JP4267521B2 - 溶接部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手および液相拡散接合用高強度鋼材並びにその液相拡散接合方法 - Google Patents

溶接部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手および液相拡散接合用高強度鋼材並びにその液相拡散接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、部品、装置、容器、建築物などの接合構造体を製作可能とする液相拡散接合方法に適用される高強度鋼材、及び、その液相拡散接合方法、並びに、液相拡散接合継手に関し、特に、工具用鋼、ボルト用鋼、ばね用鋼などに代表される、C含有量が0.3%超で、かつ引張強さが600MPa以上である液相拡散接合用高強度鋼材、及びその液相拡散接合方法、並びに高強度液相拡散接合継手に関する。
近年、溶接技術に替わる新たな金属材料どうしの工業的接合技術として、液相拡散接合が普及しつつある。
一般に液相拡散接合とは、被接合材料の接合面すなわち開先間に、被接合材料に比較して低融点で、かつ、例えば、BまたはPの拡散元素を含有し、NiまたはFeの基材からなる多元系非晶質合金箔など(以下、インサートメタルと称する。)を介在させた後、低融点合金箔の融点以上の温度に加熱保持し、拡散律速の等温凝固過程を経た拡散接合によって継手を形成する技術である。なお、ここで、非晶質合金箔とは、少なくとも結晶構造の50%以上が非晶質からなる合金箔を意味する。この液相拡散接合法は、通常の溶接技術と異なり、接合部の熱膨張、収縮に伴う溶接残留応力が殆ど生じないこと、および溶接のような余盛りを発生しないことから接合表面が平滑かつ精密な継手を形成できるなどの特徴を有する。
特に、液相拡散接合は面接合であるため、接合面の面積によらず接合時間が一定で、かつ比較的短時間で接合が完了する点でも、従来溶接と全く異なる接合技術である。従って、被接合材の開先間に非晶質合金箔を挿入し、その低融点合金箔の融点以上の温度で所定時間保持することによって、開先形状を選ばず、面接合を実現することができるという利点を有する。
このように液相拡散接合は従来の溶接法に比べて上述した接合部の品質や形状精度の点で優れた接合技術であるが、以下に示す技術的課題があった。
つまり、液相拡散接合法では、被接合材料の開先間に介在させた上記低融点の非晶質合金箔中に含有するBまたはPの拡散元素を被接合材中へ拡散させ、拡散律速の等温凝固過程を経て接合させるため、通常の厚さ10μm程度の低融点非晶質合金箔を用いた場合で、その融点以上の温度に相当する約900〜1300℃の加熱温度で、約60秒以上等温保持する必要がある。この加熱温度は、特にフェライト構造を有する鋼材の変態点、Ac1或いはAc3を超える温度に相当し、接合部以外の継手母材部もこの相変態点以上の温度に加熱されるため、母材部の組織は冷却過程での相変態により変質し、母材部の最終組織および機械的特性が決定されることになる。
液相拡散接合による継手作製時には、工業的には拡散律速の等温凝固を早く終了させ、接合時間の短縮化が求められるため、母材部の相変態、再結晶、粒成長が顕著に生じる場合があった。従って、液相拡散接合後に継手を熱処理して調質処理を実施する場合もある。
このような、液相拡散接合による継手母材部の組織および材質変化に伴う靭性低下など機械的特性の劣化を抑制するための方法として、例えば、特許文献1等では、液相拡散接合後、接合部に所定条件で加熱、冷却制御を行う熱処理を施す方法が開示されている。
この方法は、液相拡散接合後に、継手を熱処理する工程を必要とするために、生産性を低下させ、処理コストの増加を招くなどの工業的な問題がある。また、この方法を用いて継手の靭性などの機械的特性を改善するためには、被接合材料の化学組成と密接に関係した加熱、冷却条件を行う必要があるため、幅広い成分組成および組織の鋼材に対応した制御は難しく、液相拡散接合に適用できる被接合材料の成分組成の自由度を制約する結果を招くこととなる。
一方、本発明者らは、C含有量が0.3%超で、引張強さが600MPa以上である高強度鋼材を液相拡散接合する際に、以下のような接合部で生成する析出物に起因する継手機械的特性の劣化という新たな技術的課題に直面した。
液相拡散接合法の優れた特徴の1つに接合形態として拡散速度の早いBまたはPを拡散原子とする拡散律速凝固を活用している点が上げられる。特に、Bは鋼中の結晶粒界、特にγ粒界に偏析して変態現象に影響を与え、特に被接合部材の厚みが10mm以上に厚くなった場合、表層付近と板厚中心部との冷却速度の差に対する変態挙動の感受性の差を小さくし、継手近傍の冷却時の焼き入れ性を向上させる効果を有する。
上述したようなBまたはPを拡散原子して拡散律速凝固により接合することを特徴とする液相拡散接合法を用いて高強度鋼材を接合する場合に、接合部に析出物が生成し、継手靭性、強度などの機械的特性が劣化することを確認した。この問題は、特に、工具用鋼、ボルト用鋼、ばね用鋼などに代表される、C含有量が0.3%超で、かつ引張強さが600MPa以上である高強度鋼材を液相拡散接合する場合に顕著になる。
一般に鋼材の焼入れ性を高める元素としては、鋼の精錬工程での導入が容易で、かつ安価なC、Nの他に、高価ではあるが鋼材の特性制御に有用なCr,Mo,Mn,Ni,Co,Cu,Wが知られている。鋼材の焼入れ性が高まると、通常のCやNの拡散律速で生じるγ−α変態ではなく、原子どうしの金属格子における位置の微動で生起する格子変態(一般に低温変態と称されるマルテンサイト変態やベイナイト変態を含む)が生じるようになり、鋼材の強度は組織で決定される。
鋼材強度の上昇は組織の内部に蓄積された内部応力によるものであるが、組織の最小構成単位である結晶粒が細かい程材料強度は上昇し、同時に靱性も向上して、工業的に有用な鋼材となりうる。しかし、強度や靱性を制御する組織単位よりも粗大な第二相、例えば炭化物、窒化物、酸化物や硫化物などが存在する場合、基材の鉄とは全く異なる結晶性物質が介在しているため、その界面は原子の並びが連続していない、いわゆる非整合な状態になっており、界面が剥離することによる割れが発生するようになる。
このような介在物の析出頻度が高まれば、一カ所で発生した破壊は次々と容易に伝播し、材料の巨視的な破壊が発生する。鋼材の強度が高い程、一度解放された内部応力が破壊のエネルギーへと変換されることから、高強度鋼はこうした介在物による破壊発生の感受性が高い状態にある。すなわち、強度の高い鋼ほど介在物によって特性低下が著しい。
C含有量が0.3%超で、引張強さが600MPa以上である高強度鋼材を液相拡散接合する場合には、接合部の拡散律速凝固過程でBまたはPの拡散元素が拡散する領域において、炭硼化物、BN、燐化物などの析出物が生成しやすい。また、高強度鋼材では、Cの他に含有する焼き入れ性成分の含有により接合部における析出物による破戒発生の感受性向が高いことも手伝って、継手靭性など機械的特性の低下が顕著となると考えられる。
液相拡散接合に適した引張強さが600MPa以上の高強度鋼については、本願発明者らは、例えば特許文献2、特許文献3、特許文献4で提案している。しかし、これらの材料は高強度かつ高靭性の特性を鋼材と液相拡散接合継手に接合ままで付与するために合金元素を添加して焼入れ性の向上を図るべく炭素を0.3%未満に制限した鋼材に関するものであり、C含有量が0.3%超の鋼材を対象とする技術ではない。したがって、工具用鋼、ボルト用鋼、ばね用鋼などに代表される、耐摩耗性、耐食性、および鋼材コストの観点から合金元素を多量に含有しないような高C含有量の高強度鋼材を液相拡散接合する場合の継手の強度、靭性などの機械的特性を向上することはできない。
C含有量が高い高強度鋼材の液相拡散接合で接合部において、高濃度のBまたはPの拡散元素と鋼材中の主にMo,Crと結合した硼化物、燐化物や炭硼化物からなる析出物の分解温度は1800℃を超える。このため、例えば、上述した特許文献1等で開示するような液相拡散接合後に継手を熱処理するような方法を用いても、長時間の熱処理を必要とし、生産性の低下および処理コストの増加は避けられない。したがって、工具用鋼、ボルト用鋼、ばね用鋼などに代表される、高C高強度鋼材の液相拡散接合の工業的な実用化において、継手の靭性など機械的特性を向上する技術の開発が求められていた。
特許第2541061号 特開2004−83978号公報 特開2004−83979号公報 特開2004−83980号公報
本発明は、上述した従来技術が抱える問題点を鑑みて、0.3%以上の炭素を含有し、かつ引張強さが600MPa以上である高強度鋼材を、BあるいはPを拡散原子として用いて液相拡散接合する際に、接合部の炭硼化物、BN、燐化物の生成、および焼き入れ性を制御し、強度、靱性などの継手の機械的特性、および、接合部組織の均一性に優れた高強度液相拡散接合継手、それを実現するための液相拡散接合用高強度鋼材およびその液相拡散接合方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するものであり、その要旨は、次の通りである。
(1)質量%で、C:0.3超〜0.6%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.01〜3%、Cr:0.01〜7%、Mo:0.01〜0.7%、B:0.001〜0.005%、N:0.001〜0.01%を含有し、P:0.03%以下、S:0.005%以下、O:0.01%以下に制限し、かつ下記(1)式で定められるDT値が10以下であり、残部が不可避的不純物からなる母材部と、BまたはPの拡散範囲におけるBまたはPの含有量が0.005%超であり、かつ平均球相当径が1μm以上のCr及びMoを主体とする炭硼化物、BN、Crを主体とする燐化物の1種または2種以上が体積率で2%以下含有する接合部からなることを特徴とする接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×(%Mn) ・・・(1)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。
(2)前記母材部が、さらに、質量%で、Ni:0.01〜2%、Co:0.01〜1%、Cu:0.01〜1%、W:0.01〜2%の1種または2種以上を含有し、下記(2)式で定められるDT値が10以下であることを特徴とする(1)に記載の接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×((%Mn)+0.7×(%Ni)+0.2×(%Co)+0.5×(%Cu)+0.4×(%W)) ・・・(2)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。
(3)前記母材部が、さらに、Ti:0.001〜0.05%、Nb:0.001〜0.05%、V:0.001〜0.5%、Al:0.002〜0.2%の1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
(4)前記炭硼化物はM3(B,C)2型、M3(B,C)4型またはM23(C,B)6型の炭硼化物であり、前記燐化物がM32型、M2P型の燐化物であり、かつ前記Mを構成する遷移元素の50%以上がCr及びMoの1種または2種であることを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
(5)前記母材部及び接合部の引張強さが600MPa以上であることを特徴とする(1)〜(4)の何れかに記載の接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
(6)質量%で、C:0.3超〜0.6%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.01〜3%、Cr:0.01〜7%、Mo:0.01〜0.7%、B:0.001〜0.005%、N:0.001〜0.01%を含有し、P:0.03%以下、S:0.005%以下、O:0.01%以下に制限し、かつ下記(1)式で定められるDT値が10以下であり、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする液相拡散接合用高強度鋼材。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×(%Mn) ・・・(1)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。
(7)さらに、質量%で、Ni:0.01〜2%、Co:0.01〜1%、Cu:0.01〜1%、W:0.01〜2%の1種または2種以上を含有し、下記(2)式で定められるDT値が10以下であることを特徴とする(6)に記載の液相拡散接合用高強度鋼材。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×((%Mn)+0.7×(%Ni)+0.2×(%Co)+0.5×(%Cu)+0.4×(%W)) ・・・(2)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。
(8)さらに、Ti:0.001〜0.05%、Nb:0.001〜0.05%、V:0.001〜0.5%、Al:0.002〜0.2%の1種または2種以上を含有することを特徴とする(6)または(7)に記載の液相拡散接合用高強度鋼材。
(9)引張強さが600MPa以上であることを特徴とする(6)〜(8)の何れかに記載の液相拡散接合用高強度鋼材。
(10)質量%で、C:0.3超〜0.6%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.01〜3%、Cr:0.01〜7%、Mo:0.01〜0.7%、B:0.001〜0.005%、N:0.001〜0.01%を含有し、P:0.03%以下、S:0.005%以下、O:0.01%以下に制限し、かつ下記(1)式で定められるDT値が10以下であり、残部が不可避的不純物からなる高強度鋼材を液相拡散接合する際に、接合保持温度を1200℃以上とすることを特徴とする接合部の靭性に優れた高強度鋼材の液相拡散接合方法。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×(%Mn) ・・・(1)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。
(11)前記母材部が、さらに、質量%で、Ni:0.01〜2%、Co:0.01〜1%、Cu:0.01〜1%、W:0.01〜2%の1種または2種以上を含有し、下記(2)式で定められるDT値が10以下であることを特徴とする(10)に記載の接合部の靭性に優れた高強度鋼材の液相拡散接合方法。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×((%Mn)+0.7×(%Ni)+0.2×(%Co)+0.5×(%Cu)+0.4×(%W)) ・・・(2)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。
(12)さらに、Ti:0.001〜0.05%、Nb:0.001〜0.05%、V:0.001〜0.5%、Al:0.002〜0.2%の1種または2種以上を含有することを特徴とする(10)または(11)に記載の接合部の靭性に優れた高強度鋼材の液相拡散接合方法。
(13)前記鋼材の引張強さが600MPa以上であることを特徴とする(10)〜(12)の何れかに記載の接合部の靭性に優れた高強度鋼材の液相拡散接合方法。
本発明によれば、従来技術では、継手強度、継手靭性などの機械的特性の確保が困難であった、工具用鋼、ボルト用鋼、ばね用鋼などに代表される、0.3%以上の炭素を含有し、かつ引張強さが600MPa以上である高強度鋼を被接合材に用いた液相拡散接合継手における接合部の靭性と強度を同時に確保し、組織均一性を実現することができる。
したがって、接合構造体あるいは機械部品などの液相拡散接合法の適用分野において、通常の溶接接合継手では得られない残留応力が小さくかつ精密形状の液相拡散接合継手の製作を可能とし、従来接合法では実現が困難であった新しい生産工程、機械部品、接合構造体を提供することが可能となる。
本発明の高強度液相拡散接合継手、この継手を実現するための液相拡散接合用高強度鋼材、および、その液相拡散接合方法について説明する。
本発明で規定した液相拡散接合用鋼材の化学成分、継手強度および靭性等の性質を得るために必要な継手接合部における炭硼化物、BNまたは燐化物の形態および体積分率について説明する。
先ず、本発明の目的を達成するために、鋼材中に基本成分として含有する化学成分および不可避的不純物として制限すべき化学成分の限定理由について説明する。
なお、以下の説明において特に説明のない限り、「%」は「質量%」を意味するものとする。
Cは鋼材の焼き入れ性を高め、強度向上と組織を制御するために最も有効な元素であり、かつ工業的に導入することが容易な元素である。本発明では、必要する鋼材強度を主にCによって達成するため、Cの含有量の範囲は厳格に規定する必要がある。0.3%以下のC含有量では鋼材の冷却速度が十分に得られないような製造条件または鋼材の厚みの場合に、被接合材料の接合部近傍を含む全領域で目的とするマルテンサイトあるいはベイナイト組織が十分に生成しなくなるためにその下限を0.3%超とした。また、0.6%を超えるC含有量では鋼材そのものの強度が上昇しすぎて靭性の確保ができないこと、加えて多量のセメンタイト(Fe3C)が析出して材料の靭性と組織均一性が損なわれることからその含有量の上限を0.6%とした。
Siは鋼材の脱酸に不可欠な元素であり、また粒内強化によって鋼材の強度確保にも寄与する。0.01%未満のSi含有量では脱酸が不十分となり、鋼中酸素濃度が高くなって、脱硫に不利となること、また、例えばMnなどの酸化物を多量に鋼中に残存せしめ靭性劣化を来すことから、その含有量の下限を0.01%とした。一方、Si含有量が05%を超えると、例えば粗大なMnO−SiO2等のSi系酸化物が鋼中に残留し、靭性が損なわれることからその含有量の上限を0.5%とした。
Mnは鋼材の焼き入れ性を高める作用が大きく、また、炭化物としては析出し難いことから、目的とする変態時の組織をCだけに頼らずに制御することが可能な元素である。0.01%未満のMn含有量では鋼材の焼き入れ性改善には効果が見られず、3%を超えて添加すると鋼材の強度が高くなりすぎ、安定した靭性の確保が困難となることから、本発明ではその含有量の範囲を0.01〜3%とした。
Crは鋼材の焼き入れ性向上に効果があり、しかもマルテンサイト組織の安定性を高める効果がある。これらの効果を得るために本発明の鋼材においてCrを0.01%以上含有させる。一方、Crが7%を超えて含有すると、鋼材中に粗大なMnO−Cr23の酸化物が生成する。また、Crは後述するM3(B,C)2、M3(B,C)4、または、M23(C,B)6型の炭硼化物、あるいはM32型、M2P型の燐化物における遷移元素Mの主要構成元素となる。このため、Cr含有量が7%を超えると、これらの析出物が液相拡散接合継手における接合部のBまたはPの拡散原子の拡散範囲に多数析出し、特に、継手靭性を低下させる原因にもなる。以上の理由で、Cr含有量の範囲を0.01〜7%に限定した。
なお、本発明では、上記液相拡散接合継手における接合部のBまたはPの拡散原子の拡散範囲とは、液相拡散接合の等温凝固で接合合金箔を介してBあるいはPの拡散原子が被接合材料側の鋼中に拡散した結果、BあるいはPの含有量が0.005%超となる領域を意味するものとする(以下、同様とする) 。
Moは本発明において最も鋼材の焼き入れ性を向上させる元素であり、焼き入れ性が十分に向上する0.01%以上含有させる。一方、Moが0.7%を超えて含有した場合には、MoもCrと同様に、特にM3(B,C)2、M3(B,C)4、または、M23(C,B)6型の硼化物における遷移元素Mの主要構成元素となるため、これらの析出物が液相拡散接合継手における接合部のBまたはPの拡散原子の拡散範囲に多数析出し、継手靭性を低下させる。以上の理由で、Mo含有量の範囲は0.01〜0.7%に限定した。
Bは主に粒界に偏析して鋼材の変態時の核発生を抑制し、低温変態を促進することで焼き入れ性を高める元素であり、この効果を十分に得るために鋼材中に0.001%以上含有させる。一方、Bは0.005%を超えて含有させると被接合材料の粒界にBNあるいはM23(C,B)6を生成して鋼材の靭性を損なうので、そのB含有量の範囲を0.001%〜0.005%に限定した。
NはCと同様に鋼材の組織と焼き入れ性に多大な影響を与える元素であるが、Nを鋼材に添加する場合には窒化物の形態で添加して鋼中に固溶させることが一般的である。そのため、鋼材中のN含有量はCに比較して少なくなるものの、本発明では上記Bと結合しBNの析出物を生成することを抑制し、鋼材の良好な靭性を確保するためにN含有量の上限を0.01%に限定する。一方で、Nは他の遷移金属元素と結合して窒化物として鋼中に析出し、例えば結晶粒径制御などの作用がある元素でもあるために、本発明では、この効果を利用するためにその含有量の下限を0.001%とした。
本発明鋼材の基本成分の限定理由は上述したとおりであるが、本発明の課題を解決し、本発明鋼材の効果を十分に発揮させるには上述した化学成分の限定に加えて、不可避的不純物を以下のように極力低減する必要がある。
Pは、液相拡散接合時に接合合金箔を介して拡散原子として鋼材中へ拡散させるために接合合金箔中には必須な元素であるものの、鋼材中のPは逆に良好な液相拡散接合を阻害するためその含有量を制限する必要がある。Pが鋼材中に0.03%を超えて含有すると、液相拡散接合後に粒界が脆化して靭性と強度が同時に損なわれるので鋼材中のP含有量の上限を0.03%とした。
Sは被接合材の中心偏析部にMnSを析出させる主原因となる元素である。鋼材中のS含有量が0.005%を超えると、粗大なMnSの析出により鋼材偏析部位の靭性を著しく劣化させるため、その含有量の上限を0.005%に制限した。
Oは本発明で添加範囲を限定しているMn,Siと酸化物を形成し、その含有量が0.01%を超えると、これらの酸化物が粗大化し靭性を低下させるため、その含有量の上限値を0.01%に制限した。
次に、本発明の目的を達成するために、本発明の高強度液相拡散接合継手における必須要件である接合部に含有する炭硼化物、BNまたは燐化物からなる析出物形態とその体積分率、および、接合部の機械的特性に影響する鋼材の成分指標:DI値の限定理由について説明する。
本発明者らの検討結果によれば、接合合金箔中に含有するBまたはPを拡散原子として、0.3%以上の炭素を含有する引張強さが600MPa以上の高強度鋼を液相拡散接合する場合には、接合部のBまたはPの拡散範囲に炭硼化物、BN、燐化物の析出物が生成すると、継手の強度、靭性、組織均一性の全てに影響を与え、機械的特性が低下するという問題が生じる。具体的には、継手強度が引張強さ600MPa以上の母材強度と同等以上とし、継手靭性が0℃におけるシャルピー吸収エネルギーが47J以上とする、本発明が目標とする継手の機械的特性を確保することが困難となる。
さらに、本発明者らは、実験などの検討結果から、接合部のBまたはPの拡散範囲に含有する上記析出物は粗大なものほど有害であり、以下に定義する平均球相当径が1μm以上の析出物が体積率で2%を超えて含有すると、継手靭性などの機械的特性が低下することを確認した。また、特性X線による微小部分析装置を備えた電子顕微鏡解析により、接合部のBまたはPの拡散範囲に含有する析出物形態を分析した結果、炭硼化物は、M3(B,C)2、M3(B,C)4、または、M23(C,B)6型の炭硼化物であり、その遷移元素Mの主要構成元素がCr及びMo主体であること、燐化物は、M32型、M2P型の燐化物であり、その遷移元素Mの主要構成元素がCr主体であることを確認した。
本発明者らは、継手接合部の断面を電子顕微鏡観察にて画像解析手法によって上記析出物の占有面積を20個以上測定し、その測定値の平均値を基に析出物の断面形状が形態に拘わらず全て真円であると仮定して円相当径の平均値を求め、析出物が球形と仮定する場合の平均球相当径と定義した。そして、上記基本化学成分を含有する高強度鋼材を液相拡散接合後、接合部のBまたはPの拡散範囲に含有する平均球相当径が1μm以上の炭硼化物、BNまたは燐化物からなる析出物の体積率と、継手靭性を測定した。
なお、上記接合部のBまたはPの拡散範囲とは、上述した通り、液相拡散接合の等温凝固で接合合金箔を介してBまたはPの拡散原子が被接合材料側の鋼中に拡散した結果、接合線を中心として被接合材両側におけるBまたはPの含有量が0.005%超となる全領域を意味する。ここで、接合線とは、液相拡散接合の最終等温凝固位置を概略面であると仮定した場合に、接合断面で見て見かけ上、線となる位置を意味する。
なお、接合部のBまたはPの拡散範囲におけるBまたはPの含有量の測定は、例えば、特性X線解析装置を付帯する電子顕微鏡により、接合線に対して垂直方向の線状連続走査分析により行なうことができる。
図1はBまたはPの拡散範囲における平均球相当径が1μm以上のCr及びMoを主体とする炭硼化物、BN、あるいは、Crを主体とする燐化物の体積率と、継手の0℃におけるシャルピー吸収エネルギー(5点平均)の関係を示したものである。
なお、対象とした被接合材は本発明で規定する上記基本化学成分を有するものであるが、後述する(1)式で定義されるDT値の条件を満しない鋼材も含まれる。また、ここで継手のシャルピー衝撃試験はJIS Z2201に従って実施した。
図1から、接合部のBまたはPの拡散範囲における平均球相当径が1μm以上のCr及びMoを主体とする炭硼化物、BN、Crを主体とする燐化物の1種または2種以上が体積率で2%を超える場合には、本発明が目標とする0℃におけるシャルピー吸収エネルギーが47J以上の継手靭性が確保できない。
したがって、本発明では、上記基本化学成分を有する鋼材を液相拡散接合して得られる継手の靭性を十分向上(例えば、0℃におけるシャルピー吸収エネルギーが47J以上)するために、接合部のBまたはPの含有量が0.005%超であるBまたはPの拡散範囲における平均球相当径が1μm以上のCr及びMoを主体とする炭硼化物、BN、Crを主体とする燐化物の1種または2種以上の体積率を2%以下とした。
また、本発明者らの検討結果から、上述した接合部に含有する上記形態の析出物の体積率を満足させ、本発明が目標とする継手の靭性(例えば、0℃におけるシャルピー吸収エネルギーを47J以上)を安定して達成するためには、上述した鋼材の基本成分含有量の規定に加えて、以下に説明する接合部の機械的特性に影響する鋼材の成分指標:DI値を規定する必要がある。
継手靭性は接合部の組織、特に上記形態の析出物の含有量と強度に強く依存すると考えられる。したがって、炭硼化物、BN、燐化物の1種または2種以上からなる析出物の体積率が2%以下であっても、その接合部の強度が高い場合には継手靭性は低下することとなる。
すなわち、本発明では、0.3%以上の炭素を含有する引張強さが600MPa以上の高強度鋼を被接合材料とするため、鋼材の強度確保も重要ではある。一方で、液相拡散接合継手接合部の靭性確保の点からは、鋼材の強度靭性の関係から推定される接合部の機械的特性に加えて、上記の炭硼化物、BN、燐化物の析出物による接合部の機械的特性への影響を考慮し、鋼材成分を制御する必要がある。しかし、接合部の金属組織を制御パラメータとする場合には継手毎に接合部断面の組織観察を実施する必要があり、工業的には実用化が極めて困難な技術となる。また、本発明では、鋼材の接合法として、液相拡散接合法、つまり、鋼材の開先間にBまたはPの拡散原子を含有し、900〜1300℃に融点がある非晶質の箔、粉末、メッキ層(以降、インサートメタルと称する)を介在させ、この融点以上の温度に加熱・保持し、等温凝固過程で接合する方法を用いる。このため、液相拡散接合継手の靭性などの機械的特性は、インサートメタルと溶融した被接合材からなる合金層と鋼材に比べてBまたはPの含有量が高い領域からなる接合部の強度等の機械的特性により決定される。
したがって、液相拡散接合継手における接合部の靭性を推定することは、従来の鋼材の強度靭性バランスを設計する手法では実現困難であり、また、液相拡散接合法に比べて局部的な加熱温度が高い条件で溶融接合する従来の溶接法で形成される溶接金属の強度靭性バランスの設計技術でも実現困難である。
そこで、本発明者らは、液相拡散接合時の被接合母材とインサートメタルからなる溶融合金層およびBまたはPの拡散範囲の焼き入れ性を、化学成分を基に熱力学的手法を用いて計算される等温凝固相と、等温凝固相を含む接合部全体の焼き入れ性を詳細に検討し、従来技術とは全く異なる、実験的に係数を決定して下記(1)式に示す液相拡散継手の接合部における焼き入れ性推定式を知見した。また、本発明者らは数多くの実験を実施し、以下の(1)式で規定するDT値と継手靭性との関係から、DT値が10以下であれば、本発明で規定する上記化学成分を有する鋼材を液相拡散接合する場合に継手靭性を安定して確保することが出来ることを初めて知見した。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×(%Mn) ・・・(1)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。
上記Mo,Cr,Mnはインサートメタル中に添加すると融点を上昇させ、液相拡散接合を実現するための適正温度範囲を狭めることから、通常は接合合金箔などのインサートメタル中に添加しない元素である。しかし、これらの元素は、鋼材の強度確保のために必須な焼入れ性成分であるため、被接合材料中のこれらの元素がインサートメタルと溶融し、混合することによって接合部の等温凝固相中に取り込まれ、この部位の構成金属元素となる事を考慮したものである。なお、接合部においては接合線を中心とする被接合材両側約50μmの領域が等温凝固相となることが多く、この部位が最もBまたはP等の拡散原子濃度が高い。一方、この部位のCr,Mo,Mn,C等はインサートメタルによって希釈され、強度上昇のために含有する被接合材料中のCr,Mo,Mn,C等の含有量に比べて低くなっている。
上記(1)式で定義されるDT値は、0.3%以上の炭素を含有する引張強さが600MPa以上の高強度鋼材を液相拡散接合した継手接合部で問題となるCr及びMoを主体とする炭硼化物、BN、Crを主体とする燐化物の1種または2種以上からなる析出物による機械的特性の影響を考慮し、上記液相拡散接合部の特殊な合金組成に基づいた接合部の焼き入れ性推定式であり、従来にない新規の知見に基づいてなされた推定式である。
図2は被溶接材の上記(1)式で定義されるDT値と液相拡散接合部の0℃におけるシャルピー吸収エネルギーとの関係を示したものである。なお、使用した被溶接材の成分組成は上述した本発明で規定する基本成分の含有範囲を満足する。
図2から上記(1)式で定義されるDT値が10を超える場合は継手靭性が本発明が目標とする0℃におけるシャルピー吸収エネルギー:47Jを超えることはない。
したがって、本発明では、上記基本化学成分を有する被接合材を用いた液相拡散接合継手の良好な靭性(例えば、0℃におけるシャルピー吸収エネルギーが47J以上)を確保するために、上記基本化学成分の含有量の規定に加え、上記(1)式で定義されるDT値が10以下になるように被溶接材料中の成分を規定する。
なお、本発明では、上述の本発明で規定する基本成分に加え、さらに、以下の目的で、本発明の目的とする継手靭性などの機械的特性を阻害しない範囲で、Ni,Co,Cu,Wの1種または2種以上,またはTi,Nb,V,Alの1種または2種以上を含有することもできる。これらの合金成分を添加する場合は、それぞれ以下の理由から添加範囲を制限することが好ましい。
Ni,Co,Cuは何れも鋼材の変態点を低下させ、焼き入れ性を高める作用を有する元素である。これらの元素はMnを代替する機能を有し、上記(1)で定義されるDT値に影響を与える元素である。Wは変態点を下げる効果は殆どなく、また焼き入れ性への影響は高強度鋼では殆ど認められない。しかし、被接合材料を固溶強化する効果があり、材料の強度上昇の観点からはMnを代替する機能があると考えられる。
上記で規定する本発明の基本成分に加えて、これらの元素を追加して含有させる場合には、上記(1)式におけるMn含有量をこれらの元素の含有量で補正する必要がある。本発明者の実験結果によれば、下記(3)式により、Ni、Co、Cu、Wの1種または2種以上の含有量から、上記(1)式におけるMn含有量と等価なMn相当量を決定できることを実験的に確認した。
したがって、本発明では、上記で規定する本発明の基本成分に加えて、Ni、Co、Cu、Wの1種または2種以上を添加する場合は、上述した継手靭性など機械的特性を向上する理由から、上記(1)式におけるMn含有量を下記(3)式で定義されるMn相当量で補正した、つまり(2)式で示されるDT値が10以下を満足するように鋼材成分を規定することが好ましい。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×((%Mn)+0.7×(%Ni)+0.2×(%Co)+0.5×(%Cu)+0.4×(%W)) ・・・(2)
Mn相当量=0.7(%Ni)+0.2(%Co)+0.5(%Cu)+0.4(%W) ・・・(3)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。
また、Ni、Co、Cu、Wの1種または2種以上を鋼材中に含有させる場合は、上記(2)式で定義されるDI値が10以下を満足するように鋼材成分を制御することに加え、以下の理由からNi、Co、Cu、Wのそれぞれの含有量を規定することが好ましい。
Ni,Co,Cuは何れも靭性を劣化させずに鋼材の強度上昇を実現できる元素であるため、その効果を発揮させるためには何れも0.01%以上を含有させるのが好ましい。一方、Ni、Coは鋼材組織のマルテンサイトあるいはベイナイトのラス間に残留γの形成を伴う場合があり、特に高強度部品では液相拡散接合終了後の熱処理、あるいは加工誘起変態等で僅かな形状変化が懸念される。そのため、Ni、Co含有量のそれぞれの上限をそれぞれ2%、1%とするのが好ましい。Cu含有量が1%を超える場合には、鋼材製造時の1050〜1200℃の熱間加工で鋼板表面の粒界酸化起因で生じる表層微小割れ、すなわち「赤熱脆性」の発生が顕著となるため、その含有量の上限を1%とするのが好ましい。
また、Wは固溶強化により鋼材の強度上昇に寄与するため、その効果をえるために0.01%以上含有させる。一方、2%を超えて含有すると、著しいミクロ偏析が生じて、鋼材製造時の材料の延性を低下させて熱間加工性を劣化させることからその含有量の上限を2%とするのが好ましい。
Ti,Nb,Vは何れも窒素、炭素との親和力が高く、本発明鋼のような比較的C含有量が高い鋼材では主に炭化物として析出して析出強化により材料強度上昇に寄与する。これらの元素は何れも0.001%以上含有させないとその効果は発揮できないため、これらの元素の含有量をそれぞれ0.001%とするのが好ましい。一方、TiとNbは0.05%を超えて含有すると析出物が粗大化して靭性劣化を来すため、それぞれの含有量の上限は0.05%とするのが好ましい。またVは0.5%を超えて添加すると同様に析出物粗大化が生じることから、その含有量の上限は0.5%とするのが好ましい。
なお、上記Ti,Nb,Vの元素は、液相拡散接合そのものの継手形成過程や組織形成には何ら影響を与えないことを本発明者らは確認している。
また、上記Ti,Nb,Vの炭化物などの析出物と拡散原子であるBおよびPの相互作用は確認されず、接合部のBおよびPの拡散範囲における炭硼化物や燐化物の生成に変化は見られなかった。但し、接合部のBおよびPの拡散範囲において、Ti,Nbの添加によってNが固定され、その結果BNの生成が抑制されることは認められた。
Alは鋼材の脱酸に有効で、鋼中の不可避的不純物としての酸素濃度を低減し、粗大なSi−Mn系酸化物の生成を防止するために、その効果が得られる0.002%以上で含有させることが好ましい。一方、0.2%を超える含有量では、Al23の酸化物クラスターを形成し、かえって鋼材の靭性劣化を生じるので、その含有量の上限を0.2%とするのが好ましい。
本発明による鋼材の製造は、従来の高炉−転炉による銑鋼一環プロセスを適用するだけでなく、冷鉄源を使用した電炉製法、触媒式転炉製法も適用でき、さらに連続鋳造工程だけでなく通常の鋳造、鍛造、分塊工程を経て製造することも可能であり、本発明で規定する化学成分範囲と式の制限を満足することで、本発明による鋼材を種々の製造方法で製造することが可能である。また、製造した鋼材の形状には制限が無く、例えば鋼板、鋼管、棒鋼、線材、形鋼など種々の形状としてもよい。
本発明による鋼材は、液相拡散接合に専ら使用する成分であり、通常の溶接などを適用して構造体を製造することは考慮されていないため、通常の溶接継手として必要とする特性が得られない場合がある。しかし、このことは本発明鋼材に溶接の適用を不可とするものではなく、他の溶接方法と併用して本発明鋼材を液相拡散接合する場合には有用であり、かつ本発明の効果を拡大適用でき、工業的利用価値を高めることが可能である。
本発明の対象となる接合技術であるところの液相拡散接合においては、接合しようとする材料間に接合合金箔などのインサートメタルを介在させ、その融点よりも高い温度に開先および被接合材料全体を加熱して、さらに接合する開先間に応力を付加することでインサートメタルの溶融と被接合材料の融合、さらにBまたはPの拡散が生じることとなり、液相拡散接合継手が形成される。この時に本発明で規定する条件を満足していないと、既に述べたように接合部に炭硼化物、BN,燐化物の析出物が多量に生成して継手の特性が確保できない。これを緩和する唯一の接合条件による対処は、本発明者らの研究では接合温度の上昇が有効な1つの手段であることも判明した。
図3は、上述した本発明で規定する基本成分及びDT値を満足した鋼材を液相拡散接合する際の接合温度(等温凝固のための保持温度)と、得られた接合継手の0℃におけるシャルピー吸収エネルギーとの関係を示すグラフである。出力100kWの高周波誘導加熱装置と、圧縮応力を付加でき、かつ継手の雰囲気を調整できる気密装置とからなる液相拡散接合装置を用い、12mm×12mm角断面の50mm長さの試験片端どうしを突き合わせて接合し、長さ約100mmの継手を作製した。使用した液相拡散接合用合金箔の化学組成はNi基−3.5%B−3.0%Siからなる非晶質の12mm×12mm四方の合金箔であり、その厚みは40μmであった。接合雰囲気は窒素中、接合応力は5MPa一定とした。接合して得られた継手から10mm×10mm角断面のJIS Z2201に記載の衝撃試験片を採取し、接合線位置に2mmの切り欠きを加工して、シャルピー試験を実施して衝撃吸収エネルギーを測定した。
使用した接合合金箔の融点は1050℃近傍にあるため、1100℃では完全に溶融していると考えられる。しかし、図3から、1100℃より高い温度域でも接合温度の上昇によって衝撃吸収エネルギーは上昇していくことが判る。特に、1200℃以上の接合温度において本発明の目標である0℃におけるシャルピー吸収エネルギーが47J以上の十分な継手靭性が得られている。本発明らは、特性X線による微小部分析装置を備えた電子顕微鏡解析により、接合部断面の析出物形態を分析した結果、接合温度が高温になるほど接合部に析出した炭硼化物または燐化物あるいはBNが微細であること、またその析出密度も減少していることが判明した。この現象は、接合温度が高温になるほど被接合材料が多く溶融されるため、液相拡散接合部の等温凝固相中のBまたはPの濃度が希釈されて低下し、炭硼化物または燐化物あるいはBNの析出が生じにくくなったためであると思われる。
以上の検討結果を踏まえ、本発明において、上述した本発明で規定する基本成分及びDT値を満足した鋼材を液相拡散接合する際の接合温度(等温凝固のための保持温度)は1200℃以上とするのが好ましい。
実験室規模真空溶解、あるいは実機鋼板/鋼管/棒鋼製造設備において、スラブの連続鋳造、ビレット連続鋳造機、もしくは鋳型への鋳造工程を経て、100kg〜300tonの試験片を製造した。製造プロセスには通常の銑鋼一環プロセスと脱ガス二次精錬設備を併用して不純物の低減した。また、製造した鋼板、鋼塊には必要に応じて均一化焼鈍、低温制御圧延、試験片の焼き入れ、焼き戻し、焼準しを単独あるいは種々組み合わせて、または複数回実施した。
鋼板、鋼管、棒鋼等の試験片からは、液相拡散接合用に15mm角、50mm長さの角棒試験片を採取し、端面を粗さRmax<100μmに仕上げ、2本の角棒を突き合わせ、それらの間に接合用非晶質合金箔を介在させて、応力5〜10MPaを負荷し、高周波誘導過熱コイルを用いて接合部を1000〜1300℃に2分間で昇温し、接合温度である1000〜1300℃において5分間〜30分間保持し、その後0.1〜50℃/秒で冷却した。5℃/秒以上で冷却したもの、および化学成分によっては焼き入れ性が高い場合に引張り強さが900MPa以上と高いものについては熱処理を実施して軟化する工程を加えた。また、一部の試験片には焼き入れ−焼き戻しの調質熱処理を実施して試験片とした。
なお、上述の液相拡散接合に使用した箔は表1に示すとおり、市販のNi−B系、Ni−P系、Fe−B系、Fe−P系を使用した。P系の箔を用いる接合では、Pの拡散速度が比較的小さいため、接合温度における保持時間は15分以上と長くした。
接合および熱処理を終了した試験片からは、接合線を中心として6mmφの平行部を有する引張り試験片、および10mm角のJIS4号衝撃試験片を採取し、接合線に2mmの切り欠きを加工して靭性を0℃のシャルピー衝撃試験の吸収エネルギーで評価した。既に記述したとおり、構造体として評価すべく47Jを閾値として設定した。
表2には本発明鋼の化学成分とDT値、評価試験で測定した接合部の引張り強さと0℃のシャルピー吸収エネルギー、同じく接合部の断面組織を電子顕微鏡で観察し、特性X線の解析によって得た炭硼化物、BN、または燐化物の体積分率を示した。さらに液相拡散接合の接合温度と保持時間、使用した箔の種類を表1の記号I、II、III 、IVで区別して示した。
本発明による鋼材はいずれも600MPa以上の強度を有し、0℃におけるシャルピー吸収エネルギーは47J以上である。これらは継手部における炭硼化物、BNまたは燐化物の体積率が2%以下であることに起因している。
表3には本発明鋼に対する比較鋼の評価結果を化学成分および接合条件とともに示した。
比較鋼のうち、No. 51はC量が上限を超えたために材料強度が上昇し、鋼材として低靭性材料となった例、No. 52はSi量が過多となり、強度はあまり高くないものの、SiO2-MnO複合酸化物が多数粗大に生成して靭性が劣化した例、No. 53はMn量が過多となり、強度が上昇しすぎて靭性が低下した例、Nos. 54および55は不純物であるPとSがそれぞれ多く、粒界が脆化して強度は得られたものの靭性が低下した例、No. 56はCrが7%を超えて添加され、強度が上昇した事に加えて、Crを主要構成元素とする燐化物が2%を超える体積率を占め、強度と靭性が共に得られなかった例、No. 57はMoが0.7%を大きく超えたためにMoを主体とする炭硼化物、この場合は特に粗大な(Mo,Cr)3B2型析出物を多数検出した。No. 58は被接合材料中に既に多量のBが含有されていたため、BNが多数継手のみならず母材の至る所に析出し、靭性が劣化した例、No. 59は窒素含有量が高く過ぎたために同様にBNが大量に析出し、靭性が劣化した例、No. 60は接合温度が本発明で規定する温度より低く、炭硼化物の析出が僅かに多く、接合線上および粒界が脆化して強度と靭性が共に得られなかった例、Nos. 61と62は化学成分は本発明の範囲にあるものの、DT値が10を超え、材料強度が高くなりすぎて脆化感受性が高まり、靭性が得られなかった例である。
Figure 0004267521
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液相拡散接合部における炭硼化物,BN,燐化物の体積分率と0℃における接合部の靭性の関係を示す図である。 DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×(%Mn)値と液相拡散接合部の靭性の関係を示す図である。 液相拡散接合温度と継手靭性の関係を示す図である。

Claims (13)

  1. 質量%で、C:0.3超〜0.6%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.01〜3%、Cr:0.01〜7%、Mo:0.01〜0.7%、B:0.001〜0.005%、N:0.001〜0.01%を含有し、P:0.03%以下、S:0.005%以下、O:0.01%以下に制限し、かつ下記(1)式で定められるDT値が10以下であり、残部が不可避的不純物からなる母材部と、BまたはPの拡散範囲におけるBまたはPの含有量が0.005%超であり、かつ平均球相当径が1μm以上のCr及びMoを主体とする炭硼化物、BN、Crを主体とする燐化物の1種または2種以上が体積率で2%以下含有する接合部からなることを特徴とする接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
    DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×(%Mn) ・・・(1)
    なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。
  2. 前記母材部が、さらに、質量%で、Ni:0.01〜2%、Co:0.01〜1%、Cu:0.01〜1%、W:0.01〜2%の1種または2種以上を含有し、下記(2)式で定められるDT値が10以下であることを特徴とする請求項1に記載の接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
    DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×((%Mn)+0.7×(%Ni)+0.2×(%Co)+0.5×(%Cu)+0.4×(%W)) ・・・(2)
    なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。
  3. 前記母材部が、さらに、Ti:0.001〜0.05%、Nb:0.001〜0.05%、V:0.001〜0.5%、Al:0.002〜0.2%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
  4. 前記炭硼化物はM3(B,C)2型、M3(B,C)4型またはM23(C,B)6型の炭硼化物であり、前記燐化物がM3P2型、M2P型の燐化物であり、かつ前記Mを構成する遷移元素の50%以上がCr及びMoの1種または2種であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
  5. 前記母材部及び接合部の引張強さが600MPa以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
  6. 質量%で、C:0.3超〜0.6%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.01〜3%、Cr:0.01〜7%、Mo:0.01〜0.7%、B:0.001〜0.005%、N:0.001〜0.01%を含有し、P:0.03%以下、S:0.005%以下、O:0.01%以下に制限し、かつ下記(1)式で定められるDT値が10以下であり、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする液相拡散接合用高強度鋼材。
    DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×(%Mn) ・・・(1)
    なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。
  7. さらに、質量%で、Ni:0.01〜2%、Co:0.01〜1%、Cu:0.01〜1%、W:0.01〜2%の1種または2種以上を含有し、下記(2)式で定められるDT値が10以下であることを特徴とする請求項6に記載の液相拡散接合用高強度鋼材。
    DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×((%Mn)+0.7×(%Ni)+0.2×(%Co)+0.5×(%Cu)+0.4×(%W)) ・・・(2)
    なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。
  8. さらに、Ti:0.001〜0.05%、Nb:0.001〜0.05%、V:0.001〜0.5%、Al:0.002〜0.2%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項6または7に記載の液相拡散接合用高強度鋼材。
  9. 引張強さが600MPa以上であることを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載の液相拡散接合用高強度鋼材。
  10. 質量%で、C:0.3超〜0.6%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.01〜3%、Cr:0.01〜7%、Mo:0.01〜0.7%、B:0.001〜0.005%、N:0.001〜0.01%を含有し、P:0.03%以下、S:0.005%以下、O:0.01%以下に制限し、かつ下記(1)式で定められるDT値が10以下であり、残部が不可避的不純物からなる高強度鋼材を液相拡散接合する際に、接合保持温度を1200℃以上とすることを特徴とする接合部の靭性に優れた高強度鋼材の液相拡散接合方法。
    DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×(%Mn) ・・・(1)
    なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。
  11. 前記母材部が、さらに、質量%で、Ni:0.01〜2%、Co:0.01〜1%、Cu:0.01〜1%、W:0.01〜2%の1種または2種以上を含有し、下記(2)式で定められるDT値が10以下であることを特徴とする請求項10に記載の接合部の靭性に優れた高強度鋼材の液相拡散接合方法。
    DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×((%Mn)+0.7×(%Ni)+0.2×(%Co)+0.5×(%Cu)+0.4×(%W)) ・・・(2)
    なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。
  12. さらに、Ti:0.001〜0.05%、Nb:0.001〜0.05%、V:0.001〜0.5%、Al:0.002〜0.2%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項10または11に記載の接合部の靭性に優れた高強度鋼材の液相拡散接合方法。
  13. 前記鋼材の引張強さが600MPa以上であることを特徴とする請求項10〜12の何れかに記載の接合部の靭性に優れた高強度鋼材の液相拡散接合方法。
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