JP4274291B2 - マルチレポータ遺伝子検定 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、2種以上のレポータ遺伝子を使用して細胞中の転写活性を検出する方法に関する。
発明の背景
レポータ遺伝子検定は、遺伝子調節要素の研究において有用である。理由は、レポータ遺伝子の活性、すなわちレポータタンパク質の産生が、遺伝子の調節要素の転写活性に正比例するからである。これらの検定に使用するためのレポータ遺伝子コンストラクトは、対象となる1種以上の遺伝子調節要素、機能的mRNAの転写のための最小シーケンス要求及びレポータタンパク質のコード化シーケンスを含む。Alam,J.,et al,Anal.Bioch.,188:245-254(1990)。調節領域内に種々の欠失を含むコンストラクトの分析が、転写及び細胞特異的発現に必要な調節シーケンスのマッピングを可能にする。
レポータタンパク質は、通常、それ自体を存在する他のタンパク質から区別することを可能にする独特な酵素活性又は構造を有している。転写されたレポータタンパク質の活性、すなわち発現するタンパク質の定量が、遺伝子発現の間接的な測定を提供する。レポータ遺伝子検定は、転写レベルで遺伝子発現を制御するシーケンス及び因子の同定を可能にする。Bronstein,I.,et al,BioTechniques,Vol.17,No.1,p.172(1994)。レポータ遺伝子検定の他の用途には、転写レベルで遺伝子を制御するシーケンス及び因子の同定、遺伝子発現レベルに影響し、それを変化させる機構及び因子の研究ならびに細胞ベースの検定における薬物スクリーニングを含む。
感度の低い単一レポータ遺伝子検定では、発現の欠乏又は低い検定感度レベルによって生じる陰性の結果を区別することは困難である。この問題は、より高感度の検定によって解消することができる。マルチ(multiple)遺伝子検定は通常、トランスフェクションの効率を制御するために使用されている。このような検定では、それぞれが異なるレポータ遺伝子を有する2種の別個のプラスミドの混合物を細胞にトランスフェクトする。一方のレポータ遺伝子の発現は、研究対象の異なる調節領域によって制御され、対照として作用する他方のレポータ遺伝子は、標準プロモータ又は増強剤によってほぼ構成的に発現される。実験レポータ酵素の活性を対照レポータ酵素の活性に正規化する。
マルチレポータ遺伝子発現を検定する公知の例では、それぞれ酵素の活性を試験するのに、サンプルの別個のアリコートを別個の検定で使用しなければならない。Alam,J.,et al,Anal.Bioch.,188:245-254(1990)。酵素ごとに別個の部分を試験する必要性が検定の精度を落とし、実験誤差を結果に導入するおそれがある。したがって、細胞抽出物の同じアリコートに対して順に実施されるマルチレポータ遺伝子検定ならば、検定手法が簡素化され、実験誤差が最小限になるであろう。マルチレポータ遺伝子の使用は、薬物発見の高速スクリーニング処理の効率を改善することができる。
適切な実験情報を提供するためには、レポータ検定は、高感度であり、それにより、不十分にしかトランスフェクトしないセルライン中の低レベルのレポータタンパク質の検出を可能にしなければならない。レポータ遺伝子検定の感度は、検出方法ならびにレポータmRNA及びタンパク質代謝回転ならびにレポータ活性の内在(バックグラウンド)レベルの関数である。
一般に使用される検出技術は、同位体、比色、蛍光定量又は発光性酵素基質ならびに同位体又は色終点を用いるイムノアッセイベースの手法を使用する。しかし、これらの系の多くは、これらの検定におけるそれら有用性を制限する欠点を抱えている。たとえば、同位体基質及びイムノアッセイは、費用、感度及び放射性同位元素を使用する不都合さによって制限される。蛍光定量系は、ろ波して蛍光信号を弁別しなければならない外部光源を要し、それにより、感度が制限され、検出系の複雑さが増してしまう。さらには、内在光源からの蛍光が蛍光測定に干渉するおそれがある。比色系は、高感度のレポータ遺伝子検定に望まれる感度を欠く。他方、化学発光及び生物発光検定は、比色検定及び蛍光定量検定によりも高速かつ高感度であることがわかった。Jain,V.K.and Magrath,I.T.,Anal.Biochem.,199:119-124(1991)。したがって、発光検出系を使用する、前記のようなマルチレポータ遺伝子検定を有することが望ましい。
現在、とりわけクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、分泌アルカリ性ホスファターゼ、ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ及びヒト成長ホルモンをはじめとする多数の遺伝子がレポータ遺伝子として使用されている。Bronstein,I.,et al,Anal.Biochem.,219:169-181(1994)。β−ガラクトシダーゼ及びCATが、もっとも広く使用されるレポータ遺伝子のうちの二つである。Alam,et al.,1990)を参照。β−ガラクトシダーゼ検出は、一般に、感度を欠く比色基質を使用して実施される。蛍光基質は、β−ガラクトシダーゼを検出するのも使用されるが、これらの検定もまた、感度を欠き、バックグラウンド自己蛍光及び信号消光によって制限される。CATにもっとも広く使用される検定は、放射性同位体のそれであり、適度な感度しか示さず、ダイナミックレンジが狭いという欠点を抱えている。β−グルクロニダーゼ(GUS)は、植物遺伝研究で非常に広く使用され、哺乳動物細胞ではそれほど使用されないレポータ遺伝子である。GUSにとって一般的な検定は、蛍光基質を使用するが、バックグラウンド自己蛍光及び信号消光によって制限される。ルシフェラーゼは、基質ルシフェリンを使用する非常に高感度の生物発光検定を使用して定量されるにつれ、より広く使用されるレポータ遺伝子となった。
レポータ遺伝子検定に制限されない、ジオキセタン基質を使用する高感度化学発光検定が記載されている。引用例として本明細書に含めるBronsteinの米国特許第4,978,614号明細書。これらのジオキセタン基質は、酵素によって誘発される分解ののち、可視光線を発する。特定の水溶性物質、たとえば疎水性領域を有する球状タンパク質からなる増強剤物質による1,2−ジオキセタン類の化学発光分解の増強が記載されている。引用例として本明細書に含めるVoytaらの米国特許第5,145,772号明細書。これらのジオキセタン基質はまた、たとえばアルカリ性ホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ及びβ−グルクロニダーゼのレポータ遺伝子検定にも使用される。たとえば、Bronstein,I.,et al,Anal.Biochem.,219:169-181(1994)及びその中で引用されている文献を参照。しかし、細胞抽出物の同じアリコートの中の多数のレポータ遺伝子の産物を順に定量する、ジオキセタン基質を使用するレポータ遺伝子検定は記載されていない。
一般に使用されるレポータ遺伝子を検出するための、放射性同位元素を使用せず、外部光源を要しない、簡単で高速で高感度の組み合わせマルチレポータ遺伝子検定がきわめて望ましい。
試薬が、レポータ酵素によって発される光信号を増強するマルチレポータ遺伝子検定を有することが望ましい。また、最大光信号を測定する間に、マルチレポータ遺伝子検定の1種のレポータ酵素からの信号が他のレポータ遺伝子からの信号に有意に干渉しないことが重要である。増強されたレベルの光を発し、したがって、検定のダイナミックレンジ及び感度を増し、広く多様な機器の使用を可能にする検定を得ることは有用である。
発明の概要
本発明の方法は、細胞抽出物の一つのアリコート中の多数のレポータ遺伝子産物を順に検出するための高速で高感度な非同位体的方法を提供する。本発明の方法は、第一のレポータ酵素による基質の分解によって発される光信号を測定することによって第一のレポータ酵素の活性を定量する工程と、第二のレポータ酵素による第二の基質の分解によって発される光信号を測定することによって第二のレポータ酵素の活性を定量する工程とを含み、両方の定量をサンプル抽出物の同じアリコートに対して順に実行する。一つの好ましい実施態様では、第一の基質の存在が、第二の基質の分解によって発される光信号を増強する。
好ましい実施態様では、本発明の方法はさらに、第二のレポータ酵素の活性を定量する前に第一のレポータ酵素から発される光信号を減らす工程を含む。第一のレポータ酵素からの信号を減らす工程は、好ましくは、第一のレポータ酵素を実質的に不活性化するか、第一の基質の量を減らすことを含む。
本発明の方法では、第一のレポータ酵素を実質的に不活性化する工程は、アリコートのpHを変化させるか、アリコートを加熱して第一の酵素を分解するか、特定の試薬、たとえばアルコール類、たとえばイソプロパノールもしくはエタノール、界面活性剤、たとえばセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)又は基質類似体を加えて第一の酵素の活性を減らすことを含む。
本発明の方法では、第一の基質の量を減らす工程は、第一の基質を分解するのに十分な量の第一の酵素をさらに加えることを含む。
本発明の実施に有用であるレポータ酵素には、ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ及び分泌胎盤アルカリ性ホスファターゼがある。好ましくは、第一又は第二のレポータ酵素の少なくとも一方は、ジオキセタン基質と反応することができる加水分解酵素である。有用な加水分解酵素には、アルカリ性及び酸性ホスファターゼ、エステラーゼ、デカルボキシラーゼ、ホスホリパーゼD、β−キシロシダーゼ、β−D−フコシダーゼ、チオグルコシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、α−D−マンノシダーゼ、β−D−マンノシダーゼ、β−D−フルクトフラノシダーゼ、β−D−グルコシドウロナーゼ及びトリプシンがある。一つの好ましい実施態様では、第一のレポータ酵素はルシフェラーゼである。好ましい実施態様では、第二のレポータ酵素はβ−ガラクトシダーゼを含む。一つの特に好ましい実施態様では、第一のレポータ酵素がルシフェラーゼであり、第二のレポータ酵素がβ−ガラクトシダーゼである。
好ましくは、第一又は第二の基質の少なくとも一つがジオキセタン類である。本発明に有用であるジオキセタン基質には、3−(2′−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3″−ホスホリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタン、二ナトリウム塩(AMPPD)、又は二ナトリウム3−(4−メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2′(5′−クロロ)−トリシクロ−[3.3.1.13,7]デカン]−4−イル]フェニルホスフェート(CSPD)、3−(2′−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3″−β−D−ガラクトピラノシル)フェニル−1,2−ジオキセタン(AMPGD)、3−(4−メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2′−(5′−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン]−4−イル−フェニル−β−D−ガラクトピラノシド(GalactonTM)及び5−クロロ−3−(メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2′−(5′−クロロ)トリシクロ[3.1.13,7]デカン−4−イル−フェニル−β−D−ガラクトピラノシド(Galacton-Plus)がある。
特定の実施態様では、方法はさらに、水溶性ポリマー増強剤分子を加えて、ジオキセタン類の酵素分解によって発される光信号を増強する工程を含む。ジオキセタン類ごとに1種の増強剤を用いてもよいし、多数の基質に同じ増強剤を使用してもよい。本発明の実施に有用であるポリマー増強剤には、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン又はポリマー第四級オニウム塩がある。ポリマー第四級オニウム塩は、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(TMQ)、ポリビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(TBQ)、ポリビニルベンジルトリブチルホスホニウムクロリド、ポリビニルベンジルベンジルジメチルアンモニウムクロリド(BDMQ)又はポリビニルトリブチルスルホニウムクロリドを含む。他のコポリマー、たとえば水溶性の第四級アンモニウム−ホスホニウム、アンモニウム−スルホニウム及びスルホニウム−ホスホニウムのポリマーもまた、増強剤分子として有用である。
他の実施態様では、これらの方法はさらに、第二の酵素活性を測定する前に促進剤溶液を加える工程を含む。促進剤溶液は、第一のレポータ酵素を実質的に不活性化し、同時に、第二の酵素によって発される光信号を増大するのに使用される。促進剤溶液は、水溶性ポリマー増強剤分子を含む。好ましくは、促進剤のpHは約9〜約12である。促進剤は、細胞抽出物のアリコートに加えられると、アリコートのpHを変化させる。たとえば、好ましい実施態様では、促進剤溶液は、約10.8のpHにある。促進剤は、アリコートに加えられると、アリコートのpHを約6.0から9.0超まで高める。変化したアリコートのpHは、第一のレポータ酵素の活性を減らし、第二の基質の分解から蓄積した酵素産物からの信号の発生を活性化する。前段落で記載したポリマー増強剤は、促進剤溶液中で使用される。
本発明の方法はまた、細胞抽出物の一つのアリコートの中の多数の酵素活性を測定することによって2種を超えるレポータ遺伝子の産物を定量する方法を提供する。一つのこのような方法は、(a)第一の基質の分解によって発される光信号を測定することによって細胞抽出物のアリコート中の第一のレポータ酵素の活性を定量する工程と、(b)第二の基質の分解によって発される光信号を測定することによって細胞抽出物のアリコート中の第二のレポータ酵素の活性を定量する工程と、(c)第三の基質の分解によって発される光信号を測定することによって細胞抽出物のアリコート中の第三のレポータ酵素の活性を定量する工程とを含み、すべての定量をサンプル抽出物の同じアリコートに対して順に実行する。この方法では、第一、第二及び第三の基質が異なり、基質の少なくとも一つがジオキセタンである。特定の実施態様では、2種を超えるレポータ遺伝子の産物を測定する方法はさらに、後のレポータ酵素の活性を定量する前に、レポータ酵素の活性を減らす工程を含む。たとえば、第二のレポータ酵素の活性を定量する前に、第一のレポータ酵素の第一の基質によって発される光信号を減らす。この方法はさらに、第二のレポータ酵素の活性を測定したのち、第三のレポータ酵素の活性をさらに測定する工程を含む。
本発明はまた、サンプル抽出物のアリコート中の1種を超えるレポータ遺伝子の産物を検出するためのシステムであって、1種を超えるレポータ酵素それぞれを定量するための試薬と、レポータ酵素それぞれの基質(基質の少なくとも一つがジオキセタンである)と、水溶性ポリマー増強剤分子を含む促進剤溶液とを含むシステムを提供する。促進剤溶液は、第二又は第三のレポータ酵素−基質反応から発される信号を誘発し、第一のレポータ酵素の活性を減らすための、約9〜約12のpHにある水溶性ポリマー増強剤分子を含む。ポリマー増強剤は、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン又はポリマー第四級アンモニウム、スルホニウム及びホスホニウム塩を含む。ポリマー第四級アンモニウム、スルホニウム及びホスホニウム塩は、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(TMQ)、ポリビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(TBQ)、ポリビニルベンジルベンジルジメチルアンモニウムクロリド(BDMQ)、ポリビニルベンジルスルホニウムクロリド又はポリビニルベンジルトリブチルホスホニウムクロリドを含む。他のコポリマー、たとえばアンモニウム−ホスホニウム、アンモニウム−スルホニウム及びスルホニウム−ホスホニウムの第四級ポリマーもまた増強剤分子として有用である。
本発明の一つの好ましい実施態様は、サンプル抽出物のアリコート中の1種を超えるレポータ遺伝子の産物を測定する方法を提供する。この方法は、(a)第一のレポータ酵素産物の基質である第一の基質と、第二のレポータ酵素産物の基質である第二の基質と(ここで、第一の基質は、第一の酵素ルシフェラーゼの検出のためのルシフェリンを含み、第二の基質はジオキセタンを含み、第二の酵素が加水分解酵素である)を、細胞抽出物のアリコートに加える工程と、(b)第一のレポータ酵素の活性を測定する工程と、(c)アリコートのpHを高めることにより、第一のレポータ酵素を実質的に不活性化し、同時に、第二のレポータ酵素の分解した基質から発される化学発光信号を実質的に増大する促進剤溶液を加える工程と、(d)細胞抽出物の同じアリコート中の第二のレポータ酵素の分解した基質から発される化学発光信号を測定する工程とを含み、第一の基質の存在が第二の基質の分解によって発される光信号を増強する。一つの好ましい実施態様では、第一のレポータ酵素がルシフェラーゼであり、第二のレポータ酵素がβ−ガラクトシダーゼである。
本発明は、当該技術で以前に実施されていたように、細胞抽出物の別個のアリコートを使用して各酵素を個々に測定するのではなく、細胞抽出サンプルの同じアリコート中の第一及び第二のレポータ酵素の活性を順に検出する方法を提供する。したがって、本発明の方法は、実験誤差の可能性を減らし、それにより、より信頼しうるデータを可能にする。
発明の詳細な説明
本発明の方法は、細胞抽出物サンプルの一つのアリコート中の多数のレポータ遺伝子活性を順に検出するための高速で高感度な非同位体的方法を提供する。本発明の方法は、1種を超えるレポータ遺伝子をトランスフェクトされた細胞の転写活性を測定するのに特に有用である。これらの細胞のトランスフェクションは、当該技術で公知の方法によって達成される。たとえば、Alam,J.and Cook,J.L.,Anal.Bioch.188:245-254(1990)を参照。通常、細胞には、それぞれ異なるレポータ遺伝子を有する2種の別個のプラスミドのDNA混合物が同時にトランスフェクトされる。一方のプラスミドは、公知の対照プロモータによって発現が調節されるレポータ遺伝子を有する。このレポータ遺伝子は対照として働く。第二のプラスミドは、研究対象の調節領域によって発現が制御される第二のレポータ遺伝子を有する。各レポータ遺伝子の転写は、その産物「レポータ酵素」の活性を測定することによって分析される。第二のレポータ酵素の活性は通常、第一のレポータ酵素の活性に正規化される。同書249。
一つの実施態様では、サンプル抽出物のアリコート中の1種を超えるレポータ遺伝子産物の活性を測定する本発明の方法は、(a)第一のレポータ酵素による第一の基質の分解から発される光信号を測定することによって第一のレポータ酵素の活性を定量する工程と、(b)第二の酵素による第二の基質の分解から発される光信号を測定することによって第二のレポータ酵素の活性を定量する工程とを含み、両方の定量をサンプル抽出物の同じアリコートに対して順に実行する。基質から発される発光信号の強さは、酵素の活性、すなわち、酵素がその基質を分解する能力の点での酵素の効力の関数である。
本発明に有用である第一及び第二のレポータ酵素は、酵素活性を示し、基質を分解して光信号を発生させる遺伝子から産生されるタンパク質を含む。このよう酵素の例には、ルシフェラーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、カルボキシルエステラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、スルファターゼ、ウレアーゼ、ペプチダーゼ、プロテアーゼ及び他の酵素がある。さらに、好ましい実施態様では、レポータ酵素の少なくとも一つが加水分解酵素である。これらの実施態様のいくつかでは、第二のレポータ酵素が加水分解酵素であることが好ましい。他の実施態様では、両方の酵素が加水分解酵素であり、アルカリ性及び酸性ホスファターゼ、エステラーゼ、デカルボキシラーゼ、ホスホリパーゼD、β−キシロシダーゼ、β−D−フコシダーゼ、チオグルコシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、β−D−グルクロニダーゼ、α−D−マンノシダーゼ、β−D−マンノシダーゼ、β−D−フルクトフラノシダーゼ、β−D−グルコシドウロナーゼ及びトリプシンから選択することができる。
本発明の方法では、レポータ酵素の基質は、光信号を発することができる発光基質を含む。好ましくは、第一の基質が第二の基質とは異なり、少なくとも一つの基質がジオキセタン類である。ジオキセタン類は、4員環を有し、そのうち2員が隣接する酸素原子である分子である。ジオキセタン類は、熱的、化学的又は光化学的に分解してカルボニル生成物、たとえばエステル、ケトン又はアルデヒドを形成することができる。光の形態におけるエネルギーの放出(すなわち発光)が分解に伴う。ジオキセタン基質は、対応する酵素によって開裂することができる酵素開裂性基を含む。レポータ酵素がこの酵素開裂性基を基質から開裂させて、ジオキセタンに結合した負の電荷を帯びた基(たとえば酸素アニオン)を形成する。このジオキセタンアニオンが分解して発光物質を形成する。この光信号が、酵素の存在及び量の指標として検出される。発光の強さを測定することにより、レポータ酵素の濃度を測定することができる。
一つの好ましい実施態様では、ジオキセタン含有基質は、好ましくは、次式で示される。
Figure 0004274291
式中、Tは、スピロ結合によって4員ジオキセタン環に結合した、置換(すなわち、1個以上のC1〜C7アルキル基又はヘテロ原子基、たとえばハロゲンを含む)もしくは非置換のシクロアルキル環(環の中に炭素原子6〜12個を有する)又はポリシクロアルキル基(2個以上の縮合環を有し、各環が独立して炭素原子5〜12個を有する)、たとえばクロロアダマンチル又はアダマンチル基、もっとも好ましくはクロロアダマンチルであり、Yは、蛍光発色団であり(すなわち、Yは、エネルギーを吸収して励起状態、すなわち、より高いエネルギー状態を形成し、その状態から光を発してその元のエネルギー状態に戻ることができる基である)、Xは水素、直鎖又は分岐鎖状のアルキル又はヘテロアルキル基(炭素原子1〜7個を有するもの、たとえばメトキシ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシエチル、トリフルオロエトキシ又はヒドロキシプロピル)、アリール基(少なくとも1個の環を有するもの、たとえばフェニル)、ヘテロアリール基(少なくとも1個の環を有するもの、たとえばピロリル又はピラゾリル)、ヘテロアルキル基(環の中に炭素原子2〜7個を有するもの、たとえばジオキサン)、アラルキル基(少なくとも1個の環を有するもの、たとえばベンジル)、アルカリール基(少なくとも1個の環を有するもの、たとえばトリル)又は酵素開裂性基、すなわち、酵素によって開裂して、ジオキセタンに結合した電子に富む基を生むことができる部分を有する基、たとえば、リン−酸素結合を酵素、たとえば酸性ホスファターゼもしくはアルカリ性ホスファターゼによって開裂して、ジオキセタンに結合した負の電荷を帯びた酸素を生むホスフェート、又はORであり、Zは水素、ヒドロキシル又は酵素開裂性基(上述したもの)であり、ただし、レポータ酵素が酵素開裂性基を開裂させて、ジオキセタンに結合した負の電荷を帯びた基(たとえば、酸素アニオン)を形成し、その負の電荷を帯びた基が、ジオキセタンを分解させて、基Yを含む発光物質(すなわち、光の形態でエネルギーを発する物質)を形成するよう、X又はZの少なくとも一方が酵素開裂性基でなければならない。発光信号は、レポータ酵素の活性の指標として検出される。発光の強さを測定することにより、レポータ酵素の活性を測定することができる。
式IのXがORであるとき、基Rは、炭素原子1〜20個を有する直鎖又は分岐状のアルキル、アリール、シクロアルキル又はアリールアルキルである。Rは、P、N、S又はOであってもよいヘテロ原子1個又は2個を含むことができる。置換基Rはハロゲン化されている。ハロゲン化の程度は、アダマンチル基、アリール基上の置換基の選択及び想定される具体的用途に望まれる酵素の反応速度に依存して異なる。もっとも好ましくは、Rはトリハロアルキル基である。好ましい群には、トリハロ低級アルキル、たとえばトリフルオロエチル、トリフルオロプロピル、ヘプタフルオロブチロール、ヘキサフルオロ−2−プロピル、α−トリフルオロメチルベンジル、α−トリフルオロメチルエチル及びジフルオロクロロブチル基がある。置換基Rの炭素原子は、ハロゲンによって部分的又は完全に置換されていてもよい。Rがアリールであるとき、好ましい基は、1個以上のクロロ、フルオロもしくはトリフルオロメチル基で置換されているフェニル環、たとえば2,5−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル又は3−トリフルオロメチルフェニルを含むことができる。フッ素及び塩素が特に好ましい置換基であるが、特別な場合には臭素及びヨウ素を用いてもよい。
基Yは、酵素開裂性基Zに結合した蛍光発色団又は発蛍光団である。Yは、レポータ酵素が基Zを開裂させ、それにより、ジオキセタンを不安定化させる電子に富む基を形成してジオキセタンを分解させたとき、ジオキセタンの分解によって発光する。分解が2種の別個のカルボニル化合物を生成し、その一方が基Tを含み、他方が基X及びYを含む。ジオキセタン分解から放出されるエネルギーが、X及びY基を含む化合物を発光させる(Xが水素であるならば、アルデヒドが生成される)。Yは好ましくはフェニル又はアリールである。アリール基は、式Iにおけるような基Zを有し、さらには、1994年4月25日に出願された米国特許出願第08/231,673号に記載のような、1〜3個の電子活性基、たとえば塩素又はメトキシを有している。
いかなる発色団をもYとして使用することができる。一般に、感度を高めるため、量子収率を最大限にする発色団を使用することが望ましい。したがって、Yは普通、芳香族基を含有する。適当な発色団の例は、米国特許第4,978,614号明細書にさらに詳述されている。
発色団Yに結合された基Zは、酵素開裂性基である。酵素と接触すると、酵素開裂性基は開裂して、発色団Yに結合した電子に富む基を生む。この基がジオキセタンの分解を誘発して、2種の別個のカルボニル含有化合物、たとえば、ケトンもしくはエステル、基Xが水素であるならばアルデヒドに分解する。電子に富む基の例には、酸素、硫黄及びアミンもしくはアミノアニオンがある。もっとも好ましい基は酸素アニオンである。適当なZ基及びそのような基に特異的な酵素の例が、米国特許第4,978,614号明細書の表Iに一覧されている。このような酵素には、アルカリ性及び酸性ホスファターゼ、エステラーゼ、デカルボキシラーゼ、ホスホリパーゼD、β−キシロシダーゼ、β−D−フコシダーゼ、チオグルコシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、β−D−グルコウロニダーゼ、α−D−マンノシダーゼ、β−D−マンノシダーゼ、β−D−フルクトフラノシダーゼ、β−D−グルコシドウロナーゼ及びトリプシンがある。
ジオキセタン類はまた、T、Y及びXのいずれかに結合した1個以上の可溶化置換基、すなわち、ジオキセタン類の水溶性を高める基を含むことができる。可溶化置換基の例には、カルボン酸、たとえば酢酸、スルホン酸、たとえばメタンスルホン酸及び第四級アミノ塩、たとえば臭化アンモニウムがあり、もっとも好ましい可溶化置換基はメタン又はエタンスルホン酸である。
本発明の実施に有用である他のジオキセタン類は、米国特許第5,089,630号明細書、米国特許第5,112,960号明細書、1993年5月7日出願の米国特許出願第057,903号及び1994年4月25日出願の米国特許出願第08/231,673号に記載されている。
アルカリ性ホスファターゼ又は分泌ヒト胎盤アルカリ性ホスファターゼ(SEAP)をレポータ酵素として使用する検定の場合、そのような酵素の基質は、好ましくは、ホスフェート含有ジオキセタン、たとえば3−(2′−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3″−ホスホリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタン、二ナトリウム塩(AMPPD)、又は二ナトリウム3−(4−メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2′(5′−クロロ)−トリシクロ−[3.3.1.13,7]デカン]−4−イル]フェニルホスフェート(CSPD)をそれぞれ含む。
β−ガラクトシダーゼをレポータ酵素として使用する検定の場合、基質は、好ましくは、ガラクトシダーゼ開裂性又はガラクトピラノシド基を含むジオキセタン類を含む。β−ガラクトシダーゼを使用するとき、ジオキセタン基質からの糖基の酵素開裂の結果として発光が起こる。このような基質の例は、3−(2′−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3″−β−D−ガラクトピラノシル)フェニル−1,2−ジオキセタン(AMPGD)、3−(4−メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2′−(5′−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13,7]−デカン]−4−イル−フェニル−β−D−ガラクトピラノシド(GalactonTM)及び5−クロロ−3−(メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2′−(5′−クロロ)トリシクロ[3.1.13,7]デカン−4−イル−フェニル−β−D−ガラクトピラノシド(Galacton-PlusTM)である。
β−グルクロニダーゼをレポータ酵素として使用する検定の場合、基質は、β−グルクロニダーゼ開裂性基、たとえばグルクロニドを含むジオキセタンを含む。カルボキシルエステラーゼを使用する検定の場合、酵素は、ジオキセタンのエステル基を開裂させる。プロテアーゼ及びホスホリパーゼを使用する検定の場合、酵素は、ジオキセタンに結合した適当な酵素開裂性基を開裂させる。
本発明の検定の好ましい実施態様では、第一のレポータ酵素の活性の定量中に第一及び第二の基質がいずれもアリコート中に存在する。これらの実施態様では、第二のレポータ酵素及びその基質の存在が、第一のレポータ酵素の活性又は第一のレポータ酵素による第一の基質の分解によって発される光信号の測定に干渉しない。一つの好ましい実施態様では、第一の基質の分解によって発される光は、第二の基質の分解の生成物が光を発さないpHで起こる。すなわち、第一の測定の間には、第二の酵素は活性ではない。一つのそのような実施態様では、第二の基質との酵素反応の生成物は、アリコートの環境がこの第二の酵素反応の生成物による発光を抑止するため、第一の定量中に測定可能な信号を発しない。たとえば、第一の基質の分解による発光の測定は、好ましくは、中性pHで起こる。第二のレポータ酵素はまた、この期間中その基質に対して作用するが、このpHでは、この反応から光の有意な発生は起こらない。pHを高め、第二の酵素反応の発光を測定する前に、所定の期間を経過させて、その反応の生成物を蓄積させ、それにより、より強い光信号を発生させることが好ましい。
本発明の他の実施態様では、アリコート中の第二のレポータ酵素の存在が、第一のレポータ酵素の活性又はその第一の酵素によって発される光信号の測定に干渉しない。これらの実施態様では、方法はさらに、第一の酵素の活性を定量したのち、第二のレポータ酵素の酵素活性を増大させる工程を含む。これは、酵素活性を活性化するための当該技術で公知の方法によって容易に達成することができる。特に好ましい実施態様では、アリコートのpHを調節して、第二の定量の前に第二の酵素が活性を示す環境を作り出す。たとえば、アルカリ性ホスファターゼを第二のレポータ酵素として使用する実施態様では、アルカリ性ホスファターゼの活性がアルカリ性pHで増大するため、アリコートのpHを高める。
他の実施態様では、第二の酵素の存在は、第一の基質からの光信号の測定に対し、この測定期間中に第二の酵素の基質がアリコート中に存在しないため、干渉しない。このような実施態様では、第二の酵素は活性であるが、それが作用する相手の基質がない。一つの好ましい実施態様では、第一のレポータ酵素の活性を減らしたのち、又は第一の酵素反応によって発された信号の減少ののち、第二のレポータ酵素の活性を第二の基質の添加によって誘発する。たとえば、β−ガラクトシダーゼを第一のレポータ酵素として使用し、アルカリ性ホスファターゼを第二のレポータ酵素として使用する検定では、β−ガラクトシダーゼ反応の結果としての発光は、中性よりも高いpHで最適化される。しかし、増大したpHは、第二のレポータ酵素であるアルカリ性ホスファターゼを同時に活性化し、それが、第一のレポータ酵素の活性の定量に干渉する光を発するおそれがある。このような検定では、第一の定量の後で第二の基質を加えることが好ましく、もっとも好ましくは、光信号が減衰した後で加える。この添加は容易に達成され、当該技術で公知であるような注入装置を有する検出装置を使用する場合に特に易しい。
第一のレポータ酵素による第一の基質の分解によって発される光信号は、第二のレポータ酵素によって発される光信号の定量に干渉しない。好ましい実施態様では、これは、第一の基質の分解によって発される光信号を測定した後、かつ、第二のレポータ酵素の活性を定量する前に、第一のレポータ酵素の基質によって発された信号を減らすことによって達成される。
いくつかの好ましい実施態様では、第一のレポータ酵素を実質的に不活性化することにより、第一のレポータ酵素の基質から発される信号を減らす。第一のレポータ酵素を実質的に不活性化する方法は当該技術で公知である。しかし、これらの方法は、第二の酵素産物の活性の測定に干渉してはならない。本発明の一つの好ましい方法では、アリコートのpHを変化させることにより、第一のレポータ酵素を実質的に不活性化する。pHは、酵素に依存して酸又は塩基をアリコートに加えて、第一の酵素にとって不都合な環境を提供することによって変化させることができる。好ましくは、アリコートのpHを高める。これが第一の酵素を不活性化し、それが、その基質をさらに分解し、光信号を発生させることを防ぐ。もう一つの実施態様では、アリコートを加熱して第一の酵素を分解させるか、特定の阻害剤を加えることができる。阻害剤の例には、アルコール類、たとえばイソプロパノールもしくはエタノール、界面活性剤、たとえばセチルトリメチルアンモニムブロミド(CTAB)又は酵素に結合し、酵素を不活性化する基質類似体がある。
他の実施態様では、第一の基質の量を減らすことにより、第一の酵素の基質によって発される信号を減らす。適切な方法は、当業者により、使用される具体的な酵素及び基質に基づいて選択することができる。しかし、そのような一つの実施態様では、好ましくは、第一のレポータ酵素の定量ののち残留する第一の基質を分解するのに十分な量の第一の酵素をさらに加えることにより、基質濃度を減らす。たとえば、第一の酵素、たとえばアルカリ性ホスファターゼによる第一の基質の分解から発される光信号を測定したのち、残留基質を分解し、潜在的に干渉性の光信号を防ぐのに十分な量のアルカリ性ホスファターゼをアリコートに加える。第二の基質は第二のレポータ酵素に独特であるため、過剰な第一の酵素の存在が、第二の光信号の検出に干渉することはない。ジオキセタン基質を第一及び第二のレポータ酵素の両方に使用するとき、これは有用である。
もう一つの実施態様では、第一の基質の量を減らす工程は、アリコートを加熱して第一の基質を分解することを含む。熱不活性化は、好ましくは、第一の基質の不活性化ののち第二の基質を加える実施態様で使用される。
本発明の特定の実施態様では、第一の基質の存在が、第二の基質の分解によって発される光信号を増強する。この増強された信号がより高感度の検定を提供する。本発明者は理論によって拘束されることを意図しないが、第二の基質の分解によって発されるエネルギーが残る第一の基質に移され、それにより、発される光信号を強さを増強すると考えられる。本発明の一つの好ましい実施態様では、第一の基質はルシフェリンである。この実施態様では、第二の基質は好ましくはジオキセタン基質である。ルシフェリンは、非常に効率的なエネルギー受容体であり、ジオキセタン分解から発生する励起状態からのエネルギー移動の結果として光信号を発すると考えられる。これがより大きな信号強さを発生させる。たとえば、増強された信号は、ルシフェリンの非存在下における同じ反応に比べ、ルシフェリンの存在下における、5−クロロ−3−(メトキシスピロ)[1,2−ジオキセタン−3,2′−(5′−クロロ)トリシクロ[3.3.13.7]−デカン−4−イル−フェニル−β−D−ガラクトピラノシドとβ−ガラクトシダーゼとの反応によって起こる。この増強された信号が高感度の検定を提供し、8fg〜20ngの範囲のβ−ガラクトシダーゼの検出を可能にする。
本発明の特定の好ましい実施態様は、レポータ酵素によるジオキセタン基質の酵素分解によって発される光信号を増強する水溶性の増強剤分子を加える工程をさらに含む。
一般に高分子性である特定の水溶性の天然物質及び合成物質が、一部に疎水性環境を提供することにより、化学発光信号の強さを増強する。これらの物質、たとえば、疎水性領域を含む水溶性の球状タンパク質、哺乳動物血清アルブミン、たとえばウシ血清アルブミン(BSA)及びヒト血清アルブミン(HSA)又は水溶性ポリマー第四級オニウム塩、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(TMQ)もしくはポリビニルベンジルベンジルジメチルアンモニウムクロリド(BDMQ)及びポリビニルベンジルトリブチルホスホニウムクロリドが、水溶液中での酵素開裂性1,2−ジオキセタン類の分解によって発される化学発光信号の強さを増大させる。コポリマー、たとえば水溶性第四級アンモニウム−ホスホニウム、アンモニウム−スルホニウム及びスルホニウム−ホスホニウムのポリマーが増強剤分子として有用である。
有効量の増強剤物質(1種以上)の存在のおかげで、水性媒体中で発される光の強さが、そのような増強剤の非存在下で発される光の強さに比較して有意に増す。これらの化合物は、1,2−ジオキセタン類からの化学発光信号の強さを少なくとも10%増強するが、通常は少なくとも10倍、しばしば少なくとも100〜1,000,000倍増強する。
このような増強剤物質に含まれるものは、疎水性領域を含む高分子球状タンパク質、一般には、SDSゲル電気泳動によって測定して約1000〜約600,000ダルトンの分子量を有するもの、哺乳動物血清アルブミン、たとえばBSA、HSAなど、球状タンパク質、たとえば哺乳動物IgG、IgE、プロテインA、アビジンなど、血清リポタンパク質、アポリポタンパク質などである。
本発明を実施するのに使用することができる合成オリゴマー又はポリマー増強剤物質は、まず、水溶性ポリビニルアリール第四級オニウム塩、たとえば次式で示されるポリビニルベンジル第四級アンモニウム、スルホニウム及びホスホニウム塩を含む。
Figure 0004274291
式中、E+はP、N又はSであることができる。
この式中、R1、R2及びR3それぞれは、炭素原子1〜20個を有する直鎖又は分岐鎖状の非置換アルキル基、たとえばベンジル、メチル、エチル、n−ブチル、tert−ブチル、セチルなど;1個以上のヒドロキシ、アルコキシ、たとえばメトキシ、エトキシ、ベンジルオキシもしくはポリオキシエチルエトキシ、アリールオキシ、たとえばフェノキシ、アミノもしくは置換アミノ、たとえばメチルアミノ、アミノ、たとえばアセトアミドもしくはコレステリルオキシカルボニルアミド又はフルオロアルカンもしくはフルオロアリール、たとえばヘプタフルオロブチル基によって置換されている、炭素原子1〜20個を有する直鎖又は分岐鎖状のアルキル基;環炭素原子3〜12個を有する非置換のモノシクロアルキル基、たとえばシクロヘキシルもしくはシクロオクチル;1個以上のアルキル、アルコキシもしくは縮合ベンゾ基で置換されている、環炭素原子3〜12個を有する置換モノシクロアルキル基、たとえばメトキシシクロヘキシルもしくは1,2,3,4−テトラヒドロナフチル;非置換であるか、1個以上のアルキル、アルコキシもしくはアリール基で置換されている、2個以上の縮合環(それぞれ炭素原子5〜12個を有する)を有するポリシクロアルキル基、たとえば1−アダマンチルもしくは3−フェニル−1−アダマンチル;非置換であるか、1個以上のアルキル、アリールもしくはフルオロアルカン又はフルオロアリール基で置換されている、全体で少なくとも1個の環及び炭素原子6〜20個を有する、アリール、アルカリールもしくはアラルキル基、たとえばフェニル、ナフチル、ペンタフルオロフェニル、エチルフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、フェニルベンジル又はデヒドロアビエチルであることができ、R1、R2及びR3の少なくとも2個が、それらが結合した第四級原子とともに、炭素原子3〜5個及びヘテロ原子1〜3個を有し、ベンゾアニル化されていてもよい、飽和又は不飽和であり、非置換又は置換されており、窒素を含有する、窒素及び酸素を含有する、又は窒素及び硫黄を含有する環、たとえば、1−ピリジル、1−(3アルキルもしくはアラルキル)イミダゾリウム、モルホリノ、ピペリジノもしくはアシルピペリジノ、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール又はベンズアミダゾールを形成することができる。
記号X-は、たとえばハロゲンイオン、すなわちフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオンもしくはヨウ素イオン、硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、たとえばメチルスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオン、たとえばp−トルエンスルホン酸イオン、置換アリールスルホン酸イオン、たとえばアニリノナフチレンスルホン酸イオン(種々の異性体)、ルシファーイエローCH(luciferyellow CH)及びジフェニルアントラセンスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、アルカン酸イオン、たとえば酢酸イオン、アリールカルボン酸イオン、たとえばフルオレセインもしくはフルオレセイン誘導体、ベンゾ複素環式アリールカルボン酸イオン、たとえば7−ジエチルアミノ−4−シアノクマリン−3−カルボン酸イオン又は置換モノアリールオキシリン酸イオン、たとえば3−(2′−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−(3″−ホスホリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタンジアニオン又は上記式(I)で示した他のジアニオンを単独で、又は組み合わせて含むことができる対イオンを表す。
記号nは、そのようなポリビニルベンジル第四級オニウム塩の分子量が、極限粘度数又はLALLS技術によって測定して約800〜約200,000、好ましくは約20,000〜約70,000になるような数を表す。
そのような水溶性ポリ(ビニルベンジル第四級アンモニウム塩)の例は、TMQ、BDMQなどである。
また、Bronstein-Bonteらの米国特許第4,124,388号明細書に開示され、特許請求されている、式
Figure 0004274291
(式中、E+はP、N又はSであることができ、各R4は、同じ又は異なる脂肪族置換基であり、X1はアニオンである)
で示される、ポリビニルアルコール及びホルミルベンジル第四級オニウム塩の水溶性アセタールを、本発明を実施する際に増強剤物質として使用することができる。そして、上記式IIのポリビニルベンジル第四級オニウム塩を調製するのに使用される個々のビニルベンジル第四級オニウム塩モノマーを、ポリマーが式IIに示されている他のビニルベンジル第四級オニウム塩モノマー又は第四級オニウム官能基を有しない他のエチレン性不飽和モノマーとで共重合させて、Landらの米国特許第4,322,489号明細書、Bronstein-Bonteらの米国特許第4,340,522号明細書、Landらの米国特許第4,424,326号明細書、Bronstein-Bonteらの米国特許第4,503,138号明細書及びBronstein-Bonteの米国特許第4,563,411号明細書に開示され、特許請求されているようなポリマーを得ることができる。これらのポリマーはすべて、本発明を実施する際に増強剤物質として使用することができる。好ましくは、これらの第四級化されたポリマーは、式IIのポリビニルベンジル第四級アンモニウム塩に関して上記した上述した範囲の分子量を有する。
前記ポリマーに加えて、又はそれらに代えて、他の水溶性オリゴマー、ホモポリマー及びコポリマー物質を増強剤物質として使用することができ、それらは、米国特許第5,145,772号明細書にさらに記載されている。
使用する増強剤物質の量は、選択する具体的な増強剤ならびに存在する化学発光化合物の量及びタイプに依存して異なる。当業者であれば、本教示に基づいて必要量を容易に決定することができる。さらには、米国特許第5,145,772号明細書に含まれる開示内容が、本発明を実施する際に当業者を支援するであろう。
増強剤分子は、本発明の方法の間、いかなる時点で加えてもよい。第二の基質ではなく第一の基質がジオキセタン類であるならば、増強剤は、第一のレポータ酵素の定量の前又はそれと同時に加えることが好ましい。第一の基質ではなく第二の基質がジオキセタン類であるならば、増強剤は、いかなる時点で加えてもよいが、好ましくは、第一のレポータ酵素の定量の後かつ第二のレポータ酵素の定量の前又はそれと同時に加えることが好ましい。第一及び第二の基質がいずれもジオキセタン類であるならば、増強剤分子は、定量の前又は第一のものと同時に加えることが好ましい。この最後の実施態様では、1種の増強剤を使用して、両方の基質の分解によって発される光信号を増強することができる。あるいはまた、基質ごとに異なる増強剤を使用する。
いくつかの実施態様では、第一の酵素の基質によって発される光信号の定量の後でインキュベーション期間を設けて、一部には、第一の基質によって発された光信号を減衰させる。インキュベーション期間の長さは、第一のレポータ酵素の濃度及び基質によって発される光信号の半減期に依存する。第一のレポータが高い濃度で存在するならば、それが次の低レベルのレポータ酵素の定量に干渉するかもしれない。より長いインキュベーション期間が、第一のレポータ酵素の基質からの残留光信号を減らす。インキュベーション期間は、好ましくは10〜120分、より好ましくは20〜90分、もっとも好ましくは30〜60分である。本発明の教示を考慮すると、インキュベーション期間の適切な長さは、当業者によって容易に決定することができる。選択したインキュベーション期間にかかわらず、促進剤の添加時期及び促進剤を添加した後で第二のレポータ酵素によって発される信号の測定時期は、検定中で一定に維持されなければならない。
本発明は、2種を超えるレポータ遺伝子産物の活性を測定する方法を提供する。一つの好ましい実施態様では、この方法は、まず、第一の基質の分解によって発される光信号を測定することによって細胞抽出物のアリコート中の第一のレポータ酵素の活性を定量する工程と、次いで、第一のレポータ酵素の活性を減らす工程とを含む。この方法はまた、第二の基質の分解によって発される光信号を測定することによって細胞抽出物のアリコート中の第二のレポータ酵素の活性を定量する工程を含む。この方法はさらに、第三の基質の分解によって発される光信号を測定することによって細胞抽出物のアリコート中の第三のレポータ酵素の活性を定量する工程を含む。すべての定量を、サンプル抽出物の同じアリコートに対して順に実行する。
本発明の方法は、いかなるルミノメータ、好ましくは自動注入器を備えたルミノメータ又は発光の測定が可能である他の計器で実施することができる。この方法はまた、注入器を1個しか備えないルミノメータででも有用である。しかし、注入器を1個しか使用しない場合、第二の緩衝液及び促進剤の注入の合間に注入器を徹底的にすすぐことが好ましい。促進剤をサンプルに添加した後ほぼ同じ間隔をおいて各サンプルの光信号を測定することができるならば、この方法を、手作業による注入によって実施することもできる。
多数の要因、たとえばサンプルの入手可能性、計器及び試薬の入手可能性が、使用される細胞抽出物のアリコートの量を決定する。好ましくは、使用される細胞抽出物のアリコートの量は、1〜100μl、より好ましくは2〜20μl、もっとも好ましくは約2〜10μlの範囲である。細胞抽出物を得るためにトランスフェクトした細胞を溶解させるのに使用される溶液は、当該技術で公知であるいかなる溶解溶液であってもよい。
本発明の方法は、高感度であり、精製ルシフェラーゼ約1fg〜20ng、精製β−ガラクトシダーゼ10fg〜20ng、精製アルカリ性ホスファターゼ2fg〜100ng及び精製β−グルクロニダーゼ10fg〜100ngから検出する。
一つの好ましい実施態様では、第一のレポータ酵素の基質である第一の基質及び第二のレポータ酵素の基質である第二の基質を細胞抽出物のアリコートに加えることにより、サンプル抽出物のアリコート中の1種を超えるレポータ遺伝子産物の活性を測定する。この好ましい実施態様では、第一の酵素がルシフェラーゼであり、第二の酵素が加水分解酵素であり、第一の基質がルシフェリンであり、第二の基質がジオキセタン類である。第二のレポータ酵素は、好ましくは、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ及びカルボキシルエステラーゼから選択される。好ましい実施態様では、第二のレポータ酵素はβ−ガラクトシダーゼである。この実施態様では、方法は、第一の酵素の基質を第二の酵素の基質と同時に加える工程と、ルシフェラーゼ−ルシフェリン反応から発される光信号を測定することにより、第一のレポータ酵素の基質による化学発光信号を測定する工程と、第二の酵素の基質を同時に加える工程を含む。そして、この方法は、アリコートのpHを高めることによって第一のレポータ酵素を実質的に不活性化する促進剤溶液を加える工程を含む。アリコートの増大したpHはまた、第二のレポータ酵素−第二の基質反応の蓄積した生成物からの発光を活性化する。促進剤溶液はまた、前述したように、第二のレポータ酵素のジオキセタン基質の分解によって発される光信号を増強する増強剤、たとえばポリビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリドを含む。そして、細胞抽出物の同じアリコート中の化学発光信号の強さを読むことにより、第二のレポータ酵素の活性を測定する。ルシフェリンが第一の基質として使用される実施態様では、この基質の存在が、第二の基質によって発される光信号をさらに増強する。
本発明の方法はまた、サンプル抽出物のアリコート中の1種を超えるレポータ遺伝子の転写活性を検出するためのキットを提供する。このようなキットは、2種以上のレポータ酵素それぞれを定量するための試薬と、レポータ酵素それぞれの基質とを含み、基質の少なくとも一つがジオキセタン類である。このキットはまた、水溶性のポリマー増強剤分子を含有する促進剤溶液を含む。場合によっては、促進剤溶液は、pHを高め、第一のレポータ酵素の活性を減らし、第二のレポータ酵素による第二の基質の酵素分解から発される信号を増大させるための、約9〜約14のpHにある水溶性ポリマー増強剤分子を含む。ポリマー増強剤は、好ましくは、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン又はポリマー第四級オニウム塩を含む。ポリマー第四級オニウム塩は、好ましくは、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(TMQ)、ポリビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(TBQ)、ポリビニルベンジルベンジルジメチルアンモニウムクロリド(BDMQ)又はポリビニルベンジルトリブチルホスホニウムクロリドを含む。
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲をいかなるふうにも限定しようとするものではない。
実施例I
サンプルの調製
経路
A.組織培養細胞からの細胞抽出物の調製
100mMリン酸化カリウムpH7.8、0.2%Triton X-100を含有する溶解溶液を4℃で貯蔵した。使用する前に、0.5mMの最終濃度までジチオトレイトール(DTT)を新たに加えた。0.058Na2HPO4、0.017M NaH2PO4、0.068M NaClを含有するpH7.3の1×リン酸緩衝溶液(PBS)で細胞を2回すすいだ。
溶解溶液を加えて細胞を覆った。たとえば、60mmの培養プレートには溶解緩衝液250μlで十分であった。ゴムのポリスマン又は同等物を使用して細胞を培養プレートから切り離した。付着しない細胞をペレット化し、細胞を覆うのに十分な溶解緩衝液を加えた。次に、ピペットで移すことにより、細胞を溶解緩衝液に再び懸濁した。
次に、溶解した細胞をマイクロフュージ管に移し、2分間遠心処理してくずをペレット化した。次に、上澄み液を新鮮なマイクロフュージ管に移した。細胞抽出物を、ただちに使用したか、後で使用するために−70℃で貯蔵した。
B.精製酵素の調製
精製ルシフェラーゼ(Analytical Luminescence Laboratories,Ann Arbor,MI)及びβ−ガラクトシダーゼ(G-5635,Sigma,ST.Louis,MO)を、0.5mM DTT1mg/ml BSA Fraction V(Sigma A 3059)を含有する溶解溶液(0.1Mリン酸カリウム、pH7.8、0.2%Triton X-100)中で個々に希釈した。
実施例II
ルシフェラーゼ及びβ−ガラクトシダーゼレポータ酵素の化学発光検定手順
すべての検定は三つ並行に実施した。75mMトリシン−Cl、pH7.8、50mM MgSO4、7.5mM ATP、1.25mMピロリン酸塩、4mM EDTA及び1mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)を含有する凍結乾燥したpH7.8の溶液から緩衝液Aを調製した。凍結乾燥溶液を無菌脱イオン水又はMilli-Q水5ml中で元に戻した。元に戻す前、凍結乾燥溶液を−20℃で貯蔵しておいた。
無菌脱イオン水又はMilli-Q水20ml中で元に戻した0.625mMルシフェリン及び5mMトリス酢酸塩pH6.5の凍結乾燥溶液から緩衝液Bを調製した。1.34mg/ml Galacton-PlusTM(100×濃縮物、Tropix,Bedford,MA、4℃又は最適には−20℃で貯蔵)を含有するβ−ガラクトシダーゼ基質を緩衝液Bに加え、1:100に希釈したのち、すぐに使用した。緩衝液Bとβ−ガラクトシダーゼ基質との混合物を、好ましくは24時間以内に使用した。
個々の細胞抽出物又は精製酵素2〜10μlをルミノメータサンプル管又はマイクロプレートウェルに分取した。抽出物を10μl未満しか使用しないならば、溶解溶液を加えて総量を10μlにして、同じ濃度の還元剤及び他の成分が各検定サンプル中に存在するようにした。必要な細胞抽出物の量は、発現のレベル及び使用した計器によって異なった。抽出物の濃度を調節して、信号を検定の線形範囲の中に維持した。
緩衝液A(25μl)を、抽出物サンプルを含有する管に加えた。緩衝液Aを加えて10分以内に、緩衝液B100μlをサンプルに注入した。2秒の遅延及び5秒の積分を使用して、ルシフェラーゼ反応から発された光信号を測定した。
サンプルを室温で30〜60分間インキュベートした。次に、促進剤100μlを加えた。促進剤は、10%Sapphire IITM(10mg/mlポリビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリド)及び約pH10.8で緩衝されない0.3Mジエタノールアミンを含有するものであった。2秒の遅延ののち、Galacton-PlusTMとβ−ガラクトシダーゼとの反応から発された光信号をモノライト2010ルミノメータ(Analytical Luminescence Laboratory,Ann Arbor,MI)で5秒間測定した。
精製ルシフェラーゼ及びβ−ガラクトシダーゼの相対光単位(RLU)を存在する酵素の量に対して記録したグラフは、10-15〜10-8gのルシフェラーゼ及びβ−ガラクトシダーゼを本発明の方法によって検出しうることを示した。
β−ガラクトシダーゼ及びルシフェラーゼに関して個々の一連の酵素希釈物を検定することにより、一方の酵素による、他方の酵素の低レベル検出に対する干渉のレベルを測定した。精製ルシフェラーゼ及びβ−ガラクトシダーゼを細胞溶解溶液中で希釈した。上述したプロトコルにしたがって、各酵素の一連の希釈物を検定した。緩衝液Bを希釈ルシフェラーゼに注入した後の信号の強さをグラフに記録した。促進剤を希釈ルシフェラーゼに注入した後の信号の強さをグラフに記録した。促進剤を希釈β−ガラクトシダーゼに注入した後の信号の強さをグラフに記録した。緩衝液Bを希釈β−ガラクトシダーゼに注入した後の信号の強さをグラフに記録した。結果は、ルシフェラーゼが存在しないとき、1ngまでのβ−ガラクトシダーゼのレベルが検定のルシフェラーゼ部分からの信号をバックグラウンドよりも増大させないことを示す。β−ガラクトシダーゼが存在しないとき、1ng未満のルシフェラーゼの量は、β−ガラクトシダーゼ検定におけるバックグラウンド信号を増大させない。1ng以上のルシフェラーゼレベルでは、残留ルシフェラーゼ信号が測定可能である。しかし、このレベルの信号は、非常に低レベルのβ−ガラクトシダーゼの検出に干渉するだけであり、酵素濃度の大きさの5オーダを超えるダイナミックレンジが維持される。
実施例III
ルシフェラーゼ及びβ−グルクロニダーゼレポータ酵素の化学発光検定
実施例Iに記載のようにして、哺乳動物細胞溶解抽出物を調製した。実施例IIに記載のようにして、溶解緩衝液A及びBを調製し、貯蔵した。β−ガラクトシダーゼ基質(GlucuronTM、100×濃縮物、Tropix,Bedford,MA、−20℃で貯蔵)を緩衝液Bに加え、1:100に希釈したのち、すぐに使用した。緩衝液BとGlucuronTM基質との混合物を、好ましくは24時間以内に使用した。
溶解緩衝液中に希釈した個々の細胞抽出物又は精製酵素2〜10μlをルミノメータサンプル管又はマイクロプレートウェルに分取した。抽出物を10μl未満しか使用しないならば、溶解溶液を加えて総量を10μlにして、同じ濃度の還元剤及び他の成分が各検定サンプル中に存在するようにした。
緩衝液A(25μl)を、抽出物/酵素サンプルを含有する管に加えた。緩衝液Aを加えて10分以内に、緩衝液B100μlをサンプルに注入した。2秒の遅延及び5秒の測定を使用して、ルシフェラーゼ反応から発された光信号を測定した。
サンプルを室温で30〜60分間インキュベートした。次に、促進剤(0.3Mジエタノールアミン、10%Sapphire IITM)100μlを加えた。2秒の遅延ののち、β−グルクロニダーゼ反応から発された光信号を5秒間測定した。
実施例IV
2種のジオキセタン含有基質を使用するβ−ガラクトシダーゼ及びアルカリ性ホスファターゼレポータ酵素の化学発光検定手順
上述したようにして、0.1Mリン酸化カリウム、pH7.8、0.2%Triton X-100を含有する細胞溶解溶液を調製した。使用する前に、0.5mMの最終濃度までジチオトレイトール(DTT)を新たに加えた。TBS、0.05Mトリス、0.15M NaClを含有するpH7.4の1×トリス緩衝溶液(TBS)で細胞を2回すすいだ。上述したようにして細胞溶解を実施した。
次に、細胞をマイクロフュージ管に移し、2分間遠心処理してくずをペレット化した。次に、上澄み液を新しいマイクロフュージ管に移した。細胞抽出物は、ただちに使用するか、後で使用するために−70℃で貯蔵する。
細胞抽出物(1〜20μl)をルミノメータサンプル管又はマイクロプレートウェルに分取した。0.1M NaPO4、pH8.0を含有し、GalactonTM(0.025mM)を含有する反応緩衝液(100μl)をウェルに加えた。サンプル管を室温で30分間インキュベートした。
0.3Mジエタノールアミン、10%Sapphire IITM(ポリビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、10重量%)を含有する促進剤溶液100μlをサンプル管に注入し、2秒の遅延ののち、β−ガラクトシダーゼ反応から発された光信号を5秒間測定した。
GalactonTM−β−ガラクトシダーゼ反応から発された光信号を読み取ったのち、ただちに、CSPD溶液25〜100μlをサンプル管に注入して、0.4mM CSPDの最終濃度を得た。サンプルを30分間インキュベートして、活性化されたGalactonを減衰させ、アルカリ性ホスファターゼ/CSPD信号を平坦域に到達させた。アルカリ性ホスファターゼによるCSPDの分解によって発された光信号を測定した。
あるいはまた、上記検定がより高温で実施されるため、β−ガラクトシダーゼの定量ののち30分間サンプルをインキュベートする工程を短縮するか、完全に除く。そのような方法では、検定を25〜40℃の温度で実施する。
実施例V
ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ及びアルカリ性ホスファターゼの化学発光検定
実施例Iに記載のようにして、哺乳動物細胞溶解抽出物を調製した。実施例IIに記載のようにして、溶解緩衝液及び緩衝液Bを調製し、貯蔵した。緩衝液Aは、EDTAの省略を除き、実施例IIのようにして調製した。β−ガラクトシダーゼ基質(GalactonTM、100×濃縮物、Tropix,Bedford,MA、−20℃で貯蔵)を緩衝液Bに加え、1:100に希釈したのち、すぐに使用した。緩衝液BとGalactonTM基質との混合物は、24時間以内に使用することが好ましい。
溶解緩衝液中に希釈した個々の細胞抽出物又は精製酵素2〜10μlをルミノメータサンプル管又はマイクロプレートウェルに分取した。抽出物を10μl未満しか使用しないならば、溶解溶液を加えて総量を10μlにして、同じ濃度の還元剤及び他の成分が各検定サンプル中に存在するようにした。
緩衝液A(25μl)を、抽出物/酵素サンプルを含有する管に加えた。緩衝液Aを加えてから10分以内に、緩衝液B100μlをサンプルに注入した。2秒の遅延及び5秒の測定を使用して、ルシフェラーゼ反応から発された光信号を測定した。
サンプルを室温で30〜60分間インキュベートした。次に、促進剤(0.3Mジエタノールアミン、10%Sapphire IITM)100μlを加えた。2秒の遅延ののち、β−ガラクトシダーゼ反応から発された光信号を5秒間測定した。
β−ガラクトシダーゼ基質から発された光信号を読み取ったのち、ただちに、CSPD溶液25〜100μlをサンプル管に注入して、0.4mM CSPDの最終濃度を得た。サンプルを30分間インキュベートして、活性化されたGalactonTMを減衰させ、アルカリ性ホスファターゼ/CSPD信号を平坦域に到達させた。このインキュベーションののち、アルカリ性ホスファターゼによるCSPDの分解によって発された光信号を測定した。
本発明を、その好ましい実施態様を特に参照しながら詳細に説明した。しかし、当業者であれば、本開示を考察することにより、本発明の真髄及び範囲において変形及び改良を加えうるということが理解されよう。

Claims (39)

  1. サンプル抽出物のアリコート中の3種以上のレポータ遺伝子産物の活性を測定する方法において、
    第一のレポータ酵素による第一の基質の分解によって発される光信号を測定することによって第一のレポータ酵素の活性を定量する工程と、
    第二のレポータ酵素による第二の基質の分解によって発される光信号を測定することによって第二のレポータ酵素の活性を定量する工程と、
    第三のレポータ酵素による第三の基質の分解によって発される光信号を測定することによって第三のレポータ酵素の活性を定量する工程と、
    を含み、すべての定量をサンプル抽出物の同じアリコートに対して順に実行し、上記第一、第二又は第三の基質の少なくとも一つがジオキセタンであることを特徴とする方法。
  2. サンプル抽出物のアリコート中の少なくとも2種のレポータ遺伝子産物の活性を測定する方法において、
    第一のレポータ酵素による第一の基質の分解によって発される光信号を測定することによって第一のレポータ酵素の活性を定量する工程と、
    第二のレポータ酵素による第二の基質の分解によって発される光信号を測定することによって第二のレポータ酵素の活性を定量する工程と、
    を含み、両方の定量をサンプル抽出物の同じアリコートに対して順に実行し、第一の基質の存在が、第二の基質の分解によって発される光信号を増強し、第一の基質がルシフェリンであり、第二の基質がジオキセタンであることを特徴とする方法。
  3. サンプル抽出物のアリコート中の少なくとも2種のレポータ遺伝子産物の活性を測定する方法において、
    第一のレポータ酵素による第一の基質の分解によって発される光信号を測定することによって第一のレポータ酵素の活性を定量する工程と、
    第二のレポータ酵素による第二の基質の分解によって発される光信号を測定することによって第二のレポータ酵素の活性を定量する工程と、
    を含み、両方の定量をサンプル抽出物の同じアリコートに対して順に実行し、第一の基質の後で第二の基質を加え、上記第一又は第二の基質の少なくとも一つがジオキセタンであることを特徴とする方法。
  4. サンプル抽出物のアリコート中の少なくとも2種のレポータ遺伝子産物の活性を測定する方法において、
    第一のレポータ酵素による第一の基質の分解によって発される光信号を測定することによって第一のレポータ酵素の活性を定量する工程と、
    第二のレポータ酵素による第二の基質の分解によって発される光信号を測定することによって第二のレポータ酵素の活性を定量する工程と、
    を含み、両方の定量をサンプル抽出物の同じアリコートに対して順に実行し、第二のレポータ酵素の活性を定量する前に、アリコートを加熱して第一の酵素を分解させるか、不活性化薬品もしくは基質類似体を加えることによって第一のレポータ酵素を不活性化することにより、又は、第一の基質の量を減らすことにより、第一のレポータ酵素の活性を減らし、上記第一又は第二の基質の少なくとも一つがジオキセタンであることを特徴とする方法。
  5. 第一の基質の存在が、第二の基質の分解によって発される光信号を増強し、第一の基質がルシフェリンであり、第二の基質がジオキセタンである、請求項1、3又は4記載の方法。
  6. 第一の基質と第二の基質とを同時に加える、請求項1、2又は4記載の方法。
  7. 第一の基質の後で第二の基質を加える、請求項1、2又は4記載の方法。
  8. 第二のレポータ酵素の活性を定量する前に、第一のレポータ酵素の活性を減らす工程をさらに含む、請求項1、2又は3記載の方法。
  9. 第一のレポータ酵素の活性を減らす工程が、第一のレポータ酵素を不活性化するか、第一の基質の量を減らすことを含む、請求項8記載の方法。
  10. 第一のレポータ酵素を不活性化する工程が、アリコートのpHを変化させること、アリコートを加熱して第一の酵素を分解させること、又は、不活性化薬品又は基質類似体を加えることを含む、請求項9記載の方法。
  11. 第一のレポータ酵素を不活性化する工程が、反応物のpHを変化させることを含む、請求項10記載の方法。
  12. 第一の基質の量を減らす工程が、第一の基質を分解するのに十分な量の第一の酵素をさらに加えることを含む、請求項9記載の方法。
  13. 第一の基質の量を減らす工程が、アリコートを加熱して第一の基質を分解することを含む、請求項9記載の方法。
  14. 第二のレポータ酵素の活性を定量する工程が、第二のレポータ酵素による第二の基質の分解によって発される光信号を測定する前に、第二のレポータ酵素による第二の基質の分解からの発光を誘発することを含む、請求項2又は3記載の方法。
  15. アリコートのpHを高めることによって発光を誘発する、請求項14記載の方法。
  16. 第二の基質を加えることにより、第二のレポータ酵素の活性を誘発するか、第二のレポータ酵素を活性化する工程をさらに含む、請求項2、3又は4記載の方法。
  17. 第一、第二又は第三のレポータ酵素の少なくとも二つが、ジオキセタン類と反応することができる加水分解酵素である、請求項1記載の方法。
  18. 第一又は第二のレポータ酵素の少なくとも一方が、ジオキセタン類と反応することができる加水分解酵素である、請求項2、3又は4記載の方法。
  19. 第一のレポータ酵素が、ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ又はカルボキシルエステラーゼからなる群より選択される、請求項17又は18記載の方法。
  20. 第一のレポータ酵素がルシフェラーゼである、請求項19記載の方法。
  21. 第二のレポータ酵素が、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ又はカルボキシルエステラーゼを含む、請求項17又は18記載の方法。
  22. 第二のレポータ酵素がβ−ガラクトシダーゼを含む、請求項21記載の方法。
  23. 第三のレポータ酵素が、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ又はカルボキシルエステラーゼを含む、請求項17記載の方法。
  24. ジオキセタン基質が、3−(4−メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2’−(5’−クロロ)トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン]−4−イル−フェニル−β−D−ガラクトピラノシド(GalactonTM)及び5−クロロ−3−(メトキシスピロ[1,2−ジオキセタン−3,2’−(5’−クロロ)トリシクロ[3.1.13,7]デカン−4−イル−フェニル−β−D−ガラクトピラノシド(Galacton-PlusTM)を含む、請求項13又は4記載の方法。
  25. 水溶性ポリマー増強剤分子を加えて、ジオキセタン類の酵素分解によって発される光信号を増強する工程をさらに含む、請求項1、2、3又は4記載の方法。
  26. ポリマー増強剤が、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン又はポリマー第四級オニウム塩を含む、請求項25記載の方法。
  27. ポリマー第四級オニウム塩が、ポリビニルベンジルトリメチル−アンモニウムクロリド(TMQ)、ポリビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(TBQ)又はポリビニルベンジルベンジルジメチルアンモニウムクロリド(BDMQ)、ポリビニルベンジルトリブチルホスホニウムクロリド又はポリビニルトリブチルスルホニウムクロリドを含む、請求項26記載の方法。
  28. 第二の酵素の活性を定量する前に、促進剤溶液を加える工程をさらに含む、請求項1、2、3又は4記載の方法。
  29. 促進剤溶液が、第二のレポータ酵素による第二の基質の分解からの信号発生を活性化し、第一のレポータ酵素を不活性化することができる、9〜14のpH下で水溶性ポリマー増強剤分子を含む、請求項28記載の方法。
  30. ポリマー増強剤が、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン又はポリマー第四級オニウム塩を含む、請求項29記載の方法。
  31. ポリマー第四級アンモニウム塩が、ポリビニルベンジルトリメチル−アンモニウムクロリド(TMQ)、ポリビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(TBQ)又はポリビニルベンジルベンジルジメチルアンモニウムクロリド(BDMQ)、ポリビニルベンジルトリブチルホスホニウムクロリド又はポリビニルトリブチルスルホニウムクロリドを含む、請求項30記載の方法。
  32. 細胞抽出物の一つのアリコート中の2種を超えるレポータ遺伝子産物の活性を測定する方法において、
    第一の基質の分解によって発される光信号を測定することによって細胞抽出物のアリコート中の第一のレポータ酵素の活性を定量する工程と、
    第一のレポータ酵素の活性を減らす工程と、
    第二の基質の分解によって発される光信号を測定することによって細胞抽出物のアリコート中の第二のレポータ酵素の活性を定量する工程と、
    第二のレポータ酵素の活性を減らす工程と、
    第三の基質の分解によって発される光信号を測定することによって細胞抽出物のアリコート中の第三のレポータ酵素の活性を定量する工程と、
    を含み、すべての定量をサンプル抽出物の同じアリコートに対して順に実行し、上記第一、第二又は第三の基質の少なくとも一つがジオキセタンであることを特徴とする方法。
  33. 第一、第二及び第三の基質が異なる、請求項32記載の方法。
  34. 第二のレポータ酵素による第二の基質の分解によって発される信号を誘発する工程をさらに含む、請求項32記載の方法。
  35. 第三のレポータ酵素の活性を誘発する工程をさらに含む、請求項32記載の方法。
  36. サンプル抽出物のアリコート中の2種を超えるレポータ遺伝子産物の活性を検出するためのキットにおいて、
    2種を超えるレポータ酵素それぞれを定量するための試薬と、
    レポータ酵素それぞれの基質(基質の少なくとも一つがジオキセタン類である)と、
    水溶性ポリマー増強剤分子を含む促進剤溶液と、
    を含むことを特徴とするキット。
  37. 促進剤溶液が、第二のレポータ酵素による第二の基質の分解からの発光を誘発し、第一のレポータ酵素を不活性化するための水溶性ポリマー増強剤分子を、9〜14のpH下で含む、請求項36記載のキット。
  38. ポリマー増強剤が、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン又はポリマー第四級オニウム塩を含む、請求項36記載のキット。
  39. ポリマー第四級オニウム塩が、ポリビニルベンジルトリメチル−アンモニウムクロリド(TMQ)、ポリビニルベンジルトリブチルアンモニウムクロリド(TBQ)又はポリビニルベンジルベンジルジメチルアンモニウムクロリド(BDMQ)、ポリビニルベンジルトリブチルホスホニウムクロリド又はポリビニルトリブチルスルホニウムクロリドを含む、請求項38記載のキット。
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