JP4274358B2 - 排煙脱硝装置と排煙脱硝方法 - Google Patents

排煙脱硝装置と排煙脱硝方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は排煙脱硝装置と方法に係り、特に排ガス循環式アンモニア注入装置の信頼性を向上させ、硫黄酸化物含有排ガスにおいてもノズル閉塞の問題を低減可能し、都市ゴミ焼却炉からの排ガス処理についてはダイオキシン発生を低減する排煙脱硝装置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンバインドサイクルプラント等においては、ガスタービン排気を利用して煙道(排ガス流路)内に配置した蒸発器内を流れる水を加熱して蒸気を得る排熱回収ボイラ(HRSGということがある)が用いられるが、HRSGには、排ガス中の窒素酸化物を除去するために、脱硝触媒の配置部の上流側でアンモニア注入装置から脱硝反応の還元剤であるアンモニアを注入し、排ガスと充分混合させた後、脱硝触媒上において脱硝反応を行う排煙脱硝装置が配置されている。
【0003】
近年、液化アンモニアに比べて保管及び取扱いが容易なことから、前記アンモニア注入装置にはアンモニア水が用いられるケースが多く、アンモニア水を蒸発させる装置として、電気ヒータ蒸発方式と排熱回収ボイラ(HRSG)から排ガスの一部を抽出して蒸発に用いる排ガス循環式がある。プラント効率向上の観点から、ユーティリティ使用量が比較的少ない排ガス循環式が使用されることが多い。
【0004】
前記排ガス循環式のアンモニア注入装置は排熱回収ボイラから高温の排ガスを取り出してアンモニア水を加熱してアンモニア蒸気として再び排ガス流路内に供給する方法である。
【0005】
上記脱硝触媒の性能を発揮させるために、排煙脱硝装置は、通常300−350℃の排ガス温度領域に配置される。該排ガス温度領域は高温蒸発器が配置される領域またはその後流側の排ガス流路である。図6には従来技術の排熱回収ボイラに適用される排ガス循環式アンモニア注入装置を用いる排煙脱硝装置の構成例を示す。
【0006】
排熱回収ボイラ1から抽出された300−350℃の排ガスを排ガス供給配管6を通してアンモニア注入装置4に供給し、循環ファン25、25’により配管機器の圧力損失に打ち勝つ程に昇圧した後、アンモニア水蒸発器10へ送られていた。通常、循環ファン25、25’は定常運転用及び予備用の合わせて2台が供給され、いずれも300−350℃の耐熱性が要求される。蒸発器10にはアンモニア注入制御弁11により必要流量に調整されたアンモニア水が注入され、蒸発器10の内部で排ガスにより加熱されてアンモニア含有ガスが得られる。
【0007】
アンモニア水の蒸発のために蒸発器10の出口における排ガス温度は120−150℃程度まで低下させ、この排ガスがアンモニア注入装置4からアンモニア含有ガス供給配管13を通り、アンモニア含有ガス噴射ノズル3から脱硝触媒層2の上流へ注入される。
【0008】
【特許文献】
特開平7−16431号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術に対して、循環ファン25は排熱回収ボイラ1より抽出された高温ガスを取り扱うことから耐熱性が要求され、循環ファン25自体及びその軸受部等には耐熱性を有す材質・構造を具備する必要がある。特に軸受部等に関して冷却空気若しくは冷却水を用い高温排ガスによる焼損を防ぐ必要がある。
【0010】
また、予備用の循環ファン25’はファン上流に設置されたダンパー26’により直接高温排ガス曝されることがないと推測されていたが、実際は連絡配管を通じた熱伝導のために予備用の循環ファン25’の運転停止時にも軸受部が異常昇温して焼損する問題が発生していた。この異常昇温と損傷を回避するために一定時間毎にファン25’を起動操作させるか、あるいは予備待機用ファン25’向けの保護装置追加する必要となり、装置を複雑化する問題があった。
【0011】
また、排ガス中に硫黄酸化物(SO2及びSO3)を含む場合、アンモニア水蒸発器10内でのアンモニア水の噴射により、アンモニア水噴射ノズル10a付近における排ガス温度が低下して、排ガス中の硫黄酸化物とアンモニアの反応により生成された酸性硫安が析出する温度域に至るために、アンモニア水噴射ノズル10aが閉塞する場合があった。
【0012】
本発明の課題は、高温排ガスの取り扱いに関する上記問題を解消した簡便なアンモニア注入装置を用いて、または排ガス中に硫黄酸化物を含む場合においても、アンモニア水噴射ノズルの閉塞問題が生じないアンモニア注入装置を用いる排煙脱硝装置と方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、次の装置と方法により解決される。
請求項1記載の発明は、ガスタービンから排出する排ガスの流路にアンモニア注入装置と脱硝触媒層を配置した排ガス中の窒素酸化物を除去する排煙脱硝装置において、アンモニア注入装置は、前記ガスタービン排ガス流路から排ガスを抽出するエゼクターと、該エゼクターに圧縮空気を供給する圧搾空気ブロアと、該エゼクターで得られ圧縮空気により冷却され300℃以下の排ガスと空気の混合ガスを供給する混合ガス供給部とアンモニア水を供給するアンモニア水供給部とを備えたアンモニア水蒸発器と、該アンモニア水蒸発器で得られアンモニア水の蒸発により冷却され100℃−150℃のアンモニア含有ガスを前記脱硝触媒層の前流側の排ガス流路に供給するアンモニア含有ガス噴射ノズルとを設けた排煙脱硝装置である。
【0014】
請求項2記載の発明は、ガスタービンから排出する排ガスの流路にアンモニア注入装置と脱硝触媒層を配置した排ガス中の窒素酸化物を除去する排煙脱硝装置において、アンモニア注入装置は、前記ガスタービン排ガス流路から排ガスを抽出するエゼクターと、該エゼクターに圧縮空気を供給する圧搾空気ブロアと、該エゼクターで得られ圧縮空気により冷却され300℃以下の排ガスと空気の混合ガスを供給する混合ガス供給部とアンモニア水を供給するアンモニア水供給部とを備えたアンモニア水蒸発器と、該アンモニア水蒸発器で得られたアンモニア含有ガスを前記脱硝触媒層の前流側の排ガス流路に供給するアンモニア含有ガス噴射ノズルとを設け、前記ガスタービン排ガス流路とエゼクターの間に設けた排ガス供給部には排ガス流量調整弁と排ガス流量計を設け、アンモニア水蒸発器とアンモニア含有ガス噴射ノズルの間のアンモニア含有ガス供給部にはアンモニア含有ガス温度計を設け、該アンモニア含有ガス温度計のアンモニア含有ガス測定温度と前記排ガス流量計の排ガス流量の測定値に基づき前記排ガス流量調整弁を調整してアンモニア含有ガス供給部におけるアンモニア含有ガスの温度を100−150℃に制御する制御装置を設けた排煙脱硝装置である。
【0016】
請求項記載の発明は、ガスタービンから排出する排ガスの流路中にアンモニアガスを供給して排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒を用いて除去する排煙脱硝方法において、ガスタービン排ガスの一部ガスタービン排ガス流路から抽出して、該抽出した排ガスと圧搾空気を混合させて該排ガスと空気の混合ガスを300℃以下に冷却させた後、さらにアンモニア水と混合させてアンモニア水の蒸発により100℃−150℃に冷却させたアンモニア含有ガスを生成させ、該アンモニア含有ガスをガスタービン排ガス流路に供給して前記脱硝触媒に接触させる排煙脱硝方法である。
【0017】
請求項記載の発明は、ガスタービンから排出する排ガスの流路中にアンモニアガスを供給して排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒を用いて除去する排煙脱硝方法において、ガスタービン排ガスの一部ガスタービン排ガス流路から抽出して、該抽出した排ガスと圧搾空気を混合させて該排ガスと空気の混合ガスを300℃以下に冷却させた後、さらにアンモニア水と混合させてアンモニア含有ガスを生成させ、該アンモニア含有ガスをガスタービン排ガス流路に供給して前記脱硝触媒に接触させるに際して、前記アンモニア含有ガスの温度と前記ガスタービン排ガス流路から抽出した排ガス流量に基づきガスタービン排ガス流路から抽出する排ガスの流量を調整してアンモニア含有ガスの温度を100−150℃に制御して排ガス流路に供給して前記脱硝触媒と接触させる排煙脱硝方法である。
【0019】
【作用】
請求項1、記載の発明によると次のような作用がある。
まず、ガスタービンから抽出した高温(例えば450℃)の排ガスが圧搾空気で、例えば300℃に冷却されるため、たとえ高温排ガスを使用しても、アンモニア水が蒸発する過程でアンモニアが酸化されるおそれはない。
【0020】
また、ガスタービンから抽出した高温排ガスを圧搾空気で希釈することから排ガス中の水分濃度を低下させ、排ガス抽出系内のドレン発生を抑制ができ、低温度域(例えば50−60℃)からのアンモニア水の蒸発系内の暖気が可能である。
【0021】
また、高温排ガスを抽出して早期にアンモニア水を蒸発させることができるので、アンモニア水の蒸発系の起動時における暖気時間の短縮などが有効に行える。さらにアンモニア水の蒸発により得られるアンモニア含有ガスの温度を、例えば100−150℃程度に低温下でき、アンモニア含有ガス供給系の熱応力低減が容易に行える。
【0022】
請求項2、記載の発明により、アンモニア水の蒸発系の出口でのアンモニア含有ガスの温度とアンモニア水の蒸発系へ導く排ガス流量に基づき圧搾空気供給系への排ガス流量を調整することができる。
【0023】
例えば、ガスタービンの排ガス流路にアンモニア含有ガスを供給していない場合にはアンモニア水の蒸発系の出口でのアンモニア含有ガスの温度を100−150℃に保つようにアンモニア水の蒸発系へ導く前記排ガス流量を調整し、アンモニアの蒸発系内の暖気とドレン防止を図り、また、ガスタービンの排ガス流路にアンモニア含有ガスの供給を開始してもアンモニア水の蒸発系へ導く前記排ガス流量を調整することで前記アンモニア含有ガス温度を、例えば100−150℃に保つことが可能であり、アンモニア含有ガス供給系の熱応力低減が容易に行える。
【0025】
また、請求項1〜請求項4記載の発明に共通する作用は、ブロア等を用いて得られた圧搾空気により排ガス流路から抽出した排ガスなどが吸引されることから、圧搾空気作製用のブロアが直接高温排ガスに曝されることがなく、圧搾空気作製用のブロアの冷却装置が不要であり、またブロアの軸受焼損防止等の保護装置もいらないことである
【0026】
また、圧搾空気作製用ブロアからの空気により高温排ガスが希釈されることから、排ガス中の硫黄三酸化物(SO3)濃度が希釈されるため、アンモニア水と反応した際にできる酸性硫安の析出温度を低く抑えることが可能となり、排ガス中に二酸化硫黄(SO)が含まれる場合においてもアンモニア水蒸発器のアンモニア水噴射ノズルに酸性硫安が析出するおそれがない。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0028】
【実施例1】
図1に基づいて実施例1を説明する。
図1にはガスタービンの高温排ガスの流路内に伝熱管(図示せず)を配置して蒸気を発生させる排熱回収ボイラ(HRSG)1とその内部配置される脱硝触媒層2及び該脱硝触媒層2にアンモニア含有ガスを噴射するノズル3と該アンモニア含有ガスを生成するためのアンモニア注入装置4を示す。
【0029】
アンモニア注入装置4には排熱回収ボイラ1からの排ガスを排ガス供給配管6を介して抽出するエゼクター7と該エゼクター7に圧搾空気を供給する圧搾空気ブロア8と予備の圧搾空気ブロア8’とアンモニア水蒸発器10と該アンモニア水蒸発器10へアンモニア水を供給する流量調整弁11付の供給配管12とアンモニア水蒸発器10で得られたアンモニア含有ガスを排熱回収ボイラ1のアンモニア噴射ノズル3に供給する供給配管13が設けられている。
【0030】
なお、圧搾空気ブロア8、8’にはそれぞれ圧搾空気量調整弁9、9’を経由して一定量の空気が供給される。また、圧搾空気ブロア8、8’とエゼクター7との間の空気配管5には圧搾空気量の監視をするオリフィス14が配置され、空気量が低い時は圧搾空気ブロア8の運転を予備機の圧搾空気ブロア8’に切替える。また、排ガス供給配管6とアンモニア水供給配管12にもオリフィス14が設けられている。
【0031】
排熱回収ボイラ1からの排ガスはエゼクター7て吸引され、エゼクター7において圧搾空気ブロア8から供給された圧搾空気と混合された後、アンモニア水蒸発器10へと搬送される。排熱回収ボイラ1からの排ガスは配管材質が許容できる範囲内で高温であることが好ましく、図5に示すように450℃の排ガスであれば300℃の排ガスと比較して必要抽出排ガス量を約7割程度に低減可能である。
【0032】
450℃を超える高温排ガス中においては、アンモニアガスが窒素酸化物に酸化されるおそれがあるが、本実施例では圧搾空気ブロア8から供給された空気と排ガスがエゼクター7で混合され、アンモニア水蒸発器10の入口においてはガス温度が300℃まで低下するため、高温排ガス使用時においてもアンモニア水蒸発時におけるアンモニア酸化のおそれは無い。
【0033】
また、上記構成により排熱回収ボイラ1からの高温排ガスを抽出可能になることから、早期にアンモニア水蒸発器10を含むアンモニア注入装置4の暖気が有効に行え、アンモニア注入装置4の起動時における暖気時間の短縮に大きく貢献し、また、HRSG1の配管における高温排ガス抽出位置の配置上の制約が解消される。
【0034】
エゼクター7の出口を出た排ガスは、アンモニア水蒸発器10に入り、アンモニア水蒸発器10において噴射される所定量のアンモニア水と混合され、アンモニア水の蒸発に利用される。
【0035】
アンモニア水蒸発器10の出口ガスの温度は、従来技術と同様に100−150℃程度となり、排熱回収ボイラ1内の脱硝触媒層2の上流側に設置されたアンモニア噴射ノズル3を通じてHRSG1内の排ガス中へ注入される。
【0036】
本実施例においては、圧搾空気ブロア8から供給された空気によりアンモニア水蒸発器10内で排ガス中の硫黄三酸化物(SO3)濃度が希釈されることから、アンモニア水と反応した際に生成される酸性硫安の析出温度を低く抑えることが可能となり、排ガス中に二酸化硫黄(SO2)を含む場合においてもアンモニア水蒸発器10のアンモニア水噴射ノズル10aに酸性硫安が析出することが無くなる。
【0037】
また、本実施例においては、希釈空気との混合により排ガス中の水分濃度を低下させることから配管内のドレン発生抑制が可能となり、低温度域(50−60℃)からのアンモニア水蒸発器10を含む系内の暖気が可能である。
【0038】
さらに、本実施例においては、圧搾空気ブロア8が直接高温排ガスに曝されることがなく、従来技術の項で述べた圧搾空気ブロア8の冷却装置若しくは圧搾空気ブロア8の軸受焼損防止等の保護装置は不要である。
【0039】
従来は、装置の信頼性向上を図るために圧搾空気ブロア25、25’等の回転機器は運転用・予備用の2基が要求され、また、運転用の圧搾空気ブロア25の運転時に予備用のブロア25’への切替えをスムーズにするために予備用ブロア25’の暖気用システム(バイパスライン27、27’等)が従来技術では必要であった。
【0040】
しかし本実施例においてはこのような予備用のブロア25’の暖気用システムの設置は不要であり、システムの簡素化と信頼性の向上が図れる。
【0041】
【実施例2】
本発明を適用した実施例2を図2を用いて説明する。
図2に示す装置は図1に示す装置のエゼクター7の上流側の排ガス供給配管6に排ガス流量調整ダンパー15と排ガス流量計16とアンモニア水蒸発器10の出口温度計17及びこれらの測定装置からの測定値に基づき排ガス流量調整ダンパー15の開閉度合を調整する制御装置19を設けた構成である。
【0042】
本実施例によるとプラントユーティリティの向上のために、更なる排ガス使用量の低減が要求される場合に、アンモニア水蒸発器10の出口温度計17からの信号によりエゼクター7の上流に設けられた排ガス流量調整ダンパー15を制御することで必要に応じた排ガス量調整が可能である。
【0043】
すなわち、アンモニア水蒸発器10にアンモニア水を注入していない状態においては、アンモニア水蒸発器10の出口ガス温度計17からの信号により該蒸発器出口ガスの温度を100−150℃に保つように、排ガス流量調整ダンパー15により排ガス流量を制御することで、アンモニア注入装置4の系内の暖気とドレン防止を図り、アンモニア注入開始以降においても同様にアンモニア水蒸発器10の出口ガス温度計17からの信号により該蒸発器10の出口ガスの温度を100−150℃で一定に保つことが可能である。これにより各配管6、13などにおける熱応力低減が容易に行え、装置の経済性向上及び普及に寄与する。
【0044】
また、圧搾空気ブロア8は定回転且つ一定流量で運転されることから、排ガス流量を絞った場合においても従来技術で生じた循環ファン25、25’の低流量域で生じるサージングの問題も発生することなく、幅広い排ガス流量制御が可能である。
【0045】
参考例
次に参考例を図3を用いて説明する。本参考例は、都市ゴミ焼却炉21に設置される脱硝触媒層2を備えた脱硝装置に用いられるものであり、実施例1と比べてアンモニア注入装置4内のアンモニア水蒸発器10をエゼクタ7の流側に設置し、アンモニア水蒸発器10で所定量のアンモニア水が噴射・蒸発された後の混合ガスをエゼクター7にて吸引する点が異なる。
【0046】
ゴミ焼却炉21の出口における排ガスの温度は通常450℃−500℃前後であり、排ガスは、排ガス流路22に設置された熱交換器23で、その温度を200−250℃まで低下された後、脱硝触媒層2を有す脱硝装置へ流れる。熱交換器23の入口において排ガスの一部が排ガス供給配管6を通じてアンモニア注入装置4に送られる。
【0047】
都市ゴミ焼却炉21においては、ダイオキシン生成抑制の観点から設備設計上、ダイオキシンが生成する温度域である300−400℃の排ガス温度域における排ガス滞留時間を最少限に抑えることが要求される。本参考例は、都市ゴミ焼却炉21用に設置される脱硝装置に用いられるものであり、450℃−500℃の高温排ガスに直接アンモニア水を注入し、アンモニア水蒸発器10の出口におけるアンモニア含有ガスの温度を230−250℃に保つことで、アンモニア水蒸発器10内におけるダイオキシン生成を抑制することができる。
【0048】
このアンモニア蒸発器10の出口ガスはエゼクター7にて圧搾空気ブロア8から供給された空気と希釈混合されることで100−150℃まで冷却された後、実施例1と同様に脱硝触媒層3の上流に設置されたアンモニア噴射ノズル3を通じ排ガス中へ注入される。
【0049】
【発明の効果】
請求項1、記載の発明によると、次のような効果がある。
ガスタービンから抽出した高温排ガスを圧搾空気で冷却し、希釈することからアンモニア水が蒸発する過程でアンモニアが酸化されるおそれがなく、排ガス中の水分濃度を低下させ、排ガス抽出配管内のドレン発生抑制ができ、アンモニア水の蒸発系内の暖気が早期に行え、アンモニア水の蒸発により得られるアンモニア含有ガスの温度を低温下でき、アンモニア含有ガス配管系の熱応力低減が容易に行えるので、排ガスの脱硝が容易に行える。
【0050】
請求項2、記載の発明によると、次のような効果がある。
アンモニア水の蒸発系の出口でのアンモニア含有ガスの温度とアンモニア水の蒸発系へ導く排ガス流量に基づき圧搾空気供給系への排ガス流量を調整することができるので、アンモニアの蒸発系内の暖気とドレン防止を図り、また、ガスタービンの排ガス流路にアンモニア含有ガスの供給を開始してもアンモニア水の蒸発系へ導く前記排ガス流量を調整することで前記アンモニア含有ガス温度を低くすることができ、アンモニア含有ガス配管系の熱応力低減が図れ、排ガスの脱硝が容易に行える。
【0051】
参考例によると、次のような効果がある。
アンモニア水の蒸発系内におけるダイオキシン生成を抑制することができ、またアンモニア含有ガスと圧搾空気を混合することで、低温の混合ガスを排ガス流路内に注入することができ、アンモニア含有ガス配管などの熱応力が低減できる。
【0052】
また、請求項1〜請求項記載の発明に共通して、ブロア等を用いて得られた圧搾空気により排ガス流路から抽出した排ガスなどが吸引されることから、圧搾空気供給用のブロアが直接高温排ガスに曝されることがなく、圧搾空気供給用のブロアの焼損防止が図れ、また、圧搾空気供給用ブロアからの空気により高温排ガス中の三酸化硫黄酸濃度が希釈されるため、アンモニア水と反応した際に生成される酸性硫安の析出温度を低く抑えることが可能となり、アンモニア水蒸発器のアンモニア水噴射ノズルに酸性硫安が析出するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の排煙脱硝装置のフロ−図である。
【図2】本発明の実施例2の排煙脱硝装置のフロ−図である。
【図3】本発明の参考例の排煙脱硝装置のフロ−図である。
【図4】本発明実施例1、参考例と従来技術における系の温度変化を示す図である。
【図5】必要抽出排ガス量とガス温度の関係を示す図である。
【図6】従来技術を示す排煙脱硝装置のフロ−図である。
【符号の説明】
1 排熱回収ボイラ(HRSG)
2 脱硝触媒層
3 アンモニア含有ガス噴射ノズル
4 アンモニア注入装置
5 空気配管
6 排ガス供給配管
7 エゼクター
8、8’ 圧搾空気ブロア
9、9’圧搾空気量調整弁
10 アンモニア水蒸発器
10a アンモニア水噴射ノズル
11 流量調整弁
12 アンモニア水供給配管
13 アンモニア含有ガス供給配管
14 オリフィス
15 排ガス流量調整ダンパー
16 排ガス流量計
17 アンモニア水蒸発器出口温度計
19 制御装置
21 都市ゴミ焼却炉
22 排ガス流路
23 熱交換器
25、25’ 循環ファン
26 ダンパー

Claims (4)

  1. ガスタービンから排出する排ガスの流路にアンモニア注入装置と脱硝触媒層を配置した排ガス中の窒素酸化物を除去する排煙脱硝装置において、
    アンモニア注入装置は、前記ガスタービン排ガス流路から排ガスを抽出するエゼクターと、該エゼクターに圧縮空気を供給する圧搾空気ブロアと、該エゼクターで得られ圧縮空気により冷却され300℃以下の排ガスと空気の混合ガスを供給する混合ガス供給部とアンモニア水を供給するアンモニア水供給部とを備えたアンモニア水蒸発器と、該アンモニア水蒸発器で得られアンモニア水の蒸発により冷却され100℃−150℃のアンモニア含有ガスを前記脱硝触媒層の前流側の排ガス流路に供給するアンモニア含有ガス噴射ノズルとを設けたことを特徴とする排煙脱硝装置。
  2. ガスタービンから排出する排ガスの流路にアンモニア注入装置と脱硝触媒層を配置した排ガス中の窒素酸化物を除去する排煙脱硝装置において、
    アンモニア注入装置は、前記ガスタービン排ガス流路から排ガスを抽出するエゼクターと、該エゼクターに圧縮空気を供給する圧搾空気ブロアと、該エゼクターで得られ圧縮空気により冷却され300℃以下の排ガスと空気の混合ガスを供給する混合ガス供給部とアンモニア水を供給するアンモニア水供給部とを備えたアンモニア水蒸発器と、該アンモニア水蒸発器で得られたアンモニア含有ガスを前記脱硝触媒層の前流側の排ガス流路に供給するアンモニア含有ガス噴射ノズルとを設け、
    前記ガスタービン排ガス流路とエゼクターの間に設けた排ガス供給部には排ガス流量調整弁と排ガス流量計を設け、
    アンモニア水蒸発器とアンモニア含有ガス噴射ノズルの間のアンモニア含有ガス供給部にはアンモニア含有ガス温度計を設け、
    該アンモニア含有ガス温度計のアンモニア含有ガス測定温度と前記排ガス流量計の排ガス流量の測定値に基づき前記排ガス流量調整弁を調整してアンモニア含有ガス供給部におけるアンモニア含有ガスの温度を100−150℃に制御する制御装置を設けたことを特徴とする排煙脱硝装置。
  3. ガスタービンから排出する排ガスの流路中にアンモニアガスを供給して排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒を用いて除去する排煙脱硝方法において、
    ガスタービン排ガスの一部ガスタービン排ガス流路から抽出して、該抽出した排ガスと圧搾空気を混合させて該排ガスと空気の混合ガスを300℃以下に冷却させた後、さらにアンモニア水と混合させてアンモニア水の蒸発により100℃−150℃に冷却させたアンモニア含有ガスを生成させ、該アンモニア含有ガスをガスタービン排ガス流路に供給して前記脱硝触媒に接触させることを特徴とする排煙脱硝方法。
  4. ガスタービンから排出する排ガスの流路中にアンモニアガスを供給して排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒を用いて除去する排煙脱硝方法において、
    ガスタービン排ガスの一部ガスタービン排ガス流路から抽出して、該抽出した排ガスと圧搾空気を混合させて該排ガスと空気の混合ガスを300℃以下に冷却させた後、さらにアンモニア水と混合させてアンモニア含有ガスを生成させ、該アンモニア含有ガスをガスタービン排ガス流路に供給して前記脱硝触媒に接触させるに際して、前記アンモニア含有ガスの温度と前記ガスタービン排ガス流路から抽出した排ガス流量に基づきガスタービン排ガス流路から抽出する排ガスの流量を調整してアンモニア含有ガスの温度を100−150℃に制御して排ガス流路に供給して前記脱硝触媒と接触させることを特徴とする排煙脱硝方法。
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