JP4266662B2 - (r)−ヒドロキシニトリルリアーゼ及びその利用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ、及びそれを使用した(R)-シアノヒドリンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学活性シアノヒドリンは、光学活性有機合成中間体として有用であり、例えば医薬品等を得るために使用される。
【0003】
光学活性(R)-シアノヒドリンをシアン化合物とカルボニル化合物とから合成する手段の一つとして、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼと呼ばれる酵素を使う合成方法が知られている。例えば、ベンズアルデヒドとシアン化水素とを、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ触媒により反応させると、(R)-マンデロニトリルが生成する(図1)。
【0004】
(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼには、例えばトウダイグサ科に属する植物であるキャッサバ(Manihot esculenta)由来のもの(EC 4.1.2.37)、バラ科に属する植物であるアーモンド(Prunus amygdalis)由来のもの(EC 4.1.2.10)、あるいはイネ科に属する植物であるモロコシ(Sorghum bicolor)由来のもの(EC 4.1.2.11)などが知られており、これらの酵素をコードする遺伝子配列も知られている。
【0005】
通常、上記酵素を使用する光学活性シアノヒドリンの合成は、当該酵素並びに基質であるシアン化合物及びカルボニル化合物を必須要素として、水系、水-有機溶媒二相系、有機溶媒-微水系、有機溶媒系等で実施されるが、その際に、非対称のシアノヒドリンのエナンチオマー混合物が生じる。一般に、生物活性エナンチオマー混合物においては、二種類のエナンチオマーのうちの一方だけが生物活性を示すため、光学活性シアノヒドリンの(R)-エナンチオマーをできるだけ高純度で製造する必要がある。
【0006】
しかし、得られた(R)-シアノヒドリンの光学純度は、必ずしも満足のいくものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを提供することを目的とする。また、本発明は、該酵素を用いた(R)-シアノヒドリンの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、パッションフルーツ等の植物体の懸濁液から (R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ組成物を得、これにより(R)-シアノヒドリンを製造することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) 以下の性質を有するパッションフルーツ(Passiflora edulis)由来の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ。
(a) 作用:カルボニル化合物とシアン化合物とから(R)-シアノヒドリンの合成を触媒する
(b) 分子量:SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分子量決定法により約15,000の分子量を有し、かつ、ゲルろ過による分子量決定法により約18,000の分子量を有する
(c) N末端配列が配列番号1で表されるアミノ酸配列である
(2) パッションフルーツ(Passiflora edulis)、ビワ(Eriobotrya japonica)、カリン(Chaenomeles siensis)、プルヌス・ペルシカ(Prunus persica)およびソルブス・オーキュパリア(Sorbus aucuparia)から選択される少なくとも1種の植物体由来の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ活性又はその活性をもつ組成物を、カルボニル化合物及びシアン化合物に接触させることを含む(R)-シアノヒドリンの製造方法。
(3) (1)記載の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼを、カルボニル化合物及びシアン化合物に接触させることを含む(R)-シアノヒドリンの製造方法。
(4) カルボニル化合物がベンズアルデヒドであり、且つシアン化合物がシアン化水素である(2)又は(3)に記載の(R)-シアノヒドリンの製造方法。
(5) (2)〜(4)のいずれかの方法により製造された(R)-シアノヒドリンを、鉱酸を用いて加水分解することを含むα-ヒドロキシカルボン酸の製造方法。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ(以下、「(R)-hnl」という。)は、シアン化合物とカルボニル化合物とから(R)-シアノヒドリンを合成する触媒作用を有する酵素であり、ビワ、パッションフルーツ、カリン、プルヌス・ペルシカ又はソルブス・オーキュパリアから得ることができる。
【0012】
1.酵素の調製
本発明の酵素組成物の供給源としては、パッションフルーツ、ビワ、カリン、プルヌス・ペルシカ又はソルブス・オーキュパリアの植物体が挙げられる。
【0013】
パッションフルーツ(Passiflora edulis)は、南米原産のつる性多年生のトケイソウ科植物であり、熱帯果樹である。
ビワ(Eriobotrya japonica)は中国の揚子江沿岸を原産とするバラ科の常緑高木である。
カリン(Chaenomeles siensis)は中国原産の落葉性高木のバラ科植物である。
プルヌス・ペルシカ(Prunus persica)はバラ科植物であり、ホウキモモ、ゲンペイシダレがこれに属する。
ソルブス・オーキュパリア(Sorbus aucuparia)はバラ科植物である。
【0014】
上記植物の植物体は、直接採木したものでも市販のものでもよく、茎、葉(若葉)等が用いられる。本発明においては、採取の容易性の観点から葉又は種子が好ましい。
【0015】
本発明の酵素組成物は、以下の調製方法により得ることができる。すなわち、上記植物の葉又は種子等を液体窒素等により凍結してすりつぶした後、リン酸バッファー等の緩衝液に懸濁する。
【0016】
この懸濁液について、酵素の精製に常用される(1)沈澱による分画、(2)各種クロマトグラフィー、(3)透析、限外濾過等による低分子物質の除去方法などを、単独で、又は適宜組み合わせて使用することにより得ることができる。
【0017】
(1)の沈澱による分画に使用される物質は、水に対する溶解度が高く、溶解度の温度変化が少ない点で硫酸アンモニウム(硫安)が好ましい。添加する濃度は特に制限はないが、(R)-hnlを収率良く回収でき、しかも他の蛋白質成分と分離できる条件が好ましい。
【0018】
(2)のクロマトグラフィーとしては、ゲルろ過法、イオン交換クロマトグラフィー、等電点クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどが挙げられる。
【0019】
▲1▼ ゲルろ過法は、タンパク質を分子量の大きさで分ける手法であり、ゲル粒子が持つ網目構造により、目的とするタンパク質の分子量に応じて選択することができる。ゲルろ過に使用されるカラムとしては、例えばSephadex G25、Sephadex G50、 Sephadex G100、Sephadex G200、S-100HR、S-200HR、S-300HR(いずれもPharmacia)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
▲2▼イオン交換クロマトグラフィーは、タンパク質が両性電解質であることを利用した分離法であり、陽イオン交換クロマトグラフィー及び陰イオン交換クロマトグラフィーがある。陽イオン交換クロマトグラフィーのための交換基にはカルボキシメチル(CM)が用いられ、例えばCM-Toyopearl(東ソー)、CM-Cellulofine(生化学工業)、CM-Sephadex(Pharmacia)カラム等が挙げられる。また、陰イオン交換クロマトグラフィーのための交換基にはジエチルアミノエチル(DEAE)が用いられ、例えばDEAE-Toyopearl(東ソー)、DEAE-Cellulofine(生化学工業)、DEAE-Sephadex(Pharmacia)、MonoQカラム等が挙げられる。但し、これらのカラムに限定されるものではない。
【0021】
▲3▼ 疎水性クロマトグラフィーは、タンパク質とゲルに結合したリガンド間の疎水的相互作用に基づく分離手法であり、例えばPhenyl-Superose、TSKシリーズのカラムが用いられる。また、移動相を極性有機溶媒、固定相を長鎖の無極性リガンドとし、両相間で溶質の分配を行う逆相クロマトグラフィー(例えばPEP-PRC, TSK-ODS等)を利用することもできる。
【0022】
▲4▼ アフィニティークロマトグラフィーは、タンパク質や酵素に特異的に結合する物質をカラムにつけ、特異的結合反応を利用して目的とするタンパク質等を分離することを特徴とするものであり、アガロース(Sepharose)、デキストラン(Sephadex)、セルロース、ポリアクリルアミド(Biogel P)、多孔性シリカビーズ等を支持体に用いたものがある。
【0023】
(3)透析、限外濾過等
透析は、セロハン製の透析チューブに試料液を入れ、大量の純水又は低濃度の緩衝液に浸すことにより低分子化合物をセロハンチューブの外側に透過させる手法である。
限外ろ過法は、限外ろ過膜(平板膜、中空繊維ホロファイバー)を用いて、目的のタンパク質を濃縮する手法である。カットオフ分子量は500〜500,000程度の範囲である。手法としては加圧撹拌法、強制循環式濃縮法(ホロファイバー)、遠心法がある。
【0024】
本発明においては、上記精製手法のうち硫安分画及び陰イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせて用いることが好ましい。
【0025】
2.酵素の性質
上記精製手法により得られたパッションフルーツ由来の(R)-hnlは、以下の理化学的性質により特定される。
(a) 作用
カルボニル化合物とシアン化合物とから(R)-シアノヒドリンの合成を触媒する。
(b) 基質特異性
カルボニル化合物、特にベンズアルデヒドに対して特異的に作用する。
(c) 分子量
ゲルろ過による分子量決定法により約18000の分子量を有する。SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分子量決定法により約15000の分子量を有する。
(d) N末端配列
配列番号1で表されるアミノ酸配列である
(e) パッションフルーツの葉又は種子の懸濁液を硫安分画した後の酵素組成物の比活性は 3.09(U/mg)であり、その後さらに、DEAE-Toyopearl、Butyl-Toyopearl、DEAE-Toyopearl、ConA-Sepharose、Phenyl- Superose クロマトグラフィーにかけた後の比活性は、それぞれ、10(U/mg)付近、10(U/mg)付近、11(U/mg)付近、69(U/mg)付近、136(U/mg)付近である。
【0026】
ここで、「比活性」とは、標準的アッセイ条件下でベンズアルデヒドから、酵素1mg中、1分あたり1 μmolの光学活性マンデロニトリルを生成する酵素の量(U/mg)をいう。
【0027】
また、本発明の酵素組成物は、上記特性を有し、複数の酵素活性物質を含む混合物であってもよく、それらの活性物質が単離された個別の活性物質からなる酵素組成物(又は酵素自体)をも包含する。
【0028】
3.シアノヒドリンの製造
本発明においては、(R)-シアノヒドリンの製造原料であるカルボニル化合物及びシアン化合物を、本発明の(R)-hnlを用いて接触させる等の処理し、シアノヒドリンを製造する。「処理」とは、カルボニル化合物とシアン化合物とを反応させてシアノヒドリンを生成する触媒作用を起こさせることを意味し、具体的には、カルボニル化合物に、(R)-hnl存在下でシアン化水素を不斉付加することをいう。
【0029】
ここで、カルボニル化合物とは、アルデヒド又はケトンをいい、具体的には、次式(I):
R1−CO−R2 (I)
で示される化合物をいう。
【0030】
式Iにおいて、R1及びR2は、互いに異なり、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20(C1〜C20)の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数1〜20(C1〜C20)のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20(C6〜C20)のアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7〜20(C7〜C20)のアルキルアリールオキシ基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20(C2〜C20)のアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基又は水酸基である。但し、R1及びR2が同時に水素原子となることはない。また、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基であってもよい。
【0031】
前記炭化水素基中、−CH2−及び−CH3のCH2はカルボニル基、スルホニル基、−O−又は−S−で置き換えられていてもよく、=CH2は=O又は=Sで置き換えられていてもよく、また−CH2−のC−H、−CH3のC−H、>CH−のC−H、=CH−のC−H及び=CH2のC−Hは、N又はC−ハロゲンで置き換えられていてもよく、また、R1及びR2は、共同して非対称の2価の基を表してもよい。ハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0032】
炭化水素基は、飽和又は不飽和の非環式であっても飽和又は不飽和の環式であってもよい。炭化水素基が非環式の場合には、直鎖状でも分岐状でもよい。炭化水素基には、C1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基、C2〜C20アルキニル基、C4〜C20アルキルジエニル基、C6〜C18アリール基、C6〜C20アルキルアリール基、C6〜C20アリールアルキル基、C4〜C20シクロアルキル基、C4〜C20シクロアルケニル基、(C3〜C10シクロアルキル)C1〜C10アルキル基などが含まれる。
【0033】
C1〜C20アルキル基は、C1〜C10アルキル基であることが好ましい。アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。
【0034】
C2〜C20アルケニル基は、C2〜C10アルケニル基であることが好ましい。アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチルアリル基、2-ブテニル基等が挙げられる。
【0035】
C2〜C20アルキニル基は、C2〜C10アルキニル基であることが好ましい。アルキニル基としては、例えばエチニル基、プロピニル基、ブチニル基等が挙げられる。
C4〜C20アルキルジエニル基は、C4〜C10アルキルジエニル基であることが好ましい。アルキルジエニル基としては、例えば1,3-ブタジエニル基等が挙げられる。
【0036】
C6〜C18アリール基は、C6〜C10アリール基であることが好ましい。アリール基としては、例えばフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
C6〜C20アルキルアリール基は、C6〜C12アルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基としては、例えばo-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,3-キシリル基、2,4-キシリル基、2,5-キシリル基、o-クメニル基、m-クメニル基、p-クメニル基、メシチル基等が挙げられる。
【0037】
C6〜C20アリールアルキル基は、C6〜C12アリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、エチルベンジル基、メチルフェネチル基、ジメチルフェネチル基、ジエチルベンジル基等が挙げられる。
【0038】
C4〜C20シクロアルキル基は、C4〜C10シクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
C4〜C20シクロアルケニル基は、C4〜C10シクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基としては、例えばシクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
【0039】
C1〜C20アルコキシ基は、C1〜C10アルコキシ基であることが好ましい。アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。
C6〜C20アリールオキシ基は、C6〜C10アリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基としては、例えばフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
C7〜C20アルキルアリールオキシ基は、C7〜C12アルキルアリールオキシ基であることが好ましい。アルキルアリールオキシ基としては、例えばメチルフェニルオキシ基、エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基、ブチルフェニルオキシ基、ジメチルフェニルオキシ基、ジエチルフェニルオキシ基、ジプロピルフェニルオキシ基、ジブチルフェニルオキシ基、メチルエチルフェニルオキシ基、メチルプロピルフェニルオキシ基、エチルプロピルフェニルオキシ基等が挙げられる。
【0040】
C2〜C20アルコキシカルボニル基は、C2〜C10アルコキシカルボニル基であることが好ましい。アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2-メトキシエトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0041】
置換基を有していてもよいアミノ基としては、例えばアミノ基、ジメチルアミノ基、メチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、フェニルアミノ基等が挙げられる。
【0042】
置換基を有していてもよいシリル基としては、例えばジメチルシリル基、ジエチルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリフェノキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジメチルフェノキシシリル基、メチルメトキシフェニル基等が挙げられる。
【0043】
前記式Iで示されるカルボニル化合物としては、例えば、ベンズアルデヒド、m−フェノキシベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド、2,3−メチレンジオキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フルフラール等の芳香族アルデヒド;アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、シクロヘキサンアルデヒド等の脂肪族アルデヒド;エチルメチルケトン、ブチルメチルケトン、メチルプロピルケトン、イソプロピルメチルケトン、メチルペンチルケトン、メチル(2−メチルプロピル)ケトン、メチル(3−メチルブチル)ケトン等の飽和脂肪族ケトン;メチル(2−プロペニル)ケトン、(3−ブテニル)メチルケトン等の不飽和脂肪族ケトン;(3−クロロプロピル)メチルケトン等のアルキル(ハロアルキル)ケトン;2−(アルコキシカルボニルアミノ)−3−シクロヘキシルプロピオンアルデヒド等の2−(保護アミノ)アルデヒド;3−メチルチオプロピオンアルデヒド等のアルキルチオ脂肪族アルデヒドが挙げられる。
【0044】
本発明においては、反応原料の濃度を高めて生産性を良くするために、反応溶媒として有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば直鎖状、分岐状又は環状の、飽和又は不飽和脂肪族炭化水素、飽和又は不飽和芳香族炭化水素等を単独で又は2種以上を混合して用いることができるる。具体的には、例えば、炭化水素系溶媒(例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど);ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば塩化メチレン、クロロホルムなど);アルコール系溶媒(例えばn−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−アミルアルコールなど);エーテル系溶媒(例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタンなど);エステル系溶媒(例えばギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル)などが挙げられる。
【0045】
前記有機溶媒は、水又は水性緩衝液で飽和されていてもよく、更に過剰の水又は水性緩衝液を加えて、有機溶媒相と水相との二相系を形成する溶液状態としたものでもよい。前記の有機溶媒を水又は水性緩衝液で飽和する方法としては、例えば前記の有機溶媒と水又は水性緩衝液を二相を形成する割合で混合及び撹拌し、静置した後、その有機層を用いる方法が挙げられる。
【0046】
本発明において使用されるシアン化合物としては、例えばシアン化水素、シアン化カリウム、シアン化ナトリウムなどが挙げられる。
【0047】
本発明の(R)-hnlは、粉末状、液状、又は適当な担体に固定化してなる固定化酵素などの状態のものを使用することができる。固定化担体としては、例えば多孔性の無機担体、セルロースなどの繊維状の担体、高分子化合物からなる担体などが挙げられ、具体的には、多孔性のセラミック粒子、多孔性のシリカゲル粒子、ゼオライト系粒子、寒天、アルギン酸カルシウム、キトサンなどの天然高分子ゲル、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどの合成高分子ゲルなどが挙げられる。酵素を固定化するには、例えば担体に酵素液を吸収させる方法、酵素液と担体とを混合し、酵素を吸着固定する方法、酵素を包括固定化する方法、酵素を架橋剤で架橋する方法等の任意の手法を採用することができる。
【0048】
固定化酵素及び基質の使用量又は反応条件は、用いる基質に応じて適宜決定される。通常、固定化酵素の使用量は基質であるカルボニル化合物1mmolに対して0.1〜500単位、好ましくは1〜100単位である。基質の濃度は、カルボニル化合物の場合は通常1〜500g/Lの範囲に設定し、シアン化合物は用いるカルボニル化合物に対して0.1〜10倍モル、好ましくは0.5〜5倍モルの濃度で添加する。反応時間は、基質であるカルボニル化合物の転換率が60%以上、好ましくは80%以上に達するまでの時間が適当である。但し、反応時間はこれらに限定されるものではない。反応温度は酵素の活性が十分発揮される温度であれば特に限定されるものではなく、通常0〜50℃、好ましくは10〜40℃である。
【0049】
本発明の方法によって生成された(R)-シアノヒドリンは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などによって、測定又は定量することができ、必要に応じて、抽出、減圧蒸留、カラム分離などの通常の手段によって分離精製することができる。
【0050】
4.α-ヒドロキシカルボン酸の製造
本発明においては、前記3.により製造された(R)-シアノヒドリンを、鉱酸を用いて加水分解することにより、α-ヒドロキシカルボン酸を製造することができる。
【0051】
鉱酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸、過塩素酸等が挙げられ、塩酸が好ましい。鉱酸の使用量は、シアノヒドリンに対して1〜10当量であり、1.5〜5当量であることが好ましい。加水分解反応は、反応時の温度が10〜100℃(還流温度)、好ましくは20〜90℃である。反応時間は、反応温度が20〜40℃の場合は1〜50時間、40〜90℃の場合は0.5〜30時間であることが好ましい。 反応終了後は、反応溶液から有機溶媒を用いて抽出し、さらに必要に応じて水洗した後、溶媒を蒸発・乾固することにより、目的とするα-ヒドロキシカルボン酸を単離することができる。
【0052】
本明細書において、アミノ酸を略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commission on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
Gly :グリシン
Ala :アラニン
Val :バリン
Leu :ロイシン
Ile :イソロイシン
Ser :セリン
Thr :スレオニン
Cys :システイン
Met :メチオニン
Glu :グルタミン酸
Asp :アスパラギン酸
Lys :リジン
Arg :アルギニン
His :ヒスチジン
Phe :フェニルアラニン
Tyr :チロシン
Trp :トリプトファン
Pro :プロリン
Asn :アスパラギン
Gln :グルタミン
本明細書の配列表の配列番号は、以下の配列を示す。
〔配列番号:1〕
パッションフルーツ(Passiflora edulis)由来の(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼのN末端のアミノ酸配列を示す。
【0053】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0054】
〔実施例1〕
ビワ(Eriobotrya japonica)、カリン(Chaenomeles sinensis)、プルヌス・ペルシカ(Prunus persica)およびソルブス・オーキュパリア(Sorbus aucuparia)の種をそれぞれ表1に記載の量をサンプルとし、以下の処理に供した。液体窒素で凍結し、乳鉢及び乳棒によってホモジナイズした。この粉末を150 mlの50 mMリン酸カリウム緩衝液(pH 6.0)に約3-4時間懸濁し、次に数層のガーゼを通して濾した。濾液を28,000 x gで25分間2回遠心した。得られた溶液を10 mM緩衝液に対して4時間透析し(緩衝液は3回交換)、120 mlの酵素溶液を得た。この酵素溶液をAmiconセル(PM 10フィルター)により2 mlに濃縮した。
【0055】
最終容量0.9 ml中に300 mMリン酸カリウム緩衝液(pH 6.0)、50 mMベンズアルデヒド及び100 mMシアン化物溶液を含有する。上記各酵素溶液を100 μl添加することによって反応を直ちに開始し、25℃で120分間インキュベートした。900 μlの有機溶媒(ヘキサン:イソプロパノール= 9:1)を添加して反応を停止させ、遠心(15,000 x g、10 分)により得た上清をHPLCによりアッセイした。
【0056】
各成分の量はCHIRALCEL OJ-Hカラムを用いてヘキサン:イソプロパノール= 90:10 を移動相として流量1.0 ml/分で流し254 nmで測定し、それらの標準曲線を用いて光学純度を算出した。
【0057】
【表1】
*e.yは、enantiomeric yieldの略であり、生成したマンデロニトリルの量から下記の式により計算した。
【0058】
【数1】
【0059】
〔実施例2〕酵素液の調製及び酵素活性の測定
(1) 粗酵素液の調製
パッションフルーツの若葉(708.8 g)を液体窒素中で凍結し、乳鉢及び乳棒によってホモジナイズした。この粉末を6,000 mlの50 mMリン酸カリウム緩衝液(pH 6.0)に約10時間懸濁し、次に数層のガーゼを通して濾した。濾液を28,000 xgで25分間2回遠心した。得られた溶液を10 mM緩衝液に対して4時間透析し(緩衝液は3回交換)、4,400 mlの粗酵素溶液を得た。
【0060】
タンパク質(酵素)濃度は、ウシ血清アルブミンを標準品とするBio-Rad protein assay Kit (Bio-Rad, USA)を用いて、あるいは595 nmにおける吸光度を測定することによって求めた。
【0061】
(2)ベンズアルデヒドを基質とした活性測定
次に、ベンズアルデヒドからの(R)-マンデロニトリルの生成を測定することによって酵素活性をアッセイした。
標準アッセイ溶液は、最終容量0.9 ml中に300 mMリン酸カリウム緩衝液(pH 6.0)、50 mMベンズアルデヒド及び100 mMシアン化物溶液を含有する。100 μlの酵素溶液を添加することによって反応を直ちに開始し、25℃で120分間インキュベートした。900 μlの有機溶媒(ヘキサン:イソプロパノール= 9:1)を添加して反応を停止させ、遠心(15,000 x g、10 分)により得た上清をHPLCによりアッセイした。
各成分の量はCHIRALCEL OJ-Hカラムを用いてヘキサン:イソプロパノール= 90:10 を移動相として流量1.0 ml/分で流し254 nmで測定し、それらの標準曲線を用いて算出した。
標準的アッセイ条件下でベンズアルデヒドから、酵素1mg中、1分あたり1 μmolの光学活性マンデロニトリルを生成する酵素の量を酵素活性の1単位を定義したところ、粗酵素溶液の比活性は2.47 mg/mgであった。
パッションフルーツの葉に由来する(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの反応結果を図2及び図3に示す。尚、20分後に生成したR-マンデルニトリルの光学純度は70%eeであった。
【0062】
(3) 硫安沈殿
上記の酵素液(4,400 ml)に、氷上で撹拌しながら固形硫安を20%飽和になるまで添加した。30分撹拌後、生成した沈殿物を4℃で30分間遠心することにより分離し、廃棄した。その後、上清の硫安濃度を30%飽和まで上げた。生成した沈殿物を4℃で30分間遠心することにより回収し、10 mM緩衝液に溶解した。この溶液を10 mM緩衝液に対して12時間透析した(緩衝液は3回交換)。
前記(2)と同様にして酵素活性を測定したところ、20-30%硫安沈殿画分に活性が認められた。
【0063】
(4)各種クロマトグラフィー
▲1▼ DEAE-トヨパール(Toyopearl)(1回目)
10mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したDEAE-トヨパールカラムに酵素液を乗せ、同じ緩衝液を基にさらに0から0.1M のNaClの濃度勾配をかけて活性画分を溶出させた。活性フラクションはリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)で透析した。
▲2▼ Butyl-トヨパール
30 %飽和硫安を含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)で平衡化したButyl-トヨパールカラムに酵素液を乗せ、同じ緩衝液を基にさらに30 %から0%飽和硫安の濃度勾配をかけて活性画分を溶出させた。活性フラクションはリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)で透析した。
▲3▼ DEAE-トヨパール(2回目)
上記▲1▼と同一条件で行った。
▲4▼ ConA-セファロース(Sepharose)
0.5M NaClを含む20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)で平衡化したConA-セファロースカラムに0.5M NaClを含む酵素液を乗せ、同じ緩衝液を基にさらにα-D-メチルグルコシドの0から0.1Mの濃度勾配をかけて、FPLCを用いて溶出させた。活性フラクションはリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)で透析した。
▲5▼ Phenyl-スーパーロース(Superose )
30 %飽和硫安を含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)で平衡化したPhenyl-スーパーロースカラムに酵素液を乗せ、同じ緩衝液を基にさらに25 %から0%飽和硫安の濃度勾配をかけて、FPLCを用いて活性画分を溶出させた。活性フラクションはリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)で透析した。
【0064】
(5) まとめ
各精製段階における酵素組成物の収量、活性を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
(6)ゲルろ過による分子量決定
上記操作で得た精製酵素をHPLC装置に着装したG3000SWカラム(東ソー社製、7.5 mm x 60 cm)により分離した。流出液は、0.1M Na2SO4を含む10 mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7)を使用した。基準タンパク質の分子量の対数と、流出液量をプロットし、グラフから酵素のピークの流出液量に対応する分子量を推定した。
その結果、本酵素は約18,000の分子量を有することが明らかとなった。
(7) (R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ蛋白のN末端配列の決定
精製酵素を12.5%のポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた。ゲルを泳動方向に対して横幅約1.5センチ、泳動方向に対して縦に4から5mmの幅で多数切断し、それぞれのゲル断片を0.2mlの10mMのリン酸緩衝液(pH6)で抽出した。抽出液を膜で濃縮し、それぞれの断片の酵素活性を測定した。活性を有する断片をSDS-ポリアクリルアミドゲル(15%)電気泳動にかけ、染色してバンドの単一性を確認するとともに、PVDF膜にブロットし、続いて気相エドマン分解を行った。
N末端配列:配列番号1で表されるアミノ酸配列である
【0067】
(8)SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分子量決定
(7)と同様にゲル断片を切り出し、活性を有するサンプルを得た。その画分に含まれる酵素の単一性は、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により確認された。基準タンパク質の分子量の対数と、そのバンドの移動度をグラフ上にプロットし、酵素の移動度の実測値に対応する分子量を推定した。
その結果、約15,000の分子量を有することが示された。
【0068】
〔実施例3〕 脂肪族ケトンを基質とした合成
本実施例は、パッションフルーツの葉由来の (R)-hnlを用いたキラルなケトンシアノヒドリンの合成を示すものである。
【0069】
(1) 2-ペンタノンからの(R)-メチルプロピルケトンシアノヒドリンの合成
2-ペンタノン(2 mmol)をクエン酸バッファー(400 mM, 39 ml, pH 4.0)中でシアン化カリウム溶液(1.0 M, 5.0 ml)に添加し、混合物を撹拌した。次に、5.0 mlの酵素溶液(基質ベンズアルデヒドnmolあたり14.5 U/mlの酵素溶液)を添加することにより反応を開始し、25℃で24時間インキュベートした。24時間後、50mlの酢酸エチルを用いて反応混合物を3回抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濃縮した。残分を真空中で12時間乾燥し、44.5%の収率(101mg)で、(R)-メチルプロピルシアンヒドリンを得た。
【0070】
(2) (R)-α-メチル-α-ヒドロキシペンタン酸の調製
(1)において合成した(R)-メチルプロピルシアノヒドリン(0.92 mmol)に5 mlの濃塩酸を添加し、混合物を室温で7時間撹拌した。その後、60℃で12時間加熱し、次に100℃で5時間加熱した。吸引器を用いて真空中で塩酸ガスを除去した後、15 mlのジエチルエーテルを用いて残分を3回抽出した。有機層からNH4Clを除去し、次に抽出物をNa2SO4で乾燥し、濃縮し、さらに真空中で5時間乾燥した。残分をn-ヘキサンから再結晶化した。
その結果、33.5%の収率(89 mg)で(R)-2-メチルヒドロキシペンタン酸が得られた。光学純度は87.0% eeであった。光学純度は参考例1により測定した。
【0071】
〔実施例4〕
酵素溶液として、3.4U/mlのビワの種子由来のものを使用した以外は、実施例3と同様の操作を行った。
その結果、(R)-メチルプロピルシアンヒドリンは、38.9%(89.0mg)の収率で得られ、(R)-2-メチルヒドロキシペンタン酸は、31.6%(83.6mg)の収率で得られた。光学純度は24.0% eeであった。
【0072】
〔参考例1〕
0.1mmolの2-メチルヒドロキシペンタン酸、200μlのメタノール、700μlのトルエンからなる混合溶液に、65μlの(トリメチルシリル)ジアゾメタンをゆっくり添加した。混合溶液の色調が黄色から無色に変化した時点で反応簡潔とみなし、混合溶液を濃縮、乾燥を行った。
乾燥後、酢酸エチルに溶解し、これを気液クロマトグラフィー(GLC)により分析した(図4)。GLCの分析条件は以下のとおりである。
【0073】
【0074】
【発明の効果】
本発明により、(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼが提供される。(R)-ヒドロキシニトリルヒアーゼは、その触媒作用によりアルデヒドをニトリルに生成する触媒活性を有するため、工業的に有用である。
【0075】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】ベンズアルデヒドとシアン化水素から(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼ触媒により(R)-マンデロニトリルを生成する反応を示す図である。
【図2】本発明のパッションフルーツ由来の(R)-hnlのHPLCクロマトグラムである。
【図3】本発明のパッションフルーツ由来の(R)-hnlによる(R)-マンデロニトリル生成活性を示す図である。
【図4】本発明のパッションフルーツ由来の(R)-hnlを用いて得られた(R)-2-メチルヒドロキシペンタン酸より合成された(R)-2-メチルヒドロキシペンタン酸エチルのGLCクロマトグラムである。
Claims (2)
- 以下の性質を有するパッションフルーツ(Passiflora edulis)由来の(R)−ヒドロキシニトリルリアーゼ。
(a) 分子量:SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分子量決定法により約15,000の分子量を有し、かつ、ゲルろ過による分子量決定法により約18,000の分子量を有する。
(b) N末端配列が配列番号1で表されるアミノ酸配列である。 - 請求項1記載の(R)−ヒドロキシニトリルリアーゼを、カルボニル化合物及びシアン化合物に接触させることを含む(R)−シアノヒドリンの製造方法。
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