JP4265771B2 - 磁場のフィードバック制御を行う磁力支持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属及び磁石を備える供試体を磁気力により空中の任意の位置と姿勢角に制御可能に支持する磁力支持装置に関する。
航空機やスペースシャトルのような宇宙往復機の開発・設計に際しては、気流が機体に及ぼす影響が時間を追う毎に変化する動的特性を知ることが不可欠である。動的特性が求められる場合としては、例えば、突風や気流の乱れ等のように気流の流れが変化する場合、気流の密度や温度等の特性自体が変化する場合、或いは操舵によって気流に対して航空機の姿勢が変更される場合等がある。このような状況の変化に応じて模型に作用する揚力、抗力、モーメント等の動的に変化する力を知ることで、実機の位置・姿勢角に応じた動的特性を知ることができ、そうした実機の動的特性は、航空機の翼や胴体等の外形形状、構造強度、エンジン特性、或いは操舵装置等の開発・設計に資することができる。
従来、物体の空力的な特性を模型で試験する風洞試験においては、風洞設備の測定部での模型を支持体で支持することが一般的に行われてきたが、この模型の支持形態は支持体自体が模型の周りにおける空気流れに影響を及ぼす。したがって、風洞試験結果をそのまま模型(ひいては物体)の空力特性として採用することができない。そこで、風洞試験において、模型を磁力で支持することが提案されている。模型を磁力支持することによって支持体が不要となるので、支持体が存在することに起因した模型への空力的な影響が取り除かれ、理想的な風洞試験を行うことができる。
風洞模型のための磁力支持装置は、風洞試験において模型の周りを流れる気流が模型に作用する揚力、抗力、ピッチング(縦揺れ)モーメント等の静的又は動的な空力特性を、模型の内部に設けられる磁石と相互作用する磁気力を生じさせるために設けられているコイルに流す電流の大きさに置き換えて測定する装置である。こうした空気力とコイル電流の大きさとの関係を調べて予めマップ、関数、表等の対応関係を用意しておくことにより、コイル電流を測定することで模型に作用する空力特性を知ることができる。
図4を参照して、磁力支持型風洞及び磁力支持装置の概要を説明する。図4は磁力支持装置を備えた風洞、及び磁力支持装置に用いられる計測系と制御系の概要を示す斜視図である。図4に示す磁力支持装置20は、アルミなどの非磁性材料で所望の形状に成形されている風洞模型(以下、単に「模型」という)7を磁気の力で気流中に浮揚支持する装置である。模型7にはその内部に、磁化された物質、超伝導コイルのような電流を流し続けているコイル、或いは永久磁石等から成る強力な円柱状の磁石体が搭載される。模型7の磁石体には、風洞の測定部の周りに配置したコイルに通電することにより生じた磁場との磁気作用によって磁気力が生じる。この磁気力によって、模型7を重力や空気力に抗して浮上支持させて、支持体による干渉がない風洞試験を実現することができる。
模型に力を作用させるための磁場は、磁気支持コイルとしてのコイル22〜25とコイル26〜29とから成る二つの磁気回路、及びその外側に配置された同じく磁気支持コイルとしての空芯コイル21,30によって発生される。磁気回路の各コイル22〜29に流れる電流を調節することにより、磁気回路内のy−z面内での磁場の強さと方向及びそれらのx軸方向の変化率を連続的に変化させることができる。また、空芯コイル21,30に流れる電流を調節することによりx軸方向磁場の強さのx軸方向で見た変化率を制御することができ、都合5軸の制御が可能である。即ち、磁気回路のコイル22〜29は、模型7に働く揚力と縦揺れモーメントとに対抗する磁気力を与える揚力用コイルとして機能し、空芯コイル21,30は模型7に働く抗力に対抗する磁気力を与える抗力対抗用コイルとして機能している。
風洞には、模型7とコイル21〜30の他に、各コイルを駆動する電源系、模型7の位置と姿勢とを計測する計測系(カメラのような光学センサ9)、及び模型7の位置と姿勢とを制御する制御系が組み込まれている。図4に示すように、計測系である光学センサ9が検出した模型7の位置姿勢に関する計測データは、パーソナルコンピュータ等の計算機13に送信され、計算機13での演算結果が電源アンプ14によって増幅された後、各コイル21〜30に制御された指令電流として送られる。
磁力支持装置20は、本質的に不安定なシステムであるので、模型7の位置・姿勢角について常にフィードバック制御が行われている。即ち、指令電流によって模型7に磁力が作用し、その結果、出力として模型7の状態変数である位置・姿勢角に変化が表れる。この模型7の位置・姿勢角は、光学センサ9によって検出され、検出値に応じて制御装置である計算機13が指令電流を出力することで、位置・姿勢角についてフィードバック制御(以下、単に、「位置フィードバック制御」と略す。詳細については後述する。)が行なわれている。
従来の制御において用いられる座標系は、図4に示すように、風洞測定部中心を原点とし、流れの上流方向をx軸(逆抗力方向)、鉛直上方(揚力方向)をz軸、これらの軸と右手系を作る軸をy軸と定め、x軸回りのロール角、y軸回りのピッチ角、z軸回りのヨー角をそれぞれ、φ,θ,ψとしている。これらの軸方向の磁気力及び軸回りのモーメントを作用させるために、表1に示すようにコイルを組み合わせている。表1に記載したコイル番号は、図7に示すコイルに付した番号に対応している。
Figure 0004265771
模型7が保持する磁気モーメントベクトルをM、模型7周り磁場強さベクトルをHとすると、模型7に作用する磁気力F、モーメントNはそれぞれ、式(1)、式(2)のように示される。
Figure 0004265771
Figure 0004265771
従来の位置フィードバック制御系では、軸間干渉と、ロール軸(ロール角φ)方向の運動とを考慮せず、また、ピッチ角θとヨー角ψは十分小さいとの仮定の下で、式(1)及び式(2)を各軸方向の電流について線形化し、電流入力に対する模型7の位置・姿勢角の伝達関数を求めて、模型7の位置・姿勢角についてのフィードバック制御が行われている。伝達関数Gmは、模型7に内挿された磁石のx軸方向の磁気モーメントをMx、模型7も全体質量又は慣性モーメントをm、単位電流当たりの磁場勾配をhとして、式(3)で表される。
Figure 0004265771
コイルの巻き数を少なくし、大きな電流を流すことにより、コイルの応答速度を向上させることができる。即ち、コイルのダイナミックスを式(4)で表される一次遅れ系で近似したとき、その時定数γが非常に小さくすることができる(一例として、5軸すべてで最大でおよそ9.6msec)。
Figure 0004265771
上記の各式から、模型系とコイル系とを含めたシステムの状態方程式は、次の式(5)〜式(8)で表すことができる。但し、O(ベクトル)は適当な次元を持ったゼロ行列である。
Figure 0004265771
Figure 0004265771
Figure 0004265771
Figure 0004265771
模型7の位置フィードバック制御は、図5に示される制御システムで行われている。磁力支持装置20の制御システムは、本来、不安定であるため、図5にブロック線図として示すように模型7の位置・姿勢角についてフィードバック制御が行われている。即ち、現在値(状態変数)としての位置・姿勢角Yに基づく信号と、目標値設定器1における位置・姿勢角の各目標値Rとの偏差Eが伝達関数Kを持つPI制御器(比例積分コントローラ)2に入力されて制御量が計算される。計算された制御量は、更にバイアス付与器3によるバイアスBが付加された後、D/A変換器(デジタル/アナログ変換器)4を経て連続量に変換されて指令信号Uが作られる。バイアスBは、模型7が重力と釣り合うために必要な電流値である。指令信号Uは電源アンプ14で増幅された後に磁力支持装置20のコイル21〜30(図4参照)からなるコイル駆動系5に供給され、コイル駆動系5が生成する磁場(伝達関数Gc)はコイル磁気力として模型7に作用する。この磁場と模型7の磁石体との相互作用による磁気力と、空気力や重力等の外力源6からの外乱Dとが模型7に作用し、その結果、模型7の位置・姿勢角Yが出力として得られる。
制御システムには、模型7の現在値としての位置・姿勢角Yを検出するため、光学センサ9が備わっている。検出された位置・姿勢角Yにはノイズ源8からセンサノイズnが混入するため、ノイズ除去用に60Hz程度の適当なカットオフ周波数を持ち、伝達関数Hnで表される2次バターワース型のノイズカットフィルタ10にかけられる。光学センサ9は、CCDセンサのような電荷の蓄積に要する時間として検出から出力までに6ミリ秒程度の遅延時間(むだ時間)Lがあるため、検出された模型7の位置・姿勢角の情報は実際にその瞬間の位置・姿勢角とは異なる。また計算機13はコイル電流やコイル電圧といったコイル21〜30に供すべき指令電流Uの計算に時間を要するため、力を作用させようとする瞬間には模型7の位置・姿勢角は更に変動している。そのため伝達関数Hp(s)が式(9)で表される二重位相進み器11が、これらの時間遅れを補償するのに用いられている。
Figure 0004265771
光学センサ9による模型7の位置・姿勢角の検出信号は、ノイズカットフィルタ10を経て、更に二重位相進み要素11を経るときに位相を進められるが、この位相の二重進みがシステムの安定性に重要な役割を果たしている。この補償された位置・姿勢角信号と目標値Rとの偏差EがPI制御器2に入力される。PI制御器2の伝達関数K(s)が、式(10)に示されている。このように、磁力支持装置20は、検出された模型7の位置・姿勢角Yに基づいて、模型7の位置・姿勢角についてのフィードバック制御を行っている。
Figure 0004265771
上記のように、磁力支持装置20は、模型7の位置・姿勢角を検出するための光学的な位置センサ(この場合の「位置」は、姿勢角も含む広義の用語)、模型7に磁気力を作用させるための1つ又は複数個のコイル・電磁石21〜30、コイル・電磁石21〜30に印加する電流値又は電圧値を演算し出力する制御装置(計算機13等)を基にして構成されており、風洞内において磁気力によって模型7を気流中に空中の任意の位置・姿勢角に保持することができる装置であって、模型7に接触して支持する支持体を設けた場合に生じる支持体と気流との干渉の問題を避けることができ、模型7の動的試験をも可能にする有用な装置である(例えば、非特許文献1参照)。
澤田秀夫、国益徹也、「低速風洞用60cm磁力支持装置の開発」、日本航空宇宙学会論文集、社団法人日本航空宇宙学会、平成14年5月、第50巻、第580号、p.188−195
このように位置・姿勢角をフィードバックする制御系を備えた磁力支持装置は、供試体(模型)の位置・姿勢角を随時検出し、検出した位置・姿勢角に基づいて制御量を計算し、得られた制御量をコイル・電磁石に印加することにより供試体を安定に浮上させることができる。特に非特許文献1に記載のような二重位相進み器とPI制御器とを併用した制御系は、供試体を安定に浮上させることができる制御系の一つであり、供試体を浮上させている状態でも制御定数を変更することが容易にできる実用的な制御系である。この制御系は、供試体が静的な場合又はステップ応答やヒービングといった一次元の簡単な運動をさせる場合には問題は無いが、このときの供試体の運動は制御量に対して位相がずれていることが観測されている。一方、供試体の運動は、コイル・電磁石が形成する磁場に対しては同位相であることも観測されている。この性質を利用して供試体に作用する力を高精度で検出する目的で、磁力支持装置にホール素子を配設する場合もある(例えば、非特許文献2)。
澤田秀夫、他3名、"1995年の航空宇宙技術研究所における磁力支持天秤装置の研究(STATUS OF MSBS STUDY AT NAL IN 1995 )"、第3回磁力支持に関する国際シンポジウム(Third International Symposium on Magnetic Suspension Technology )、(米国)、p.505−519
一方、磁力支持装置と関連した公知の技術の中には、ホール素子によって磁場を検出し、検出した磁場に基づいて制御量を計算し、それを電磁石に印加することによって物体を一定の位置に保持する装置がある(例えば、特許文献1、特許文献2)。特許文献1には磁気軸受に関する発明についての記載があり、一方、特許文献2には磁気浮上に関する発明についての記載がある。これらの装置の中には光学センサは含まれておらず、また3次元空間の任意の位置に供試体を保持するものではない。
特開平9−25934号公報(第3頁、第1図) 米国特許出願公開第6154353号明細書
このような磁力支持装置において、上記の制御量に対する供試体運動の位相の遅れは、供試体の応答速度の遅れを招くため、制御性能を悪化させる要因の一つとなっている。したがって、この影響が供試体の動安定性を損なうという形で顕在化する可能性が非常に大きく、最悪の場合、供試体の落下、破損といった事故を招きかねない状態にある。供試体をコイル・電磁石からの磁場との相互作用によって浮揚支持させ、供試体の位置・姿勢角についての位置フィードバック制御を行う磁力支持装置において、供試体の位置・姿勢角の制御にはその位置・姿勢角についての情報のみならず、位置・姿勢角を変化させる磁気力を決める磁場が重要な要素になっている。当発明者等は、高速な流れに対しても制御能力を向上させるため、位置フィードバック制御に対して磁場フィードバック制御を追加することにより、速応性の向上に成果を挙げている(非特許文献3参照)。更に、磁場の検出速度を向上させて高速な流れに対する制御能力を向上させる目的で、ホール素子をフィードバック制御に利用する提案もなされている(非特許文献4参照)。
須田信一、澤田秀夫、国益徹也、「磁場フィードバック回路の追加による航技研磁力支持天秤装置の制御性能改善」、2002年11月26日、第45回自動制御連合講演会、計測自動制御学会、p.373−376 Chin E. Lin 他3名、"Improvement on Drag and Control Performance in NCKU Magnetic Suspension Wind Tunnel ", Proceedings of National Science Council, Republic of China, Part A: Physical Science and Engineering, Vol. 24, No. 5, 2000, (台湾)、pp. 330-340
図6は、磁力支持装置における制御装置の別の例を示すブロック線図である。図6に示す磁力支持装置において、供試体の位置及び姿勢角を制御する位置フィードバック制御は、図5に示すブロック線図で示したフィードバック制御と同様であるので、同じ機能を奏する計測・制御要素には同じ符号を付すことによって再度の説明を省略する。
図6に示す磁気支持装置におけるフィードバック制御のためのブロック線図は、位置・姿勢角についてのフィードバック制御に対して、磁場フィードバック制御を更に組み入れている点で異なっている。磁場フィードバック制御のために新たに追加される計測制御要素は、磁気センサとしてのホール素子12、プレフィルタ15、磁場制御器16及び17である。磁力支持装置内で発生した磁場はホール素子12により計測される。プレフィルタ15は、電流から磁場強さへの変換係数を含み、磁場制御器16の出力と同次元の量へ変換するとともに、これを増幅する制御要素である。PI制御器2から出力された制御電流は、プレフィルタ15により、磁場強さ或いは磁場強さの指標となる量へと変換された後、磁場制御器16からの出力と差が取られる。磁場制御器17は、上記差を増幅するとともに、磁場強さ或いは磁場強さの指標となる量からそれに相当する電流値へと変換する。変換後は、バイアス3からのバイアスBを加えてコイル駆動系5へと出力される。
コイル駆動系5が発生させる磁場を検出する磁気センサとして、ホール素子は、図4に示した磁力支持装置のコイルの配置図を援用すれば、コイル21〜30に配設される。ホール素子は、コイル21〜30のそれぞれにできるだけ近い場所に配置すること及び気流を乱さないことを理由として、測定部内側に突出しないように測定部壁の内部に埋設されている。ホール素子の埋設位置は、好ましくは、コイル断面の中心位置である。ただし空芯コイル21,30については、ホール素子は、コイル21においては図面に向かって右上、コイル30においては図面に向かって左下というように、測定部座標原点に対して対称となる位置に配設されている。また、風洞では気流速度を測定するためのピトー静圧管を設置している場合があり、このピトー管にもx軸方向の磁場を計測するためのホール素子が配設されている。
上記ホール素子を用いて全5軸の磁場を計測するためには、ホール素子の出力を適当に組み合せて各軸独立となる量を利用する必要がある。この実施例では、風洞の主気流方向であるx軸方向の磁気量hx、x軸方向と直交する横軸であるy軸方向の磁気量hy、x軸方向とy軸方向とにそれぞれ直交するz軸方向の磁気量hz、y軸回りのピッチ軸θ方向の磁気量hθ、及びz軸回りのヨー軸ψ方向の磁気量hψを、それぞれ次の式(11)の(a)〜(e)に示すように定義した。
Figure 0004265771
ここで右辺のhはホール素子の出力で、数字の添え字は4に示すコイル21〜30を0から9まで順番に番号を振り直したものである。
ホール素子出力から各軸方向の磁場の大きさを求めるに際して、従来は、式(11)によって求めていたが、より一般的には、式(12)で表される式の変換行列Aとオフセット行列Bとを求める方法がある。ホール素子の数を6個とするとき、変換行列Aは5×6の行列であり、オフセット行列Bは5×1のベクトルである。
Figure 0004265771
ここでの磁場は単位が任意であるため、電流と大きさを同じにすることで制御プログラムを簡単化することができる。即ち、式(12)において、磁気量hを式(13)に示すように電流値Iで置き換え、変換行列Aとオフセット行列Bとを最小二乗法によって求めることができる。
Figure 0004265771
例としてy軸方向の電流を変化させた際の式(11)における各磁気量の変化が、図7にグラフとして示されている。図7からは、y軸方向の制御電流の変化に対してhy のみが大きく変化しており、式(12)をy軸方向の磁場を表す量として利用できることがわかる。その他の軸についても軸同士の対応が取れていることが確認された。また、x軸方向の磁場を表す量として、式(11)のみならず、式(14)に示すように空芯コイル21、30に配設したホール素子の平均値が利用可能である。
Figure 0004265771
また、式(14)に代えて式(15)に示すように、ピトー静圧管に配設したホール素子からの出力も利用可能である。
Figure 0004265771
各制御要素について、上記のような役割に加え、それぞれがどのような周波数特性を持つべきかを検討する。実施例としてコイル駆動系5が一次遅れ要素と位相遅れ要素の積で表現される場合について述べる。ここでは簡単のため式(16)のような最も次数の低いものを使って説明する。
Figure 0004265771
ここで、コイル駆動系5の極、零点の大きさはa0 >b1 >a1 となると仮定する。つまり時定数が比較的小さく、それに若干の位相遅れが付加されている形である。コイル駆動系5は式(16)のような形であってもa0 が運動周波数に対して充分大きく、位相の遅れも充分小さければ実用上は問題が無い。そのためコイル駆動系5に対する改善点は、コイル駆動系5をフィードバック回路にしたときの時定数を小さくすること、かつb1 ,a1 の較差を小さくして位相の遅れ度合いを小さくすることの2点に絞られる。
例として、式(17)に示すように、磁場制御器が積分でありその他の要素は定数である場合を考える。
Figure 0004265771
式(17)に示す制御系の場合、コイル駆動系5の部分の閉ループ伝達関数は、式(18)に示すように1次/3次の伝達関数になる。
Figure 0004265771
この伝達関数は2次遅れのような振る舞いをするので、コイル駆動系5の動特性を変化させ、制御系の調整を複雑にする。そのため、磁場制御器17の伝達関数Km は分母と分子が同次の有理関数であることが望ましく、その候補として定数、位相進み、近似微分が挙げられる。その中で最も簡単な定数でさえも時定数を小さくし、かつ位相遅れの大きさを小さくすることが可能である。さらに閉ループ化したコイル駆動系のゲインはプレフィルタ15の伝達関数Fm で調整することが効果的であることもわかる。これは式(18)の中で、磁場制御器16の伝達関数Km のゲインは分母、分子の両方に現れるのに対して、プレフィルタ15の伝達関数Fm のゲインは分子のみに現れるからである。以上のことから、磁場フィードバック制御の制御要素は全て定数で充分で、ゲインの調整は主にプレフィルタ15で行うことが効果的であることがわかる。
アンペア単位の電流を入力とし、ボルト単位の磁場を出力とするコイル駆動系5のステップ応答を計測した結果、式(11)においては単位電流当たり、式(19)で示す出力をする。
Figure 0004265771
ここでdiagは各要素を対角要素にもつ対角行列を意味する。プレフィルタ15の伝達関数Fm 、磁場制御器16の伝達関数Km とも、これを基準に調整する。
磁場制御器17の伝達関数は、これらの逆数を取って式(20)となる。
Figure 0004265771
また、プレフィルタ15の伝達関数Fm は、式(19)の磁場変換行列17の行列Vm に定数ゲインを掛けた値になる。
数値シミュレーション及び浮揚試験前のプログラム動作確認時に制御電流の大きさからゲインを調整し、実際にはプレフィルタ15の伝達関数Fm 、磁場制御器16の伝達関数Km は次の式(21)や式(22)のように与えた。
Figure 0004265771
Figure 0004265771
また、磁場フィードバックの加え合わせ点における単位は、磁場強さではなく、磁場強さの指標となる量であるホール素子出力電圧であるため、実際には磁場変換行列(磁場制御器17に関連する)の行列Vm は対角要素が全て1の単位行列を用いた。
このとき、例として、y軸についてはコイル駆動系5は、開ループの場合の式(23)で表される伝達関数Mop(s)から、閉ループの場合の式(24)で表される伝達関数Mcl(s)のようになり、時定数が小さくなりかつ位相遅れ度合いが小さくなっていることが分かる。即ち、コイル駆動系5の位相遅れが改善されていることが判る。
Figure 0004265771
Figure 0004265771
また、これらの伝達関数の比較を図8に示す。
実際に試験を行い、従来の位置フィードバック制御のみを行う制御系と、磁場フィードバックをも行う制御系とのステップ応答での比較を取ってみたところ、y軸の整定時間は0.70秒から0.40秒へ大幅に短縮されたことが確認された。図9は、この試験結果の時間履歴を示した図である。
磁力支持天秤装置において、風洞模型には、常に、空気力が外乱として作用するため、速応性のみならず、外乱に対するロバスト性を考慮する必要がある。また、調整すべきパラメータの数は、磁場フィードバック制御系を含まない位置フィードバック制御だけの場合においても、PI制御の場合で比例ゲインkpと積分時間Tiで二つ(PID制御の場合には更に微分ゲインを含む三つ)、二重位相進み(np,Tp)で二つあり、これらのパラメータがロール軸を除く5軸について存在する。調整すべきパラメータが多いので、ボード線図などの古典的な手法では設計が複雑になり、パラメータ空間法では3つ以上のパラメータについては図的表現が難しく、制御定数の調整が非常に煩雑になると共に各軸の制御性能も統一しづらいという問題がある。また、位置フィードバック制御に磁場フィードバック制御を加える場合には、更に調整すべきパラメータが多くなり過ぎるという問題がある。また、磁場フィードバック制御系は定数ゲインのみで構成されているが、それ以外の制御器を用いた際の制御特性が明確にされていない。即ち、磁場フィードバック制御を含んだ制御では、パラメータ数は、PI制御と二重位相進み要素の他に更に、電流から磁場強さへの変換を行うプレフィルタの伝達関数及びホール素子が検出した磁場強さの入力を受けて磁場を制御する磁場制御器の伝達関数のパラメータも存在する。更に、調整した制御定数が最適かあるいはそれに近い定数になっているか否かは保証されていない。
そこで、風洞試験に用いる磁力支持天秤装置のような磁気支持装置における制御系の設計において、ロバスト制御の手法を利用して、多数に上る制御定数の調整の容易化を図る点で解決すべき課題がある。
本発明の目的は、風洞模型を磁力で支持する磁力支持天秤装置のような、少なくとも位置・姿勢角についてのフィードバック制御を行う制御系を備える磁力支持装置において、多数の複雑で且つ最適か否か保証するのが困難な制御定数を持つ制御系の設計を行う際に、ロバスト制御の手法を利用して混合感度問題を設定し、制御定数を合理的に決定することができる磁力支持装置における制御定数決定方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明による磁力支持装置における制御定数決定方法は、金属及び磁石を有する供試体の位置・姿勢角を検出する位置センサ、前記供試体に磁気力を作用させるための1つ又は複数個のコイル・電磁石、及び前記位置センサにより検出された前記供試体の位置・姿勢角に基づいて前記供試体の位置・姿勢角についてのフィードバック制御をするため前記コイル・電磁石に印加する電流を演算・出力する制御装置を有し、前記供試体を前記磁気力により空中の任意の位置・姿勢角に保持する磁力支持装置において、外乱入力から前記位置・姿勢角の出力までの伝達関数に関連して定められる感度関数と、前記外乱入力から前記コイル・電磁石に印加される前記電流の出力までの伝達関数に関連して定められる相補感度関数とに基づいて、前記伝達関数が有する制御定数を、ロバスト制御で定義されるH∞ノルムを最小化する値に定めることから成っている。
この磁力支持装置における制御定数決定方法によれば、供試体の位置・姿勢角についてのフィードバック制御をするための制御装置において、外乱入力から位置・姿勢角の出力までの伝達関数に関連して感度関数が定められ、外乱入力からコイル・電磁石に印加される電流の出力までの伝達関数に関連して相補感度関数が定められる。そのようにして定められた感度関数と相補感度関数とに基づいて、伝達関数が有する制御定数は、ロバスト制御で定義されるH∞ノルムを最小化する値として決定される。ロバスト制御は、動特性モデルの同定が不確実である場合やランダムな外乱がある場合に、それらの変動に対して強い特性を示す制御形態である。本発明では、磁力支持装置がパラメータ変動や外乱に曝され易い状態にあることに着目して、その制御装置に用いられるフィードバック制御系にロバスト制御を適用して、フィードバック制御系から定まる感度関数と相補感度関数とに基づいて、フィードバック制御系を構成する制御要素に含まれる多数の制御定数を合理的に定めることができる。
この磁力支持装置における制御定数決定方法において、前記感度関数の最大値を抑えると共に高周波数側にシフトさせる整形を施す重み関数と、前記相補感度関数を高周波数側にシフトさせる整形を施す重み関数をそれぞれ定め、前記各重み関数によって整形された前記感度関数と前記相補感度関数とに対して前記H∞ノルムを定めることができる。感度関数については、重み関数を用いて、最大値を抑え且つ全体に高周波数側にシフトさせる整形を施すことで、従来よりも高い周波数領域の外乱に対して模型の振動を抑えることが可能になる。また、相補感度関数については、感度関数の整形に応じて、全体に高周波数側にシフトさせる整形を施すことにより、制御電流に高周波成分が必要となることに対応する。
この磁力支持装置における制御定数決定方法において、前記制御装置は、前記コイル・電磁石により形成される磁場を検出する磁気センサと前記磁気センサが検出した前記磁場に基づいて前記コイル・電磁石を制御する磁場制御器とを備え、前記供試体の前記位置・姿勢角についてのフィードバック制御と同時に、前記磁気センサが検出した前記磁場に基づいて前記磁場についてのフィードバック制御を行っており、前記磁場についてのフィードバック制御を行うときの前記感度関数及び前記相補感度関数は、前記位置・姿勢角についてのフィードバック制御のみを行うときの前記磁場の伝達関数を前記磁場についてのフィードバック制御系全体の伝達関数に置換することで定めることができる。制御装置が磁場についてフィードバック制御を行う場合、磁場についてのフィードバック制御は、位置・姿勢角についてのフィードバック制御の内部で行われるので、位置・姿勢角についてのフィードバック制御のみを行うときの磁場の伝達関数は、磁場についてのフィードバック制御系全体の伝達関数に対応している。したがって、対応関係にある伝達関数を置換することで、磁場についてのフィードバック制御を行う磁力支持装置において、感度関数及び相補感度関数を容易に定めることができる。
本発明によるにおける制御定数決定方法によれば、風洞模型を磁力で支持する磁力支持天秤装置のような、少なくとも位置・姿勢角についてのフィードバック制御を行う制御系を備える磁力支持装置において、ロバスト制御の手法を利用して混合感度問題を設定し、H∞ノルムを最小化する値として制御要素の制御定数を定めているので、多数の複雑で且つ最適か否か保証するのが困難な制御定数を持つ制御系の設計を行う際の制御定数を合理的に決定することができる。また、ロバスト制御の手法を利用しているので、決定した制御定数は、最適か、またはそれに十分近いことが保証される。
次に、磁力支持装置において本発明によるロバスト制御の手法を利用した制御定数の決定方法について、実施例を挙げて説明する。図5に示す位置フィードバック制御のみからなる制御系においては、システムの感度関数S(s)と相補感度関数T(s)とをそれぞれ式(25)及び式(26)に示すように定義する。
Figure 0004265771
Figure 0004265771
感度関数S(s)は、外乱入力から位置出力までの伝達関数に関連した関数である。また、相補感度関数は、外乱入力から制御電流出力までの伝達関数に関連する関数である。図6に示すような位置フィードバック制御に加えて磁場フィードバック制御をも行う制御系においては、式(25)及び式(26)の中で、磁場の伝達関数Gc(s)が式(27)で示す伝達関数G’c(s)に置き換えられる。
Figure 0004265771
図1及び図2は、感度関数と相補感度関数の一例を示す周波数応答線図である。横軸に周波数が採られ、縦軸に大きさ(ゲイン)が採られている。図中の点線で示すグラフが磁場フィードバック制御を含まない図5に示すような制御のシステム場合を示す。また、実線で示すグラフは図5に示すような磁場フィードバック制御を含む制御系の場合を示している。また、太線は、整形用のが重み関数Ws(s),Wt(s)を示している。図1に示す感度関数S(s)によれば、種々の周波数を持つ外乱に対して、模型には約数十Hzの振動が大きく現れることを示している。そこで、感度関数S(s)に対して、最大値を抑え、且つ全体を高周波数側へシフトさせることによって、従来の制御系よりも、より高い周波数の領域を含む範囲の周波数を持つ外乱に対して、模型の振動を抑えることが可能となる。これに対応して、制御電流もより一層高い周波数成分が必要となるため、相補感度関数T(s)を全体的に高周波数側へシフトさせることが必要となる。
重み関数Ws(s),Wt(s)は、感度関数S(s)と相補感度関数T(s)とを最大値を抑え、全体を高周波数側へシフトさせるという整形するための関数であり、それぞれ式(28)及び式(29)に示す形に設定する。
Figure 0004265771
Figure 0004265771
この発明による制御定数の決定方法によれば、ロバスト制御理論から、ベクトルP(s)を式(30)に示すように定義するとき、その絶対値を最小化するように各制御要素に現れる制御定数を決定する。
Figure 0004265771
ここで、絶対値‖P(s)‖∞は、ロバスト制御では、H∞ノルムと称される量であり、P(s)が1次元の場合には、そのゲインの最大値となり、多次元の場合には、最大特異値となる。ロバスト制御の理論から、‖P(s)‖∞が小さければその制御系は良い制御性Wを備えているということが言える。
数回の試行の結果、図5に示すような位置フィードバック制御のみを備えた制御系の場合には、PI制御器2の伝達関数K(s)、二重位相進み器11の伝達関数Hp(s)は、それぞれ式(31)、式(32)に示すものに決定された。
Figure 0004265771
Figure 0004265771
また、図6に示すような、位置フィードバック制御のみならず磁場フィードバック制御をも備えた制御系の場合には、PI制御器2の伝達関数K(s)、二重位相進み器11の伝達関数Hp(s)、並びに、磁場フィードバック制御系の磁場制御器16,17の伝達関数Km(s)及びHm(s)は、それぞれ式(33)、式(34)、式(35)及び式(36)に示すものに決定された。
Figure 0004265771
Figure 0004265771
Figure 0004265771
Figure 0004265771
ここで、重み関数Ws(s),Wt(s)は、両方の制御系に対して式(37)、式(38)に示すような共通した形に設定された。
Figure 0004265771
Figure 0004265771
図3には、模型位置の時間変化を示す数値シミュレーションの結果が示されている。図3に示すように、従来の位置フィードバック制御のみの制御系と、磁場フィードバック制御も行う制御系とでは、外乱に対しての揺動には大きな差は見受けられなかったが、その大きさは非常に小さく抑えることが期待できる。
このように、種々の周波数を含む外乱を受けやすい磁気支持装置において、ロバスト制御の手法を適用することで、制御素子の制御定数を最適な又はそれに近い状態に容易に且つ効率的に自動調整・決定をすることができる。本決定方法は、制御定数の個数が多数ある場合に、非常に効率的である。また、模型の支持軸は5軸(又は6軸)存在するが、全ての軸について、制御性能を統一化しやすい。更に、与えられた制御性能要求(重み関数)に対して最適な制御定数を求めることができる。
この発明による磁気支持装置における制御定数決定方法で用いられる感度関数の一例を示す線図である。 この発明による磁気支持装置における制御定数決定方法で用いられる相補感度関数の一例を示す線図である。 位置フィードバック制御のみの制御系と磁場フィードバック制御も行う制御系とにおける模型位置の時間変化を示す数値シミュレーションの結果を示すグラフである。 磁力支持型風洞と磁力支持装置、及び磁力支持装置に用いられる計測系と制御系の概要を示す斜視図である。 位置フィードバック制御のみを行う磁気支持装置の制御ブロックの一例を示す図である。 位置フィードバック制御と磁場フィードバック制御とを行う磁気支持装置の制御装置の一例を示すブロック線図である。 y軸方向の電流を変化させた際の各磁気量の変化を示すグラフである。 磁気支持装置のコイル駆動系のy軸について、開ループ及び閉ループの場合の伝達関数の比較を示す図である。 位置フィードバック制御のみを行う制御系と、磁場フィードバックをも行う制御系とのステップ応答を示すグラフである。
符号の説明
1 目標値設定器 2 PI制御器(伝達関数K)
3 バイアス付与器 4 D/A変換器
5 コイル駆動系
7 風洞模型 8 ノイズ源
9 光学センサ(遅延時間L) 10 ノイズカットフィルタ(伝達関数Hn) 11 二重位相進み器(伝達関数Hp) 12 ホール素子(磁気センサ)
13 計算機 14 電源アンプ
15 プレフィルタ(伝達関数Fm ) 16 磁場制御器(伝達関数Km
17 磁場制御器(伝達関数Hm
20 磁力支持装置 21,30 空芯コイル
22〜29 コイル
x,y,z 右手系を構成する座標軸
φ ロール角 θ ピッチ角 ψ ヨー角
Y 位置・姿勢角 R 目標値 E 偏差
B バイアス D 外乱 U 指令信号
N センサノイズ
Mg 磁場の伝達関数
hx hy hz hθ hψ 磁気量
Mop コイル駆動系5が開ループの場合の伝達関数
Mcl コイル駆動系5が閉ループの場合の伝達関数
S(s) 感度関数 T(s) 相補感度関数
Ws(s),Wt(s) 重み関数

Claims (1)

  1. 金属及び磁石を有する供試体の位置・姿勢角を検出する位置センサ、前記供試体に磁気力を作用させるための1つ又は複数個のコイル・電磁石、前記コイル・電磁石により形成される磁場を検出する磁気センサ、前記位置センサにより検出された前記供試体の位置・姿勢角に基づいて前記供試体の位置・姿勢角についてのフィードバック制御をするため前記コイル・電磁石に印加する電流を演算・出力するPI制御器、前記磁気センサにより検出された「磁場」に基づいて「磁気フィードバック制御」をするため前記PI制御器が出力する「電流」を「磁場フィードバック制御」に係る「磁場」に変換するプレフィルタ、同様に前記磁気センサからの検出信号を「磁場」に変換する第1磁場制御器、同様に前記プレフィルタが出力する「磁場」と前記第1磁場制御器が出力する「磁場」との差分を「電流」に変換し前記コイル・電磁石に印加する第2磁場制御器各々有し、前記供試体を前記磁気力により空中の任意の位置・姿勢角に保持するように前記位置・姿勢角フィードバック制御に前記磁場フィードバック制御を加えた磁力支持装置において、
    前記磁場入力に対する前記供試体の位置・姿勢角出力の伝達関数をGm(s)と、前記コイルのダイナミックスをGc(s)と、前記位置・姿勢角フィードバック制御に係るPI制御器の伝達関数をK(s)と、同制御に係る二重位相進み器の伝達関数をH(s)とし、
    外乱入力から前記位置・姿勢角の出力までの伝達関数に関連して定められる感度関数S(s)を
    Figure 0004265771
    と、前記外乱入力から前記コイル・電磁石に印加される前記電流の出力までの伝達関数に関連して定められる相補感度関数T(s)を
    Figure 0004265771
    と定義する時(ただし、前記位置・姿勢角フィードバック制御に加えて磁場フィードバック制御をも行う場合は、前記伝達関数Gc(s)は、前記第1及び第2磁場制御器の伝達関数Hm(s),Km(s)及び該磁場制御器の前段に設けられた前記プレフィルタの伝達関数Fm(s)を用いて下記伝達関数G'c(s)に置き換えられる:
    Figure 0004265771
    )、前記感度関数S(s)の最大値を抑えると共に高周波数側にシフトさせる整形を施す重み関数Ws(s)と、前記相補感度関数T(s)を高周波数側にシフトさせる整形を施す重み関数Wt(s)をそれぞれ定め、
    Figure 0004265771
    で定義されるH∞ノルム‖P(s)‖が最小化するように、
    前記各伝達関数が有する各制御定数を定めることから成る磁力支持装置における制御定数決定方法。
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