JP4270878B2 - 生物組織の熱処理のための装置 - Google Patents

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Description

本発明は、局所温熱療法に関するものである。
局所温熱療法は、生物組織を局所的に治療するために一般的に用いられている技術である。該療法は、エネルギー源(レーザー、マイクロ波、電子波、超音波、など)によって、生物組織の標的区域を加温することをもって成る。
これらの技術には、数多くの利点がある。定性的な観点から見ると、それらは、遺伝子治療、医薬品の局所適用、腫瘍切除、などの処置の制御に大きな可能性を提供する。経済的観点から見ると、それらは患者の通院治療と相容れるものであり、したがって、入院期間を短縮することを可能にする。
一般的に、局所温熱療法は、侵襲性が最小限に抑えられた医療処置を可能にする。
使用されるエネルギーの種類の中では、集束超音波(FUS)がとくに有利であるが、それは、集束区域の近傍の組織を大幅に加温することなしに、生体内深く、非侵襲的に、集束区域の加温を可能にするからである。
治療の間、標的区域とそのすぐ近傍の温度は精密かつ連続的に制御されなければならないが、他方で、エネルギーの供給は局所的であり迅速である(数秒程度)。サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック(CNRS)の名義で1999年9月13日に出願された仏国特許発明第2798296号明細書は、生物組織の熱処理のための装置を開示している。この文書に開示された装置は、標的区域内とそのすぐ近傍内の温度の実空間分布を考慮に入れている。この空間分布によって、どのくらいの量のエネルギーを付与しなければならないかを正確に推定し、それに従ってエネルギー源を操作することが可能になる。かかる装置は、標的区域内に所望の温度を迅速に得ることを可能にするとともに、先行技術で可能であったものよりも高い精度で、この標的区域内の温度を維持し、制御することを可能にする。
仏国特許発明第2798296号明細書
この装置の難点は、空間内でのきわめて限られた加温領域のモデル化に基づいていることである。したがって、標的区域内の温度変化を制御することはできるが、複数のエネルギー源が用いられるとき、あるいは、例えば、発信器網の助けを借りて、複数箇所に同時にエネルギーを加えるときには、温度の配分を制御できない。
本発明の目的は、生体組織のある領域内の温度の広範な制御を可能にし、エネルギー付与に関する空間的な制限なしに適用できる熱処理装置を提案することによって、これらの難点を解消することである。
このため、本発明は生物組織のある領域の熱処理のための装置において、
・領域内にエネルギーを提供するためのエネルギー発生手段と、
・前記領域内の温度の空間分布を測定し、記録するための手段と、
・領域内の温度の空間分布を逐一デジタル処理する手段を含む制御ユニット、
を含み、エネルギー発生手段が、上記の領域に付与する出力を空間的かつ時間的に分配する手段を有し、制御ユニットが、温度分布に応じて、発生手段によって提供されたエネルギーの量と配分を操作するための手段を有していることを特徴とする装置を提案する。
付与された出力を空間的かつ時間的に分配するための手段は、例えば、空間における移動が操作される超音波変換器によって構成される。したがって、加温される領域は、エネルギー源の初期分布よりも広げることができる。
本発明にかなった熱処理装置は、領域内のそれぞれの点における温度の空間分布を有利に考慮に入れる。先行技術の熱処理装置とは異なり、この特性によって、集束点に付与されたエネルギーだけでなく、処理領域全体のエネルギー配分の制御が可能になる。これにより、処理される生物組織内の温度変化を三次元かつリアルタイムで制御することが可能になる。
有利には、熱処理装置の制御ユニットは、領域とその近傍内の熱伝導と温度空間分布を推定することによって組織の領域内のエネルギー損失を推定する手段を含むことができる。これによって、熱処理される領域内の温度配分を、目標配分に向けて、より迅速に変化させることができる。
本発明の実施態様において、制御ユニットは領域内のそれぞれの点の熱伝導を考慮に入れるための処理手段を含んでいる。
特に、制御ユニットは領域をサンプリングする複数個の点のそれぞれの点において、一定時間間隔で温度を測定するための、そして、空間サンプリングの一点から他の点への熱伝導に応じて温度変化の推定を導き出すための手段を含むことができる。
この実施態様によれば、生物組織の領域の画像はボクセルに分解され、それぞれのボクセルは領域の一つの点に結びつけられる。処理ユニットは、それぞれの点に熱伝導率と温度を結びつける。「逐一」と呼ばれるこの分解により、生物組織の領域全体の温度変化を有利に制御することができる。
有利には、エネルギー発生手段は、集束超音波を発射することができる。集束超音波は、局限された区域が人体または動物の奥深くに位置づけられた場合であっても、非侵襲的に、その区域に熱を提供することを可能にする。
有利には、空間分布を測定し、記録するための手段は、磁気共鳴画像(MRI)装置を含んでいる。MRIは(ミリメートル単位程度の)良好な空間解像度と(1℃程度の)優れた精度で、処理される区域内の温度を完全に、非侵襲的に図示することができる。くわえて、MRIによって得られたデータは容易にデジタル処理することができる。
本発明の実施態様において、時間t+Δtで点ベクトルrに供給される出力の振幅pwは、次のタイプの関係式によって計算される:
Figure 0004270878
この式で、Tp(ベクトルr,t+Δt)は、時間t+Δtでの、この点における目標温度であり、FT―1は逆フーリエ変換、T*(ベクトルk,t)は時間tで測定した温度のフーリエ変換、Dは組織内の熱拡散係数、αは組織のエネルギー吸収係数、S*(ベクトルk)は付与したエネルギーS(ベクトルr)の空間分布のフーリエ変換である。
このように、各時間において、付与されるエネルギーは、温度を所定の目標プロフィールに従わせるように、処理手段によって自動的に制御される。この特性により、患者にとっての最適安全性を保証することが可能になる。実際には、これは、MRIによって得られた二つの連続する温度測定値の間に加えるべき出力pwを計算することに他ならない。
もちろん、治療する組織の領域内を高温にすることを可能にするエネルギー発生手段は、超音波、レーザー、マイクロ波または電子波タイプのエネルギー源を含んでいる。
本発明のその他の特徴と利点は、単なる例証のための非制限的な下記の説明を、付属の図面を参照して読むことによってさらに明らかになるものであり、該図面において:
−図1は、本発明にかなった熱処理装置を模式的に示している、
−図2は、本方法をアクリルアミドゲル(テストサンプル)に適用したときの、変換器の焦点の温度変化を、時間に応じて示している、
−図3は、本方法をアクリルアミドゲルに適用したときの、集束超音波の出力変化を、時間に応じて示している、
−図4は、本方法を生肉のサンプルに適用したときの、変換器の焦点の温度変化を、時間に応じて示している、
−図5は、本方法を生肉のサンプルに適用したときの、集束超音波の出力変化を、時間に応じて示している、
−図6は、本方法をウサギの腿に生体内で適用したときの、変換器の焦点の温度変化を、時間に応じて示している、
−図7は、本方法をウサギの腿に適用したときの、集束超音波の出力変化を、時間に応じて示している、
−図8は、シミュレート温度と目標プロフィールとの差の最小値の変動を、処理組織の拡散と吸収のパラメータに関する誤差関数として表しており、該誤差変数は、{(D/α)誤}/{(D/α)最適}の比として計算されたものである、
−図9は、シミュレート温度と目標プロフィールとの差の標準偏差の変動を、処理組織の拡散と吸収のパラメータに関する誤差関数として表しており、該誤差変数は、{(D/α)誤}/{(D/α)最適}の比として計算されたものである。
本発明の実施態様の一つを、以下に詳細に説明する。例として、本発明のこの実施態様は、磁気共鳴画像(MRI)によって制御された集束超音波(FUS)による局所加温療法装置に対応する。
図1に示したごとく、かかる装置は以下を含む:
・超音波発生手段100、
・解剖学的図示および温度図示のための手段200、
・温度制御ユニット300
・処理される生物組織410のためのサンプルホルダー400。
本書に記載の本発明の実施態様において、エネルギー発生手段100は、油圧システムによって移動されるのに適した変換器110と、正弦信号発生器120と、増幅器130と、正弦信号発生器120を制御ユニット300に接続するコンバータ140とから構成される。
変換器110は、直径90mm、曲率半径80mmである。焦点距離は50と125mmの間で電子的に調節可能であり、焦点領域の位置は80mm×80mmの範囲内で、水平面内で機械的に修正できる。変換器は、1.5MHzで動作する。入力信号は、マルチチャンネル矩形波発生器によって発生される。信号は、例えば、1.5TのMRI装置について63MHzで動作している磁気共鳴器具との干渉を防止するために、フィルタを通される。
発生器120は、例えば、シリアル接続によって操縦されるマルチチャンネル発生器(Corelec社)である。水平面内で変換器を移動させるシステムは、例えば、シリアル接続によって操縦される油圧システムである。
前述の二つの接続は、例えば、PCに接続されており、該PCは、リアルタイムでMRI画像を受信し、所望の温度の制御を可能にするための温度図示を実現するものである。
図示手段200は、温度の空間分布を測定し、記録することを可能にする。該手段には、例えば、Philips(登録商標)社(ベスト、オランダ)によって市販されている1.5TのACS NT型のMRI装置が含まれる。制御ユニット300は、特に、Dell(登録商標)社によって市販されている、PC型のワークステーション310を含む。PCは、超音波発生器100と変換器110の移動システムの制御を可能にする。この装置において、集束超音波によるエネルギー付与の全てのパラメータ―:超音波出力、焦点距離および変換器110の位置は、したがって、ワークステーションを介して調節できる。ワークステーションはさらに、処置の進行状態をリアルタイムで視覚表示できるグラフィックインターフェイスを含んでいる。
制御ユニット300はまた、温度の空間分布の算定およびデジタル処理手段320、制御領域の標的区域に供給されるべき出力値の決定手段330、対象領域内の熱エネルギー損失推定手段340と、エネルギー発生手段の操作手段350も有している。操作手段350は、エネルギー発生手段100に、出力値の決定手段330によって提供された出力値を発信するように指示する。
サンプルホルダー400は、台420を含んでいる。この台は、変換器110と表面コイル(MRI信号受信器)を含んでいる。台420は、標的組織への集束超音波の最適伝播を保証するために、水で満たされたタンク内に配置されている。テストサンプルの冷却を避けるために、水は、水浴温度制御器(例えば、Polysciences、9110−BBモデル、イリノイ、米国)を用いて、38℃の一定温度に維持されている。
温度の自動的制御方法の目的は、処理される組織領域の所与の位置の温度が目標プロフィールTp(t)に従うようにすることである。空間的および時間的な温度変化は、組織によるエネルギー吸収係数(α)と組織内の熱拡散係数(D)を考慮に入れる生物熱方程式[1]によって与えられる:
Figure 0004270878
この式で、T(ベクトルr,t)は温度の図示、∇2はラプラス演算子、S(ベクトルr)は付与されるエネルギーの空間分布、pw(t)はその振幅である。
この方程式は、組織灌流または代謝によって発生する熱は考慮に入れていないが、なぜなら、発生する熱は、集束超音波(FUS)によって付与される熱量と比べてごくわずかだからである。本発明は、エネルギー付与の空間分布に関する制約なしに、それぞれの点(またはボクセル)からそれぞれの別の点(またはボクセル)に向かう熱の伝導を考慮に入れて、方程式1を元にして制御原理を一般化する。そのために、拡散と、源によるエネルギー付与とに応じて、空間の全ての点における温度の時間変化をできるだけ予想するため、方程式[1]の解析解が求められる。方程式[1]の空間座標に対するフーリエ変換から、時間の関数である1次線形方程式を導く:
Figure 0004270878
この式で、T*(ベクトルk,t)およびS*(ベクトルk)は、それぞれ、T(ベクトルr,t)とS(ベクトルr)の空間座標に対するフーリエ変換である。
(MRIによる温度測定間隔に対応する)所与の時間間隔Δtの間、出力pw(t)が一定であると仮定して、方程式[2]から解を導くことができる:
Figure 0004270878
したがって、温度T(ベクトルr,t+Δt)を温度プロフィールTp(ベクトルr,t+Δt)に等しくするためにΔtの間印加すべき出力は、方程式[3]の逆フーリエ変換(FT-1)から導くことができる:
Figure 0004270878
この種のアルゴリズムは、温度を自動的に制御することを可能にするので、患者にとって最適の安全性を確保することができる。このため、温度を所定の目標プロフィールに従わせるために付与されるエネルギーは、一定した時間間隔Δtによって、算定される。実際には、これはMRIによる二つの連続した温度測定の間に印加すべき出力pwを計算することに他ならない。理想的には、このタイプのアルゴリズムは、物理現象(ここでは熱拡散方程式)を計算に入れており、できる限りロバストなものである。
装置の調節
全ての試験は、同じ手順に従って実施された。対象領域の決定のために基準体積の位置と、基準焦点の位置を取得する。変換器110を位置づけ、焦点距離を調整するために、MRI装置の磁石のアイソセンターに対する、基準体積の位置を読み取る。ついで、加温プロセスの準備をするために、この体積の反復スキャンを実施する。この準備は以下のために用いられる:
・温度測定精度を推定するための、体積のそれぞれのボクセルにおける、平均温度での標準偏差の計算、
・変換器110の位置とその焦点距離の補正:適度の温熱(約+3℃)を誘発するために、短時間の間(5秒程度)低出力の集束超音波を印加する。この測定により、磁気共鳴によって画像の位置座標を検証することが可能になり、また、必要ならば変換器の位置と焦点距離を調整する。
・組織の拡散Dおよび吸収αのパラメータ算定:短時間の間、集束超音波を印加し、そして、これらのパラメータを得るために、時間に応じた焦点での温度変化曲線に対する最小二乗法によって、非線形調整を実施する。
この準備手順の後、時間に応じた温度の所望の変化をプログラムし(目標プロフィールTp(ベクトルr,t))、自動制御プロセスに入る(方程式4)。
このプロセスが正確に作動するようにするために、MRIによる取得と集束超音波を操作するPCとの間の同期を実現することが必要である。このため、MRI画像装置は、それぞれのスキャンの最初にTTL(よく用いられる英語のTime to Live)信号を発生する。この信号は、接続された中継をPCのパラレルポートに切り替える組み込みインターフェイスによって、検出される。この切り替えはC言語の固有ルーチンによって検出され、対応するPCのシステム時間を、アルゴリズムによって用いられる分割メモリモジュール内に登録する。このように測定された時間は、温度制御アルゴリズムにおいて、計算に入れられる。
実験
ゲルファントム、生肉サンプル、生体内のウサギの腿についての実験を、1.5テスラのPhilips ACS/NTシステム上で行ったが、該システムは、集束超音波発生のPhilipsプロトタイプを備えており、局所的な温熱の誘発を可能にするものである。ウサギは麻酔をかけて、腿の筋肉がほぼ超音波ビームの中心になるように配置した。予備測定から得られたαとDの係数の値を下表に示す:
Figure 0004270878
調整の準備段階が行われたとき(上記参照)、リアルタイム温度制御手順が実行される。
これらの実験において、3つの平行な切断について、次のパラメータで「セグメンテッドEPI」画像シーケンスを用いて、1.75秒の時間分解能が得られた:エコー時間(TE)30ms、繰り返し時間(TR)60ms、1×1mmの空間分解能でTRによる11段階の位相エンコーディング、スライス厚3mm。
図2、4および6は、それぞれ、アクリルアミドゲル、生肉サンプル、およびウサギの腿で得られた、集束超音波変換器の焦点における温度変化を、時間に応じて表している。連続線のグラフは、目標温度プロフィールTp(t)を表し、符合は、温度MRIによって測定された、焦点での温度の実験データを表している。図6に見るごとく、集束超音波の印加は、170秒後に停止された。このとき温度は、拡散現象のために、何も制御せずとも、初期値に向かって低下した。
測定温度と目標温度との間の差の標準偏差は、温熱段階の間、比較的一定にとどまり(平均0.75℃)、提案された方法が生体内での温度変化をリアルタイムで効果的に制御できることを示している。
図3、5および7は、本方法がそれぞれ、アクリルアミドゲル、生肉サンプル、およびウサギの腿に適用されたときの、集束超音波出力の変化を、時間に応じて示している。
もちろん、実験の間に(温度に応じて、タンパク質の変性や灌流の変化が原因で、など)係数αとDの値は変化しうる。したがって、提案された温度制御アルゴリズムがこれらのパラメータの変動に過敏でないことを確認する必要がある。
温度制御の質の感度は、パラメータDとαを、最初に(準備段階から)推定された値の、それぞれ30%と230%の間と50%と150%の間の広い値の範囲で、2%刻みで変化させることによって、デジタルシミュレーションから推定した。それぞれの対(α、D)について、温度変化は、実験の間に実際に印加された出力を用いて計算した。得られた結果は、温度が、多少のズレと揺れを伴って、温度プロフィールに従うことを示している。シミュレーション温度と目標温度との間の差の最小値によってズレの値が与えられ、この差の標準偏差によって揺れの振幅の算定が可能になる。
図8は、シミュレート温度と目標プロフィールとの差の最小値の変動を、処理組織の拡散と吸収のパラメータに関する誤差関数として表しており、該誤差変数は、{(D/α)誤}/{(D/α)最適}の比として計算されたものである。
図9は、シミュレート温度と目標プロフィールとの差の標準偏差の変動を、処理組織の拡散と吸収のパラメータに関する誤差関数として表しており、該誤差変数は、{(D/α)誤}/{(D/α)最適}の比として計算されたものである。
これらの結果は、D/αに関する誤差と、制御アルゴリズムの精度との間の、大きな相関を表している。くわえて、αとDの推定誤差(とくに実験の過程でのそれらの変動による)は制御の質にほとんど影響しないことがわかる。これらの結果は、提案された方法の有効性とロバスト性を確認するものである。
局所温熱のリアルタイム温度制御は、臨床MRIで、生体内で実現が可能である。温度拡散の物理モデルに基づく、簡単で予測的なこの方法は、組織の吸収(α)と拡散(D)の係数だけに依存している。提案されたアルゴリズムの数式はきわめて一般的であり、したがって、生物組織の温熱を誘導することができるどんなエネルギー源(集束超音波、電子波、レーザー、マイクロ波、など)にも適用できる。その実施に要求される唯一の条件は、エネルギー付与の空間プロフィールを知ることである。
本発明にかなった熱処理装置を模式的に示す図である。 本方法をアクリルアミドゲル(テストサンプル)に適用したときの、変換器の焦点の温度変化を、時間に応じて示している図である。 本方法をアクリルアミドゲルに適用したときの、集束超音波の出力変化を、時間に応じて示している図である。 本方法を生肉のサンプルに適用したときの、変換器の焦点の温度変化を、時間に応じて示している図である。 本方法を生肉のサンプルに適用したときの、集束超音波の出力変化を、時間に応じて示している図である。 本方法をウサギの腿に生体内で適用したときの、変換器の焦点の温度変化を、時間に応じて示している図である。 本方法をウサギの腿に適用したときの、集束超音波の出力変化を、時間に応じて示している図である。 シミュレート温度と目標プロフィールとの差の最小値の変動を、処理組織の拡散と吸収のパラメータに関する誤差関数として表している図である。 シミュレート温度と目標プロフィールとの差の標準偏差の変動を、処理組織の拡散と吸収のパラメータに関する誤差関数として表している図である。
符号の説明
100 エネルギー発生手段
110 変換器
120 正弦信号発生器
130 増幅器
140 コンバータ
200 図示手段
300 温度制御ユニット
310 ワークステーション
320 デジタル処理手段
330 処理手段
340 熱エネルギー損失推定手段
350 操作手段
400 サンプルホルダー
410 生物組織
420 台

Claims (7)

  1. 生物組織(410)のある領域の熱処理のための装置において、
    ・領域内にエネルギーを提供するためのエネルギー発生手段(100)と、
    ・前記領域内の温度の空間分布を測定し、記録するための手段(200)と、
    ・領域内の温度の空間分布を逐一デジタル処理する手段を含む制御ユニット(300)、
    を含み、エネルギー発生手段が、上記の領域に付与する出力を空間的かつ時間的に分配する手段(110)を有し、制御ユニット(300)が、温度分布に応じて、発生手段(100)によって提供されたエネルギーの量と配分を操作するための手段として、制御領域の標的区域に供給されるべき出力値の決定手段(330)と、エネルギー発生手段(100)に、前記出力値の決定手段(330)によって提供された出力値を発信するように指示する、エネルギー発生手段の操作手段(350)とを有し
    時間t+Δtで点ベクトルrに供給される出力の振幅pwが、次のタイプの関係式によって計算され:
    Figure 0004270878
    この式で、Tp(ベクトルr,t+Δt)は、時間t+Δtでの、この点における目標温度であり、FT -1 は逆フーリエ変換、T * (ベクトルk,t)は時間tで測定した温度のフーリエ変換、Dは組織内の熱拡散係数、αは組織のエネルギー吸収係数、S * (ベクトルk)は付与したエネルギーS(ベクトルr)の空間分布のフーリエ変換であることを特徴とする装置。
  2. 制御ユニット(300)が、領域とその近傍内の熱伝導と温度空間分布を推定することによって、組織(410)の領域内のエネルギー損失を推定する手段(340)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 制御ユニット(300)が、領域内のそれぞれの点の熱伝導を考慮に入れるための処理手段を含んでいることを特徴とする、前記請求項の1または2に記載の熱処理装置。
  4. 制御ユニット(300)が、領域をサンプリングする複数個の点のそれぞれの点における、一定時間間隔で温度を測定するための、そして、空間サンプリングの一点から他の点への熱伝導に応じて温度変化の推定を導き出すための手段(320)を含むことを特徴とする、請求項3に記載の熱処理装置。
  5. エネルギー発生手段(100)が集束超音波を発射することを特徴とする、前記請求項1から4のいずれか一つに記載の熱処理装置。
  6. 温度の空間分布を測定し、記録するための手段(200)が、磁気共鳴画像装置を含んでいることを特徴とする、前記請求項1から5のいずれか一つに記載の熱処理装置。
  7. エネルギー発生手段(100)が、超音波、レーザー、マイクロ波または電子波タイプのエネルギー源を含んでいることを特徴とする、前記請求項1からのいずれか一つに記載の熱処理装置。
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