JP4266099B2 - タイル供給箱,タイル供給装置,タイル貼設装置及び該タイル供給装置を用いたタイル貼設方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等、建物の外壁ボードにタイルを整列貼設するタイル供給箱,タイル供給装置,タイル貼設装置及び該タイル供給装置を用いたタイル貼設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図33に示すような建物壁面に用いられるタイルボードを製造するタイル貼設装置1が知られている(特開平5−278016号公報等参照)。
【0003】
このようなタイル貼設装置1には、板状のボード本体101に貼設されるタイル3を供給するため、タイル3を所定のパターンに整列させるタイル供給箱2が設けられている(特開平5−278016号公報等参照)。
【0004】
このタイル供給箱2は、略正方形の枠体2a内が、縦横の線材2b,2bで区切られていて、タイル3の大きさに合わせて、一定の区画のパターンにタイル3…を整列出来るように形成されている。
【0005】
また、実開平5−80709号公報には、図34に示すような真空式のタイル貼設装置4が開示されている。
【0006】
このようなものでは、タイル3…を整列させるタイルセット台5を斜めに傾けて、タイル3…をセットするようにしている。
【0007】
すなわち、図35及び図36に示すように、前記タイルセット台5が傾けられて居るため、白抜き矢印方向に、各タイル3…は、前記タイル供給箱2内を移動して、前記タイル供給箱2の枠体2a及び線材2bに、これらの各タイル3…の側面部3a,3aが当接されて、所望の位置に各タイル3の位置決めが行われる。 これらのタイル供給箱2内で位置決めされた各タイル3…は、一度に複数の吸盤等によって吸着されて、ボード本体101上まで移動され、貼設される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記タイルボードを製造する製造ラインでは、省力、自動化に対応して連続して、大量のタイルを供給出来るタイル供給装置が必要とされている。
【0009】
しかしながら、このような従来のタイル供給箱では、前記枠体2a及び線材2bの高さが低く、タイル3…を積層することが出来ないため、連続して大量のタイルを供給することができない。
【0010】
連続してタイル3を供給するため、前記枠体2a及び線材2bの高さを高く設定して、タイル3…を積層することが考えられる。
【0011】
この場合には、タイル整列時、底部まで一定距離を有する前記枠体2a及び線材2bで区画された区間内に、タイル3を上方から落とし込まなければならない。 このため、タイル3の破損を防止するため慎重な作業を求められ、作業効率が良好では無かった。
【0012】
特に、図34に示すような複数の吸盤4a…が用いられて構成された真空式のタイル貼設装置4を用いて、吸着し、ボード本体101上面まで、吸着した状態で搬送する場合には、前記タイル3が、タイル供給箱2内で整列された位置で、ボード本体101上に貼設される。
【0013】
このため、正確な位置決めが行われるように、枠体2a及び線材2b,2bで形成された区画とタイル3との間隙を小さく設定すると、更に整列作業性を悪化させてしまう。
【0014】
また、前記タイルセット台5のように、斜めに傾けて位置決めを行う場合には、タイル3と枠体2a及び線材2bとの間に隙間c1,c2が生じ、タイル3,3間の間隙量を一定間隔以上、狭く設定することが出来ない。このため、外観意匠の自由度が低下してしまうといった問題もあった。
【0015】
更に、一度に複数のタイル3…が、前記吸盤4a…に同時に吸着されてボード本体101の上面側の各領域f1〜f8毎に配列貼設される。
【0016】
このため、図38に示すような窓部開口101wが形成されたボード本体101Aにタイル3…を貼設する場合、図37に示すように、この窓部開口101wにタイル3,3が貼設されないように、予めタイル供給箱2内の対応する箇所のタイル3を取り除いておく必要が生じ、この点においても作業性が良好であるとは言い難かった。
【0017】
また、前記吸盤4a,4a毎に真空圧の制御を行って、対応する箇所のタイル3を吸着しないように構成することも考えられる。しかしながら、このように、前記各吸盤4a,4a毎に真空圧の制御する装置は、空圧回路及び制御弁の数量が増大して、装置が複雑化してしまい製造コストが増大してしまうと共に、故障が多発して、メンテナンス性が良好ではないといった問題があった。
【0018】
更に、図37に示すように、ボード本体101Aの大きさが、領域f1の整数倍にならないことがある。
【0019】
このような場合、領域f1〜f8と同じ大きさの領域f9,f10では、ボード本体101A下縁部からタイル3が、はみ出してしまい、作業者が、不足分を手作業で貼設するか、或いは、予めタイル供給箱2内の不要なタイル3を取り除いておく等、何らかの作業工程が増大して、この点においても作業性が良好であるとは言いにくかった。
【0020】
そこで、本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、連続して、大量のタイルを供給出来るタイル供給箱を提供し、また、窓部等、外壁ボードでタイルの貼設が不要となる部分を有するボード本体にも対応できるタイル貼設装置及びタイル貼設方法を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載のタイル供給箱は、複数のタイルをボード本体上に配列貼設するタイル貼設装置に用いられるタイル供給箱であって、このタイル供給箱は、貼設する組み合わせと同じ組み合わせで予め前記タイルを複数段に積層して収納する箱本体を有し、この箱本体は、底面部と、この底面部の左右側に起立して連結された一対の側面部と、両側面部の内側面の中間部分を接続して前記底面部に起立して連結された中央仕切板とを有する上面視略H字状に形成され、前記中央仕切板の前後側には、複数の仕切枠体が、前記底面部に対して起立した状態で前記両側面部の内側面に連結され、この複数の仕切枠体と前記中央仕切板とにより、前記箱本体内に隣接して収容される複数のタイル群の間を隔離する一方、前記両側面部の内側面には、前記各仕切枠体との連結部分にガイド溝が上下に延設され、前記各仕切枠体は、各ガイド溝に嵌着されて上下方向にスライドされることにより前記両側面部に装脱着可能に構成されていることを特徴としている。
【0022】
このように構成された請求項1記載のものでは、各仕切枠体を取り外して、横方向から箱本体内に、タイルを入れることが出来る。
【0023】
この際、積層されたタイルも収納可能であるので、ストック状態の積層されたタイルをそのまま、持ちあげることなく箱本体内に収納可能である。
【0024】
そして、各仕切枠体を箱本体に装着することにより、タイルは、各仕切枠体との間隔を広げることなく整列状態で収納される。
【0025】
従って、一度に複数のタイルをボード本体に貼設する際のタイルとタイルとの間隙量等を任意に設定でき、外観品質を良好なものとすることができる。
【0026】
また、請求項2に記載されたタイル供給箱は、請求項1に記載のタイル供給箱において、
前記複数の仕切枠体は、前記中央仕切板の前後側に配置された2組の仕切枠体から構成され、各組の2枚の仕切枠体の一方は、前記両側面部の内側面に連結される横仕切板と、この横仕切板の内側面に直交して接続される2枚の縦仕切板とを有する上面視で略鳥居状に形成されて、この2枚の縦仕切板間と、各縦仕切板と各側面部との間にそれぞれタイルが収納されるように構成される一方、前記2枚の仕切枠体の他方は、前記両側面部の内側面に連結される横仕切板と、この横仕切板の内側面に直交して接続される1枚の縦仕切板とを有する上面視で略T字状に形成されて、この縦仕切板の両側で前記各側面部との間にそれぞれタイルが収納されるように構成されることにより、前記箱本体内に大きさの異なるタイルが組み合わせられて配列収納されることを特徴としている。
【0027】
このように構成された請求項2記載のものでは、各仕切枠体が装脱着可能であるので、前記タイルの配列に応じて、組み替えて使用出来、様々なパターンのタイルの配列に対応できる。
【0028】
そして、請求項3に記載されたタイル供給装置では、請求項1又は2記載のタイル供給箱を用いたタイル供給装置であって、前記タイル供給箱の底面部には前記タイル群に対応してプッシュロッド挿通孔が形成され、前記タイル供給装置は、前記タイル供給箱を上面に載置させる台座を有し、この台座の上面には前記プッシュロッド挿通孔に合わせて開口が形成されている一方、さらに、前記開口および前記プッシュロッド挿通孔を下方から上方に向けて挿通するプッシュロッドと、このプッシュロッドを上下方向に移動させて前記タイル供給箱に収納されている前記タイル群を昇降させるロッド駆動手段とを有することを特徴としている。
【0029】
このように構成された請求項3記載のタイル供給装置では、前記プッシュロッドが、前記タイル供給箱の底面部に形成されたプッシュロッド挿通孔に下方から上方に向けて挿通されて、上方に向けて、前記積層されたタイル部材を押し上げる。
【0030】
このため、例えば、把持装置で、前記箱本体から上方に送り出されたタイル部材を容易に掴むことが出来るので、前記タイル供給箱内に、複数層に大量のタイルを積層させて収納することが出来る。
【0031】
更に、請求項4記載のタイル貼設装置では、請求項3に記載のタイル供給装置を用いたタイル貼設装置であって、このタイル貼設装置は、前記ロッド駆動手段によって突き上げられた複数のタイルを同時に把持する把持部を有し、この把持部によって前記ボード本体上にこれらのタイルを配列貼設する一方、前記タイル供給装置は、前記プッシュロッドを複数有するとともに、前記ロッド駆動手段は、各プッシュロッドを個別に上下動可能とするように構成されていることを特徴としている。
【0032】
このように構成された請求項4に記載されたものでは、ロッド駆動手段が、各プッシュロッドを個別に上下動可能として貼設する部分のタイルのみを突き上げて、該突き上げられたタイルのみを把持部によって把持すると共に、貼設しない部分では空把持して、ボード本体上に前記タイルを配列貼設する。
【0033】
このため、窓部等に相当する不要な部分のタイルを突き上げないで、把持部で空把持させることにより、ボード本体では、窓部に相当する部分が抜けて、外壁材として必要な部分のタイルのみがボード本体上に配列貼設される。
【0034】
従って、把持部が、複数のタイルを同時に把持する構成となっていても、そのまま把持動作を行わせて、タイルが不要な部分にタイルを貼設させないようにすることが出来る。
【0035】
よって、特に、エアプレッシャ等を用いて、把持部を一括で動作させるタイル貼り装置等でもそのまま使用出来、個別に把持部を動作させると、コスト抑制効果及び動作信頼性が損なわれる虞がある場合でも、容易に使用できる。
【0036】
また、窓部の無い外壁材及び窓部を有する外壁材を続けて製造する場合であっても、タイル供給箱を変更することなく、連続して用いることが出来る。
【0037】
このため、交換の時間が節約できるので、更に、製造コストの上昇を抑制出来る。
【0038】
また、請求項5に記載されたタイル貼設方法では、請求項4に記載のタイル貼設装置を用いたタイル貼設方法であって、このタイル貼設方法は、前記タイル貼設装置の前記ロッド駆動手段が個別に前記プッシュロッドを駆動して、貼設する部分のタイルのみを突き上げて、該突き上げられたタイルのみを前記把持部によって把持すると共に、貼設しない部分では空把持して、前記ボード本体上に前記タイルを配列貼設することを特徴としている。
【0039】
このように構成された請求項5記載のものでは、貼設する組み合わせと同じ組み合わせで予め前記タイルが複数段に積層されて収納されたタイル供給箱の下方から、個別にプッシュロッドを駆動して、貼設する部分のタイルのみを突き上げて、該突き上げられたタイルのみを把持部によって把持すると共に、貼設しない部分では空把持して、ボード本体上に前記タイルを配列貼設する。
【0040】
従って、タイルの不要な部分を有するボード本体の貼設作業も、略全面にタイルが貼設されるボード本体の貼設作業と連続して行うことが出来るので、作業効率を良好なものとすることができる。
【0041】
【発明の実施の形態1】
次に、本発明の実施の形態1を図面を参照しながら説明する。
【0042】
図1乃至図32は、本発明の実施の形態1のタイル貼設装置を示すものである。
【0043】
なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。 まず、図12乃至図14等を用いて全体の構成から説明すると、この実施の形態1のタイル貼設装置では、複数の金属製フレーム枠材21a,21bを上面視略長方形形状を呈するように接合すると共に、複数の脚柱21c…で支持して構成された搬送手段としての基台21が設けられている。
【0044】
この基台21の上面部には、複数の丸棒状のローラコンベア21d…が転動可能に設けられていて、前記タイル3…が貼設されるボード本体101からなるワークが、これらのローラコンベア21d…に載せられてY軸方向に搬送されるように構成されている。
【0045】
これらのローラコンベア21d…には、コンベアモータ22の回転駆動が、チェーン23等を介して伝達されることによって転動して、上面に載せられた前記ボード本体101をY軸方向の所定の位置まで移動可能とするように構成されている。
【0046】
この実施の形態1では、図12中白抜き矢印Fで示される方向に前記ボード本体101が搬送されるように構成されている。
【0047】
この基台21の上面部には、図13に示すように搬送されたボード本体101を固定するワークストッパ24,24及びクランパ装置25…が設けられていて、Y軸方向の所望の位置で、前記ボード本体101を略固定可能に構成されている。
【0048】
また、図13に示すように、この基台21に隣接して、タイル供給エリア4が設けられている。このタイル供給エリア4には、ボード本体101に貼設されるタイル3を供給するタイル供給装置6が設けられている。
【0049】
このタイル供給装置6には、前記タイル3…を所定の配列に整列させる有底深底で上部を開放したボックス状を呈するタイル供給箱7が設けられている。
【0050】
このタイル供給箱7は、貼設する組み合わせと同じ組み合わせで予め前記タイル3…を枠体内に複数段に積層して収納するように構成されている。
【0051】
すなわち、このタイル供給箱7は、図1及び図3に示すように、主に、底面部7dに、左右一対の側面部7b,7bをこれらの側面部7b,7bの内側面の中間部分を接続する中央仕切板7cと共に起立して連結することにより、上面視略H字状の固定仕切り及び枠体を有する箱本体7aを有している。
【0052】
このうち、前記底面部7dには、後述するプッシュロッドを挿通可能な大きさを有するプッシュロッド挿通孔7e…が所定間隔を置いて複数形成されている。
【0053】
また、前記側面部7b,7bには、左,右両側縁部から、内向き対向方向に突設されてフランジ部7f,7fが形成されている。
【0054】
更に、この側面部7b,7bの内側面には、仕切枠体7g,7hの上方からの挿通をスライドガイドして装脱着可能とするガイド溝7i,7iが、前記中央仕切板7c接合位置から一定間隔を置いて対称位置に凹設形成されている。
【0055】
また、この側面部7b,7b内側面には、前記フランジ部7f,7f内側に近接して、仕切枠体7g,7hの上方からの挿通をスライドガイドして、装脱着可能とするガイド溝7j,7jが、前記ガイド溝7i,7iから一定間隔を置いて、前記中央仕切板7cを挟んで対称位置に凹設形成されている。
【0056】
これらのガイド溝7i,7i及び7j,7jには、前記隣接して収納されるタイル3,3間を隔離する仕切枠体7g,7hが、上下方向に挿通されて、各々装脱着可能となるように構成されている。
【0057】
このうち、仕切枠体7gには、主に横仕切板7mと、この横仕切板7mと直交して接続される2枚の縦仕切板7n,7nが設けられていて、上面視で、略鳥居状に形成されていると共に、この縦仕切板7n,7n間に、大タイル3Lが、また、これらの各縦仕切板7nと、前記側面部7bとの間に小タイル3Sが収納されるように構成されている。
【0058】
また、前記仕切枠体7hには、主に横仕切板7mと、この横仕切板7mと直交して接続される1枚の縦仕切板7nが設けられていて、上面視で、略T字状に形成されていると共に、この縦仕切板7nの両側で、前記側面部7b,7bとの間に大タイル3L,3Lが収納されるように構成されている。
【0059】
そして、このうち、前記ガイド溝7i,7iに挿通された仕切枠体7g,7hの何れかが、前記タイル供給箱7の枠体の少なくとも何れか一側面の側壁部となるように構成されている。
【0060】
また、前記仕切枠体7g,7hの横仕切板7m,7mは、同一長さ及び同一板厚に形成されていて、タイル3L,3Sの配列に応じて、装脱着によって組み替えて使用できるように、何れの前記ガイド溝7i,7i及びガイド溝7j,7jに対しても上下方向にスライド挿通可能に構成されている。
【0061】
更に、この実施の形態1では、図12に示すように、このタイル供給装置6には、前記タイル供給箱7が載置される台座6aの下方には、タイルリフタ装置26が設けられている。
【0062】
このタイルリフタ装置26には、後述するチャッキング位置まで各タイル3L,3Sを上昇させる複数のプッシュロッド26a…を有すると共に、前記タイル供給箱7の底面部7dに形成されたプッシュロッド挿通孔7e…から、このプッシュロッド26a,26aを上下方向に移動可能に挿通すると共に、前記タイル供給箱7内の各大タイル3L又は,小タイル3S等を昇降可能としている。
【0063】
すなわち、このタイルリフタ装置26では、図5に示すように、前記台座6a下方に、このプッシュロッド26aの上下方向の突き上げ動作を個別に行うロッド駆動手段としての昇降ステップモータ26b…が複数設けられている。
【0064】
この昇降ステップモータ26bのモータ軸には、接続部26cを介してボールネジ26dが接続されている。このボールネジ26dは、前記プッシュロッド26aの内側面に形成された雌ネジ部26eに螺合されている。
【0065】
また、前記プッシュロッド26aの外側面には、図6に示すように、ガイドフランジ26fが、延設方向に沿って突設されている。このガイドフランジ26fは、このプッシュロッド26aが挿通される台座6aの開口6b周縁に設けられた凹状のガイド溝6cにスライド自在に係合されていて、廻り止めがなされている。
【0066】
そして、図13に示すように、このタイル供給箱7の上方と前記ローラコンベア21dとの間を、往復動可能にタイル貼設装置本体27が設けられている。
【0067】
このタイル貼設装置本体27は、X軸方向で、前記タイル供給箱7と前記ローラコンベア21d,21d上方に設けられたタイル貼設エリアFとの間に跨るように金属製の枠体28が設けられている。
【0068】
この枠体28の下面側には、脚部材31,31を介してスライド部材30,30が設けられていて、前記Y方向に沿って延設される前記基台21の上面側に設けられた一対の金属製フレーム枠体21c,21cに、このスライド部材30,30を摺接させることにより、Y方向にスライド移動可能となるように構成されている。
【0069】
この枠体28の側面部には、Y軸方向駆動手段としてのY軸駆動用モータ32が設けられている。このY軸駆動用モータ32には、上側ベルト33が巻き廻されていて、図14に示すように、X方向に延設される左,右分配軸34cを介して、前記基台21の左,右に位置するように設けられたベルトケース34a,34a内に収納される下側ベルト34b,34bに回転駆動力を伝達する様に構成されている。
【0070】
この下側ベルト34b,34bは、テンションローラ34d,34dによって所定の張力が保たれていて、下側ローラ部材34e,34e及びピニオン軸34f,34fを介して、ピニオンギヤ34g,34gを回転駆動させるように構成されている。
【0071】
また、前記基台21の金属製フレーム枠体21c,21cの外側面には、これらのピニオンギヤ34g,34gと噛み合うラック歯を下面側に形成したラック部材35,35が、この金属製フレーム枠体21c,21cに沿って各々延設されている。
【0072】
そして、この枠体28の内側には、チャッキング昇降部38をX方向にスライド自在とするX方向レール部材39,39が並行に一対延設されている。
【0073】
このチャッキング昇降部38は、上面視略井桁状に構成されるスライド面部38bが設けられている。
【0074】
更に、前記枠体28のタイル供給エリア4側の側面には、X軸方向駆動手段としてのX軸駆動用モータ37が設けられている。
【0075】
このX軸駆動用モータ37のモータ軸37aには、ボールネジ部材40の雄シャフト40aが連結されている。
【0076】
このボールネジ部材40は、前記チャッキング昇降部38の側面に固定される雌ネジ部40bを有していて、この雌ネジ部40b内に前記雄シャフト40aを挿通して螺合させるように構成されている。
【0077】
そして、前記X軸駆動用モータ37の回転駆動によって、前記チャッキング昇降部38の下面側に設けられたスライダ部材38a,38aを前記X方向レール部材39,39に沿わせて、X方向にスライド移動させるように構成されている。
【0078】
前記チャッキング昇降部38のスライド面部38bには、図16に示すように、複数のスライドガイド41,41を介して取付面部42が、水平に保たれながら上下方向に昇降自在に装着されている。
【0079】
また、このスライド面部38bの上面側には、上下方向移動手段を構成するZ軸駆動用モータ43が設けられていて、このZ軸駆動用モータ43のモータ軸に、カップリング44を介してボールネジ45が連結されている。
【0080】
このボールネジ45は、前記取付面部42の上面側に立設された中空状の円筒部材46内に挿通されると共に、この円筒部材46の上面部に固定された雌ネジ部47内に挿通されて螺合されている。
【0081】
そして、前記Z軸駆動用モータ43の回転駆動によって、前記取付面部42をZ方向にスライド移動させるように構成されている。
【0082】
また、前記取付面部42の下面側には、図16及び図17に示すような把持手段としてメカニカルチャック部48が装着されている。
【0083】
このメカニカルチャック部48には、前記取付面部42に、ボルト部材49a…によって、装脱着可能に固定される取付アーム部49,49と、この取付アーム部49,49に支持されると共に、複数のメカニカルチャック装置50…及び51…を吊り下げるチャック取付板部52とが設けられている。
【0084】
このメカニカルチャック部48の取付面部42の左,右両側には、前記メカニカルチャック装置50,50によって把持されたタイル3…を突き当てて端面3bを揃える突き当てプレート53,53が設けられている。
【0085】
この突き当てプレート53は、左,右端面に設けられた支持アーム54,54を前記チャック取付板部52の上方で接続する連結プレート55と一体に設けられていて、平板長尺直線状を呈する金属平板から構成されている。
【0086】
この連結プレート55の下面側には、左,右二対のスライダ部材56,56が、このチャック取付板部52の上面の左,右端面両側に、X方向に沿って延設されるスライドガイド54,54に水平方向にスライド自在となるように摺接されて装着されている。
【0087】
また、この連結プレート55の上面側には、図18に示すように、雌ネジ部58,58が固定されて設けられている。
【0088】
更に、前記チャック取付板部52の上面には、プレート移動手段としての端面合わせステップモータ59,59が一対固定されている。この端面合わせステップモータ59,59には、軸線をX方向に沿わせると共に、外側に向けて各々突設されるモータ軸59a,59aが設けられていて、これらのモータ軸59a,59aに各々カップリング61,61を介して、ボールネジ60,60が連結されている。
【0089】
そして、このボールネジ60,60が、前記雌ネジ部58,58に挿通されて螺合されている。
【0090】
このため、前記端面合わせステップモータ59の回転駆動によって、X方向に沿って前記突き当てプレート53が水平方向にスライド移動されると共に、所望の位置で停止可能となるように構成されている。
【0091】
また、前記メカニカルチャック部48のメカニカルチャック装置50では、図22乃至図25に示すように、エアチューブ62,63が接続される接続口体50b,50cが設けられた本体50a下部に、アーム50r,50rが設けられると共に、これらのアーム50r,50rの先端に、二組の爪部50d,50d及び50e,50eが各々対向して設けられている。
【0092】
これらの爪部50d,50eは、図32に示すように、前記エアチューブ62,63が接続されるエアコンプレッサ等からなる空気供給源64から送られてくる正,負圧のエアをチャック装置制御部65のコントロールバルブ65aの切り替えによって制御されて、近接及び離反されるように構成されている。
【0093】
すなわち、図25に示すように、このメカニカルチャック装置50の本体50a内には、シリンダ室50gが設けられている。
【0094】
このシリンダ室50g内には、上下方向に摺接されてスライド移動可能なピストン50jが、収納されていて、このピストン50jのピストンヘッド50kによって、隔てられた上,下室50h,50iに各々前記接続口体50b,50cからの導通管が連通されている。
【0095】
このピストン50jの側面部には、切欠部50m,50mが切り欠き形成されている。この切欠部50m,50mには、略L字状を呈して、一部を前記本体50a内側壁に枢着させることにより、揺動自在に軸支される揺動片50n,50nの一端が各々係合されている。
【0096】
この揺動片50n,50nの他端部は、前記アーム50r,50rを介して前記爪部50d,50eと一体に設けられて、水平方向に移動可能なスライド部材50p,50pの上側凹部50q,50qに各々係合されている。
【0097】
そして、前記上,下室50h,50i内のエアの差圧によって、前記ピストン50jが上下方向にスライド移動すると、前記揺動片50n,50nが、この上下方向の動きを、水平方向の動きに変換して、前記スライド部材50p,50pを、前記爪部50d,50eの開閉方向にスライド移動させることにより、前記タイル3の側面部3aに各々当接して、このタイル3の両側面部3a,3aを両側から挟持するように構成されている。
【0098】
更に、この実施の形態1の前記爪部50eの内側面側には、シリコーンゴム50f,50fが、前記タイル3の側面部3aを挟持する際、この側面部3aに当接する位置に設けられている。また、この実施の形態1では、対向する前記爪部50eの内側面側には、シリコーンゴムが設けられていない。
【0099】
また、前記各本体50aは、把持手段水平移動機構としてのエアスライダ装置66を介して、前記チャック取付板部52に接続されている。
【0100】
このエアスライダ装置66は、前記チャック取付板部52に固定されて、エアチューブ67,68が接続される接続口体66b,66cが設けられた本体66a下部に、前記本体50aが一体に固定されて、この本体50aと共に、水平方向(X方向)にスライド移動するスライダ片66dが設けられて主に構成されている。
【0101】
このスライダ片66dは、図32に示すように、前記エアチューブ67,68が接続される前記空気供給源64から送られてくる正,負圧の空気が、図32に示すスライダ装置制御部69のコントロールバルブ69a,69aの切り替え制御によって、X方向へスライド移動して、前記メカニカルチャック装置50,50によって把持されたタイル3,3を個別に前記突き当てプレート53,53に突き当てて位置決めするように構成されている。
【0102】
また、図26及び図27に示すように、前記メカニカルチャック装置51は、前記本体51aの下面側に爪部51d,51eが設けられていて、これらの爪部51d,51eを前記爪部50d,50eと略同様に開閉可能に構成することにより、前記タイル3の側面部3a,3aに当接されて、両側から挟持するようにしている。
【0103】
更に、この本体51aには、これらの爪部50d,50eと略直交する方向に、一対の長尺状の長爪アーム部51h,51hが設けられて、この長爪アーム部51h,51hの先端に設けられた爪部51i,51iを開閉方向にスライド移動可能に対向させている。
【0104】
そして、前記メカニカルチャック装置50と略同様に、前記本体51aの接続口体51b,51cに接続されたエアチューブ70,71を介して、前記空気供給源64から送られてくる正,負圧の空気が、本体51a内に設けられたシリンダ装置等を作動させて、前記爪部51d,51eの開閉動作と共に、前記長爪アーム部51h,51hを水平に開閉方向にスライド移動させることにより、前記爪部51d,51eに加えて前記爪部51i,51iによって四方から、前記タイル3の長尺側両側面部3a,3a及び端面3b,3bを挟持するように構成されている。
【0105】
このメカニカルチャック装置51,51は、各々前記本体51aの上部に設けられた固定柱体51g,51gによって、直接、前記チャック取付板部52に固定されている。
【0106】
また、前記タイル貼設装置本体27の枠体28のうち、図15に示す下側フレーム28aの下面側28bには、長,短尺状のセンサレール72,73がX方向に沿って延設されている。
【0107】
このセンサレール72,73には、スライド部材75,75が、このセンサレール72,73に沿ってスライド移動可能となるように吊り下げられている。
【0108】
このスライド部材75,75には、各々前記ボード本体101の側縁部101a,101aの位置を検出する位置センサとしての近接センサ74,74及び、内側に雌ネジ部を形成したボールネジ受け部材76,76とが一体に設けられている。
【0109】
また、前記下面側28bには、この近接センサ74,74を各々X方向に沿わせて移動させる端面測定ステップモータ77,77が固定されている。
【0110】
すなわち、この端面測定ステップモータ77,77のモータ軸には、カップリング78,78を介して長,短ボールネジ79,80が接続されている。
【0111】
この長,短ボールネジ79,80は、前記ボールネジ受け部材76,76に各々挿通されて、内部の雌ネジ部と螺合されている。
【0112】
この端面測定ステップモータ77は、図28に示す制御手段としての制御部100内のステップモータ制御部102と接続されていて、前記近接センサ74で前記側縁部101aが検出された位置でのステップ数に基づいて、前記端面合わせステップモータ59の回転ステップ数を決定するように構成されている。
【0113】
この制御部100は、図28に示すように、前記X,Y,Z軸駆動用モータ37,32,43に接続されて、所望の座標位置まで、前記メカニカルチャック装置50,51を移動させるように構成された駆動用モータ制御部103と、コンベア部中継BOX104に接続されて前記コンベアモータ22の作動を制御する搬送制御部106と、チャック装置制御部65及びスライダ装置制御部69と接続されて、空気供給源64,各メカニカルチャック装置50,51及びエアスライダ装置66…を制御するエアコンプレッサ制御部107と、操作BOX108からの入力信号及び制御盤内信号109等の表示出力等を行うI/O制御部110とを有していて、予め記憶部111に記憶されたプログラムデータに基づいて、各近接センサ74等によって検出されたデータで、RAM113内に必要なこれらのプログラムデータを呼び出しながら、CPU112によって演算処理を行い、目地通りの良好なタイル3…の貼設が行えるように前記各制御部等の制御が行われるように構成されている。
【0114】
そして、前記タイルリフタ装置26の昇降ステップモータ26bには、リフター中継BOX105を介してリフタ制御部114が接続されていて、個々の昇降ステップモータ26b…の回転数を制御するように構成されている。
【0115】
次に、この記憶部111に記憶されたプログラムデータの詳細について説明する。
【0116】
この記憶部111には、前記メカニカルチャック部48に把持されたタイル3を、前記タイル貼設エリアF内でボード本体101近接位置まで降下させた状態で、一旦、前記タイル3をこのメカニカルチャック部48から放して前記ボード本体101上に落下させると共に、再び、前記メカニカルチャック部48でボード本体101上に落下されたタイル3を把持して、ボード本体方向に押圧するプログラムデータが保存されている。
【0117】
また、この記憶部111には、前記近接センサ74で、検出された前記側縁部101aの位置の端面測定ステップモータ77のステップ数に基づいて、前記ステップモータ制御部102で、前記端面合わせステップモータ59の回転ステップ数を決定すると共に、前記突き当てプレート53,53をX方向の所定位置まで移動させた後、前記エアスライダ装置66…によって、前記メカニカルチャック装置50に把持されたタイル3を、この突き当てプレート53,53に当接させるプログラムデータが保存されている。
【0118】
更に、図11に示すような通常のボード本体101或いは、図9及び図10に示すような窓部開口101w,101w2を有するボード本体101A,101B等の窓部位置データ及び、寸法データが、前記記憶部111に記憶されている。
【0119】
そして、これらの各ボード本体101A,101B等の窓部位置データ及び、寸法データに基づいて、前記各貼設する部分のタイル3のみを突き上げて、この突き上げられたタイル3のみを前記メカニカルチャック装置50…及び51…によって把持すると共に、貼設しない部分では空把持して、ボード本体101A等上に前記タイル3を配列貼設する空振り指示プログラムデータが保存されている。
【0120】
次に、この実施の形態1のタイル貼設装置の作用のうち、まず、前記タイル供給箱7の作用について説明する。
【0121】
この実施の形態1のタイル供給箱7では、図2中(a)に示すように、前記枠体のうち、両側面の側壁部に相当する仕切枠体7g,7hを、内側の前記仕切枠体7g,7hと共に取り外して、左,右横方向から枠体内の底面部7d上面でスライドさせるように、各大タイル3L,又は小タイル3S等を入れることが出来る。
【0122】
前記各大タイル3L,又は小タイル3Sは、前記中央仕切板7cに突き当てられて、略位置決めされる。
【0123】
この際、積層されたタイル3L…等も、積層を崩すことなく収納可能であるので、ストック状態の積層されたタイル3L等をそのまま、持ちあげることなく枠体内に収納出来る。
【0124】
そして、前記仕切枠体7g,7hを、前記ガイド溝7i,7iにスライドガイドさせながら、上方から装着すると共に、図2中(b)に示すように、左,右横方向から枠体内の底面部7d上面でスライドさせるように、各タイル3L,3S等を入れることが出来る。
【0125】
前記各タイル3L,3Sは、前記先に装着された仕切枠体7g,7hに突き当てられて、略位置決めされる。
【0126】
この際、積層されたタイル3L…等も積層を崩すことなく収納可能であるので、ストック状態の積層されたタイル3L等をそのまま、持ちあげることなく枠体内に収納できる。
【0127】
そして、前記仕切枠体7g,7hが、前記ガイド溝7j,7jにスライドガイドされながら、上方から挿通されて装着される。
【0128】
このようにして、図2中(c)に示すように、タイル供給箱7に収納された各タイル3L,3S等は、図5に示すように、前記台座6a上面に形成された開口6b…に、前記各プッシュロッド挿通孔7e…を合わせて、この台座6a上面に載置されて、準備が完了される。
【0129】
このように、前記各タイル3…は、前記中央仕切板7c,両側面部7b,7b及び仕切枠体7g,7hとの間隔を広げることなく整列状態で収納される。
【0130】
従って、一度に複数のタイル3L等をボード本体101に貼設する際のタイル3Lとタイル3Sとの間隙量等を任意に設定でき、外観品質を良好なものとすることができる。
【0131】
また、前記枠体は、大きさの異なる大,小タイル3L,3Sを組み合わせて配列収納する仕切枠体7g,7hを複数種類有して、前記大,小タイル3L,3Sの配列に応じて、これらの仕切枠体7g,7hを装脱着可能に組み替えて使用することができる。
【0132】
【変形例1】
図4は、この実施の形態1の一変形例を示している。
【0133】
この変形例1では、全てのガイド溝7i,7i及び7j,7jに前記仕切枠体7h,7hが、スライドガイドされて装着されている。
【0134】
このように構成された変形例1のように、前記仕切枠体7h,7hが、装脱着可能であるので、前記大,小タイル3L,3Sの配列に応じて、組み替えて使用出来、様々なパターンのタイルの配列に対応できる。
【0135】
次に、図29及び図30に示すフローチャートに沿ってタイル貼設順序を説明する。
【0136】
この実施の形態1では、図9に示すように、一枚のボード本体101Aに、複数のタイル3…をタイル群として、奇数列及び偶数列からなるX方向2列の領域に、前記メカニカルチャック部48で一度に把持出来るタイル群を複数の領域f11〜f32に貼設するものを例示する。
【0137】
まず、Step1で、このタイル貼設装置の運転を起動すると、リセットが行われて、一旦各動作部分は、原点復帰される。
【0138】
Step2では、ボード本体101Aが供給されているか、前記タイル3…が、タイル供給箱7にセットされて、台座6a上面に載置されているかが、チェックされる。
【0139】
モルタル又は樹脂製接着剤が塗布されたボード本体101Aが、前記基台21のローラコンベア21d上に載置されると共に、タイル供給箱7内にタイル3…が整列されて準備が整っている場合には、Step3に進む。
【0140】
また、準備が整わず、準備を行わなければならない場合には、アラーム等の警告手段で警告が行われる。
【0141】
Step3では、前記クランパ装置25…等によって、前記ボード本体101が基台21上面に固定されて、タイル貼設工程中の移動が阻止される。
【0142】
この実施の形態1では、図20に示すように、各タイル3が、XY方向で4列4行、配列されていて、前記メカニカルチャック装置50,51等によって把持されるように配列されている。
【0143】
Step4では、貼設予定の領域のボード本体101Aの左,右側縁部101aの位置が、前記左,右の近接センサ74,74によって測定される。
【0144】
すなわち、図10に示すように、前記ボード本体101Aが、前記近接センサ74,74の間に位置した状態で、前記端面測定ステップモータ77,77が回転駆動されると、前記各カップリング78,78を介して接続された長,短ボールネジ79,80が、各々ボールネジ受け部材76,76内で雌ネジと螺合しながら回転されて、これらのボールネジ受け部材76,76が前記センサレール72,73に沿わせて、X方向に沿って近接移動される。
【0145】
この移動によって、ボールネジ受け部材76,76に一体に設けられた前記近接センサ74,74が、各々前記ボード本体101Aの側縁部101a,101aの端面に、近接又は接触すると、前記端面測定ステップモータ77,77が停止すると共に、前記側縁部101a,101aが検出された位置でのステップ数を前記制御部100のステップモータ制御部102に送出する。
【0146】
前記ステップモータ制御部102では、このステップ数に基づいて、前記端面合わせステップモータ59,59の回転ステップ数を各々決定する。
【0147】
この際、端面位置測定が、ボード本体101Aの貼設予定領域f11,f12の最もY方向で、生産ライン進行先端側で行われるので、これらの貼設予定領域f11,f12の上方に前記タイル貼設装置本体27が来るように、Step4では、前記Y軸駆動用モータ37が駆動されて、前記枠体28が、前記基台21のスライドレール部材29,29に沿って移動される。
【0148】
そして、Step6では、前記突き当てプレート53,53を所望の位置まで移動させるためのデータが保存される。
【0149】
Step7では、前記制御部100の記憶部111に保存されたデータに基づいて、前記リフタ制御部114では、昇降ステップモータの回転駆動量が決定される。この決定された回転駆動量に従い、前記リフター中継ボックス105を介して前記タイルリフタ装置26の各昇降ステップモータ26bのモータ軸が回転駆動される。
【0150】
このモータ軸の回転駆動によって接続される前記ボールネジ26dも回転して、螺合される雌ネジ部26eが設けられたプッシュロッド26aが、個別に上方に向けて所定量移動させられて、個々のタイル3…が、必要に応じてチャッキング位置まで持ち上げられる。
【0151】
例えば、図9中に示すボード本体101Aのような窓開口101wを有するものでは、上側の2行には、タイル3,3を貼設する必要があるが、次の2行は、窓開口101wに対応するため、貼設の不要な部分が存在する。
【0152】
このため、図7中(a)に示すように、上側2行に対応する図7中左側2行のプッシュロッド26a,26aのみをタイル1枚分、上昇させて、次の2行中不要となる列のプッシュロッド26a,26aは、そのまま上昇させない。
【0153】
Step8では、前記チャッキング昇降部38が、前記タイル供給箱7の上方まで、前記X軸駆動用モータ37の駆動によって移動させられると共に、前記Z軸駆動用モータ43の回転駆動によって、メカニカルチャック装置50,51が、この持ち上げられた各タイル3,3の両側面部3a,3aを把持可能な位置まで下降される。
【0154】
すなわち、このX軸駆動用モータ37のモータ軸37aが回転駆動すると、前記ボールネジ部材40の雄シャフト40aも回転して、螺合する雌ネジ部40bをシャフト軸方向に沿って移動させる。
【0155】
この雌ネジ部40bは、前記チャッキング昇降部38の側面に固定されているので、前記チャッキング昇降部38が、前記X方向レール部材39,39に沿って、X方向に移動される。
【0156】
また、前記Z軸駆動用モータ43の回転駆動によって、前記取付面部42がZ方向にスライド移動されると、この移動と共に、前記チャック取付板部52に設けられたメカニカルチャック装置50の各爪部50d,50d及び50e,50eと、メカニカルチャック装置51の各爪部51d,51e及び51h,51hとが、この持ち上げられた各タイル3,3の両側面部3a,3a、3b,3bの側方に位置する。
【0157】
この際、例えば、図25中実線で示すように、前記制御部100のエアコンプレッサ制御部107の制御によって、前記メカニカルチャック装置50の上室50hに、前記接続口体50b及び連通路を介して、前記空気供給源64から正圧のエアが供給されると、ピストンヘッド50kがシリンダ室50gで押し下げられる。
【0158】
このため、このピストン50jの側面部に切り欠き形成された切欠部50m,50mに、係合された揺動片50n,50nが、揺動して前記スライド部材50p,50pが、Y方向に離間するようにスライド移動されて、前記爪部50d,50e間を離間させる。
【0159】
従って、前記爪部50d,50e等は、前記タイル供給箱7によって、タイル3,3が、比較的狭い所定間隔で配列されていても、前記各タイル3,3…に干渉することなく、各タイル3,3の両側面部3a,3aの側方位置まで下降させることが出来る。
【0160】
そして、前記制御部100のエアコンプレッサ制御部107の制御によって、前記チャック装置制御部65にチャック閉塞指示が行われると、前記メカニカルチャック装置50の下室50iに、前記接続口体50c及び連通路を介して、前記空気供給源64から正圧のエアが供給される。
【0161】
この正圧のエアによって、ピストンヘッド50kがシリンダ室50g内で押し上げられて、図25中二点鎖線に示すように上昇する。
【0162】
このため、このピストン50jの側面部に切り欠き形成された切欠部50m,50mに係合された揺動片50n,50nが、揺動して前記スライド部材50p,50pが、Y方向に近接するようにスライド移動される。このスライド移動と共に、前記爪部50d,50eが、各々タイル3の側面部3a,3aに当接されて、両側面部3a,3aが両側から把持される。
【0163】
前記メカニカルチャック装置51,51でも略同様に、前記爪部51d,51e及び51h,51hによって、タイル3の側面部3a,3a及び端面3b,3bが両側から把持される。
【0164】
このため、タイル3表面に形成された模様等の凹凸の大小に拘わらず、確実に前記タイル3を把持できると共に、正確に前記ボード本体101A上の所望の位置へ、このタイル3を貼設することが出来る。
【0165】
この実施の形態1では、前記爪部50eの内側で、前記タイル3の側面部3aが当接する部分に、シリコーンゴム50fが設けられているので、更に、タイル3の表面を損傷させる虞を減少させることが出来ると共に、把持された側面部3aに対する負担が軽減されている。
【0166】
更に、実施の形態1では、前記メカニカルチャック装置50,51が、全て一つの空気供給源64からエアが供給されるように構成されているので、同時に、一つのタイル群を構成する複数のタイル3,3を把持できると共に、タイル3が上昇されていない部分のメカニカルチャック装置50,51は、前記爪部50d,50eがタイル3を掴むことなく閉じて、空振りする。
【0167】
このようにして把持されたタイル3…は、前記Z軸駆動用モータ43の回転駆動によって、前記メカニカルチャック装置50…,51…に把持された状態で、Z方向に持ち上げられて前記タイル供給箱7から取り出される。この際、タイル3の残り枚数のカウントは、−1される
【0168】
次に、前記チャッキング昇降部38が、前記タイル供給箱7上方から前記タイル貼設エリアFの上方まで、前記X軸駆動用モータ37の駆動によって移動される。
【0169】
この際、前記Step5で、Y軸方向には前記枠体28が、最も製造ライン先端から1タイル群幅、進行しているので、前記近接センサ74,74を用いて、前記ボード本体101AのX方向の側縁部101a,101aの位置が測定される。
【0170】
この位置データは、前記Step5で測定された位置データと共に、タイル端面3b,3bの位置を決定するために用いられる。
【0171】
この実施の形態1では、Step10で、前記両位置データの中間位置にタイル端面3bが来るように、前記突き当てプレート53の位置が決定される。
【0172】
この決定された突き当てプレート53の位置データに基づいて、前記制御部100のステップモータ制御部102では、端面合わせステップモータ59の回転数を決定して、所望の位置まで前記突き当てプレート53,53を各々移動させる。
【0173】
例えば、図30中に示す領域f11にタイル群を貼設する場合には、前記ボード本体101Aの右側の側縁部101aに沿うように、前記X方向図中右側の突き当てプレート53を移動させると共に、X方向図中左側の突き当てプレート53を、左側に位置する領域f12との間の中心線Cに沿うように、各々移動させる。
【0174】
また、図30に示す領域f12にタイル群を貼設する場合には、前記ボード本体101Aの左側の側縁部101aに沿うように、前記X方向図中左側の突き当てプレート53を移動させると共に、X方向図中右側の突き当てプレート53を、右側に位置する領域f11との間の中心線Cに沿うように、各々移動させる。
【0175】
これらの側縁部101a,101aと実際に貼設されたタイル3の端面3bとの間隔及び、前記中心線Cと前記端面3bとの間隔は、前記制御部100のI/O制御部110に接続された操作BOX108からの数値入力によって適宜、補正値を入力して変更可能に構成されていて、前記タイル3の種類によって最適な間隔が得られる。
【0176】
また、この実施の形態1では、タイル群のY方向前,後両端で計測された位置データに基づいて、タイル群の端面X方向位置を決定しているので、1カ所で計測する場合に比して更に、タイルの位置決め精度を良好なものとすることができる。
【0177】
前記突き当てプレート53,53の移動及び停止後、Step11では、前記エアコンプレッサ制御部107が、前記スライダ装置制御部69を作動させて、前記各エアスライダ装置66…にエアが供給されることにより、突き当てプレート53…53方向に向けて、前記各スライダ片66d…が、例えば、参考のために、大,小タイル3L,3Sが略交互に把持されたものを示す図20,図21の平面図の様に、白抜き矢印で示す水平X方向に沿って両外側に拡開してスライド移動される。
【0178】
このため、前記メカニカルチャック装置50…の爪部50d,50eに把持されている各タイル3は、外側の端面3b…が前記突き当てプレート53に突き当てられるまで移動する。
【0179】
この際、中央のメカニカルチャック装置51,51に把持された大タイル3L,3L等は、移動しない。
【0180】
この実施の形態1のエアスライダ装置66は、図22に示すように、前記メカニカルチャック装置50,51の爪部50d等の開閉に用いる空気供給源64のエアを用いて前記スライダ片66dをスライド移動させているので、前記端面3bが、前記突き当てプレート53に当接した後は、エア圧以上の圧力で押圧されることがない。
【0181】
このため、前記タイル3及びエアスライダ装置66に無理な負荷がかからないと共に、他の動力源を必要としないので、製造コストの増大を抑制できる。
【0182】
Step12では、前記チャッキング昇降部38のZ軸駆動用モータ43の回転駆動によって、前記スライドガイド41,41に沿って、Z方向に前記取付面部42が、下降されて、タイル3の貼設が行われる。
【0183】
この際、この実施の形態1では、図7中(b)に示すように、窓開口101wが形成されている貼設しない部分では、空把持されているので、ボード本体101A上の板材が存在する部分のみに、前記タイル3,3が配列貼設される。
【0184】
従って、把持部が、複数のタイルを同時に把持する構成を採用する前記メカニカルチャック部48では、そのまま把持動作を行わせて、タイル3が不要な部分にタイル3を貼設させないようにすることが出来る。
【0185】
特に、エアプレッシャ等を用いて、メカニカルチャック装置50,51を一括で動作させる本実施の形態1の装置でも、そのまま使用出来、個別に把持部を動作させると、コスト抑制効果及び動作信頼性が損なわれる虞がある場合でも、容易に使用できる。
【0186】
図7中(c)(d)では、次の領域f13,f14に、タイル3を貼設する工程を示している。
【0187】
この領域では、最も上側の1行分のタイル3が、窓部開口101wに対応するため、貼設が不要である。
【0188】
従って、前記リフタ制御部114では、下側3行に対応する図7(c)中右側3行のプッシュロッド26a,26aのみをタイル1枚分、上昇させて、最も左側1行の不要となる列のプッシュロッド26aは、そのまま上昇させない。
【0189】
そして、前記チャッキング昇降部38が、前記タイル供給箱7の上方まで、前記X軸駆動用モータ37の駆動によって移動させられると共に、前記Z軸駆動用モータ43の回転駆動によって、メカニカルチャック装置50,51が、この持ち上げられた各タイル3,3の両側面部3a,3aを把持可能な位置まで下降されて、前記と略同様に爪部50d,50eによって上昇されたタイル3…のみを把持して、ボード本体101A上面に移動させて、貼設する。
【0190】
図8中(a)(b)では、次の領域f15〜f30に、タイル3を貼設する工程を示している。
【0191】
これらの領域f15〜f30では、タイル3が不要な部分が無く、全てのタイル3を、貼設する必要がある。
【0192】
従って、前記リフタ制御部114では、図8(a)中全4行のプッシュロッド26aがタイル1枚分、上昇される。
【0193】
そして、前記チャッキング昇降部38が、前記タイル供給箱7の上方まで、前記X軸駆動用モータ37の駆動によって移動させられると共に、前記Z軸駆動用モータ43の回転駆動によって、メカニカルチャック装置50,51が、これらの持ち上げられた各タイル3〜3の両側面部3a,3aを把持可能な位置まで下降されて、前記と略同様に爪部50d,50eによって上昇されたタイル3…を把持して、ボード本体101A上面に移動させて、貼設する。
【0194】
従って、タイルの不要な部分を有するボード本体101Aの貼設作業も、略全面にタイル3…が貼設されるボード本体101Aの貼設作業と連続して行うことが出来るので、作業効率を良好なものとすることができる。
【0195】
また、窓部の無い外壁材及び窓部を有する外壁材を続けて製造する場合であっても、タイル供給箱7を変更することなく、連続して用いることが出来る。
【0196】
このため、交換の時間が節約できるので、更に、製造コストの上昇を抑制出来る。
【0197】
次に、この実施の形態1のタイル貼設装置の貼り付け工程のうち、タイル圧着手順について、主に図31に沿って説明する。
【0198】
この実施の形態1のタイル貼設装置では、前記突き当てプレート53に突き当てられた前記タイル3L,3Sは、ボード本体101Aの側縁部101a及び中心線Cに沿って、各端面3b,3bが、一列に揃えられる。
【0199】
Step12では、前記チャッキング昇降部38のZ軸駆動用モータ43の回転駆動によって、前記スライドガイド41,41に沿って、Z方向に前記取付面部42が、下降される。
【0200】
この取付面部42の下面側に装着された前記メカニカルチャック部48もこの下降に伴って下降して、各メカニカルチャック装置50,51…に把持された大タイル3L,又は小タイル3Sが、図31中(a)に示すように前記ボード本体101A近接位置まで降下された状態で、一旦、下降が停止される。
【0201】
Step13では、前記大タイル3L,又は小タイル3Sがボード本体101A上面に向けて落下される。
【0202】
すなわち、前記各メカニカルチャック装置50,51では、前記制御部100のエアコンプレッサ制御部107から、前記チャック装置制御部65に、チャック開放指示が行われると、前記メカニカルチャック装置50の上室50hに、前記接続口体50b及び連通路を介して、前記空気供給源64から正圧のエアが供給される。
【0203】
このため、前記ピストンヘッド50kがシリンダ室50g内で、図25中実線で示す位置まで下降する。
【0204】
そして、このピストン50jの側面部に切り欠き形成された切欠部50m,50mに係合された揺動片50n,50nが、揺動して前記スライド部材50p,50pが、Y方向に離間するようにスライド移動される。
【0205】
このスライド移動と共に、図21中(b)に示すように、前記爪部50d,50eが、各々タイル3L,3Sの側面部3a,3aから離間されて把持が開放されることにより、各タイル3L,3Sが自重で、前記モルタル又は樹脂製接着剤12が塗られたボード本体101A上面に落下する。
【0206】
一旦、前記ボード本体101A上で前記メカニカルチャック装置50,51から放されて落下された前記タイル3L,3Sは、前記ボード本体101A上で、このボード本体101Aの上面に沿って仮貼設される。
【0207】
このため、例えば、ボード本体101Aが歪んでいても、ボード本体101Aの形状に沿って略並行に仮貼設される。例えば、図21中左下側拡大図に示すように、タイル3の裏面側に接着面積を増大させるため、凹部3c及び凸部3d…が交互に形成されているものでは、前記仮貼設で、凸部3d下面側が前記モルタル又は樹脂製接着剤12に接着されて、このモルタル又は樹脂製接着剤12の上面に、前記タイル3が略並行に沿う。
【0208】
次に、Step14では、前記チャッキング昇降部38のZ軸駆動用モータ43の回転駆動によって、前記スライドガイド41,41に沿って、Z方向に前記取付面部42が、更に下降されて、前記メカニカルチャック装置50の各爪部50d,50d及び50e,50eと、メカニカルチャック装置51の各爪部51d,51e及び51h,51hとが、落とされた各タイル3L,3Sの両側面部3a,3aの側方の把持可能な位置で停止する。
【0209】
そして、Step15では、再び、前記エアコンプレッサ制御部107によって前記チャック装置制御部65にチャック閉塞指示が行われると、図21中(c)に示すように、前記大タイル3L,又は小タイル3Sの各側面部3a,3aが、前記爪部50d及び50e等によって把持される。
【0210】
次に、Step16では、前記チャッキング昇降部38のZ軸駆動用モータ43の回転駆動によって、前記スライドガイド41,41に沿って、Z方向に前記取付面部42が、更に下降されて、各大,小タイル3L,3Sが、ボード本体101A上面に押圧される。
【0211】
このため、図31中、右下側拡大図に示すように、モルタル又は樹脂製接着剤12内に前記凸部3dが埋め込まれると共に、前記凹部3cとモルタル又は樹脂製接着剤12との間に存在したエアが抜けて、ボード本体101Aと並行を保持しながら圧着される。
【0212】
従って、良好なタイル貼設精度で、前記タイル3がボード本体101Aに配列貼付される。
【0213】
また、この圧着の際、この実施の形態1では、押圧に用いるストロークを高さZ方向で、約0.2〜0.5mmとしている。
【0214】
そして、Step17では、再び、前記エアコンプレッサ制御部107によって前記チャック装置制御部65にチャック閉塞指示が行われると共に、Z軸駆動用モータ43の回転駆動によって、前記メカニカルチャック装置50,51が、上方に離脱される。
【0215】
Step18では、前記タイル供給箱7内のタイル残数の数量カウント等によって得られた情報に基づいて、例えば、領域f32までの全てのタイル3の貼設が終了した場合には、次のStep19に進むと共に、まだ全てのタイル3の貼設が終了していない場合には、Step20に進み、左,右一対のタイル群の領域、例えば、領域f11,f12が終了していれば、Step4に戻って、次のf13,f14にタイル3を貼設するための左,右の近接センサ74,74による測定が行われ、まだ、領域f12等、左側の残りの領域の貼設が終了していない場合には、Step8に戻り、左,右のタイル3の貼設を完了させる。
【0216】
図8中(c)(d)では、最後の領域f31,f32に、タイル3を貼設する工程を示している。
【0217】
この領域f31,f32では、ボード本体101Aの長さが、同時に貼設されるタイル群の整数倍とならないため、下側の2行分のタイル3,3が、余ってしまうため、貼設が不要である。
【0218】
従って、前記リフタ制御部114では、上側2行に対応する図8(c)中左側2行のプッシュロッド26a,26aのみをタイル1枚分、上昇させて、ボード本体101A下縁101fからはみ出す右側21行の列のプッシュロッド26a,26aは、そのまま上昇させない。
【0219】
そして、前記チャッキング昇降部38が、前記タイル供給箱7の上方まで、前記X軸駆動用モータ37の駆動によって移動させられると共に、前記Z軸駆動用モータ43の回転駆動によって、メカニカルチャック装置50,51が、この持ち上げられた各タイル3,3の両側面部3a,3aを把持可能な位置まで下降されて、前記と略同様に爪部50d,50eによって上昇されたタイル3,3が把持されると共に、前記ボード本体101Aに、図8中(d)に示されるように貼設される。
【0220】
従って、タイル群の面積で整数倍とならない不足分又は、余剰が発生しても作業者が手作業で貼設する必要が無く、作業工程数を増大させることがないので、この点においても作業性が良好である。
【0221】
全ての貼設が終了すると、Step19では、X軸及びY軸で前記チャッキング昇降部38の原点復帰が行われる。
【0222】
Step21では、前記クランパ装置25…のクランプが解除された後、搬送装置2のローラコンベア21d…が、前記搬送制御部106によって駆動されて、前記タイル3…が所望の位置に貼設されたボード本体101Aが、排出されて、貼設工程が略終了する。
【0223】
このようにして、前記タイル群3…が、各領域f11〜f32に貼設されたボード本体101Aでは、中心線Cの左,右にY方向に沿って配列された各タイル3…の各端面3b…が、中心線Cから設定された同一距離に位置して固定される。
【0224】
このため、中心線Cに沿ったタイル3…の目通りが良好である。
【0225】
また、前記ボード本体101Aの側縁部101aでは、Y方向に沿って配列された各タイル3…の各端面3b…が、側縁部101aから設定された同一距離に位置して固定される。
【0226】
このため、住宅の外壁等に、複数のボード本体101A,101Aを配設する際、これらのボード本体101A,101Aの各側縁部101a,101aを突き合わせて並設しても、突き合わせられた側縁部101aからの各両側のタイル3…の各端面3b…位置が、Y方向で揃っているので、この突き合わせ部分での縦方向の目通りも良好である。
【0227】
従って、住宅の外壁の全ての部分で目通りの良好なものとすることが出来ると共に、ボード本体101Aの歪み等により、水平精度が良好でなくとも、一旦落下されたタイル3…がメカニカルチャック装置50,51で再度把持されて、押圧されるので、タイル3の角度が、前記ボード本体101Aの上面形状に沿った状態となり、良好なタイル貼設精度で配列貼設された外観品質の良好な外壁を製造できるタイル貼設装置が提供される。
【0228】
【変形例2】
図10は、この発明の実施の形態1の変形例2のボード本体101Bを示すものである。なお、前記実施の形態1と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0229】
この変形例2では、ボード本体101Bに横長形状の窓部開口101w2が形成されている。
【0230】
このように構成された変形例2のボード本体101bでは、前記窓部開口101w2に相当する部分のタイル3L,3Sが不要であるので、相当する箇所の前記タイルリフタ装置26のプッシュロッド26aを上昇させずに、メカニカルチャック装置50の爪部50d,50eは空振りさせて、貼設させないようにすることが出来る。
【0231】
このため、前記タイル供給箱7の各仕切枠体7g,7hを変更して、タイルパターンに多様性を持たせることが出来ると共に、不要な部分には適宜タイルを貼設しないように出来る。従って、大量のタイル3…をタイル供給箱7にストレージして、連続してタイルを供給することによって、自動化されたタイル供給装置に用いて好適である。
【0232】
また、前記メカニカルチャック部48が、複数のタイル3…を同時に把持する構成となっていても、そのまま把持動作を行わせて、タイル3…が不要な部分にタイルを貼設させないようにすることが出来る。
【0233】
よって、特に、エアプレッシャ等を用いて、メカニカルチャック部48の各メカニカルチャック装置50…,51…を一括で動作させる爪部50e等を有するタイル貼り装置でもそのまま使用出来、個別にメカニカルチャック装置50等を動作させると、コスト抑制効果及び動作信頼性が損なわれる虞がある場合でも、容易に使用できる。
【0234】
また、窓部の無い外壁材及び窓部を有する外壁材を続けて製造する場合であっても、タイル供給箱を変更することなく、連続して用いることが出来る。
【0235】
このため、交換の時間が節約できるので、更に、製造コストの上昇を抑制出来る。
【0236】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態1を詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態1に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があってもこの発明に含まれる。
【0237】
例えば、前記実施の形態1では、2列のタイル群を貼設する工程を示して説明してきたが、特にこれに限らず、1列或いは、3列以上の複数列のタイル群を前記ボード本体101A上面に貼設するものであってもよく、タイル3の数量、形状、材質が特に限定されるものではない。
【0238】
また、前記実施の形態1では、メカニカルチャック装置50の爪部50d,50eを同時に近接離反させるように構成されているが、特にこれに限らず、例えば、前記爪部50d側のアーム50rを前記本体50aに固定して、前記シリコーンゴム50fが設けられた爪部50eのみを、近接離反させても良い。
【0239】
この場合、前記爪部50d側に当接されるタイル3の上側若しくは下側の側面部3aの位置決め精度が、更に良好となり、水平方向の目通りも良好なものとすることが出来る。
【0240】
【発明の効果】
以上、上述してきた様に、請求項1に記載のものでは、各仕切枠体を取り外して、横方向から箱本体内に、タイルを入れることが出来る。
【0241】
この際、積層されたタイルも収納可能であるので、ストック状態の積層されたタイルをそのまま、持ちあげることなく箱本体内に収納可能である。
【0242】
また、請求項2に記載されたものでは、各仕切枠体が装脱着可能であるので、前記タイルの配列に応じて、組み替えて使用出来、様々なパターンのタイルの配列に対応できる。
【0243】
そして、請求項3に記載されたものでは、前記プッシュロッドが、前記タイル供給箱の底面部に形成されたプッシュロッド挿通孔から上方に向けて、前記積層されたタイル部材を押し上げる。
【0244】
このため、例えば、把持装置で、前記箱本体から上方に送り出されたタイル部材を容易に掴むことが出来るので、複数層に大量のタイルを積層させて収納することが出来る。
【0245】
更に、請求項4記載のものでは、ロッド駆動手段が、各プッシュロッドを個別に上下動可能として貼設する部分のタイルのみを突き上げて、該突き上げられたタイルのみを把持部によって把持すると共に、貼設しない部分では空把持して、ボード本体上に前記タイルを配列貼設する。
【0246】
このため、窓部等に相当する不要な部分のタイルを突き上げないで、把持部で空把持させることにより、ボード本体では、窓部に相当する部分が抜けて、外壁材として必要な部分のタイルのみがボード本体上に配列貼設される。
【0247】
従って、把持部が、複数のタイルを同時に把持する構成となっていても、そのまま把持動作を行わせて、タイルが不要な部分にタイルを貼設させないようにすることが出来る。
【0248】
よって、特に、エアプレッシャ等を用いて、把持部を一括で動作させる把持部を有するタイル貼り装置等でもそのまま使用出来、個別に把持部を動作させると、コスト抑制効果及び動作信頼性が損なわれる虞がある場合でも、容易に使用できる。
【0249】
また、窓部の無い外壁材及び窓部を有する外壁材を続けて製造する場合であっても、タイル供給箱を変更することなく、連続して用いることが出来る。
【0250】
このため、交換の時間が節約できるので、更に、製造コストの上昇を抑制出来る。
【0251】
また、請求項5に記載されたものでは、貼設する組み合わせと同じ組み合わせで予め前記タイルが複数段に積層されて収納されたタイル供給箱の下方から、個別にプッシュロッドを駆動して、貼設する部分のタイルのみを突き上げて、該突き上げられたタイルのみを把持部によって把持すると共に、貼設しない部分では空把持して、ボード本体上に前記タイルを配列貼設する。
【0252】
従って、タイルの不要な部分を有するボード本体の貼設作業も、略全面にタイルが貼設されるボード本体の貼設作業と連続して行うことが出来るので、作業効率を良好なものとすることができる、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のタイル供給箱で、各仕切枠体を外した状態での分解斜視図である。
【図2】実施の形態1のタイル供給箱で、(a)は、積層されたタイルを横入れする様子を説明する斜視図、(b)は、仕切枠体を装着する様子を説明する斜視図、(c)は、タイルの装填が完了した状態を表す斜視図である。
【図3】実施の形態1のタイル供給箱での上面図である。
【図4】実施の形態1の変形例1のタイル供給箱を示す上面図である。
【図5】実施の形態1のタイル供給箱とタイル供給装置との構成を説明し、図3中C−C線に沿った位置での断面図である。
【図6】実施の形態1のタイル供給装置で、図5中D−D線に沿った位置での断面図である。
【図7】実施の形態1のタイル供給装置で、(a)はタイルリフタ装置の動作を説明する部分断面図、(b)は、窓部開口を有する外壁ボードにタイルを貼設する様子を説明する部分断面図、(c)はタイルリフタ装置の動作を説明する部分断面図、(d)は、窓部開口を有する外壁ボードにタイルを貼設する様子を説明する部分断面図である。
【図8】実施の形態1のタイル供給装置で、(a)はタイルリフタ装置の動作を説明する部分断面図、(b)は、窓部開口が無い部分での外壁ボードにタイルを貼設する様子を説明する部分断面図、(c)はタイルリフタ装置の動作を説明する部分断面図、(d)は、外壁ボードの下端にタイルを貼設する様子を説明する部分断面図である。
【図9】実施の形態1の窓部開口を有して、タイルが貼設される外壁ボードの正面図である。
【図10】実施の形態1の変形例2で、横長の窓部開口を有してタイルが貼設される外壁ボードの正面図である。
【図11】 本発明の実施の形態1のタイル貼設装置で、タイルの端面が揃えられる様子を説明する斜視図である。
【図12】実施の形態1のタイル貼設装置で、全体の構成を説明する側面図である。
【図13】実施の形態1のタイル貼設装置で、全体の構成を説明する上面図である。
【図14】実施の形態1のタイル貼設装置で、全体の構成を説明する正面図である。
【図15】 実施の形態1のタイル貼設装置で、ボード本体の側縁部の位置測定に用いる近接センサ近傍の構成を説明する拡大正面図である。
【図16】実施の形態1のタイル貼設装置で、チャッキング昇降部及びメカニカルチャック部付近の構成を説明する一部断面側面図である。
【図17】実施の形態1のタイル貼設装置で、チャッキング昇降部に取り付けられるメカニカルチャック部の一部断面側面図である。
【図18】実施の形態1のタイル貼設装置で、メカニカルチャック部の上面図である。
【図19】実施の形態1のタイル貼設装置で、メカニカルチャック部の一部断面正面図である。
【図20】実施の形態1のタイル貼設装置に用いられるメカニカルチャック部の構成を説明し、図19中A−A線に沿った位置での水平断面図である。
【図21】実施の形態1のタイル貼設装置に用いられるメカニカルチャック部の構成を説明し、図19中B−B線に沿った位置での水平断面図である。
【図22】実施の形態1のタイル貼設装置で、メカニカルチャック装置をエアスライダ装置に装着した構成を説明する上面図である。
【図23】実施の形態1のタイル貼設装置で、メカニカルチャック装置をエアスライダ装置に装着した構成を説明する側面図である。
【図24】実施の形態1のタイル貼設装置で、メカニカルチャック装置をエアスライダ装置に装着した構成を説明する正面図である。
【図25】実施の形態1のタイル貼設装置で、メカニカルチャック装置の構成を説明する部分断面図である。
【図26】 実施の形態1のタイル貼設装置で、メカニカルチャック装置の上面図である。
【図27】 実施の形態1のタイル貼設装置で、メカニカルチャック装置の側面図である。
【図28】実施の形態1のタイル貼設装置で、制御部の構成を説明するブロック図である。
【図29】実施の形態1のタイル貼設装置で、タイル貼設工程に沿ったフローチャート図である。
【図30】実施の形態1のタイル貼設装置で、タイル群を各領域に貼設する順序を説明するボード本体の上面図である。
【図31】実施の形態1のタイル貼設装置で、(a)は、ボード本体近傍まで下降されたメカニカルチャック装置を示す側面図、(b)は、ボード本体上に、タイルを落下させる様子を示す側面図、(c)は、再び、タイルを把持する様子を示す側面図、(d)は、ボード本体にタイルを押圧する様子を示す側面図、(e)は、ボード本体にタイルを押圧して、メカニカルチャック装置を復帰させる様子を示す側面図である。
【図32】実施の形態1のタイル貼設装置で、空気供給源から各アクチュエータまでの接続を説明する配管図である。
【図33】従来例の真空吸着式タイル貼設装置で、構成を説明する上面図である。
【図34】他の従来例の真空吸着式タイル貼設装置で、全体の構成を説明する模式図である。
【図35】他の従来の真空吸着式タイル貼設装置で、タイルを整列させる様子を説明する断面図である。
【図36】他の従来の真空吸着式タイル貼設装置で、タイルを整列させる様子を説明する上面図である。
【図37】外壁ボードにタイルをタイル群として貼設する様子を説明する正面図である。
【図38】窓部開口が形成された外壁ボードのボード本体を表す正面図である。
【符号の説明】
3,3L,3S タイル
6 タイル供給装置
7 タイル供給箱
7e プッシュロッド挿通孔
7g,7h 仕切枠体
26 タイルリフタ装置
26a プッシュロッド
26b 昇降ステップモータ(ロッド駆動手段)
48 メカニカルチャック部(把持部)
50,51 メカニカルチャック装置
101,101A,101B ボード本体
Claims (5)
- 複数のタイルをボード本体上に配列貼設するタイル貼設装置に用いられるタイル供給箱であって、このタイル供給箱は、貼設する組み合わせと同じ組み合わせで予め前記タイルを複数段に積層して収納する箱本体を有し、
この箱本体は、底面部と、この底面部の左右側に起立して連結された一対の側面部と、両側面部の内側面の中間部分を接続して前記底面部に起立して連結された中央仕切板とを有する上面視略H字状に形成され、
前記中央仕切板の前後側には、複数の仕切枠体が、前記底面部に対して起立した状態で前記両側面部の内側面に連結され、この複数の仕切枠体と前記中央仕切板とにより、前記箱本体内に隣接して収容される複数のタイル群の間を隔離する一方、
前記両側面部の内側面には、前記各仕切枠体との連結部分にガイド溝が上下に延設され、前記各仕切枠体は、各ガイド溝に嵌着されて上下方向にスライドされることにより前記両側面部に装脱着可能に構成されていることを特徴とするタイル供給箱。 - 前記複数の仕切枠体は、前記中央仕切板の前後側に配置された2組の仕切枠体から構成され、
各組の2枚の仕切枠体の一方は、前記両側面部の内側面に連結される横仕切板と、この横仕切板の内側面に直交して接続される2枚の縦仕切板とを有する上面視で略鳥居状に形成されて、この2枚の縦仕切板間と、各縦仕切板と各側面部との間にそれぞれタイルが収納されるように構成される一方、前記2枚の仕切枠体の他方は、前記両側面部の内側面に連結される横仕切板と、この横仕切板の内側面に直交して接続される1枚の縦仕切板とを有する上面視で略T字状に形成されて、この縦仕切板の両側で前記各側面部との間にそれぞれタイルが収納されるように構成されることにより、前記箱本体内に大きさの異なるタイルが組み合わせられて配列収納されることを特徴とする請求項1記載のタイル供給箱。 - 請求項1又は2記載のタイル供給箱を用いたタイル供給装置であって、前記タイル供給箱の底面部には前記タイル群に対応してプッシュロッド挿通孔が形成され、前記タイル供給装置は、前記タイル供給箱を上面に載置させる台座を有し、この台座の上面には前記プッシュロッド挿通孔に合わせて開口が形成されている一方、さらに、前記開口および前記プッシュロッド挿通孔を下方から上方に向けて挿通するプッシュロッドと、このプッシュロッドを上下方向に移動させて前記タイル供給箱に収納されている前記タイル群を昇降させるロッド駆動手段とを有することを特徴とするタイル供給装置。
- 請求項3に記載のタイル供給装置を用いたタイル貼設装置であって、このタイル貼設装置は、前記ロッド駆動手段によって突き上げられた複数のタイルを同時に把持する把持部を有し、この把持部によって前記ボード本体上にこれらのタイルを配列貼設する一方、
前記タイル供給装置は、前記プッシュロッドを複数有するとともに、前記ロッド駆動手段は、各プッシュロッドを個別に上下動可能とするように構成されていることを特徴とするタイル貼設装置。 - 請求項4に記載のタイル貼設装置を用いたタイル貼設方法であって、このタイル貼設方法は、前記タイル貼設装置の前記ロッド駆動手段が個別に前記プッシュロッドを駆動して、貼設する部分のタイルのみを突き上げて、該突き上げられたタイルのみを前記把持部によって把持すると共に、貼設しない部分では空把持して、前記ボード本体上に前記タイルを配列貼設することを特徴とするタイル貼設方法。
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