JP4272386B2 - 遊技場の情報管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、遊技場内の各種装置の稼働状態や売り上げに関する情報などを遊技場外で管理するためのシステムに関するもので、特にこの発明は、遊技場内で情報を収集して所定の情報処理を行う装置やその装置に接続された端末装置にメンテナンス処理を行うための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のパチンコホールには、有価価値が書き込まれたカード状の記憶媒体(以下、単に「カード」という。)を用いてパチンコ玉などの遊技媒体を貸し出すようにしたシステム(以下、「遊技媒体貸出システム」という。)が導入されている。この遊技媒体貸出システムには、各遊技機に隣接する台間機,カードの発行装置,精算装置などの装置(以下、「カード取扱装置」と総称する。)のほか、これらの装置と通信可能に設定されたコンピュータ(以下、このコンピュータを「場内管理装置」と呼ぶ。)が配備される。
【0003】
前記場内管理装置は、各カード取扱装置からカードの売り上げや使用状態を示す情報を収集して集計処理などを行う。またシステムによっては、遊技場内におけるカードの発行処理や照合処理を、この場内管理装置内で一元管理する場合もある。さらにこの場内管理装置は、システム管理者であるカード管理会社内のホストコンピュータ(以下、このコンピュータを「場外管理装置」と呼ぶ。)と通信するように設定されており、前記集計データを閉店時などに場外管理装置に送信する。場外管理装置は、各遊技場からの送信データを所定期間毎に集計するなど、パチンコホール側のシステム利用料金を決めるのに必要な情報処理を実行する。
【0004】
この種の遊技媒体貸出システムは、適宜、システム管理者による動作チェックを受けたり、プログラムのバージョンアップを行うなどのメンテナンスを行う必要がある。またシステム内で回線の切断などの故障が発生した場合には、カード管理会社側の係員がホールに出向き、場内管理装置と各遊技用機器との通信状態を点検するなどして不良箇所を検出する。このようなメンテナンス処理のために、従来は、場内管理装置においてメンテナンス処理用のプログラムを起動させて、自装置および他のカード取扱装置へのメンテナンス処理を効率良く行うようにしている。
【0005】
ただしこの種のメンテナンス処理では、場内管理装置や各遊技用機器に記憶されたプログラムやデータを読み出して出力したり、プログラムやデータの書換えを行う処理が含まれるため、メンテナンス用のプログラムが読み取られたり、改竄されることがないように、注意をはらう必要がある。
このような問題に鑑み、出願人は、以前に、場内管理装置にメンテナンス処理用のプログラムが記憶された記憶媒体をセットして前記プログラムを制御部内に読み込ませ、メンテナンス処理が終了すると、すぐに制御部内のプログラムを消去することを提案した(特開平11−219319号)。
【0006】
上記の方法によれば、メンテナンス処理の都度、システム管理者の管理下にある記憶媒体を用いて処理を行うので、第3者がメンテナンス処理用の制御プログラムを読み取って実行したり、プログラムを改竄することは困難となる。しかも制御部に読み込まれたプログラムは、処理終了後に消去されるので、制御プログラムのセキュリティを保持することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記特開平11−219319号の方法では、場内管理装置の機種によってメンテナンス用のプログラムが異なる場合には、機種毎に記憶媒体を用意しなければならなくなる。またメンテナンス用のプログラムがバージョンアップされる都度、新たなプログラムに対応する記憶媒体を用意しなければならなくなる。さらに、実施される頻度がきわめて低いメンテナンス処理についても、記憶媒体に格納する必要があるので、記憶媒体の容量や個数が増大する、という問題もある。
【0008】
ここで、場内管理装置と場外管理装置とが通信可能である点に着目すれば、場外管理装置にメンテナンス用のプログラムや設定データを登録し、これらプログラムやデータを場内管理装置に送信することによって、上記の問題を解決することができる。しかしながらこれら管理装置間の通信は、一般に電話回線を介して行われる上、遊技場内の装置間も有線接続されているため、前記プログラムやデータを場内管理装置に容易にダウンロードできるようにすると、第3者による不正なダウンロードが行われる虞がある。
【0009】
この発明は上記問題点に着目してなされたもので、あらかじめ場外管理装置に登録された携帯通信端末を使用しなければメンテナンス処理用のプログラムやデータを場内管理装置に送信できないようにすることにより、前記プログラムやデータが第3者に容易にダウンロードされるのを防止して、プログラムやデータの秘密性を維持できるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、遊技場内に配備されて所定の情報処理を実行する場内管理装置と、前記場内管理装置と通信を行って前記情報処理結果の送信を受け付ける場外管理装置とを具備するシステムに対してなされたものである。この発明によるシステムは、さらに場外管理装置にあらかじめ登録され、かつ場内管理装置および場外管理装置との通信が可能な携帯通信端末を具備する。この携帯通信端末は、場内管理装置からこの装置に固有の識別コードの送信を受けた後に、受信した識別コードを含む送信要求を前記場外管理装置に送信する。前記場外管理装置は、前記遊技場内の情報処理に関わるメンテナンス処理のための情報と前記場内管理装置の識別コードとが登録されたメモリを具備し、自装置に登録されている携帯通信端末から前記送信要求を受けたとき、その送信要求に含まれる識別コードと前記メモリに登録された識別コードとを照合して送信先の場内管理装置を特定し、特定した場内管理装置に前記メモリに登録されたメンテナンス処理のための情報を送信するように構成される。また場内管理装置は、前記場外管理装置から送信された情報を用いてメンテナンス処理を実行するように構成される。
【0011】
ここで「情報処理に関わるメンテナンス処理のための情報」とは、場内管理装置が自装置や自装置に接続される端末装置(前記したカード取扱装置など)に所定のメンテナンス処理を実行するのに必要なプログラム、または前記場内管理装置または端末装置の動作を改良または変更するためのプログラムやデータなどとすることができる(以下、これらのメンテナンス実行のためのプログラム、および装置に設定するプログラムやデータを「メンテナンス用データ」と総称する。)。
【0012】
前記携帯通信端末は、携帯電話やPDAなど、無線通信を行う機能を具備する小型の装置を用いることができる。この携帯通信端末は、システム管理者側の係員など、メンテナンス処理を許可された特定人に付与されるのが望ましい。また携帯通信端末の場外管理装置への登録は、携帯通信端末に固有の識別コードを場外管理装置内のメモリに格納することによって行うことができる。
たとえば携帯通信端末として携帯電話を使用する場合には、この携帯電話の電話番号を識別コードとすることができる。この場合に場外管理装置は、受け付けた送信要求につき、発信者通知サービスにより得た電話番号を登録データと照合して、前記送信要求が登録された装置からのものであるかどうかを容易に認識することができる。なお、セキュリティーをより高めるためには、別途、システム管理者により設定された識別コードやパスワードを登録しておくのが望ましい。
【0013】
上記構成のシステムによれば、場外管理装置は、自装置に登録されている携帯通信端末からの送信要求を受け付けることによって場内管理装置にメンテナンス用データを送信するので、携帯通信端末を持たない第3者によりメンテナンス用データがダウンロードされるのを防止でき、メンテナンス用データの送信にかかるセキュリティーを保持することができる。なお、場内管理装置に取り込まれたメンテナンス用データは、メンテナンス処理が終了した後に消去されるのが望ましい。
【0015】
また場外管理装置は、自装置に登録された携帯通信端末から送信された識別コードによって、メンテナンス用データの送信先の場内管理装置を特定できるので、システム内に複数の場内管理装置が含まれる場合にも、送信先を混同する虞がない。また遊技場によってメンテナンス用データが異なる場合には、その遊技場に応じてメンテナンス用データを問題なく送信することができる。
また万一、前記携帯通信端末からの送信要求に登録されていない識別コードが含まれている場合には、メンテナンス用データを送信しないようにすることができるので、メンテナンス用データの送信にかかるセキュリティをさらに高めることができる。
【0016】
さらに上記システムの好適な態様では、前記場内管理装置の機体に前記識別コードを記憶し、かつ非接触通信機能を具備する記憶媒体が取り付けられる。また前記携帯通信端末は、前記記憶媒体に対する非接触通信を行うための専用の通信回路を具備し、この通信回路による通信により前記記憶媒体から識別コードの送信を受けるように構成される。
前記記憶媒体としては、たとえばRFID(Radio Frequency Identification)システム用のICタグを用いることができる。この場合に前記機体外面に貼付可能なタグラベルを使用するようにすれば、場内管理装置へのタグの取り付けを簡単に行うことができる。ただし、記憶媒体は貼付できるようなものに限らず、所定の厚みを持つ取付部材を機体外面に嵌め込むなどしてもよい。また記憶媒体は機体外面に限らず、機体内部の適所に取り付けることもできる。
【0017】
上記の態様によれば、携帯通信端末は、場内管理装置の機体外面に設けられた記憶媒体に非接触の通信を行って、その記憶媒体から識別用コードの送信を受けるので、正しい識別用コードを簡単に取得することができる。
【0018】
さらにこの発明にかかる第2のシステムは、場外管理装置にあらかじめ登録され、かつ前記場内管理装置との通信が可能な携帯通信端末を具備する。場内管理装置は、前記携帯通信端末との通信によりこの携帯通信端末に固有の識別コードの送信を受けた後に、受信した識別コードを含む送信要求を前記場外管理装置に送信するように構成される。また場外管理装置は、前記遊技場内の情報処理に関わるメンテナンス処理のための情報と携帯通信端末の識別コードとが登録されたメモリを具備し、場内管理装置から前記送信要求を受けたとき、その送信要求に含まれる識別コードを前記メモリに登録された識別コードと照合し、この照合により前記識別コードが前記メモリに登録されていることが確認されたことを条件として、前記メモリに登録されたメンテナンス処理のための情報を場内管理装置に送信する。さらに前記場内管理装置は、場外管理装置から送信された情報を用いてメンテナンス処理を実行する。
【0019】
上記のシステムにおいて、携帯通信端末に固有の識別コードは、前記した電話番号またはシステム管理者により設定された特別のコードであり、場外管理装置のメモリにあらかじめ登録されている。場外管理装置は、場内管理装置からの送信要求を受け付けたとき、この送信要求に含まれる識別コードをメモリに登録された識別コードと照合し、前記識別コードが登録されたものであれば、送信要求を正当とみなして、場内管理装置にメンテナンス用データを送信する。
よって場内管理装置は、携帯通信端末と通信を行わない限り、前記の識別コードを得ることができないから、携帯通信端末を持たない第3者によりメンテナンス用データが自由にダウンロードされるのを防止することができ、メンテナンス用データの送信にかかるセキュリティーを保持することができる。
【0020】
場内管理装置に取り込まれた携帯通信端末の識別コードやメンテナンス用データは、メンテナンス処理後に消去されるのが望ましい。
場内管理装置と携帯通信端末との通信は、たとえば携帯通信端末の機体に前記識別用コードが記憶された記憶媒体を取り付け、前記場内管理装置に、前記記憶媒体に対する非接触通信を行うための通信回路を設けることによって、実現することができる。また両装置間でブルートゥースのような近距離用の無線通信を行うようにしてもよい。
【0021】
この発明にかかる第3のシステムも、第2のシステムと同様に、場外管理装置にあらかじめ登録され、かつ前記場内管理装置との通信が可能な携帯通信端末を具備する。また場内管理装置は、前記携帯通信端末との通信によりこの携帯通信端末に固有の識別コードの送信を受けた後に、受信した識別コードを含む送信要求を前記場外管理装置に送信する。
【0022】
さらにこの第3のシステムの場外管理装置は、遊技場内の情報処理に関わるメンテナンス処理のための情報と前記携帯通信端末の識別コードとが登録されたメモリと、前記場内管理装置から前記送信要求を受けたとき、その送信要求に含まれる識別コードに対応する携帯通信端末と通信する通信手段とを具備し、前記通信手段による通信により前記携帯通信端末からあらかじめ定めたパスワードの送信を受けたことを条件として、前記メモリに登録されたメンテナンス処理のための情報を前記場内管理装置に送信する。さらに前記場内管理装置は、前記場外管理装置から送信された情報を用いてメンテナンス処理を実行する。
【0023】
上記の構成によれば、場外管理装置では、場内管理装置からの送信要求に含まれる識別コードに対応する携帯通信端末との通信によりあらかじめ定めたパスワードの送信を受けたことを条件として、メンテナンス用データの送信を行うので、第1および第2のシステムと同様に、第3者によりメンテナンス用データが不正にダウンロードされるのを防止することができる。
【0024】
上記した各構成の情報管理システムによれば、メンテナンス処理の係員に携帯通信端末を持たせることにより、各遊技場において、この携帯通信端末を用いてメンテナンス処理に必要なプログラムやデータを場内管理装置にダウンロードすることが可能となる。したがってメンテナンス処理の係員以外の人間が、メンテナンス用データのダウンロード処理を行うのは困難となり、各種メンテナンス処理のためのプログラムやデータの秘密を守ることができる。
【0025】
またメンテナンス処理の係員は、たくさんの記憶媒体を持ち歩く必要がなくなるから、係員の負担を軽減することができ、記憶媒体の取り違えや紛失などのトラブルを防止することもできる。
また遊技場毎に場内管理装置の機種が変わったり、メンテナンス用データが頻繁にバージョンアップされても、その都度、適合するデータを用いたメンテナンス処理を簡単に行うことができる。また実施される頻度が極めて低いメンテナンス処理についても、その処理を行うときのみ場外管理装置から必要な情報を送信すれば良く、効率の良いメンテナンス処理を行うことができる。なお、このように実行するメンテナンス処理に応じたデータをダウンロードするために、場外管理装置は、携帯通信端末または場内管理装置から、必要なメンテナンス用データを指定するコマンドの送信を受け付けて、そのコマンドに対応するデータを送信するようにするのが望ましい。
【0026】
この発明にかかる情報管理システムは、遊技場において遊技媒体の貸出に使用される遊技用記憶媒体を管理するためのシステムに設定することができる。遊技用記憶媒体は、たとえば有価価値が書き込まれたカード(磁気カードのほか、ICカード,メモリカードなどを使用してもよい。またカードに代えて、円盤状のICチップなどを使用してもよい。)であり、これを取り扱う装置としては、遊技媒体の貸出処理装置(台間機),カード発行装置,精算装置などを、遊技場内に配備することができる。場内管理装置は、これらの装置から、カードの発行枚数、売り上げ金額,カードの利用数,実質的な使用度数など、遊技用記憶媒体の取り扱いに関する情報を収集し、その収集結果を場外管理装置に送信することができる。
ただしこの発明は、上記のような遊技用記憶媒体に関する情報を管理するシステムに限らず、たとえば遊技場内の売り上げ総額や集客情報を管理するようなシステムにも適用することもできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明が適用された遊技媒体貸出システムの構成を示す。
この遊技媒体貸出システムは、パチンコホールA(以下、単に「ホールA」という。)において、有価価値が書き込まれたカードによりパチンコ玉やメダルなどの遊技媒体の貸出を行うためのもので、ホールA内の各遊技機9に隣接させて配備された複数の台間機4,カード発行装置5,カード精算装置6,場内管理装置1,ならびにホールA外のシステム管理者B(一般にカード管理会社である。)が保有する場外管理装置2により構成される。なお、ここでは図示しないが、このシステムには、ホールAと同様の構成を具備する複数のホールが含まれる。
【0028】
ホールA内の各台間機4,カード発行装置5,カード精算装置6,場内管理装置1は、双方向性の通信回線41を介して相互に通信可能に接続される。また場内管理装置1は、ISDNのような電話通信回線42を介して場外管理装置2に接続される。なお、各台間機4は、遊技島8毎に配備された中継装置7を介して前記通信回線41に接続される。
【0029】
各台間機4は、貨幣の投入を受け付けて所定の度数が書き込まれたカードを発行する機能を具備する。またこれら台間機4は、隣接の遊技機9に電気接続されており、自装置または他の装置で発行されたカードを受け付けてその度数を引き落とし、隣の遊技機9へ貸出要求信号を送信して、所定数の遊技媒体の貸出処理を行わせる。なお、遊技機9は、パチンコ機であれば、貸出要求信号に応じて機体内より所定数のパチンコ玉を払い出し、スロットマシンであれば、前記貸出要求信号に応じて所定数のメダルを電子データ形式で貯留する処理を行う。
【0030】
カード発行装置5は、貨幣の投入を受け付けて前記台間機4で使用可能なカードを発行する。またカード精算装置6は、残度数のあるカードを受け付けて前記残度数に応じた金額価値分の貨幣を払い出すためのものである。
【0031】
場内管理装置1は、後記するように特別仕様のコンピュータであり、各台間機4,カード発行装置5,カード精算装置6より、適宜、カードの販売状況や利用状況に関わる情報の送信を受け付けて、ホールA内におけるカードの売り上げ、カードの利用枚数、遊技媒体の貸出に消費された金額(または度数)などを集計する。
【0032】
上記の集計結果は、閉店処理時などに場外管理装置2に送信される。場外管理装置2は、複数のホールからの送信を受け付けることが可能なサーバー用コンピュータであり、日々の送信データを用いて、各ホールに対する請求処理のためのデータを集計する。さらにこの実施例の場外管理装置2は、詳細は後記するが、メンテナンス要員の持つ携帯電話3からの送信要求に応じて任意のホールの場内管理装置1に接続し、このホールのメンテナンス処理に必要なプログラムや設定データを前記場内管理装置1に送信するようにしている。
【0033】
なお、上記の遊技媒体貸出システムでは、カード発行装置5のほかに、各台間機4にもカードを発行する機能を持たせており、また発行されたカードの発券情報(発券番号,発券コード,残金額など)を発行元の装置で管理するようにしている。(この情報処理の詳細については、特開平9−140922号公報を参照されたい。)
ただし、この発明はこのようなシステム構成に限らず、場内管理装置1がカードの登録情報を管理する集中管理型のシステムにも適用することができる。
【0034】
図2は、前記場内管理装置1の外観を示す。この実施例の場内管理装置1は、本体部11およびタッチパネルディスプレイ12により構成される。前記本体部11は、前面開口の筐体14に扉部13を組み付けて成る。この扉部13の板面には、錠機構17,キースイッチ15,動作表示ランプ16などが嵌め込まれており、通常は、錠機構17により施錠された状態に設定される。なお、キースイッチ15は、本体部11内の電源スイッチ(図示せず。)を動かすもので、このキースイッチ15のキー孔を垂直方向から水平方向に回動すると、所定時間後に内部電源が遮断されて装置の動作が停止する。またキー孔を一旦水平方向にした後に所定時間後に垂直方向に復帰させると、内部電源が一時的に遮断された後、電源復帰後の装置は初期状態にリセットされる。
前記動作表示ランプ16は、装置が稼働しているか否かを示すためのもので、通常は常時点灯し、通信や集計処理などを行う際に点滅動作する。
【0035】
前記扉部13の前面には、ICタグ36が貼付されている。このICタグ36は、薄型のタグラベルであり、ICチップ361が埋設されたフィルム材に、アンテナを構成するコイルや共振回路のパターン362が印刷されたフィルム層や接着層を重ねて構成される。前記ICチップ361には、前記ホールAの店番号などを格納したメモリ(図示せず。)が含まれており、後記する送信コマンドに応じてこのメモリ内の情報を送信するように設定されている。
【0036】
図3は、前記本体部11を開放した状態を示す。
前記筐体14の内部には、後記する制御部25や通信用のインターフェース基板などを含む制御ユニット19や、ICカード処理用のカードユニット18が収容される。また前記制御ユニット19の前面には、各種データ伝送や電源供給のために複数のコネクタ21が配備され、さらにカード挿入口22などが形成される。
なお、図3には示していないが、各コネクタ21に接続されるケーブルは、図中右手の空洞部23を介して裏側のケーブル挿通孔(図示せず。)に導かれる。
【0037】
前記カードユニット18は、前面にカード挿入口24を具備する。このカード挿入口24から挿入されるICカードは、他の装置に送信する情報を暗号化したり、他の装置から送信された情報を復号化するための副制御部として機能するもので、常時、このカード挿入口24からカードユニット18内に挿入された状態にある。(以下、このICカードを「暗号化用カード」と呼ぶ。)
【0038】
制御ユニット19側のカード挿入口22には、情報の書換えが可能な不揮発性のメモリカードが挿入される。このメモリカードには、場内管理装置1の主要な動作に関わるプログラムが書き込まれるほか、ホールA内の各カード取扱装置(台間機4,カード発行装置5,カード精算装置6)からの送信データやその集計結果などを格納するためのメモリ領域などが設けられる。(以下、このカードを「メインメモリカード」と呼ぶ。)このメインメモリカードも、前記暗号化用カードと同様に、常時、制御ユニット18内に挿入された状態にある。
【0039】
なお、前記各カード挿入口22,24には、それぞれ被覆板(図示せず。)が被せられる。また前記錠機構17を解錠するための鍵は、システム管理者Bの管理下に置かれ、ホールA側には、前記キースイッチ15を回動するための鍵のみが提供される。
したがってホールA側で実行できるのは、キースイッチ15による起動操作や終了操作のみとなり、扉部13を開けたり、暗号化用カードやメインメモリカードを取り出す行為は、システム管理者Bの派遣するメンテナンス要員のみに許可されることになる。なお、扉部13が開放された場合には、後記する扉開放検知用センサ33が動作し、その検出時刻が前記メインメモリカードに保存される。
【0040】
上記の場内管理装置1は、場外管理装置2およびシステム管理者Bのメンテナンス要員が所持する携帯電話3とともに、ホールAのメンテナンス処理を行うための情報処理システムを構成する。図4は、この情報処理システムの構成を示すもので、ここでは主として前記場内管理装置1の電気構成を示し、場外管理装置2と携帯電話3とについては、通信処理に関わる関係のみを示す。
【0041】
図4において、25は、前記場内管理装置1の制御ユニット19内の制御部であり、CPU26,ROM27,RAM28により構成される。また30,31は、前記したメインメモリカード、暗号化用カードであり、バス29を介して前記制御部25に接続される。
【0042】
メインメモリカード30は、制御部25の拡張メモリとして機能するもので、各カード取扱装置からの情報を集計するのに必要なプログラムや集計結果などが格納される。一方、暗号化用カード31は、独自のCPU311,ROM312,RAM313を具備しており、ROM312には、暗号化処理および復号化処理のためのプログラム,暗号化キー,復号化キーなどが格納される。前記制御部25のCPU26は、メインメモリカード30のプログラムに従って動作し、処理結果もメインメモリカード30に格納する。またCPU26は、各カード取扱装置や場外管理装置2と通信を行う際には、この暗号化用カード31のCPU311に指令を送り、送信情報の暗号化処理や受信情報の復号化処理を行わせた後、その処理後のデータの伝送を受ける。
【0043】
このほか前記バス29には、前記タッチパネルディスプレイ12の表示動作を制御したり、データ入力を受け付けるためのタッチパネル用制御回路32,前記扉開放検知用センサ33(光電スイッチなど),前記場外管理装置2と通信を行うための第1の通信インターフェース回路34,およびホールA内の各カード取扱装置と通信を行うための第2の通信インターフェース回路35などが接続される。
【0044】
前記ICタグ36のICチップ361には、前記メモリのほか、携帯電話3との通信を制御するための制御回路(図示せず。)が組み込まれている。この制御回路は、場内管理装置1の制御部25には接続されずに独立に動作し、携帯電話3にメモリ内の情報を提供する。
【0045】
前記携帯電話3は、電話会社のパケット通信網を介して場外管理装置2に接続される。この携帯電話3の電話番号は、場外管理装置2側のメモリに登録されている。場外管理装置2は、携帯電話3からの着信を受けると、発信者通知サービスにより提供された電話番号を登録データと照合して、登録データに合致したときのみ、携帯電話3からの着信を受け付けるようにしている。
【0046】
さらにこの携帯電話3には、前記ICタグ36との通信を行うための専用の通信ユニット37(アンテナ部,変調回路,復調回路などが含まれる。)が取り付けられる。また携帯電話3の本体部内には、マイクロコンピュータによる制御回路(図示せず。)が組み込まれる。この制御回路には、メンテナンス処理時の通信処理や、メンテナンス要員によるデータ入力の受付,メンテナンス処理結果の表示などの処理を制御するためのプログラムが設定されている。
【0047】
上記構成の場内管理装置1において、キースイッチ15による起動操作が行われると、制御部25のCPU26は、メインメモリカード30から初期起動用のプログラムを読み出してRAM28にセットし、このプログラムに応じて前記タッチパネルディスプレイ12に操作画面を表示する。ここでホールA側の係員がパスワードの入力など所定の設定操作を行うと、CPU26は、各カード取扱装置との通信が可能な状態となり、以下、各装置に起動命令を出力した後に、各装置からの情報送信を受け付け、集計処理などを行う。
【0048】
各カード取扱装置から受信した情報や集計処理の結果は、メインメモリカード30に格納され、閉店時の終了操作などに応じて読み出されて、場外管理装置2に送信される。なおメインメモリカード30に格納されたプログラムは、実行時にRAM28に転送されるが、このRAM28内のプログラムは閉店時の終了操作に応じて消去される。
【0049】
つぎにホールAのメンテナンス処理を行う際には、システム管理者Bのメンテナンス要員が、所有する携帯電話3にICタグ36との通信を行わせ、ICタグ36の前記メモリから店番号を読み出させる。この後、携帯電話3は自動的にまたはメンテナンス要員の操作に応じて場外管理装置2に接続され、メンテナンス用データの送信要求を行う。なお、この送信要求では、必要なメンテナンス用データを指定するコマンド(以下、単に「コマンド」という。)および前記店番号が送信される。
【0050】
場外管理装置2は、前記送信要求が適正であることを確認した上で、前記店番号に対応する場内管理装置1に接続し、前記コマンドにより指定されたメンテナンス用データを送信する。場内管理装置1では、送信されたメンテナンス用データを前記制御部25のRAM28に格納した後、このデータを用いて必要なメンテナンス処理を実行する。このRAM28内に格納されたメンテナンス用データは、メンテナンス処理の終了後に消去される。
なお、この実施例では、メンテナンス用データとして、メンテナンス処理を実行するためのプログラムや設定データ(カード処理のための新規プログラムを含んでもよい。)を送信するようにしている。
【0051】
図5〜7は、前記メンテナンス処理時における各装置の手順を示すもので、図5は場内管理装置1における処理手順を、図6は場外管理装置2における処理手順を、図7は携帯電話3における処理手順を、それぞれ示す。なお、各図のステップは「ST」と示し、場内管理装置1の実行するステップは10番台の数字により、場外管理装置2の実行するステップは20番台の数字により、携帯電話3の実行するステップは30番台の数字により、それぞれ示す。
【0052】
以下、図5〜7を参照しつつ、この実施例におけるメンテナンス処理の詳細を説明する。
メンテナンス処理の開始時には、まずメンテナンス要員は、携帯電話3の通信ユニット37を場内管理装置1のICタグ36に向け、両者間に通信を開始させる。携帯電話3の制御回路は、前記通信ユニット37からの信号によりICタグ36を検出すると、図7のST31からST32に進み、ICタグ36に店番号の送信要求コマンドを送信する。このコマンドに対してICタグ36から店番号が返送されると、携帯電話3では、この店番号を制御回路内のメモリに一時保存する。
【0053】
つぎに携帯電話3は、場外管理装置2への接続処理を行う(ST33)。なお、この接続処理は自動的に行ってもよいが、あらかじめ登録された場外管理装置2の電話番号を表示し、メンテナンス要員に接続操作を行わせるようにしてもよい。
【0054】
場外管理装置2は、携帯電話3からの着信を受けると、前記したようにその電話番号から適正な呼出しであることを確認した上で、着信を受け付ける(ST21)。なお、さらに安全性を高めるために、着信受付後に携帯電話3にパスワードを送信させ、適正なパスワードが送信された場合のみ、以下のステップに進むようにしてもよい。
【0055】
このようにして携帯電話3が場外管理装置2に接続されると、メンテナンス要員は、必要なメンテナンス処理を選択するための画面を呼び出し、所定の処理を選択する。携帯電話3の制御回路は、この選択操作に応じたコマンドを設定し、これを前記店番号とともに場外管理装置2に送信する(ST34)。
【0056】
場外管理装置2は、ST22でこの送信を受け付けると、受信した店番号を登録情報と照合する。そして店番号が適正であると判断すると、ST23からST24に進み、この店番号に対応する場内管理装置1への接続処理を行う。
場内管理装置1では、ST11において、場内管理装置1からの着信を受け付けると、通常の処理を中断して待機する。場外管理装置2は、この場内管理装置1に、前記コマンドに応じたメンテナンス用データを送信する(ST25)。
【0057】
場内管理装置1では、ST12において、前記メンテナンス用データを受信し、これをRAM28内に格納する。なお、このメンテナンス用データは、前記ホールAの各カード取扱装置からの送信データと同様に暗号化されているので、前記ST12では、前記暗号化用カード31を用いてメンテナンス用データの復号化処理を行いつつ、RAM28内に格納することになる。
【0058】
メンテナンス用データの格納処理が完了すると、場内管理装置1では、つぎのST13においてこのメンテナンス用データに含まれるメンテナンス用プログラムを起動させ、所定のメンテナンス処理を実行する。
なお、このメンテナンス用プログラムの起動時には、まずタッチパネルディスプレイ12上にパスワードの入力画面を立ち上げ、メンテナンス要員により適正なパスワードが入力されたことに応じて、メンテナンス処理に移行するのが望ましい。また場内管理装置1では、メンテナンス用プログラムの起動時刻やメンテナンス処理の結果などを、メンテナンス履歴としてメインメモリカード30に格納するのが望ましい。
【0059】
メンテナンス処理が終了すると、場内管理装置1は、ST14でこの処理結果を場外管理装置2に送信した後、つぎのST15で前記RAM28内のメンテナンス用データを消去し、しかる後に着信受付前の状態または初期状態に復帰する。
場外管理装置2では、ST26において前記メンテナンス処理結果を受信した後、受信した情報をメモリに保存し、さらに同じ内容の情報を携帯電話3に送信する(ST27,28)。携帯電話3は、この送信情報を受け付けると、その内容を表示部に表示させる(ST35,36)。
【0060】
なお、場外管理装置2において、携帯電話3から送信された店番号が適正でないと判断した場合には、ST23が「NO」となってST29に進み、メモリ内に送信エラーを示すコード情報を保存する。この後は、ST28に進んで携帯電話3に、同様の送信エラーを示すコード情報を送信する。この送信を受けた携帯電話3は、前記ST35,36の処理を実行することにより、送信エラーがあった旨を表示部に表示する。
【0061】
上記一連の処理によれば、携帯電話3から場外管理装置2への送信要求に応じて、場外管理装置2から場内管理装置1へのメンテナンス用データの送信が行われて、場内管理装置1でのメンテナンス処理が実行されることになる。携帯電話3からの送信要求には、場内管理装置1から携帯電話3に送信された店番号が含まれているので、場外管理装置2は、メンテナンス用プログラムの送信先の場内管理装置1を正しく認識した上で、メンテナンス用データの送信処理を行うことができる。
このように携帯電話3からの送信要求によって場内管理装置1にメンテナンス用データをダウンロードすることができるので、場外管理装置2に登録された携帯電話3を持たない第3者がダウンロードを行うことは不可能となり、メンテナンス用データの不正取得を防止することができる。
【0062】
さらに上記の手順では、メンテナンス処理結果が場外管理装置2に送信された後、同じ情報が携帯電話3に転送されて表示されるので、メンテナンス要員は、メンテナンス処理が適正に行われたかどうかを、現場において速やかに確認することができる。なお、携帯電話3から適正な店番号が送信されなかった場合には、場外管理装置2において前記ST29,28の処理が行われた後、携帯電話3において前記ST35,36の処理が行われることにより、メンテナンス要員に送信エラーが生じたことを速やかに知らせることができる。
【0063】
なお、上記実施例では、携帯電話3に送信するための店番号を記憶させる媒体としてICタグ36を用いたが、記憶媒体はこれに限らず、2次元バーコードの印刷ラベルやホログラムシールなどを用いてもよい。
【0064】
つぎに、この発明の第2の実施例について説明する。
この第2の実施例のシステムも、基本的な構成については、前記図1と同様である。図8は、場内管理装置1の詳細な電気構成とともに、この装置と携帯電話3,場外管理装置2との関係を示したもので、第1の実施例と同様の構成には、同じ符号を付してある。
【0065】
この実施例では、前記第1の実施例とは反対に、携帯電話3側にICタグ36aを設け、場内管理装置1側に、このICタグ36aと通信を行うためのアンテナ部38を配備する。なお、このアンテナ部38は、具体的には図示しないが、コイルや共振回路などが搭載された基板を所定の筐体内に収容して成るもので、たとえば場内管理装置1の前記扉部13の前面に取り付けられる。
【0066】
前記ICタグ36aは、第1の実施例のICタグ36と同様にタグラベルであり、内部のICチップ(図示せず。)には、前記携帯電話3のID番号を保存したメモリが設けられる。なお、このID番号は、携帯電話3の識別のためにシステム管理者Bにより付与された特別の番号であるのが望ましいが、これに限らず、携帯電話3の電話番号でもよい。
場内管理装置1の制御部25は、前記アンテナ部38がICタグ36aと通信可能な状態にあるとき、このICタグ36aの持つID番号を読み出させ、これを店番号とともに場外管理装置2に送信する。なお、店番号は、あらかじめROM27またはメインメモリカード30に格納されている。
【0067】
前記携帯電話3のID番号は、場外管理装置2のメモリに登録されている。場外管理装置2は、前記場内管理装置1から前記ID番号および店番号の送信を受けたとき、前記ID番号に対応する携帯電話3を呼び出して、パスワードやコマンドの送信を受け付ける。そしてパスワードによる認証処理を行った後に、前記コマンドに応じたメンテナンス用データを前記場内管理装置1に送信する。
【0068】
図9〜11は、上記システムにおける各装置のメンテナンス処理時の手順を示すもので、図9は場内管理装置1における手順を、図10は場外管理装置2における手順を、図11は携帯電話3における手順を、それぞれ示す。なお、この実施例では、場内管理装置1の行うステップ(ST)を100番台の数字により、場外管理装置2の行うステップを200番台の数字により、携帯電話3の行うステップを300番台の数字により、それぞれ示す。
【0069】
以下、図9〜11を参照しつつ、この第2の実施例におけるメンテナンス処理の詳細について説明する。
まずメンテナンス要員は、携帯電話3のICタグ36aを場内管理装置1のアンテナ部38に向け、両者間の通信を行わせる。このアンテナ部38からの信号により場内管理装置1の制御部25がICタグを検知すると、図9のST101が「YES」となる。この判定を受けて、場内管理装置1では、前記アンテナ部38よりICタグ36aにID番号の送信要求コマンドを送信する。このコマンドに応じてICタグからID番号が送信されると、場内管理装置1はこれを取り込んでRAM28内に保存する(ST102)。
【0070】
つぎに場内管理装置1は、ST103において、場外管理装置2に接続する。場外管理装置2がST201において着信を受け付けると、場内管理装置1は、前記ID番号を店番号とともに送信する(ST104)。
【0071】
場外管理装置2は、ST202において上記の情報を受信すると、つぎのST203で、ID番号に対応する携帯電話3の呼出しを行う。そして携帯電話3がST301において着信を受け付けると、場外管理装置2は、携帯電話3に対し、パスワードおよびコマンドの入力を要求する信号を送信する(ST204)。
【0072】
携帯電話3では、上記の信号を受け付けると、表示部に、パスワードおよびコマンドの入力画面を表示する。メンテナンス要員がこの入力画面上でパスワードおよびコマンドを入力すると、携帯電話3は、これらの情報を場外管理装置2に送信する(ST302)。
なお前記コマンドは、第1の実施例と同じく、必要とするメンテナンス用データを指定するコマンドであり、前記コマンドの入力は、必要なメンテナンス処理を選択する操作として行われる。
【0073】
場外管理装置2では、前記の情報送信を受け付けると、ST205からST206に進み、パスワードの適否をチェックする。ここでパスワードが適正であると判断すると、ST206が「YES」となってST207に進み、前記コマンドに応じたメンテナンス用データを場内管理装置1に送信する。
【0074】
場内管理装置1では、ST105において前記メンテナンス用データの送信開始を確認すると、ST106に進み、以下、送信されるメンテナンス用データを復号化しつつ取り込んでRAM28内に格納する。一連の受信処理が完了すると、ST107において、前記メンテナンス用データ内のメンテナンス用プログラムを起動して、所定のメンテナンス処理を実行する。この後は、ST108において、場外管理装置2にメンテナンス処理結果を送信した後、ST109において、前記RAM28内に保存したメンテナンス用データおよびID番号を消去し、しかる後に処理を終了する。
【0075】
場外管理装置2では、メンテナンス用データの送信後、ST208で、前記場内管理装置1からのメンテナンス処理結果を受信し、さらにST209においてその受信内容をメモリに保存する。さらに場外管理装置2は、つぎのST210で前記保存したのと同じ情報を携帯電話3に送信する。携帯電話3は、ST303においてこの情報送信を受け付けると、つぎのST304において受信したメンテナンス処理結果を表示部に表示する。
【0076】
なお、場外管理装置2において、ST204でのパスワード,コマンドの入力要求に対し、携帯電話3からの返信がなかった場合(ST205が「NO」の場合)または送信されたパスワードが不適正であった場合(ST206が「NO」の場合)には、ST211に進み、送信エラーを示すコード情報をメモリに保存する。さらにこの後はST210に進んで携帯電話3に同じコード情報を送信する。この送信に対しても、携帯電話3では、ST303,304の処理を実行することにより、前記表示部に送信エラーを示す情報を表示する。
【0077】
またこのような送信エラーが起こった場合には、場内管理装置1では、前記ST104でのID番号および店番号の送信に対し、所定時間が経過しても場外管理装置2からのメンテナンス用プログラムの送信を受けることができない状態が発生する。この場合には、ST105が「NO」となってST110に進み、所定のエラー処理を行った後に、ST111において、前記ID番号を消去する。
【0078】
上記の手順をまとめると、場内管理装置1では、前記携帯電話3からID番号や店番号の送信を受け、これらのデータを場外管理装置2に送信することにより、場外管理装置2に対するメンテナンス用データの送信要求を実行する。場外管理装置2は、受信したID番号により携帯電話3に接続してパスワードやコマンドの送信を受け付け、前記パスワードにより場内管理装置1からの送信要求が正当であるかどうかを判別した上で、場内管理装置1にコマンドに応じたメンテナンス用データを送信する。
このような処理によれば、場外管理装置2に登録されたID番号を持つ携帯電話3を使用しない限り、場内管理装置1へのメンテナンス用プログラムのダウンロードは不可能となるので、第1の実施例と同様に、第3者による不正なダウンロードを防止することができる。
【0079】
なお、上記第2の実施例では、携帯電話3のID番号をICタグ36aに記憶させて、これを場内管理装置1が読み取るようにしたが、これに代えて、場内管理装置1と携帯電話3との間でブルートゥースによる通信を行うようにしてもよい。この場合、携帯電話3からは、ID番号のような固定データに限らず、前記したコマンドのように、メンテナンス要員による入力により内容が変動するデータも送信することができる。
【0080】
以下、第3の実施例として、ブルートゥースによる通信を利用したメンテナンス処理について説明する。ただし、この実施例におけるシステム構成は、携帯電話3のICタグ36a、および場内管理装置1のアンテナ部38をそれぞれブルートゥース用の通信回路に置き換える以外は、図8と同様になるので、構成についての説明は省略する。なお、この実施例の携帯電話3では、ID番号は制御回路内のメモリに保存される。
【0081】
図12〜14は、第3の実施例のシステムにおけるメンテナンス処理時の手順であり、図12は場内管理装置1における手順を、図13は場外管理装置2における手順を、図14は携帯電話3における手順を、それぞれ示す。なお、この実施例でも、第2の実施例と同様に、場内管理装置1の実行するステップを100番台の数字により、場外管理装置2の実行するステップを200番台の数字により、携帯電話3の実行するステップを300番台の数字により、それぞれ示す。ただし、第2の実施例との混同を避けるため、それぞれ150以降、250以降,350以降の数字を使用する。
【0082】
メンテナンス処理の開始時には、メンテナンス要員は、携帯電話3を場内管理装置1に向けて両者間での通信を行わせる。ここで場内管理装置1が携帯電話3との接続を確認すると、ST151が「YES」となり、つぎのST152において、携帯電話3にID番号やコマンドの送信を要求する信号を送信する。
携帯電話3では、ST351において場内管理装置1との接続を確認した後、前記送信要求に応じてST352からST353に進む。ST353では、コマンドの入力としてメンテナンス処理を選択する操作を受け付ける。さらにつぎのST354では、この選択に対応するコマンドを設定するとともに、メモリから自装置のID番号を読み出し、これらを対応づけて場内管理装置1に送信する。
【0083】
場内管理装置1では、ST153において、携帯電話3からのID番号およびコマンドを受信すると、これらをRAM28内に保存した後、つぎのST154において場外管理装置2への接続処理を行う。場外管理装置2がST251において着信を受け付けると、場内管理装置1は、場外管理装置2に対し、前記携帯電話3から取得したID番号およびコマンドを送信する(ST155)。
【0084】
場外管理装置2は、ST252において前記ID番号およびコマンドを受信すると、ID番号を自装置内の登録データと照合して、このID番号が適正であるかどうかを確認する。ここでID番号が適正であれば、ST253が「YES」となってST254に進み、前記場内管理装置1に対し、前記コマンドに応じたメンテナンス用データを送信する。
【0085】
場内管理装置1は、メンテナンス用データの送信開始を確認すると、ST156からST157に進み、このデータを復号化しつつRAM28内に格納する。そして一連の受信処理が終了すると、前記メンテナンス用データに含まれるメンテナンス用プログラムを起動させて、所定のメンテナンス処理を実行する(ST158)。この後は、ST159で場外管理装置2にメンテナンス処理結果を送信し、ST160において、前記RAM28内のメンテナンス用データおよびID番号を消去して、処理を終了する。
【0086】
場外管理装置2では、ST255において前記場内管理装置1からメンテナンス処理結果を受信すると、つぎのST256でこの受信内容をメモリに保存する。さらにST257では、前記ID番号に対応する携帯電話3を呼び出し、メンテナンス処理結果を送信する。
携帯電話3は、前記場内管理装置1との通信を終えた後は、電話通信網を介しての着信に待機しており、場外管理装置2からの着信を受けると、ST355からST356に進んで、この着信を受け付ける。そしてこの後は、場外管理装置2からのメンテナンス処理結果の送信を受け付け、第1、第2の実施例と同様に、前記送信情報を表示部に表示する(ST357,358)。
【0087】
なお、場外管理装置2において、場内管理装置1から受信したID番号が適正でなかった場合には、ST253が「NO」となり、ST258で送信エラーを示すコード情報をメモリに保存し、さらにST257を実行することによって、携帯電話3に送信エラーを報知する。携帯電話3は、この報知に対し、ST355〜358の処理を行うことにより、送信エラーが起こった旨を表示部に表示する。
このような送信エラーが生じた場合には、場内管理装置1では、ST155の送信処理後、所定期間が経過してもメンテナンス用データの送信を受けられない状態が発生する。この場合には、ST156が「NO」となってST161に進み、所定のエラー処理を実行した後、ST162において、前記ID番号を消去し、しかる後に処理を終了する。
【0088】
上記手順をまとめると、場内管理装置1は、携帯電話3との通信により得たID番号とコマンドとを場外管理装置2に送信することにより、メンテナンス用データの送信要求を行う。場外管理装置2は、この送信要求に応じてメンテナンス用データの送信を実行する。したがって携帯電話3から送信されたID番号やコマンドを用いなければ、場内管理装置1へのメンテナンス用データのダウンロードは不可能となるので、登録された携帯電話3を持たない第3者によりメンテナンス用データが不正に取得されるのを防止することができる。
【0089】
また場外管理装置2では、場内管理装置1からのコマンドに応じて送信するメンテナンス用データを特定することができるので、データ送信前に携帯電話3との通信を行う必要がなくなり、携帯電話3との通信にかかる費用を削減することができる。ただし、高いセキュリティーを確保するためには、第2の実施例と同様に、携帯電話3との通信を行い、パスワードによる認証処理を経てからメンテナンス用データの送信を行うのが望ましい。
【0090】
なお、上記した各実施例では、いずれも場内管理装置1においてメンテナンス用プログラムを起動して単独でメンテナンス処理を行うようにしたが、これに限らず、メンテナンス用データとして場内管理装置に設定するデータ(装置動作にかかるバージョンアッププログラムを含む。)のみの送信を受け、場外管理装置2からの指示に応じて、このデータを書き込む処理を行うようにしてもよい。なお、この場合の設定用データの書込み先は、自装置(場内管理装置1)に限らず、ホールA内の各種カード取扱装置を対象とする書込み処理を行ってもよい。
【0091】
さらにいずれの実施例でも、場外管理装置2には、メンテナンス処理結果の履歴情報が保存されるので、メンテナンス処理後に何らかの問題が生じた場合には、この履歴情報を照合して適切な対応をとることができる。また場内管理装置1においてもメンテナンス処理結果の履歴情報を保存し、前記したカード処理に関わる集計結果とともに場外管理装置2に送信するようにすれば、場外管理装置2は、この送信情報を自装置内の履歴情報と照合することによって、各ホールで違法なメンテナンス処理が行われていないかどうかを判別することができる。
【0092】
【発明の効果】
この発明によれば、遊技場内のメンテナンス処理を行う場合に、場外管理装置にあらかじめ登録された携帯通信端末を使用することによって、場外管理装置から場内管理装置へのメンテナンス用データのダウンロードが可能となるので、携帯通信端末を持たない第3者により不正なダウンロードが行われるのを防止することができ、メンテナンス用データの秘密性を維持することができる。またメンテナンス処理の係員は、携帯通信端末を保持すれば、場内管理装置の機種や遊技場の環境に応じた適切なメンテナンス処理を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用される遊技媒体貸出システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】場内管理装置の外観を示す正面図である。
【図3】場内管理装置の本体部の内部構成を示す正面図である。
【図4】情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施例における場内管理装置についてメンテナンス時の手順を示すフローチャートである。
【図6】第1実施例における場外管理装置についてメンテナンス時の手順を示すフローチャートである。
【図7】第1実施例における携帯電話のメンテナンス時の手順を示すフローチャートである。
【図8】第2実施例における情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施例における場内管理装置についてメンテナンス時の手順を示すフローチャートである。
【図10】第2実施例における場外管理装置についてメンテナンス時の手順を示すフローチャートである。
【図11】第2実施例における携帯電話のメンテナンス時の手順を示すフローチャートである。
【図12】第3実施例における場内管理装置についてメンテナンス時の手順を示すフローチャートである。
【図13】第3実施例における場外管理装置についてメンテナンス時の手順を示すフローチャートである。
【図14】第3実施例における携帯電話のメンテナンス時の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 場内管理装置
2 場外管理装置
3 携帯電話
25 制御部
26 CPU
36,36a ICタグ
37 通信ユニット
38 アンテナ部
42 通信回線
Claims (4)
- 遊技場に配備されて所定の情報処理を実行する場内管理装置と、前記場内管理装置と通信を行って前記情報処理結果の送信を受け付ける場外管理装置とを具備するシステムにおいて、
前記場外管理装置にあらかじめ登録され、かつ前記場内管理装置および場外管理装置との通信が可能な携帯通信端末をさらに具備し、
前記携帯通信端末は、場内管理装置からこの装置に固有の識別コードの送信を受けた後に、受信した識別コードを含む送信要求を前記場外管理装置に送信し、
前記場外管理装置は、前記遊技場内の情報処理に関わるメンテナンス処理のための情報と前記場内管理装置の識別コードとが登録されたメモリを具備し、自装置に登録されている携帯通信端末から前記送信要求を受けたとき、その送信要求に含まれる識別コードと前記メモリに登録された識別コードとを照合して送信先の場内管理装置を特定し、特定した場内管理装置に前記メモリに登録されたメンテナンス処理のための情報を送信し、
前記場内管理装置は、前記場外管理装置から送信された情報を用いてメンテナンス処理を実行することを特徴とする遊技場の情報管理システム。 - 前記場内管理装置の機体には、前記識別コードを記憶し、かつ非接触通信機能を具備する記憶媒体が取り付けられており、
前記携帯通信端末は、前記記憶媒体に対する非接触通信を行うための専用の通信回路を具備し、この通信回路による通信により前記記憶媒体から前記識別コードの送信を受けるように構成されている請求項1に記載された遊技場の情報管理システム。 - 遊技場に配備されて所定の情報処理を実行する場内管理装置と、前記場内管理装置と通信を行って前記情報処理結果の送信を受け付ける場外管理装置とを具備するシステムにおいて、
前記場外管理装置にあらかじめ登録され、かつ前記場内管理装置との通信が可能な携帯通信端末をさらに具備し、
前記場内管理装置は、前記携帯通信端末との通信によりこの携帯通信端末に固有の識別コードの送信を受けた後に、受信した識別コードを含む送信要求を前記場外管理装置に送信し、
前記場外管理装置は、前記遊技場内の情報処理に関わるメンテナンス処理のための情報と前記携帯通信端末の識別コードとが登録されたメモリを具備し、前記場内管理装置から前記送信要求を受けたとき、その送信要求に含まれる識別コードを前記メモリに登録された識別コードと照合し、この照合により前記識別コードが前記メモリに登録されていることが確認されたことを条件として、前記メモリに登録されたメンテナンス処理のための情報を前記場内管理装置に送信し、
前記場内管理装置は、前記場外管理装置から送信された情報を用いてメンテナンス処理を実行することを特徴とする遊技場の情報管理システム。 - 遊技場に配備されて所定の情報処理を実行する場内管理装置と、前記場内管理装置と通信を行って前記情報処理結果の送信を受け付ける場外管理装置とを具備するシステムにおいて、
前記場外管理装置にあらかじめ登録され、かつ前記場内管理装置との通信が可能な携帯通信端末をさらに具備し、
前記場内管理装置は、前記携帯通信端末との通信によりこの携帯通信端末に固有の識別コードの送信を受けた後に、受信した識別コードを含む送信要求を前記場外管理装置に送信し、
前記場外管理装置は、前記遊技場内の情報処理に関わるメンテナンス処理のための情報と前記携帯通信端末の識別コードとが登録されたメモリと、前記場内管理装置から前記送信要求を受けたとき、その送信要求に含まれる識別コードに対応する携帯通信端末と通信する通信手段とを具備し、前記通信手段による通信により前記携帯通信端末からあらかじめ定めたパスワードの送信を受けたことを条件として、前記メモリに登録されたメンテナンス処理のための情報を前記場内管理装置に送信し、
前記場内管理装置は、前記場外管理装置から送信された情報を用いてメンテナンス処理を実行することを特徴とする遊技場の情報管理システム。
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