、端子配線基板4は、記録ユニット15に安定的に保持されるが、強固に保持されていないため、外力が負荷された場合でもこれらの構成部材の破損を回避することができる。
【0079】
なお、上述した流路形成部材6には、突起35が設けられる構成としたが、係合突起が設けられない他の流路形成部材について説明する。なお、他の流路形成部材において、便宜上、上述した流路形成部材6と同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
【0080】
液体噴射記録ヘッドの製造工程における取り扱い時に、流路形成部材に下端部4eが保持された端子配線基板4は、上端部4d側に外力が負荷されることがある。
【0081】
このような外力が負荷されたとき、図12に示すように、端子配線基板4は、図12中矢印R1方向に傾斜して倒れる場合がある。この場合には、端子配線基板4の下端部4eは、R1方向に傾斜された状態で、係合爪6r、6sに対向する保持凹部38の対向面G1と、位置決めピン6p、6qの外周面G2とによってそれぞれ支持されるため、保持凹部38から脱落することなく保持される。
【0082】
また同様に、外力が負荷されたとき、図13に示すように、端子配線基板4は、図13中矢印R2方向に傾斜して倒れる場合がある。この場合には、端子配線基板4の下端部4eは、R2方向に傾斜された状態で、端子配線基板4に対向する係合爪6r、6sの係合面G3と、端子配線基板4の下端に対応する保持凹部38の下端面G4とによってそれぞれ支持されるため、保持凹部38から脱落することなく保持される。
【0083】
すなわち、流路形成部材は、突起35が設けられない構成であっても、外力が負荷されたときに、端子配線基板4の保持状態を維持することが可能であるが、突起35によって端子配線基板4の下端部4eを湾曲された状態で保持されることにより、R1およびR2方向に傾斜して倒れることが防止されるため、好ましい。
【0084】
以上のように、流路形成部材6は、端子配線基板4に外力が負荷されたときに、端子配線基板4が弾性変位可能な状態で保持されているため、端子配線基板4を確実に保持するとともに、端子配線基板4が破損することを防止することができる。
【0085】
また、流路形成部材6には、係合突部9bの近傍に位置して、枠体16に対して位置決めするための位置決め穴6cが設けられている。さらに、係合突部9aには、枠体16に対向する上端面に、枠体16に対して位置決めするための位置決め穴6dが設けられている。
【0086】
さらに、流路形成部材6の係合突部9aには、記録素子基板1の短辺方向の両端に、枠体16が係合される第1の受け部6h、6gが切り欠かれてそれぞれ形成されている。また、流路形成部材6の係合突部9bには、記録素子基板1の短辺方向の両端に、枠体16が係合される第2の受け部6e、6fが切り欠かれてそれぞれ形成されている。
【0087】
次に、枠体16の構成の一例について図面を参照して説明する。
【0088】
図8に示すように、枠体16は、例えば樹脂材料によって形成されており、液体噴射記録ヘッド51の筐体としての役割を担っている。この枠体16の内部には、所定量の記録液を収容して、収容された記録液を一時的もしくは使い切るまで貯蔵するための共通液室17が設けられている。
【0089】
また、枠体16には、液体噴射記録ヘッド51を図4中矢印C方向に対して位置決めする位置決め部である突出部16dが設けられている。したがって、本実施形態の液体噴射記録装置51においては、矢印C方向に対する位置決めする場合、上述した流路形成部材6側の突出部6bと、枠体16側の突出部16dのいずれか一方が任意に選択されて、位置決めされている。
【0090】
また、枠体16には、端子配線基板4の上端部4dの対向する両側端がそれぞれ係合される一組の係合溝26が形成されている。これら係合溝26は、枠体16に対して記録ユニット15を結合する方向と平行な直線状に形成されており、記録ユニット15に隣接する側が開口されている。したがって、端子配線基板4は、枠体16と記録ユニット15を結合する際に、上端部4d側から係合溝26に挿入されて、これら係合溝26に上端部4dの対向する両側端が係合されることにより、枠体16に保持される。
【0091】
また、枠体16には、流路形成部材6に隣接する一端部に、流路形成部材6の位置決め穴6c、6dに挿入されるボス16a、16bがそれぞれ一体に突出して形成されている。
【0092】
また、枠体16には、流路形成部材6に隣接する一端部に、流路形成部材6の係合突部9a、9bに相対係合される第1のスナップフィット18a、18bおよび第2のスナップフィット19a、19bが弾性変位可能にそれぞれ形成されている。
【0093】
また、枠体16には、図1および図8に示すように、第2のスナップフィット19a、19bの近傍に位置して、流路形成部材6の係合突部9bに係合される延長片31が一体に形成されている。この延長片31は、記録ユニット15側の第1のプレート2の短辺方向の一側面に対応する位置に、記録ユニット15側に向かって延長されている。この延長片31の先端部31cは、記録ユニット15の配線シート3の側端3cを覆う位置まで延長されて設けられており、枠体16と流路形成部6とが結合された状態で、配線シート3のフェイス面3aからこのフェイス面3aに略直交する方向である記録液の吐出方向に僅かに突出されている。換言すれば、延長片31の先端部31cは、枠体16と流路形成部6とが結合された状態で、内壁面31eが、フェイス面3aの外周に臨む配線シート3の側端3cに隣接されており、側端3cを保護壁として作用している。
【0094】
また、この延長片31は、略T字状をなす平板状に形成されており、基端部側に厚み方向に弾性変位可能な弾性変位部31dを有している。さらに、延長片31には、第1のプレート2の短辺方向に平行な幅方向の両側に、流路形成部材6の係合突部9bに係合されるフック31a、31bが切り欠かれて形成されている。また、流路形成部材6の係合突部9bには、外方に臨む側面上に、延長片31が係合される係合凹部37が設けられている。この係合凹部37の側壁には、延長片31のフック31a、31bが係合される第3の受部6m、6nがそれぞれ形成されている。
【0095】
さらに、枠体16には、記録ユニット15が設けられた側の反対側の外周部に、液体噴射記録ヘッド51を保持するための把手24が一体に突出して形成されている。この把手24は、液体噴射記録ヘッド51を記録装置が備えるキャリッジに対して着脱操作する際の手掛かりとなる。
【0096】
そして、この枠体16は、ボス16a、16bが、流路形成部材6の位置決め穴6c、6dに挿入されることにより、流路形成部材6に対して位置決めされる。さらに、枠体16は、第1のスナップフィット18a、18bおよび第2のスナップフィット19a,19bが、流路形成部材6の係合突部9a、9bの第1の受部6g,6hおよび第2の受部6e,6fにそれぞれ係合されるとともに、枠体16の延長片31のフック31a、31bが第3の受部6m、6nに係合されることによって、枠体16と流路形成部材6とが結合されて固定されている。
【0097】
このように、延長片31は、フック31a,31bを、流路形成部材6の第3の受部6m、6nに係合させる構成とすることによって、仮に、延長片31に配線シート3から離間する方向の外力が作用したときであっても、フック31a,31bと第3の受け部6m、6nとの係合状態における摩擦抵抗により、延長片31の弾性変位部31dが係合状態を解除する方向に曲げ変形を起こそうとすることを防止することができる。
【0098】
したがって、延長片31が枠体16に配設されることにより、延長片31の弾性変位部31dの長さが長くなり、弾性変位部31dの曲げ剛性が小さくなるが、弾性変位部31dの厚みが小さく形成されても係合状態が容易に解除されない構成であるため、液体噴射記録ヘッド51全体の小型化を図ることができる。
【0099】
なお、上述した延長片31は、枠体16側に設けられる構成としたが、図示しないが、仮に、延長片31が流路形成部材6側に設けられた場合には、配線シート3を接着する工程において、配線シート3を流路形成部材6側に寄せる際に、延長片31が障害となる。したがって、この場合には、流路形成部材6を接合する以前に、配線シート3を第2のプレート5上に接着する必要が生じてしまう。このように、延長片31が流路形成部材6側に設けられる構成は、工程設定の自由度を損ない、生産性を悪化させるため、好ましくない。
【0100】
さらにまた、延長片31は、先端部31cが、フェイス面3aよりも突出しているため、記録装置において、例えば、巻き癖が比較的大きな記録用紙が通過したり、記録用紙の紙詰まり処理の際等に、記録用紙が吐出口に接触しようとしても、延長片31の先端部31cが記録用紙に当接することで、記録用紙と吐出口との接触が妨げられる。このため、この延長片31によれば、記録用紙によって吐出口周辺やフェイス面3aが損傷することなく、記録用紙への記録品質を低下させる等の不都合を回避することができる。
【0101】
また、枠体16には、端子配線基板4の両側端がそれぞれ係合される一組のレール状の係合溝26が形成されている。これら係合溝26は、枠体16と流路形成部材6とを接合する際に、端子配線基板4の上端部4dがこの係合溝26に進入し、所定位置まで嵌め込まれることにより、端子配線基板4は完全に保持される。すなわち、端子配線基板4の下端部4eは流路形成部材6によって保持され、端子配線基板4の上端部4dは枠体16の係合溝26によって保持されることになる。
【0102】
このように、端子配線基板4が流路形成部材6に対して加熱溶着によって固定されるような構成に比較して、端子配線基板4上に熱加締め用の穴を形成するためのスペースを設ける必要がなく、端子配線基板4の幅を小さくすることができる。これによって、液体噴射記録ヘッド51全体の幅をコンパクトにすることができる。
【0103】
また、流路形成部材6と枠体16とを組付ける際に、端子配線基板4の上端部4dが係合溝26内へ挿入されるような構成のため、端子配線基板4を固定するための生産工程を削減することができ、生産性向上を図ることができる。その上、端子配線基板4は容易に取り外せるため、液体噴射記録ヘッド51の分解作業が容易であり、リサイクル性のおいても優れた構成である。
【0104】
また、端子配線基板4は、流路形成部材6と枠体16とに跨って保持されている。このため、流路形成部材6においては従来構成のように、端子配線基板4の全域を受容するためのスペースを設ける必要がないため、流路形成部材6は効率良く形状形成することができてコンパクトになる。さらに、前述したように流路形成部材6は仕掛用の治工具等に頼らなくても多孔質部材を保護して下面に置くことができるため、仕掛かりスペースが狭小化されて、生産性の向上を格段に図ることができる。
【0105】
また、液体噴射記録ヘッド51は、枠体16と流路形成部材6との記録液流路の連結箇所を気密に閉塞するためのシール部材20を備えている。このシール部材20は、例えばゴム、エラストマー等の弾性材によって枠状に形成されており、図4および図5に示すように、枠体16に対向する上面および流路形成部材6に対向する下面に、外周に沿って上リブ21および下リブ22がそれぞれ隆起されて一体に設けられている。
【0106】
また、シール部材20には、流路形成部材6の上面6kに対向する下面上の各角部に、上面6k上に位置決めされて係合される位置決めボス20aがそれぞれ設けられている。また、流路形成部材6の上面6kには、多孔質部材7の外周に沿って、シール部材20の各位置決めボス20aが係合される位置決め穴6jがそれぞれ設けられている。
【0107】
そして、このシール部材20は、各位置決めボス20aが流路形成部材6の各位置決め穴6jに挿入されて位置決めされた後、枠体16と流路形成部材6とが組み付けられることにより、上面側の上リブ21と下面側の下リブ22とが枠体16の下面16cと流路形成部材6の上面6kによって挟持圧縮を受けて潰されるため、共通液室17の内部が完全に密封されている。
【0108】
このようにして、液体噴射記録ヘッド51は、枠体16の共通液室17内に貯蔵された記録液が記録ユニット15に供給され、多孔質部材7から流路形成部材6と第1のプレート2の記録液流路を経て、記録素子基板1の記録液供給口1aを介して記録素子基板1の吐出口に供給される。
【0109】
さらに、枠体16には、共通液室17に記録液を供給するための記録液供給口となるジョイントゴム23が設けられている。図11に示すように、ジョイントゴム23の端面の中央には、Y字をなすスリット状の亀裂穴23bが設けられている。そして、このジョイントゴム23は、図3に示すように、ジョイントゴム23の外径寸法に比して内径寸法が小さく形成される枠体16の円筒穴部16a内に圧入されて設けられている。また、ジョイントゴム23には、枠体16に対する圧入方向の先端部23cは、円筒穴部16a内への挿入性を良好に確保するために、先端に向かって縮径されたテーパ形状に形成されている。
【0110】
このように、ジョイントゴム23に亀裂穴23bを形成することにより、記録装置が備える記録液供給機構の記録液供給用のニードル(不図示)が挿入される際、このニードルの先端は、亀裂穴23bを裂いて、枠体16の内部の共通液室17内に円滑に挿入される。また、亀裂穴23bは、ニードルの非挿入時に、ジョイントゴム23の外周部から圧縮荷重を受けて閉塞されるため、共通液室17の内部を密閉状態に保つことができる。
【0111】
一方で、ジョイントゴム23は、亀裂穴23bにニードルが挿入されたとき、外周側からの圧縮力によって、ニードルに対してグリップ力が作用するため、ニードルの外周側のジョイント部(不図示)を完全に密閉することができる。
【0112】
また、ジョイントゴム23は、枠体16の側面の上下2箇所に隣接して配設されている。下方のジョイントゴム23は、記録装置が備える記録液貯蔵タンク(不図示)から記録液を供給するための供給通路とされており、記録液が下方のニードルを通じて共通液室17内へ供給される。
【0113】
また、上方のジョイントゴム23は、共通液室17内に蓄えられた空気を共通液室17の外部へ放出して、共通液室17内を負圧力にするための吸気通路とされている。したがって、ポンプ等の吸気用駆動手段(不図示)によって、共通液室17内の空気を上方のジョイントゴム23に挿入されたニードルから共通液室17の外部へ排気することにより、共通液室17内の負圧力が制御されている。
【0114】
つまり、この吸気通路による共通液室17内の負圧力を増大させることで、共通液室17内に補給される記録液の供給量を制御することができる。
【0115】
次に、記録ユニット15の流路形成部材6と枠体16との結合状態についてさらに詳しく説明する。
【0116】
枠体16のボス16aが流路形成部材6の位置決め穴6cに挿入され、枠体16のボス16bが流路形成部材6の位置決め穴6dに挿入され、枠体16の第1のスナップフィット18a、18bが流路形成部材6の第1の受部6g、6hに係合され、枠体16の第2のスナップフィット19a,19bが流路形成部材6の第2の受部6e,6fに係合され、枠体16の延長片31のフック31a、31bが流路形成部材6の第3の受部6m、6nに係合され、さらに、枠体16と流路形成部材6がシール部材20を対向間に挟持して圧接することによって、枠体16と流路形成部材6の各記録液流路が密閉されて両者が完全に連通されて固定される。
【0117】
したがって、本実施形態の液体噴射記録ヘッド51は、記録ユニット15と枠体16がビスや接着剤等によって結合される形態や、両者の結合箇所が封止剤等を介して密閉されるような形態と比較して、記録ユニット15と枠体16との組立作業や分解作業が容易であるため、リサイクル性に適した構成であり、液体噴射記録ヘッド51を安価に製造することができる。
【0118】
また、第1のスナップフィット18a、18bおよび第2のスナップフィット19a,19bは、各々対向する各フックが、第1の受け部6g、6hおよび第2の受け部6e、6fに係合する方向に対向された位置に一対に設けられているため、各フックによる係合状態が強固に保持される。
【0119】
さらに、第1のスナップフィット18a、18bは、弾性変位部の長手方向が、枠体16と流路形成部材6とを結合させる結合方向に一致するように形成されている。また、第2のスナップフィット19a,19bは、弾性変位部の長手方向が、枠体16と流路形成部材6との結合方向に対して直角に交差する方向に形成されている。すなわち、第1のスナップフィットおよび第2のスナップフィットには、枠体16と流路形成部材6とを結合させる際に、各弾性変位部が弾性変位する方向が互いに直交するように形成されている。
【0120】
これによって、液体噴射記録ヘッド51を誤って落下させる等によって、枠体16と流路形成部材6との結合状態を解除して分離させる方向に衝撃力が加えられた場合には、第1のスナップフィット18a、18bの弾性変位部の長手方向に引張応力が作用するが、第1のスナップフィット18a、18bがこのような引張応力に対して十分に耐え得る剛性を有している。このため、第1のスナップフィット18a、18bは、弾性変位部の長手方向に作用する衝撃荷重によって、フックと第1の受部6g、6hとの係合状態が解除されることはない。
【0121】
また、枠体16と流路形成部材6は、対向間にシール部材20を圧縮して挟持する状態で結合されているため、シール部材20の弾性力によって、両者枠体16と流路形成部材6とを離間する方向の反発力が常時作用している。このため、第1のスナップフィット18a、18bの弾性変位部は、このようなシール部材20による反発力に対しても十分に耐え得るような引張り強さを有する機械的強度に設定されている。また同様に、延長片31においても、弾性変位部31dがシール部材20の反発力に耐え得る引張り強さを有する機械的強度に設定されている。
【0122】
さらに、第1のスナップフィット18a、18bは、フックの係合面と第1の受部6g、6hとがほぼ水平(平行)に当接して係合されている。このため、枠体16と流路形成部材6との結合位置は、フックが第1の受け部6g、6hに当接することによって、高精度に位置決めされる。
【0123】
一方、第2のスナップフィット19a,19bと第2の受部6e,6fが係合された個所では、枠体16と流路形成部材6との結合を分離する方向の衝撃力を受けた場合、第2のスナップフィット19a,19bの弾性変位部に曲げ応力が作用することになる。第2のスナップフィット19a,19bは、このような曲げ応力によって第2のスナップフィット19a、19bの係合状態が解除されることはないが、曲げ応力に対する剛性が比較的小さいため、大きな荷重が負荷された場合に曲げ変形を起こすことになる。
【0124】
その上、上述したように、枠体16と流路形成部材6との結合箇所には、シール部材20による反発力が常に作用しているため、このような曲げ変形による塑性変位が生じることによって、枠体16と流路形成部材6とが分離する方向に移動する虞があり、枠体16と流路形成部材6の相対位置の位置決め精度の低下を招くことになる。
【0125】
すなわち、このようなシール部材20の弾性による反発力に対しては、第2のスナップフィット19a,19bの耐荷重よりも、第1のスナップフィット18a,18bや延長片31の耐荷重の方が大きく確保されている。したがって、シール部材20による反発荷重に対しては、第1のスナップフィット18a,18bのフックおよび延長片31のフック31a、31bが主体となって抗しており、枠体16と記録ユニット15との結合状態を維持している。
【0126】
したがって、延長片31は、第2のスナップフィット19a,19bの近傍に位置して設けられることによって、フック31a、31bと第3の受け部6m、6nの係合強度が、第2のスナップフィット19a,19bにおける記録ユニット15と枠体16を分離する方向に対する係合強度の弱点を補うように作用させることができる。
【0127】
次に、第1のスナップフィット18a、18bおよび第2のスナップフィット19a,19bの弾性変位方向に衝撃力を受けた場合について説明する。
【0128】
この弾性変位方向に衝撃力が加えられた場合には、第1のスナップフィット18a、18bの弾性変位部に曲げ応力が作用して、第1のスナップフィット18a、18bが容易に曲げ変形を起こすことになる。そして、仮に、第1のスナップフィット18a、18bは、第1の受け部6g、6hからフックが外れかけてしまったとき、フックの係合面が第1の受部6g、6hの角部に対して傾斜して当接することになり、このような当接状態での摩擦抵抗が大きくなる。このため、第1のスナップフィット18a、18bは、所定の係合位置に復帰するために、第1のスナップフィット18a、18bの弾性回復力がこの摩擦抵抗に抗する大きな荷重を有している必要があり、第1のスナップフィット18a、18bが所定の係合位置に復帰することが困難となる。そして、第1のスナップフィット18a、18bは、このような状態からさらに衝撃荷重が付加されたとき、フックの係合面が第1の受部6g、6hからさらに離間する方向に退避し、第1の受部6g、6hとの係合状態が解除されてしまうことになる。
【0129】
一方、第2のスナップフィット19a,19bと第2の受部6e,6fが係合された係合個所では、第1のスナップフィット18a、18bと第1の受部6g、6hの係合箇所と同様に、第2のスナップフィット19a,19bの弾性変位部が曲げ変形を起こすことになる。しかしながら、このとき、第2のスナップフィット19a,19bのフックの係合面は、第2の受部6e,6fに対してほぼ水平(平行)に当接しており、第2のスナップフィット19a,19bが曲げ変形を起こしても、両者の当接する角度がほとんど変化しない。このため、第2のスナップフィット19a,19bは、曲げ変形によって、フックの係合面が移動する際でも、この係合面に作用する摩擦抵抗が比較的小さく、第2のスナップフィット19a,19bは直ちに所定の係合位置に復帰することができる。
【0130】
すなわち、以上説明したように、液体噴射記録ヘッド51は、弾性変位部の延長方向が異なる第1のスナップフィット18a、18bと第2のスナップフィット19a,19bによって枠体16と流路形成部材6が係合することにより、液体噴射記録ヘッド51が枠体16と流路形成部材6の結合方向に作用する衝撃荷重を受けた場合に、第1のスナップフィット18a、18bおよび延長片31が係合状態を保持するように働き、第1のスナップフィットのフック進退方向に作用する衝撃荷重を受けた場合には、第2のスナップフィット19a,19bが係合状態を保持するように働くように構成されている。
【0131】
また、枠体16と流路形成部材6の結合位置の精度は、主として両者の離間方向に作用する荷重に耐え得るような引張強度を有した第1のスナップフィット18a、18bと、これら第1のスナップフィット18a、18bに対応する第1の受部6g、6hとが係合によって決定され、両者の相対位置が高精度に保たれている。
【0132】
一方、第1のスナップフィット18a、18bのフックが弾性変位する方向に作用する衝撃荷重を受けた場合には、第2のスナップフィット19a,19bと第2の受部6e,6fとの係合状態が容易に解除されないため、第2のスナップフィット19a,19bと第2の受け部6e,6fとの係合状態が、第1のスナップフィット18a、18bと第1の受部6g、6hの係合状態を維持させるように補っている。
【0133】
なお、上述した落下衝撃力やシール部材20による反発力に対する耐性を向上させる他の手段としては、スナップフィットの弾性変位部の厚みを増加させることにより、弾性変位部の曲げ剛性を強化する方法もある。しかしながら、このような方法の場合には、スナップフィットが大型化してしまい、この大型化に伴って、枠体16と流路形成部材6との結合するめのスペースが大きくなる。その上、このような方法の場合には、スナップフィットの曲げ剛性が増加することにより、組立時に結合させるために要する負荷が増してしまい、組立性が悪化してしまうことになる。
【0134】
したがって、本実施形態では、第1および第2のスナップフィット18a、18b、19a、19bの弾性変位部の厚みを増すことなく、枠体16と流路形成部材6との結合状態を強固に固定することができるため、液体噴射記録ヘッド51を比較的低い製造コストで、コンパクトに製造することができる。その上、本実施形態は、枠体16と流路形成部材6とを結合する際に掛かる負荷が小さいため、生産性に優れている。
【0135】
次に、以上のように構成された液体噴射記録ヘッド51を清掃するワイピング動作について説明をする。なお、上述した液体噴射記録ヘッド51を備える本実施形態に係る記録装置については後述する。
【0136】
記録装置においては、液体噴射記録ヘッド51から記録液を吐出する時に発生するミストやサテライト等により、記録素子基板1の吐出口や記録液吐出面1bさらには配線シート3のフェイス面3aに記録液が濡れて付着することがある。また、記録装置は、後述する回復ユニットのキャップによって吐出口から記録液をキャッピングして吸引する等の吸引処理時にも、記録液吐出面1bやフェイス面3aに吸引残りの記録液が付着することがある。
【0137】
そこで、記録装置は、このような記録液吐出面1bやフェイス面3aに付着した残留記録液を取り除くために、ワイピング処理を行うための回復ユニット(図示せず)を備えている。
【0138】
回復ユニットは、液体噴射記録ヘッド51の記録液吐出面1bおよびフェイス面3a上を摺接して記録液を拭き取るブレード41と、このブレード41を移送する移送機構(不図示)とを有している。また、回復ユニットは、液体噴射記録ヘッド51の記録液吐出面1bおよびフェイス面3aを覆うためのキャップと、このキャップを記録ユニット15に対して移動する移動機構と、キャップを介して記録液を吸引するための吸引機構とを備えている。
【0139】
ブレード41は、例えばゴム、エラストマー等の弾性材料によって略平板状に形成されており、先端側が弾性変形したときに弾性力によって形状を復元させる弾性復元力を有している。
【0140】
また、ブレード41は、幅が配線シート3の短辺方向の幅よりも大きい場合、ブレード41が摺擦できない領域が発生しないため、ワイピング動作を効果的に行うことができる。したがって、ブレード41の幅は、配線シート3の幅よりも大きく形成されることが好ましい。
【0141】
図17において、ブレード41の各状態m1,m2,m3、m4は、ワイピング動作開始、延長片31の先端部31cの通過中、ワイピング動作中(フェイス面3aへの進入開始)、ワイピング動作終了の状態をそれぞれ示している。
【0142】
ブレード41は、ワイピング動作開始位置(状態m1)から図17中矢印T方向に移動して、ブレード41の先端側が延長片31の外壁面に接触したとき、ブレード41の先端側が延長片31の先端部31cに沿うように大きく湾曲して弾性変形しながら、先端部31cに摺擦して移動する(状態m2)。
【0143】
そして、ブレード41は、矢印T方向にさらに進行したとき、先端側が配線シート3のフェイス面3a上へ進入する。(状態m3)配線シート3のフェイス面3aは、延長片31の先端部31cよりも、流路形成部材6側に位置が後退しているため、ブレード先端側が延長片31の先端部31cを通過したとき、ただちに、自身の弾性復元力により、段差(延長片31の先端部31cとフェイス面3aとの相対位置の差)に沿って、湾曲形状の変形量を縮小させて、フェイス面3a上を摺擦する。
【0144】
このように、ブレード41は、先端側の摺接面が、延長片31の先端部31cからフェイス面3aへ移行する際、先端側がブレード41自身の弾性復元力によって平板状の直立状態に復帰しようとするため、先端側がブレード41の移送方向に勢い良く移動する。
【0145】
そして、このとき、ブレード41の先端側は、配線シート3の側端3cに接触することなく、この側端3cを飛び越えて通過するため、配線シート3の側端3cに引っ掛かるようなことが確実に防止されている。すなわち、本実施形態の液体噴射記録ヘッド51によれば、ブレード41のワイピング動作によって、配線シート3が側端3cから剥離される不都合がなく、配線シート3の破損を防止することができる。
【0146】
なお、上述したように、ブレード41が側端3cを飛び越える領域の長さは、ブレード41の材質(弾性回復力)、ブレード41の移動速度、延長片31の先端部31cと配線シート3のフェイス面3aとの相対位置の差(段差)等によって決まる。
【0147】
また、本実施形態の液体噴射記録ヘッド51は、延長片31の先端部31cとフェイス面3aとの段差が1mm程度以下に設定されているため、ブレード41の先端側が無理なく良好に弾性変形して、先端側の弾性変形による変化が円滑かつ短時間に行われる。
【0148】
以上のように構成された液体噴射記録ヘッド51は、ブレード41が配線シート3のフェイス面3a上へ進入する際に、ブレード41が延長片31の内壁面31eおよび配線シート3の側端3cを飛び越えるが、飛び越えた後もブレード41の先端側が湾曲形状を維持する。このため、ブレード41は、先端側の着地地点から直ちに配線シート3のフェイス面3a上に押圧されるため、ワイピング動作を迅速に開始することができる。
【0149】
したがって、液体噴射記録ヘッド51は、吐出口の周辺に付着した塵埃や記録液も、ブレード41の先端側によって確実に掻き取ることが可能にされている。そして、ブレード41が配線シート3のフェイス面3aを完全に通過したとき、ブレード41は、自身の弾性回復力により元の直立状態の形状に復帰する(状態m4)。
【0150】
記録装置は、上述した一連のワイピング動作によって、配線シート3のフェイス面3aおよび吐出口の周辺を清掃することで、記録液の吐出動作を安定させて、良好な画像を得ることができる。
【0151】
また、延長片31の内壁面31eは、ワイピング動作の開始地点よりも上流側に位置するため、ブレード41の先端側よって運ばれてきた記録液が内壁面31e近傍に溜まるようなことはない。
【0152】
なお、当然のことながら、ワイピング動作の際に、ブレード41の幅方向に流れ出して除去しきれなかった残留記録液や1回のワイピング動作で除去しきれなかった残留記録液等が、ブレード41の摺接領域から外れた領域に停滞してしまうことを防ぐため、配線シート3の周辺には、延長片31の先端部31cを除いてフェイス面3aよりも突出する壁や突起等が設けられていない。
【0153】
また、ブレード41の先端側が延長片31に接触して湾曲する際に、ブレード41の幅方向の全域に亘って、均一に湾曲形状に弾性変形させるため、延長片31の幅はブレード41の幅よりも大きくし、かつブレード41の幅の全域が延長片31に接触するように構成されていることが好ましい。
【0154】
次に、記録装置が備えるキャリッジに対して液体噴射記録ヘッド51を位置決めする位置決め方法について、図14および図15を参照して説明する。
【0155】
図14および図15には、説明の便宜上、キャリッジ全体を示さずにキャリッジの底面部の一部のみを模式的に示している。
【0156】
キャリッジの底面部には、液体噴射記録ヘッド51を挿通させるための開口部61aが設けられている。この開口部61aの内壁面には、液体噴射記録ヘッド51側の円筒面部2a、2bを受けるための受部61b、61cが設けられており、上面には液体噴射記録ヘッド51の挿入方向を支持するための受面61d,61eが設けられている。
【0157】
液体噴射記録ヘッド51がキャリッジの底面部61に対して下降されて挿入されたとき、液体噴射記録ヘッド51は、キャリッジ側に配設された押圧手段(不図示)によって図9中矢印A、B、C方向にそれぞれ押圧される。このため、液体噴射記録ヘッド51の位置決めボス6aがキャリッジの支持面61d、61e上に当接し、液体噴射記録ヘッド51の円筒面部2a、2bがキャリッジの受部61b、61cに当接して、さらに液体噴射記録ヘッド51の位置決めボス6bがキャリッジ側の所定の受部(不図示)に当接することにより、キャリッジに対して液体噴射記録ヘッド51が高精度に位置決めされる。
【0158】
なお、記録装置は、キャリッジに設けられた押圧手段によって矢印A,B、C方向に作用する各押圧力を全て枠体16が受けるように構成することにより、液体噴射記録ヘッド51の大容量貯蔵化(共通液室17の大容積化)等が図られて、枠体16が大型化するような記録ヘッドの形態であっても、記録ユニット15あるいは流路形成部材6を大型化させる必要がなく、液体噴射記録ヘッド51を安価に製造することができる。
【0159】
なお、液体噴射記録装置51において、上述した矢印C方向に対する位置決めは、枠体16の突出部16dと流路形成部材6の突出部6bとのどちらを当接させるような構成にしても良い。すなわち、液体噴射記録ヘッド51をキャリッジに搭載した際、液体噴射記録ヘッド51の上方が矢印C方向側に傾斜する(液体噴射記録ヘッド51の上方が矢印C方向へお辞儀する)ような荷重をキャリッジから受けるような構成の場合には、枠体16の突出部16dをキャリッジに当接させる構成が好ましく、矢印C方向の位置決め精度を重視する場合には、組立誤差が少なくなる流路形成部材6の突出部6bを当接させる構成が好ましい。
【0160】
また、記録素子基板1の実装基準である第2のプレート5の円筒面部2a,2b(第1基準平面)が、液体噴射記録ヘッド51をキャリッジに対して位置決めする搭載位置決め基準部として転用されるため、液体噴射記録ヘッド51をキャリッジに搭載した後における記録素子基板1(吐出口列)の傾き量は、第1のプレート2の第1基準平面を基準とした記録素子基板1の調整精度と、この第1基準平面とキャリッジの突起部61b、61cとの当接精度とを合算した値のみで決定されることになり、キャリッジに対する液体噴射記録ヘッド51の搭載位置の精度が極めて良好となる。
【0161】
さらに、第1のプレート2をセラミックス等の剛体材料で形成することによって、第1のプレート2の寸法精度や幾何精度がさらに向上し、記録素子基板1の実装精度を格段に向上することができる。
【0162】
また、第1のプレート2を剛体材料で形成することによって、液体噴射記録ヘッド51をキャリッジに搭載するときに、第1のプレート2の第1基準平面が荷重を受けて変形することがないため、当接位置決め精度が極めて良好となる。その上、液体噴射記録ヘッド51がキャリッジに対して頻繁に着脱操作されるような場合であっても、第1のプレート2の基準面が耐磨耗性に優れるため、液体噴射記録ヘッド搭載時の吐出口配列部の傾き精度が再現性良く確実に位置決めされるようになり、記録装置全体の信頼性の向上が図られることになる。
【0163】
また、第1のプレート2をアルミナで形成することによって、記録素子を高密度化した昇温し易い液体噴射記録ヘッド形態において、アルミナの放熱特性を利用することができ、液体噴射記録ヘッド全体の温度特性が向上する。さらに、アルミナは、耐薬品性に優れ、剛性も大きく、高い寸法精度の加工が可能なため、第1のプレート2に必要とされる各種特性に適応しており、第1のプレート2に用いられて好適である。
【0164】
以上のように、液体噴射記録ヘッド51をキャリッジ搭載する際に各A、B、C方向、すなわち3軸方向全ての方向に対して位置決めするための位置決め基準部が、全て記録ユニット15に設けられることにより、記録素子基板1から第1のプレート2あるいは流路形成部材6に配設された位置決め基準部までの部材積み上げ誤差および寸法積み上げ誤差を軽減させることができるため、液体噴射記録ヘッド51をキャリッジ上に搭載した後の吐出口の位置決め精度が格段に向上する。
【0165】
そして、このように、記録ユニット15には液体噴射記録ヘッド51に要求される機能が集約されるため、高精度で高い機械的強度が得られるような材料選定と機械的構造を採用することによって、液体噴射記録ヘッド51における寸法基準部の信頼性が非常に高まることになる。
【0166】
一方、枠体16に関しては、第1のスナップフィット18a、18bと第2のスナップフィット19a,19bおよび延長片31が所望の特性を有する範囲で安価な材料を選定できるため、記録ユニット15は必要な機能を最小限の大きさに集約して形成し、枠体16が他に必要な全ての部分を安価な材料によって形成することにより、高性能な液体噴射記録ヘッド51を安価に製造することができる。
【0167】
また、液体噴射記録ヘッド51の位置決めにおいて最も重要である吐出口の配列方向の傾きは、記録素子基板1の実装基準と液体噴射記録ヘッド51のキャリッジへの搭載基準とが同一条件で設定される。このため、液体噴射記録ヘッド51がキャリッジに対して繰り返し着脱されるような記録装置であっても、吐出口が常時高精度に維持される。
【0168】
さらにまた、液体噴射記録ヘッド51を構成する全ての部材がキャリッジ搭載時の位置決め基準部を基準として組み付けられるようにすることで、液体噴射記録ヘッド51を更に高精度に製造することができる。
【0169】
以上が本発明の液体噴射記録ヘッドおよび記録装置の一形態であるが、当然のことながら、本発明は、キャリッジに対して単一の液体噴射記録ヘッド51のみが搭載される記録装置と、キャリッジに対して複数の液体噴射記録ヘッド51が搭載される記録装置とのどちらの構成にも適用できる。
【0170】
また、液体噴射記録ヘッド51をキャリッジ上に搭載する際の3次元全ての方向(3軸方向)に対して位置決めするための位置決め基準部が、流路形成部材6に配設されるような構成にしても良い。すなわち、液体噴射記録ヘッド51は、位置決め基準部を一部材に集約させることによって、高精度部材と低精度部材とを明確に分別して、生産性を向上させることができる。
【0171】
また、本実施形態では、第2のスナップフィット19a,19bの弾性変位部が、枠体16と流路形成部材6の結合方向に対して直角方向に延長されているが、第2のスナップフィット19a,19bの弾性変位部が、枠体16と流路形成部材6の結合方向に対して45°以上傾斜する方向に延長されるような構成にしても同様の効果が得られる。
【0172】
また、本実施形態の液体噴射記録ヘッドは、記録ユニット15と枠体16は、対向間にシール部材20を挟持した状態で結合される構成としたが、対向間にシール部材20を設けないような他の構成、例えば封止材等によって記録ユニット15側および枠体16側の各記録液流路を気密に閉塞するような構成としてもよい。
【0173】
(第2の実施形態)
図18に第2の実施形態の液体噴射記録ヘッドの外観の斜視図を示す。図19および図20に液体噴射記録ヘッドの分解斜視図を示す。
【0174】
本実施例は着脱可能なカートリッジ方式のインクタンクを保持固定する機能を有したホルダ部材を記録ユニットに接合する形態の液体噴射記録ヘッド構成について適応するものである。
【0175】
本実施形態の液体噴射記録ヘッドは、カートリッジ方式のインクタンクを着脱可能に保持して固定するホルダ部材に、記録ユニットを結合した構成とされている。なお、第2の実施形態の液体噴射記録ヘッドについて、上述した第1の実施形態の液体噴射記録ヘッド51と同一部分には同一符号を付して説明する。また、上述した液体噴射記録ヘッド51の枠体16と同一部分についても、便宜上、同一符号を付して説明を省略する。
【0176】
液体噴射記録ヘッド53は、上述した記録ユニット15と、カートリッジ方式のインクタンク64を着脱可能に保持するホルダ部材62とを備えている。
【0177】
ホルダ部材62には、インクタンク64が装填される装填部66が開口して設けられている。インクタンク64の外周部には、装填部66に設けられた係合部(図示せず)に係合される係合片64aが設けられており、この係合片64aが係合することにより、装填部66内から脱落することが防止されている。
【0178】
また、ホルダ部材62には、上述した枠体16と同様に、第1のスナップフィット18a,18bと第2のスナップフィット19a、19bが配設されている。そして、これら第1のスナップフィット18a、18bと第2のスナップフィット19が、記録ユニット15の第1の受部6e、6fおよび第2の受部6g、6hに係合されるとともに、端子配線基板4の上端部4dがホルダ部材62の係合溝26に挿入されて係合されることにより、ホルダ部材62と記録ユニット15が結合されて固定されている。
【0179】
最後に、上述した記録液噴射ヘッド51を備える実施形態の記録装置について簡単に説明する。
【0180】
図示しないが、この記録装置は、記録用紙に画像等の情報を記録する上述した液体噴射記録ヘッド51を有する記録部と、この記録部に対して記録用紙を搬送する搬送部と、記録部によって情報が記録された記録用紙を装置外部に排出するための排出部と、上述した回復ユニットとを備えている。
【0181】
搬送部は、記録用紙を搬送するための搬送ローラと、この搬送ローラを回転駆動する搬送機構とを有している。同様に、排出部は、記録用紙を排出するための排出ローラと、この排出ローラを回転駆動する排出機構とを有している。
【0182】
以上のように構成された記録装置は、搬送部の搬送ローラによって記録用紙が記録部側に搬送されて、液体噴射記録ヘッド51によって記録液が吐出されることにより、記録用紙に所望の画像等の情報が記録される。そして、排出部は、情報が記録された記録用紙を、排出ローラによって搬送されて記録装置の外方に排出させる。
【0183】
なお、回復ユニットのブレードによる液体噴射記録ヘッド51のワイピング動作は、上述した第1の実施形態の液体噴射記録ヘッド51に関連して述べたため説明を省略する。また、記録装置は、上述した液体噴射記録ヘッド53を備える構成としてもよいことは勿論である。
【0184】
上述したように、本実施形態の液体噴射記録ヘッド51,53によれば、端子配線基板4が、枠体16またはホルダ部材62に設けられた係合溝26に係合されて保持されることによって、例えば端子配線基板4が流路形成部材6に対して加熱溶着されて固定される構成に比較して、端子配線基板4上に溶着用のピンが係合される複数の溶着用の穴を設けるスペースを確保する必要がなく、端子配線基板4の幅を小さくすることができる。これによって、端子配線基板4の幅に対応する液体噴射記録ヘッド51,53の幅をコンパクトにすることができる。
【0185】
また、液体噴射記録ヘッド51、53によれば、流路形成部材6の係合突部9a、9bの高さが、係合突部9a、9bの対向間に位置する多孔質部材7の高さよりやや大きく形成されたことにより、多孔質部材7の損傷を防止することが可能になるとともに、液体噴射記録ヘッド51,53の製造工程における流路形成部材7の取り扱いが容易になり、液体噴射記録ヘッドの生産性を飛躍的に向上することができる。
【0186】
また、液体噴射記録ヘッド51,53によれば、流路形成部材6と枠体16またはホルダ部材62とを結合する際に、端子配線基板4の上端部4dの両側が係合溝26内に挿入される構成であるため、従来の液体噴射記録ヘッドの構成のような端子配線基板を固定するための加工工程(加熱溶着、ビス止め、接着等)を削減することが可能になり、生産性の向上を図ることができる。さらに、この液体噴射記録ヘッド51,53によれば、枠体16から端子配線基板4を容易に取り外せるため、液体噴射記録ヘッドの分解作業が容易になり、リサイクル性も向上することができる。
【0187】
また、液体噴射記録ヘッド51,53によれば、3軸方向全てに対する位置決め手段と、端子配線基板4の基本的な3軸方向に対する位置決め手段とが、記録ユニット15側に設けられることによって、液体噴射記録ヘッドの吐出性能および機械的精度に影響を与える部分が、記録ユニット15に集約される。したがって、液体噴射記録ヘッド51,53によれば、枠体16が記録液を貯蔵するために最低限必要な機能のみを有していれば良く、枠体16に安価な材料を選定することが可能になる。同様に、ホルダ部材62においても、カートリッジ方式のインクタンク64を着脱可能に保持するように形成すれば良く、安価な材料選定が可能である。すなわち、このように液体噴射記録ヘッドに必要な機能および部品精度を記録ユニット15と、枠体16またはホルダ部材62との2つに完全に分割することにより、生産性が格段に向上するとともに、結果的に安価な液体噴射記録ヘッドを製造することができる。
【0188】
さらに、液体噴射記録ヘッド51、53によれば、記録ユニット15と枠体16またはホルダ部材62に、相対係合する第1および第2のスナップフィット18a、18b、19a、19bおよび第1および第2の受部6e、6f、6g、6hを設けることによって、記録ユニット15と枠体16またはホルダ部材62が、ビス、接着剤等を介して結合される構成に比較して,生産性が非常に優れ、液体噴射記録ヘッドを安価に製造することができる。さらに、この液体噴射記録ヘッド51,53によれば、第1および第2のスナップフィット18a、18b、19a、19bと、第1および第2の受部6e、6f、6g、6hとの係合状態を比較的容易に解除することが可能になるため、液体噴射記録ヘッドの分解作業が容易になり、リサイクル性も向上することができる。
【0189】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液体噴射記録ヘッドによれば、線基板が、液体貯蔵部の枠体に設けられた係合溝に係合されて保持されることによって、線基板の幅を小さくすることができる。これによって、線基板の幅に対応する液体噴射記録ヘッドの幅を小さくすることが可能になり、液体噴射記録装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の液体噴射記録ヘッドの外観を示す斜視図である。
【図2】前記液体噴射記録ヘッドの外観を端子配線基板側から示す斜視図である。
【図3】前記液体噴射記録ヘッドを示す分解斜視図である。
【図4】流路形成部材を上方から示す斜視図である。
【図5】前記流路形成部材を下方から示す斜視図である。
【図6】記録素子基板、第1および第2のプレートの接合状態を示す斜視図である。
【図7】記録素子基板、第1および第2のプレートを示す分解斜視図である。
【図8】枠体の外観を下方から示す斜視図である。
【図9】流路形成部材の要部を説明するために示す斜視図である。
【図10】前記流路形成部材の係合爪および突起を説明するために示す模式図である。
【図11】前記係合爪および突起に端子配線基板が保持されている状態を示す側面図である。
【図12】突起が無い場合に、端子配線基板が保持凹部側に倒れた状態を示す側面図である。
【図13】突起が無い場合に、端子配線基板が保持凹部の外側に倒れた状態を示す側面図である。
【図14】前記液体噴射記録ヘッドがキャリッジに搭載される状態を示す斜視図である。
【図15】前記液体噴射記録ヘッドがキャリッジに搭載された状態を示す斜視図である。
【図16】ジョイントゴムを示す斜視図である。
【図17】ブレードによるフェイス面のワイピング動作を説明するために示す模式図である。
【図18】カートリッジ方式のインクタンクを搭載する第2の実施形態の液体噴射記録ヘッドの外観を示す斜視図である。
【図19】第2の実施形態の液体噴射記録ヘッドを端子配線基板側から示す分解斜視図である。
【図20】第2の実施形態の液体噴射記録ヘッドを背面側から示す分解斜視図である。
【図21】従来の液体噴射記録ヘッドの外観を示す斜視図である。
【図22】従来の液体噴射記録ヘッドを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 記録素子基板
2 第1のプレート
2a,2b 円筒面部
2c 円筒溝
3 配線シート
3a フェイス面
3b 折曲部
3c 側端
4 端子配線基板
4b,4c 位置決め穴
4d 上端部
4e 下端部
5 第2のプレート
6 流路形成部材
6a、6b 位置決めボス
6c、6d 位置決め穴
6e、6f 第1の受部
6g、6h 第2の受部
6m、6n 第3の受部
6k 上面
6p,6q 位置決めピン
6r,6s 係合爪
9a、9b 係合突部
5 多孔質部材
15 記録ユニット
16 枠体
16d 突出部
17 共通液室
18a,18b 第1のスナップフィット
19a,19b 第2のスナップフィット
26 係合溝
31 延長片
31a,31b フック
31c 先端部
33,34 フック
35 突起
38 保持凹部
41 ブレード
51 液体噴射記録ヘッド
61 キャリッジの底面部

Claims (4)

  1. 記録液を吐出するための複数の記録素子が設けられた記録素子基板と、
    前記記録素子基板に電気的に接続されて該記録素子基板に記録信号を伝達するための可撓性を有する配線シートと、
    前記配線シートの一端部に電気的に接続されて外部から記録信号を入力するための端子部を有する配線基板と、
    前記記録素子基板を保持して該記録素子基板に記録液を供給するための記録液供給通路が設けられた流路形成部材と
    前記流路形成部材に配されて前記配線基板の一端部を位置決めする位置決めピンと、
    前記配線基板の他端部の対向する両側端がそれぞれ係合する一組の係合溝が形成された、前記記録液供給通路を介して前記記録素子基板へ供給される記録液を貯留するための記録液貯蔵部の枠体と、
    を有し、
    記流路形成部材と前記枠体とを記録液連通可能に結合する際に、
    前記配線基板は、前記一端部が前記位置決めピンに位置決めされて支持された状態で、前記流路形成部材に対する前記枠体の結合方向に沿って前記枠体に配されている前記一組の係合溝に、前記他端部の前記両側端がそれぞれ挿入されて係合され
    前記流路形成部材と前記枠体との結合によって、前記配線基板は前記流路形成部材と前記枠体とに跨って保持されることを特徴とする液体噴射記録ヘッド。
  2. 前記配線基板は、主面が、前記記録素子基板の記録液吐出面に直交されて配設されている請求項1記載の液体噴射記録ヘッド。
  3. 前記流路形成部材は、前記配線基板の前記両側端にそれぞれ係合する一組の係合部と、該一組の係合部を結ぶ直線上の略中央に位置して設けられ前記配線基板の裏面に当接する突起と、を有する請求項1または2に記載の液体噴射記録ヘッド。
  4. 前記配線基板は、その前記一端部が、前記両側端に亘って湾曲した状態で前記流路形成部材に保持されて、その前記他端部が前記枠体の前記係合溝に係合される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッド。
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