JP4272903B2 - 外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡の挿入部に着脱自在に被覆される外套シースの先端に透明キャップが取り付けられた外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
外套シース付きの内視鏡においては、外套シースの先端に取り付けられている透明キャップを通して被写体を観察することになるので、透明キャップの観察窓に面する部分の品質が内視鏡の観察画像の品質に極めて大きな影響を及ぼす。したがって、透明キャップの観察窓に面する部分は表裏両面とも鏡面状でなければならない。
【0003】
しかし、透明キャップをプラスチック成形によって製造する場合に、金型の雄型の面を鏡面状に仕上げるのは容易であるが、透明キャップ雌型の面を鏡面状に仕上げるのは極めて困難である。
【0004】
そこで従来は、観察窓(及び照明窓)に面する部分に孔のあいたキャップ状部材と、その孔にピッタリと嵌まる透明窓部材とに分けて形成して、キャップ状部材に透明窓部材を嵌め込んで一体に接合していた(例えば、特許文献1)。そのような透明窓部材の表裏両面をプラスチック成形により鏡面状に製造するのは容易である。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−184837号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように外套シースの先端に取り付けるキャップをわざわざ二つの部品に分けて成形して、それらを接合するという製造方法は極めて煩雑でコスト高になると同時に、接合部の破損や接合部からの水漏れの可能性という問題をかかえることになる。
【0007】
そこで本発明は、外套シースの先端に取り付けられる透明キャップの観察窓に面する部分の表裏両面を容易に鏡面状に形成することができ、しかも透明キャップを一つの部品として容易にプラスチック成形することができる外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造方法は、観察窓と照明窓が可撓性挿入部の先端部分に配置され、可撓性挿入部を被覆する外套シースの先端部分に、可撓性挿入部の先端部分を被覆する透明キャップが配置された外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造方法において、透明キャップのうち少なくとも観察窓に面する部分を含む一部分の原形になる親型として表裏両面が鏡面状の鏡面状部親型を形成すると共に、透明キャップのその他の部分の原形になる親型として残部親型を鏡面状部親型とは別に形成して、鏡面状部親型と残部親型とを合体させて一つの透明キャップ親型を形成し、透明キャップ親型の周囲に液状のシリコンゴムを充填して透明キャップ雌型を作成した後、その透明キャップ雌型を分割してから再び一体的に合わせた状態でその内側空間に液状の透明樹脂を真空下において注入してから硬化させることにより、透明キャップ親型と同形状の透明キャップを製作するようにしたものである。
【0009】
なお、鏡面状部親型が観察窓に面する部分と照明窓に面する部分とを含んでいてもよく、或いは鏡面状部親型が観察窓に面する部分を含み、照明窓に面する部分を含まなくてもよい。
【0010】
また、鏡面状部親型が平板状であってもよく、或いは凸面状であってもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、内視鏡が患者の体内汚液等に触れるのを防止するために、挿入部に外套シース10を被覆して使用される外套シース付き内視鏡の可撓性挿入部の先端部分を示している。
【0012】
1は、内視鏡の可撓性挿入部の先端を構成する先端部本体であり、その先端面に観察窓2及び照明窓3が配置されて、観察窓2の内側には対物光学系4が配置され、照明窓3の内側にはライトガイドファイババンドルの5の射出端が配置されている。
【0013】
外套シース10は、可撓性挿入部全体に被覆される可撓性の被覆チューブ11の先端に、透明キャップ12が連結、固着された構成になっている。透明キャップ12は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等のような透明なプラスチック材によって、先端部本体1に被さるキャップ状に形成され、観察窓2と照明窓3に面する部分は、表裏両面が鏡面状に形成されている(鏡面状部12A)。
【0014】
図2ないし図8は、上述の透明キャップ12を製造する工程を示しており、先ず、図2に示されるように、透明キャップ12と同じ形状寸法で透明キャップ12の原形になる透明キャップ親型12′を、観察窓2と照明窓3とに面する部分を含む部分の原形になる鏡面状部親型12A′と、その他の部分の原形になる残部親型12B′の二つに分けて機械加工により製作する。
【0015】
鏡面状部親型12A′は硬質金属により平板状に形成されて、その表裏両面は微細な凹凸等のないよう鏡面状に仕上げられる。他方の残部親型12B′は、一般的な金属材によって普通の表面仕上げで形成される。
【0016】
そのような鏡面状部親型12A′と残部親型12B′とを図3に示されるように一体に接合したものが透明キャップ親型12′であり、図4に示されるように透明キャップ親型12′を成型桶21に入れて、液状のシリコンゴム22′をその成型桶21内に流し込んで透明キャップ親型12′の周囲に充填してから、脱泡、硬化させる。13′は次の工程で必要になる湯口23を作るために透明キャップ親型12′に連結された棒材である。
【0017】
そのようにして硬化させたシリコンゴム22′によって透明キャップ雌型22ができ、成型桶21から出した透明キャップ雌型22を、図5に示されるように刃物50等で下型22Aと上型22Bの二つに分割して、図6に示されるようにその内側から透明キャップ親型12′を取り外す。
【0018】
そして、図7に示されるように、下型22Aと上型22Bをピッタリと合わせてテープ等で縛って一体の状態にし、透明キャップ12の材料である液状にした透明プラスチック材料30を湯口23から透明キャップ雌型22内に流し込む。この工程は、真空の環境下において行う。それによって、透明キャップ雌型22内における気泡の残留等の問題発生が解消する。
【0019】
そのようにして透明キャップ雌型22内でプラスチック材料30を硬化させれば透明キャップ12を製作することができ、硬化のために必要であれば恒温槽等に入れて加熱する。
【0020】
そして、プラスチック材料30が硬化したら、図8に示されるように、上型22Bを下型22Aから分離して透明キャップ雌型22内から透明キャップ12を取り出し、ばり等13を切断除去する。
【0021】
このようにして、透明キャップ12を一つの部品として容易にプラスチック成形により製作して、観察窓2と照明窓3に面する部分を表裏両面とも微細な凹凸のない鏡面状部12Aとして形成することができる。
【0022】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば図9に示される第2の実施例においては、鏡面状部12Aが観察窓2に面する部分に凸面状に設けられていて、照明窓3に面する部分には設けられていない。
【0023】
このように本発明では、鏡面状部12Aは少なくとも観察窓2に面する部分に形成されればよく、鏡面状部12Aが凸面等であってもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、外套シースの先端に取り付けられる透明キャップのうち少なくとも観察窓に面する部分を含む一部分の原形になる親型として表裏両面が鏡面状の鏡面状部親型を形成すると共に、透明キャップのその他の部分の原形になる親型として残部親型を鏡面状部親型とは別に形成したことにより、透明キャップの観察窓に面する部分の表裏両面を容易に鏡面状に形成することができ、しかも、鏡面状部親型と残部親型とを合わせて一体にした透明キャップ親型の周囲に液状のシリコンゴムを充填して透明キャップ雌型を作成した後、その透明キャップ雌型を分割してから再び一体的に合わせた状態でその内側空間に真空下において液状の透明樹脂を注入してから硬化させるようにしたことにより、透明キャップを一つの部品として容易にプラスチック成形することができ、接合部の破損や接合部からの水漏れ等の恐れのない高品質の透明キャップを低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の外套シース付き内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の側面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造工程を示す側面断面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造工程を示す側面断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例の外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造工程を示す側面断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例の外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造工程を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施例の外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造工程を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施例の外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造工程を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施例の外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造工程を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施例の外套シース付き内視鏡の可撓性挿入部の先端部分の側面断面図である。
【符号の説明】
10 外套シース
12 透明キャップ
12A 鏡面状部
12′ 透明キャップ親型
12A′ 鏡面状部親型
12B′ 残部親型
22 透明キャップ雌型
22A 下型
22B 上型
22′ シリコンゴム
Claims (5)
- 観察窓と照明窓が可撓性挿入部の先端部分に配置され、上記可撓性挿入部を被覆する外套シースの先端部分に、上記可撓性挿入部の先端部分を被覆する透明キャップが配置された外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造方法において、
上記透明キャップのうち少なくとも上記観察窓に面する部分を含む一部分の原形になる親型として表裏両面が鏡面状の鏡面状部親型を形成すると共に、上記透明キャップのその他の部分の原形になる親型として残部親型を上記鏡面状部親型とは別に形成して、上記鏡面状部親型と上記残部親型とを合体させて一つの透明キャップ親型を形成し、
上記透明キャップ親型の周囲に液状のシリコンゴムを充填して透明キャップ雌型を作成した後、その透明キャップ雌型を分割してから再び一体的に合わせた状態でその内側空間に液状の透明樹脂を真空下において注入してから硬化させることにより、上記透明キャップ親型と同形状の透明キャップを製作するようにしたことを特徴とする外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造方法。 - 上記鏡面状部親型が、上記観察窓に面する部分と上記照明窓に面する部分とを含んでいる請求項1記載の外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造方法。
- 上記鏡面状部親型が、上記観察窓に面する部分を含み、上記照明窓に面する部分を含まない請求項1記載の外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造方法。
- 上記鏡面状部親型が平板状である請求項1、2又は3記載の外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造方法。
- 上記鏡面状部親型が凸面状である請求項1、2又は3記載の外套シース付き内視鏡の透明キャップの製造方法。
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