JP4269062B2 - ガスバリア層形成用塗料及び該塗料を用いて成るガスバリア性材料 - Google Patents

ガスバリア層形成用塗料及び該塗料を用いて成るガスバリア性材料 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスバリア層を形成し得る塗料及び該塗料から形成されるガスバリア性材料、詳しくはガスバリア層形成用塗料から形成されるガスバリア層がプラスチック基材上に積層されてなるガスバリア性積層体に関する。
より詳しくは、高湿度下における良好なガスバリア性を有しており、さらには優れた耐レトルト性を有し、かつ塩素原子を含有しない、食品包装材料用途などに好適なガスバリア性積層体、ガスバリア性樹脂組成物、それらに用いられるガスバリア層形成用塗料とその製造方法、前記積層体の製造方法、及び前記樹脂組成物または前記積層体から形成される包装材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から食品、化粧品、医療用品、農薬等を包装するための材料には内容物保護性が要求されてきた。
食品包装用材料は、内容物自体が多種多様であり、また流通形態も多様化している今日、特に高度な内容物保護性能が要求される。内容物保護性能のうち、酸素ガスバリア性が特に重要であり、低湿度下における酸素ガスバリア性はもちろん、高湿度下における酸素ガスバリア性、さらにはレトルト殺菌処理後においても高度な酸素ガスバリア性を呈することが要求される。
【0003】
これまで食品包装用材料には、ポリオレフィンフィルム、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等に塩化ビニリデン共重合体ラテックスをコートした積層体が多く用いられてきた。
塩化ビニリデンラテックスをコートしたこれら積層体は、高温での熱処理を行わなくても高湿度下における酸素ガスバリア性を有している。しかし、廃棄物処理の際の焼却時に、ポリ塩化ビニリデン中の塩素に起因する塩素ガスの発生並びに、ダイオキシンの発生の恐れを有しており、環境並びに人体に多大なる悪影響を与える原因となり得るという問題点を有している。
【0004】
塩素を有しない酸素ガスバリア性の材料として、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムが最も良く知られている。PVAフィルムは酸素ガスバリア性が乾燥状態では合成樹脂フィルム中で最も優れているという特徴を持っているが、その酸素ガスバリア性は、湿度依存性が大きく、高湿度条件下ではガスバリア性が大きく損なわれるという問題点を有している。また、PVAフィルムは、沸騰水中で容易に溶解してしまう。
澱粉等の糖類、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアクリルアミドからなるフィルムも、PVAの場合と同様に酸素ガスバリア性は乾燥状態では良好であるが、沸騰水中で容易に溶解してしまう。
【0005】
上記PVAフィルム等の問題点を解決するために、様々な検討がなされている。例えば、PVAフィルムと他の疎水性フィルムとの多層化、二軸延伸及び熱処理、エチレンとの共重合等が挙げられる。これらの方法を用いることで、高湿度下での酸素ガスバリア性は向上するが、その改良の程度は不十分である。
【0006】
また、PVAに架橋構造を導入することで、上記PVAフィルムの問題点を解決するための検討がなされている。しかし、一般的に架橋密度の増加と共に、PVAフィルムの酸素ガスバリア性の湿度依存性が小さくなると共に耐水性は向上するが、その反面PVAフィルムが本来有している乾燥条件下での酸素ガスバリア性が低下してしまい、満足なものとは言い難い。
【0007】
PVAや糖類等とポリ(メタ)アクリル酸との混合溶液からフィルムを形成し次いで熱処理することで、PVAや糖類等の水酸基とポリ(メタ)アクリル酸のカルボン酸とをエステル化反応させて架橋構造を形成させることにより、沸騰水にも不溶なフィルムであって、高湿度下において酸素ガスバリア性に優れるフィルムが得ることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、上記文献記載に提案される方法では、高度なガスバリア性を発現させるためには高温での加熱処理もしくは長時間の加熱処理が必要であり、製造時に多量のエネルギーを要するため環境への負荷が少なくない。
【0008】
【特許文献1】
特開平08−041218号公報
【0009】
また、高温で熱処理すると、バリア層を構成するPVA等の変色や分解の恐れが生じる他、バリア層を積層しているプラスチックフィルム等の基材に皺が生じるなどの変形が生じ、包装用材料として使用できなくなる。プラスチック基材の劣化を防ぐためには、高温加熱に十分耐え得るような特殊な耐熱性フィルムを基材とする必要があり、汎用性、経済性の点で難がある。
一方、熱処理温度が低いと、非常に長時間処理する必要があり、生産性が低下するという問題点が生じる。
【0010】
PVAや糖類等から形成されるバリア層をプラスチック基材上に積層してなる積層体のガスバリア性を向上することを目的として、無機層状化合物を利用することも提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照。)。
【0011】
【特許文献2】
特開平06−093133号公報
【特許文献3】
特開平07−041685号公報
【特許文献4】
特開平07−033909号公報
【0012】
特許文献2に開示される積層体は、PVAや糖類等の水酸基とポリ(メタ)アクリル酸のカルボン酸とをエステル化反応させて架橋構造を形成させるという特許文献1に記載される方法に比して、比較的低温でガスバリア層を形成し得る。しかし、そのバリア性能は無機層状化合物の形状・形態に依拠するものであり、バリア層の層形成機能を担ういわゆるバインダー成分であるPVAや糖類は架橋しているわけではない。従って、温水に浸漬しなければ高度なバリア性を呈するが、温水に浸漬した後のバリア性は著しく低下し、さらに沸騰水に浸漬したり沸騰水をかけたりするとバリア層が容易に溶解してしまい、もはやバリア性積層体としては機能しない。従って、ボイル処理やレトルト殺菌処理を必要とする用途には使用できない。
【0013】
そこで、PVAや糖類等と無機層状化合物とを含有する塗液をプラスチック基材上に塗工、乾燥し、バリア層を形成した後、得られた積層体をさらに加熱することによって、積層体を構成するバリア層の耐水性を向上する方策(特許文献3参照。)や、PVAや糖類用の架橋剤をさらに含有するコーティング剤をプラスチック基材上に塗布し、バリア層を形成することによって、積層体を構成するバリア層の耐水性を向上する方策(特許文献4参照。)が提案された。
これら文献に開示されるバリア層は、60℃×13時間、80℃×10分、又は95℃℃×50分程度の温水浸漬処理にはある程度耐え得るが、沸騰水処理やそれ以上のレトルト殺菌処理にはバインダー成分であるPVAや糖類が耐えられず、バリア層が容易に溶解してしまう。あるいは、沸騰水処理やそれ以上のレトルト殺菌処理にもバリア層が耐え得るようにするためには、極めて高温、長時間バリア層を加熱処理することが必要であり、環境負荷が大きいばかりではなく、生産性、汎用性、経済性の点で難がある。
また、バリア層とプラスチック基材との密着性も悪く、積層体から形成される包装袋が破袋したりするという問題も有している。
【0014】
そこで、プラスチック基材との密着性向上等を目的として、PVAや糖類等と無機層状化合物に、さらに水溶性または水分散性のアクリル系高分子を併用してなる組成物の利用が提案された(例えば、特許文献5参照。)。該文献に記載される組成物から形成されるバリア層は、ポリエステルフィルムとの密着性に優れる他、優れたガスバリア性を示す。
しかし、該特許文献5に記載される組成物から形成されるバリア層は、レトルト殺菌処理に耐え得るものではない。即ち、形成された積層体をレトルト殺菌処理するとバリア層が薄くなったり、白濁したり、あるいは高湿度下におけるガスバリア性が著しく悪化してしまい、バリア性積層体としては実用に供し得ない。よって、レトルト殺菌処理を必要とする用途には使用できない。
【0015】
【特許文献5】
特開平09−151264号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高湿度条件下での酸素ガスバリア性に優れ、生産性にも優れ、さらに環境にも優しく、しかも耐レトルト性を有する、バリア層に代表されるガスバリア性樹脂組成物や積層体等のガスバリア性材料を、従来よりも低温もしくは短時間の加熱処理で提供することにある。具体的には、高湿度条件下において、実用的なバリア性を有し、且つレトルト殺菌処理によってバリア層が溶解したり、薄くなったり、白濁・白化したりしないバリア層等を形成できるガスバリア層形成用塗料とその製造方法を提供すること、また、この塗料から得られるガスバリア性材料、すなわちガスバリア性樹脂組成物、ガスバリア性積層体及び前記樹脂組成物または前記積層体から形成される包装材、及び前記積層体の製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、糖類(A)の存在下に、N−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)を必須成分とするモノマー(B)を重合してなる複合樹脂組成物(C)中の糖類(A)に由来する水酸基とN−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)に由来するN−メチロール基等とのエーテル化反応を主として利用することにより、上記課題を克服し得ることを見出し、本発明を完成した。
即ち、第1の発明は、N−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)を必須成分とするモノマー(B)が糖類(A)の存在下に重合してなる複合樹脂組成物(C)を含有し、糖類(A)とモノマー(B)との合計100重量%中のN−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)由来の部分の量が3重量%以上であることを特徴とするガスバリア層形成用塗料に関する。
【0018】
第2の発明は、モノマー(B)が、(メタ)アクリルアミド(b2)を含む第1の発明に記載のガスバリア層形成用塗料に関し、
第3の発明は、モノマー(B)が、重合性二重結合を有するカルボン酸(b3)を含む第1の発明又は第2の発明に記載のガスバリア層形成用塗料に関し、
第4の発明は、複合樹脂組成物(C)の重合に供されたモノマー(B)の合計100重量%中に、重合性二重結合を有するカルボン酸(b3)が多くとも20重量%である第3の発明に記載のガスバリア層形成用塗料に関する。
【0019】
第5の発明は、100重量部の糖類(A)存在下に対して、3.1〜100重量部のモノマー(B)が重合してなる第1の発明ないし第4の発明いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料に関する。
【0020】
第6の発明は、複合樹脂組成物(C)中の糖類(A)に由来する水酸基とN−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)に由来するN−メチロール基とをエーテル化させるための酸性触媒(D)を含有する第1の発明ないし第5の発明いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料に関する。
第7の発明は、酸性である第1の発明ないし第6の発明いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料に関する。
第8の発明は、エーテル化させるための酸性触媒(D)が一価の酸であり、糖類(A)及びモノマー(B)の合計100gに対して、一価の酸を4〜80mmol含有する第6の発明又は第7の発明に記載のガスバリア層形成用塗料に関する。
【0021】
第9の発明は、糖類(A)が、デキストリンである第1の発明ないし第8の発明いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料に関する。
【0022】
第10の発明は、無機層状化合物(E)を含有する第1の発明ないし第9の発明いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料に関し、
第11の発明は、糖類(A)及びモノマー(B)の合計100重量部に対し、無機層状化合物(E)を多くとも100重量部含有する第10の発明に記載のガスバリア層形成用塗料に関する。
【0023】
第12の発明は、N−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)を必須成分とするモノマー(B)を糖類(A)の存在下に重合して複合樹脂組成物(C)を得る工程を含み、糖類(A)とモノマー(B)との合計100重量%中のN−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)由来の部分の量が3重量%以上であることを特徴とするガスバリア層形成用塗料の製造方法に関する。
【0024】
第13の発明は、第1の発明ないし第11の発明いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料から形成して成ることを特徴とするガスバリア性樹脂組成物に関する。
【0025】
第14の発明は、第1の発明ないし第11の発明いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料から形成されるガスバリア層が、プラスチック基材上に積層されていることを特徴とするガスバリア性積層体(1)に関する。
第15の発明は、ガスバリア層がプラスチック基材上に、アンダーコート層を介して積層されている第14の発明に記載のガスバリア性積層体(1)に関する。
第16の発明は、ガスバリア層の上に、オーバーコート層が積層されている第14の発明又は第15の発明に記載のガスバリア性積層体(1)に関する。
第17の発明は、アンダーコート層及びオーバーコート層の少なくともいずれか一方が、ポリウレタン系ポリマーを含有する第15の発明又は第16の発明に記載のガスバリア性積層体(1)に関する。
【0026】
第18の発明は、アンダーコート層及びオーバーコート層の少なくともいずれか一方が、2価以上の金属化合物を含有する第15の発明ないし第17の発明いずれかに記載のガスバリア性積層体(1)に関する。
第19の発明は、2価以上の金属化合物が、水酸基もしくはカルボキシル基と架橋し得る第18の発明に記載のガスバリア性積層体(1)に関する。
【0027】
第20の発明は、第14の発明ないし第19の発明いずれかに記載のガスバリア性積層体(1)中のガスバリア層が金属架橋構造を有することを特徴とするガスバリア性積層体(2)に関する。
【0028】
第21の発明は、第14の発明ないし第19の発明いずれかに記載のガスバリア性積層体(1)を、2価以上の金属化合物を含有する水で処理して該ガスバリア層に金属架橋構造を形成することを特徴とするガスバリア性積層体(2)の製造方法に関する。
第22の発明は、第18の発明又は第19の発明記載のガスバリア性積層体(1)を水で処理してガスバリア層に金属架橋構造を形成することを特徴とするガスバリア性積層体(2)の製造方法に関する。
【0029】
第23の発明は、第13の発明に記載のガスバリア性樹脂組成物から形成されるか、又は第14の発明ないし第20の発明いずれかに記載のガスバリア性積層体から形成されることを特徴とする包装材に関する。
【0030】
【発明の実施の形態】
[ガスバリア層形成用塗料]
まず、本発明のガスバリア層形成用塗料(以下、本発明の塗料と略すこともある。)について説明する。
<糖類(A)>
本発明のガスバリア層形成用塗料に用いられる糖類(A)について説明する。本発明では、糖類(A)(糖質類ともいう。)として、単糖類、オリゴ糖類、及び多糖類を使用し得る。これらの糖類のうちで酸素ガスバリア性の点から多糖類を使用することが特に好ましい。糖類には、糖アルコールや各種置換体・誘導体なども包含される。これらの糖類は、水酸基を有するものであって、水に溶解性のものが好ましい。
【0031】
多糖類としては、動物・植物・微生物界に存在する、貯蔵多糖(澱粉類など)、構造多糖(セルロースなど)、機能多糖(ヘパリンなど)等の天然多糖類、及びこれら天然多糖類の加水分解物ならびにそれらの加工処理生成物がある。
これら天然多糖類及びその加水分解生成物ならびにそれらの加工処理生成物の中でも、水に可溶なものが好ましい。また、水に可溶な天然多糖類及びその加水分解生成物ならびにそれらの加工処理生成物の中でも、その構成単糖がグルコースであるホモ多糖類がより好ましい。グルコースのホモ多糖類としては、例えば澱粉類、セルロース類、デキストリン、プルラン、水溶性のキチン類、キトサン類等がある。
【0032】
本発明では、前記天然多糖類及びその加水分解生成物ならびにそれらの加工処理生成物の代わりに、それらの糖アルコールを用いることができる。
ここでいう天然多糖類及びその加水分解生成物ならびにそれらの加工処理生成物の糖アルコールとは、それらの還元性末端のC1位のカルボニル基を還元してアルコールにしたものをいう。それ以外にも、本発明では、糖の分子鎖が環状につながったシクロデキストリン等の糖類も用いることができる。本発明で使用する多糖類は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】
<澱粉類>
澱粉類は、前記多糖類に包含されるが、本発明で使用し得る澱粉類について、以下により詳細に説明する。
本発明で使用し得る澱粉類としては、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、モチトウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉などの生澱粉(未変性澱粉)のほか、各種の加工澱粉がある。
加工澱粉としては、例えば、
(I) アルファー化澱粉、分離精製アミロース、分離精製アミロペクチン、湿熱処理澱粉などの物理的変性澱粉、
(II) 加水分解デキストリン、酵素分解デキストリン、アミロースなどの酵素変性澱粉、
(III) 酸処理澱粉、次亜塩素酸酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉などの化学分解変性澱粉、
(IV) エステル化澱粉(酢酸エステル化澱粉、こはく酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、りん酸エステル化澱粉、尿素りん酸エステル化澱粉、キサントゲン酸エステル化澱粉、アセト酢酸エステル化澱粉等)、エーテル化澱粉(アリルエーテル化澱粉、メチルエーテル化澱粉、カルボキシメチルエーテル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、ヒドロキシプロピルエーテル化澱粉等)、カチオン化澱粉(澱粉と2−ジエチルアミノエチルクロライドとの反応物、澱粉と2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドとの反応物等)、架橋澱粉(ホルムアルデヒド架橋澱粉、エピクロルヒドリン架橋澱粉、りん酸架橋澱粉、アクロレイン架橋澱粉等)などの化学変性澱粉等が挙げられる。
これらの澱粉類の中でも、水に可溶性の加工澱粉が好ましい。酸素ガスバリア性と、水溶液の経時での安定性の点から、特に酵素分解デキストリン及びそれらの化学変性物が好ましい。
【0034】
<モノマー(B)>
次にモノマー(B)について説明する。モノマー(B)は、後述する複合樹脂組成物(C)の形成に供されるものである。モノマー(B)は、N−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)(以下、NMAm(b1)ともいう。)を必須成分として含有するものである。
尚、本発明でいう(メタ)アクリルとは、メタクリルもしくはアクリルの略である。
【0035】
N−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)としては、まず、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミドが挙げられる。
この他、これらのN−メチロール基をアルキルアルコールでエーテル化してなるN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドもNMAm(b1)として使用することができる。アルキルアルコールとしては、n-、iso-、sec-、tert-等種々のアルキルアルコールを使用することができる。
N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−(メトキシメチル)メタクリルアミド、N−(メトキシメチル)アクリルアミド、N−(エトキシメチル)メタクリルアミド、N−(エトキシメチル)アクリルアミド、N−(プロポキシメチル)メタクリルアミド、N−(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)メタクリルアミド、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド等が挙げられる。また、N,N−ジ(メトキシメチル)メタクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド等も挙げられる。
【0036】
モノマー(B)には、NMAm(b1)の他に、(メタ)アクリルアミド(b2)(以下、AAm(b2)ともいう。)、重合性二重結合を有するカルボン酸(b3)(以下、COOHモノマー(b3)ともいう。)、及び(b1)〜(b3)以外のモノマー(以下、b4ともいう。)を適宜使用することができる。
モノマー(B)にはAAm(b2)、COOHモノマー(b3)を含むのが好ましく、
AAm(b2)としては、メタクリルアミド、アクリルアミド等が挙げられ、
COOHモノマー(b3)としては、メタクリル酸、アクリル酸等が挙げられる。
(b1)〜(b3)以外のモノマー(b4)としては、水酸基やアミノ基等を有しないアルキル(メタ)アクリレート、水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート、アミノ基を有するアルキル(メタ)アクリレート、エポキシ基を有するアルキル(メタ)アクリレート、芳香族系ビニルモノマー等が挙げられる。
【0037】
(b4)のうち、水酸基やアミノ基等を有しないアルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、iso-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0038】
水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が、アミノ基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0039】
エポキシ基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等が、
芳香族系ビニルモノマーとしては、スチレン等がそれぞれ挙げられる。
【0040】
後述する複合樹脂組成物(C)中モノマー(B)のNMAm由来のN−メチロール基もしくはN−メチロール基がエーテル化されたN−アルコキシメチル基は、上記糖類(A)中の水酸基と後述するように脱水縮合もしくは脱アルコール縮合により、エーテル結合を形成し、バリア層に架橋構造を導入する機能を担う。また、N−メチロール基もしくはN−アルコキシメチル基自体の自己縮合によっても、バリア層に架橋構造を導入する機能を担う。糖類(A)もモノマー(B)を重合して成るポリマーも、いずれもそれぞれ単独では水溶性ないし水分散性であるが、複合樹脂組成物(C)を用いてバリア層に架橋構造を導入することができる。これによって、レトルト殺菌処理した後もバリア層が溶けたり、白濁したりする等が生じることもなく、優れた水準のバリア性が維持できる。
【0041】
複合樹脂組成物(C)は、NMAm(b1)を重合成分としてモノマー(B)に含み、糖類(A)の存在下にこのモノマー(B)を重合する以外は特に制限はなく、例えば、以下の重合成分の組み合わせのモノマー(B1)〜(B8)をモノマー(B)として使用することができる。
モノマー(B1):NMAm(b1)/AAm(b2)/COOHモノマー(b3)、
モノマー(B2):NMAm(b1)/AAm(b2)、
モノマー(B3):NMAm(b1)/COOHモノマー(b3)、
モノマー(B4):NMAm(b1)のみ、
モノマー(B5):NMAm(b1)/AAm(b2)/COOHモノマー(b3)/他のモノマー(b4)、
モノマー(B6):NMAm(b1)/AAm(b2)/他のモノマー(b4)、
モノマー(B7):NMAm(b1)/COOHモノマー(b3)/他のモノマー(b4)、
モノマー(B8):NMAm(b1)/他のモノマー(b4)、
等を適宜使用することができ、NMAm(b1)とAAm(b2)とを必須成分として成るモノマー、即ちモノマー(B1)、(B2)、(B5)、(B6)を重合に使用することが好ましく、モノマー(B1)、(B2)を使用することがより好ましい。
また、例えば、モノマー(B1)に含まれる各重合成分は、置換基や分子量等の相互に相違する複数の重合成分を併用することもできる。
【0042】
塗料が硬化してなるバリア層、及び該バリア層とプラスチック基材とが積層されているバリア性積層体のガスバリア性能、即ち酸素ガス透過量は、バリア層を形成する高分子成分の水素結合量に大きく依存する。本発明で使用する糖類(A)は、一般に高水素結合性樹脂と称される成分の1種である。レトルトの前後いずれの場合にも高湿度下において、高度なガスバリア性を達成するためには、糖類(A)に由来する高水素結合性を極力損なわずに、如何にしてバリア層に耐レトルト性を付与し得るかが重要である。
従って、複合樹脂組成物(C)の形成に供される糖類(A)以外の成分、即ちモノマー(B)には、(1)水素結合性に富むこと、(2)架橋し得ること、の2つが大きく要求される。この2つの要求に応え得る点で、モノマー(B1)、(B2)が好ましい。
即ち、NMAm(b1)は、架橋性成分であると共に高水素結合性成分であり、AAm(b2)は高水素結合性の点でNMAm(b1)よりも優れるからである。
【0043】
塗膜を形成する際により密な架橋構造を形成し得るという点では、NMAm(b1)のみをモノマー(B4)として重合させることが好ましい。ただし、NMAm(b1)のみを糖類(A)の存在下に重合して成る複合樹脂組成物(C)は、塗膜にした際、複合樹脂組成物に含まれる糖類(A)やグラフト化物との反応性に富むので架橋反応が速すぎて硬化歪みが生じ易い。
従って、NMAm(b1)のみをモノマー(B4)として用いて複合樹脂組成物(C)を得るよりも、硬化歪み緩和の観点から複合樹脂組成物(C)を形成する際にはモノマー(B1)〜(B3)、(B5)〜(B8)を用いることが好ましく、高水素結合性の点でNMAm(b1)とAAm(b2)とを必須成分として含有するモノマー(B1)、(B2)、(B5)、(B6)を使用することがより好ましく、高水素結合性を損なうモノマーを含有しないモノマー(B1)、(B2)を使用することがさらに好ましい。
さらに、後述するように一旦形成したバリア性積層体(1)に金属架橋構造を形成し、レトルト後のバリア性能を事後的にさらに向上し得るという点で、モノマー(B1)を使用することが特に好ましい。例えば、モノマー(B1)、(B2)をそれぞれ用いて成る複合樹脂組成物(C)2種類を併用することもできる。
【0044】
モノマー(B1)〜(B3)、(B5)〜(B8)中には、NMAm(b1)を10重量%以上含有することが好ましく、20重量%以上含有することがより好ましく、30重量%以上含有することがさらに好ましく、40重量%以上含有することが特に好ましい。
モノマー(B1)、(B2)、(B5)、(B6)の場合、モノマー(B)全体を100重量%とした場合に、NMAm(b1)とAAm(b2)との合計が、50重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましく、70重量%以上であることがさらに好ましく、80重量%以上であることが特に好ましく、90重量%以上であることが最も好ましい。
さらにモノマー(B1)、(B2)、(B5)、(B6)の場合、NMAm(b1)とAAm(b2)との割合は、NMAm(b1)/AAm(b2)=10〜90/10〜90(重量比)であることが好ましく、20〜80/20〜80(重量比)であることがより好ましく、30〜70/30〜70(重量比)であることがさらに好ましく、40〜60/40〜60(重量比)であることが特に好ましく、ほぼ当量であることが最も好ましい。
【0045】
より具体的には、モノマー(B1)の場合、NMAm(b1)/AAm(b2)/COOHモノマー(b3)=20〜80/20〜80/0〜20(重量%)であることが好ましく、30〜60/30〜60/0.1〜20(重量%)であることがより好ましく、40〜60/30〜55/0.5〜10(重量%)であることがさらに好ましい。
すなわち、一般に、複合樹脂組成物(C)の重合に供されるモノマー(B)の合計100重量%中にはCOOHモノマー(b3)が多くとも20重量%含まれるのが好ましい。
また、モノマー(B2)の場合は、NMAm(b1)/AAm(b2)=20〜80/20〜80(重量%)であることが好ましく、30〜70/30〜70(重量%)であることがより好ましく、40〜60/40〜60(重量%)であることがさらに好ましい。
【0046】
<複合樹脂組成物(C)>
次に本発明のガスバリア層形成用塗料に用いられる複合樹脂組成物(C)について説明する。
複合樹脂組成物(C)は、NMAm(b1)を必須成分とするモノマー(B)を糖類(A)の存在下に重合してなるものであり、例えば、糖類(A)と、モノマー(B)を重合して成るポリマーと、糖類(A)にモノマー(B)をグラフト重合してなるグラフト化糖類とが、混然一体に混ざり合った状態にあると考えられる。
グラフト化糖類の構造、グラフト率、グラフトしているモノマー種、糖類(A)とポリマーとグラフト化糖類との割合等不明なことも多いが、糖類(A)の非存在下にモノマー(B)を重合して成るポリマーを糖類(A)と混合してなる塗料よりも、糖類(A)の存在下にモノマー(B)を重合してなる複合樹脂組成物(C)を含有する塗料の方が、より低い温度またはより短い時間の加熱処理で十分な耐水(耐熱水)性を発現することができ、また塗液中での糖類の凝集を起こしにくく、透明性に優れる傾向にある。
尚、糖類(A)の存在下に上記モノマー(B1)〜(B8)それぞれを重合して成る複合樹脂組成物(以下、それぞれ(C)〜(C)ともいう。)を複数種含有して塗料を得ることもできる。例えば、モノマー(B1)を重合して成る複合樹脂組成物(C)と、モノマー(B2)を重合して成る複合樹脂組成物(C)とを併用することもできる。さらに、例えば、組成比の異なるモノマー(B1)をそれぞれ重合したり、モノマー組成が同じ場合に、重合開始剤量、種類を変えることによって、分子量やグラフト化率等の相違する複合樹脂組成物を得、複数の複合樹脂組成物を併用して塗料を得ることもできる。
【0047】
なお、複合樹脂組成物(C)には、一般に、上記のような単量体や各種(共)重合体が含まれ、本発明の「NMAm(b1)由来の部分」とは、例えば、複合樹脂組成物(C)にモノマー(B)としてN−メチロールアクリルアミド9重量部およびアクリルアミド21重量部を使用した場合には、モノマー(B)中の9/(9+21)重量%であるN−メチロールアクリルアミド成分、と言い替えることができる。
そして、本発明にいう「糖類(A)とモノマー(B)との合計100重量%中のNMAm(b1)由来の部分の量(重量%)」は、下式(1)から求めることができる。
[複合樹脂組成物(C)中の、NMAm(b1)成分の総重量]
×100/[糖類(A)+モノマー(B)]の重量 … 式(1)
なお、複合樹脂組成物(C)には、[糖類(A)+モノマー(B)]の他、一般に、重合開始剤、反応溶媒または分散溶媒が適宜使用される。
例えば、糖類(A)としてデキストリン100重量部、モノマー(B)としてN−メチロールアクリルアミド9重量部、アクリルアミド21重量部、重合開始剤0.7重量部から重合反応させて得られた複合樹脂組成物(C)の場合、上記の式(1)から6.92(重量%)となる。
【0048】
本発明のガスバリア層形成用塗料の製造方法は、上述したNMAm(b1)を必須成分とするモノマー(B)を糖類(A)の存在下に重合して複合樹脂組成物(C)を得る工程を含み、糖類(A)とモノマー(B)との合計100重量%中のNMAm(b1)由来の部分の量が3重量%以上である。
複合樹脂組成物(C)を得るには、溶液重合、塊重合の他、乳化剤及び水溶性の重合開始剤を用いる乳化重合、乳化剤及び非水溶性の重合開始剤を用いる懸濁重合、乳化剤を用いないソープフリー重合、分散重合等種々の方法で得ることができる。
溶液重合の場合、溶媒としては水、有機溶剤等を適宜使用することができ、水を溶媒とする水溶液中で重合することが好ましい。有機溶剤中で重合し、その後媒体を水に置換し、水性分散体の状態で複合樹脂組成物(C)を得ることもできる。
尚、COOHモノマー(b3)を使用する場合、グラフト重合や共重合と並行してNMAm(b1)の自己縮合反応が生じやすい。NMAm(b1)の自己縮合を抑制しつつ、グラフト重合や共重合を進行するために、COOHモノマー(b3)を塩基性化合物で予め中和してから、重合に供することが好ましい。中和に使用される塩基性化合物としては、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンのようなジアルキルアルカノールアミン、アンモニア等の揮発性塩基化合物の他、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。
【0049】
重合の際に用いられる重合開始剤としては、過硫酸化物系、過酸化物系、アゾビス系のものとがある。過酸化物系の重合開始剤を用いるとモノマー(B)の重合よりも、糖類(A)に対するグラフトの割合が多くなる。
重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸化物系、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート等の過酸化物系、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等のアゾビス系の重合開始剤等が挙げられる。
【0050】
本発明のガスバリア層形成用塗料は、糖類(A)とモノマー(B)との合計100重量%中にNMAm(b1)由来の部分の量が3重量%以上となるように、糖類(A)の存在下にモノマー(B)を重合することが重要であり、5重量%以上であることが好ましく、7重量%以上であることがより好ましく、9重量%以上であることがさらに好ましく、11重量%以上であることが特に好ましい。また、NMAm(b1)由来の部分は、50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、30重量%以下であることがさらに好ましく、20重量%以下であることが特に好ましい。
【0051】
NMAm(b1)由来の部分が3重量%よりも少ないと、複合樹脂組成物(C)中に存在する糖類(A)もしくは糖類(A)に由来する水酸基と反応し得る官能基が少なすぎて、バリア層中に十分な架橋構造を形成し得ない。その結果、レトルト殺菌処理前において高湿度下のガスバリア性が悪いばかりでなく、バリア層が溶解したり、白濁したりする。従って、糖類(A)とモノマー(B)との合計100重量%中にNMAm(b1)由来の部分は、3重量%以上であることが極めて重要である。
他方、NMAm(b1)由来の部分が50重量%よりも多いと、架橋反応性に富むので硬化歪みが生じやすい。
【0052】
例えば、糖類(A)100重量部の存在下にモノマー(B)を3.1〜100重量部重合することが好ましく、10〜90重量部重合することがより好ましく、15〜70重量部重合することがさらに好ましく、20〜60重量部重合することが特に好ましい。
より具体的には、モノマー(B)としてモノマー(B1)を用いる場合、糖類(A)100重量部の存在下にNMAm(b1)/AAm(b2)/COOHモノマー(b3)を20〜80/20〜80/0〜20重量部重合してなることが好ましく、30〜60/30〜60/0.1〜20重量部重合してなることがより好ましく、40〜60/30〜55/0.5〜10重量部重合してなることが特に好ましい。
そしてこの場合、糖類(A)100重量部の存在下にモノマー(B1)を3.1〜100重量部配合することが好ましく、10〜90重量部配合することがより好ましく、15〜70重量部配合することがさらに好ましく、20〜60重量部配合することが特に好ましい。
また、モノマー(B)としてモノマー(B2)を用いる場合、糖類(A)100重量部の存在下にNMAm(b1)/AAm(b2)を20〜80/20〜80重量部重合してなることが好ましく、30〜70/30〜70重量部重合してなることがより好ましく、40〜60/40〜60重量部重合してなることが特に好ましい。
そしてこの場合、糖類(A)100重量部の存在下にモノマー(B2)を3.1〜95重量部配合することが好ましく、10〜85重量部配合することがより好ましく、15〜75重量部配合することがさらに好ましく、20〜55重量部配合することが特に好ましい。
【0053】
本発明のガスバリア層形成用塗料は、複合樹脂組成物(C)中の、糖類(A)あるいはグラフト化糖類中の糖類(A)由来の水酸基とNMAm(b1)由来のN−メチロール基等とをエーテル化させるための酸性触媒(D)を含有することが好ましい。酸性触媒(D)は、糖類(A)中もしくは糖類(A)由来の水酸基と、NMAm(b1)由来のN−メチロール基等とをエーテル化させ、バリア層に架橋構造を形成する機能を担うだけでなく、複合樹脂組成物(C)中のNMAm由来の部分の自己縮合をも生起させる。
【0054】
また、酸性触媒(D)を含有する塗料は酸性であることが好ましく、具体的にはpHが6以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましい。塗料が酸性でないと、水酸基とNMAm(b1)由来のN−メチロール基等とのエーテル化反応や、NMAm(b1)由来のN−メチロール基等の自己縮合が生じにくくなる傾向がある。尚、架橋という観点からは好ましいpHに特に下限はないが、塗料の安定性という観点からはpHが1以上であることが好ましい。
【0055】
本発明で用いられる酸性触媒(D)としては、一価の酸、または二価以上の酸等が挙げられ、一価の酸が好ましい。
一価の酸としては、酢酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、安息香酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸等が挙げられ、塩酸、パラトルエンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸が好ましい。これら一価の酸は、糖類(A)及びモノマー(B)の合計100gに対して4〜80mmol用いることが好ましく、6〜60mmol用いることがより好ましく、8〜50mmol用いることがさらに好ましい。
二価以上の酸としては、硫酸、亜硫酸、燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸、ピロ燐酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、ポリカルボン酸等が挙げられ硫酸が好ましい。これら二価以上の酸は、酸の価数をn価とすると、糖類(A)及びモノマー(B)の合計100gに対して酸を4/n〜80/nmmol用いることが好ましく、6/n〜60/nmmol用いることがより好ましく、8/n〜50/nmmol用いることがさらに好ましい。
【0056】
本発明の塗料は、さらに無機層状化合物(E)を含有することが好ましい。本発明における無機層状化合物(E)は、極薄の単位結晶層が重なって一つの層状粒子を形成している無機化合物のことであり、溶媒に膨潤・へき開するものが好ましい。これらの中でも特に溶媒への膨潤性を持つ粘土化合物が好ましく用いられる。
溶媒への膨潤性を持つ粘土化合物とは、極薄の単位結晶層間に水を配位、吸収・膨潤する性質を持つ粘土化合物であり、一般にはSi4+がO2−に対して配位し4面体構造を構成する層と、Al3+、Mg2+、Fe2+、Fe3+等がO2−およびOHに対して配位し8面体構造を構成する層とが1対1あるいは2対1で結合し積み重なって層状構造を構成しており、天然のものであっても合成されたものでも良い。
代表的なものとしては、カオリナイト、ハロイサイト、モンモリロナイト、バーキュライト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、パイロフィライト、ヘクトライト、バイデライト、マーガライト、タルク、テトラシリリックマイカ、白雲母、金雲母、緑泥石等が挙げられ、モンモリロナイトが好ましい。層状化合物の大きさとしては、平均粒径5μm以下、厚さ500nm以下が好ましい。
【0057】
これら無機層状化合物(E)を含有させる場合には、糖類(A)及びモノマー(B)の合計100重量部に対して、多くとも100重量部であることが好ましく、5〜70重量部であることがより好ましく、10〜40重量部であることがさらに好ましい。
ガスバリア性という観点からは、無機層状化合物(E)の含有量は多い方が好ましい。しかし、無機層状化合物(E)を含有する塗料は、高粘度化しやすいので塗装性を損ないやすい。さらに無機層状化合物(E)の含有量が多いと、形成されるガスバリア層やガスバリア性積層体の透明性が低下する。そこで、これらの観点から無機層状化合物(E)は、糖類(A)及びモノマー(B)の合計100重量部に対して、多くとも100重量部であることが好ましい。
【0058】
無機層状化合物(E)は、複合樹脂組成物(C)に直接混合することもできるが、混合する前に予め塗料の液状媒体に膨潤、分散しておくことが好ましい。膨潤、分散用の液状媒体としては、特に限定されないが、例えば天然の膨潤性粘土鉱物の場合、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン等が挙げられ、水やメタノール等のアルコール類がより好ましい。
【0059】
本発明の塗料は、本発明の目的、効果を損なわない範囲で、複合樹脂組成物(C)、エーテル化用酸性触媒(D)及び無機層状化合物(E)以外に各種添加剤や種々のポリマー類等も適宜含有することができる。
添加剤としては、例えば酸化防止剤、着色剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、防腐剤等が挙げられる。その他のポリマーとしては、例えばCOOHモノマー(b3)を必須成分とし、NMAm(b1)を含有しないモノマーを重合してなるもの等が挙げられる。
【0060】
本発明のガスバリア層形成用塗料の製造方法は、上述したNMAm(b1)を必須成分とするモノマー(B)を糖類(A)の存在下に重合して複合樹脂組成物(C)を得る工程を含むことを特徴とする。本発明の塗料は、種々の方法で得ることができ、例えば以下のようにして得ることができる。
複合樹脂組成物(C)及び必要に応じて用いられる無機層状化合物(E)の溶液もしくは分散体をそれぞれ得ておき、
(イ)溶液もしくは分散体を一気に混合する。
(ロ)複合樹脂組成物(C)の溶液もしくは分散体に、無機層状化合物(E)の溶液もしくは分散体をさらに加える。
(ハ)複合樹脂組成物(C)の溶液もしくは分散体を、無機層状化合物(E)の溶液もしくは分散体に加える。
上記方法による混合時に加熱操作を行って良い。また、複合樹脂組成物(C)及び必要に応じて用いられる無機層状化合物(E)を混合後再度機械的な分散を実施しても良い。
尚、酸性触媒(D)は、上記したように糖類(A)由来の水酸基とNMAm(b1)由来のN−メチロール基等との反応を生起させるものなので、塗料の保存安定性(粘度)を考慮すると、プラスチック基材に塗布する直前に他の成分と混合することが好ましい。
【0061】
また、塗料の固形分は、液状である塗料全体の2〜80重量%の範囲であることが好ましく、3〜70重量%の範囲であることより好ましい。あまりに希薄な塗料では、十分なガスバリア性を発現するのに必要な厚みの層をコートすることが困難となり、また加熱処理工程において溶剤を蒸発させるために多量の熱量を要するという問題を生じやすい。一方、塗料の濃度が高すぎると溶液粘度が高くなり過ぎ、混合、塗工時などにおける操作性の悪化を招く問題が生じる。
【0062】
[ガスバリア性樹脂組成物]
次にガスバリア性樹脂組成物について説明する。
ガスバリア性樹脂組成物は、フィルム状(シート状ともいう。)であると成形体であるとの形状を問わず、上述のガスバリア層形成用塗料を加熱することによって硬化して形成されて成るガスバリア性能を有するものである。フィルム状の場合、単層であると多層であるとを問わない。例えば、次に示すガスバリア性積層体(1)(2)のうちのガスバリア層が挙げられる。
【0063】
[ガスバリア性積層体(1)]
次にガスバリア性積層体(1)について説明する。
本発明のガスバリア性積層体の実施形態の例を図1の(a)〜(d)に断面模式図で示す。例えば図1の(a)に示すようにガスバリア性積層体(1)は、上述のガスバリア層形成用塗料から形成されるガスバリア層3が、プラスチック基材2上に積層されているガスバリア性積層体1である。
ここで用いられるプラスチック基材は、熱成形可能な熱可塑性樹脂から押出成形、射出成形、ブロー成形、延伸ブロー成形或いは絞り成形等の手段で製造された、フィルム状基材の他、ボトル、カップ、トレイ等の各種容器形状を呈する基材であってもよく、フィルム状であることが好ましい。
また、プラスチック基材は、単一の層から構成されるものであってもよいし、あるいは例えば同時溶融押出しや、その他のラミネーションによって複数の層から構成されるものであってもよい。
【0064】
プラスチック基材を構成する熱可塑性樹脂としては、オレフィン系共重合体、ポリエステル、ポリアミド、スチレン系共重合体、塩化ビニル系共重合体、アクリル系共重合体、ポリカーボネート等が挙げられ、オレフィン系共重合体、ポリエステル、ポリアミドが好ましい。
【0065】
オレフィン系共重合体としては、低−、中−或いは高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−共重合体、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が、
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンナフタレート等が、
ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、メタキシリレンアジパミド等のポリアミド;
スチレン系共重合体としては、ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等が、
塩化ビニル系共重合体としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が、
アクリル系共重合体としては、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート・エチルアクリレート共重合体等がそれぞれ挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合し使用しても良い。
【0066】
前記の溶融成形可能な熱可塑性樹脂には、所望に応じて顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、防腐剤などの添加剤の1種或いは2種類以上を樹脂100重量部当りに合計量として約0.001部乃至5.0部の範囲内で添加することもできる。
また、本発明のガスバリア性積層体(1)を用いて後述するように包装材を形成する場合、包装材としての強度を確保するために、ガスバリア性積層体(1)を構成するプラスチック基材として、各種補強材入りのものを使用することができる。即ち、例えば、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維、パルプ、コットン・リンター等の繊維補強材、或いはカーボンブラック、ホワイトカーボン等の粉末補強材、或いはガラスフレーク、アルミフレーク等のフレーク状補強材などの1種類或いは2種類以上を、前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として約2乃至150重量部の量で配合できる。更に増量の目的で、重質乃至軟質の炭酸カルシウム、雲母、滑石、カオリン、石膏、クレイ、硫酸バリウム、アルミナ粉、シリカ粉、炭酸マグネシウム等の1種類或いは2種類以上を前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として約5乃至100重量部の量でそれ自体公知の処方に従って配合しても何ら差支えない。
さらに、ガスバリア性の向上を目指して、鱗片状の無機微粉末、例えば水膨潤性雲母、クレイ等を前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として約5乃至100重量部の量でそれ自体公知の処方に従って配合しても何ら差支えない。例えば上述した無機層状化合物(E)を使用しても良い。
【0067】
ガスバリア層形成用塗料からガスバリア層を形成する際には、この塗料をプラスチック基材上に塗布後直ちに加熱処理を行い乾燥被膜の形成と加熱処理を同時に行っても良いし、又は塗布後ドライヤー等による熱風の吹き付けや赤外線照射等により水分等を蒸発させて乾燥被膜を形成させた後に、加熱処理を行っても良い。ガスバリア層の状態やガスバリア性等の物性に特に障害が生じない限り、工程の短縮化等を考慮すると、塗布後直ちに加熱処理を行うことが好ましい。
加熱処理方法としては特に限定されず、オーブン等の乾燥雰囲気下で加熱処理を行うことが一般的に考えられるが、例えば熱ロールと接触させて加熱処理を行っても良い。
プラスチック基材が塗料に対して濡れ性を有しないまたは少ない場合には、プラスチック基材の塗布すべき面をコロナ放電処理、オゾン処理、短波長紫外線照射処理、火焔処理等に賦して濡れ性を向上させるのが良い。
また、プラスチック基材への塗布を数回に分けて順次ガスバリア層を形成させることも、ピンホール等の欠陥を抑制することができ、好ましい。
【0068】
本発明のガスバリア性積層体(1)は、塗料から形成される層を加熱処理することによって高湿度下での良好な酸素ガスバリア性を発現する。これは、糖類(A)と複合樹脂組成物(C)の間にエーテル結合による架橋反応が起こるためと考えられる。加熱温度が高く、加熱時間が長いほど、緻密な架橋が進行するが、プラスチック基材に対するダメージを少なくし、かつ良好な高湿度条件下やレトルト条件下における酸素ガスバリア性を確保するには、塗料から形成される層を、110乃至180℃の加熱温度で5乃至600秒以内の加熱時間で処理するのが良く、5乃至180秒以内の加熱時間で処理するのがより好ましく、5乃至120秒以内の加熱時間で処理するのが特に好ましい。
【0069】
ガスバリア性積層体(1)を構成するバリア層の厚みは、使用する用途に応じて適宜決めることが出来るが、0.1μm〜20μmの厚みであることが好ましく、0.5μm〜10μmの厚みであるとより好ましく、1μm〜5μmの厚みであると特に好ましい。0.1μm未満の厚みでは十分なガスバリア性を発現する事が困難となり、一方20μmを超える厚みになると塗工等の生産工程において困難を生じやすく、加熱処理に要するエネルギー量も多くなりすぎる。
【0070】
本発明のガスバリア性積層体(1)1は、図1の(a)に示すようにガスバリア層形成用塗料から形成されるガスバリア層3をプラスチック基材2上に直に積層した構成とすることができる他、図1の(b)に示すようにガスバリア層3とプラスチック基材2との間にアンダーコート層(以下、UC層ともいう。)4を設けた構成、図1の(c)に示すようにガスバリア層3の上にオーバーコート層(以下、OC層ともいう。)5を設けた構成、さらに、図1の(d)に示すように該アンダーコート層4及びオーバーコート層5を設けた構成とすることもできる。
即ち、本発明のガスバリア性積層体(1)は、
基材/バリア層の2層構成(図1(a)参照)、
基材/UC層/バリア層の3層構成(図1(b)参照)、
基材/バリア層/OC層の3層構成(図1(c)参照)、
基材/UC層/バリア層/OC層の4層構成(図1(d)参照)のいずれであってもよく、密着性確保という観点から、特にガスバリア層3とプラスチック基材2との間にUC層4を設けて、ガスバリア層がプラスチック基材上にUC層を介して積層されている構成(図1(b)参照)とすることが好ましい。また、ガスバリア層3を保護するという点でガスバリア層の上にOC層5が積層されていることが好ましい。
【0071】
以下、UC層、OC層について説明する。
UC層、OC層は、それぞれ独立に、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系等種々のポリマーから形成され得る。特にOC層及びUC層の少なくとも一方に、ポリウレタン系ポリマーを含むのが好ましい。
【0072】
例えば、ウレタン系のUC層の場合、
(ニ) ポリエスエルポリオールやポリエーテルポリオール等のポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含有するUC層用組成物をプラスチック基材上に塗工、加熱し、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させてウレタン系のUC層を形成することができる。該UC層上に、前記ガスバリア層形成用塗料を塗工し、これを加熱すれば基材/UC層/バリア層の積層体(1)を得ることができる。
(ホ) UC層用組成物をプラスチック基材に塗工、乾燥し、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応が完了していない状態にあるUC層前駆体を得る。次に、該前駆体上に前記ガスバリア層形成用塗料を塗工し、加熱することによってUC層の形成とガスバリア層の形成とを一度に行って、基材/UC層/バリア層の積層体(1)を得ることもできる。
(ヘ) あるいは、UC層用組成物をプラスチック基材上に塗工後、加熱せずに前記ガスバリア層形成用塗料を塗工し、その後加熱することによってUC層の形成とガスバリア層の形成とを一度に行って、基材/UC層/バリア層の積層体(1)を得ることもできる。
UC層用組成物に含まれるポリイソシアネートが、ガスバリア層との界面領域において、糖類(A)由来の水酸基とも反応し、密着性向上に寄与する他、ガスバリア層の架橋を補助し、ガスバリア性の向上に効果があると考えられるので、(ホ)、(ヘ)の方法が好ましい。
また、後述するようにUC層中に2価以上の金属化合物を含有することが好ましく、該2価以上の金属化合物が、水酸基もしくはカルボキシル基と架橋しうることがさらにこのましい。この場合、バリア層中にUC層中の前記金属化合物が移行し易くなるという点で、(ホ)、(ヘ)の方法が好ましい。
【0073】
UC層の形成に供されるポリオール成分としては、ポリエステルポリオールが好ましい。ポリエステルポリオールとしては、多価カルボン酸もしくはそれらのジアルキルエステルまたはそれらの混合物と、グリコール類もしくはそれらの混合物とを反応させて得られるポリエステルポリオールなどが挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の脂肪族多価カルボン酸などが挙げられる。
グリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
【0074】
これらのポリエステルポリオールは、ガラス転移温度−50℃〜100℃のものが好ましく、−40℃〜90℃のものがより好ましく、−20℃〜80℃のものがさらに好ましい。また、これらのポリエステルポリオールの数平均分子量は1000〜10万のものが好ましく、3000〜5万のものがより好ましく、1万〜4万のものがさらに好ましい。
【0075】
UC層の形成に供されるポリイソシアネートとしては、
例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2´−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、3,3´−ジクロロ−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3´−ジメチル−4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、
上記ポリイソシアネート単量体から誘導されたイソシアヌレート、ビューレット、アロファネート等の多官能ポリイソシアネート化合物、あるいはトリメチロールプロパン、グリセリン等の3官能以上のポリオール化合物との反応により得られる末端イソシアネート基含有の多官能ポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。
【0076】
ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの重量比は10:90〜99:1のものが好ましく、30:70〜90:10のものがより好ましく、50:50〜85:15のものがさらに好ましい。
【0077】
UC層の膜厚は使用する用途に応じて適宜決めることが出来るが、0.1μm〜10μmの厚みであることが好ましく、0.1μm〜5μmの厚みであるとより好ましく、0.1μm〜1μmの厚みであることが特に好ましい。0.1μm未満の厚みでは接着性を発現する事が困難となり、一方10μmを超える厚みになると塗工等の生産工程において困難を生じやすくなる。
【0078】
UC層用組成物中のポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの濃度は適切な溶剤を用いて調節することができ、その濃度は両者を足して0.5〜80重量%の範囲であることが好ましく、1〜70重量%の範囲であることがより好ましい。溶液の濃度が低すぎると、必要な膜厚の塗膜を形成することが困難となり、また、乾燥時に余分な熱量を必要としてしまうので好ましくない。溶液の濃度が高すぎると溶液粘度が高くなりすぎて、混合、塗工時などにおける操作性の悪化を招く問題が生じる。
【0079】
UC層用組成物に使用できる溶剤としては、例えば、トルエン、MEK、シクロヘキサノン、ソルベッソ、イソホロン、キシレン、MIBK、酢酸エチル、酢酸ブチルがあげられるが、これらに限定されるものではない。
UC層には上記成分の他に、公知である硬化促進触媒、充填剤、軟化剤、老化防止剤、安定剤、接着促進剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、無機フィラー、粘着付与性樹脂、繊維類、顔料等の着色剤、可使用時間延長剤等を使用することもできる。
【0080】
OC層も種々の方法で形成することができる。例えば、
(ト) プラスチック基材もしくはUC層上にガスバリア層形成用塗料を塗工、加熱し、複合樹脂組成物(C)が架橋反応したガスバリア層を形成した後、該バリア層上にOC層用組成物を塗工し、加熱してOC層を形成する。
(チ) プラスチック基材もしくはUC層上にガスバリア層形成用塗料を塗工、乾燥し、複合樹脂組成物(C)がほとんど架橋反応してはいないフィルム状の組成物、即ちバリア層前駆体を得、次いで該バリア層前駆体上にOC層用組成物を塗工し、加熱して複合樹脂組成物(C)の架橋反応及びOC層の形成を同時に行う。
(リ) プラスチック基材もしくはUC層上にガスバリア層形成用塗料を塗工し、乾燥せずにOC層用組成物を塗工し、加熱して複合樹脂組成物(C)の架橋反応及びOC層の形成を同時に行う。
等の方法が挙げられる。
また、後述するようにOC層中に2価以上の金属化合物を含有するのが好ましく、前記2価以上の金属化合物が、水酸基もしくはカルボキシル基と架橋しうることがさらにこのましい。この場合、バリア層中にOC層中の前記金属化合物が移行し易くなるという点で、(チ)、(リ)の方法が好ましい。
OC層を形成するための組成物としては、UC層形成用組成物の場合に提示したものを同様に例示できる。
【0081】
基材上にUC層、バリア層、OC層を形成するには、各層を形成するための組成物を、ロールコーター方式、グラビア方式、グラビアオフセット方式、スプレー塗装方式、あるいはそれらを組み合わせた方式などにより、それぞれプラスチック基材上、UC層上、バリア層上に、所望の厚さにコーティングすることができるが、これらの方式に限定されるものではない。
【0082】
<ガスバリア性積層体(2)>
次にガスバリア性積層体(2)について説明する。
本発明において、ガスバリア性積層体(2)とは、前記ガスバリア性積層体(1)中のガスバリア層が金属架橋構造を有するものである。
本発明のガスバリア性積層体(1)のうち、−COOHを含む複合樹脂組成物(C)、即ち−COOHモノマー(b3)を含む複合樹脂組成物、例えば前述の(C)、(C)、(C)、(C)を含有するガスバリア層形成用塗料を用いてなるガスバリア性積層体(1)において、ガスバリア層に金属架橋構造を導入してガスバリア性積層体(2)とすることが、耐レトルト性の点で好ましい。
【0083】
ガスバリア層に金属架橋構造を導入する方法としては以下の方法が挙げられる。
(ヌ) ガスバリア性積層体(1)がUC層および/またはOC層を有する場合には、UC層およびOC層の少なくともいずれか一方に2価以上の金属化合物(以下、金属化合物と略すこともある。)を含有させ、この積層体を水で処理することによりこの2価以上の金属化合物をバリア層に移行させてバリア層中に金属架橋構造を形成する。
(ル) ガスバリア性積層体(1)を、2価以上の金属化合物を含有する水で処理することによって、2価以上の金属化合物をバリア層に移行させてバリア層中に金属架橋構造を形成する。
(ヲ) 2価以上の金属化合物を含有するガスバリア層形成用塗料を用いて、プラスチック基材上にバリア層を形成する。
(ヲ)の方法は塗料が高粘度化し塗装性を損なう場合があるので、(ヌ)、(ル)の方法が好ましい。UC層およびOC層の少なくともいずれかが2価以上の金属化合物を含有する場合に、さらに2価以上の金属化合物を含有する水で処理することもできる。
尚、ここで生じる架橋構造は、イオン結合、共有結合はもちろん配位的な結合であってもよい。
【0084】
上記(ヌ)の場合のUC層またはOC層中の2価以上の金属化合物や、上記(ル)の場合の水中の2価以上の金属化合物が、水の作用によってバリア層に移行し、該金属化合物がバリア層中の糖類(A)由来の水酸基や、複合樹脂組成物(C)がカルボキシル基を有する場合にはこのカルボキシル基と反応し、バリア層中に金属架橋構造を形成する。この金属架橋構造によって、耐レトルト性が向上する。特に複合樹脂組成物(C)がカルボキシル基を有する場合にこの効果が顕著である。
複合樹脂化合物(C)がカルボキシル基を有しなくても、耐レトルト性は十分にあるが、複合樹脂化合物(C)がカルボキシル基を有する場合は、レトルト前に比べてレトルト後の方が酸素透過度が小さくなるという特異な効果が発現するのである。
【0085】
プラスチック基材/ガスバリア層/OC層の場合、OC層に水が作用することによって、OC層中の金属化合物がガスバリア層に移行し、ガスバリア層中に金属化合物による架橋構造が形成される。
また、プラスチック基材/UC層/ガスバリア層の場合は、プラスチック基材やガスバリア層を通過した水がUC層に作用するものと考えられる。
尚、金属化合物は、ガスバリア層の厚さ方向に均一に移行し架橋するのに寄与することが好ましいが、濃度分布があってもかまわない。
【0086】
水が作用することによって、UC層、OC層中の金属化合物がガスバリア層に移行することが必要なので、金属化合物は水親和性に富むことが好ましい。水親和性、即ち水溶性であることが好ましい。
しかし、一般には水難溶性、水不溶性といわれるものであっても、水の作用条件を制御することによっても十分使用し得る。
【0087】
前記(ヌ)のようなUC層もしくはOC層の少なくともいずれか一層とガスバリア層とプラスチック基材とから構成されるガスバリア性積層体(1)を水で処理する方法としては、下記に示すような方法が種々挙げられる。
(1-1) ガスバリア性積層体(1)を水(湯)に浸漬する。
(1-2) ガスバリア性積層体(1)に水(湯)を霧状、シャワー状にして吹き付ける。
(1-3) ガスバリア性積層体(1)を高湿度下におく。
(1-4) ガスバリア性積層体(1)を水蒸気にさらす。
また、UC層、OC層中の金属化合物がガスバリア層に移行し易いように、UC層、OC層はガスバリア層に直に接していることが好ましい。しかし、水の浸透、作用を妨げない層を、UC層とガスバリア層との間、ガスバリア層とOC層との間に設けることもできる。
【0088】
次に、ガスバリア性積層体(1)を、2価以上の金属化合物を含有する水(以下、含有水という。)で処理することによって、2価以上の金属化合物をバリア層に移行させ、バリア層中に金属架橋構造を形成する方法について説明する。
(2-1) ガスバリア性積層体(1)を含有水(湯)に浸漬する。
(2-2) ガスバリア性積層体(1)に含有水(湯)を霧状、シャワー状にして吹き付ける。
(2-3) ガスバリア性積層体(1)を含有水の高湿度下におく。
(2-4) ガスバリア性積層体(1)を含有水の水蒸気にさらす。
この場合、ガスバリア性積層体(1)は、UC層もしくはOC層を有していてもいなくてもよい。
【0089】
(1-1)〜(1-4)、(2-1)〜(2-4)のいずれの方法も水や含有水がより作用し易いように、ガスバリア性積層体(1)を加熱したり、環境温度を高くしたり、加圧したり、減圧したりすることができる。
例えば(1-1)〜(1-2)、(2-1)〜(2-2)の方法の場合、処理に使用する水や含有水の温度は、50℃以上であることが好ましく、80℃以上であるとさらに好ましく、100℃以上であることが最も好ましい。また、処理時間は、1分以上であることが好ましく、10分以上であるとさらに好ましく、20分以上であることが最も好ましい。水の温度はより高く、処理時間はより長い方が好ましいが、生産性、経済性、省エネルギー等の観点から、温度は高くても140℃程度、時間は長くても1時間程度が現実的である。
【0090】
また、ガスバリア性積層体(1)から形成される、後述する包装材の1つである食品包装用の容器のうち、食品を容器に収容した後、加圧下に水蒸気でレトルト処理(殺菌処理)する場合には、このレトルト処理を利用して包装材を構成するガスバリア層の性能を向上することもできる。例えば、(1-1)〜(1-2)の場合、包装材を120℃で30分程度レトルト処理(殺菌処理)することによって、ガスバリア性が飛躍的に向上する。あるいは(2-1)〜(2-2)の場合、レトルト処理水中に金属化合物を含有しておき、包装材を120℃で30分程度、含有水でレトルト処理(殺菌処理)することによって、ガスバリア性が飛躍的に向上する。
【0091】
処理条件によっても異なるので一概には言えないが、複合樹脂組成物(C)が−COOHを有する場合、水で処理することによって、高湿度下における酸素透過度を処理前のレベルの1/3程度にまで小さくし、酸素ガスバリア性を向上することができる。
【0092】
UC層およびOC層の少なくとも一方、あるいは処理用の水に含有することができる2価以上の金属化合物は、水酸基もしくはカルボキシル基と架橋反応し得る金属化合物であることが好ましい。
2価以上の金属としては、Mg、Ca、Zn、Cu、Co、Fe、Ni、AlおよびZrが好ましく、Mg、Caがより好ましい。
このような金属化合物としては、例えば2価以上の金属のハロゲン化物、水酸化物、酸化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硫酸塩もしくは亜硫酸塩などが挙げられる。
これらは1種類を単独で使用することもできるし、各群内の2種以上を併用することもできるし、各群から選ばれる1種以上を併用することもできる。
例えばMgの場合は酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、Caの場合は塩化カルシウム、Zrの場合はジルコニウム錯塩、ハロゲン化ジルコニウム、無機酸のジルコニウム塩もしくは有機酸のジルコニウム塩等が挙げられる。
【0093】
UC層およびOC層の少なくともいずれか一方が2価以上の金属化合物を含有する場合に、UC層もしくはOC層形成用のポリマー成分100重量部に対して、上記金属化合物を0.2〜40重量部含有することが好ましく、0.3〜20重量部含有することがより好ましく、0.5〜10重量部含有することがさらに好ましい。
【0094】
[包装材]
次に本発明の包装材について説明する。
上記の本発明のガスバリア層形成用塗料から形成してなるガスバリア性樹脂組成物やガスバリア性積層体(1)、(2)から、各種包装材を得ることができる。
本発明でいう包装材とは、食品、医薬品、化粧品、農薬、電子材料等種々の内容物を包装し、収容するためのものであり、袋状、筒状、箱状等種々の形態で提供され得る。食品としては、菓子類、鰹節(削り節)、海苔、茶等のように乾燥状態にあるものの他、豆の水煮、カレールー、各種ソース、いわゆるレトルト食品等のように液状の成分を多く含む食品も挙げられる。
また、本発明の包装材から加工される袋の形状は任意に選択することができ、例えば、三方シールや四方シールの平袋、スタンディングパウチ、ガセット袋、ピロ袋等とすることができる。
例えば、ガスバリア性積層体(1)、(2)が、フィルム状である場合には、このフィルムから加工して袋状の包装材を形成することができる。例えばプラスチック基材が、容器の形状になっている場合には、該容器にガスバリア層形成用塗料を塗布し、バリア層を形成すれば、ガスバリア性積層体(1)、(2)である包装材を得ることができる。また、包装材に通常に使用される上記以外の各種素材を、必要に応じてガスバリア性積層体にさらに積層して包装材としても良い。
【0095】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0096】
<ガスバリア層塗膜厚> 触針式の膜厚計を用いて、各積層体のレトルト前後の厚み、プラスチック基材の厚み及びUC層の厚みをそれぞれ測り、ガスバリア層塗膜のレトルト前後の厚みを求めた。
<塗膜外観> 各積層体のレトルト前後の塗膜外観を目視にて判定した。白濁、白化等の外観不良が見られないものを塗膜外観良好と判定した。
<酸素透過度> Modern Control社製、酸素透過試験器OX−TRAN TWINを用い、25℃、80%RHにおけるレトルト前後の各積層体の酸素ガス透過度を求めた。具体的には、25℃、80%RHに加湿した酸素ガス及び窒素ガス(キャリアーガス)を用いた。
【0097】
[製造例1]
ポリエステル(バイロン(東洋紡績(株)登録商標)200、Mn=17000、ポリオール系、Tg=67℃)をトルエン/MEK混合溶媒に溶解したものにポリエステル100重量部に対して5重量部の酸化マグネシウム(和光純薬工業(株)製、酸化マグネシウム)をジルコニアビーズミルにて分散した。さらにポリエステル100重量部に対して67重量部のポリイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)製商品名、スミジュール N3300)を混合し、MEKにて調整し固形分約15重量%のポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)を得た。
【0098】
[製造例2]〜[製造例4]
製造例1においてポリエステル100重量部に対して、2価以上の金属化合物として、酸化マグネシウムを5重量部分散する代わりに、
硫酸マグネシウムを1重量部(製造例2)、
塩化カルシウムを1重量部(製造例3)をそれぞれ分散した以外は、製造例1と同様にしてポリエステルイソシアネート混合溶液(X2)〜(X3)を得た。また、製造例4は酸化マグネシウム(2価以上の金属化合物)を配合しなかった以外は製造例1と同様にして、ポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)を得た。
【0099】
[実施例1]
<ガスバリア層形成用塗料>
糖類(A)であるデキストリン(日澱化学(株)製商品名、アミコール No7H)の濃度40重量%の水溶液中で、デキストリン100重量部に対してモノマー(B)としてN−メチロールアクリルアミド9重量部及びアクリルアミド21重量部を、また重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いて、反応温度80℃で重合して複合樹脂組成物(C1)水溶液を得た。
この複合樹脂組成物(C1)水溶液に無機層状化合物(E)であるモンモリロナイト(クニミネ工業(株)製商品名、クニピア−F:4.5重量%水分散液)を、複合樹脂組成物(C1)中のデキストリン(A)とモノマー(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるように混合調製し、複合樹脂組成物(C1)とモンモリロナイト(E)の合計が10重量%の分散液(Y1)を得た。尚、分散液の溶媒は、水/イソプロピルアルコールが重量比で91/9と成るように調製した。
次いで、上記分散液(Y1)中の、デキストリン(A)とモノマー(B)(以下、(A)と(B)という。)とモンモリロナイト(E)との合計100重量部に対して5重量部の、(D)酸性触媒であるパラトルエンスルホン酸を混合し、さらに水で希釈し、(A)と(B)とモンモリロナイト(E)との合計が8重量%、pH4のガスバリア層形成用塗料を得た。
尚、表1に示すように、(A)と(B)100重量部中に、N−メチロールアクリルアミド(b1)由来の部分は6.92重量%であり、また、N−メチロール基の、ガスバリア層形成用塗料中の含有率(算出法は後述。)は3.15重量%である。
また、パラトルエンスルホン酸(以下、PTSともいう。)の量は、(A)と(B)100gに対して35.8mmolであり、これを、デキストリン(A)100重量部を基準として表現すると8.0重量部になる。
【0100】
<ガスバリア性積層体>
延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、上記製造例4で調製したポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)をバーコータNo.5を用いて塗工し、ガスオーブンにて80℃10秒乾燥し、UC層を形成した。
バーコータNo.40を用いて、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を塗工し、ガスオーブンにて80℃10秒乾燥後、ガスオーブンにて140℃30秒焼き付け、ガスバリア性積層体を形成した(図1(b)参照。)。
該ガスバリア性積層体を、120℃30分のレトルト処理を行い、レトルト前後の塗膜厚測定、レトルト前後の塗膜外観評価、レトルト前後の酸素ガス透過度を測定した。結果を表1に併記する。
【0101】
[実施例2]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対してN−メチロールアクリルアミド10重量部、アクリルアミド10重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.5重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C2)水溶液を得た。次いで、複合樹脂組成物(C2)中の(A)と(B)との合計120重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y2)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合してpH4のガスバリア層形成用塗料を得た。
以下、(A)と(B)との合計100重量部中のN−メチロールアクリルアミド(b1)由来の重量%、塗料中のN−メチロール基の含有率、(A)と(B)との合計100gに対するPTSのmmol量は、それぞれ同様に表1に併記する。
<ガスバリア性積層体>
実施例1と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)を用いてUC層を形成した。
次いで、実施例1と同様にしてこのUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0102】
[実施例3]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド15重量部、アクリルアミド15重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C3)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C3)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y3)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH4のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例1と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0103】
[実施例4]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド15重量部、アクリルアミド15重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C4)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C4)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが40重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y4)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH4のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例1と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0104】
[実施例5]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド21重量部、アクリルアミド9重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C5)水溶液を得た。次いで、複合樹脂組成物(C5)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y5)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH4のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例1と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0105】
[実施例6]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド30重量部、アクリルアミド30重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム1.4重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C6)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C6)中の(A)と(B)との合計160重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y6)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH4のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例1と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0106】
[実施例7]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド15重量部、アクリルアミド13.5重量部、アクリル酸(b3)1.5重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C7)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C7)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y7)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例1と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0107】
[実施例8]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド9重量部、アクリルアミド19.5重量部、アクリル酸1.5重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C8)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C8)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y8)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
ポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)の代わりに酸化マグネシウム入りの上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)を用いた以外は実施例1と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上にUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0108】
[実施例9]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド10重量部、アクリルアミド9重量部、アクリル酸1重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.5重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C9)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C9)中の(A)と(B)との合計120重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y9)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例8と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、酸化マグネシウム入りの上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0109】
[実施例10]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド15重量部、アクリルアミド13.5重量部、アクリル酸1.5重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C10)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C10)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y10)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例8、9と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、酸化マグネシウム入りの上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0110】
[実施例11〜12]
<ガスバリア層形成用塗料>
上記実施例10で得た分散体(Y10)を用い、実施例10と同様にしてpH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例8、9で用いた酸化マグネシウム入りのポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)の代わりに、実施例11では硫酸マグネシウム入りのポリエステルイソシアネート混合溶液(X2)を、実施例12では塩化カルシウム入りのポリエステルイソシアネート混合溶液(X3)をそれぞれ用いた以外は、実施例8、9と同様にして、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0111】
[実施例13]
<ガスバリア層形成用塗料>
上記実施例10で得た複合樹脂組成物(C10)を用い、複合樹脂組成物(C10)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが40重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y11)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例8、9と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、酸化マグネシウム入りの上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0112】
[実施例14]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド21重量部、アクリルアミド7.5重量部、アクリル酸1.5重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C11)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C11)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y12)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例8、9、13と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、酸化マグネシウム入りの上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0113】
[実施例15]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド30重量部、アクリルアミド27重量部、アクリル酸3重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム1.4重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C12)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C12)中の(A)と(B)との合計160重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y13)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例8、9、13と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、酸化マグネシウム入りの上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0114】
[比較例1]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド1重量部、アクリルアミド1重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.3重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C13)水溶液を得た。次いで、複合樹脂組成物(C13)中の(A)と(B)との合計102重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y14)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH4のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例1と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0115】
[比較例2]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド1.3重量部、アクリルアミド28.7重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C14)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C14)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y15)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH4のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例1と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0116】
[比較例3]
<ガスバリア層形成用塗料>
無機層状化合物(E)として実施例と同じモンモリロナイト(クニミネ工業(株)製商品名、クニピア−F:4.5重量%水分散液)を用い、モンモリロナイト30重量部(固形分)に対してデキストリン(日澱化学(株)製商品名、アミコール No 7H)が100重量部になるように混合し、その後90℃で1時間撹拌した後に室温に冷却した。
この分散液中のデキストリン100重量部に対して、メラミン系架橋剤((株)三和ケミカル製商品名、ニカラックMW−12LF、1核体/2核体=50/50、フルメチロール化物、N−メチロール基含有率:約70.4重量%)が10.1重量部になるように分散液とメラミン系架橋剤とを混合調製し、以下実施例1と同様にして分散液(Y16)を得た。
次いで、上記分散液(Y16)中のモンモリロナイト、デキストリン、メラミン系架橋剤ポリマー(C)の3成分の合計100重量部に対して、5重量部のパラトルエンスルホン酸を混合し、さらに水で希釈し、モンモリロナイト、デキストリン、ポリマー(C)の3成分の合計が8重量%、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例1と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0117】
[比較例4]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対してアクリルアミド30重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして複合樹脂組成物(C15)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C15)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y17)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH4のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例1と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0118】
[比較例5]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド1重量部、アクリルアミド0.9重量部、アクリル酸0.1重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.3重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C16)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C16)中の(A)と(B)との合計102重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y18)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例8、9、13と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、酸化マグネシウム入りの上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0119】
[比較例6]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、N−メチロールアクリルアミド1.3重量部、アクリルアミド27.2重量部、アクリル酸1.5重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C17)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C17)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y19)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例8、9、13と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、酸化マグネシウム入りの上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0120】
[比較例7]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、アクリルアミド28.5重量部、アクリル酸1.5重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C18)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C18)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y20)を得、さらに実施例1と同様にして(A)と(B)とモンモリロナイトの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例8、9、13と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、酸化マグネシウム入りの上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0121】
[比較例8]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、アクリルアミド28.5重量部、アクリル酸1.5重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C19)水溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C19)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部、メラミン系架橋剤((株)三和ケミカル製商品名、ニカラックMW−12LF、1核体/2核体=50/50、フルメチロール化物、N−メチロール基含有率:約70.4重量%)10.1重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y21)を得、さらに(A)と(B)とモンモリロナイトとメラミン架橋剤の合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例8、9、13と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、酸化マグネシウム入りの上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0122】
[比較例9]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対して、アクリルアミド15重量部、アクリル酸15重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C20)溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C20)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y22)を得、さらに(A)と(B)とモンモリロナイトとの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例8、9、13と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、酸化マグネシウム入りの上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0123】
[比較例10]
<ガスバリア層形成用塗料>
デキストリン100重量部に対しアクリル酸30重量部を、重合開始剤として過硫酸カリウム0.7重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、複合樹脂組成物(C21)溶液を得た。
次いで、複合樹脂組成物(C21)中の(A)と(B)との合計130重量部に対してモンモリロナイトが30重量部となるようにした以外は実施例1と同様にして分散液(Y23)を得、さらに(A)と(B)とモンモリロナイトとの合計100重量部に対してパラトルエンスルホン酸を5重量部混合し、pH3のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例8、9、13と同様にして、延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、酸化マグネシウム入りの上記ポリエステルイソシアネート混合溶液(X1)を用いてUC層を形成した。
次いで、このUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用いて、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0124】
[比較例11]
<ガスバリア層形成用塗料>
無機層状化合物(E)である実施例と同じモンモリロナイト(クニミネ工業(株)製商品名、クニピア−F:4.5重量%水分散液)を用い、モンモリロナイト30重量部(固形分)に対してデキストリン(日澱化学(株)製商品名、アミコール No 7H)が100重量部になるように両者を混合し、その後90℃で1時間撹拌した後に室温に冷却し、モンモリロナイト、デキストリンの2成分の合計が10重量%の分散液(Y24)を得た。尚、分散液の溶媒は、水/イソプロピルアルコールが重量比で91/9となるように調製した。
次いで、上記分散液(Y24)中のモンモリロナイト、デキストリンの2成分の合計100重量部に対して、2重量部のパラトルエンスルホン酸を混合し、さらに水で希釈し、モンモリロナイト、デキストリンの2成分の合計が8重量%、pH4のガスバリア層形成用塗料を得た。
<ガスバリア性積層体>
実施例1〜6と同様にして、ポリエステルイソシアネート混合溶液(X4)を用いて形成したUC層上に上記ガスバリア層形成用塗料を用い、ガスバリア性積層体を形成し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0125】
【表1】
Figure 0004269062
【0126】
表1中、PTSはパラトルエンスルホン酸、NMAmはN−メチロールアクリルアミド、AAmはアクリルアミド、AAはアクリル酸を示す。
*1 PTSの重量部はデキストリン100重量部を基準とする。
*1 PTSのmmolは、表中(A)+(b1)〜(b3)=(A)+(B)の合計を100gとし、これに対する値。
*2 N−メチロール基の含有率(重量%)
・N−メチロールアクリルアミド中のN−メチロール基の含有率
=(46/101)×100=45.5%。
・比較例3、8のメラミン中の1核体/2核体=50/50(重量比)。
1核体、フルメチロール:{76×3/(78+76×3)}×100
=(228/306)×100=74.5%。
2核体、フルメチロール:{(76×4+45×2)
/(78×2+76×4+45×2+44)}×100
=(394/594)×100=66.3%。
・メラミン中のN−メチロール基の含有率(%)
=(74.5+66.3)/2=70.4。
・ガスバリア層形成用塗料中のN−メチロール基の含有率
=(モノマー(B)量×NMAm由来部分の含有率×0.455
+メラミン量×0.704)
/(デキストリン+モノマー(B)+メラミン)。
【0127】
比較例1〜2に示されるように、ガスバリア層形成用塗料中のN−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)由来の部分が少ないと、レトルト前においてガスバリア性が著しく劣るばかりでなく、レトルト処理によってバリア層はほとんど溶解し、わずかに残ったバリア層さえ白化してしまう。
また、比較例3に示されるように、N−メチロール系(メタ)アクリルアミド由来のN−メチロール基ではなく、メラミンを用いてN−メチロール基をガスバリア層形成用塗料中に導入した場合、バリア層はレトルト処理前は比較的ガスバリア性に優れるが、レトルト処理によってガスバリア性が著しく悪化してしまい、さらにバリア層はレトルト処理前から白濁している。
これに対し実施例1〜6に示されるように、ガスバリア層形成用塗料がN−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)由来の部分を十分含有すると、優れた耐レトルト性を有し、レトルト殺菌処理しても、バリア層が溶解せずレトルト処理前の膜厚を維持でき、白化や白濁を生ずることもない。
【0128】
比較例4〜7も比較例1、2と同様である。
デキストリンの存在下にアクリル系のモノマーを重合してなる複合樹脂組成物にメラミンを併用する比較例8は、比較例3と同様にN−メチロール基をメラミンによって導入するものであり、レトルト処理してもさほどガスバリア性が低下しないとはいうものの、レトルト処理によってバリア層がかなり溶解してしまう。そして残ったバリア層は白化してしまう。
これに対し実施例7〜15に示されるように、ガスバリア層形成用塗料がN−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)由来の部分を十分含有すると、優れたガスバリア性を有する。しかも、レトルト殺菌処理しても、バリア層が溶解せず、レトルト処理前の膜厚を維持でき、白化や白濁を生ずることもない。
【0129】
実施例7に示されるように、ガスバリア層形成用塗料がN−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)由来の部分を十分含有すると共にCOOHモノマー(b3)由来のカルボキシル基を有すると、レトルト処理しても処理前のガスバリア性をほぼ維持できる。
さらに実施例8〜15に示されるように、レトルト処理を利用してバリア層中に金属架橋構造を導入することによって、レトルト処理前よりもむしろ処理後のガスバリア性を大きく向上することができる。
【0130】
【発明の効果】
NMAm(b1)を必須とするモノマー(B)を糖類(A)の存在下に重合してなる複合樹脂組成物(C)を含み、糖類(A)及びモノマー(B)の合計重量中にNMAm(b1)由来の部分を一定重量以上含有する塗料を用いることにより、従来よりも低温もしくは短時間の加熱処理で、高湿度条件下での酸素ガスバリア性に優れ、また、生産性に優れ、さらに環境にも優しいと共に、レトルト殺菌処理耐性(耐溶解性、透明性)にも優れるバリア層であるガスバリア性樹脂組成物や、包装材および積層体を得ることができるようになった。
さらに、重合時に、カルボキシル基をも有するモノマーを用いることにより、レトルト殺菌処理を経てもガスバリア性が低下せず、むしろレトルト前よりもガスバリア性の向上し得るバリア層や積層物等のガスバリア性材料を得ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明のガスバリア性積層体の一例を示す断面模式図
(b)本発明のガスバリア性積層体の他の例を示す断面模式図
(c)本発明のガスバリア性積層体の他の例を示す断面模式図
(d)本発明のガスバリア性積層体の他の例を示す断面模式図
【符号の説明】
1 ガスバリア性積層体
2 プラスチック基材
3 ガスバリア層
4 アンダーコート層(UC層)
5 オーバーコート層(OC層)

Claims (23)

  1. N−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)を必須成分とするモノマー(B)が糖類(A)の存在下に重合してなる複合樹脂組成物(C)を含有し、糖類(A)とモノマー(B)との合計100重量%中のN−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)由来の部分の量が3重量%以上であることを特徴とするガスバリア層形成用塗料。
  2. モノマー(B)が、(メタ)アクリルアミド(b2)を含む請求項1記載のガスバリア層形成用塗料。
  3. モノマー(B)が、重合性二重結合を有するカルボン酸(b3)を含む請求項1又は2記載のガスバリア層形成用塗料。
  4. 複合樹脂組成物(C)の重合に供されたモノマー(B)の合計100重量%中に、重合性二重結合を有するカルボン酸(b3)が多くとも20重量%である請求項3記載のガスバリア層形成用塗料。
  5. 100重量部の糖類(A)存在下に対して、3.1〜100重量部のモノマー(B)が重合してなる請求項1ないし4いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料。
  6. 複合樹脂組成物(C)中の糖類(A)に由来する水酸基とN−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)に由来するN−メチロール基とをエーテル化させるための酸性触媒(D)を含有する請求項1ないし5いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料。
  7. 酸性である請求項1ないし6いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料。
  8. エーテル化させるための酸性触媒(D)が一価の酸であり、糖類(A)及びモノマー(B)の合計100gに対して、一価の酸を4〜80mmol含有する請求項6又は7記載のガスバリア層形成用塗料。
  9. 糖類(A)が、デキストリンである請求項1ないし8いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料。
  10. 無機層状化合物(E)を含有する請求項1ないし9いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料。
  11. 糖類(A)及びモノマー(B)の合計100重量部に対し、無機層状化合物(E)を多くとも100重量部含有する請求項10記載のガスバリア層形成用塗料。
  12. N−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)を必須成分とするモノマー(B)を糖類(A)の存在下に重合して複合樹脂組成物(C)を得る工程を含み、糖類(A)とモノマー(B)との合計100重量%中のN−メチロール系(メタ)アクリルアミド(b1)由来の部分の量が3重量%以上であることを特徴とするガスバリア層形成用塗料の製造方法。
  13. 請求項1ないし11いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料から形成して成ることを特徴とするガスバリア性樹脂組成物。
  14. 請求項1ないし11いずれかに記載のガスバリア層形成用塗料から形成されるガスバリア層が、プラスチック基材上に積層されていることを特徴とするガスバリア性積層体(1)。
  15. ガスバリア層がプラスチック基材上に、アンダーコート層を介して積層されている請求項14記載のガスバリア性積層体(1)。
  16. ガスバリア層の上に、オーバーコート層が積層されている請求項14又は15記載のガスバリア性積層体(1)。
  17. アンダーコート層及びオーバーコート層の少なくともいずれか一方が、ポリウレタン系ポリマーを含有する請求項15又は16記載のガスバリア性積層体(1)。
  18. アンダーコート層及びオーバーコート層の少なくともいずれか一方が、2価以上の金属化合物を含有する請求項15ないし17いずれかに記載のガスバリア性積層体(1)。
  19. 2価以上の金属化合物が、水酸基もしくはカルボキシル基と架橋し得る請求項18記載のガスバリア性積層体(1)。
  20. 請求項14ないし19いずれかに記載のガスバリア性積層体(1)中のガスバリア層が金属架橋構造を有することを特徴とするガスバリア性積層体(2)。
  21. 請求項14ないし19いずれかに記載のガスバリア性積層体(1)を、2価以上の金属化合物を含有する水で処理して該ガスバリア層に金属架橋構造を形成することを特徴とするガスバリア性積層体(2)の製造方法。
  22. 請求項18又は19記載のガスバリア性積層体(1)を水で処理してガスバリア層に金属架橋構造を形成することを特徴とするガスバリア性積層体(2)の製造方法。
  23. 請求項13記載のガスバリア性樹脂組成物から形成されるか、又は請求項14ないし20いずれかに記載のガスバリア性積層体から形成されることを特徴とする包装材。
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