JP4269348B2 - 珪素鋼板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏磁による突入電流が間題となるトランス、リアクトル、変成器(CT)やモータなどの鉄心として用いられる珪素鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】
トランス、モータ等の鉄心に使用される珪素鋼板は、磁束密度を高め、鉄損を低下させる方向で研究が行われ、角形比の大きい材料が開発されてきた。しかし、その結果、残留磁束密度が大きくなり、トランス等の機器とした場合、偏磁によりさまざまな問題が発生している。
【0003】
そこで、本発明者らは、先に、偏磁の原因である残留磁束密度を低下させるには板厚方向にSiの濃度勾配を形成することが有効なことを見出し、特許出願した(特開平9−184051号公報)。また、板厚方向にSiの濃度勾配を形成すること自体は、特開昭62−227033号から特開昭62−227036号公報、および特開平4−246157号公報に開示されている。
【0004】
しかし、特開平9−184051号公報に開示された材料は、残留磁束密度は低いが、他の特性は考慮されていない。特に、実用材料として多量に使用されるためには磁気特性に加え、部品への加工が経済的なものでなければならないが、この点については考慮されていない。
【0005】
また、上記特開平9−184051号公報では、残留磁束密度以外の磁気特性は考慮されていないため、実際に使用する場合に種々の間題が発生するおそれがある。これを解決するためには用途に合わせ残留磁束密度特性に加え、必要とされる磁気特性の良好な材料とすることが有効であるが、そのような材料は未だ提案されていない。また、残留磁束密度が低いことしか要求されない用途もあるが、その場合には、極めて低い残留磁束密度が要求され、特開平9−184051号公報に開示された材料の残留磁束密度よりもさらに低いレベルも求められつつある。
【0006】
一方、上記特開昭62−227033号から特開昭62−227036号公報、および特開平4−246157号公報において、Si濃度勾配を形成する目的は浸珪法(CVD法)で製造する6.5%珪素鋼板の生産効率の向上、鉄損の低減、そして加工性の向上であり、低残留磁束密度特性については、全く考慮されていない。
【0007】
また、これら公報の技術では、Siの濃度勾配を形成することにより6.5%珪素鋼板に比較して加工性は改善されているが、部品加工のためにプレス打ち抜きを行うと、金型寿命が短いという欠点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、残留磁束密度が低く、かつ金型寿命に代表されるプレス加工性に優れた珪素鋼板を提供することを目的とする。また、低残留磁束密度と他の磁気特性との複合磁気特性に優れ、かつプレス加工性に優れた珪素鋼板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
珪素鋼板をトランス、リアクトル、変成器(CT)やモータなどの鉄心に適用することを考慮した場合、磁気特性として残留磁束密度が低いことが必要であるが、用途によっては、これに組み合わせて飽和磁束密度、鉄損、透磁率、または重畳特性も優れたものとする必要がある。
【0010】
低残留磁束密度は、特開平9−184051号公報に開示されているように、板厚方向にSiの濃度勾配を形成すること、具体的にはSi濃度の最大と最小の差を0.5wt.%以上、好ましくは0.7wt.%以上とすることで達成することができる。一方、平均Si濃度が7wt.%を超えると材料が脆くなるため、平均Si濃度7wt.%以下が前提となる。
【0011】
このような低残留磁束密度を得ることができる条件の範囲内で、Si濃度の最大と最小の差を特に大きくすれば、残留磁束密度を極めて低くすることができ、Siの濃度差および平均濃度を特定の範囲に規定すれば、飽和磁束密度、鉄損、透磁率、重畳特性を優れたものとすることができることを知見した。
【0012】
以上で実用的な磁気特性を有する鋼板が実現可能であるが、これが実際に使用されるには部品加工性が優れていることが必要である。上記特開昭62−227033号から特開昭62−227036号公報、および特開平4−246157号公報には、Si濃度勾配を形成することにより、6.5%珪素鋼板と比較して加工性が向上することが示されている。しかし、これらの技術により加工のしやすさは向上するものの、プレス加工性の他の指標であるプレス打ち抜きの際の金型寿命が短いことが明らかとなった。すなわち、Si濃度勾配を持つ材料は、板厚中心部のSi濃度が低いため加工性は向上するが表面のSi濃度は依然高いため、金型の激しい磨耗を引き起こす。これを避ける方法を検討した結果、鋼板の表面粗さを小さくすればよいことを知見した。
【0013】
本発明は以上のことを考慮してなされたものであり、C≦0.02wt.%、0.05wt.%≦Mn≦0.5wt.%、P≦0.01wt.%、S≦0.02wt.%、0.001wt.%≦sol.Al≦0.06wt.%、N≦0.01wt.%であり、Siを平均7wt.%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚方向に、表面のSi濃度が板厚中心部のSi濃度よりも高くなるようなSiの濃度勾配を有し、Si濃度の最大と最小の差が0.5wt.%以上であり、鋼板表面粗さRmaxが12.0μm以下であることを特徴とする珪素鋼板を提供する。この場合に、Si濃度の最大と最小の差が0.7wt.%以上であることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、C≦0.02wt.%、0.05wt.%≦Mn≦0.5wt.%、P≦0.01wt.%、S≦0.02wt.%、0.001wt.%≦sol.Al≦0.06wt.%、N≦0.01wt.%であり、Siを平均7wt.%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚方向に、表面のSi濃度が板厚中心部のSi濃度よりも高くなるようなSiの濃度勾配を有し、Si濃度の最大と最小の差が5.5wt.%以上であり、鋼板表面粗さRmaxが12.0μm以下であることを特徴とする珪素鋼板を提供する。
【0015】
さらに、本発明は、C≦0.02wt.%、0.05wt.%≦Mn≦0.5wt.%、P≦0.01wt.%、S≦0.02wt.%、0.001wt.%≦sol.Al≦0.06wt.%、N≦0.01wt.%であり、Siを平均3.5wt.%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚方向に、表面のSi濃度が板厚中心部のSi濃度よりも高くなるようなSiの濃度勾配を有し、Si濃度の最大と最小の差が0.5wt.%以上であり、鋼板表面粗さRmaxが12.0μm以下であることを特徴とする珪素鋼板を提供する。
【0016】
さらにまた、本発明は、C≦0.02wt.%、0.05wt.%≦Mn≦0.5wt.%、P≦0.01wt.%、S≦0.02wt.%、0.001wt.%≦sol.Al≦0.06wt.%、N≦0.01wt.%であり、Siを平均7wt.%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚方向に、表面のSi濃度が板厚中心部のSi濃度よりも高くなるようなSiの濃度勾配を有し、Si濃度の最大と最小の差が0.5〜5.5wt.%であり、鋼板表面粗さRmaxが12.0μm以下であることを特徴とする、残留磁束密度および鉄損が低くプレス加工性に優れた珪素鋼板を提供する。
【0017】
さらにまた、本発明は、C≦0.02wt.%、0.05wt.%≦Mn≦0.5wt.%、P≦0.01wt.%、S≦0.02wt.%、0.001wt.%≦sol.Al≦0.06wt.%、N≦0.01wt.%であり、Siを平均7wt.%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚方向に、表面のSi濃度が板厚中心部のSi濃度よりも高くなるようなSiの濃度勾配を有し、Si濃度の最大と最小の差が0.5〜3.0wt.%であり、鋼板表面粗さRmaxが12.0μm以下であることを特徴とする珪素鋼板を提供する。
【0018】
C≦0.02wt.%、0.05wt.%≦Mn≦0.5wt.%、P≦0.01wt.%、S≦0.02wt.%、0.001wt.%≦sol.Al≦0.06wt.%、N≦0.01wt.%であり、板厚方向に、表面のSi濃度が板厚中心部のSi濃度よりも高くなるようなSiの濃度勾配を有し、Siの濃度勾配を有し、Siの平均含有量をA(wt.%)とする時、Si濃度の最大と最小の差△Si(wt.%)が
7−1.43A≦△Si≦10−1.43A
の範囲にあり、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ鋼板表面粗さRmaxが12.0μm以下であることを特徴とする珪素鋼板を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
上述したように、鉄心材料として用いられる珪素鋼板は残留磁束密度が低いことが必要であるが、用途によっては、残留磁束密度が極めて低いこと、およびこれに組み合わせて飽和磁束密度、鉄損、透磁率、または重畳特性も優れたものとすることが必要である。
【0020】
このような低残留磁束密度材料として要求される特性の典型例を挙げると、1.低残留磁束密度特性、2.極低残留磁束密度特性、3.低残留磁束密度+高飽和磁束密度特性、4.低残留磁束密度特性+低鉄損特性、5.低残留磁束密度特性+高透磁率、6.低残留磁束密度特性+重畳特性となる。これらのうち、1は突入電流規制のあるトランス 、2、3は突入電流規制の厳しいトランスやモータ、4は突入電流規制のある比較的大型のトランス、5は変成器(CT)、6はリアクトルの用途に主に要求される。
【0021】
低残留磁束密度は、上述したように板厚方向に、表面のSi濃度が板厚中心部のSi濃度よりも高くなるようなSiの濃度勾配を形成することで達成することができ、具体的にはSi濃度の最高と最低の差を0.5wt.%以上、好ましくは0.7wt.%以上とする。また、平均Si濃度が7wt.%を超えると材料が脆くなるため7wt.%を上限とする。
【0022】
極低残留磁束密度を達成するためにはSiの濃度差を大きくする必要があり、残留磁束密度を0.3T以下とするためには、Si濃度の最大と最小の差を5.5wt.%以上とすることが必要である。
【0023】
低残留磁束密度でかつ飽和磁束密度を大きくするには平均のSi含有量を低くする必要があり、Si濃度差を0.5wt.%以上とし、かつ平均のSi濃度を3.5wt.%以下とすればよい。
【0024】
低残留磁束密度でかつ低鉄損とするには、極端な低残留磁束密化を避けることが必要であり、Si濃度差を0.5〜5.5wt.%とし、かつ平均のSi含有量を7wt.%以下とすればよい。
【0025】
低残留磁束密度でかつ高透磁率とするには、さらに極瑞な低残留磁束密化をさける必要があり、Si濃度差を0.5〜3.0wt.%とし、かつ平均のSi含有量を7wt.%以下とすればよい。
【0026】
低残留磁束密度でかつ優れた重畳特性を得るには、表層のSi濃度を高く保ったままSi濃度勾配を形成することが有効である。これを実現するためには平均Si濃度が低下した場合にSi濃度差を大きくすることが必要である。具体的にはSiの平均含有量をA(wt.%)とする時、Si濃度の最大と最小の差△Si(wt.%)が以下の(1)式の範囲にあればよい。
7−1.43A≦△Si≦10−1.43A ……(1)
【0027】
なお、Si濃度勾配および平均Si濃度を適宜設定することにより、飽和磁束密度特性、低鉄損特性、高透磁率特性および重畳特性の2つ以上を優れたものにすることも可能である。
【0028】
以上で実用的な磁気特性を有する鋼板が実現可能であるが、上述したように、本発明では、これらの特性に加え、プレス加工特性のうち特に金型寿命が長いという特性を得るものである。
【0029】
すなわち、上述のようにSi濃度勾配を持つ材料は、板厚中心部のSi濃度が低いため加工性すなわち加工のしやすさは向上するが、表面のSi濃度は依然高いため、金型の激しい磨耗を引き起こす。このような金型の摩耗を防止するために、本発明では鋼板の表面粗さを小さくする。具体的には、鋼板表面粗さRmaxが12.0μm以下であれば、金型寿命を大幅に延長することができ、あるいはバリ高さの増大を抑制することができる。
【0030】
平均Si濃度が4.1wt.%でSi濃度差が2.6wt.%で表面粗さRmaxが6.2μmの珪素鋼板と、平均Si濃度が4.0wt.%でSi濃度差が2.4wt.%で表面粗さRmaxが13μmの珪素鋼板を10mm角に打ち抜いた時のバリ高さの推移を図1に示す。なお、金型は超硬(G2)を用い、クリアランスは板厚の5%とし、潤滑剤は使用せず、200spmで試験した。この図から、表面粗さRmaxが13μmの珪素鋼板では打ち抜き回数が増加するにともなってバリ高さが著しく増大しているのに対し、表面粗さRmaxが6.2μmの珪素鋼板は打ち抜き回数が増加してもバリ高さがほとんど増大しないことがわかる。また、ほぼ同じSiプロファイルを持つ材料の表面粗さが金型寿命におよぼす影響を試験した結果を図2に示す。図2の縦軸は50万回打ち抜いた状態でのバリ高さである。また、試験条件は図1の場合と同じである。50万回打ち抜いた状態でのバリ高さは表面粗さが12μmを超えると急激に増大することがわかる。
【0031】
次に、Si以外の元素の限定理由について説明する。
Cは多量に含有されると磁気時効を引き起こすため、その上限を0.02wt.%とする。その下限は特に規定されないが、経済的に除去する観点からは0.001wt.%とすることが好ましい。
【0032】
Mnは多量に含有されると鋼板が脆くなるため、その上限を0.5wt.%とする。ただし、その含有量が低く過ぎると、熱延工程で破断や表面キズを誘発するため、その下限を0.05wt.%とする。
【0033】
Pは磁気特性から見ると好ましい元素であるが、多量に含有されると鋼板の加工性を劣化させるため、その上限を0.01wt.%とする。その下限は特に規定されないが、経済的に除去する観点からは0.001wt.%とすることが好ましい。
【0034】
Sは加工性を劣化させるため、その上限を0.02wt.%とする必要がある。その下限は特に規定されないが、経済的に除去する観点からは0.001wt.%とすることが好ましい。
【0035】
sol.A1は同じく加工性を害するため、その上限を0.06wt.%とする。一方、脱酸剤としての必要性からその下限を0.001wt.%とする。
【0036】
Nは多量に含有されると窒化物を形成して磁気特性を劣化させるため、その上限を0.01wt.%とする必要がある。その下限は特に規定されないが、現在の製鋼技術では0.0001wt.%が事実上の下限となる。
【0037】
本発明に係るSiの濃度勾配を有する珪素鋼板は種々の方法で製造することができ、その製造方法は限定されない。例えば、化学気相蒸着(CVD、浸珪処理)法、物理気相蒸着(PVD)法、クラッド技術、めっき技術によって製造することが可能である。
【0038】
例としてCVD法での製造方法を説明する。まず、例えば3wt.%珪素鋼の冷間圧延コイルを通常の鋼板製造プロセスで製造する。表面粗さは後工程のCVD処理における粗さの変化を考慮して冷間圧延で調整しておく。このコイルをCVD処理してSi濃度勾配を有する鋼板とする。すなわち、非酸化性雰囲気中で1100℃以上に加熱してSiCl4ガスと反応させ表面に高Si濃度のSi層を形成する。引き続き拡散処理を行い、Siを鋼板内部に必要量拡散させ、目的とする平均Si量およびSi濃度勾配を有する珪素鋼板を製造する。
【0039】
本発明では、残留磁束密度単独、および複合磁気特性として残留磁束密度と、もう一つの磁気特性について規定した。しかし、用途によってはさらに別の磁気特性が要求されることもある。本発明はそのような3以上の磁気特性の組み合わせも含まれる。例えば、平均Siが3.5〜7wt.%でSiの最大と最小との差を0.5〜3.0wt.%とすれば低残留磁束密度特性と低鉄損特性および高透磁率特性とを兼ね備えた珪素鋼板を得ることができる。他の組み合わせも同様である。
【0040】
なお、本発明において平均Siとは全板厚に対するSi濃度の平均値を意味し、例えば製品厚さのまま化学分析することにより得ることができる。また、Si濃度の最大と最小は、全板厚をEPMA分析して得られるSi濃度プロファイルから決定することができる。さらに、Si以外の元素の濃度は製品での濃度とする。さらにまた、残留磁束密度は、直流で1.2T励磁後の値である。
【0041】
【実施例】
表1に示す組成(Si以外は商品となった時点での組成。SiはCVD処理前の組成)の板厚0.05〜0.5mmで種々の表面粗さの鋼板を通常の鉄鋼製造プロセスで製造した。これをCVD処理して種々のSi平均濃度と濃度分布を持つ鋼板を得た。これらの鋼板の磁気特性を評価するとともに、EI24に打ち抜き、50万ショット後のバリ高さを比較した。これらの結果を表2ないし表7に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004269348
【0043】
【表2】
Figure 0004269348
【0044】
【表3】
Figure 0004269348
【0045】
【表4】
Figure 0004269348
【0046】
【表5】
Figure 0004269348
【0047】
【表6】
Figure 0004269348
【0048】
【表7】
Figure 0004269348
【0049】
これらの結果より、本発明の範囲内において優れた磁気特性およびプレス加工性を有することが確認された。すなわち、表2のNo.1,2は平均Si濃度が7wt.%以下、Si濃度差が0.5wt.%以上であり、残留磁束密度が低く、また表面粗さRmaxが12μm以下であるため、バリ高さが低い値となった。表3のNo.4,5のようにSi濃度差が5.5wt.%以上となると、残留磁束密度が0.1T以下の極めて低い値となった。表4のNo.6は平均Si濃度が3.5wt.%以下でSi濃度差が0.5wt.%以上であるため、残留磁束密度が低く、かつ飽和磁束密度が高く、また表面粗さRmaxが12μm以下であるため、バリ高さが低い値となった。表5のNo.9,10は、平均Si濃度が7wt.%以下、Si濃度差が0.5〜5.5wt.%を満たすため、残留磁束密度および鉄損の双方が低い値となり、また表面粗さRmaxが12μm以下であるため、バリ高さが低い値となった。表6のNo.12,13は、平均Si濃度が7wt.%以下、Si濃度差が0.5〜3.0wt.%を満たすため、残留磁束密度が低く、かつ最大比透磁率が高く、また表面粗さRmaxが12μm以下であるため、バリ高さが低い値となった。表7のNo.15,16は上記(1)式を満たすため、残留密度が低く、かつ重畳特性に優れており、また表面粗さRmaxが12μm以下であるため、バリ高さが低い値となった。なお、ここで重畳特性は200A/mの直流バイアス下で10kHz、0.1Tを重畳したときの鉄損で評価した。
【0050】
これに対し、本発明の範囲から外れる比較材は、所望の磁気特性が得られないか、または表面粗さが12μmを超えるためバリ高さが大きい値となった。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、残留磁束密度が低く、かつ金型寿命に代表されるプレス加工性に優れた珪素鋼板を得ることができる。また、低残留磁束密度と他の磁気特性との複合磁気特性に優れ、かつプレス加工性に優れた珪素鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板の表面粗さRmaxが6.2μmおよび13μmの場合における打抜数と金型のバリ高さとの関係を示す図。
【図2】鋼板の表面粗さRmaxと金型のバリ高さとの関係を示す図。

Claims (7)

  1. C≦0.02wt.%、0.05wt.%≦Mn≦0.5wt.%、P≦0.01wt.%、S≦0.02wt.%、0.001wt.%≦sol.Al≦0.06wt.%、N≦0.01wt.%であり、Siを平均7wt.%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚方向に、表面のSi濃度が板厚中心部のSi濃度よりも高くなるようなSiの濃度勾配を有し、Si濃度の最大と最小の差が0.5wt.%以上であり、鋼板表面粗さRmaxが12.0μm以下であることを特徴とする珪素鋼板。
  2. Si濃度の最大と最小の差が0.7wt.%以上であることを特徴とする請求項1に記載の珪素鋼板。
  3. C≦0.02wt.%、0.05wt.%≦Mn≦0.5wt.%、P≦0.01wt.%、S≦0.02wt.%、0.001wt.%≦sol.Al≦0.06wt.%、N≦0.01wt.%であり、Siを平均7wt.%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚方向に、表面のSi濃度が板厚中心部のSi濃度よりも高くなるようなSiの濃度勾配を有し、Si濃度の最大と最小の差が5.5wt.%以上であり、鋼板表面粗さRmaxが12.0μm以下であることを特徴とする珪素鋼板。
  4. C≦0.02wt.%、0.05wt.%≦Mn≦0.5wt.%、P≦0.01wt.%、S≦0.02wt.%、0.001wt.%≦sol.Al≦0.06wt.%、N≦0.01wt.%であり、Siを平均3.5wt.%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚方向に、表面のSi濃度が板厚中心部のSi濃度よりも高くなるようなSiの濃度勾配を有し、Si濃度の最大と最小の差が0.5wt.%以上であり、鋼板表面粗さRmaxが12.0μm以下であることを特徴とする珪素鋼板。
  5. C≦0.02wt.%、0.05wt.%≦Mn≦0.5wt.%、P≦0.01wt.%、S≦0.02wt.%、0.001wt.%≦sol.Al≦0.06wt.%、N≦0.01wt.%であり、Siを平均7wt.%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚方向に、表面のSi濃度が板厚中心部のSi濃度よりも高くなるようなSiの濃度勾配を有し、Si濃度の最大と最小の差が0.5〜5.5wt.%であり、鋼板表面粗さRmaxが12.0μm以下であることを特徴とする、残留磁束密度および鉄損が低くプレス加工性に優れた珪素鋼板。
  6. C≦0.02wt.%、0.05wt.%≦Mn≦0.5wt.%、P≦0.01wt.%、S≦0.02wt.%、0.001wt.%≦sol.Al≦0.06wt.%、N≦0.01wt.%であり、Siを平均7wt.%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、板厚方向に、表面のSi濃度が板厚中心部のSi濃度よりも高くなるようなSiの濃度勾配を有し、Si濃度の最大と最小の差が0.5〜3.0wt.%であり、鋼板表面粗さRmaxが12.0μm以下であることを特徴とする珪素鋼板。
  7. C≦0.02wt.%、0.05wt.%≦Mn≦0.5wt.%、P≦0.01wt.%、S≦0.02wt.%、0.001wt.%≦sol.Al≦0.06wt.%、N≦0.01wt.%であり、板厚方向に、表面のSi濃度が板厚中心部のSi濃度よりも高くなるようなSiの濃度勾配を有し、Siの濃度勾配を有し、Siの平均含有量をA(wt.%)とする時、Si濃度の最大と最小の差△Si(wt.%)が
    7−1.43A≦△Si≦10−1.43A
    の範囲にあり、残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ鋼板表面粗さRmaxが12.0μm以下であることを特徴とする珪素鋼板。
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