JP4394440B2 - 超音波治療 - Google Patents

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    • A61B8/08Detecting organic movements or changes, e.g. tumours, cysts, swellings
    • A61B8/0808Detecting organic movements or changes, e.g. tumours, cysts, swellings for diagnosis of the brain

Description

(発明の分野)
本発明は、医療システムに関し、より具体的には、ヒト等の被検者、特に、ヒトの被検者の脳への集束超音波エネルギーの非侵襲的付与に関する。
(発明の背景)
頭蓋骨内の特定の位置にある組織の処置は、除去または切除に限定され得る。これらの治療は、腫瘍等の特定の限局性疾患に対して有効であることが実証されているが、これらの治療は、場合によっては健康な組織を破壊し得る、最新の注意を要する、時間のかかる処置である。これらの治療は、健康な組織の破壊が神経機能に過度な影響を及ぼさない場合を除いて、通常、病気の組織が健康な組織と一体化している疾患には適していない。
超音波手術の非侵襲的性質は、健康な組織を乱すことなく、深い組織ボリュームの破壊または処置が所望されることが多い、脳において特定の効果を有する。集束超音波ビームは、人体の複数の他の部分において非侵襲的手術のために用いられてきた。超音波の透過は、軟性組織を通じて良好に透過し、かつ、波長が短い(1MHzで1.5mm)ために、数ミリメートルの寸法のスポットにフォーカスされ得る。腹部の腫瘍または癌組織を、例えば、超音波を用いて加熱することによって、例えば、周囲の健康な組織に著しい損傷をもたらすことなく、病気の部分を切除することが可能である。
(発明の要旨)
概して、ある局面において、本発明は、超音波信号を送達する方法を提供する。この方法は、超音波信号のソースと、集束超音波信号の受信が所望される被検者の部位との間の超音波を受信するように意図された、被検者の少なくとも一部分の画像を提供するステップと、ソースと所望の部位との間の物質の種々の物理特性をこの画像から識別するステップと、各ソースと所望の部位との間に配置された層の各々の部分のそれぞれの厚さに依存して、ソースの位相補正および振幅補正の少なくとも1つを決定するステップとを包含する。
本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。物理特性は、物質タイプ、ならびに、物質密度および物質構造の少なくとも1つと関連し、識別するステップは、層の厚さを識別するステップをさらに包含する。位相補正は、層の各々の伝播特性により決定される。伝播特性は、それぞれの層の各々の物質タイプ、ならびに、物質密度および物質構造の少なくとも一つに基づいて決定される。層は、画像の部分と関連した値を用いて識別される。値は、画像の部分の強度である。位相補正は、被検体の頭蓋骨の3層モデルを用いて決定される。3層のうちの2つは、ほぼ同じ音速cを有すると想定され、残りの層は、音速ciiを有し、位相補正は、
Figure 0004394440
により決定された位相シフトを用いて決定され、ここで、cは、n番目の層における音速であり、Dは、n番目の層の厚さである。層における音速は、
Figure 0004394440
により決定され、ここで、d、d、dは、3つの層の厚さであり、Φ(ρ)は、密度の関数として測定された位相シフトであり、ρは密度である。
さらに、本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。物理特性は、X線減衰係数μと関連付けられる。ソースと所望の部位との間の物質は、骨である。位相補正は、少なくとも部分的に、実験的に導出されたパラメータを含む位相関数によって減衰係数と関係付けられる。各位相補正は、M+BΣ(1/μ(x))+CΣ(1/μ(x))と等しく、ここで、μ(x)は、各ソースと所望の部位との間の伝播の線に沿う距離xの関数としての減衰係数であり、M、BおよびCは、少なくとも部分的に、実験的に導出される。振幅補正は、少なくとも部分的に、実験的に導出されたパラメータを含む振幅関数によって減衰係数と関係付けられる。各振幅補正は、N+FΣμ(x)+GΣ(μ(x))であり、ここで、μ(x)は、各ソースと所望の部位との間の伝播の線に沿う距離xの関数としての減衰係数であり、N、FおよびGは、少なくとも部分的に、実験的に導出される。
さらに、本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。これらの層は、物質密度および物質構造の両方により識別される。画像を提供するステップは、磁気共鳴画像法を用いて画像を生成するステップを包含する。画像を提供するステップは、コンピュータ断層撮影法を用いて画像を生成するステップを包含する。ソースは、圧電変換素子である。位相補正および振幅補正の両方が決定される。
概して、別の局面において、本発明は、超音波信号を送達するシステムを提供する。このシステムは、超音波信号のソースと被検者の所望の部位との間の超音波信号を受信するように意図された、集束超音波信号の受信が所望される被検者の少なくとも一部分の画像を解析するように構成された装置を備え、この装置は、画像から、被検者の少なくとも一部分の種々の層に関する情報を決定するように構成され、相対位相および相対振幅の少なくとも1つを有する超音波信号のソースのアレイは、装置によって提供された被検者の少なくとも一部分の各層に関する情報に従って設定される。
本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。位相は、被検者の少なくとも一部分の各層の伝播特性に従って設定される。伝播特性は、被検者の少なくとも一部分の各層の物質タイプ、ならびに、物質密度および物質構造の少なくとも1つに依存する。この装置は、画像の部分と関連した値を用いて層を識別するように構成されている。値は、画像のその部分の強度である。この装置は、骨の種々の層に関する情報を決定するように構成される。この装置は、被検者の頭蓋骨の3層モデルを用いて位相補正を決定するように構成される。この情報は、X線減衰係数μと関連付けられる。位相補正は、少なくとも部分的に、実験的に導出されたパラメータを含む位相関数によって、減衰係数と関係付けられる。振幅補正は、少なくとも部分的に、実験的に導出されたパラメータを含む振幅関数によって、減衰係数と関係付けられる。
さらに、本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。システムは、装置に接続され、かつ、画像を生成するように構成された磁気共鳴イメージャをさらに備える。このシステムは、さらに、装置に接続され、かつ画像を生成するように構成されたコンピュータ断層撮影イメージャをさらに備える。ソースは、圧電変換素子である。
概して、別の局面において、本発明は、コンピュータ読み取り可能媒体上に常駐し、かつ、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。この命令は、コンピュータに、被検者の少なくとも一部分の画像を解析し、超音波信号のソースと、集束超音波信号の受信が所望される被検者の部位との間の超音波信号を受信し、ソースと所望の部位との間の物質の層の物理特性を画像から識別し、各ソースと所望の部位との間に配置された層の各々の部分のそれぞれの厚さに依存するソースの位相補正および振幅補正の少なくとも1つを決定させる。
本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。位相補正は、層の各々の伝播特性により決定される。伝播特性は、物質タイプ、ならびに、それぞれの層の各々の物質密度および物質構造の少なくとも1つに依存する。層は、物質密度および物質構造の両方により識別される。コンピュータプログラム製品は、コンピュータに磁気共鳴画像法を用いて画像を生成させる命令をさらに含む。コンピュータプログラム製品は、コンピュータにコンピュータ断層撮影法を用いて画像を生成させる命令をさらに含む。コンピュータに物質の層を識別させるための命令は、画像の部分の強度に基づいて、物質の層をコンピュータに識別させるためのものである。
さらに、本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。層は、画像の部分と関連した値を用いて識別される。値は、画像の部分の強度である。解析された層は、骨の層である。位相補正は、被検者の頭蓋骨の3層モデルを用いて決定される。3層のうちの2つは、ほぼ同じ音速Cを有すると想定され、残りの層は、音速Ciiを有し、ここで、位相補正は、
Figure 0004394440
によって決定された位相シフトを用いて決定され、ここで、cは、n番目の層における音速であり、Dは、n番目の層の厚さである。層における音速は、
Figure 0004394440
により決定され、ここで、d、d、dは、3つの層の厚さであり、Φ(ρ)は、密度の関数として測定された位相シフトであり、ρは密度である。
さらに、本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。物理特性は、X線減衰係数μと関連付けられる。位相補正は、少なくとも部分的に、実験的に導出されたパラメータを含む位相関数によって、減衰係数と関係付けられる。各位相補正は、M+BΣ(1/μ(x))+CΣ(1/μ(x))と等しく、ここで、μ(x)は、各ソースと所望の部位との間の伝播の線に沿う距離xの関数としての減衰係数であり、M、BおよびCは、少なくとも部分的に、実験的に導出される。振幅補正は、少なくとも部分的に、実験的に導出されたパラメータを含む振幅関数によって減衰係数と関係付けられる。各振幅補正は、N+FΣμ(x)+GΣ(μ(x))であり、ここで、μ(x)は、各ソースと所望の部位との間の伝播の線に沿う距離xの関数としての減衰係数であり、N、FおよびGは、少なくとも部分的に、実験的に導出される。
概して、別の局面において、本発明は、超音波信号のソースのアレイの少なくとも1つのソースから、超音波信号を被検者に提供する方法を提供する。本方法は、(a)選択された周波数の超音波エネルギーを選択されたソースから被検者に伝送するステップと、(b)伝送されたエネルギーの重畳された反射を受取るステップであって、これらの反射は、被検者の外面からの反射、および、被検者の内部の少なくとも1つの界面における反射である、ステップと、(c)選択された周波数以外の周波数の超音波エネルギーを用いて、(a)および(b)を繰返すステップと、(d)受信された反射の相対極値と関連した周波数間の周波数差を決定するステップと、(e)選択されたソースの位相補正を決定するために、選択されたソースと、集束超音波エネルギー信号の受信が所望される被検者の部位との間の物質の少なくとも一部分の決定された周波数差および厚さを用いるステップとを包含する。
本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。本方法は、(f)エネルギー信号のソースと所望の部位との間の超音波エネルギー信号を受信するように意図された被検者の少なくとも一部分の画像を提供するステップと、(g)画像から、選択されたソースと所望の部位との間の物質の少なくとも一部分の厚さを識別するステップとをさらに包含する。本方法は、選択されたソース以外のソースの各々について(a)〜(e)を繰返すステップをさらに包含する。位相補正は、
ΔΦ=2πf[(d/c)−(1/(2Δf))]
によって決定され、ここで、ΔΦは、位相補正であり、fは、伝送されるべき周波数であり、dは、厚さであり、cは、水中の音速であり、Δfは、同様の極値間の周波数差である。
概して、別の局面において、本発明は、超音波エネルギー信号のソースのアレイからの超音波エネルギーを生きた被検者に供給するシステムにおいて用いるためのロジックを提供する。このロジックは、(a)選択された周波数の超音波エネルギーを、選択されたソースから被検者に伝送し、(b)伝送されたエネルギーの重畳された反射を受信し、この反射は、被検者の外部からの反射、および被検者内部の少なくとも1つの界面からの反射であり、(c)選択された周波数以外の周波数の超音波エネルギーを用いて(a)および(b)を繰返し、(d)受信された反射の相対極値と関連した周波数間の周波数差を決定し、(e)選択されたソースの位相補正を決定するために、選択されたソースと、集束超音波エネルギー信号の受信が所望される被検者の部位との間の物質の少なくとも一部分の決定された周波数差および厚さを用いるように装置を制御するように構成される。
本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。ロジックは、装置に、(f)エネルギー信号のソースと所望の部位との間の超音波エネルギー信号を受信するように意図された、被検者の少なくとも一部分の画像を提供させ、(g)選択されたソースと所望の部位との間の物質の少なくとも一部分の厚さを画像から識別させるようにさらに構成される。ロジックは、選択されたソース以外のソースの各々について(a)〜(e)を装置に繰返させるようにさらに構成される。ロジックは、装置に
ΔΦ=2πf[(d/c)−(1/(2Δf))]
によって位相補正を決定させるように構成され、ここで、ΔΦは、位相補正であり、fは、伝送されるべき周波数であり、dは、厚さであり、cは、水中の音速であり、Δfは、同様の極値間の周波数差である。
概して、別の局面において、本発明は、超音波信号を送達する方法を提供する。この方法は、超音波信号のソースと、集束超音波信号の受信が所望される被検者の部位との間の超音波信号を受信するように意図された、被検者の少なくとも一部分の画像を提供するステップと、ソースと所望の部位との間の物質の部分の物理特性を画像から識別するステップと、各ソースと所望の部位との間に位置する物質の部分のそれぞれの物理特性に依存して、ソースの位相補正および振幅補正の少なくとも1つを決定するために、特定の伝播解析を用いるステップとを包含する。
本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。物理特性は、密度および厚さを含む。識別するステップは、物質の部分の種々の層の物理特性を識別する。物理特性は、基準に対する層の界面の角度を含む。
本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上をさらに含み得る。スペクトル伝播解析は、波動ベクトル周波数ドメイン投影アルゴリズムを含む。用いるステップは、物質を考慮する、ソースから所望の部位への投影位相と、物質を無視する、ソースから所望の部位への投影位相とを比較するステップを包含する。用いるステップは、超音波の垂直入射を想定する。方法は、物質への超音波の入射角を決定するステップをさらに包含する。識別するステップは、物質の部分の種々の層の物理特性を識別し、入射角を決定するステップは、物質の層ごとに入射角を決定する。
概して、別の局面において、本発明は、超音波信号を送達するシステムを提供する。このシステムは、超音波信号のソースと、集束超音波信号の受信が所望される被検者の部位との間の超音波信号を受信するように意図された、被検者の少なくとも一部分の画像を解析するように構成された装置を備え、この装置は、スペクトル投影解析を用いて、被検者の少なくとも一部分に関する情報を画像から決定するように構成され、相対位相および振幅の少なくともそれぞれのものを有する超音波信号のソースのアレイは、装置によって提供された被検者の少なくとも一部分に関する情報との関連で設定される。
本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。装置は、被検者の部分の複数の層の物理特性を識別する手段を備え、この物理特性は、密度および厚さを含む。物理特性は、それぞれのソースに対する層の入射角をさらに含み、装置は、被検者の部分を考慮する、ソースから所望の部位への信号の投影位相と、被検者の部分を無視する、ソースから所望の部位への信号の投影位相とを比較する手段をさらに備える。装置は、波動ベクトル周波数ドメイン投影アルゴリズムを実行する手段を備える。
概して、別の局面において、本発明は、コンピュータ読み取り媒体上に常駐し、かつ、コンピュータ読み取り可能で、コンピュータによって実行可能な命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータによって実行可能な命令は、コンピュータに、被検者の少なくとも一部分の画像を解析させ、超音波信号のソースと、集束超音波信号の受信が所望される被検者の部位との間の超音波信号を受信させ、ソースと所望の部位との間の物質の部分のそれぞれの物理特性を画像から識別させ、各ソースと所望の部位との間に配置された物質の部分のそれぞれの物理特性に依存するソースの位相補正および振幅補正の少なくとも1つを波動ベクトル周波数ドメイン投影アルゴリズムを用いて決定させる。
本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上を含み得る。物理特性は、密度および厚さを含む。コンピュータに解析させる命令は、物質の部分の種々の層の物理特性をコンピュータに識別させる。物理特性は、ソースに対する層の界面の角度を含む。
本発明の実現は、以下の特徴の1つ以上をさらに含み得る。コンピュータに解析させる命令は、コンピュータに、物質の部分を考慮する、ソースから所望の部位への投影位相と、物質の部分を無視する、ソースから所望の部位への投影位相とを比較させる。コンピュータプログラム製品は、超音波の垂直の入射を想定して、物質の部分を考慮する投影位相をコンピュータに決定させる命令をさらに含む。コンピュータプログラム製品は、物質の部分の層に対する超音波の入射角を決定および使用することによって、物質の部分を考慮する投影位相をコンピュータに決定させる命令をさらに含む。コンピュータに入射角を決定させる命令は、コンピュータに、物質の部分の層ごとに入射角を決定させる。
本発明の種々の局面は、以下の利点の1つ以上を提供し得る。超音波は、例えば、超音波療法等の、無傷の頭蓋骨内で正確にフォーカスされ得る。種々の頭蓋骨、例えば、種々の頭蓋骨厚さ、密度、および/または構造が、超音波療法に適応し得る。超音波療法にリアルタイムで適応し得る。骨(または組織)に供給されるエネルギーの位相および/または振幅を補償するために、骨(または組織)を通過するエネルギーの位相および/または振幅への影響が決定され、かつ用いられ得る。頭蓋骨に対する超音波の入射角が考慮され得、従って、超音波変換器の励起特性が適応する。波動ベクトル周波数ドメイン投影アルゴリズムが、超音波を非侵襲的に頭蓋骨内に提供するための超音波変換器励起特性を決定するために用いられ得る。超音波アレイ変換器の補正係数は、効率的および適時に決定され得る。
本発明のこれら、および他の利点は、本発明それ自体と共に、以下の図、詳細な説明、および上記の請求項を検討した後により完全に理解される。
(好ましい実施形態の詳細な説明)
超音波エネルギー等のエネルギーは、様々な処置のために人間または動物等の対象内に伝搬され得る。放射トランスデューサ素子のアレイは、エネルギーを対象に伝送するように用いられ得、素子に伝送された信号の振幅は、対象を通るエネルギー量に影響を与え得、伝送されたエネルギーの相対的位相および振幅は、エネルギ分布を対象に集中させることの助けになり得る。超音波信号の位相および振幅は、多くの原因により影響され得る/歪められ得る。例えば、信号が伝搬する物質の材料定数が異なることである。例えば、患者内部の異なる種類の物質(例えば、骨、筋肉および脂肪)は、超音波エネルギーの異なる伝播および減衰係数を有する。また、他の材料定数(例えば、患者内部の物質の密度および構造)は、超音波信号の位相および/または減衰に影響を与え得る。なぜなら、トランスデューサ素子とイメージングされる/処置される領域との間にある、厚さおよびコンター(contour)が異なる物質、ならびに、空気が充填した可能性のあるポケットまたは液体が充填した可能性のあるポケットに、異なるトランスデューサ素子からの信号が直面し得るので、トランスデューサ素子からの信号の位相が歪められることが多い。従って、伝送している位相および/または振幅がこの歪みに対して補正されない場合、位相および/または振幅は、所望の位相および/または振幅と異なることが多い。
本発明の実施形態は、超音波を用いて患者を処置する際に、位相の歪みおよび減衰のばらつきを補正する技術を提供する。コンピュータトモグラフィー(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)等のイメージング技術を用いて、物質の厚さ、密度および構造等のプロパティが決定される。これらのプロパティの各々が物質の位相歪みに影響していることが発見されている。これらの3つの全プロパティを用いて決定された位相補正は、1つまたは2つのプロパティのみを用いて決定された位相補正よりもより優れている。トランスデューサ素子と、処置される領域との間の対象の物質の決定されたプロパティは、本発明者によって開発された式に代入される。この式は、決定されたプロパティおよび公知の特性(例えば、伝搬速度)を用いて、各トランスデューサ素子に対する位相の調節を計算する。トランスデューサ素子の位相をより適切に補正することによって、対象内のエネルギーの焦点を合わせ、脳などの繊細な領域にさえも効果的な非侵襲治療を可能にする。さらに、X線の減衰が位相歪みおよび音響減衰に関し得る。従って、位相歪みおよび音響減衰に対するX線の減衰に関する式は、伝送した位相および振幅を調節することによってこのようなばらつきを補正するように用いられ得る。
図1を参照して、超音波治療システム10は、イメージャ12、n個のトランスデューサ素子16の位相アレイ14、信号調節器18、コントローラ20および周波数発生器22を含む。このシステム10は、患者30の頭蓋骨28の特性を決定して、患者の脳に焦点を合わせた(例えば、0.01MHz〜10MHzの範囲の)超音波エネルギーを加えるように構成される。アレイへの信号は、Daumらによる「Design and Evaluation of a Feedback Based Phased Array System for Ultrasound Surgery」、IEEE Trans. Ultrason. Ferrolelctr. Freq. Control 45(2):431−4,1998において報告されたアレイと類似の駆動配置(しかし、駆動周波数は、約0.1MHzと約10MHzとの間で選択される)によって提供される。各トランスデューサ素子16に対する電力および位相は、ソフトウェアおよびフィードバックを用いて手動または自動で制御され得る。
トランスデューサ素子16のアレイ14は、患者の頭蓋骨28の外部表面上またはその近くに配置されるように構成される。このアレイ14は、患者の頭の上に置かれて、アレイ14の表面から一定の距離で超音波エネルギーの焦点を合わせるように導電性のあるカーブした形状(例えば、球状であり、平面等の他の形状のセクションも可能である)で構成されている。アレイ14のトランスデューサ素子16は、図示されたアレイ14に配置された圧電トランスデューサ素子である。トランスデューサ素子(例えば、1cmの圧電セラミック片)がシリコンゴム、または、素子16間の機械的な結合をダンピングするために適した任意の他の材料に取り付けられる。他の材料がアレイを構成するために用いられてもよい。例えば、アレイ14は、1つ以上の圧電複合材料片から形成されてもよい。または、電気エネルギーを音響エネルギーに変換する任意の材料であってもよい。最大の電力が確実にトランスデューサ素子16に伝わることに役立つために、トランスデューサ素子16は、50Ωの電気的共鳴が入力コネクタインピーダンスに適合することを支援するように構成され得る。
アレイ14は、信号アジャスタ18に接続される。この信号アジャスタ18は、周波数発生器22にさらに接続される。周波数発生器22は、共通の無線周波数(RF)信号を、信号アジャスタ18への入力信号として提供するように構成される。無線周波数発生器22は、信号アジャスタ18に対して適切な信号を作る任意のタイプであり得る。例えば、発生器22は、Stanford Research Systemから入手可能であるModel DS345発生器であってもよい。共に、無線周波数発生器22および信号アジャスタ18は、周波数同じで(しかし、位相は異なる(振幅が異なっていることもある))、アレイ14の各トランスデューサ素子16を駆動するように構成され、患者の頭蓋骨28を通る超音波エネルギーを伝送して、患者の脳内の選択された領域にエネルギーの焦点を合わせる。発生器22は、アジャスタ18に接続され、発生器の出力信号を分割し、n個の入力信号を信号アジャスタ18に提供する。
周波数発生器22からのn個の入力信号の各々を受け取るように接続されているのは、信号アジャスタ18の増幅器24〜24と、それに関連する位相シフタ26〜26のn個の対である。位相シフタ26と増幅器24の各ペアは、信号アジャスタ18のチャネルを表す。位相シフタ26は、各位相シフト因子α〜αで、発生器22から来る信号の位相(振幅であってもよい)を変更かつ調節することによって、n個の独立した信号を増幅器24に提供するように構成される。位相シフタ26は、約1度の精度を提供する(8ビットの分解能であるが、多くの用途ではより低い位相分解能で十分である)。増幅器24〜24は、位相シフタ26からの信号を増幅し、増幅器24とトランスデューサ素子16とをそれぞれ接続するコネクション(例えば、同軸ケーブル)を通って増幅信号をトランスデューサ素子16に提供するように構成される。内部電力メータは、増幅器24によって供給された電力をモニタするように構成される。
位相シフタ26の位相シフト因子α〜αは、超音波エネルギーの径路中に物体が存在しないときに、超音波ビームのステアリングを行い、また、患者の頭蓋骨に導入された各トランスデューサ素子16によって出力された超音波の位相歪みを補正する。ステアリングに関連する各位相シフト因子の成分は、公知の技術を用いて計算され得る。位相ひずみに関連する各位相シフト因子α〜αのコンポーネントは、頭蓋骨28、肌/頭蓋骨インタフェース、硬膜/頭蓋骨インタフェース、頭蓋骨の厚さのばらつき、および構造上の事項(例えば、頭蓋骨28の空気が充填したポケット、または液体が充填したポケット)によって導入された摂動および歪みを補正する。位相シフト因子α〜αを形成する2つの成分は、合計されて、各チャネルに対する合成位相シフト因子α〜αを決定し、アレイ14に関して所望のステアリング角度で、およびアレイ14からの所望のステアリング距離で超音波エネルギーの焦点を集める。
位相シフト因子α〜αはコントローラ20によって提供される。コントローラ20は、ロジックであり、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリングまたはこれらの任意の組み合わせによって提供されてもよい。例えば、コントローラ20は、従来の様態のソフトウェアによってプログラミングされた汎用、または専用のデジタルデータプロセッサであってもよく、位相シフト因子α〜αを位相シフタに適用する。しかし、他の構成が用いられてもよい。コントローラ20は、以下に記載されるように、矢印32で示されたイメージャ12から得られた情報に基づいて、位相シフト因子α〜αを決定するように構成される。詳細には、この情報は、各トランスデューサ素子16と、患者の脳における所望の焦点との間の頭蓋骨18の各部分に対する、患者の頭蓋骨28の厚さおよび密度を含む。イメージャ12からの情報は、イメージャ12から直接伝達される。なぜなら、イメージャ12は、自動的にイメージを解析して、そのイメージからの所定の特性を決定するように構成されるからである。十分な情報がイメージャ12によってコントローラ20に提供され、位相シフト因子α〜αが決定される。
コントローラ20は、イメージャ12からのイメージを操作するように構成される。コントローラ20は、イメージャから受け取った2次元のイメージから、患者の頭蓋骨28の3次表現を生成し、その3次元表現から頭蓋骨の厚さを決定するように構成される。3次元表現は、コントローラ20によってボクセル(voxel)(3次元イメージのボリュームピクセル(volume pixel))に分割され得る。
イメージャ12は、患者の頭の内部のイメージを得るように構成される。詳細には、このイメージは、患者の頭蓋骨28の骨の厚さ、密度および構造に関する情報を提供する。例えば、イメージャ12は、磁気共鳴イメージング(MRI)デバイスであってもよいし、コンピュータトモグラフィ(CT)デバイスであってもよい。このイメージャ12は、患者の頭蓋骨12を走査するように構成され、頭蓋骨の厚さ、密度および構造に関する情報を提供する。この情報は、様々な強度の2次元イメージを含む。この2次元イメージから2次元表現が作られ得、その3次元表現から厚さおよび密度を決定することができ、および/または、推測することができる。3次元イメージを得ることができ、それを用いることができる。また、イメージャ12がCT装置である場合、イメージャ12は、CT番号(ハウスフィールド番号と呼ばれる)を決定して、イメージャ12によって提供されたイメージの各ピクセルに対して、提供し得る。
図2を参照して、頭蓋骨28は、小柱骨(trabeculare bone)の2つの層50、54、および皮質骨の層52を含む。基準として、イメージャ12の走査方向は、デカルト座標のx軸として定義される。これにより、イメージ平面は、y軸およびz軸によって定義される。3次元表現から、頭蓋骨28の表面38の2つのベクトル34、36が定義される。頭蓋骨の表面38の参照点rからx方向およびy方向の表面上の3番目に最も近い点を用いて決定される。コントローラ20は、ベクトル34、36を用いて、表面38に垂直なベクトル40を計算するように構成される。このコントローラは、ベクトル40とベクトル42のスカラー積を計算可能である。このスカラー積は、トランスデューサ素子16からのエネルギーの伝搬方向である。このスカラー積は、入射角が
Figure 0004394440
である。ガウスの単位(法線)ベクトルn=(n,v,w)は、この入射角γからコントローラ20によって計算され得る。各層50、52、54の厚さD,D,Dは、強度分布を用いて得られる。これらの厚さは、頭蓋骨の表面の位置r=(x,y,z)の位置を開始点として、次の層上の位置r=(x,y,z)まで続く。
Figure 0004394440
一様の頭蓋骨を通る垂直に近い伝搬が仮定される。超音波伝搬速度用に層50、52、54を単一の層として取り扱うと、頭蓋骨の所与の点を通る伝搬に起因する位相シフトを表現するために、以下の単純な関係が用いられ得る。
Figure 0004394440
ここで、fは駆動周波数、水中の音速はc、頭蓋骨の速度はc、そしてDは頭蓋骨の厚さである。頭蓋骨に起因するシフトから水中の直接伝搬に起因する位相シフトを差し引くというこの約束事によって、正の位相シフトとなる。
3つの層50、52、54は、3層モデルの一部として層50、52、54の厚さD、D、Dに起因する位相補正を決定するために別々に取り扱われてもよい。3層モデルに対して、頭蓋骨28が別々の一様の層からなることが仮定される。音速は、中央の層52に対しては2.5×10m/s、内部の層50および外部の層54に対しては2.9×10m/sして仮定される。この3層モデルを用いると、頭蓋骨28を介する予期される位相シフトは、
Figure 0004394440
である。ここで、cはn番層の音速に等しく、Dはn番層の厚さに等しい。
頭蓋骨28の密度が頭蓋骨28を通る伝播に影響を与えることが分かっている。結果として、頭蓋骨28を通る超音波信号の位相が頭蓋骨の密度に影響され、頭蓋骨密度に基づく位相補正は、アレイ14からの超音波エネルギーの焦点を合わせることの改善を助け得る。
式(3)から計算された予測の単一層の一様な値からのずれに対して、内部密度のばらつきの貢献度(contribution)を評価するために、超音波伝搬軸42に沿った平均CTイメージ強度と実験エラーとの間の補正が用いられる。2次元CTイメージから作られた3次元イメージを用いることによって、各0.15mmvoxelに強度値が割り当てられる。この強度は、骨密度に線形で比例し、密度は、基準強度としてイメージ中の空気および水を用いてMKS単位でスケーリングされる。平均強度は、骨内部の伝搬42の軸に沿ったCT強度値を合計して、voxelの合計数で割ることによって決定される。このvoxelは、空気が満ちているポケットまたは液体が満ちているポケットを含み得る。このようなvoxelに対する音速は、水中の音速として想定される。または、空気が満ちている場合、超音波の全反射が仮定され得る。
頭蓋骨密度に起因するエラーは、計測された位相と、(単一層モデルに対する)式(3)によって与えらた位相との間の差として計算されている。平均強度の関数としてパーセントエラーを(多項式曲線フィッティングを用いて)フィッティングさせることによって、経験的な補正因子が得られている。この補正因子は、
Figure 0004394440
N階のフィッティングに対してN+1個の係数Aが決定される。ρは密度である。0.51MHzで、5つの頭蓋骨、117点のデータセットを用いて3階のフィッティングを適用することによって、MKS単位の係数が作られる。これを以下に示す。
Figure 0004394440
これらの係数は、式(5)で用いられ得る。式(5)は、式(3)に単一層一様モデルの一部として適用され、
Figure 0004394440
の補正位相シフトを作り出す。ここで、Φは、式(3)を用いて得られた初期位相値を含む。
頭蓋骨の音速を調節するために、密度および厚さの計測も適用され得る。単一層の速度値を調節するために、コントローラ20は、
Figure 0004394440
に従う密度関数として速度をフィッティングするように構成される。ここで、φ(ρ)は、密度関数としての計測位相シフトである。式(5)で示された多項式フィッティングは、音速値を求めるために、コントローラ20によって用いられる。3層モデルに対しては、2つの音速が計算される。これらの2つの速度は、小柱層に対する速度c、および皮質(中央の)骨に対する速度Ciiである。3つの骨の層50、52および54に対してそれぞれ、厚さD、DおよびDが与えられると、皮質骨層の速度Ciiは、
Figure 0004394440
に従う密度関数としてコントローラ20によってフィッティングされる。c(ρ)の多項式フィッティングは、ciiに対するトライアル関数の級数において式(5)を用いて実行される。最終的音速は、c(ρ)およびcii(ρ)である。これらは、標準偏差または他の方法(この方法は、大きな頭蓋骨サンプルをフィッティングさせることによって得られる直接の頭蓋骨計測を用いる)によって最も密接に相関している。
図1〜3を参照する。動作中に、コントローラ20は、イメージャ12からの情報を用いて、トランスデューサ素子16の位相を調節する。ステージ60において、イメージャ12は、患者の頭蓋骨28にイメージを取る。これは、空間的に遠隔でなされ得る。例えば、別の病院のコントローラ20からである。ステージ62において、イメージャは、情報を転送する。この情報は、例えば、コントローラ20に対する、頭蓋骨の厚さ、密度および構造に関する、一部のイメージの強度である。この転送は、イメージャ12がイメージを取るときから時間的に分離され得、人間が介入することによって(例えば、イメージをCDに記録して、コントローラ20でCDを再生する)も実行され得る。ステージ64において、コントローラ20は、この情報を操作して、一部のイメージの強度を解析することによって、患者の頭蓋骨28の層の厚さを決定し、その層を識別する。ステージ66において、コントローラ20は、位相シフト因子α〜α(以下で説明される振幅補正)等の励起補正因子を決定し、位相シフト因子α〜αをアジャスタ18に転送する。ステージ68において、周波数発生器は、エネルギーをアジャスタ18に供給する。このアジャスタ18は、コントローラ20からの位相シフト因子α〜αに従って、周波数発生器22からのエネルギーの位相を調節する。この調節エネルギーは、トランスデューサ素子16に送られる。このトランスデューサ素子16は、エネルギーを超音波に変換して、これらの波を患者の頭蓋骨28に転送する。イメージャ12からのイメージは、実時間で供給され得、患者30に適用したエネルギーの振幅および/または位相は、イメージに応答して変化する。
患者の頭蓋骨28に供給された電力は、治療のタイプに依存している。切除には、64個のトランスデューサ素子を用いて、約10秒間で約2〜3kWが用いられ得る。トランスデューサ素子16の数が多ければ多い程、全電力は少なくなり得る。逆もまた成り立つ。血液脳関門を開くためには、当該領域の実施された気体の泡に応じて、切除のよりも約100倍小さい電力が用いられ得る。この切除電力はまた、実施された気体の泡によって減少され得る。トランスデューサ素子16が一定してエネルギーを放出する場合に、定常波に起因する位相への影響が生じ得る。エネルギーの爆発を用いると、この影響は(無くなるわけではないが)減少することが発見されている。
他の実施形態は、添付の特許請求の範囲、の範囲および意図内である。例えば、図1に示されるトランスデューサ素子16のアレイ14は、図示されているトランスデューサ素子16よりも少ない数のトランスデューサ素子16を含んでもよい。位相シフト因子α〜αは、コントローラ20によって提供される代わりに、信号アジャスタ18のチャネルに予め格納されてもよい。さらに、コントローラ20によって実施されているとして記載された機能は、イメージャ12によって実施されてもよい。これは、逆もあり得るし、システム10を用いる人によって(例えば、密度を計算して、位相シフト因子α〜αに関して入力データをコントローラ20に提供することによって)実施されてもよい。
図4、5を参照する。システム90を用いる、位相シフト因子α〜αを得る非侵襲プロセス70が、伝送モードと受信モードの両方でトランスデューサ素子16を動作する。システム90において、コントローラ92は、コントローラ20(図1)に類似している。しかし、スイッチ94〜94を制御するようにも構成されている。これにより、トランスデューサ素子16は、受信モードでコントローラ92に接続され、伝送モードでアジャスタ18に接続される。
ステージ72において、コントローラ92は、1つのスイッチ(例えば、スイッチ94)が伝送モードであるように配置されるようにスイッチ94を制御する。周波数発生器22は、約5〜30サイクルの低周波数超音波列を生成する。この波列のうちのいくつかは、頭蓋骨28に反射して、この波列のうちのいくつかは、頭蓋骨28を通過して患者の脳に入る。
ステージ74では、コントローラ92は、スイッチ94を受信モードに切り替えさせる。トランスデューサ素子16をコントローラ92に接続する。波列は、頭蓋骨28を反射して、その反射波は、トランスデューサ素子16によって受信され、コントローラ92によって記録される。伝搬速度およびパルス列の長さは、パルス列からのエネルギーが頭蓋骨28の外部表面に伝送されて、頭蓋骨28の内部表面によって反射されたパルス列からのエネルギーが頭蓋骨28をアレイ14の方へと通過するときに、頭蓋骨28の外部表面によって反射されるようにされる。従って、内部および外部表面の受信反射が重ね合わせられる。
ステージ76において、伝送された一連の周波数が完了したかどうかに関するクエリがなされる。完了していない場合、プロセス70は、ステージ72に戻り、一連の異なる周波数を伝送する。この一連の周波数が完了した場合、周波数の関数としての対応する記録された振幅データを用いて、プロセス70は、ステージ78に進む。
ステージ78において、コントローラ92は、記録情報を解析して、処理し、位相シフト因子α〜αを決定する。コントローラ92は、頭蓋骨の内部表面および外部表面におけるインタフェースから重ね合わさった反射波を含む記録周波数応答を逆畳重する。この重ね合わせた反射波は、周波数の関数として、データ中に局所的に最大値と最小値が周期的に現れる状況を作り出す。イメージ(例えば、CTまたはMRIイメージ)からの情報は、コントローラ92によって用いられ、内部表面および外部表面の位置、および頭蓋骨の厚さを決定する。コントローラ92は、
Figure 0004394440
に従って、極値状のもの(例えば、ピーク)の間の距離Δfを用いて、位相シフト(Δφ)を推定する。
ここで、fは伝送される周波数であり、位相補正はこの周波数に対して用いられるべきである。dはイメージから決定された頭蓋骨の厚さであり、cは水中の音速である。密度補正技術を用いて、この位相シフトに対する調節がなされ得る。プロセス70は、トランスデューサ素子16の残余に対して繰り返される。
頭蓋骨を通る音波処理に起因する位相シフトおよび音響の減衰量がまたCTイメージの解析から決定され得る。位相シフトおよび音響減衰量を決定するために、骨のx線減衰係数μと音速cとの間の1対1の相関関係、および、μと音響減衰量との間の1対1の相関関係が基本的に存在すると仮定される。
x線減衰量を位相および音響減衰量に関連付ける方程式は、以下に説明されるように開発されている。この方程式は、実験データにフィッティングさせることによって決定されたパラメータを含む。実験データは、豚の頭蓋骨サンプルに超音波を適用して、Massachusetts、Walthamのpanametricsによって製造された1”トランスデューサ素子を用い、730kHzで動作し、約7cm〜0.6mmのハイドロフォンを置くことによって測定された。この頭蓋骨は、3次元ポジショニングシステムに取り付けられた。トランスデューサ素子は、波形発生器(例えば、United Kingdom、Norwich、Wavetek Ltd.によって製造されたWavetek model 395、あるいは、Washington、Fluke Corporartionによって製造された波形発生器)によって生成された10周期正弦信号によって駆動された。ハイドロフォン応答は、CA、Palo AltoのHewlett Packardによって製造されたHP54602デジタルオシロスコープに記録された。頭蓋骨サンプルの計測は、このサンプルを水に浸して、0.5mmスライスのデュアルスライスを螺旋状に得ることによって得た。
頭蓋骨による位相シフトは、公式の関係を想定して、実際のデータを公式にフィッティングさせることによってx線の減衰量に関連し得る。x線の減衰係数μは、
Figure 0004394440
に従うCT番号CTに関連する。ここで、kは周知の物理的定数である。μの単位はk=1として選択され得る。骨を通る径路に基づく位相シフトは、
Figure 0004394440
によって与えられる。ここで、fは周波数である。c(x)は点xの音速である。cは水中(または、柔らかい組織であり、実際に同じである)の音速である。式11の積分は、超音波エネルギーの伝搬線に沿って行われる。μの関数依存性は、
Figure 0004394440
で仮定される。ここで、A’、B’およびC’は、上記のセットアップを用いて実験から決定された実験データに対してフィルタリングされたパラメータである。式12で示された式とは別の近似式が用いられ得る。式11および式12から、
Figure 0004394440
となる。ここで、A=2πf(A’−1/c)、B=2πfB’、C=2πfC’である。p、pは、伝搬線に沿った骨内部の最初のピクセルおよび最後のピクセルである。この合計は、これらの境界内で行われる。p、pの値は、伝搬線に沿って引かれた強度プロファイルから手動で得られる。これらの値はまた、周知のエッジ検出技術を用いて自動で得られ得る。
Δφの式は、厚さに独立したパラメータを含むように修正され得る。従って、式13は、
Figure 0004394440
に修正され得る。ここで、Jは、厚さゼロにおける位相シフトであり、その非ゼロ値はおそらく実験誤差に基づく。Δφの値は、トランスデューサ素子のアレイ(例えば、図1に示されるシステム10のアレイ14)における要素の位相を調節するように用いられ得る。
上記のセットアップを用いる実験から、パラメータA、B、CおよびJの例としての値が得られた。これらの値は、A=0.1126、B=−0.0610、C=−0.0759、およびJ=−0.1375であった。式14のこれらの値を用いることによって、Δφ=2πfx(1/c−1/c)(c=2650m/sec、およびc=1500m/secと仮定する)としたとき(例えば、標準偏差が54°)と比較すると、より優れた結果が得られた(例えば、標準偏差が21°である)。
頭蓋骨を通る音響減衰値はまた、式の関係を仮定して、実際のデータを式にフィッティングさせることによって、x線減衰値に関係し得る。骨を通る音響減衰値は、
Figure 0004394440
によって与えられる。ここで、IおよびIは、それぞれ、骨を通過する前および後の音響強度である。μAC(x)は局所的な音響減衰係数である。音響減衰係数とx線減衰係数との間の関係は、
Figure 0004394440
で近似され得る。図16で示される近似とは別の近似が用いられてもよい。伝搬線に沿ったピクセルセットの積分により、上記されたように、
Figure 0004394440
が得られる。ここで、Hは厚さに独立したパラメータである。このパラメータは、インタフェース(空気−頭蓋骨、頭蓋骨層の間、頭蓋骨−脳)に反射された強度の一部を反映している。さらに、上記のセットアップを用いた実験結果から、パラメータE、F、GおよびHに対する許容可能な値は、E=0.7552、F=−0.9007、G=0.2946およびH=−0.9121として決定された。音響減衰に関する情報を用いて、伝送されたエネルギーの大きさは、コントローラ20からの信号に基づく増幅器24を用いて調節され得る。
動作中に、イメージャ12は、イメージャのCT番号をコントローラ20に供給する。このコントローラ20は、CT番号、および、実験で決定された値A、B、C、J、E、F、GおよびHを用いて、増幅器24の位相補正因子α〜αおよび増幅器24用の振幅調節因子を決定する。そうではない場合、このシステムは、概して上記のように動作し、アジャスタ18は、コントローラ20によって示されたときに、発生器22からのエネルギーの位相および振幅を調節する。
よりさらなる実施形態は、添付の特許請求の範囲の範囲および意図内である。例えば、上記の説明が人間の頭蓋骨を通って伝送される超音波エネルギーに焦点を当てていたが、エネルギーの他の周波数および他の対象が用いられてもよく、対象の他の領域がエネルギーを受信するためのターゲットとされてもよい。例えば、人間ではない対象も容認される。頭蓋骨を通って脳に伝送することとは全く別に、人間のまたは人間ではない対象の領域内にエネルギーを伝送することも同様である。さらに、患者30に伝送された信号の位相および振幅を決定および/制御する他の技術が用いられてもよい。例えば、用いられ得る技術は、同時に出願された、「SYSTEMS AND METHODS FOR FOCUSSING AN ACOUSTIC ENERGY BEAM TRANSMITTED THROUGH A SKULL」と称された、米国特許第 号明細書(2000年11月28日に出願されたが、まだ番号が割り当てられず、代理人ドケット番号は254/187である)、および、同時に出願された、米国特許「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A PHASED ARRAY FOCUSED ULTRASOUND SYSTEM」と称された、米国特許第 号明細書(2000年11月28日に出願されたが、まだ番号が割り当てられず、代理人ドケット番号は254/189である)に含まれ得る。これらは、いずれも参照のため本明細書に援用される。
さらなる実施形態も本発明の意図および範囲内である。例えば、図1に示されるシステム10は、予測(projection)アルゴリズムを適用して、増幅器24および/または位相シフタ26によって応用される位相調節および/または振幅調節を確認するように構成され得る。このアルゴリズムは、層状波動ベクトル周波数領域モデルに基づく。この層状波動ベクトル周波数領域モデルは、頭蓋骨28を通って半球状のトランスデューサアレイから超音波を伝搬し、頭蓋骨28のCTスキャンからの入力を用いる。予測アルゴリズム(コントローラ20がこのアルゴリズムを実行するように構成される)は、アレイ14の各トランスデューサ16に対する駆動位相および/または駆動振幅を計算して、意図する焦点における(おそらく最大の)信号を改善する。実験結果は、この技術が(外科手術を含む)完全に非侵襲正の超音波脳治療に用いられ得ることを示している。
システム10(特にコントローラ20)によって行われた推定アルゴリズムは、非侵襲性焦点合わせ(focusing)法に集中している。この方法は、CTイメージを用いて、超音波が頭蓋骨28を通っていかに伝播するかを予測する。このアルゴリズムは、頭蓋骨28を通過した後の超音波フィールドの挙動を予測する。頭蓋骨28を通過することにより、非常に重要なフィールドの反射、回折および吸収が起こる。アルゴリズムを実施するために、このシステム10は、頭蓋骨28の厚さおよび内部構造の知識を正確に取得し、頭蓋骨28と超音波アレイ14との間の正確な位置精度を達成する。このアルゴリズムは、比較的複雑ではない、コンピュータで実現可能なメカニズムを提供して、過度に単純化することなく位相および/または振幅補正を決定する。
この推定アルゴリズムは、頭28のCTイメージから取得した厚さ、密度および方向情報を用いる。この情報は、任意の方向を向く(平行ではない)層を通る超音波を伝搬し得る伝搬モデルに入力される。波動ベクトル周波数領域で操作すると、このモデルは、頭蓋骨28を通って超音波フィールドのセクションを急速に伝搬する。このモデルの2つの特別な場合は、現在の焦点合わせアルゴリズムに対して試験される。第1の場合は、頭蓋骨が一様であると仮定して、頭蓋骨28を通って垂直入射で超音波を伝搬する。第2の場合は、頭蓋骨の表面と入射音響フィールドとの間の角度を考慮する。これらのモデルの両方は、生体外の人間の頭蓋骨および水槽中のハイドロフォン計測を用いてテストされている。
(推定アルゴリズム)
波動ベクトル周波数領域の推定アルゴリズムは、頭蓋骨28を通る伝搬、および、超音波アレイトランスデューサ16の補正因子を決定するように用いられる。この推定アルゴリズムは、音響フィールドが線形のストークス方程式を満たすと仮定する。
Figure 0004394440
ここで、τは媒体の弛緩定数、cは実際の音速である。治療アレイは、高電力で動作するが、線形近似は、焦点の外部における伝搬に適切であることが見つけられている。デカルト座標のヘルムホルツ方程式は、フーリエ積分
Figure 0004394440
の置換によって取得される。式18において、デカルト波数はkおよびkによって与えられ、ωは角振動数である。得られた方程式は、
Figure 0004394440
であり、複素波数
Figure 0004394440
Figure 0004394440
で置換して表現される。原点から正面の距離zにおける平面のフィールドを新しい平面zに伝搬させるために、式(20)の発展した(advanced)解が用いられる。
Figure 0004394440
従って、波動ベクトル空間では、平面zに記録されたフィールドは、方程式(22)の右辺で与えられる単純な伝達関数によって、任意の他の平面zにおけるフィールドに関連する。zにおける圧力フィールドは、方程式の逆フーリエ変換を取ることによって取得され得る。
波動ベクトル空間の伝播は、フィールドの空間フーリエ変換が所与の平面で計算された後に、方程式(22)を用いて実行され得る。フィールドzのこの平面の断面は、平面で、かつ伝播軸に垂直であるように選択される。フィールドは、任意で新規の平面zに投影され得る。アレイ14は、小さな領域に区切られる。この小さな領域は、以下に説明するように、ガウス空間でより容易に生み出す様態で、頭蓋骨28を通ってそれぞれ伝播される。コントローラ20は、アレイのトランスデューサ要素(例えば、280mm)に等しいセグメントにアレイ14を分割する。これはこの場合である必要ないが、例えば、大きな要素は、数個のより小さな要素にセグメント化されてもよい。
コントローラ20は、頭蓋骨の外部表面の真上に位置する平面上の各セグメントに起因する、水中の音響圧力を計算する。後方投影アプローチを用いて、コントローラ20は、水中のトランスデューサの幾何学的な焦点における各トランスデューサ素子のフィールドを最初に計算する。焦点におけるフィールドは、トランスデューサ16の幾何学的中心に垂直な20mm×20mmの平面面積でレイリー−ソマーフェルド(Rayleigh−Somerfeld)積分
Figure 0004394440
を用いて計算される。水中の音速c=1488m/sおよび密度ρ=1000kg/mが、正規化表面変移速度
Figure 0004394440
と共に用いられる。コントローラ20は、好ましくは、特定のトランスデューサに対して一度だけこのフィールドを計算し、このフィールドを繰り返して用いる。あるいは、アレイの不完全度の効果は、アレイ14の各要素16に対するこの面積におけるフィールドの物理的計測値とともに式(23)を置き換えることによって加えられ得る。
n番目の素子に起因するフィールドは、平面フィールド
Figure 0004394440
を与えるコントローラ20によってフーリエ変換される。この平面フィールドは、新規の投影平面z’定義する波動ベクトル周波数領域において回転される。図6を参照する。空間フーリエ変換法(角度スペクトル法と呼ばれることもある)は、フィールドの角度分解として観察され得る。つまり、各点は、周波数ωの平面波を表現している。この平面波は、x−z平面ではz軸からの
Figure 0004394440
に等しい角度で、y−z平面では
Figure 0004394440
に等しい角度で、計測平面を通過する。波の振幅は、
Figure 0004394440
の係数の等しい。図6は、2次元の場合のこのコンセプトを示す。3次元では、伝播角度は、ポーラー角θおよび方位角φで展開され得る。
Figure 0004394440
過渡信号では、それぞれの一時的な周波数は、固有の角度スペクトルを有し、二つの空間周波数次元および一つの一時的周波数次元からなる3次元空間を形成する。テスト信号は、調和しており(harmonic)、二次元で表現され得る。
波動ベクトル平面をコントローラ20に対する角度分解として見ると、受動的な座標回転を行い得る。新しい投影軸z’に沿って平面を正しい方向に向けると、波動ベクトル空間の各点
Figure 0004394440
は、
Figure 0004394440
のように回転平面にマッピングされる。ここで、α ROTは、x−z平面の回転角であり、α ROTは、y−z平面の回転角度である。これらの角度は、式(24)を用いて、素子のポーラー位置と方位位置とを交換することによって得られ得る。任意の新しい平面z’に対する新しい軸に沿った投影は、式(22)を用いて達成される。このマッピングの後に実行される逆フーリエ変換は、(θROT,φROT)だけ回転した平面に圧力フィールドを提供する。ここで、空間ポーラー角度は、式(24)によってα ROTおよびα ROTに関連する。頭蓋骨を通過する伝播は、z’の回転平面を、頭蓋骨の外部表面に直上の平面z’に投影することによって開始する。
物理的なアレイ14では、素子16の正確な方向(φ,θ)は既知ではなく推測であり、推測アプローチがそれらの位置を出す。コントローラ20は、圧力フィールドのフーリエ変換から直接角度を得る。
Figure 0004394440
の最大振幅に関連する角度を伝播軸として取る。
波動ベクトル空間の層状媒体を通る伝播は、層が空間の各点をいかに歪ませるかを正確に決定することによって達成され得る。一連の平面層に入射する任意のフィールドに対して、z平面における各波動ベクトル成分は、波動ベクトル
Figure 0004394440
に関連する。ここで、添字(x,y)は、k空間の成分の位置を示す。所与の波動ベクトルと、n番目の層の外部空間に垂直な波動ベクトルとの間の入射角度は、
Figure 0004394440
および、伝送角度
Figure 0004394440
によって与えられる。音速cおよび密度ρの層に対して、その層の最も低いインタフェースにおける圧力伝達係数は、
Figure 0004394440
によって与えられる。ここで、入射角度γおよび伝送角度γは、周波数の関数として理解される。この問題が一連の平面波に分解されるので、外部表面から次の層までのフィールドフィールドの伝送は、光線法(ray method)を用いることによってか、インタフェースの圧力、および速度の垂直成分の連続性を適用することによって取り扱われてもよい。光線法は以下で詳細に説明される。この方法は、非平行層を通る伝播の一般的な場合にたどりつく。この一次伝播では、層内で複数の反射が無視される。しかし、より高次の伝播を容易に追加することができる。
層が平行であるかどうかにかかわらず、伝達関数は、閉じた形式で容易に書かれ得る。z軸の厚さz、音速cおよび各層の密度ρに加えて、層の表面に垂直な単位ベクトル
Figure 0004394440
が計算される。所与の初期波動ベクトル
Figure 0004394440
に対して、任意の二つの表面のインタフェース間の(0,0,z)からの光線経路は、距離
Figure 0004394440
を横切る。
ここで、図7に示されるように、
Figure 0004394440
は、z軸から光線が層に遮られるまで層に沿って伸びるベクトルである。波動ベクトルの経路に沿った単位ベクトルは、
Figure 0004394440
によって与えられる。さらに、波動ベクトルの方向に依存する周波数が理解される。光線位置ベクトルは、
Figure 0004394440
ということになる。初期波動ベクトルの方向は、
Figure 0004394440
で既知であるが、最初および次の層における波動ベクトルの方向は、
Figure 0004394440
の関係を用いて計算される。この関係は、3次元空間におけるスネルの法則の結果である。この空間では、入射波動ベクトル、伝送波動ベクトルおよび垂直ベクトルは、全て同じ平面内にある。式(28)の右辺の伝送波動ベクトルは、方程式の両辺に
Figure 0004394440
の外積を取ることによって得られ得る。外積の関係を用いると、
Figure 0004394440
と示され得る。n番目の層の入射単位波動ベクトルは、(n−1)番目の層の伝送波に等しい。図7に示される0番目の層の例外を除くと、式(27)を計算するために、
Figure 0004394440
も求められる。各層のz軸に沿った厚さが与えられると、N+1層の表面における光線
Figure 0004394440
の交点は、
Figure 0004394440
である。
N層の組において、N番目の平面
Figure 0004394440
に到達する光線の位相は、式(27)で与えられた各経路長に対する位相の寄与分の合計である。平面zにおける空間位相は、図7に示されるように、
Figure 0004394440
Nにおける光線位相に関連する。ポーラー角度γ0xy(ω)で初期平面を離れる光線は、N−1の単位ベクトル
Figure 0004394440
によって決定された新しい方向γNxy(ω)で平面zに到達する。平面zにおける空間位相は、
Figure 0004394440
による平面zの空間位相に関連する。ここで、初期平面における
Figure 0004394440
の位相を
Figure 0004394440
としている。
zの平面における圧力は、式(31)に示された光線の位相、および式(26)の伝達係数を
Figure 0004394440
に置き換えて展開され得る。ここで、式(32)の左辺のかぎ括弧の項は、k空間を新しいk空間にマッピングするオペレータとしてみることができる。実際、このマッピングは、内挿を用いて、zにおける線形空間マトリクスを作る。
(非線形表面)
層状投影法は、表面が最高の相対波数に関して十分滑らかである場合、曲面を通るフィールドの伝播に用いられ得る。このフィールドは、表面近くの平面に投影され、一連の仮想ソースに分解される。所与のソースによって貫通された表面の領域は、平面に近似される。ソースビーム幅の実際の表面は、最大周波数kmaxの少なくとも1/4.内で好ましくはこの近似に一致する。同時に、ソースの直径Sは、ソースのより小さな周波数成分がレイリー距離と比べて近いフィールドにあるように、好ましくは十分大きい。ここで、レイリー距離は、
Figure 0004394440
である。kminは、信号の少なくとも適切な周波数であり、zは、出発平面から表面までの距離である。平面フィールドが連続的な一連のソースに固有に分割されるが、ソースのフィールドは、表面に重なる。
複数の層を通って伝播するときに、各表面は、上記のようにセグメント化される。高伝送角度を有する成分が該当の表面を離れることが可能である。
従って、頭蓋骨28の多層は、各層を通る伝送角度を決定して、層を通る伝播の長さを決定するためにこの角度、層の厚さおよび方向(次の層の方向)を用いて、そして、(以下に記載されるように)各層を通る伝播の長さに基づいて各層を通る位相および減衰を決定するために密度を適用することによって考慮され得る。
(イメージおよびアレイ記録)
アレイ14、および頭蓋骨28のイメージを記録するために標準の技術が用いられ得る。アレイ14およびイメージを記録することは、超音波の適切な焦点が達成されることを保証する助けとなる。適切な記録は、頭蓋骨28の適切な部分が正確な厚さ、密度、方向(例えば、入射角度)、およびアレイ14と頭蓋骨28内の所望の焦点との間の頭蓋骨28の層の位置を生み出すために解析されていることを保証する助けとなる。正確な計測を伴って、コントローラ20は、増幅器24および位相シフタ26に対する正確な位相および振幅補正を決定して、アレイ14からの超音波を頭蓋骨28内の所望の位置で焦点を合わせることができる。アレイ14および頭蓋骨のイメージを記録するための標準的な技術は、アレイ14および頭蓋骨28に取り付けられて、CTおよびMRイメージが識別できる基準のマーカーを有する基準フレームを用いることを含む。この基準マーカーは、CTおよびMRイメージ(CTイメージは骨の特性をもたらすが、MRイメージは、より柔らかい組織に起因する治療の間に用いられ得る)を回転させて、イメージを記録するために用いられ得る。あるいは、CTおよびMRイメージのいずれか、または両方は、それらが適合するまで回転され得る。頭蓋骨28に対するアレイの方向が決定され得るような記録をもたらす他の技術も受け入れられる。
(頭蓋骨の音速)
0.51MHzのトランスデューサを用いる、10個の頭蓋骨によって行われた1000回の計測の解析に基づいて、頭蓋骨の密度関数としての音速の線形フィッティングが得られた。式(22)を用いてえら得られた第一次(線形)フィッティングは、1.82×10kg/mと2.45×10kg/mとの間の厚さ平均密度の範囲において、MKS単位系の方程式
Figure 0004394440
をもたらす。CTイメージを解析することによって得られた密度計測値は、式(33)に入力されて、焦点合わせアルゴリズムにおける効果的な頭蓋骨音速値を提供する。式(33)は、例示であって、制限していない。式(33)は、実験データに基づくため、得たデータに依存している。さらに、他の線形データフィッティングを含む、音速と密度との他の関係が可能であり、受け入れられる。また、頭蓋骨密度の関数として、音速の他のフィッティング(例えば、非線形フィッティング)が用いられ得る。
(頭蓋骨の減衰)
実験データは、超音波減衰と頭蓋骨の密度との間の関係を決定するために用いられ得、用いられてきた。周波数が増加するにつれて減衰が増え、概して、密度が増加するにつれて減衰が非線形に減少することが見られた。さらに、減衰と密度との関係は、最小であり、密度が約2000kg/mを超えて増加するときに減衰が若干増加する。
(焦点合わせアルゴリズム)
頭蓋骨28を通る焦点を作るために、頭蓋骨28を通る伝播後に、各素子16の意図する焦点において、コントローラ20を用いて音響圧力が計算される。コントローラ20は、少なくとも2つの異なるシナリオの下にその計算を実行し得る。第1の場合(ケース1)、コントローラ20は、入射角度を無視し、超音波が頭蓋骨28に垂直に入射すると仮定する。第2の場合(ケース2)、コントローラ20は、モデルにおける入射を含む、頭蓋骨の表面において式(26)から決定された入射角度γを用いる。圧力位相は、頭蓋骨28が存在しない場合に期待される位相と比較される。頭蓋骨28によって引き起こされた位相の変化は、記録されて、トランスデューサアレイ14の駆動位相を補正するために用いられる。各素子16の駆動位相は、
Figure 0004394440
の量だけ調節される。ここで、Pは、頭蓋骨28の点における圧力音響圧力であり、Pは、頭蓋骨28が存在しない場合の同じ点において期待された音響圧力である。同様に、大きな素子16は、伝播の際にM個のセクションに分割され得る。このとき、駆動位相は
Figure 0004394440
に調節される。
スペクトル波動ベクトルアルゴリズムを実施するシステム10の動作は、図3で示されるプロセスに同様に進む。イメージャ12は、頭蓋骨28のCTイメージを取る。このイメージから、コントローラ20は、位置、方向、厚さ、およびアレイ素子16と頭蓋骨28内部の所望の焦点との間にある層の一部の密度を決定する。コントローラ20は、頭蓋骨28が1つの層であってもよいし、異なる頭蓋骨の層を考慮してもよい。決定された頭蓋骨データから、コントローラ20は、素子16から頭蓋骨28を通って焦点へと超音波が進んだ長さを決定する。コントローラ20は、入射角度を考慮するか、平面伝播を仮定することによって、位相および振幅の関係を密度に応用する。従って、コントローラ20は、(例えば、伝播速度用の式(33)、および実験で導かれた減衰の関係を用いて)頭蓋骨28を通る伝播速度および減衰を決定し、これらのデータ、頭蓋骨28を通って進む長さから、各アレイ素子16に対する位相および振幅増分を決定する。これらの増分によって、コントローラ20は、位相および振幅補正因子を決定して、位相シフタ26および増幅器24によって適用され、超音波が頭蓋骨28内部の所望の位置に焦点を合わせられる。
(実験データ)
全体の投影アルゴリズムは、NTネットワークを介する一連のPentium(R)およびAMDベースのコンピュータにおいて、Matlabを用いて実施された。256MBのRAMを有する1GHzマシーンを用いて、320個の素子16の頭蓋骨28内に焦点を作り出す通常の処理時間は、約5時間であった。
この焦点合わせ法は、10個のホルマリンに浸された生体外の人間の頭蓋骨でテストされた。ホルマリンに浸された頭蓋骨の音響特性は、新鮮な頭蓋骨に類似していると仮定される。頭蓋骨のCTイメージが得られて、焦点合わせアルゴリズムで用いられた。頭蓋骨を一様として取り扱うと、式(31)でN=3である。波動ベクトル法が駆動信号の大きさと位相との両方を補正することができるが、位相補正のみが考慮された。トランスデューサアレイは、30cmの直径であり、500個の個々の素子に分割された0.74MHzの半球である。アレイのより低い320個の素子のみが計測値として用いられて、頭蓋骨がより広い範囲を動くことを可能とした。基準フレームが頭蓋骨に取り付けられて、アレイおよび頭蓋骨の記録を支援した。ハイドロフォンが頭蓋骨の内部に設置されて、アレイから頭蓋骨内部への超音波を計測した。
10個の頭蓋骨に対して、位相補正のないピーク信号は、意図した焦点位置から平均距離1.1mmの場所において起こり、0.45mm〜2.5mmの範囲で、0.64mmの標準偏差(STD)を有する値であった。調査された10個のうち7個の場合、主な焦点は、二つ以上の焦点に分散された。従って、ピーク信号は、最大の(より大きな)焦点の信号としている。フェージングアルゴリズムが用いられたとき、入射角度が考慮されていたかどうかにかかわらず、信号焦点が常に作り出された。フェージングアルゴリズムが入射角度の補正なしに適用されたときに、ピークからの平均距離は、0.59mmまで減少された。これは、0.22mm〜1.1mmの範囲で、0.26mmのSTDを有する値である。アルゴリズムに含まれた入射角度によって、平均距離は、さらに、0.48mmまで減少された。これは、0.20mm〜0.82mmの距離の範囲で、0.22mmのSTDを有する値である。
ピーク電圧応答二乗計測も、フェージングアルゴリズムによって改善するように観察された。フェージングが無い場合、平均ピークは、非侵襲性ハイドロフォンフェージング技術によって観察された値の34%であることが見られた。これは、サンプルに対して14%〜58%のばらつきがある。より小さな振幅は、多数の焦点にフィールドを分散させた頭蓋骨に対応する。フェージングアルゴリズムは、入射角の補正なしで、平均して、22%〜58%の間の範囲にあるハイドロフォンフェージングされた信号の46%まで、ピーク値を改善した。入射角度が含まれたとき、平均値は、45%であり、29%〜59%の範囲であった。二つのモデルの間にあるピーク値は、平均して類似している。しかし、入射角度が含まれたとき、ばらつきは減少した。
両方のモデルは、ピーク振幅と2番目に大きなローブ(lobe)との間にある比を著しく改善した。全ての第2のローブを考慮したことを保証するために、調和の取れた投影技術を用いて512mmの体積内を検索することによって、値が得られた。位相補正が無い場合、第2のピーク振幅は、平均して第1ピークの63%となった。補正アルゴリズムを用いると、第2のピークは、角度補正が無い場合、平均して29%であり、角度補正がある場合、平均して32%であった。
さらなる実施形態は、添付の特許請求の範囲の意図および範囲内である。
図1は、本発明による超音波療法システムの模式図である。 図2は、患者の頭蓋の一部分の3次元描画である。 図3は、所定の係数を用いて、励起補正係数を決定し、かつ、変換素子を励起するプロセスのフローチャートである。 図4は、本発明による、別の超音波療法システムの模式図である。 図5は、図4に示されるシステムを用いて、位相シフト係数を取得するプロセスのフローチャートである。 図6は、新しい投影面を規定する、波動ベクトル周波数ドメインにおける平面フィールド回転を示す模式図である。 図7は、種々の密度の物質の非平行の層を通る超音波伝播の模式的光線図である。

Claims (12)

  1. 超音波信号を送達するシステムであって、
    該システムは、
    超音波信号を受信することが意図される被験者の少なくとも一部分であって、該超音波信号のソースと、該被験者の集束超音波信号を受信するための所望の領域との間の少なくとも一部分の画像を解析するように構成された装置であって、スペクトル伝播解析を利用し、該被検者の少なくとも一部分に関する情報を該画像から決定するように構成され、該情報を利用して該集束超音波信号の予測伝播経路を計算し、該集束超音波信号の該計算された予測伝播経路を利用して、超音波信号を該被験者の少なくとも一部分に集束するための位相および振幅を決定するように構成される装置と、
    超音波信号のソースのアレイであって、該超音波信号は、該装置によって提供された該決定された位相および振幅ならびに該被検者の少なくとも一部分に関する情報に従った、それぞれの相対位相および振幅のセットのうちの少なくとも一つを有する、アレイと
    を備える、システム。
  2. 前記装置は、前記被検者の前記一部分の複数の層の物理特性を識別する手段を備え、該物理特性は、密度および厚さを含む、請求項に記載のシステム。
  3. 前記物理特性は、それぞれのソースに対する前記層の入射角をさらに含み、前記装置は、前記被検者の前記一部分を考慮する、前記ソースから前記所望の領域への信号の投影位相と、該被検者の該一部分を無視する、該ソースから該所望の領域への信号の投影位相とを比較する手段をさらに備える、請求項に記載のシステム。
  4. 前記装置は、波動ベクトル周波数ドメイン投影アルゴリズムを実行する手段を備える、請求項に記載のシステム。
  5. プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な格納媒体であって、
    該プログラムは、コンピュータに、
    複数の超音波信号を受信する被験者の少なくとも一部分であって、該複数の超音波信号の複数のソースと、該被験者の集束超音波信号を受信するための所望の領域との間の少なくとも一部分の画像を解析して、該ソースと該所望の領域との間の物質のそれぞれの部分の物理特性を該画像から識別することと、
    波動ベクトル周波数ドメイン投影アルゴリズムを利用し、各ソースと該所望の領域との間に位置する該物質の一部分のそれぞれの物理特性に応じて、該ソースの位相補正および振幅補正のうちの少なくとも一つを決定することであって、該波動ベクトル周波数ドメイン投影アルゴリズムは、該ソースと該所望の領域との間の物質のそれぞれの部分の物理特性を利用して予測伝播経路を計算し、該計算された予測伝播経路を利用して、超音波信号を該ソースと該所望の領域との間の物質のそれぞれの部分に集束するための位相および振幅を決定し、該決定された位相および振幅は、該ソースの位相補正および振幅補正のうちの少なくとも一つのために利用される、こと
    を実行させる、コンピュータ読み取り可能な格納媒体。
  6. 前記物理特性は、密度および厚さを含む、請求項に記載のコンピュータ読み取り可能な格納媒体。
  7. 前記プログラムは、前記物質の前記一部分の異なる層の前記物理特性を前記コンピュータに識別させる、請求項に記載のコンピュータ読み取り可能な格納媒体。
  8. 前記物理特性は、前記ソースに対する層の界面の角度を含む、請求項に記載のコンピュータ読み取り可能な格納媒体。
  9. 前記プログラムは、前記物質の一部分を考慮する、前記ソースから前記所望の領域への投影位相と、該物質の一部分を無視する、該ソースから該所望の領域への投影位相とを前記コンピュータに比較させる、請求項に記載のコンピュータ読み取り可能な格納媒体。
  10. 超音波の垂直入射を想定して、前記物質の一部分を考慮する前記投影位相を前記コンピュータに決定させるプログラムをさらに含む、請求項に記載のコンピュータ読み取り可能な格納媒体。
  11. 前記物質の一部分の前記層に対する超音波の入射角を決定および利用することによって、該物質の一部分を考慮する前記投影位相を前記コンピュータに決定させるプログラムをさらに含む、請求項に記載のコンピュータ読み取り可能な格納媒体。
  12. 前記コンピュータに入射角を決定させるプログラムは、該コンピュータに前記物質の一部分の層ごとに入射角を決定させる、請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な格納媒体。
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