JP4268090B2 - 電界強度計算装置、電界強度推定方法及びそのプログラム - Google Patents
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局を置いてサービスエリアを構成する移動通信におけるインドアマイクロセル方式の電界強度計算方法の1つであるレイトレース法を用いてサービスエリア内の電界強度を計算する電界強度計算装置、電界強度推定方法及びそのプログラムに関する。
実際には複数の階に複数の送信点が存在し、受信点が存在する階以外の階から透過、回折して到達する電波が存在する。また、他の階から到達する電波は外壁の窓での回折波であったり、床や天井の材質を透過して到達する電波であったりするが、他の階から到達する電波が大きく影響するものの一つとしては、吹き抜けのような床や天井などに開いた開口部を透過、回折してくる電波がある。
して、例えば、NTTアドバンステクノロジ社のQuality Meister 3Dがある(非特許文献5参照)。
高橋賢他:"イメージ法を用いた電波伝搬シミュレーション"、電子情報通信学会技術研究報告、RCS94−125、1994−11 T. Imai, and T. Fujii: " Indoor micro cell area prediction system using ray-tracing method for mobile communication systems, " Proc. IEEE Symp. Pers. Indoor Mob. Radio Commun. (PIMRC' 96), pp.24-28, 1996 リアライズ社、"電波伝搬ハンドブック 第2部 第15章 陸上移動通信の伝搬 15.5 レイトレースに基づいた伝搬推定 pp.234-243"、 1999 Wireless Valley社のPredictor、インターネット<http://www.wirelessvalley.com/Products/Predictor/Predictor.asp> インターネット<http://www.ntt-at.co.jp/product/quality/index.html>
上記のようにして求められた開口回折点の位置と送信点から開口回折点までの電波の軌跡と開口回折角は、レイトレース情報17として格納される。そして、 格納された開口回折角の範囲内で、開口回折点に電波の波源があるものとしてある一定の刻み角度ずつで再度開口回折点から電波の放射を行い、放射された電波の軌跡が算出(ステップS160)される。ステップS160において算出された電波の軌跡はレイトレース情報17として格納される。
開口を通過する電波の軌跡について3次元的に電波の軌跡が求められ、求められた電波の軌跡が開口透過面に到達するか否かが判定(ステップS230)される。この判定で、電波の軌跡が開口透過面に到達すると判定(ステップS230でYes)された場合、電波の軌跡と開口透過面との交点を開口透過点として位置を求め(ステップS240)、送信点から開口透過点への電波の軌跡と電波の軌跡の方向と開口透過点のある開口投下面とがなす角を開口透過角として求められる(ステップS250)。その後、その求められた開口透過点の位置と送信点から開口透過点までの電波の軌跡と電波の軌跡の方向と開口透過角とがレイトレース情報17として格納される。
電波の軌跡が開口を通過すると判定(ステップS320でYes)された場合は、
開口を通過する電波の軌跡について3次元的に電波の軌跡が求められ、求められた電波の軌跡が開口回折エッジに到達するか否かが判定(ステップS330)される。この判定で、電波の軌跡が開口回折エッジに到達すると判定(ステップS330でYes)された場合、電波の軌跡と開口回折エッジとの交点を開口回折点として位置を求め(ステップS340)、送信点から開口回折点への電波の軌跡と開口回折点のある開口回折エッジとがなす角を開口回折角として求める(ステップS350)。その後、その求められた開口回折点の位置と送信点から開口回折点までの電波の軌跡と開口回折角とがレイトレース情報17として格納される。
電波の軌跡が開口を通過すると判定(ステップS620でYes)された場合は、
開口を通過する電波の軌跡について3次元的に電波の軌跡が求められ、求められた電波の軌跡が開口透過面に到達するか否かが判定(ステップS630)される。この判定で、電波の軌跡が開口透過面に到達すると判定(ステップS630でYes)された場合、電波の軌跡と開口透過面との交点を開口透過点として位置を求め(ステップS640)、送信点から開口透過点への電波の軌跡と電波の軌跡の方向と開口透過点のある開口投下面とがなす角を開口透過角として求める(ステップS650)。その後、その求められた開口透過点の位置と送信点から開口透過点までの電波の軌跡と電波の軌跡の方向と開口透過角とがレイトレース情報17として格納される。
への経路が存在し、4階での天井反射波や回折波を考慮すると、経路としては、図12(A)に示すような3階→2階→1階と各階を計算対象経路とする連続した経路と、図12(A´)に示すような3階→4階→3階→2階→1階のような送信点の上階を考慮した連続した経路と、例えば、図12(B)に示すような3階→4階→2階→1階のように3階を計算対象経路からはずした送信点の上階を考慮した不連続な経路(同図(B)の左から2番目の経路)とが存在する。図11の説明と同様に、図12(A)のみを計算対象経路として指定し、図12(B)のような不連続な経路を計算対象外の経路とすることで、上述と同様、計算の高速化が図れる。
なお、以上の発明において望ましい態様は、本発明の電界強度推定方法をソフトウェア化し、これを、開口処理部11、経路探索処理部12、受信レベル計算処理部20で実行するのが望ましい。開口処理部11、経路探索処理部12、受信レベル計算処理部20は、例えば、本発明の電界強度計算装置をコンピュータにより構成した場合は、CPU(Central Processor Unit )の機能に対応する。
11 開口処理部
12 経路探索部
13 データベース
14 建物データ
15 開口データ
16 経路データ
17 レイトレース情報
18 レイトレースデータ
20 受信レベル計算処理部
Claims (11)
- 送信点から放射される電波の軌跡を追跡し、受信点に到達する電波の強度を加算することにより前記受信点の電界強度を計算する電界強度計算装置において、
建物のデータを保持するデータベースと、
前記建物のデータに基づいて、建物内の開口の位置を認識し、送信点から放射される電波が開口を透過する開口透過面の位置を算出すると共に、開口の境界で電波が回折する開口回折エッジの位置を算出する開口処理部と、
前記開口透過面の位置では透過点へ到達する電波と同じ角度および同じ方向で電波を放射して受信点へ到達するまでの経路を探索し、前記開口回折エッジでは回折点へ到達する電波が回折する角度の範囲内で電波を放射して受信点へ到達するまでの経路を探索する経路探索部と、
前記探索された経路に対してレイトレース法を用いて、前記受信点における電界強度を算出する電界強度算出手段と、
を備えることを特徴とする電界強度計算装置。 - 請求項1に記載の電界強度計算装置において、
前記データベースは、
前記開口処理部により算出された前記開口透過面と前記開口回折エッジの位置を開口データとして第1のメモリに格納する第1格納手段と、
前記経路探索部により探索された経路履歴を経路データとして第2のメモリへ格納する第2格納手段とを備え、
前記経路探索部は、前記第1のメモリに格納された前記開口データおよび第2のメモリに格納された前記経路データに基づいて前記送信点から前記受信点への前記電波の軌跡をレイトレースするレイトレース部を備え、
前記電界強度算出手段は、前記レイトレース部により得られた前記軌跡に基づいて、前記受信点における電界強度を算出する受信レベル計算部を備えたことを特徴とする電界強度計算装置。 - 請求項2に記載の電界強度計算装置において、
前記レイトレース部が、
前記送信点から一定角度毎に放射された各電波の軌跡を選択する選択手段と、
前記選択された電波の軌跡が前記第1のメモリに格納された開口の位置に基づいて、前記開口を通過するか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段に基づいて、前記開口を通過する電波の軌跡が前記開口回折エッジに到達するか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段に基づいて、前記開口回折エッジに到達する電波の軌跡と前記開口回折エッジの交点を開口回折点として位置を求める開口回折位置導出手段と、
前記選択された電波が前記開口回折点に到達する軌跡と前記開口回折エッジとがなす開口回折角を算出する算出手段と、
前記開口回折点の位置と前記選択された電波が前記開口回折点に到達する軌跡および前記算出された開口回折角の各々を送信点に対応づけてレイトレース情報として第3のメモリに格納する第3格納手段と、
前記第3のメモリに格納された開口回折角と同じ角度の範囲内で3次元的に一定角度毎に電波の波源から分岐して放射された電波の軌跡を算出する電波軌跡算出手段と、
前記算出された電波の軌跡をレイトレース情報として第3のメモリに格納し、その格納された電波の軌跡が受信点を通過するか否かを判定する第3判定手段と、
前記送信点および電波の波源から放射されるすべての電波の軌跡について前記処理を行ったか否かを判定する第4判定手段と、
前記第4判定手段で、すべての電波の軌跡について前記処理を行ったと判定された場合に、前記第3のメモリに格納された前記電波の軌跡に基づいて前記送信点から前記受信点への前記電波の軌跡をレイトレースするレイトレース手段と、
前記レイトレース手段により求められたレイトレースデータを第4のメモリに格納する第4格納手段と、
を備えることを特徴とする電界強度計算装置。 - 請求項2又は3に記載の電界強度計算装置において、
前記レイトレース部が、
前記送信点から一定角度毎に放射された各電波の軌跡を選択する選択手段と、
前記選択された電波の軌跡が前記第1のメモリに格納された開口の位置に基づいて、前記開口を通過するか否かを判定する第5判定手段と、
前記第5判定手段に基づいて、前記開口を通過する電波の軌跡が前記開口透過面に到達するか否かを判定する第6判定手段と、
前記第6判定手段に基づいて、前記開口透過面に到達する電波の軌跡と前記開口透過面の交点を開口透過点として位置を求める開口透過位置導出手段と、
前記選択された電波が前記開口透過点に到達する軌跡と前記開口透過面とがなす開口透過角と前記選択された電波が前記開口透過点に到達する軌跡の方向を算出する算出手段と、
前記開口透過点の位置と前記選択された電波が前記開口透過点に到達する軌跡と前記算出された前記開口透過角および前記算出された前記軌跡の方向の各々を送信点に対応づけてレイトレース情報として第5のメモリに格納する第5格納手段と、
前記第5のメモリに格納された開口透過角と同じ角度と同じ方向で電波の波源から放射された電波の軌跡を算出する電波軌跡算出手段と、
前記算出された電波の軌跡をレイトレース情報として第5のメモリに格納し、その格納された電波の軌跡が受信点を通過するか否かを判定する第7判定手段と、
前記送信点および電波の波源から放射されるすべての電波の軌跡について前記処理を行ったか否かを判定する第8判定手段と、
前記第8判定手段で、すべての電波の軌跡について前記処理を行ったと判定された場合に、前記第5のメモリに格納された前記電波の軌跡に基づいて、前記送信点から前記受信点への前記電波の軌跡をレイトレースするレイトレース手段と、
前記レイトレース手段により求められたレイトレースデータを第6のメモリに格納する第6格納手段と、
を備えることを特徴とする電界強度計算装置。 - 請求項3に記載の電界強度計算装置において、
前記レイトレース部が、
前記第3のメモリに格納された電波の軌跡に基づいて、前記開口を透過する電波の軌跡をレイトレースするレイトレース手段を備えることを特徴とする電界強度計算装置。 - 請求項4に記載の電界強度計算装置において、
前記レイトレース部が、
前記第5のメモリに格納された電波の軌跡に基づいて、前記開口エッジで回折する各々の電波の軌跡をレイトレースするレイトレース手段を備えることを特徴とする電界強度計算装置。 - 請求項1又は2に記載の電界強度計算装置において、
前記経路検索部が、
前記建物データに基づいて、前記建物の連続した各階の前記開口をレイトレースする対象経路として検索する連続経路検索手段と、
前記建物データに基づいて、前記建物の他の階を跨った不連続な階の開口をレイトレースする対象経路として検索する不連続経路検索手段と、
前記連続経路判定で検索された経路と前記不連続経路判定手段で検索された経路のどちらか一方または両方の経路をレイトレースする対象経路として指定する経路指定手段と、
を備えることを特徴とする電界強度計算装置。 - 請求項1又は2に記載の電界強度計算装置において、
前記経路検索部が、
前記建物の連続した各階の前記開口をレイトレースする対象経路として複数階の計算対象階数を指定する手段を備えることを特徴とする電界強度計算装置。 - 請求項1又は2に記載の電界強度計算装置において、
前記経路検索部が、
前記レイトレースする対象経路のすべての階で同じ位置に開口が存在する建物である場合に、
前記建物の前記レイトレースする対象経路内にレイトレースを行う必要が無い連続した階が存在し、前記レイトレースを行う必要が無い連続した階を指定することで前記指定された階をまとめて1つの階としてモデル変換を行う階層モデル変換手段を備えることを特徴とする電界強度計算装置。 - 送信点から放射される電波の軌跡を追跡し、受信点に到達する電波の強度を加算することにより、前記受信点の電界強度を推定する電界強度推定方法において、
建物の構造を示す建物データに基づき前記建物内の開口の位置を認識し、
送信点から放射される電波が開口を透過する開口透過面の位置と開口の境界で電波が回折する前記開口回折エッジの位置を開口データとして第1のメモリに格納し、
前記開口透過面の位置では透過点へ到達する電波と同じ角度および同じ方向で電波を放射して受信点へ到達するまでの経路を探索し、前記開口回折エッジでは回折点へ到達する電波が回折する角度の範囲内で電波を放射して受信点へ到達するまでの経路を探索し、
前記探索された経路履歴を経路データとして経路データとして第2のメモリへ格納し、
前記第1のメモリに格納された開口データおよび前記第2のメモリに格納された経路データに基づいて、送信点から受信点へ電波の軌跡をレイトレースし、
得られたレイトレースデータに基づいて、受信点における電界強度を推定することを特徴とする電界強度推定方法。 - 送信点から放射される電波の軌跡を追跡し、受信点に到達する電波の強度を加算することにより、前記受信点の電界強度を推定する電界強度推定プログラムにおいて、
建物の構造を示す建物データに基づき前記建物内の開口の位置を認識する手順と、
送信点から放射される電波が開口を透過する開口透過面の位置と開口の境界で電波が回折する前記開口回折エッジの位置を開口データとして第1のメモリに格納する手順と、
前記開口透過面の位置では透過点へ到達する電波と同じ角度および同じ方向で電波を放射して受信点へ到達するまでの経路を探索し、前記開口回折エッジでは回折点へ到達する電波が回折する角度の範囲内で電波を放射して受信点へ到達するまでの経路を探索する手順と、
前記探索された経路履歴を経路データとして経路データとして第2のメモリへ格納する手順と、
前記第1のメモリに格納された開口データおよび前記第2のメモリに格納された経路データに基づいて、送信点から受信点へ電波の軌跡をレイトレースする手順と、
得られたレイトレースデータに基づいて、受信点における電界強度を推定する手順と、
をコンピュータに実行させるための電界強度推定プログラム。
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