JP4273211B2 - バイオマスによるジメチルエーテルの製造方法 - Google Patents

バイオマスによるジメチルエーテルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、バイオマスによるジメチルエーテルの製造方法に関し、更に詳しくは、バイオマスを効果的にガス化して生成した混合ガスを用いた、バイオマスのジメチルエーテルへの変換率の高い、バイオマスによるジメチルエーテルの製造方法に関する。
従来から、森林や農産物、海藻・魚介類等、及びそれらを利用した後の有機性廃棄物よりなる生物由来の有機資源(バイオマス)を、エネルギーや工業原材料等に変換するバイオマス変換技術の開発が進んでいる。
最近は、バイオマスをガス化して水素などのガス燃料製造や、メタノール、ジメチルエーテルなどの液体燃料を製造する方法が提案されている。
反応器でバイオマスを熱化学的に分解してガス化すると、一般的には水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素などを含有する混合ガスとタール分(すなわち炭素を主成分とする固形や液状の物質)などが生成される。
通常、バイオマスのガス化においては、空気、酸素、水蒸気及びこれらの組み合わせたものがガス化剤として用いられる。
例えば、水をガス化剤として用いた場合のバイオマスの熱化学的分解では、主に次の4つの化学反応によりバイオマス(CxHyOz)が水素、一酸化炭素などに分解すると考えられている。
CxHyOz→(x−z)C+zCO+(y/2)H…(1)
C+HO→H+CO…(2)
CO+HO→CO+H…(3)
C+CO→2CO…(4)
このように、先ずバイオマス(CxHyOz)自体が熱分解して水素(H)や一酸化炭素(CO)を生成させ[ 式(1)] 、分解生成物であるタール分(C)や一酸化炭素と水蒸気(HO)とが反応して更に水素や一酸化炭素を生成させ[ 式(2)及び式(3)] 、式(3)の反応により生じた二酸化炭素(CO)は式(1)の反応で生成したCと反応して更に一酸化炭素を生成させる[ 式(4)]。
因みに、式(3)の反応は平衡反応であるが、上記の条件では水蒸気が多量に存在し、二酸化炭素は式(4)の反応により一酸化炭素になって減少するため、反応が右向きに進む。
また、他のガス化剤を用いた場合にも、バイオマスの熱化学的分解により水素、一酸化炭素、二酸化炭素などを含有する混合ガスとタール分などが得られる。
バイオマスのガス化により直接水素ガス燃料を合成することもでき、バイオマスから生成された水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスから、触媒を用いて下記の化学反応によりジメチルエーテル(CHOCH)やメタノール(CHOH)などの燃料を合成することもできる。
2H+CO→CHOH…(5)
3H+CO→CHOH+HO…(6)
2CHOH→CHOCH+HO…(7)
しかし、水蒸気によるガス化では上記の式(2)の反応は進むものの、一般にバイオマスの熱化学的分解では、式(1)の反応で比較的多量のタール分が生成され、このタール分は、水素、一酸化炭素などの混合ガスに含まれた状態で混合ガスと共に装置内を移動し、種々の装置の内部等に付着して、装置の機能の低下や目詰まり等の原因となり易いという問題が起こる。
バイオマスのガス化に対しては、天然ガス(例えばメタンガス)の燃焼により発生・生成する熱と二酸化炭素を用いてバイオマスを熱化学的に分解する方法が提案され(例えば特許文献1参照)、バイオマスの熱化学的分解の際に二酸化炭素が存在するので、上記の式(4)の反応が促進されて、式中のC、すなわち主にタール分の発生量が減少すると期待されたが、実際には、この方法によっても、タール分の発生量が必ずしも明らかに減少しているとは言えない。
また、これまでも、ガス中に含まれるタール分を直接除去する方法が、各種ガスにおいて検討されている(非特許文献1,2)。
ガス中に含まれるタール分を130℃(403K)以下の低温で水冷や吸着によって直接除去する方法や、600〜900℃(873〜1173K)という高温で、γ- アルミナやZrOにNi、Fe、CuやPdを担持した金属触媒を用いてタールを分解する方法がある(非特許文献3,4,5,6)。
しかし、130℃(403K)以下でのタール除去法を用いると、ガス燃料となる有効なガス成分や、液体燃料合成に有効なガス成分を吸着除去してしまう可能性がある。
また、ジメチルエーテル合成に使用するためには、冷却した混合ガスを再び昇温する必要があるため、トータルプロセスのエネルギー効率の観点から好ましくない。
後者の高温でのタール除去では、触媒層を高温に保つためのエネルギーの投入が必要となる。
γ- アルミナにNiを担持した触媒を用いた場合、ドロマイトと比較して、バイオマスはより低温(500〜800℃(773〜1073K))でガス化され、ガス化率は向上し、ほとんど完全にタール生成を抑制することが可能であることが示された。
しかし、反応中に触媒表面上への炭素析出により、長期的なガス化では触媒の特性低下をもたらす問題点もあると言われている。
また、最近はRh/CeO系のガス化触媒も、より低温で高いバイオマスガス化特性を持つことから、特にRh- CeO/SiO触媒は耐久性も高いと報告されている(非特許文献7,8参照)。
特開平7−41767号公報 特開平10−259384号公報 P. Hasler and Th Nussbaumer, Biomass and Bioenergy,16, 385-395 (1999) L. Devi, K. J. Ptasinski, F. J. J. G. Janssen, Biomass and Bioenergy, 24, 125-140 (2003) J. Arauzo, D. Radlein, J. Piskorz, D. S. Scott, Ind. Eng. Chem. Res., 36, 67-75 (1997) L. Garcia, M. L. Salvador, J. Arauzo, R. Bilbao, J. Anal. Appl. Pyrolysis, 58-59, 491-501 (2001) C. Myren, C. H rnell, E. Bj rnbom, K. Sjs trom, Biomass and Bioenergy, 23, 217-227 (2002) Y. Tanaka, T. Yamaguchi, K. Yamasaki, A. Ueno, Y. Kotera, Ind. Eng. Chem. Res. Dev., 23 (2), 225-229 (1984) M. Asadullah, S. Ito, K. Kunimori, M. Yamada, K. Tomishige, Environ. Sci. Technol., 36, 4476-4481 (2002) M. Asadullah, T. Miyazawa, S. Ito, K. Kunimori, K. Tomishige, Energy & Fuels, 17, 842-849 (2003)
バイオマスをガス化して、ジメチルエーテルを効果的に製造するには、先ず、バイオマスを効果的にガス化し、種々の装置の内部等に付着して装置の機能の低下や目詰まり等の原因となり易いタールの生成を抑えることが重要である。
バイオマスをガス化する際にガス化触媒を用いると、タールの生成は抑制され、バイオマスのガス化率が向上することは知られている(非特許文献6参照)が、長時間のガス化ではその触媒特性の低下が見られて、ガス化率は低下してタールの生成が見られる。
また、バイオマスのガス化時生成する混合ガス中のタールを、水蒸気改質触媒上で水蒸気と反応させて、タール分を水素や一酸化炭素に改質し、ガス化率を向上させ、タールを減らすこともできる。
しかし、この場合も、長時間、触媒特性を保持することは難しい。
従って、バイオマスをガス化してジメチルエーテルの製造をするには、常にバイオマスのガス化で生成する混合ガス中のタールを除去する混合ガス精製工程を有するのが好ましい。
また、この混合ガス精製工程では、バイオマスのガス化で生成された有効な混合ガス成分を無駄なくジメチルエーテルの製造に利用できるようにして、バイオマスのガス化時生成したタールを効果的に除去することが重要である。
しかし、上記の混合ガスを冷却し、130℃(403K)以下で行うタール除去法は、タールの除去は効果的になされるかもしれないが、バイオマスのガス化で生成されジメチルエーテル合成に有効な混合ガス成分も一緒に吸着除去してしまうので好ましくない。
その上、ジメチエーテル合成時には混合ガスの加熱が必要になる。
また、後のタール除去法は、高温にしなければならないため好ましくない。
このため、バイオマスをガス化して、生成する混合ガスをジメチルエーテル製造に効果的に利用するには、バイオマスを効果的にガス化し、タール生成を抑えるガス化工程と、生成した混合ガスを加温或いは冷却しないでタールを除去する混合ガス精製工程とを設けて、できるだけバイオマスのガス化率を向上させ、装置の機能の低下や目詰まり等の原因となり易いタールの生成を抑え且つ生成したタール除去を簡便に行うのが重要である。
従って、バイオマスをガス化して効果的にジメチルエーテルに変換するには、バイオマスを効果的にガス化して、タール発生を抑え、ガス化率を向上するガス化工程と、ガス化で生成された有効な混合ガス成分を減少させず、且つガス成分に悪影響を及ぼさないで、ガス化時同時に生成するタールを効果的に除去する混合ガス精製工程とを組み合わせるのが好ましい。
このためには、バイオマスを効果的にガス化して、生成した混合ガス中にタール分を含まないようにするために、ガス化触媒下でバイオマスをガス化する工程と、バイオマスをガス化して、生成した混合ガスを特に冷却することなく、特定の温度領域で混合ガスからタールのみを除去する混合ガス精製工程とを有するのが好ましい。
ガス化触媒を用いない場合は、バイオマスガス化工程と、ガス化後にタールを水蒸気改質触媒で水素や一酸化炭素に改質するタール改質工程とを有するのが好ましい。
ガス化触媒を用いたバイオマスガス化工程後、又はガス化触媒を用いないタール改質工程後は、特定の温度領域で混合ガスを処理して、タールを確実に除去して、混合ガスを容易にジメチルエーテル製造に利用することが可能になれば、有機廃棄物の有効利用や装置の機能性の向上、製造コストの観点からも好ましい。
本発明は、かかる実状を背景に、上記の問題点を克服するためになされたものである。
すなわち、本発明の目的は、バイオマスを効果的にガス化して、タール生成を抑える工程(ガス化触媒によるバイオマスガス化工程、又はガス化触媒を用いないバイオマスガス化工程+水蒸気改質触媒によるタール改質工程)と、生成された混合ガスを加温或いは冷却せず、且つジメチルエーテル合成に有効な混合ガス成分を減少させずに、混合ガス中のタールのみを効果的に除去することができる混合ガス精製工程とを有する機能性の高いバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法を提供することである。
かくして、本発明者は、このような課題を背景に対して、鋭意研究を重ねた結果、バイオマスをガス化触媒存在下で水蒸気などのガス化剤と特定の温度範囲で反応させて効果的にガス化した後、又はガス化触媒を用いずバイオマスを水蒸気などのガス化剤と特定の温度範囲で反応させて熱化学的に分解してガス化した後で、生成した水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガス中に含まれるタールを水蒸気改質触媒を用いて水素及び一酸化炭素に改質し、これらの混合ガスを特定の比表面積及び平均細孔径を持つ特定の活性炭を用いて、特定の温度範囲で処理すれば、ジメチルエーテル合成に有効な混合ガス成分を減少させずにタールを効果的に除去することができることを見出した。
これらの知見に基づいて本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、(1)、バイオマスを熱化学的に分解することにより水素及び一酸化炭素を生成し、それらを用いてジメチルエーテルを合成するバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法であって、バイオマスをガス化触媒存在下、500〜900℃(773〜1173K)の温度範囲で水蒸気と反応させて熱化学的に分解するバイオマスガス化工程と、該バイオマスガス化工程で生成した水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガス中に含まれるタール分を活性炭で除去する混合ガス精製工程と、該混合ガス精製工程で精製された水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスをジメチルエーテル合成触媒上で反応させてジメチルエーテルを合成するジメチルエーテル合成工程と、を備えるバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法に存する。
そしてまた、(2)、バイオマスを熱化学的に分解して水素、一酸化炭素、二酸化炭素を生成し、それらを用いてジメチルエーテルを合成するバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法であって、バイオマスを800〜1100℃(1073〜1373K)の温度範囲で水蒸気と反応させて熱化学的に分解するバイオマスガス化工程と、該バイオマスガス化工程で生成した水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガス中に含まれるタールを水蒸気改質触媒上で該水蒸気により水素及び一酸化炭素に改質するタール改質工程と、未反応のタール分を活性炭で除去する混合ガス精製工程と、該混合ガス精製工程で精製された水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスをジメチルエーテル合成触媒上で反応させてジメチルエーテルを合成するジメチルエーテル合成工程と、を備えるバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法に存する。
そしてまた、(3)、前記タールを除去する混合ガス精製工程において、活性炭の比表面積が100m/g以上で、且つ平均細孔径が0.1nm以上である上記(1)又は(2)記載のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法に存する。
そしてまた、(4)、前記タールを除去する混合ガス精製工程において、タールを除去する時の活性炭が150〜500℃(423〜773K)の温度範囲である上記(1)ないし(3)記載のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法に存する。
そしてまた、(5)、前記ジメチルエーテル合成工程において、水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスを1〜10MPaに加圧し、150〜400℃(423〜673K)の温度範囲で反応させる上記(1)ないし(4)記載のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法に存する。
そしてまた、(6)、前記バイオマスガス化工程において、バイオマスと水蒸気及び酸素とを反応させる上記(1)ないし(2)記載のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法に存する。
そしてまた、(7)、前記バイオマスガス化工程において供給する酸素は、供給バイオマス中の炭素のモル数[C]に対する酸素のモル数[O]の比[O]/[C]が0.5以下である上記(6記載のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法に存する。
本発明はこの目的に沿ったものであれば、上記1〜7の中から選ばれた2つ以上を組み合わせた構成も当然採用可能である。
本発明によれば、ガス化触媒存在下でのバイオマスガス化工程と、バイオマスガス工程後の水素や一酸化炭素等の混合ガスに含まれるタールを除去する混合ガス精製工程とにより、バイオマスのガス化率を高め、タール生成を抑制することができる。
その上、ガス化時生成するタールを150〜500℃(423〜773K)の温度領域で効果的に除去することにより、混合ガスを効果的にジメチルエーテル合成に使用することができて、バイオマスのジメチルエーテルへの変換率を高めることができる。
これらの結果は、有機廃棄物の有効利用や装置機能の低下や目詰まり等を低減させる効果の観点からも好ましい。
また、150〜500℃(423〜773K)の温度領域でのタール除去により混合ガスの精製ができるので、バイオマスからジメチルエーテルを合成する一体化システムのエネルギー効率の観点からも好ましい。
以下、図面に基づいて、本発明のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法の好適な実施の形態について述べる。
[ バイオマスによるジメチルエーテルの製造方法の説明(第1実施形態)]
図1は、バイオマスをガス化触媒存在下、熱化学的にガス化するバイオマスガス化工程と、バイオマスのガス化で生成される混合ガス中に含まれるタール分を除去する混合ガス精製工程と、ジメチルエーテル合成工程とからなるバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法を示している。
そして、第1実施形態のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法は、バイオマスをガス化触媒存在下で熱化学的にガス化するバイオマスガス化工程Aと、バイオマスから生成される水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガス中に含まれるタール分を活性炭で除去する混合ガス精製工程Bと、精製された水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスをジメチルエーテル合成触媒上で反応させてジメチルエーテルを合成するジメチルエーテル合成工程Cとを備えることを特徴とする。
(バイオマスガス化工程A)
図1に示すバイオマスガス化工程Aでは、バイオマスを水蒸気(又は水蒸気と酸素)ともにガス化炉2に供給して加熱して、先述した式(1)〜式(4)等の化学反応により熱化学的に分解してガス化させる。
より具体的に言えば、例えばスクリューフィーダー等の供給手段1から固形状(例えば木粉状)のバイオマスがガス化炉2に供給される。
その際、過剰に酸素を供給してしまうと、バイオマスガス化行程で消費されなかった酸素がガス捕集バックまで運ばれ、その後、これを用いて例えばジメチルエーテル等を合成するのに、ジメチルエーテル合成触媒中の銅(Cu)を酸化して触媒を失活させてしまう場合がある。
それを避けるためには、バイオマスガス化条件において、酸素を部分酸化反応条件([O]/[C]<1)で供給することが必要となる。
ガス化炉2は、石英管3を電気炉4で取り囲んだ構成をしている。
そして、バイオマスがガス化しないうちに石英管3内を落下させてしまうのを防止するために、ガス化炉2の石英管3の内部に目皿5(すなわち複数の目を有する受け皿状のもの)が配置されている。
バイオマスは、供給手段1から供給されると、目皿5上に堆積する。
そして、そこに水蒸気が供給されると、先述した式(1)〜式(4)等の化学反応が起こって、バイオマスが熱化学的に分解されるのである。
その際、ガス化炉2の温度を500〜900℃(773〜1173K)に保っておけば、バイオマスと水蒸気とがこの温度範囲まで加熱される。
この温度範囲であれば、反応効率の観点から、上記式(1)〜式(4)の反応が効率良く進行することが分かっており、好ましい。
ガス化触媒をガス化炉2内に保持すると更に効果的であるが、そうしない場合はガス化炉2の温度を高温(800〜1100℃(1073〜1373K))に保っておくのが良い。
ガス化炉2としては、大きく分けて固定床型、流動床型や浮遊床型があり、どのガス化炉2も可能であるが、熱化学的にバイオマスをガス化する方法としては、気固接触が良好で、炉内温度が一定であり、その上、大量生産に適している流動床炉が好ましい。
ガス化触媒としては、従来公にされているCe,Mg,Zr,Alの金属酸化物触媒、及びγ- アルミナにV,Mn,Co,Ni,Fe,Cu,又はMoを担持した金属触媒(非特許文献6)、及びγ- アルミナ、シリカ(SiO)、セリア(CeO)、マグネシア(MgO)にPt,Ru,Rhを担持した金属触媒(非特許文献7、8)、α- アルミナにNi,Ni- Ce,Pt,Pt- Ce,Rh,Rh- Ceなどを担持した金属触媒を粒状で使用するのが好ましい。
特に、バイオマスのガス化を流動床炉で行うと、これらの触媒上でのタールの改質反応や触媒上に蓄積する炭素の酸化が容易になり、ガス化率が向上するばかりでなく、触媒の耐久性も向上する。
また、α- アルミナにNi,Ni- Ce,Pt,Pt- Ce,Rh,Rh- Ceを担持した金属触媒は、初期特性は低いが、耐久性が高いので安定したガス化が達成されるので実用的には好ましい。
ガス化炉2の温度は熱電対6によって温度管理されている。
上記温度範囲でバイオマスと水蒸気(又は水素と酸素)の反応が良好に進み、バイオマスは熱化学的に分解されて完全にガス化される。
バイオマスの熱化学的分解により生成したH及びCOを含有するガス、すなわちH・CO混合ガスは、目皿5の目を通過して、次の混合ガス精製工程Bに移動する。
その際、混合気体の温度が低下しないように、すなわち保温状態で移送することができるように、配管等は断熱性のあるものを用いると良い。
なお、H・CO混合ガスにはガス状の(すなわち気化した状態の)タール分が含まれる。
( 混合ガス精製工程B)
混合ガス精製工程Bは、本発明独特の工程であり、バイオマスガス化工程Aで生成した水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガス中に含まれるガス状のタール分を、活性炭(炭素質物質)7上で水蒸気によりH及びCOに改質するのを特徴とする。
具体的には、バイオマスガス化工程Aで生成された混合ガスを比表面積が100m/g以上で、且つ平均細孔径が0.1nm以上であり、150〜500℃(423〜773K)に保たれた活性炭7の層を通過させることにより、バイオマスから生成される混合ガス中に含まれるタールのみが効果的に除去されて、タールを含まない精製されたガス燃料を製造することができることを特徴とする。
効果的にタールを除去するには、より望ましくは、活性炭7の比表面積は500m/g以上で、且つ平均細孔径が0.5nm以上であるのが良い。
この図1に示す構成例では、混合ガス精製工程Bが上記のバイオマスガス化工程Aに連続した状態で設けられている。
つまり、ガス化炉2の石英管3がそのまま下方に延設され、それを電気炉4で取り囲み、石英管3の内部には活性炭7が配置されている。
タール分の除去機構としては、先ず活性炭7が、キャリアガスによりバイオマスガス化工程Aから運ばれてきた水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガス中に含まれるガス状のタール分を吸着する。
なお、本発明のタール除去に用いる活性炭7の形状は、粉状、粒状、ペレット状、板状、又はハニカム形状等にしても良いし、他の物質の担体に保持させても良い。
活性炭7のタール除去特性が低下する時は、水蒸気処理や加熱処理等の従来の活性化法を用いることができる。
そして、同じくバイオマスガス化工程Aから運ばれてきた水蒸気が触媒上に吸着したタール分中の炭素(C)を攻撃することで、主に先述した式(2)の化学反応が生じ、新たにH及びCOが生成されるのである。
その際、活性炭7を含む混合ガス精製工程Bの炉内を150〜500℃(423〜773K)の温度範囲に加熱しておき、タール分をこの温度範囲で活性炭7に吸着させれば、効率良くタールを除去できる。
因みに、上記のバイオマスガス化工程Aで生成された水素、一酸化炭素、二酸化炭素は、この混合ガス精製工程Bではほとんど反応に関与することなく、活性炭7の空隙を素通りする。
このように、本発明のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法では、バイオマスガス化工程Aでバイオマスを完全にガス化して、HやCO等のみならずタール分、すなわち、比較的高次の炭素鎖を骨格とする高分子有機化合物を含む固形・液状物も気化した状態にして、いわば分子ごとにバラバラの状態にする。
そのため、本発明によれば、従来の技術のように天然ガス等を新たに添加する必要はなく、バイオマスから発生した副産物でありいわば不要なものであったタール分を、更に改質して有効に活用することができるのである。
また、このようにタール分をHやCO等に改質することで、タール分を減らすことができ、種々の装置に付着して目詰まり等を起こすという問題を解消にもつながる。
上述したようにして、混合ガス精製工程Bを経てきた混合ガスは、ブースター8により加圧され、貯蔵タンク9及びマスフローコントローラー10を経てジメチルエーテル合成工程Cに流入する。
貯蔵タンク9は、例えば後工程でジメチルエーテルを合成する場合に、バイオマスガス化工程Aにおける水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスの生成速度がジメチルエーテルの合成速度(すなわち水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスの消費速度)より大き過ぎる場合等にH・CO混合ガスを一旦貯蔵するバッファーの役割を果たす。
マスフローコントローラー10は、使用する環境温度や供給ガス圧の変化影響を受けることなく、電気信号により与えられた設定流量値を維持する役割を果たす。
流量は大別すると「体積流量」と「質量流量」に分けられるが、体積流量計は計測時の環境温度や圧力影響を受けるため、正確な流量計測を行う場合は、温度、圧力の補正を行う必要がある。
一方、質量流量計は、流体の質量を計測するため、環境温度や圧力等の外的影響を受け難く正確な流量計測を行うことができる。
正確な流量を管理する必要がある場合や自動化ラインの構築を行う場合に必要不可欠な機器として、幅広い産業分野で使用されている。
( ジメチルエーテル合成工程C)
ジメチルエーテル合成工程Cは、石英管3の中にジメチルエーテル合成触媒11が配置されており、水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスをジメチルエーテル合成触媒11上で反応させてジメチルエーテルを合成する。
ジメチルエーテル合成触媒11は、粒径が1mm程度であり、例えば、Cu/ZnO触媒やCu/Cr/ZnO触媒等をγ- アルミナ又はゼオライトと混合したものなどが用いられる。
水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスは、1〜10MPaに加圧され、150〜400℃(423〜673K)の温度範囲で反応させれば、式(5)〜式(7)の反応が効果的に起こり、ジメチルエーテルの反応効率の観点から好ましい。
このような条件下で、ジメチルエーテル合成触媒11上で先述した式(5)の化学反応が有効に進行し、水素、一酸化炭素、二酸化炭素が効率良くジメチルエーテルに合成されるのである。
ジメチルエーテル合成触媒11としては、γ- アルミナ担持Cu触媒(Cu/γ- アルミナ触媒)、γ- アルミナ担持Cu- Zn触媒(Cu- Zn/γ- アルミナ触媒)、γ- アルミナ担持Cu- Pd触媒(Cu- Pd/γ- アルミナ触媒)、γ- アルミナ担持Cr- Zn触媒(Cr- Zn/γ- アルミナ触媒)などが好ましく用いられる。
これらの触媒は、従来のγ- アルミナ粉末を用いた含浸法や沈殿法などにより調製される。
また、これらの触媒をゾル・ゲル法(特開2003−334445号公報)により調製して、活性成分の分散性を高めることにより触媒特性を更に向上することもできる。
上記触媒を用いてジメチルエーテル合成を効果的に行うにはアルミナを70wt%以上含むのが好ましい。
Cu- Zn/γ- アルミナ触媒、Cu- Pd/γ- アルミナ触媒、Cr- Zn/γ- アルミナ触媒では、ZnとCuの比率、PdとCuの比率、ZnとCrの比率はそれぞれ1/1〜1/10の範囲であるのが好ましい。
また、ジメチルエーテル合成触媒は、γ- アルミナを20wt%以上含むγ- アルミナと上記活性種とを混合した混合触媒を用いても良い。
合成されたジメチルエーテルは常温で気体であるが、水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガス中のNやCH(或いは残存する水素、一酸化炭素、二酸化炭素)と比較して沸点が−24.8℃(298K))と高いため、冷却して容易に分離することができる。
そして、石英管3を通過してきた混合ガスは、バックプレッシャーレギュレータ(背圧弁)12により流量の制御(オーバーフィード現象の防止)が行われる。
さて、バイオマスガス化行程において、ガス化剤として水蒸気の他に酸素を適量添加することで部分酸化反応が進行する。特にバイオマスガス化反応場におけるバイオマス中の炭素のモル数[C]に対する酸素のモル数[O]の比[O]/[C]が、0.5以下になるように酸素を供給すれば、ガス化率を向上させ、最終的にはジメチルエーテル収率の向上をもたらす。
このように酸素を加えると、バイオマスやタール分中の炭素を燃焼させるため、タール分の発生量を低減させることができる。
また、上記反応式(2)の反応(C+HO→H+CO)は比較的大きなエンタルピー変化を伴う吸熱反応であるため、上記燃焼により発生した反応熱をこの反応で要求される熱量に充てることができる。
その結果、この反応熱の分だけ反応場を加熱する電気炉等にかかる負担を軽減することができ、電力消費量を低減させることが可能となる。
しかし、その際、酸素をあまり大量に供給すると、バイオマスガス化により生成した水素を燃焼してしまい、ジメチルエーテル合成に必要なガス成分が減少し、最終的にはジメチルエーテル収率は低下する結果となる。
反応場に酸素を供給するのであれば、バイオマスを部分酸化(不完全燃焼)させて一酸化炭素を生成する程度の量の酸素を供給すべきである。
本発明者らの実験によれば、バイオマスガス化反応場におけるバイオマス中の炭素のモル数[C]に対する酸素のモル数[O]の比[O]/[C]が、0.5以下になるように酸素を供給すれば、ガス化率を向上させ、最終的にはジメチルエーテル収率の向上をもたらす。
[ バイオマスによるジメチルエーテルの製造方法の説明(第2実施形態)]
図2は、バイオマスを熱化学的にガス化するバイオマスガス化工程と、バイオマスのガス化時に生成され、混合ガス中に含まれるタールを除去する混合、バイオマスガス化工程で生成した水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガス中に含まれるタールを水蒸気改質触媒で水蒸気により水素及び一酸化炭素に改質するタール改質工程と、改質後に混合ガス中に含まれる未反応タールを除去する混合ガス精製工程と、ジメチルエーテル合成工程とからなるバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法を示している。
そして、本第2実施形態のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法は、バイオマスをガス化触媒存在下で熱化学的にガス化するバイオマスガス化工程Aと、バイオマスから生成される水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガス中に含まれるタールを水蒸気改質触媒上で水蒸気により水素及び一酸化炭素に改質するタール改質工程Dと、未反応のタール分を活性炭で除去する混合ガス精製工程Bと、精製された水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスをジメチルエーテル合成触媒上で反応させてジメチルエーテルを合成するジメチルエーテル合成工程Cと、を備えることを特徴とする。
この第2実施形態は、第1実施形態と比べて、バイオマスから生成される水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガス中に含まれるタールを水蒸気改質触媒上で水蒸気により水素及び一酸化炭素に改質するタール改質工程Dがバイオマスガス化工程Aと混合ガス精製工程Bとの間に設けられている点で相違する。
このタール改質工程Dのガス化炉2内には水蒸気改質触媒13が設けられている。
ガス化炉2の温度は800〜1100℃(1073〜1373K)に保つと、バイオマスの効果的なガス化が促進される。
タール改質工程Dで用いる水蒸気改質触媒としては、α- アルミナやZrOにNi、Ru、Pt或いはPdを担持した金属触媒が好ましい。
その際、水蒸気改質触媒によるタール改質工程Dを250〜800℃(523〜1073K)の温度範囲で行うと、タール分を水蒸気により水素と一酸化炭素に効率良く改質できる観点から、好ましい。
ガス化触媒存在下でのバイオマスのガス化により、又はガス化触媒を用いないでバイオマスをガス化した後で、水蒸気改質触媒13により生成タールを水素及び一酸化炭素などへ改質することにより、バイオマスは水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスへ効果的にガス化される。
しかしその際、ガス化触媒や水蒸気改質触媒13を用いてガス化を行っても該混合ガスにガス状のタール分が含まれることがある。
従って、バイオマスの熱化学的分解により生成した水素、一酸化炭素、二酸化炭素を含有するガス、すなわち混合ガスは、混合ガス精製工程Bに移動することになる。
上述した第2実施形態では、バイオマスガス化工程Aと、ガス化で生成される混合ガス中に含まれるタール分を水蒸気改質触媒13により水素及び一酸化炭に改質するタール改質工程Dと、により生成された水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスを、効果的にジメチルエーテル製造に使用することができる。
また、生成タールが種々の装置に付着して目詰まり等を起こすという問題の解消にもつながり、有機廃棄物の有効利用、一体化ジメチルエーテル製造装置の運転機能、製造コストの観点からも好ましい。
更に、バイオマスからジメチルエーテル以外の他の液体燃料を合成する場合でも、液体燃料合成触媒を用いて150〜400℃(423〜673K)の温度範囲で合成されるので、本発明の方法を、バイオマスから他の液体燃料を一体化して製造する場合にも適用することができる。
以上、本発明を説明してきたが、本発明は実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸脱しない範囲で、他の種々の更なる変形例が可能であることは言うまでもない。
例えば、図1及び図2の模式図は、本発明のバイオマスのガス化及びジメチルエーテル製造方法を説明するために示したものであるが、本発明を実施するものである限り原理的に同じであれば他の形態のものを採用することは当然可能である。
例えば、図2のタール改質工程Dの前のバイオマスガス化工程Aでガス化触媒を用いてガス化することができるのは当然である。
また、実用化の段階では、装置の一体化、大規模化やそれに伴う形態の変更等が必要であろう。
以下、実施例について述べる。
なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
図1及び図2に示した実験装置を用い、バイオマスによるジメチルエーテル合成を行った。
図1は、流通式ダウンドラフトガス化炉(固定床型炉)を有するバイオマスのガス化部と、タールを除去して水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスを精製する混合ガス精製部と、ジメチルエーテル合成部からなるバイオマスによるジメチルエーテル合成装置である。
図2は、流通式ダウンドラフトガス化炉(固定床型炉)を有するバイオマスのガス化部と、タールを水素及び一酸化炭素等に改質する固定床を有するタール改質部と、タールを除去して水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスを精製する混合ガス精製部(固定床を有する)と、固定床反応炉を有するジメチルエーテル合成部と、からなるバイオマスによるジメチルエーテル合成装置である。
両実験では、先ず混合ガス精製工程B後の混合ガスを分析し、両ジメチルエーテル合成装置でのタールの除去特性と、バイオマスのジメチルエーテルへの変換率とを評価した。
原料バイオマスはスクリューフィーダーにより供給され、ガス化剤として水蒸気又は水蒸気及び酸素を用いた。
ガス化装置は電気炉によって外部から加熱された。
石英管3の長さは730mm、内径21mmであった。
タールを除去する混合ガス精製工程Bでは粒径1〜2mmの活性炭を厚み800mmで充填した。
バイオマスガス化工程A後、タール改質工程D後及び混合ガス精製工程B後の各ガスは、それぞれ、シリンジでサンプリングを行い、ガスクロマトグラフTCD(GC−8A;Shimazu,モレキュラシーブ5A,ポラパックQ)、FID(GC353B;GL Science,Squalane)を用いて解析した。
また、本発明においてタールは炭素数5以上の化合物と定義し、上記FIDにおいてタール有無の判断を行った。
〔実施例1〕
図1に示した実験装置で、バイオマスとしては、0.25〜0.5mm大に粉砕したコナラ材を、ガス化触媒として1〜2mm大の顆粒状のNi/α- アルミナ触媒を、そしてキャリアガスはNガスを用いた。
バイオマスガス化工程Aにおいては、バイオマスを炭素基準の原料速度:約5.0×10-3C- mol・min-1で供給した。
水蒸気はバイオマス中の炭素のモル数([C])との比[HO]/[C]が3になる条件で供給した。
大気圧下、800℃(1073K)でガス化させた。
また、混合ガス精製工程Bでは、固定床に比表面積1200m/g、平均細孔径0.5nm、粒径1〜2mmの市販の活性炭を厚み800mmに充填した。
混合ガス処理中の固定床の活性炭7の温度は300℃(573K)であった。
混合ガス精製工程B後の水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスは、ブースターで5MPaに加圧し、ジメチルエーテル合成工程Cに導入した。
ジメチルエーテル合成工程Cでは、粒径1〜2mmの顆粒状のジメチルエーテル合成触媒11を用いて、250℃(523K)、5MPaでジメチルエーテル合成を行った。
ジメチルエーテル合成触媒11としては、γ- アルミナとCu/ZnO触媒とを1:2の重量比で混合した顆粒状混合触媒を用いた。
〔実施例2〕
図2に示した実験装置で、バイオマスとしては、0.25〜0.5mm大に細粉化したコナラ材を用い、キャリアガスはNガスを用いた。
バイオマスガス化工程Aにおいては、バイオマスを炭素基準の原料速度:約5.0×10-3C- mol・min-1で供給した。
水蒸気はバイオマス中の炭素のモル数([C])との比[HO]/[C]が3になる条件で供給した。
大気圧下、950℃(1223K)でガス化させた。タール改質工程Dでは、粒径1〜2mmの顆粒状Ni/α- アルミナ触媒を用いてタール分の水蒸気改質を700℃(973K)で行った。
また、混合ガス精製工程Bでの活性炭7として比表面積1200m/g、平均細孔径0.5nm、粒径1〜2mmの市販の活性炭7を厚み800mmに充填した。 混合ガス処理中の活性炭温度は300℃(573K)であった。
混合ガス精製工程後の水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスは、ブースターで5MPaに加圧され、ジメチルエーテル合成工程Bに送られ、実施例1と同様な条件でジメチルエーテル合成を行った。
〔実施例3〕
バイオマスガス化工程Aにおいて、更に酸素を供給した以外は実施例2と同様の反応条件で、バイオマスによるジメチルエーテルの合成を行った。
酸素は、バイオマス中の炭素のモル数([C])との比([O]/[C])が0.3となるように供給した。
〔実施例4〕
バイオマスガス化工程Aにおいて、ガス化温度を600℃(873K)とした点以外は実施例1と同様の反応条件で、バイオマスによるジメチルエーテルの合成を行った。
〔実施例5〕
バイオマスガス化工程Aにおいて、ガス化温度を800℃(1073K)とした点以外は実施例2と同様の反応条件で、バイオマスによるジメチルエーテルの合成を行った。
〔比較例1〕
実施例2のガス化方法でバイオマスをガス化して、タール改質工程Dを経ないで、実施例2と同様な条件で混合ガス精製とジメチルエーテル合成を行った。
〔比較例2〕
実施例2のガス化方法でバイオマスをガス化して、タール改質工程D、混合ガス精製工程Bを経ないで、ジメチルエーテルの合成を行った。
[ 結果]
実施例1,2及び比較例1の混合ガス精製工程B前(比較例2ではジメチルエーテル合成工程C前)でもタールが検出された。
しかし、実施例1,2,3,4,5の混合ガス精製工程B後の混合ガス中にはタールは検出されなかった。
一方、バイオマスのジメチルエーテルへの変換率は、比較例1,2に比べて実施例で顕著な向上が見られた。
バイオマス中の炭素基準のジメチルエーテルへの変換率は、以下の通りであった。
実施例1…20.5%
実施例2…21.9%
実施例3…24.2%
実施例4…15.0%
実施例5…17.5%
比較例1…13.4%
比較例2…10.2%
[評価]
実施例と比較例の結果は、ガス化触媒、水蒸気改質触媒を用いると、タールの生成は抑えられ、バイオマスのガス化が促進されることを示している。
実施例2と3の比較から、バイオマスガス化剤として適量の酸素の添加はガス化率を向上させ、最終的にはジメチルエーテル収率の向上をもたらした。
また、実施例2と比較例1の比較から、水蒸気改質によるタール改質工程Dの導入により、タールから水素及び一酸化炭素に効率的に改質することができ、最終的にはジメチルエーテル収率の向上をもたらした。
実施例2と比較例2の比較から、タール改質工程D及び混合ガス精製工程Bは、ジメチルエーテル収率の顕著な向上のためには重要な単位操作であることを示している。
本発明は、バイオマスを熱的化学的に分解することにより水素及び一酸化炭素を生成し、それらを用いてジメチルエーテルを合成するバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法に関するものであるが、その原理を生かせる限り、他の分野、例えば、廃棄物処理分野等にも適用可能であり、その利用分野は広範囲に及ぶものである。
図1は、バイオマスによるジメチルエーテルの一体化製造法に用いるための、バイオマスガス化工程、混合ガス精製工程、及びジメチルエーテル合成工程を説明するための模式図である。 図2は、バイオマスによるジメチルエーテルの製造法に用いるための、バイオマスガス化工程、ガス化で生成する混合ガス中のタール改質工程、タール改質後の混合ガス精製工程、及びジメチルエーテル合成工程を説明するための模式図である。
符号の説明
A…バイオマスガス化工程
B…混合ガス精製工程
C…ジメチルエーテル合成工程
D…タール改質工程
1…供給手段
2…ガス化炉
3…石英管
4…電気炉
5…目皿
6…熱電対
7…活性炭
8…ブースター
9…貯蔵タンク
10…マスフローコントローラー
11…ジメチルエーテル合成触媒
12…バックプレッシャーレギュレータ
13…水蒸気改質触媒

Claims (7)

  1. バイオマスを熱化学的に分解することにより水素及び一酸化炭素を生成し、それらを用いてジメチルエーテルを合成するバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法であって、
    バイオマスをガス化触媒存在下、500〜900℃(773〜1173K)の温度範囲で水蒸気と反応させて熱化学的に分解するバイオマスガス化工程と、
    該バイオマスガス化工程で生成した水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガス中に含まれるタール分を活性炭で除去する混合ガス精製工程と、
    該混合ガス精製工程で精製された水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスをジメチルエーテル合成触媒上で反応させてジメチルエーテルを合成するジメチルエーテル合成工程と、
    を備えることを特徴とするバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法。
  2. バイオマスを熱化学的に分解して水素、一酸化炭素、二酸化炭素を生成し、それらを用いてジメチルエーテルを合成するバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法であって、
    バイオマスを800〜1100℃(1073〜1373K)の温度範囲で水蒸気と反応させて熱化学的に分解するバイオマスガス化工程と、
    該バイオマスガス化工程で生成した水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガス中に含まれるタールを水蒸気改質触媒上で該水蒸気により水素及び一酸化炭素に改質するタール改質工程と、
    未反応のタール分を活性炭で除去する混合ガス精製工程と、
    該混合ガス精製工程で精製された水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスをジメチルエーテル合成触媒上で反応させてジメチルエーテルを合成するジメチルエーテル合成工程と、
    を備えることを特徴とするバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法。
  3. 前記タールを除去する混合ガス精製工程において、活性炭の比表面積が100m/g以上で、且つ平均細孔径が0.1nm以上であるあることを特徴とする請求項1又は2記載のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法。
  4. 前記タールを除去する混合ガス精製工程において、タールを除去する時の活性炭が150〜500℃(423〜773K)の温度範囲であることを特徴とする請求項1ないし3記載のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法。
  5. 前記ジメチルエーテル合成工程において、水素、一酸化炭素、二酸化炭素混合ガスを1〜10MPaに加圧し、150〜400℃(423〜673K)の温度範囲で反応させることを特徴とする請求項1ないし4記載のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法。
  6. 前記バイオマスガス化工程において、バイオマスと水蒸気及び酸素とを反応させることを特徴とする請求項1ないし2記載のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法。
  7. 前記バイオマスガス化工程において供給する酸素は、供給バイオマス中の炭素のモル数[C]に対する酸素のモル数[O]の比[O]/[C]が0.5以下であることを特徴とする請求項6記載のバイオマスによるジメチルエーテルの製造方法。
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