JP4270827B2 - 電動工具 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動ハンマー等のように、直線運動する衝撃子の運動エネルギーを打撃によって工具に伝達することで加工作業を行う電動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の電動工具の一例として、特開平8−229851号(特許文献1)に電動ハンマーの構成が開示されている。この電動ハンマーは、ハウジング本体部の一つを形成するバレルに収容された衝撃子と、当該バレルに連接されたツールホルダ内に摺動可能に収容された中間子および工具を有する。衝撃子はモータを介して直線運動し、中間子は直線運動する衝撃子の打撃によってツールホルダ内で直線運動する。また工具は、直線運動する中間子の打撃によって所定の加工作業を行うよう構成される。すなわち衝撃子および中間子は工具に対して打撃力を作用させる打撃要素の意義を有する。
【0003】
ところで上記した従来の電動ハンマーでは、工具に対する衝撃子および中間子の相対的な位置関係を特に制御していないため、中間子が衝撃子の打撃によって直線運動を行う際に、工具は中間子に対し最も近接した位置と最も離間した位置との間の何処に位置するか必ずしも定常的ではない。このため中間子が工具ではなくツールホルダを打撃する場合が生じ得る。この場合、衝撃子から伝達された中間子の運動エネルギーは、中間子がツールホルダに当接した際に当該ツールホルダ側へ打撃力として伝達されることになる。このため、ツールホルダを保持するバレルの保持部に強い応力が生じることとなり、バレルの強度確保が要請される。一方、バレルは、工具へ強い打撃力を付与すべく所定距離だけ直線運動するよう構成された衝撃子を収容する必要があり、相当量の長さ寸法を有する部材であるため、ツールホルダ保持のための強度確保に重点を置くとバレルの重量増大を招来し好ましくない。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−229851号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、衝撃子の運動エネルギーを打撃によって工具に伝達して加工作業を行う電動工具において、中間子の強い打撃力を確実に受け止めることが可能であるとともに軽量性が確保された合理的なハウジング構造を構築するのに資する技術を提供することを目的とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。請求項1に記載の発明によれば、モータを介して直線運動する衝撃子と、衝撃子による打撃によって衝撃子の移動方向に移動する中間子と、中間子による打撃によって所定の加工作業を行う工具とを有する電動工具が構成される。当該電動工具は、中間子の打撃を受承するホルダと、当該ホルダを支持する筒状のハウジング本体部とを有する。ハウジング本体部は、基部領域と、ホルダを支持するべくホルダに当接するホルダ当接領域とが一体状に成形されるとともに、ホルダ当接領域が基部領域と異なる材質で形成されている。例えば基部領域については軽量化が可能な材質を選択し、ホルダ当接領域については、ホルダが中間子の打撃を受承した際の強い打撃力をしっかりと受け止めることができる対衝撃性ないし対磨耗性に富んだ材質を選択する等して、ハウジング本体部に軽量化と強度確保という背反する機能を合理的に併有させることができる。そして、ホルダ当接領域は、その筒状外周部が長軸方向の全長にわたって基部領域の内周に接触されるとともに打撃方向先端側の端面には基部領域に形成された内径方向に突出する突出部が被さり、これによりホルダ当接領域に作用する衝撃を、基部領域がホルダ当接領域との接触面全体および突出部で分散して受ける構成としている。これにより、基部領域に作用する単位面積当たりの応力を低減し、高強度性を確保し難い基部領域の保護を図ることが可能になる。
【0007】
本発明における「衝撃子」は、モータを介して直線運動するとともに、当該直線運動による運動エネルギーを打撃によって中間子に伝達する部材であり、ストライカとも称呼される。モータを介して衝撃子を直線運動させる態様としては、シリンダ内の一端側にピストン状の衝撃子を摺動可能に配置するとともに、他端側にはモータ側に連結されて往復動する駆動側ピストンを配置し、モータを介して当該駆動側ピストンを往復動する際のシリンダ内の空気バネの作用により、ピストン状の衝撃子を駆動する態様、シリンダ内の一端側にピストン状の衝撃子を摺動可能に配置するとともに、シリンダの他端側をモータ側に連結して往復動させ、かかるシリンダをモータによって往復動する際のシリンダ内の空気バネの作用により、ピストン状の衝撃子を駆動する態様、モータ側に連結されて往復動するピストンをシリンダ内の一端側に配置するとともに、当該ピストンを収容するシリンダを衝撃子として配置しておき、モータによってピストンを往復動する際の空気バネの作用により、シリンダ状の衝撃子を駆動する態様など、各種の形態が採用可能である。
【0008】
またモータの回転出力を駆動部材の往復動作に変換するには、例えばクランクシャフトを用いた運動変換機構、斜板を用いた運動変換機構等、各種の機構が採用可能である。
【0009】
本発明における「中間子」は、工具に対する打撃によって衝撃子の運動エネルギーを当該工具へ伝達するための部材であり、インパクトボルトとも称呼される。また「打撃による所定の加工作業」としては、典型的には被加工材に対するハンマー作業がこれに該当する。なお本発明においては、電動工具が打撃以外による加工作業、例えばドリルによる加工作業を兼務することを妨げない。例えば工具を往復動して加工作業を行うハンマーと、工具を回転して加工作業を行うドリルとを併用したハンマードリル等の構成が可能である。
【0010】
また本発明における「ホルダ」は、中間子の打撃を受承する部材であれば足り、例えば中間子を保持するツールホルダガイド、工具を保持するツールホルダ、工具と中間子の双方を保持するツールホルダ等を広く包含するものとする。また「ハウジング本体部」は、少なくともホルダを支持する部材であれば足り、例えば衝撃子および中間子の全部または一部を収容し、衝撃子のみの全部または一部を収容し、あるいは中間子のみの全部または一部を収容する部材のいずれも広く包含する。さらにハウジング本体部は、ハウジング本体部に軽量化と強度確保という背反する機能を合理的に併有させる趣旨より、基部領域以外に、ホルダと当接するホルダ当接領域を有すれば足り、さらに他の機能的領域が付加された構造を採用することも可能である。
【0011】
(請求項2に記載の発明)
請求項2に記載の発明によれば、上記請求項1に記載の電動工具におけるハウジング本体部につき、その基部領域をアルミ合金またはマグネシウム合金によって形成して軽量化を図り、さらにホルダ当接領域については鋼材によって形成し、ホルダが中間子の打撃を受承した際の強い打撃力をしっかりと受け止めるように構成する。これによりハウジング本体部の軽量化と強度確保を一層具体化しつつ実現することが可能となった。
【0012】
(請求項3に記載の発明)
請求項3に記載の発明によれば、上記請求項2に記載の電動工具につき、インサート成形によって得られたハウジング本体部が採用されている。具体的には、ホルダ当接領域を構成する鋼材に対して基部領域を形成するアルミ合金またはマグネシウム合金をインサート成形で一体状に成形することが好ましい。これにより材質が互いに異なるホルダ当接領域と基部領域とが一体状に成形されたハウジング本体部を簡便かつ安価に得ることが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明の実施の形態では、図1に示すように電動ハンマー101を用いて説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る電動ハンマー101は、概括的に見て、電動ハンマー101の外郭を形成するモータハウジング103a、ギアハウジング103bおよびハンドグリップ103cとによってその外郭が形成される。またギアハウジング103b内には、以下に述べる電動ハンマー101の駆動のための機構を収容する筒状のバレル105が配置される。バレル105は、本発明における「ハウジング本体部」に対応する要素である。
【0014】
バレル105は、その主体をなす基部領域107と、当該基部領域107の先端側(図中左側)端部に形成されたツールホルダ当接領域109とが一体状に成形されて構成される。ツールホルダ当接領域109は、本発明における「ホルダ当接領域」に対応する要素である。本実施の形態では、基部領域107はアルミニウム合金で形成され、ツールホルダ当接領域109は鋼材によって形成される。本実施の形態では、鋼材で形成されたツールホルダ当接領域109を構成する部材を成形金型内にセットした上でアルミ合金を当該成形金型に投入し、いわゆるインサート成形を経て、基部領域107とツールホルダ当接領域109とが一体状に成形されたバレル105を得る。
【0015】
モータハウジング103a内にはモータ111が設けられ、バレル105内には運動変換機構120を構成するクランク123の一部、エアシリンダ機構130、打撃力伝達機構150が配置される。さらにバレル105のツールホルダ当接領域109に嵌合状に固定されたツールホルダ175には、先端工具機構170が着脱自在に接続される。
【0016】
モータ111は、作業者が特に図示しないスイッチ113を投入することによって通電駆動され、モータ出力軸111aに回転駆動力が出力される。運動変換機構120は、モータ出力軸111aと噛み合い係合するギア121、ギア121とともに回転するギアシャフト123、ギアシャフト123回りに回転するギア121の回転中心から所定距離偏心した位置に一方の端部が接続されたクランク125、当該クランク125の他端側に取り付けられた駆動側ピストン131を主体として構成される。
【0017】
エアシリンダ機構130は、駆動側ピストン131とストライカ133とをボア内に摺動可能に収容するシリンダ137と、シリンダ137のボア内にて駆動側ピストン131とストライカ133との間に区画形成されるエアチャンバー135を主体として構成される。さらに電動ハンマー101の主要部の構成を詳細に示す図2から理解されるように、ストライカ133の外周部には当該ストライカ133の外周面を周回するようにシール部材134が配置され、シリンダ137のボア内壁とストライカ133との間をシールし、これによってエアチャンバー135内のエアが外部に漏出するのを防止している。なお、ストライカ133は本発明における「衝撃子」に対応する要素である。
【0018】
打撃力伝達機構150は、図1および図2に示されるように、エアシリンダ機構130を介して高速で直線運動するストライカ133の打撃を受承して直線運動するインパクトボルト151を主体として構成される。インパクトボルト151は本発明における「中間子」に対応する要素である。当該インパクトボルト151は、その直線運動の方向(図中左右方向)に長軸を有するロッド状部材として構成されるとともに、その中央領域に大径部152が形成され、当該大径部152の先端側(図中左側)にはテーパー状の肩部153が形成される。また大径部152の外周面はツールホルダ175の内周面に往復動可能に摺接する。
【0019】
ツールホルダ175は、中空筒状に形成され、その内周面に大径部152が往復動可能に摺接するのを許容しつつインパクトボルト151を収容するとともに、後述する先端工具機構170を電動ハンマー101側に止着するための部材である。ツールホルダ175の内周面にはインパクトボルト151に向かう肩部176が形成されている。インパクトボルト151がその長軸前方(図中左方向)に直線運動し、当該インパクトボルト151の大径部152の肩部153とツールホルダ171の肩部176が相互に当接した場合、インパクトボルト151の長軸方向(図中左方向)への運動エネルギが、肩部153,176同士の打撃を通じてツールホルダ175に伝達されることとなる。なお、ツールホルダ175は本発明における「ホルダ」に対応する要素である。
【0020】
ツールホルダ175は、その外周面がツールホルダ当接領域109の筒状内壁部に摺接することでバレル105に収容される。一方、ツールホルダ当接領域109の前方箇所には、環状の弾性体リング178、ワッシャ179およびサークリップ(止め輪)180が順次配列されている。サークリップ180はツールホルダ当接領域109の前方内壁部に凹状に形成された溝に嵌合状に設置されている。そして、後述するようにインパクトボルト151の運動エネルギーがツールホルダ175に打撃力として伝達された場合、当該ツールホルダ175はバレル105のツールホルダ当接領域109内を軸方向前方側へ摺動しようとするが、かかるツールホルダ175の摺動エネルギーは、上記弾性体リング178、ワッシャ179、サークリップ180を経由し、当該サークリップ180を溝で係止するツールホルダ当接領域109がしっかりと受承する。
【0021】
先端工具機構170は、ツールホルダ175の内周面に往復動可能に保持されて被加工材にハンマー作業を遂行する工具ビット171と、ツールホルダ175に工具ビット171を着脱自在に保持させるための工具ビット止着部173を主体として構成される。工具ビット171は本発明における「工具」に対応する要素である。
【0022】
上記のように構成される電動ハンマー101の作用および使用方法について以下に説明する。作業者がスイッチを投入すると、図1に示すモータ111が通電駆動される。モータ111が駆動されると、当該モータ111の回転駆動力はモータ出力軸111aを介してギア121に伝達され、ギア121はギアシャフト123とともに回転駆動される。なおモータ出力軸111aに対するギア121のギア比を選択することでモータ111からギア121への変速比が適宜設定される。ギア121の回転により、当該ギア121の回転中心から所定量シフトして配置されたクランク125の一端側がギアシャフト123回りに公転運動し、これによりクランク125の他端側に遊嵌状に取付けられた駆動側ピストン131がシリンダ137のボア内で図中左右方向に往復直線運動を行う。駆動側ピストン131の往復直線運動に伴い、当該駆動側ピストン131とピストン状のストライカ133との間のエアチャンバー135が適宜圧縮膨張作用を繰り返し、これによってストライカ133が図中左右方向に直線運動可能とされる。
【0023】
例えば駆動側ピストン131がシリンダ137のボア内において電動ハンマー101の先端方向(図中左方向)に直線運動すると、エアチャンバー135が圧縮される。これによりストライカ133は、いわゆる空気バネの作用によって駆動側ピストン131の移動速度よりも高速でインパクトボルト151に向かって直線運動する。ストライカ133がインパクトボルト151に衝突することで、ストライカ133の運動エネルギーがインパクトボルト151に伝達され、当該インパクトボルト151は工具ビット171に向かって高速で直線運動する。インパクトボルト151が工具ビット171に衝突することで、インパクトボルト151の運動エネルギーが工具ビット171に伝達され、当該工具ビット171は前方に高速で直線運動し、これによって特に図示しない被加工材に対するハンマー作業が遂行されることとなる。
【0024】
なおストライカ133の駆動については、特に詳細に図説しないものの、シリンダ137に穿設された吸気孔の位置および直径、ストライカ133の重量、クランク123のギア121の回転中心からの偏心量、シリンダ137のボア径等といった様々なパラメータを総合して適宜設定可能である。
【0025】
本実施の形態における電動ハンマー101では、ストライカ133およびインパクトボルト151に対する工具ビット171の相対的な位置関係は自動的にコントロールされるものではなく、ストライカ133およびインパクトボルト151が最適のタイミングで工具ビット171を打撃駆動しない場合が生じ得る。例えば図2に示す状態では、工具ビット171が電動ハンマー101の奥部側(図中右側)に位置することにより、インパクトボルト151の大径部152(肩部153)がツールホルダ175の肩部1176から十分離間した状態で、インパクトボルト151が工具ビット171に当接するため、ストライカ133の運動エネルギーがインパクトボルト151を介して工具ビット171に効率よく伝達される。一方、図2に示す状態よりも工具ビット171が電動ハンマー101先端側(図中左側)に位置する場合には、ストライカ133の打撃によって直線運動するインパクトボルト151が工具ビット171に当接する前に、大径部152の肩部153がツールホルダ175の肩部176に当接する可能性がある。
【0026】
さらに、例えば工具ビット171が被加工材に当接しない無負荷の状態で電動ハンマー101が駆動される場合がある。この場合、工具ビット171は被加工材に当接しないため長軸方向への移動が全く規制されない状態となり、従ってインパクトボルト151は、工具ビット171に衝突しつつ、さらに工具ビット171側(図中左側)へと移動し、大径部152の肩部153がツールホルダ175の肩部176を打撃することになる。
【0027】
このときインパクトボルト151のツールホルダ175への打撃作用により、当該ツールホルダ175は電動ハンマー101先端方向へ強く押圧されるため、ツールホルダ175が連結されたバレル105には電動ハンマー101の先端方向への強い引張り力が作用することになる。具体的には、インパクトボルト151の打撃作用により、当該インパクトボルト151の運動エネルギーがツールホルダ175に打撃力として伝達された場合、当該ツールホルダ175はバレル105のツールホルダ当接領域109内を軸方向前方側へ摺動しようとする。
【0028】
本実施の形態では、かかるツールホルダ175の摺動エネルギーは、弾性体リング178が緩衝するとともに、当該弾性体リング178、ワッシャ179、サークリップ180を経由し、当該サークリップ180を溝で係止するツールホルダ当接領域109が受承する。ツールホルダ当接領域109は、本実施の形態では、ツールホルダ175の後端部(ツールホルダ175の図2中右端部)までの軸方向長さ寸法を有しつつ基部領域107と一体に成形されており、ツールホルダ175へ伝達されたインパクトボルト151の打撃力は、かかるツールホルダ当接領域109に伝達した後で基部領域107との接触面全体に分散し、当該基部領域107が受ける単位面積当たりの応力が小さくなるように構成される。かくして、ツールホルダ175がインパクトボルト151の打撃力を受承する場合であっても、バレル105の一部であるツールホルダ当接領域109が鋼材という高強度部材で形成されていることにより、かかる打撃力を確実に受け止めるとともに、かかる打撃力を分散して基部領域107との接触面全体に分散し、基部領域107に作用する単位面積当たりの応力を低減することが可能である。従って、高強度性を確保しにくいアルミニウム合金という材質で形成された基部領域107の保護を万全なものとし、バレル105の変形や、ツールホルダ175のバレル105からの離脱を効果的に防止する。
【0029】
本実施の形態では、ツールホルダ当接領域109が、ツールホルダ175のバレル105への当接箇所と概ね一致する軸方向長さ寸法を有しつつ、ツールホルダ175の後端部まで延在することにより、ツールホルダ175をツールホルダ当接領域109によって軸方向に長く面接触状態で摺動可能に受けることが可能となる。これにより、ツールホルダ175の軸心維持機能が確保されることとなる。具体的には、ハンマー作業時にツールホルダ175が長軸方向を向かずバレル105内でいわゆる「こじれ」を生じるといった不具合を効果的に防止することが可能である。
【0030】
一方、バレル105のうち、ツールホルダ当接領域109以外の基部領域107については、本実施の形態ではアルミニウム合金で成形されているため、上記のようにツールホルダ当接領域109にツールホルダ175からの力をしっかりと受け止めさせる一方、バレル105全体の軽量性を当該基部領域107で確保する。また基部領域107とツールホルダ当接領域109は、個別に成形した上で接合して構成するのではなく、成形の段階から一体状とされているため、基部領域107とツールホルダ当接領域109とを事後的に接続するためのネジ溝や接合フランジ等を設ける必要がなく、バレル105の構造の簡便性を維持することが可能である。
【0031】
なおツールホルダ当接領域109は、ツールホルダ175への当接面積が大きくなる程にツールホルダ175の引張り力による単位面積あたりの応力を小さくし、これによって耐衝撃性を向上することができる一方、鋼材で成形されたツールホルダ当接領域109をあまり大きくするとバレル105の重量増大を招来するため、両者のバランスを総合的に図ることが望ましい。
【0032】
なお本実施の形態では、バレル105全体の軽量性を確保する趣旨に鑑み、当該バレル105を構成する基部領域107につき、アルミニウム合金でなく、マグネシウム合金で成形してもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、衝撃子の運動エネルギーを打撃によって工具に伝達して加工作業を行う電動工具において、中間子の強い打撃力を確実に受け止めることが可能であるとともに軽量性が確保された合理的なハウジング構造を構築するのに資する技術が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る電動ハンマーの全体構成を示す平面断面図である。
【図2】本実施の形態に係る電動ハンマーの主要部の構成を示す部分的断面図である。
【符号の説明】
101 電動ハンマー
103a モータハウジング
103b ギアハウジング
103c ハンドグリップ
105 バレル(ハウジング本体部)
107 基部領域
109 ツールホルダ当接領域
111 モータ
120 運動変換機構
121 ギア
123 ギアシャフト
125 クランク
130 エアシリンダ機構
131 駆動側ピストン
133 ストライカ(衝撃子)
134 シール部材
135 エアチャンバー
137 シリンダ
150 打撃力伝達機構
151 インパクトボルト(中間子)
152 大径部
153 肩部
170 先端工具機構
171 工具ビット(工具)
173 工具ビット止着部
175 ツールホルダ
176 肩部
178 弾性体リング
179 ワッシャ
180 サークリップ

Claims (3)

  1. モータを介して直線運動する衝撃子と、前記衝撃子による打撃によって当該衝撃子の移動方向に移動する中間子と、前記中間子による打撃によって所定の加工作業を行う工具と、前記中間子の打撃を受承するホルダと、前記ホルダを支持する筒状のハウジング本体部とを有する電動工具であって、
    前記ハウジング本体部は、基部領域と、前記ホルダを支持するべく当該ホルダに当接するホルダ当接領域とが一体状に成形されてなるとともに、前記ホルダ当接領域が前記基部領域と異なる材質で形成され、
    前記ホルダ当接領域は、その筒状外周部が長軸方向の全長にわたって前記基部領域の内周に接触されるとともに、打撃方向先端側の端面には前記基部領域に形成された内径方向に突出する突出部が被さり、これにより前記ホルダ当接領域に作用する衝撃を、前記基部領域が前記ホルダ当接領域との接触面全体および前記突出部で分散して受ける構成としたことを特徴とする電動工具。
  2. 請求項1に記載の電動工具であって、前記基部領域はアルミ合金またはマグネシウム合金によって形成され、前記ホルダ当接領域は鋼材によって形成されることを特徴とする電動工具。
  3. 請求項2に記載の電動工具であって、前記ハウジング本体部は、インサート成形により、前記ホルダ当接領域を構成する鋼材に対して前記基部領域を形成するアルミ合金またはマグネシウム合金が一体化されて成形されることを特徴とする電動工具。
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