JP4267521B2 - 溶接部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手および液相拡散接合用高強度鋼材並びにその液相拡散接合方法 - Google Patents
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一般に液相拡散接合とは、被接合材料の接合面すなわち開先間に、被接合材料に比較して低融点で、かつ、例えば、BまたはPの拡散元素を含有し、NiまたはFeの基材からなる多元系非晶質合金箔など(以下、インサートメタルと称する。)を介在させた後、低融点合金箔の融点以上の温度に加熱保持し、拡散律速の等温凝固過程を経た拡散接合によって継手を形成する技術である。なお、ここで、非晶質合金箔とは、少なくとも結晶構造の50%以上が非晶質からなる合金箔を意味する。この液相拡散接合法は、通常の溶接技術と異なり、接合部の熱膨張、収縮に伴う溶接残留応力が殆ど生じないこと、および溶接のような余盛りを発生しないことから接合表面が平滑かつ精密な継手を形成できるなどの特徴を有する。
つまり、液相拡散接合法では、被接合材料の開先間に介在させた上記低融点の非晶質合金箔中に含有するBまたはPの拡散元素を被接合材中へ拡散させ、拡散律速の等温凝固過程を経て接合させるため、通常の厚さ10μm程度の低融点非晶質合金箔を用いた場合で、その融点以上の温度に相当する約900〜1300℃の加熱温度で、約60秒以上等温保持する必要がある。この加熱温度は、特にフェライト構造を有する鋼材の変態点、Ac1或いはAc3を超える温度に相当し、接合部以外の継手母材部もこの相変態点以上の温度に加熱されるため、母材部の組織は冷却過程での相変態により変質し、母材部の最終組織および機械的特性が決定されることになる。
液相拡散接合による継手作製時には、工業的には拡散律速の等温凝固を早く終了させ、接合時間の短縮化が求められるため、母材部の相変態、再結晶、粒成長が顕著に生じる場合があった。従って、液相拡散接合後に継手を熱処理して調質処理を実施する場合もある。
この方法は、液相拡散接合後に、継手を熱処理する工程を必要とするために、生産性を低下させ、処理コストの増加を招くなどの工業的な問題がある。また、この方法を用いて継手の靭性などの機械的特性を改善するためには、被接合材料の化学組成と密接に関係した加熱、冷却条件を行う必要があるため、幅広い成分組成および組織の鋼材に対応した制御は難しく、液相拡散接合に適用できる被接合材料の成分組成の自由度を制約する結果を招くこととなる。
液相拡散接合法の優れた特徴の1つに接合形態として拡散速度の早いBまたはPを拡散原子とする拡散律速凝固を活用している点が上げられる。特に、Bは鋼中の結晶粒界、特にγ粒界に偏析して変態現象に影響を与え、特に被接合部材の厚みが10mm以上に厚くなった場合、表層付近と板厚中心部との冷却速度の差に対する変態挙動の感受性の差を小さくし、継手近傍の冷却時の焼き入れ性を向上させる効果を有する。
一般に鋼材の焼入れ性を高める元素としては、鋼の精錬工程での導入が容易で、かつ安価なC、Nの他に、高価ではあるが鋼材の特性制御に有用なCr,Mo,Mn,Ni,Co,Cu,Wが知られている。鋼材の焼入れ性が高まると、通常のCやNの拡散律速で生じるγ−α変態ではなく、原子どうしの金属格子における位置の微動で生起する格子変態(一般に低温変態と称されるマルテンサイト変態やベイナイト変態を含む)が生じるようになり、鋼材の強度は組織で決定される。
C含有量が0.3%超で、引張強さが600MPa以上である高強度鋼材を液相拡散接合する場合には、接合部の拡散律速凝固過程でBまたはPの拡散元素が拡散する領域において、炭硼化物、BN、燐化物などの析出物が生成しやすい。また、高強度鋼材では、Cの他に含有する焼き入れ性成分の含有により接合部における析出物による破戒発生の感受性向が高いことも手伝って、継手靭性など機械的特性の低下が顕著となると考えられる。
液相拡散接合に適した引張強さが600MPa以上の高強度鋼については、本願発明者らは、例えば特許文献2、特許文献3、特許文献4で提案している。しかし、これらの材料は高強度かつ高靭性の特性を鋼材と液相拡散接合継手に接合ままで付与するために合金元素を添加して焼入れ性の向上を図るべく炭素を0.3%未満に制限した鋼材に関するものであり、C含有量が0.3%超の鋼材を対象とする技術ではない。したがって、工具用鋼、ボルト用鋼、ばね用鋼などに代表される、耐摩耗性、耐食性、および鋼材コストの観点から合金元素を多量に含有しないような高C含有量の高強度鋼材を液相拡散接合する場合の継手の強度、靭性などの機械的特性を向上することはできない。
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。
したがって、接合構造体あるいは機械部品などの液相拡散接合法の適用分野において、通常の溶接接合継手では得られない残留応力が小さくかつ精密形状の液相拡散接合継手の製作を可能とし、従来接合法では実現が困難であった新しい生産工程、機械部品、接合構造体を提供することが可能となる。
本発明で規定した液相拡散接合用鋼材の化学成分、継手強度および靭性等の性質を得るために必要な継手接合部における炭硼化物、BNまたは燐化物の形態および体積分率について説明する。
先ず、本発明の目的を達成するために、鋼材中に基本成分として含有する化学成分および不可避的不純物として制限すべき化学成分の限定理由について説明する。
なお、以下の説明において特に説明のない限り、「%」は「質量%」を意味するものとする。
なお、本発明では、上記液相拡散接合継手における接合部のBまたはPの拡散原子の拡散範囲とは、液相拡散接合の等温凝固で接合合金箔を介してBあるいはPの拡散原子が被接合材料側の鋼中に拡散した結果、BあるいはPの含有量が0.005%超となる領域を意味するものとする(以下、同様とする) 。
本発明者らの検討結果によれば、接合合金箔中に含有するBまたはPを拡散原子として、0.3%以上の炭素を含有する引張強さが600MPa以上の高強度鋼を液相拡散接合する場合には、接合部のBまたはPの拡散範囲に炭硼化物、BN、燐化物の析出物が生成すると、継手の強度、靭性、組織均一性の全てに影響を与え、機械的特性が低下するという問題が生じる。具体的には、継手強度が引張強さ600MPa以上の母材強度と同等以上とし、継手靭性が0℃におけるシャルピー吸収エネルギーが47J以上とする、本発明が目標とする継手の機械的特性を確保することが困難となる。
本発明者らは、継手接合部の断面を電子顕微鏡観察にて画像解析手法によって上記析出物の占有面積を20個以上測定し、その測定値の平均値を基に析出物の断面形状が形態に拘わらず全て真円であると仮定して円相当径の平均値を求め、析出物が球形と仮定する場合の平均球相当径と定義した。そして、上記基本化学成分を含有する高強度鋼材を液相拡散接合後、接合部のBまたはPの拡散範囲に含有する平均球相当径が1μm以上の炭硼化物、BNまたは燐化物からなる析出物の体積率と、継手靭性を測定した。
なお、上記接合部のBまたはPの拡散範囲とは、上述した通り、液相拡散接合の等温凝固で接合合金箔を介してBまたはPの拡散原子が被接合材料側の鋼中に拡散した結果、接合線を中心として被接合材両側におけるBまたはPの含有量が0.005%超となる全領域を意味する。ここで、接合線とは、液相拡散接合の最終等温凝固位置を概略面であると仮定した場合に、接合断面で見て見かけ上、線となる位置を意味する。
なお、接合部のBまたはPの拡散範囲におけるBまたはPの含有量の測定は、例えば、特性X線解析装置を付帯する電子顕微鏡により、接合線に対して垂直方向の線状連続走査分析により行なうことができる。
なお、対象とした被接合材は本発明で規定する上記基本化学成分を有するものであるが、後述する(1)式で定義されるDT値の条件を満しない鋼材も含まれる。また、ここで継手のシャルピー衝撃試験はJIS Z2201に従って実施した。
図1から、接合部のBまたはPの拡散範囲における平均球相当径が1μm以上のCr及びMoを主体とする炭硼化物、BN、Crを主体とする燐化物の1種または2種以上が体積率で2%を超える場合には、本発明が目標とする0℃におけるシャルピー吸収エネルギーが47J以上の継手靭性が確保できない。
したがって、本発明では、上記基本化学成分を有する鋼材を液相拡散接合して得られる継手の靭性を十分向上(例えば、0℃におけるシャルピー吸収エネルギーが47J以上)するために、接合部のBまたはPの含有量が0.005%超であるBまたはPの拡散範囲における平均球相当径が1μm以上のCr及びMoを主体とする炭硼化物、BN、Crを主体とする燐化物の1種または2種以上の体積率を2%以下とした。
継手靭性は接合部の組織、特に上記形態の析出物の含有量と強度に強く依存すると考えられる。したがって、炭硼化物、BN、燐化物の1種または2種以上からなる析出物の体積率が2%以下であっても、その接合部の強度が高い場合には継手靭性は低下することとなる。
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。
上記Mo,Cr,Mnはインサートメタル中に添加すると融点を上昇させ、液相拡散接合を実現するための適正温度範囲を狭めることから、通常は接合合金箔などのインサートメタル中に添加しない元素である。しかし、これらの元素は、鋼材の強度確保のために必須な焼入れ性成分であるため、被接合材料中のこれらの元素がインサートメタルと溶融し、混合することによって接合部の等温凝固相中に取り込まれ、この部位の構成金属元素となる事を考慮したものである。なお、接合部においては接合線を中心とする被接合材両側約50μmの領域が等温凝固相となることが多く、この部位が最もBまたはP等の拡散原子濃度が高い。一方、この部位のCr,Mo,Mn,C等はインサートメタルによって希釈され、強度上昇のために含有する被接合材料中のCr,Mo,Mn,C等の含有量に比べて低くなっている。
上記(1)式で定義されるDT値は、0.3%以上の炭素を含有する引張強さが600MPa以上の高強度鋼材を液相拡散接合した継手接合部で問題となるCr及びMoを主体とする炭硼化物、BN、Crを主体とする燐化物の1種または2種以上からなる析出物による機械的特性の影響を考慮し、上記液相拡散接合部の特殊な合金組成に基づいた接合部の焼き入れ性推定式であり、従来にない新規の知見に基づいてなされた推定式である。
図2から上記(1)式で定義されるDT値が10を超える場合は継手靭性が本発明が目標とする0℃におけるシャルピー吸収エネルギー:47Jを超えることはない。
したがって、本発明では、上記基本化学成分を有する被接合材を用いた液相拡散接合継手の良好な靭性(例えば、0℃におけるシャルピー吸収エネルギーが47J以上)を確保するために、上記基本化学成分の含有量の規定に加え、上記(1)式で定義されるDT値が10以下になるように被溶接材料中の成分を規定する。
上記で規定する本発明の基本成分に加えて、これらの元素を追加して含有させる場合には、上記(1)式におけるMn含有量をこれらの元素の含有量で補正する必要がある。本発明者の実験結果によれば、下記(3)式により、Ni、Co、Cu、Wの1種または2種以上の含有量から、上記(1)式におけるMn含有量と等価なMn相当量を決定できることを実験的に確認した。
したがって、本発明では、上記で規定する本発明の基本成分に加えて、Ni、Co、Cu、Wの1種または2種以上を添加する場合は、上述した継手靭性など機械的特性を向上する理由から、上記(1)式におけるMn含有量を下記(3)式で定義されるMn相当量で補正した、つまり(2)式で示されるDT値が10以下を満足するように鋼材成分を規定することが好ましい。
Mn相当量=0.7(%Ni)+0.2(%Co)+0.5(%Cu)+0.4(%W) ・・・(3)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。
Ni,Co,Cuは何れも靭性を劣化させずに鋼材の強度上昇を実現できる元素であるため、その効果を発揮させるためには何れも0.01%以上を含有させるのが好ましい。一方、Ni、Coは鋼材組織のマルテンサイトあるいはベイナイトのラス間に残留γの形成を伴う場合があり、特に高強度部品では液相拡散接合終了後の熱処理、あるいは加工誘起変態等で僅かな形状変化が懸念される。そのため、Ni、Co含有量のそれぞれの上限をそれぞれ2%、1%とするのが好ましい。Cu含有量が1%を超える場合には、鋼材製造時の1050〜1200℃の熱間加工で鋼板表面の粒界酸化起因で生じる表層微小割れ、すなわち「赤熱脆性」の発生が顕著となるため、その含有量の上限を1%とするのが好ましい。
また、Wは固溶強化により鋼材の強度上昇に寄与するため、その効果をえるために0.01%以上含有させる。一方、2%を超えて含有すると、著しいミクロ偏析が生じて、鋼材製造時の材料の延性を低下させて熱間加工性を劣化させることからその含有量の上限を2%とするのが好ましい。
なお、上記Ti,Nb,Vの元素は、液相拡散接合そのものの継手形成過程や組織形成には何ら影響を与えないことを本発明者らは確認している。
Alは鋼材の脱酸に有効で、鋼中の不可避的不純物としての酸素濃度を低減し、粗大なSi−Mn系酸化物の生成を防止するために、その効果が得られる0.002%以上で含有させることが好ましい。一方、0.2%を超える含有量では、Al2O3の酸化物クラスターを形成し、かえって鋼材の靭性劣化を生じるので、その含有量の上限を0.2%とするのが好ましい。
以上の検討結果を踏まえ、本発明において、上述した本発明で規定する基本成分及びDT値を満足した鋼材を液相拡散接合する際の接合温度(等温凝固のための保持温度)は1200℃以上とするのが好ましい。
Claims (13)
- 質量%で、C:0.3超〜0.6%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.01〜3%、Cr:0.01〜7%、Mo:0.01〜0.7%、B:0.001〜0.005%、N:0.001〜0.01%を含有し、P:0.03%以下、S:0.005%以下、O:0.01%以下に制限し、かつ下記(1)式で定められるDT値が10以下であり、残部が不可避的不純物からなる母材部と、BまたはPの拡散範囲におけるBまたはPの含有量が0.005%超であり、かつ平均球相当径が1μm以上のCr及びMoを主体とする炭硼化物、BN、Crを主体とする燐化物の1種または2種以上が体積率で2%以下含有する接合部からなることを特徴とする接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×(%Mn) ・・・(1)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。 - 前記母材部が、さらに、質量%で、Ni:0.01〜2%、Co:0.01〜1%、Cu:0.01〜1%、W:0.01〜2%の1種または2種以上を含有し、下記(2)式で定められるDT値が10以下であることを特徴とする請求項1に記載の接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×((%Mn)+0.7×(%Ni)+0.2×(%Co)+0.5×(%Cu)+0.4×(%W)) ・・・(2)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。 - 前記母材部が、さらに、Ti:0.001〜0.05%、Nb:0.001〜0.05%、V:0.001〜0.5%、Al:0.002〜0.2%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
- 前記炭硼化物はM3(B,C)2型、M3(B,C)4型またはM23(C,B)6型の炭硼化物であり、前記燐化物がM3P2型、M2P型の燐化物であり、かつ前記Mを構成する遷移元素の50%以上がCr及びMoの1種または2種であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
- 前記母材部及び接合部の引張強さが600MPa以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の接合部の靭性に優れた高強度液相拡散接合継手。
- 質量%で、C:0.3超〜0.6%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.01〜3%、Cr:0.01〜7%、Mo:0.01〜0.7%、B:0.001〜0.005%、N:0.001〜0.01%を含有し、P:0.03%以下、S:0.005%以下、O:0.01%以下に制限し、かつ下記(1)式で定められるDT値が10以下であり、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする液相拡散接合用高強度鋼材。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×(%Mn) ・・・(1)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。 - さらに、質量%で、Ni:0.01〜2%、Co:0.01〜1%、Cu:0.01〜1%、W:0.01〜2%の1種または2種以上を含有し、下記(2)式で定められるDT値が10以下であることを特徴とする請求項6に記載の液相拡散接合用高強度鋼材。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×((%Mn)+0.7×(%Ni)+0.2×(%Co)+0.5×(%Cu)+0.4×(%W)) ・・・(2)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。 - さらに、Ti:0.001〜0.05%、Nb:0.001〜0.05%、V:0.001〜0.5%、Al:0.002〜0.2%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項6または7に記載の液相拡散接合用高強度鋼材。
- 引張強さが600MPa以上であることを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載の液相拡散接合用高強度鋼材。
- 質量%で、C:0.3超〜0.6%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.01〜3%、Cr:0.01〜7%、Mo:0.01〜0.7%、B:0.001〜0.005%、N:0.001〜0.01%を含有し、P:0.03%以下、S:0.005%以下、O:0.01%以下に制限し、かつ下記(1)式で定められるDT値が10以下であり、残部が不可避的不純物からなる高強度鋼材を液相拡散接合する際に、接合保持温度を1200℃以上とすることを特徴とする接合部の靭性に優れた高強度鋼材の液相拡散接合方法。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×(%Mn) ・・・(1)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mnの質量%を示す。 - 前記母材部が、さらに、質量%で、Ni:0.01〜2%、Co:0.01〜1%、Cu:0.01〜1%、W:0.01〜2%の1種または2種以上を含有し、下記(2)式で定められるDT値が10以下であることを特徴とする請求項10に記載の接合部の靭性に優れた高強度鋼材の液相拡散接合方法。
DT=3×(%Mo)+1.3×(%Cr)+2.7×((%Mn)+0.7×(%Ni)+0.2×(%Co)+0.5×(%Cu)+0.4×(%W)) ・・・(2)
なお、上記(%Mo)、(%Cr)、(%Mn)、(%Ni)、(%Co)、(%Cu)、(%W)はそれぞれ鋼材中に含有するMo、Cr、Mn、Ni、Co、Cu、Wの質量%を示す。 - さらに、Ti:0.001〜0.05%、Nb:0.001〜0.05%、V:0.001〜0.5%、Al:0.002〜0.2%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項10または11に記載の接合部の靭性に優れた高強度鋼材の液相拡散接合方法。
- 前記鋼材の引張強さが600MPa以上であることを特徴とする請求項10〜12の何れかに記載の接合部の靭性に優れた高強度鋼材の液相拡散接合方法。
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