JP4272874B2 - センサ用接地構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁樹脂配管に取り付けられ、前記絶縁樹脂配管内を流れる被測定流体の特性を測定するセンサ用接地構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる電解質膜の両側にそれぞれアノード側電極およびカソード側電極を対設した電解質膜・電極構造体を、セパレータによって挟持することにより構成されている。
【0003】
この種の燃料電池において、アノード側電極に供給された燃料ガス、例えば、水素含有ガスは、電極触媒上で水素がイオン化され、適度に加湿された電解質膜を介してカソード側電極側へと移動する。その移動の間に生じた電子は外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。カソード側電極には、酸化剤ガス、例えば、空気等の酸素含有ガスが供給されているために、このカソード側電極において、前記水素イオン、前記電子および酸素ガスが反応して水が生成される。
【0004】
上記の燃料電池では、作動温度を一定の範囲内に調整するために冷却媒体を供給している。この冷却媒体は、通常、燃料電池内に形成された冷却媒体流路と前記燃料電池の外部に配置されたラジエータとを備える循環ラインに沿って循環している。これにより、冷却媒体は、運転中の燃料電池を冷却して昇温された後、ラジエータで外気との熱交換を行って冷却され、さらに前記燃料電池に供給されて該燃料電池の冷却を行っている。
【0005】
この場合、冷却媒体として使用される水や、自動車用冷却構造に使用される一般的な冷却媒体(冷却液体)では、イオン等の不純物や金属系添加剤が混入しており、この冷却媒体自体に導電性が付与されてしまう。一方、冷却媒体として脱イオン水や純水を用いる場合にも、運転中に冷却系配管やラジエータを循環することによって金属イオン等が混入し、この冷却媒体に導電性が付与されてしまう。
【0006】
上記のように冷却媒体に導電性が付与されると、前記冷却媒体中に電気が流れてしまう。これにより、冷却媒体を介して冷却系配管やラジエータ等に電気が流れてしまい、地絡や液絡が発生して燃料電池スタック全体の出力が低下するという問題が指摘されている。
【0007】
また、燃料電池に酸化剤ガスを供給および排出する酸化剤ガスラインでは、反応により生成水が発生する一方、前記燃料電池に燃料ガスを供給および排出する燃料ガスラインでは、前記生成水の逆拡散や加湿水の液状化等が発生する。このため、酸化剤ガスラインおよび燃料ガスラインに液絡が惹起されるという問題がある。
【0008】
そこで、この種の問題を解決するために、例えば、特許文献1の燃料電池冷却装置では、図5に示すように、複数の単位セル1を積層した燃料電池2内に供給される冷却液を冷却するラジエータ3と、このラジエータ3と前記燃料電池2とを接続して前記冷却液を循環させる冷却液循環ライン4とを備えている。
【0009】
燃料電池2は、絶縁材料で形成された燃料電池収納ケース5内に収納される一方、ラジエータ3は、前記燃料電池収納ケース5の外部に配置されている。冷却液循環ライン4は配管6を備え、この配管6は、例えば、導電性の金属材料で形成されて、その内面に電気絶縁性の塗料等で被膜して構成され、あるいは、前記配管6自体を電気絶縁性の材料によって構成されている。
【0010】
燃料電池収納ケース5の壁面には、導電性の口金状のリング状部材7が配置されている。このリング状部材7は、配管6に電気的に導通する一方、燃料電池2およびその制御装置を搭載している自動車車体(グランド)に接続(接地)されている。
【0011】
このように、冷却液循環ライン4は、燃料電池収納ケース5の貫通部に設けられたリング状部材7によってグランドに接続されている。このため、燃料電池収納ケース5の外部に露出する配管6に電位分布が生ずることを防止することができる。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−280039号公報(段落[0022]〜[0027]、図1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の冷却液循環ライン4の配管6には、燃料電池2に流入する冷却液の圧力や温度を検出するために、前記燃料電池2の入口側に圧力センサや温度センサが取り付けられている。一方、燃料電池2の出口側には、前記燃料電池2から流出される冷却液の圧力や温度を検出するために、圧力センサや温度センサが取り付けられている。
【0014】
その際、配管6自体が絶縁樹脂で形成されていると、前記配管6のセンサ接地部位に静電気または高電位が印加されてしまい、センサ内部の絶縁物質が帯電するおそれがある。これにより、センサ回路に出力異常が発生して、温度や圧力等の誤検出が惹起するという問題が指摘されている。
【0015】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、センサ内部に電荷が蓄積することを確実に阻止し、被測定流体の特性を高精度に測定することが可能なセンサ用接地構造を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るセンサ用接地構造では、センサに装着されて前記センサの金属部と電気的に接続される取り付け部材と、前記取り付け部材に接続されるとともに、接地される導電体とを備えている。このため、被測定流体を介してセンサに静電気や高電位が印加されると、前記センサの金属部から取り付け部材および導電体を介して電位を確実に逃がすことができる。
【0017】
これにより、センサに静電気や高電位が印加され続けてセンサ内部に電荷が蓄積することがなく、センサ用接地構造全体の簡素化が容易に図られるとともに、被測定流体の特性を高精度に測定することが可能になる。
【0018】
また、本発明の請求項2に係るセンサ用接地構造では、取り付け部材が、センサを挟持する第1および第2取り付け部材を備え、前記第1および第2取り付け部材が固定具を介して一体的に固定されている。従って、簡単な構成で、センサを電気的に接地することができ、経済的である。
【0019】
さらに、本発明の請求項3に係るセンサ用接地構造では、導電体が抵抗体を中継して接地されており、例えば、グランドである自動車車体に電流が急激に流れることを阻止することが可能になる。
【0020】
さらにまた、本発明の請求項4に係るセンサ用接地構造では、絶縁樹脂配管が、燃料電池の少なくとも反応ガス流通配管または冷却媒体流通配管である。燃料電池では、反応ガス流通配管内に生成水や結露水が存在して液絡が発生し易い一方、冷却媒体流通配管内では、冷却媒体による液絡が発生し易い。
【0021】
このため、特に燃料電池において、少なくとも反応ガス流通配管または冷却媒体流通配管を絶縁樹脂配管で構成することにより、絶縁性を確保して液絡を防止するとともに、配管からのイオンの溶出を阻止することができる。
【0022】
また、本発明の請求項5に係るセンサ用接地構造では、被測定流体の特性は、前記被測定流体が、例えば、冷却媒体である際に、温度、圧力または流量である一方、該被測定流体が、例えば、ガス(反応ガス等)である際に、温度、圧力、流量、濃度または湿度である。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係るセンサ用接地構造10が適用される燃料電池システム12の概略構成説明図である。
【0024】
燃料電池システム12は、複数の単位セル14が積層された燃料電池スタック16を備える。この燃料電池スタック16には、水素含有ガス等の燃料ガスを供給するための燃料ガス供給部18と、酸素含有ガス等(例えば、空気)の酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給部20と、純水やエチレングリコールやオイル等の冷却媒体を供給するための冷却媒体供給部22とが接続される。
【0025】
燃料電池スタック16は、積層方向(矢印X方向)一端部に燃料ガス入口24a、酸化剤ガス入口26aおよび冷却媒体入口28aを設けるとともに、積層方向他端部に燃料ガス出口24b、酸化剤ガス出口26bおよび冷却媒体出口28bを設ける。単位セル14は、図示しないが、例えば、高分子イオン交換膜の両側にそれぞれアノード側電極およびカソード側電極を対設した電解質膜・電極構造体を、セパレータによって挟持している。
【0026】
燃料電池スタック16内では、燃料ガス入口24aから供給された燃料ガスは、各単位セル14のアノード側電極に供給された後、燃料ガス出口24bから排出される一方、酸化剤ガス入口26aから供給された酸化剤ガスは、各単位セル14のカソード側電極に供給された後、酸化剤ガス出口26bから排出される。さらに、冷却媒体入口28aから供給された冷却媒体は、各単位セル14を冷却した後、冷却媒体出口28bから排出される。
【0027】
燃料ガス供給部18は、燃料ガス入口24aに接続される燃料ガス供給配管(反応ガス流通配管)30aと、燃料ガス出口24bに接続される燃料ガス排出配管(反応ガス流通配管)30bとを備える。燃料ガス供給配管30aと燃料ガス排出配管30bとには、温度センサおよび/または圧力センサ等のセンサ32が取り付けられる。
【0028】
酸化剤ガス供給部20は、酸化剤ガス入口26aに接続される酸化剤ガス供給配管(反応ガス流通配管)34aと、酸化剤ガス出口26bに接続される酸化剤ガス排出配管(反応ガス流通配管)34bとを備える。酸化剤ガス供給配管34aと酸化剤ガス排出配管34bとには、同様に温度センサおよび/または圧力センサ等のセンサ36が取り付けられる。
【0029】
冷却媒体供給部22は、ラジエータ38と循環ポンプ40とを備えるとともに、冷却媒体入口28aに接続される冷却媒体供給配管(冷却媒体流通配管)42aと、冷却媒体出口28bに接続される冷却媒体排出配管(冷却媒体流通配管)42bとを備える。冷却媒体供給配管42aおよび冷却媒体排出配管42bにより循環ラインが構成され、前記冷却媒体供給配管42aと前記冷却媒体排出配管42bとには、同様に温度センサおよび/または圧力センサ等のセンサ44が取り付けられる。
【0030】
燃料ガス供給配管30a、燃料ガス排出配管30b、酸化剤ガス供給配管34a、酸化剤ガス排出配管34b、冷却媒体供給配管42aおよび冷却媒体排出配管42bは、絶縁樹脂配管、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)またはポリプロピレン(PP)により形成されている。
【0031】
図2および図3に示すように、冷却媒体供給配管42aには、冷却媒体の流れ方向(矢印A方向)に直交する矢印B方向に突出する膨出円筒部50が一体形成されており、この膨出円筒部50にセンサ44が取り付けられる。このセンサ44は、接地構造10を構成する第1取り付け部材52と第2取り付け部材54とで挟持され、アース線(導電体)56aを介して抵抗体58aに接続されるとともに、この抵抗体58aが図示しない自動車車体(グランド)に接続(接地)される(図1参照)。
【0032】
図2〜図4に示すように、第1および第2取り付け部材52、54は、例えば、SUS材等の導電性板部材で構成されている。第1取り付け部材52は、センサ44の金属部であるセンサ本体部44aに当接するとともに、前記センサ本体部44aの六角部の互いに平行な2面60a、60bに係止される爪部62a、62bを設ける。
【0033】
第1取り付け部材52は、固定板部64と取り付け板部66とを一体的に設け、前記固定板部64に孔部68が形成される一方、前記取り付け板部66には、孔部70と、前記孔部70の両側に位置してアース端子回転止め用孔部72a、72bが形成される。
【0034】
第2取り付け部材54は、センサ44の先端部を挿入するリング部74を有し、このリング部74から立ち上がって固定板部76と取り付け板部78とが設けられる。固定板部76には、孔部80が形成される一方、取り付け板部78には、ねじ穴82がブロック部を介して所定の軸長に形成される。
【0035】
第1および第2取り付け部材52、54によりセンサ44が挟持された状態で、固定板部64、76の孔部68、80にボルト(固定具)84が挿入される。このボルト84にナット86が螺合されることにより、固定板部64、76同士が固定される。
【0036】
取り付け板部66には、アース端子88が配置され、前記アース端子88がアース端子回転止め用孔部72a、72bに係止されるとともに、ボルト90が前記アース端子88から孔部70を介してねじ穴82にねじ込まれる。このアース端子88には、アース線56aの一端が固定されるとともに、前記アース線56aが抵抗体58aに接続される(図1参照)。この抵抗体58aとしては、例えば、数十MΩの抵抗が使用される。
【0037】
冷却媒体排出配管42bに取り付けられるセンサ44は、上記の冷却媒体供給配管42aに取り付けられるセンサ44と同様に、アース線(導電体)56bを介して抵抗体58bに接続される。この抵抗体58bは、図示しない自動車車体(グランド)に接続(接地)される。
【0038】
燃料ガス供給配管30aおよび酸化剤ガス供給配管34aに取り付けられるセンサ32、36は、同様にアース線56aを介して抵抗体58aに接続される一方、燃料ガス排出配管30bおよび酸化剤ガス排出配管34bに取り付けられるセンサ32、36は、同様にアース線56bを介して抵抗体58bに接続される。
【0039】
このように構成される接地構造10の動作について、これを組み込む燃料電池システム12との関連で以下に説明する。
【0040】
まず、燃料ガス供給部18が駆動されて、燃料ガス供給配管30aから燃料ガス入口24aに燃料ガスが供給される。この燃料ガスは、燃料電池スタック16の各単位セル14を構成するアノード側電極に供給された後、燃料ガス出口24bから燃料ガス排出配管30bに排出される。
【0041】
一方、酸化剤ガス供給部20が駆動されて、酸化剤ガス供給配管34aから酸化剤ガス入口26aに酸化剤ガス、例えば、空気が供給される。この空気は、燃料電池スタック16の各単位セル14を構成するカソード側電極に供給された後、酸化剤ガス出口26bから酸化剤ガス排出配管34bに排出される。
【0042】
これにより、各単位セル14では、アノード側電極に供給される燃料ガスと、カソード側電極に供給される空気とが、電極触媒内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。この発電によって、例えば、図示しないメインモータに電力が供給されて、車両の走行が可能となる。
【0043】
また、冷却媒体供給部22では、循環ポンプ40が駆動されて、冷却媒体供給配管42aから冷却媒体入口28aに冷却媒体が供給される。この冷却媒体は、各単位セル14を冷却した後、冷却媒体出口28bから冷却媒体排出配管42bに排出される。各単位セル14の冷却に使用されて昇温した冷却媒体は、必要に応じてラジエータ38を通ることによって外気との熱交換が行われ、所定の温度に冷却された後、燃料電池スタック16に循環される。
【0044】
上記のように、燃料電池システム12が駆動している際に、センサ32は、被測定流体である燃料ガスの入口温度や入口圧力および出口温度や出口圧力を測定する一方、センサ36は、被測定流体である空気の入口温度や入口圧力および出口温度や出口圧力を測定する。さらに、センサ44は、被測定流体である冷却媒体の入口温度や入口圧力および出口温度や出口圧力を測定する。
【0045】
この場合、例えば、冷却媒体供給部22において、循環ラインを構成する冷却媒体供給配管42aおよび冷却媒体排出配管42bが絶縁樹脂配管で構成されている。従って、絶縁性を確保して冷却媒体による液絡を防止するとともに、配管からのイオンの流出を阻止することができる。
【0046】
ところで、冷却媒体供給配管42aおよび冷却媒体排出配管42bには、センサ44が取り付けられており、前記冷却媒体供給配管42aおよび前記冷却媒体排出配管42bが絶縁樹脂配管であるため、このセンサ44には燃料電池スタック16の発電によって静電気または高電位が印加され易い。
【0047】
この場合、本実施形態では、センサ44が導電性板部材で構成される第1および第2取り付け部材52、54に挟持されており、前記第1取り付け部材52が前記センサ44の金属部であるセンサ本体部44aに当接している。そして、第1取り付け部材52は、アース端子88に接続されたアース線56aを介して抵抗体58aに電気的に接続され、この抵抗体58aが接地されている。
【0048】
これにより、センサ44に印加された電位は、第1取り付け部材52およびアース線56aを介し抵抗体58aを中継してグランドに確実に逃がすことができる。このため、センサ44に静電気や高電位が印加され続けてセンサ内部に電荷が蓄積することがない。従って、センサ内部の絶縁物質が帯電してセンサ回路に出力異常が惹起することがなく、簡単な構成で、冷却媒体の温度や圧力等を高精度に測定することが可能になるという効果が得られる。
【0049】
さらに、接地構造10は、センサ44を挟持する第1および第2取り付け部材52、54を備え、前記第1取り付け部材52がアース線56aを介して接地された抵抗体58aに電気的に接続されている。このため、接地構造10全体の構成が有効に簡素化されるとともに、グランドである自動車車体に電流が急激に流れることを阻止することができるという利点がある。
【0050】
なお、冷却媒体排出配管42bに取り付けられたセンサ44は、上記の冷却媒体供給配管42aに取り付けられたセンサ44と同様に、アース線56bを介して抵抗体58bに電位を確実に逃がすことができる。
【0051】
一方、燃料ガス供給部18では、絶縁樹脂配管で構成される燃料ガス供給配管30aおよび燃料ガス排出配管30bにセンサ32が取り付けられ、前記センサ32は、それぞれアース線56a、56bを介して接地された抵抗体58a、58bに電気的に接続されている。従って、燃料ガス加湿用の水分や発電反応により生じた生成水の逆拡散によって水が存在していても、センサ32に静電気または高電位が印加され続けることを確実に阻止することが可能になる。
【0052】
同様に、酸化剤ガス供給部20では、絶縁樹脂配管で構成される酸化剤ガス供給配管34aおよび酸化剤ガス排出配管34bにセンサ36が取り付けられ、前記センサ36は、反応による生成水を介して静電気または高電位が印加されても、それぞれアース線56a、56bを介して抵抗体58a、58bからグランドに電位を逃がすことができる。このため、各種センサ32、36および44は、センサ内部に電位が印加されることを阻止して、所定の被測定流体の温度や圧力等を高精度に測定することが可能になる。
【0053】
なお、本実施形態では、燃料ガス供給部18、酸化剤ガス供給部20および冷却媒体供給部22が、センサ32、36および44に接地構造10を取り付けているが、これに限定されるものではなく、少なくとも前記センサ32、36または44のいずれかに前記接地構造10を採用してもよい。また、センサ32、36および44は、圧力センサや温度センサの他、流量センサを用いてもよく、さらに燃料ガス供給部18および酸化剤ガス供給部20では、濃度センサや湿度センサ等であってもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明に係るセンサ用接地構造では、被測定流体を介してセンサに静電気や高電位が印加されると、前記センサの金属部から取り付け部材および導電体を介し電位を逃がすことができる。これにより、センサに静電気や高電位が印加され続けてセンサ内部に電荷が蓄積することがなく、簡単な構成で、被測定流体の温度や圧力等を高精度に測定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るセンサ用接地構造が適用される燃料電池システムの概略構成説明図である。
【図2】前記接地構造の要部斜視説明図である。
【図3】図2の断面説明図である。
【図4】前記接地構造を構成する第1および第2取り付け部材の分解斜視説明図である。
【図5】従来技術に係る燃料電池冷却装置の概略構成説明図である。
【符号の説明】
10…接地構造 12…燃料電池システム
14…単位セル 16…燃料電池スタック
18…燃料ガス供給部 20…酸化剤ガス供給部
22…冷却媒体供給部 24a…燃料ガス入口
24b…燃料ガス出口 26a…酸化剤ガス入口
26b…酸化剤ガス出口 28a…冷却媒体入口
28b…冷却媒体出口 30a…燃料ガス供給配管
30b…燃料ガス排出配管 32、36、44…センサ
34a…酸化剤ガス供給配管 34b…酸化剤ガス排出配管
38…ラジエータ 42a…冷却媒体供給配管
42b…冷却媒体排出配管 50…膨出円筒部
52、54…取り付け部材 56a、56b…アース線
58a、58b…抵抗体 88…アース端子
Claims (5)
- 絶縁樹脂配管に取り付けられ、前記絶縁樹脂配管内を流れる被測定流体の特性を測定するセンサ用接地構造であって、
前記センサに装着され、該センサの金属部と電気的に接続される取り付け部材と、
前記取り付け部材に接続されるとともに、接地される導電体と、
を備え、
前記被測定流体を介して前記センサに印加された静電気または電位を、前記取り付け部材および前記導電体を介して逃がすことにより、センサ内部の絶縁物質が帯電することを阻止することを特徴とするセンサ用接地構造。 - 請求項1記載のセンサ用接地構造において、前記取り付け部材は、前記センサを挟持する第1および第2取り付け部材を備え、
前記第1および第2取り付け部材は、固定具を介して一体的に固定されることを特徴とするセンサ用接地構造。 - 請求項1または2記載のセンサ用接地構造において、前記導電体は、抵抗体を中継して接地されることを特徴とするセンサ用接地構造。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセンサ用接地構造において、前記絶縁樹脂配管は、燃料電池の少なくとも反応ガス流通配管または冷却媒体流通配管であることを特徴とするセンサ用接地構造。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセンサ用接地構造において、前記被測定流体の特性は、少なくとも温度、圧力、流量、湿度または濃度を含むことを特徴とするセンサ用接地構造。
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