JP4270835B2 - Non-aqueous electrolyte battery - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池温度上昇時の安全性の向上を目的とする非水電解質電池の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されている。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
【0003】
このような非水電解質電池は、通常、リチウム含有遷移金属複合酸化物からなる正極と、黒鉛等の炭素材料からなる負極と、有機化合物からなる非水溶媒にリチウム塩を溶解した非水電解質とが用いられている。このような電池では、リチウムが金属状態で存在せず、充・放電に伴って、リチウムイオンが正・負極間を移動するのみであるため、樹枝状(デンドライト状)リチウムに起因する内部短絡が生じない。従って、安全性に優れる。
【0004】
しかし、上述した非水電解質電池は、熱源の近くでの使用や過充電等の不適正な使用をした場合には、電池温度が急激に上昇し、発煙、燃焼に至るという危険性がある。このため、セパレータにポリオレフィン製の微多孔膜を用い、樹脂の融点まで電池が上昇すると樹脂が溶融して微多孔をふさぐことにより(シャットダウン)、リチウムイオンの移動を遮断する方法が用いられている。
【0005】
しかしながら、上記の技術では、電池温度の上昇速度が速い場合においては、セパレータがシャットダウンする前に電池温度が急激に上昇するため、ガスの発生や、発煙、燃焼に至る危険性があった。このため、安全性を一層高めるために、電池にガス排出弁や電流遮断機構、PTC素子等を組み込むことが行われている。しかし、これらの部材の付加は電池の構造を複雑化するとともに、コストの上昇を招く。
【0006】
他方、電池構造の複雑化や大幅なコスト上昇を招くことなく、電池の安全性を高める技術としては、電池の動作電圧以上の電圧で重合する化合物を非水電解質に添加する技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、電池の100℃以上の温度で重合する化合物を非水電解質に添加する技術がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特許第3061756号明細書(第4頁〜第5頁)
【特許文献2】
特開平7−78635号公報(第2頁〜第4頁)
【0008】
しかし、特許文献1の技術で使用される化合物は、過充電等の電圧異常時にしか重合しないため、異常加熱時の安全性が十分ではなく、また、特許文献2の技術で使用される化合物は、通常の充放電においてもその一部が重合するため、サイクル特性が悪いという課題を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の事情に鑑みなされたものであって、電池が異常加熱された場合においてのみ機能する特殊な添加剤を用いることにより、通常使用時に電池に悪影響を与えることなく、非水電解質電池の安全性を格段に高めることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、正極と、負極と、非水溶媒と電解質塩とを含む非水電解質と、を有する非水電解質電池において、前記非水電解質は、それ自体は重合性を有さず、60℃以下では実質的に解離せず、80℃〜125℃で酸及びビニルエーテル誘導体に解離するヘミアセタールエステル誘導体を含み、前記非水溶媒と前記電解質塩とを合計した質量を100とするとき、前記ヘミアセタールエステル誘導体の含有量が、0.2〜15質量部であることを特徴とする。
【0011】
上記構成によると、図5に示すようにヘミアセタール誘導体が80℃〜125℃において酸及びビニルエーテル誘導体に解離し、解離後の化合物であるビニルエーテル誘導体が重合性を有するため、異常加熱時においては、このビニルエーテル誘導体が酸の存在下で速やかに重合して内部抵抗を増大させ、電流を遮断する。その一方、60℃以下の温度での通常の充放電条件においてはヘミアセタールエステル誘導体が解離しないため、重合反応を引き起こすことがない。従って、添加剤の添加に起因するサイクル特性の低下が起こらない。
【0012】
「それ自体は重合性を有さない」とは、解離前の状態では重合しないことを意味する。また、解離とはその化合物が二以上の化合物に分離することをいい、エステルが酸とアルコールに分かれるときのように水等の他の化合物を必要とする分解とは異なる。
【0013】
ヘミアセタールエステル誘導体の解離温度は下記のようにして測定した温度である。即ち、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比3:7で混合した混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットルとなるように溶解した電解液100質量部に、ヘミアセタールエステル誘導体3質量部を添加する。他方、コバルト酸リチウムからなる正極と、黒鉛から なる負極とを、ポリブチレンテレフタレート製の不織布(厚み0.050mm)からなるセパレータを介して巻回し、ラミネート外装体に収納した後、上記で作製したヘミアセタールエステル誘導体入りの電解液を十分に注液し、開口部を封止して試験電池となす。この試験電池を5℃/minの昇温速度で160℃まで加熱し、1kHzで交流内部電圧を測定し、測定した内部抵抗値が25℃での内部抵抗値R25の1000倍以上となった温度を、解離温度とする。
ここで、60℃以下で実質的に解離しないとは、25℃での内部抵抗値R25と、60℃での内部抵抗値R60との比R60/R25の値が1.1以下であると定義する。
【0014】
上記構成では、解離後の化合物がビニルエーテル誘導体を含んでおり、ビニル基に隣接する酸素原子が化合物の活性を高めるため、解離後速やかに重合反応が進行する。
【0016】
また、上記構成において、前記ヘミアセタールエステル誘導体の含有量が、非水溶媒と、電解質塩とを合計した質量を100とするとき、0.2〜15質量部であることが好ましい。前記ヘミアセタールエステル誘導体の含有量が、非水溶媒と、電解質塩とを合計した質量を100とするとき、0.2質量部未満であると重合生成物の量が少ないため十分な効果が得られず、15質量部より多いと、ヘミアセタールエステル誘導体により電池の内部抵抗が増加し、サイクル特性が低下するからである。
【0017】
また、前記電解質塩はLiPF6、LiBF4、LiAsF6等のフッ化水素(HF)を遊離しやすい塩を含むことが好ましい。電解液中に遊離したフッ化水素がビニルエーテル誘導体の重合反応を促進するからである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は下記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0019】
図1は本発明の実施の形態に係るラミネート外装体を用いた非水電解質電池の正面図、図2は図1のA−A線矢視断面図、図3は非水電解質電池に用いるラミネート外装体の断面図、図4は非水電解質電池に用いる電極体の斜視図である。
【0020】
図2に示すように、本発明の非水電解質電池は電極体1を有しており、この電極体1は収納空間2内に配置されている。この収納空間2は、図1に示すように、ラミネート外装体3の上下端と中央部とをそれぞれ封止部4a・4b・4cで封口することにより形成される。また、収納空間2には、非水溶媒に電解質塩を溶解した電解液が注入されている。また、図4に示すように、上記電極体1は、正極5と、負極6と、これら両電極を離間するセパレータ(図4においては図示せず)とを偏平渦巻き状に巻回することにより作製される。
【0021】
更に、上記正極5はアルミニウムから成る正極リード7に、また上記負極6は銅から成る負極リード8にそれぞれ接続され、電池内部で生じた化学エネルギーが電気エネルギーとして外部へ取り出し得るようになっている。
【0022】
尚、図3に示すように、上記ラミネート外装体3の具体的な構造は、アルミニウム層11(厚み:30μm)の両面に、各々、変性ポリプロピレンから成る接着剤層12・12(厚み:5μm)を介してポリプロピレンから成る樹脂層13・13(厚み:30μm)が接着された構造である。
【0023】
前記非水電解質は、それ自体は重合性を有さず、60℃以下では実質的に解離せず、80℃〜125℃で酸及びビニルエーテル誘導体に解離するヘミアセタールエステル誘導体が添加されている。
【0024】
【実施例】
実施例1−1〜1−6、比較例1−1〜1−3に係る電池を作製した。そしてこれらの電池を用いて、添加剤の種類及び溶媒種と、充放電効率、温度上昇に伴う内部抵抗値との関係を明らかにした。
【0025】
(実施例1−1)
〈正極の作製〉
コバルト酸リチウム(LiCoO2)からなる正極活物質(BET=0.6m2/g)92質量部と、アセチレンブラックからなる導電剤5質量部と、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)からなる結着剤3質量部と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合し、活物質スラリーとした。
【0026】
この活物質スラリーを、ドクターブレードにより厚み20μmのアルミニウム箔からなる正極芯体の両面に均一に塗布した後、加熱した乾燥機中を通過させて乾燥することにより、スラリー作製時に必要であった有機溶媒を除去した。次いで、この極板を厚みが0.17mmになるようにロールプレス機により圧延して正極を作製した。
【0027】
〈負極の作製〉
黒鉛からなる負極活物質と、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)からなる結着剤と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合し、活物質スラリーとした。この活物質スラリーを、ドクターブレードにより負極芯体としての銅箔(厚み20μm)の両面に均一に塗布した後、乾燥機中を通過させて乾燥することにより、スラリー作製時に必要であった有機溶媒を除去した。次いで、この極板を厚みが0.14mmになるようにロールプレス機により圧延して負極を作製した。
【0028】
〈非水電解質の調製〉
エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを体積比3:7で混合した混合溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1M(モル/リットル)になるよう溶解させ、電解液を作製した。この電解液100質量部に下記化1で表される化合物1を3質量部添加し、非水電解質とした。
【0029】
【化1】
【0030】
〈電極体の作成〉
上記のように作成した正極と負極に、それぞれ正極リード7あるいは負極リード8を取り付けた後、両極を160℃では溶融しないポリブチレンテレフタレート(PBT)製の不織布(厚み:0.050mm)からなるセパレータを間にし、かつ各極板の幅方向の中心線を一致させて重ね合わせた。この後、巻き取り機により巻回し、最外周をテープ止めすることにより偏平渦巻状電極体1を作成した。
【0031】
樹脂層(ポリプロピレン)/接着剤層/アルミニウム合金層/接着剤層/樹脂層(ポリプロピレン)の5層構造から成るシート状のラミネート材を用意した後、このアルミラミネート材における端部近傍同士の樹脂層を重ね合わせ、重ね合わせ部を溶着して封止部4cを形成した。次に、この筒状アルミラミネート材の収納空間2内に電極体1を挿入した。この際、筒状アルミラミネート材の一方の開口部から両リード7,8が突出するように電極体1を配置した。この後、両電極タブが突出している開口部のアルミラミネート材の内側の樹脂層を溶着して封止し、封止部4aを形成した。この際、溶着は高周波誘導溶着装置を用いて行った。
【0032】
もう一方の開口部から上記非水電解質を3.0g注液した後、当該開口部を同様に加熱溶着して封止部4bを形成し、実施例1−1に係る非水電解質電池A1を作製した。
【0033】
(実施例1−2)
化合物1にかえて、下記化2で示される化合物2を添加したこと以外は、上記実施例1−1と同様にして、実施例1−2に係る本発明電池A2を作製した。
【0034】
【化2】
【0035】
(実施例1−3)
化合物1にかえて、下記化3で示される化合物3を添加したこと以外は、上記実施例1−1と同様にして、実施例1−3に係る本発明電池A3を作製した。
【0036】
【化3】
【0037】
(実施例1−4)
化合物1にかえて、下記化4で示される化合物4を添加したこと以外は、上記実施例1−1と同様にして、実施例1−4に係る本発明電池A4を作製した。
【0038】
【化4】
【0039】
(実施例1−5)
化合物1にかえて、下記化5で示される化合物5を添加したこと以外は、上記実施例1−1と同様にして、実施例1−5に係る本発明電池A5を作製した。
【0040】
【化5】
【0041】
(実施例1−6)
ジエチルカーボネート(DEC)にかえて、γ−ブチロラクトン(GBL)を用い、LiPF6にかえてLiBF4を用いたこと以外は、上記実施例1−2と同様にして、実施例1−6に係る本発明電池A6を作製した。
【0042】
(比較例1−1)
添加剤を何も添加しなかったこと以外は、上記実施例1−1と同様にして、比較例1−1に係る比較電池X1を作製した。
【0043】
(比較例1−2)
添加剤を何も添加しなかったこと以外は、上記実施例1−6と同様にして、比較例1−2に係る比較電池X2を作製した。
【0044】
(比較例1−3)
セパレータにポリエチレン製微多孔膜を用いたこと以外は、上記比較例1−1と同様にして、比較例1−3に係る比較電池X3を作製した。
【0045】
(電池特性試験)
上記のように作製した本発明電池A1〜A6、比較電池X1〜X3について、下記に示す条件で初期特性試験、加熱試験を行った。
【0046】
(初期特性試験)
定電流0.25It(125mA)で4.2Vまで充電後、0.25It(125mA)で2.75Vまで放電し、初期効率を、初期放電容量/初期充電容量から求めた。
【0047】
(加熱試験)
放電状態の電池を、交流内部抵抗(1kHz)を測定しながら5℃/minの昇温速度で160℃まで加熱し、内部抵抗値が上昇し始める温度を内部抵抗増加開始温度として記録した。
【0048】
添加剤の種類、溶媒種と、初期効率、加熱前後の内部抵抗値、内部抵抗増加開始温度との関係を下記表1に示す。また、化合物1〜5の解離後の化合物を下記表2に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
ポリエチレン(PE)製のセパレータを用いた電池X3の内部抵抗増加開始温度は138℃であり、加熱試験後の内部抵抗値は119Ωであった。尚、前記138℃は、ポリエチレンの融点とほぼ等しいことから、電池X3における内部抵抗の増加はポリエチレンの溶融により微多孔がふさがり、電流を遮断したことによると考えられる。これに対し、ポリブチレンテレフタレート(PBT)製のセパレータを用い、ヘミアセタールエステル誘導体を添加した電池A1〜A6は、内部抵抗値増加開始温度は85〜121℃の範囲であり、前記X3と比較し大幅に低い温度であった。また、電池の内部抵抗については、初期内部抵抗が32〜41mΩであったものが、加熱試験後には内部抵抗が161〜511Ωと顕著に増加していた。他方、初期効率、初期内部抵抗値については、添加剤を加えた電池A1〜A6と、添加剤を加えていない電池X1〜X3との間にほとんど差がなかった。これらの結果から、ヘミアセタールエステル誘導体を添加することにより、電池の通常使用温度(60℃以下)においては内部抵抗をほとんど増大させず、従来より用いられているポリエチレン製セパレータのシャットダウン温度(比較電池X3の内部抵抗増加開始温度)よりも低い温度で電流を遮断できる。
【0052】
このことは、85〜121℃の範囲において、添加剤が図5に示すように解離してビニルエーテル誘導体を生じ、このビニルエーテル誘導体が、例えば図6に示すように重合して内部抵抗を増大させる重合物を生成した結果であると考えられる。
【0053】
また、セパレータにポリブチレンテレフタレート(PBT)を用い、添加剤を加えていない電池X1、X2においても、加熱試験後の内部抵抗が5〜12Ωと少し増大していたが、このことは加熱により電解液が変質し、リチウムイオンの導電性が低下したためと考えられる。
【0054】
また、電池A2、A6は添加剤の種類が同一の化合物(化合物2)であるが、LiPF6を用いた電池A2よりも、LiBF4を用いた電池A6の方が加熱後の内部抵抗値が小さくなっていた。このことは、LiPF6のほうがLiBF4よりもフッ化水素(HF)の遊離する量が多いため、重合が速やかに進行したことによると考えられる。尚、比較電池X1とX2においても同様の傾向が見られたが、このことは電解液の組成が異なるため、加熱による電解液の変質の程度が異なったためと考えられる。
【0055】
次に、実施例1−2、1−4、2−2〜2−9、参考例2−1、2−10、2−11、比較例1−1に係る電池を作製した。そしてこれらの電池を用いて、添加剤の種類及び溶媒種と、充放電効率、温度上昇に伴う内部抵抗値との関係を明らかにする。
【0056】
(参考例2−1)
添加剤の添加量を0.1質量部としたこと以外は、実施例1−2と同様にして参考例2−1に係る参考電池B1を作製した。
【0057】
(実施例2−2)
添加剤の添加量を0.2質量部としたこと以外は、実施例1−2と同様にして実施例2−2に係る本発明電池B2を作製した。
【0058】
(実施例2−3)
添加剤の添加量を0.2質量部としたこと以外は、実施例1−4と同様にして実施例2−3に係る本発明電池B3を作製した。
【0059】
(実施例2−4)
添加剤の添加量を1.0質量部としたこと以外は、実施例1−2と同様にして実施例2−4に係る本発明電池B4を作製した。
【0060】
(実施例2−5)
添加剤の添加量を1.5質量部としたこと以外は、実施例1−2と同様にして実施例2−5に係る本発明電池B5を作製した。
【0061】
(実施例2−6)
添加剤の添加量を5.0質量部としたこと以外は、実施例1−2と同様にして実施例2−6に係る本発明電池B6を作製した。
【0062】
(実施例2−7)
添加剤の添加量を10.0質量部としたこと以外は、実施例1−2と同様にして実施例2−7に係る本発明電池B7を作製した。
【0063】
(実施例2−8)
添加剤の添加量を15.0質量部としたこと以外は、実施例1−2と同様にして実施例2−8に係る本発明電池B8を作製した。
【0064】
(実施例2−9)
添加剤の添加量を15.0質量部としたこと以外は、実施例1−4と同様にして実施例2−9に係る本発明電池B9を作製した。
【0065】
(参考例2−10)
添加剤の添加量を20.0質量部としたこと以外は、実施例1−2と同様にして参考例2−10に係る参考電池B10を作製した。
【0066】
(参考例2−11)
添加剤の添加量を20.0質量部としたこと以外は、実施例1−4と同様にして参考例2−11に係る参考電池B11を作製した。
【0067】
下記表3に、添加剤の種類、添加量と、初期効率、加熱前後の内部抵抗値、内部抵抗増加開始温度との関係を示す。
【0068】
【表3】
【0069】
表3から、添加剤の添加量が0.2質量部未満である電池B1の加熱試験後の内部抵抗値は、添加剤を添加していない電池X1とほぼ同じであり、安全性を向上させる効果がほとんどないことがわかる。この結果は、添加量が少ないため、内部抵抗を上昇させるのに十分な重合体が形成されなかったことによるものと考えられる。
【0070】
また、A2、A4、B1〜B11の結果から、添加剤の添加量が増加するのに伴い、初期内部抵抗が増大することがわかる。特に添加剤の添加量が20質量部の電池B10、B11では、初期内部抵抗が221〜367mΩと高くなっており、初期効率も86.4〜88.2%と低い値となっている。これは、添加剤の添加量が過大であるため、リチウムイオンの導電性が低下したためと考えられる。
【0071】
これに対し、添加剤の添加量が、非水溶媒と電解質塩との合計質量を100としたとき、0.2〜15質量部の電池A1、A2、B2〜B9においては、試験後内部抵抗が56Ω以上と電流遮断に十分な大きさである一方、初期効率が90%以上と十分に高く、初期内部抵抗は90mΩ以下と十分に小さかった。このことから、添加剤の添加量が、非水溶媒と電解質塩との合計質量を100としたとき、0.2〜15質量部とすれば、電池性能に悪影響を及ぼすことなく、異常加熱に対する安全性を高めることができることがわかる。
【0072】
尚、上記実施例ではヘミアセタールエステル誘導体としてカルボン酸エステルを用いたが、これに限定されることはなく、炭酸エステル、スルホン酸エステル等を用いることができる。
【0074】
また、上記実施例ではラミネート電池を作製したが、本発明はこの形状に限定されるものではなく、コイン型、角型、円筒形電池等に種々の形状の電池に利用することができる。また、ポリマー電解質を用いたゲル状非水電解質二次電池にも利用することができる。
【0075】
また、上記実施の形態ではドクターブレードによりスラリーを塗布したが、ダイコーターを用いてもよい。また、活物質スラリーのかわりに活物質ペーストを用い、ローラコーティング法等により塗布することもできる。また、アルミニウム箔のかわりにアルミニウムメッシュを用いても同様に作製することができる。
【0076】
また、正極材料としては、リチウム含有遷移金属複合酸化物から選択される一種の化合物、あるいは二種以上の化合物を混合して用いることができ、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、鉄酸リチウム、またはこれらの酸化物に含まれる遷移金属の一部を他の元素で置換した酸化物等が用いることができる。
【0077】
また、電解質に使用する非水溶媒としては、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、アミド類、スルホン系化合物、エステル類、芳香族炭化水素等から選択される化合物の一種、あるいは二種以上混合して用いることができる。これらの内でも、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類が好ましく、特にカーボネート類がさらに好ましい。これらの具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソール、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、スルホラン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エチルなどがあげられる。
【0078】
また、電解質塩としては、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiCF3SO3、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4等のリチウム塩から選択される化合物の一種単独で、あるいは二種以上混合して使用することができる。特に、フッ化水素(HF)を遊離しやすいことから、LiPF6、LiBF4、LiAsF6が好ましい。また、前記非水溶媒に対する電解質塩の溶解量は0.5〜2.0モル/リットルとすることが好ましい。
【0079】
また、電極界面の被膜安定化、低被膜抵抗化等の目的で、非水電解質に、ビニルエチレンカーボネート誘導体、ビニレンカーボネート誘導体、トリフルオロプロピレンカーボネート、トルエン、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン等から選択される化合物を一種単独で、あるいは二種以上混合して添加するのもよい。
【0080】
【発明の効果】
上記の結果から明らかなように、本発明によると、通常の電池使用においては電池特性に悪影響を与えることのない添加剤を添加するという簡便な手段により、電池が異常発熱した時には速やかに内部抵抗を増大させ、電流を遮断することができる自己完結型の安全機構を実現できる。これにより、安価に安全性に優れた非水電解質電池を提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解質電池の正面図である。
【図2】図1のA−A線矢視断面図である。
【図3】本発明に係る非水電解質電池に用いるラミネート外装体の断面図である。
【図4】本発明に係る非水電解質電池に用いる電極体の斜視図である。
【図5】ヘミアセタールエステル誘導体が解離する際の電子の動きを示した説明図である。
【図6】ビニルエーテル誘導体が重合する様子を示した説明図である。
【符号の説明】
1 電極体
2 収納空間
3 アルミラミネート外装体
4a、4b、4c 封止部
5 正極
6 負極
7 正極リード
8 負極リード[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an improvement in a non-aqueous electrolyte battery for the purpose of improving safety when the battery temperature rises.
[0002]
[Prior art]
In recent years, mobile information terminals such as mobile phones, notebook personal computers, and PDAs have been rapidly reduced in size and weight, and batteries as drive power sources are required to have higher capacities. A non-aqueous electrolyte battery typified by a lithium ion secondary battery has a high energy density and a high capacity, and is therefore widely used as a driving power source for the mobile information terminal as described above.
[0003]
Such a nonaqueous electrolyte battery usually includes a positive electrode made of a lithium-containing transition metal composite oxide, a negative electrode made of a carbon material such as graphite, and a nonaqueous electrolyte in which a lithium salt is dissolved in a nonaqueous solvent made of an organic compound. Is used. In such a battery, lithium does not exist in a metallic state, and lithium ions only move between the positive and negative electrodes with charge / discharge, so there is no internal short circuit due to dendritic lithium. Does not occur. Therefore, it is excellent in safety.
[0004]
However, when the non-aqueous electrolyte battery described above is used in the vicinity of a heat source or improperly used such as overcharging, there is a risk that the battery temperature rises rapidly, resulting in smoke generation and combustion. For this reason, a polyolefin microporous membrane is used for the separator, and when the battery rises to the melting point of the resin, the resin melts and closes the microporous (shutdown), thereby blocking the movement of lithium ions. .
[0005]
However, in the above technique, when the battery temperature rises quickly, the battery temperature rapidly rises before the separator shuts down, and there is a risk of gas generation, smoke generation, and combustion. For this reason, in order to further enhance safety, a gas discharge valve, a current interruption mechanism, a PTC element, and the like are incorporated in the battery. However, the addition of these members complicates the battery structure and increases the cost.
[0006]
On the other hand, as a technique for improving the safety of a battery without complicating the battery structure or significantly increasing the cost, there is a technique for adding a compound that polymerizes at a voltage higher than the operating voltage of the battery to the nonaqueous electrolyte (for example, , See Patent Document 1).
In addition, there is a technique in which a compound that polymerizes at a temperature of 100 ° C. or higher of a battery is added to a nonaqueous electrolyte (see, for example, Patent Document 2).
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 3061756 (pages 4 to 5)
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 7-78635 (
[0008]
However, since the compound used in the technique of Patent Document 1 is polymerized only at the time of voltage abnormality such as overcharge, the safety during abnormal heating is not sufficient, and the compound used in the technique of
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and by using a special additive that functions only when the battery is abnormally heated, the nonaqueous electrolyte battery does not adversely affect the battery during normal use. The purpose is to increase the safety of
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present invention for solving the above problems is a non-aqueous electrolyte battery comprising a positive electrode, a negative electrode, and a non-aqueous electrolyte containing a non-aqueous solvent and an electrolyte salt. The non-aqueous electrolyte is itself polymerizable. And a hemiacetal ester derivative that dissociates into an acid and a vinyl ether derivative at 80 ° C. to 125 ° C. substantially without dissociation at 60 ° C. or lower, and a total mass of the non-aqueous solvent and the electrolyte salt. When 100, the content of the hemiacetal ester derivative is 0.2 to 15 parts by mass .
[0011]
According to the above configuration, as shown in FIG. 5, the hemiacetal derivative is dissociated into an acid and a vinyl ether derivative at 80 ° C. to 125 ° C., and the vinyl ether derivative, which is a compound after dissociation , has polymerizability. This vinyl ether derivative polymerizes rapidly in the presence of an acid to increase the internal resistance and cut off the current. On the other hand, the polymerization reaction is not caused because the hemiacetal ester derivative does not dissociate under normal charge / discharge conditions at a temperature of 60 ° C. or lower. Therefore, the deterioration of the cycle characteristics due to the addition of the additive does not occur.
[0012]
“Non-polymerizable” means that polymerization does not occur in the state before dissociation. Dissociation means that the compound is separated into two or more compounds, and is different from decomposition that requires other compounds such as water, such as when an ester is divided into an acid and an alcohol.
[0013]
The dissociation temperature of the hemiacetal ester derivative is a temperature measured as follows. That is, 3 parts by mass of a hemiacetal ester derivative was added to 100 parts by mass of an electrolytic solution in which LiPF 6 was dissolved at a ratio of 1 mol / liter in a mixed solvent in which ethylene carbonate and diethyl carbonate were mixed at a volume ratio of 3: 7. To do. On the other hand, a positive electrode made of lithium cobaltate and a negative electrode made of graphite were wound through a separator made of a non-woven fabric made of polybutylene terephthalate (thickness: 0.050 mm) and housed in a laminate outer package. An electrolyte containing a hemiacetal ester derivative is sufficiently poured, and the opening is sealed to form a test battery. The test battery was heated to 160 ° C. at a rate of temperature increase of 5 ° C./min, the AC internal voltage was measured at 1 kHz, and the measured internal resistance value was at least 1000 times the internal resistance value R25 at 25 ° C. Is the dissociation temperature.
Here, substantially not dissociating at 60 ° C. or less is defined as the ratio R60 / R25 between the internal resistance value R25 at 25 ° C. and the internal resistance value R60 at 60 ° C. being 1.1 or less. To do.
[0014]
In the above configuration, the compound after dissociation contains a vinyl ether derivative, and the oxygen atom adjacent to the vinyl group enhances the activity of the compound, so that the polymerization reaction proceeds promptly after dissociation.
[0016]
In the above configuration, the content of the hemiacetal ester derivative is preferably 0.2 to 15 parts by mass when the total mass of the nonaqueous solvent and the electrolyte salt is 100. When the content of the hemiacetal ester derivative is 100, where the total mass of the non-aqueous solvent and the electrolyte salt is 100%, a sufficient effect is obtained because the amount of the polymerization product is small when it is less than 0.2 parts by mass. If the amount is more than 15 parts by mass, the internal resistance of the battery increases due to the hemiacetal ester derivative , and the cycle characteristics deteriorate.
[0017]
The electrolyte salt preferably contains a salt that easily liberates hydrogen fluoride (HF), such as LiPF 6 , LiBF 4 , and LiAsF 6 . This is because hydrogen fluoride liberated in the electrolytic solution accelerates the polymerization reaction of the vinyl ether derivative .
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. In addition, this invention is not limited to the following embodiment, In the range which does not change the summary, it can change suitably and can implement.
[0019]
1 is a front view of a nonaqueous electrolyte battery using a laminate outer package according to an embodiment of the present invention, FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG. 1, and FIG. 3 is a laminate used for the nonaqueous electrolyte battery. FIG. 4 is a perspective view of an electrode body used in a nonaqueous electrolyte battery.
[0020]
As shown in FIG. 2, the nonaqueous electrolyte battery of the present invention has an electrode body 1, and this electrode body 1 is disposed in a
[0021]
Further, the
[0022]
In addition, as shown in FIG. 3, the specific structure of the laminate
[0023]
The non-aqueous electrolyte itself has no polymerizability, and a hemiacetal ester derivative that does not substantially dissociate at 60 ° C. or less and dissociates into an acid and a vinyl ether derivative at 80 ° C. to 125 ° C. is added.
[0024]
【Example】
Batteries according to Examples 1-1 to 1-6 and Comparative Examples 1-1 to 1-3 were produced. Using these batteries, the relationship between the type of additive and the solvent type, charge / discharge efficiency, and internal resistance value associated with temperature rise was clarified.
[0025]
(Example 1-1)
<Preparation of positive electrode>
92 parts by mass of a positive electrode active material (BET = 0.6 m 2 / g) composed of lithium cobaltate (LiCoO 2 ), 5 parts by mass of a conductive agent composed of acetylene black, and a binder composed of polyvinylidene fluoride (PVdF) 3 parts by mass and N-methyl-2-pyrrolidone (NMP) were mixed to obtain an active material slurry.
[0026]
The active material slurry was uniformly applied to both surfaces of a positive electrode core body made of an aluminum foil having a thickness of 20 μm by a doctor blade, and then passed through a heated drier to be dried. The solvent was removed. Next, this electrode plate was rolled by a roll press so that the thickness was 0.17 mm, and a positive electrode was produced.
[0027]
<Preparation of negative electrode>
A negative electrode active material made of graphite, a binder made of polyvinylidene fluoride (PVdF), and N-methyl-2-pyrrolidone (NMP) were mixed to obtain an active material slurry. This active material slurry was uniformly applied to both sides of a copper foil (thickness 20 μm) as a negative electrode core with a doctor blade, and then passed through a dryer to dry, thereby providing an organic solvent necessary for slurry preparation. Was removed. Subsequently, this electrode plate was rolled with a roll press so that the thickness was 0.14 mm, thereby producing a negative electrode.
[0028]
<Preparation of non-aqueous electrolyte>
LiPF 6 as an electrolyte salt was dissolved in a mixed solvent in which ethylene carbonate (EC) and diethyl carbonate (DEC) were mixed at a volume ratio of 3: 7 so as to be 1 M (mol / liter) to prepare an electrolytic solution. 3 parts by mass of the compound 1 represented by the following chemical formula 1 was added to 100 parts by mass of the electrolytic solution to obtain a nonaqueous electrolyte.
[0029]
[Chemical 1]
[0030]
<Creation of electrode body>
A separator made of a non-woven fabric (thickness: 0.050 mm) made of polybutylene terephthalate (PBT) in which the
[0031]
After preparing a sheet-like laminate material having a five-layer structure of resin layer (polypropylene) / adhesive layer / aluminum alloy layer / adhesive layer / resin layer (polypropylene), the resin in the vicinity of the ends of the aluminum laminate material The layers were overlapped and the overlapped portion was welded to form the sealing
[0032]
After injecting 3.0 g of the nonaqueous electrolyte from the other opening, the opening is heated and welded in the same manner to form a sealing
[0033]
(Example 1-2)
Inventive battery A2 according to Example 1-2 was produced in the same manner as in Example 1-1 except that
[0034]
[Chemical formula 2]
[0035]
(Example 1-3)
A battery A3 of the present invention according to Example 1-3 was produced in the same manner as in Example 1-1 except that
[0036]
[Chemical 3]
[0037]
(Example 1-4)
A battery A4 of the present invention according to Example 1-4 was produced in the same manner as in Example 1-1 except that compound 4 represented by the following chemical formula 4 was added instead of compound 1.
[0038]
[Formula 4]
[0039]
(Example 1-5)
Inventive battery A5 according to Example 1-5 was produced in the same manner as in Example 1-1 except that
[0040]
[Chemical formula 5]
[0041]
(Example 1-6)
According to Example 1-6, except that γ-butyrolactone (GBL) was used instead of diethyl carbonate (DEC), and LiBF 4 was used instead of LiPF 6. Invention battery A6 was produced.
[0042]
(Comparative Example 1-1)
A comparative battery X1 according to Comparative Example 1-1 was produced in the same manner as in Example 1-1 except that no additive was added.
[0043]
(Comparative Example 1-2)
A comparative battery X2 according to Comparative Example 1-2 was fabricated in the same manner as in Example 1-6 except that no additive was added.
[0044]
(Comparative Example 1-3)
A comparative battery X3 according to Comparative Example 1-3 was produced in the same manner as Comparative Example 1-1 except that a polyethylene microporous membrane was used as the separator.
[0045]
(Battery characteristics test)
About this invention battery A1-A6 produced as mentioned above and the comparison batteries X1-X3, the initial stage characteristic test and the heating test were done on the conditions shown below.
[0046]
(Initial characteristic test)
After charging to 4.2 V at a constant current of 0.25 It (125 mA), it was discharged to 2.75 V at 0.25 It (125 mA), and the initial efficiency was determined from the initial discharge capacity / initial charge capacity.
[0047]
(Heating test)
The battery in a discharged state was heated to 160 ° C. at a rate of temperature increase of 5 ° C./min while measuring AC internal resistance (1 kHz), and the temperature at which the internal resistance value began to rise was recorded as the internal resistance increase start temperature.
[0048]
Table 1 below shows the relationship between the additive type, solvent type, initial efficiency, internal resistance value before and after heating, and internal resistance increase start temperature. The compounds after dissociation of compounds 1 to 5 are shown in Table 2 below.
[0049]
[Table 1]
[0050]
[Table 2]
[0051]
Battery X3 using a polyethylene (PE) separator had an internal resistance increase starting temperature of 138 ° C., and the internal resistance value after the heating test was 119Ω. In addition, since the said 138 degreeC is substantially equal to melting | fusing point of polyethylene, it is thought that the increase in the internal resistance in the battery X3 is due to the fact that the micropores are blocked by melting of polyethylene and the current is cut off. On the other hand, the batteries A1 to A6 using a separator made of polybutylene terephthalate (PBT) and added with a hemiacetal ester derivative have an internal resistance value increase starting temperature in the range of 85 to 121 ° C., compared with X3. The temperature was significantly lower. As for the internal resistance of the battery, the initial internal resistance was 32 to 41 mΩ, but the internal resistance was significantly increased to 161 to 511Ω after the heating test. On the other hand, with respect to the initial efficiency and the initial internal resistance value, there was almost no difference between the batteries A1 to A6 to which the additive was added and the batteries X1 to X3 to which the additive was not added. From these results, by adding the hemiacetal ester derivative, the internal resistance is hardly increased at the normal use temperature of the battery (60 ° C. or less), and the shutdown temperature of the conventionally used polyethylene separator (comparative battery). Current can be cut off at a temperature lower than the internal resistance increase temperature of X3).
[0052]
This means that in the range of 85 to 121 ° C., the additive dissociates as shown in FIG. 5 to produce a vinyl ether derivative, and this vinyl ether derivative is polymerized to increase the internal resistance, for example, as shown in FIG. This is thought to be the result of creating a product.
[0053]
Also, in the batteries X1 and X2 using polybutylene terephthalate (PBT) as the separator and no additives added, the internal resistance after the heating test was slightly increased to 5 to 12Ω. This is probably because the liquid was altered and the conductivity of lithium ions was reduced.
[0054]
The batteries A2 and A6 are compounds having the same additive type (compound 2), but the battery A6 using LiBF 4 has a higher internal resistance value after heating than the battery A2 using LiPF 6. It was getting smaller. This is probably because LiPF 6 has more hydrogen fluoride (HF) liberated than LiBF 4, so that the polymerization proceeded quickly. The same tendency was observed in the comparative batteries X1 and X2, but this is probably because the composition of the electrolytic solution is different and the degree of alteration of the electrolytic solution by heating is different.
[0055]
Next, batteries according to Examples 1-2, 1-4, 2-2 to 2-9, Reference Examples 2-1 , 2-10 , 2-11 and Comparative Example 1-1 were produced. Using these batteries, the relationship between the type of additive and the type of solvent, the charge / discharge efficiency, and the internal resistance value associated with the temperature rise is clarified.
[0056]
( Reference Example 2-1)
A reference battery B1 according to Reference Example 2-1 was produced in the same manner as in Example 1-2, except that the additive amount was 0.1 parts by mass.
[0057]
(Example 2-2)
A battery B2 of the present invention according to Example 2-2 was produced in the same manner as in Example 1-2, except that the additive amount was 0.2 parts by mass.
[0058]
(Example 2-3)
A battery B3 of the present invention according to Example 2-3 was produced in the same manner as in Example 1-4, except that the additive amount was 0.2 parts by mass.
[0059]
(Example 2-4)
A battery B4 of the present invention according to Example 2-4 was produced in the same manner as in Example 1-2, except that the amount of additive added was 1.0 part by mass.
[0060]
(Example 2-5)
A battery B5 of the present invention according to Example 2-5 was produced in the same manner as Example 1-2, except that the additive amount was 1.5 parts by mass.
[0061]
(Example 2-6)
A battery B6 of the present invention according to Example 2-6 was produced in the same manner as Example 1-2 except that the additive amount was set to 5.0 parts by mass.
[0062]
(Example 2-7)
A battery B7 of the present invention according to Example 2-7 was produced in the same manner as Example 1-2, except that the additive amount was 10.0 parts by mass.
[0063]
(Example 2-8)
A battery B8 of the present invention according to Example 2-8 was produced in the same manner as in Example 1-2, except that the additive amount was 15.0 parts by mass.
[0064]
(Example 2-9)
A battery B9 of the present invention according to Example 2-9 was produced in the same manner as in Example 1-4, except that the additive amount was 15.0 parts by mass.
[0065]
( Reference Example 2-10)
A reference battery B10 according to Reference Example 2-10 was produced in the same manner as in Example 1-2, except that the additive amount was 20.0 parts by mass.
[0066]
( Reference Example 2-11)
A reference battery B11 according to Reference Example 2-11 was produced in the same manner as in Example 1-4, except that the additive amount was 20.0 parts by mass.
[0067]
Table 3 below shows the relationship between the type and amount of additive, initial efficiency, internal resistance values before and after heating, and internal resistance increase start temperature.
[0068]
[Table 3]
[0069]
From Table 3, the internal resistance value after the heating test of the battery B1 in which the addition amount of the additive is less than 0.2 parts by mass is substantially the same as that of the battery X1 to which no additive is added, thereby improving safety. It turns out that there is almost no effect. This result is considered to be due to the fact that a polymer sufficient to increase the internal resistance was not formed because the amount added was small.
[0070]
Moreover, from the results of A2, A4, and B1 to B11, it can be seen that the initial internal resistance increases as the additive amount increases. In particular, in the batteries B10 and B11 in which the additive amount is 20 parts by mass, the initial internal resistance is as high as 221 to 367 mΩ, and the initial efficiency is as low as 86.4 to 88.2%. This is probably because the additive amount of the additive is excessive and the conductivity of the lithium ion is lowered.
[0071]
On the other hand, when the total amount of non-aqueous solvent and electrolyte salt is 100, the amount of additive added is 0.2 to 15 parts by mass of batteries A1, A2, and B2 to B9. Was 56 Ω or more, which is a sufficient size for current interruption, while the initial efficiency was sufficiently high as 90% or more, and the initial internal resistance was 90 mΩ or less. From this, when the additive amount of the additive is 0.2 to 15 parts by mass when the total mass of the nonaqueous solvent and the electrolyte salt is 100, the battery performance is not adversely affected. It turns out that safety can be improved.
[0072]
In the above examples, a carboxylic acid ester is used as the hemiacetal ester derivative.
[0074]
Moreover, although the laminated battery was produced in the said Example, this invention is not limited to this shape, It can utilize for the battery of various shapes, such as a coin type | mold, a square shape, and a cylindrical battery. Moreover, it can utilize also for the gel-like nonaqueous electrolyte secondary battery using a polymer electrolyte.
[0075]
In the above embodiment, the slurry is applied by the doctor blade, but a die coater may be used. Further, an active material paste can be used instead of the active material slurry, and the coating can be performed by a roller coating method or the like. Moreover, it can produce similarly even if it uses an aluminum mesh instead of an aluminum foil.
[0076]
Further, as the positive electrode material, one kind of compound selected from lithium-containing transition metal composite oxides or a mixture of two or more kinds of compounds can be used. For example, lithium cobaltate, lithium nickelate, lithium manganate , Lithium ferrate, or an oxide obtained by substituting a part of the transition metal contained in these oxides with other elements can be used.
[0077]
In addition, as the non-aqueous solvent used for the electrolyte, a kind of compound selected from carbonates, lactones, ethers, ketones, nitriles, amides, sulfone compounds, esters, aromatic hydrocarbons, Or it can use in mixture of 2 or more types. Among these, carbonates, lactones, ethers, ketones, and nitriles are preferable, and carbonates are more preferable. Specific examples thereof include ethylene carbonate, propylene carbonate, butylene carbonate, diethyl carbonate, dimethyl carbonate, ethyl methyl carbonate, γ-butyrolactone, 1,2-dimethoxyethane, tetrahydrofuran, anisole, 1,4-dioxane, 4-methyl. -2-pentanone, cyclohexanone, acetonitrile, propionitrile, dimethylformamide, sulfolane, methyl formate, ethyl formate, methyl acetate, ethyl acetate, propyl acetate, ethyl propionate and the like.
[0078]
The electrolyte salt is selected from lithium salts such as LiN (C 2 F 5 SO 2 ) 2 , LiN (CF 3 SO 2 ) 2 , LiCF 3 SO 3 , LiPF 6 , LiBF 4 , LiAsF 6 , LiClO 4. These compounds can be used alone or in combination of two or more. In particular, LiPF 6 , LiBF 4 , and LiAsF 6 are preferable because hydrogen fluoride (HF) is easily released. The amount of electrolyte salt dissolved in the non-aqueous solvent is preferably 0.5 to 2.0 mol / liter.
[0079]
In addition, for the purpose of stabilizing the film at the electrode interface and lowering the film resistance, the non-aqueous electrolyte is a compound selected from vinyl ethylene carbonate derivatives, vinylene carbonate derivatives, trifluoropropylene carbonate, toluene, hydroquinone, catechol, resorcin, etc. May be added singly or in combination of two or more.
[0080]
【The invention's effect】
As is apparent from the above results, according to the present invention, in the normal battery use, the internal resistance is quickly increased when the battery is abnormally heated by a simple means of adding an additive that does not adversely affect the battery characteristics. And a self-contained safety mechanism that can cut off the current can be realized. Thereby, the outstanding effect that the nonaqueous electrolyte battery excellent in safety | security at low cost can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view of a nonaqueous electrolyte battery according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 3 is a cross-sectional view of a laminate outer package used in the nonaqueous electrolyte battery according to the present invention.
FIG. 4 is a perspective view of an electrode body used in the nonaqueous electrolyte battery according to the present invention.
FIG. 5 is an explanatory diagram showing movement of electrons when a hemiacetal ester derivative is dissociated.
FIG. 6 is an explanatory view showing a state in which a vinyl ether derivative is polymerized.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
Claims (1)
前記非水電解質は、それ自体は重合性を有さず、60℃以下では実質的に解離せず、80℃〜125℃で酸及びビニルエーテル誘導体に解離するヘミアセタールエステル誘導体を含み、
前記非水溶媒と前記電解質塩とを合計した質量を100とするとき、前記ヘミアセタールエステル誘導体の含有量が、0.2〜15質量部である、
ことを特徴とする非水電解質電池。In a non-aqueous electrolyte battery having a positive electrode, a negative electrode, and a non-aqueous electrolyte containing a non-aqueous solvent and an electrolyte salt,
The non-aqueous electrolyte itself has no polymerizability, does not substantially dissociate at 60 ° C. or less, and includes a hemiacetal ester derivative that dissociates into an acid and a vinyl ether derivative at 80 ° C. to 125 ° C. ,
When the total mass of the non-aqueous solvent and the electrolyte salt is 100, the content of the hemiacetal ester derivative is 0.2 to 15 parts by mass.
The nonaqueous electrolyte battery characterized by the above-mentioned.
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