JP4271909B2 - 固体撮像装置およびその製造方法 - Google Patents

固体撮像装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像装置およびその製造方法にかかり、特にチップ上にマイクロレンズを一体化したチップサイズパッケージ(CSP)タイプの固体撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CCD(Charge Coupled Device)を含む固体撮像素子は、携帯電話やデジタルカメラなどへの適用の必要性から小型化への要求が高まっている。
そのひとつとして、半導体チップの受光エリアにマイクロレンズを設けた固体撮像装置が提案されている。このような中で、例えば、受光エリアにマイクロレンズを設けた固体撮像装置を、固体撮像装置の受光エリアとマイクロレンズとの間に気密封止部をもつように一体的に実装することにより、小型化をはかるようにした固体撮像装置が提案されている(特開平7−202152号公報)。
【0003】
かかる構成によれば、実装面積の低減をはかることができ、また、気密封止部の表面に、フィルタ、レンズ、プリズムなどの光学部品を接着することが可能となり、マイクロレンズの集光能力の低下を招くことなく、実装サイズの小型化を図ることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような固体撮像装置の実装に際しては、信号の外部への取り出しに際して、固体撮像装置を実装する支持基板上に搭載し、ボンディングなどの方法により電気的接続を図るとともに封止を行う必要があり、しかもフィルタ、レンズ、プリズムなどの光学部品および、信号処理回路などを搭載する必要がある。このように、部品点数が多いことから、実装に多大な時間を要するという問題があった。また、解像度の向上への要求に伴い、種々の周辺回路が必要となり、装置全体が大型化してしまうと言う問題が深刻化している。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、製造が容易でかつ信頼性の高い固体撮像装置の製造方法を提供することを目的とする。
また小型で駆動速度の高い固体撮像装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明の固体撮像装置は、固体撮像素子を形成してなる第1の半導体基板と、前記固体撮像素子の受光領域に対向して空隙をもつように前記第1の半導体基板に接続された透光性部材とを具備し、前記第1の半導体基板の前記固体撮像素子形成面と対向する表面に、周辺回路を形成した第2の半導体基板が積層されており、前記周辺回路は前記第1の半導体基板に配設されたスルーホールを介して前記固体撮像素子に接続されていることを特徴とする。
【0006】
かかる構成によれば、周辺回路が積層されており、第1の半導体基板に形成されたスルーホールを介して第1および第2の半導体基板の電気的接続がなされているため、装置全体としての小型化をはかることができるとともに、第1の半導体基板と第2の半導体基板との距離を短くすることが出来る。従って配線抵抗が低減され、駆動速度の増大を図ることが可能となる。
【0007】
また、前記第1および第2の半導体基板が直接接合面をもつように、常温直接接合などの方法により接合することにより、より強固な接合を得ることが可能となる。また、電気的接続についても良好に達成可能である。
【0008】
また、前記第1および第2の半導体基板を接着剤層を介して接合することにより、容易に所望の接合が可能となる。ここで接着剤層としては、第1および第2の半導体基板にできるだけ近い熱膨張率を持つものを用いるのが望ましい。
【0009】
さらにまた、前記第1および第2の半導体基板の接合を断熱材を介して接合するようにしてもよく、これにより周辺回路を構成する第2の半導体基板の熱が固体撮像素子基板に伝わり、固体撮像素子の特性に悪影響を及ぼすのを防止することが可能となる。
さらにまた、第1および第2の半導体基板は磁気シールド材料を介して接合することにより、不要輻射による相互のノイズを遮断することが可能となる。
【0010】
また本発明の方法は、第1の半導体基板表面に複数の固体撮像素子を形成する工程と、前記第2の半導体基板表面に周辺回路を形成する工程と、前記固体撮像素子の各受光領域に対向して空隙をもつように、前記第1の半導体基板表面に前記透光性部材を接合する工程と、前記第1の半導体基板の裏面側に前記第2の半導体基板を接合する半導体基板接合工程と、前記接合する工程および前記半導体基板接合工程の前または後に、前記第1の半導体基板にスルーホールを形成し、前記固体撮像素子と前記第1の半導体基板裏面とを電気的に接続する工程と、前記接合工程で得られた接合体を、固体撮像素子ごとに分離する工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
かかる構成によれば、固体撮像素子を搭載する第1の半導体基板と、周辺回路を搭載する第2の半導体基板とを透光性部材に対して、ウェハレベルで位置決めし、一括して実装することにより一体化してから、固体撮像素子ごとに分離するようにしているため、製造が容易でかつ信頼性の高い固体撮像装置を形成することが可能となる。
【0012】
望ましくは、半導体基板接合工程を、直接接合により前記第1および第2の半導体基板を接合する工程とすることにより、接着剤のはみ出しによる基板の汚れなどを生じることなく容易に形成可能である。
【0013】
また、半導体基板接合工程を、接着剤層を介して第1および第2の半導体基板を接合するようにしてもよく、光硬化性の接着剤層、熱硬化性の接着剤層あるいはこれらの組み合わせにより、容易に位置ずれなく接合することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつ説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
この固体撮像装置は、図1(a)に断面図、図1(b)に要部拡大断面図を示すように、固体撮像素子102の形成された半導体基板としてのシリコン基板101からなる固体撮像素子基板100表面に、このシリコン基板101の受光領域に相当して空隙Cをもつようにスペーサ203Sを介して透光性部材としてのガラス基板201が接合されるとともに、裏面側に周辺回路基板901が接続されてなるものである。
ここでは、このシリコン基板101に形成されたスルーホールHによって固体撮像素子基板100の裏面側に取り出し、固体撮像素子基板100裏面に形成された外部取り出し端子としての、パッド113およびバンプ114を形成している。そして、異方性導電膜115を介して周辺回路基板901に接続され、周縁がダイシングによって個別に分離され、ボンディングパッド118を介して、外部接続がなされるようになっている。ここでスペーサ203Sは、10〜500μm、好ましくは80〜120μmの高さとする。701は補強板である。
【0016】
ここでこの固体撮像素子基板100は、図1(b)に要部拡大断面図を示すように、表面に、固体撮像素子が配列されるとともに、RGBカラーフィルタ46およびマイクロレンズ50が形成されたシリコン基板101で構成されている。なおここでは、スルーホールはこの断面には現れていないが、電荷転送電極32に接続されるように形成されている。
【0017】
この固体撮像素子100は、n型のシリコン基板101a表面に形成されたpウェル101b内に、チャンネルストッパ28を形成し、このチャネルストッパを挟んでフォトダイオード14と電荷転送素子33とを形成してなるものである。ここでは、n型不純物領域14a内にp+チャンネル領域14bを形成し、フォトダイオード14を形成している。また、pウェル領域101b内に、深さ0.3μm程度のn型不純物領域からなる垂直電荷転送チャネル20を形成するとともに、この上層に酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜30を介して形成された多結晶シリコン層からなる垂直電荷転送電極32を形成し、電荷転送素子33を構成している。またこの垂直電荷転送チャネル20に信号電荷を読み出す側のフォトダイオード14との間には、p型不純物領域で形成された読み出しゲート用チャネル26が形成されている。この垂直電荷転送電極32に接続するようにスルーホール(図1(b)では図示せず)が形成されている。
【0018】
そしてシリコン基板101表面にはこの読み出しゲート用チャネル26に沿ってn型不純物領域14aが露出しており、フォトダイオード14で発生した信号電荷は、n型不純物領域14aに一時的に蓄積された後、読み出しゲート用チャネル26を介して読み出されるようになっている。
【0019】
一方、垂直電荷転送チャネル20と他のフォトダイオード14との間には、p+型不純物領域からなるチャンネルストッパ28が存在し、これによりフォトダイオード14と垂直電荷転送チャネル20とが電気的に分離されると共に、垂直電荷転送チャネル20同士も相互に接触しないように分離される。
【0020】
そしてさらに、垂直電荷転送電極32は読み出しゲート用チャネル26を覆うとともに、n型不純物領域14aが露出し、チャンネルストッパ28の一部が露出するように形成されている。なお、垂直電荷転送電極32のうち、読み出し信号が印加される電極の下方にある読み出しゲート用チャネル26から信号電荷が転送される。
【0021】
そして垂直電荷転送電極32は垂直電荷転送チャネル20とともに、フォトダイオード14のpn接合で発生した信号電荷を垂直方向に転送する垂直電荷転送装置(VCCD)33を構成している。垂直電荷転送電極32の形成された基板表面は表面保護膜36で被覆されこの上層にタングステンからなる遮光膜38が形成されており、フォトダイオードの受光領域40のみを開口し、他の領域は遮光するように構成されている。
【0022】
そして更にこの垂直電荷転送電極32の上層は表面平坦化のための平坦化絶縁膜43およびこの上層に形成される透光性樹脂膜44で被覆され、更にこの上層にフィルタ層46が形成されている。フィルタ層46は各フォトダイオード14に対応して、所定のパターンをなすように赤色フィルタ層46R、緑色フィルタ層46G,青色フィルタ層46Bが順次配列されている。
【0023】
さらにこの上層は、平坦化絶縁膜48を介して屈折率1.3〜2.0の感光性樹脂を含む透光性樹脂をフォトリソグラフィによってパターニングした後に溶融させ、表面張力によって丸めた後冷却することによって形成されたマイクロレンズ50からなるマイクロレンズアレイで被覆されている。
【0024】
次に、この固体撮像装置の製造工程について説明する。この方法は、図2(a)乃至(d)および図3(a)乃至(c)にその製造工程図を示すように、ウェハレベルで位置決めし、一括して実装することにより一体化してから、固体撮像素子ごとに分離する、いわゆるウェハレベルCSP法に基づくものである。(以下図面では2単位しか表示されていないが、ウェハ上に連続して多数個の固体撮像素子が形成されている。)この方法では、固体撮像素子基板もガラス基板もエッジが等しく構成され、固体撮像素子基板100およびこの裏面に貼着された補強板701を貫通するスルーホールを介して裏面側の取り出しを行うようにしたことを特徴とする。またここでは、あらかじめスペーサ203Sを形成したスペーサ付き封止用カバーガラス200を用いている。
【0025】
まず、スペーサ付きガラス基板の形成について説明する。
図2(a)に示すように、ガラス基板201表面に、紫外線硬化型接着剤(カチオン重合性エネルギー線硬化接着剤)からなる接着剤層202を介してスペーサとなるシリコン基板203を貼着し、フォトリソグラフィを用いたエッチング法により、スペーサとなる部分にレジストパターンR1を残すようにする。
【0026】
そして、図2(b)に示すように、このレジストパターンR1をマスクとしてシリコン基板203をエッチングし、スペーサ203Sを形成する。
【0027】
この後、図2(c)に示すように、スペーサ203S形成のためのレジストパターンR1を残したまま、さらに素子間領域を除く、スペーサ間領域に、レジストを充填し、ガラス基板を所定の深さまでエッチングすることにより、図2(d)に示すように、素子間溝部204を形成する。そしてさらにこのスペーサの表面に接着剤層207を形成する。ここではスペーサをシリコン基板で形成しているため、ガラス基板の主成分である酸化シリコンのエッチング速度が、シリコンのエッチング速度に比べて十分に大きくなるようなエッチング条件でエッチングするようにすれば、素子間領域にスペーサの側壁が露呈したままの状態でエッチングしてもよい。素子間溝部204の形成に際しては、ダイシングブレード(砥石)を用いてもよい。
【0028】
また、再度フォトリソグラフィを行い、スペーサの側壁全体を含むようなレジストパターンRを形成し、このレジストパターンを介してエッチングを行うことにより溝部204を形成するようにしてもよい。このようにして溝部204およびスペーサ203Sを形成した封止用カバーガラス200を得る。
【0029】
次に、固体撮像素子基板を形成する。素子基板の形成に際しては、図3(a)に示すように、あらかじめ、シリコン基板101(ここでは4〜8インチウェハを用いる)を用意する。(以下図面では1単位しか表示されていないが、ウェハ上に連続して多数個の固体撮像素子が形成されている。)そして、通常のシリコンプロセスを用いて、チャンネルストッパ層を形成、チャネル領域を形成し、電荷転送電極・・などの素子領域を形成する。そして、この固体撮像素子基板100の裏面に、酸化シリコン膜を形成したシリコン基板からなる補強板701を表面活性常温接合により接合する。(図3(a))
【0030】
この後、図3(b)に示すように、各基板の周縁部に形成したアライメントマークによって位置合わせを行い、前述のようにして形成した固体撮像素子基板100上に、平板状のガラス基板201にスペーサ203Sが接着されたカバーガラス200を載置し、加熱することにより接着剤層207によって両者を一体化させる。この工程は真空中または窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で実行するのが望ましい。
【0031】
そして補強板701の裏面側からフォトリソグラフィによりスルーホールHを形成する。そしてCVD法によりスルーホールH内に酸化シリコン膜109を形成し、この後異方性エッチングを行い、図3(c)に示すようにスルーホール側壁にのみ酸化シリコン膜109を残留させる。
【0032】
そして図4(a)に示すように、WF6を用いたCVD法によりこのスルーホールH内にボンディングパッドとコンタクトする導体層108としてタングステン膜を形成する。
【0033】
そして図4(b)に示すように、前記補強板701表面にボンディングパッド113を形成すると共に、バンプ114を形成する。
このようにして補強板701側に信号取り出し電極端子および通電用電極端子を形成することが可能となる。
【0034】
そして図4(c)に示すように、この補強板701の表面に異方性導電膜115(ACP)を塗布する。
最後に図4(d)に示すように、この異方性導電膜115を介して駆動回路を形成した回路基板901を接続する。なおこの回路基板901には基板を貫通するように形成されたスルーホールHに充填された導体層からなるコンタクト層117とボンディングパッド118とが形成されている。回路基板901との接続は超音波による接合、半田接合、共晶接合なども可能である。
従ってこのボンディングパッド118を介して、プリント基板などの回路基板との接続が容易に達成可能である。
【0035】
この後、このコンタクト層117および導体層108を内方に含むダイシングラインDCに沿って、装置全体をダイシングし、個々の固体撮像装置に分割する。(図面では、一単位しか示していないが、1枚のウェハ上に複数の固体撮像素子が連続形成されている。)
このようにして極めて容易に作業性よく固体撮像装置が形成される。
なお、この補強板701は酸化シリコン膜を形成したシリコン基板で構成されているため、固体撮像素子基板100との断熱あるいは電気的絶縁が可能である。
また、前記実施の形態では、CVD法によりスルーホールH内に導体層を形成したが、めっき法、真空スクリーン印刷法あるいは真空吸引法などを用いても容易に作業性よくアスペクト比の高いコンタクトホールへの導体層の充填が可能となる。
更にまた、前記実施の形態では、スルーホールを用いて固体撮像素子基板および周辺回路を搭載した回路基板の表裏の電気的接続をおこなったが、これに限定されることなく、表面および裏面からの不純物拡散により表裏が電気的に接続されるようにコンタクトを形成するなどの方法も可能である。
このようにして補強板701側に信号取り出し電極端子および通電用電極端子を形成することが可能となる。
【0036】
さらにまた、個々に位置合わせを行ったり、ワイヤボンディングなどの電気的接続を行ったりすることなく、一括実装した後個々に分断しているため、製造が容易でかつ取り扱いも簡単である。
【0037】
また、ガラス基板201にあらかじめ溝部204を形成しておくようにし、実装後、表面からCMPなどの方法により、溝部204に到達する深さまで除去するようにしているため、きわめて容易に分断が可能である。
【0038】
また接合により素子形成面を間隙C内に封止した状態で、切断あるいは研磨するのみで個々の固体撮像素子を形成することができるため、素子へのダメージも少なく、塵埃の混入もなく、信頼性の高い固体撮像素子を提供することが可能となる。
【0039】
さらにまた、CMPによってシリコン基板を約2分の1の深さまで薄くするようにしているため、小型化かつ薄型化をはかることができる。さらにまた、ガラス基板との接合後に薄型化されるため、機械的強度の低下を防ぐことが可能となる。
【0040】
このように、本発明の構成によれば、ウェハレベルで位置決めし、一括して実装することにより一体化してから、固体撮像素子ごとに分離するようにしているため、製造が容易でかつ信頼性の高い固体撮像装置を形成することが可能となる。
【0041】
なお、前記実施の形態では、ウェハレベルCSPにより一括接続して、ダイシングするという方法で形成したが、スルーホールHを形成し、バンプ114を形成した固体撮像素子基板100をダイシングし、1個づつに対し封止用カバーガラス200を固着するようにしてもよい。
また、マイクロレンズアレイについは、基板表面に透明樹脂膜を形成しておき、この表面からイオン移入によって所定の深さに屈折率勾配を有するレンズ層を形成することによって形成することもできる。
【0042】
また、スペーサとしては、シリコン基板のほか、ガラス、ポリカーボネートなど適宜選択可能である。
【0043】
(第2実施の形態)
次に本発明の第2実施の形態について説明する。
前記第1の実施の形態では、補強板701を貫通するようにスルーホールHを形成し導体層111を形成したが、本実施の形態では、あらかじめホール(垂直孔)を形成したシリコン基板を用いて固体撮像素子基板を形成する。これにより、垂直孔の形成深さが浅くてすむため生産性が向上するとともに、製造歩留まりの向上をはかることが可能となる。
【0044】
すなわち図5(a)に示すように、固体撮像素子を形成するに先立ち、まずシリコン基板の裏面に、フォトリソグラフィによりレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、RIE(反応性イオンエッチング)により、垂直孔118を形成する。なお、この工程では表面にアルミニウムなどからなるパッド110を形成しておきこのパッドに到達するように垂直孔118を形成する。
【0045】
そしてこの垂直孔の内壁に、図5(b)に示すように、CVD法により酸化シリコン膜119を形成する。
そして、図5(c)に示すように、前記各実施の形態と同様に通常のシリコンプロセスを用いて、固体撮像素子形成のための素子領域を形成した。
そして、図5(d)に示すように、各基板の周縁部に形成したアライメントマークによって位置合わせを行い、前述のようにして形成した固体撮像素子基板100上に、平板状のガラス基板201にスペーサ203Sが接着されたカバーガラス200を載置し、加熱することにより接着剤層207によって両者を一体化させる。ここでも接合工程は表面活性化常温接合を用いても良い。
【0046】
そして図5(e)に示すように、この固体撮像素子基板100の裏面側に補強板701を表面活性化常温接合で接合し、裏面側からフォトリソグラフィを用いたエッチング法により前記垂直孔118に到達するようにスルーホール108を形成する。ここでもスルーホール内壁は絶縁化しておくのが望ましい。また、あらかじめスルーホールを形成した補強板を用いるようにしてもよい。
【0047】
このあとは前記第1の実施の形態で説明した図4(a)乃至(d)に示す工程を実行することにより、周辺回路を形成した回路基板まで積層した構造の固体撮像装置が容易に形成される。
前述したように本実施形態では、垂直孔の形成深さが浅くてすむため生産性が向上するとともに、製造歩留まりの向上をはかることが可能となる。
【0048】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
前記第2の実施の形態では、補強板701、固体撮像素子基板および回路基板を貫通するようにコンタクトを形成し、回路基板側に電極取り出しを行なうようにしたが、本実施の形態では図6(a)および(b)に示すように、側壁に配線層としての導体層120を形成し固体撮像装置の側壁から電極取り出しを行なうようにしたことを特徴とするものである。
製造工程についても、前記第2の実施の形態とほぼ同様に形成されるが、スルーホールの位置をそれぞれの固体撮像装置の端部に相当するように形成し、このスルーホールを含む切断線DCでダイシングすることにより、容易に側壁に配線層の形成された固体撮像装置を形成することができる。
また、このスルーホールに充填する導体層120をタングステンなどの遮光性材料で構成することにより、固体撮像装置への遮光がなされるため誤動作の低減を図ることが可能となる。
またこの補強板は、ポリイミド樹脂、セラミック、結晶化ガラス、表面および裏面を酸化されたシリコン基板などで構成すれば、断熱基板の役割を持たせることができる。また遮光材料で形成するようにしてもよい。
【0049】
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。
前記第2および3の実施の形態では、固体撮像素子基板100の裏面側は補強板を介して周辺回路基板に積層されているが、本実施の形態では図7に示すように、固体撮像素子基板100は周辺回路基板901上に積層され、周辺回路基板の裏面側上に、補強板701が順次積層されている。
【0050】
この補強板は放熱板を兼ねる。
製造工程についても、前記第2および3の実施の形態とほぼ同様に形成されるが、固体撮像素子基板100と周辺回路基板901とが近い位置に配置される分、接続抵抗が低減され、高速駆動が可能となる。
【0051】
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態について説明する。
この例は前記第5の実施の形態において、スルーホールは基板内部に形成され、周辺回路基板の裏面側で電極取り出しを行なうようにしているが、この例では、図8に示すように、側壁に配線層としての導体層121を形成したことを特徴とするものである。
【0052】
製造に際しては、前記第3の実施の形態と同様に、ダイシングラインがスルーホールなどに形成されたコンタクトを含む位置になるようにするのみで容易に側壁配線のなされた固体撮像装置を形成することが可能となる。
この固体撮像装置では、配線が側壁に形成されているため、信号取り出し端子や電流供給端子なども側壁に形成可能である。ただ、周辺回路基板901の裏面側パッドおよびバンプを形成して接続を行うようにしても良いことはいうまでもない。701は補強板である。
【0053】
なお、前記実施の形態では、封止用カバーグラスを構成するガラス基板とスペーサとの接合および固体撮像素子基板と封止用カバーガラスとの接合を、接着剤層を用いて行う方法について説明したが、全ての実施の形態において、スペーサと固体撮像素子基板表面がSiや金属や無機化合物の場合、接着剤を用いることなく、適宜、表面活性化常温接合で接合することもできる。カバーガラスがパイレックスで、スペーサがシリコンの場合,陽極接合も使用可能である。接着剤層を用いる場合、接着剤層としても、UV接着剤のみならず熱硬化性接着剤、半硬化性接着剤、熱硬化併用UV硬化性接着剤を用いても良い。
【0054】
また、前記第1の実施形態でも述べたが、全実施の形態においてスペーサとしては、シリコン基板のほか、42アロイ、金属、ガラス、感光性ポリイミド、ポリカーボネート樹脂など適宜選択可能である。
【0055】
また、固体撮像素子基板と封止用カバーガラスとの接合を、接着剤層を用いて行うに際し、液溜めを形成しておくなどにより、溶融した接着剤層が流出しないようにするとよい。また、スペーサと固体撮像素子基板あるいは封止用カバーガラスとの接合部についても同様で、接合部に凹部または凸部を形成し液溜めを形成しておくなどにより、溶融した接着剤層が流出しないようにするとよい。
【0056】
なお、前記実施の形態では、切断溝を形成したものに対する個々の素子へ分離は、切断溝の位置までCMPを行うようにしたが、研削、ポリッシングあるいは全面エッチングなどを用いることも可能である。
【0057】
また前記実施の形態において、補強板(701)を用いる場合、材料としては、必要に応じて、ポリイミド樹脂、セラミック、結晶化ガラス、表面および裏面を酸化されたシリコン基板などで構成すれば、断熱基板の役割を持たせることができる。また遮光材料で形成するようにしてもよい。
【0058】
また前記実施の形態において、ガラス基板とスペーサの貼り合わせを必要とする場合は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂あるいはこれらの併用、あるいは半硬化の接着剤塗布によって実行するようにしてもよい。 またこの接着剤の形成に際してはディスペンサでの供給、スクリーン印刷、スタンプ転写など適宜選択可能である。
【0059】
加えて、各実施の形態で述べた例については、全形態にわたって適用可能な範囲で相互に変形可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、小型で駆動速度の高い固体撮像装置を形成することが可能となる。
また本発明の方法によれば、ウェハレベルで位置決めし、固体撮像素子基板、周辺回路基板および透光性部材を、一括して実装することにより一体化してから、固体撮像素子ごとに分離するようにしているため、製造が容易でかつ高精度の位置決めが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)および(b)は本発明の第1の実施の形態固体撮像装置を示す断面図および要部拡大断面図である。
【図2】図2(a)乃至(c)は本発明の第1の実施の形態の固体撮像装置の製造工程を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の固体撮像装置の製造工程を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の固体撮像装置の製造工程を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の固体撮像装置の製造工程を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の固体撮像装置の製造工程を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態の固体撮像装置の製造工程を示す図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態の固体撮像装置の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
100 固体撮像素子基板
101 シリコン基板
102 固体撮像素子
200 封止用カバーガラス
201 ガラス基板
203S スペーサ

Claims (3)

  1. 第1の半導体基板表面に複数の固体撮像素子を形成する工程と、
    前記第2の半導体基板表面に周辺回路を形成する工程と、
    前記固体撮像素子の各受光領域に対向して空隙をもつように、前記第1の半導体基板表面に前記透光性部材を接合する工程と、
    前記第1の半導体基板の裏面側に前記第2の半導体基板を接合する半導体基板接合工程と
    前記第1の半導体基板にスルーホールを形成し、前記固体撮像素子と前記第1の半導体基板裏面とを電気的に接続する工程と、
    前記半導体基板接合工程で得られた接合体を、固体撮像素子ごとに分離する工程とを含むことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
  2. 前記半導体基板接合工程は、前記第1の半導体基板を第2の半導体基板上に直接積層させることを特徴とする請求項に記載の固体撮像装置の製造方法。
  3. 前記半導体基板接合工程は、接着剤層を介して前記第1および第2の半導体基板を接合する工程であることを特徴とする請求項に記載の固体撮像装置の製造方法。
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