JP4264492B2 - イメージをデコードする装置 - Google Patents
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Description
本発明の1つの目的は、ベクトル量子化によってコードブックを効率的に生成し、イメージの空間的、時間的冗長性を低減する装置と方法及び圧縮システムの帯域幅を節約するためのイメージの関連処理を提供することである。
本発明はベクトル量子化の改良した方法に関する。以下の説明において、説明の目的で、本発明の完全な理解を与えるために、特定タイプのデータ、アプリケーション、データ構造、ポインタ、インデックス及びフォーマットが述べられている。しかし当業者には、本発明がこれらの詳細事項なしに実行できることは明白であろう。また、本発明を不必要にあいまいにしないため、既知の構造やデータはブロック図の形で示されている。
CODECから出力されるデータ・レートは、プリ・プロセッサ320を通してベクトル量子化処理に至る情報量を制御する。これは全体的及び局所的の2つのレベルで行われる。空間的解像度に対する全体的変化は、イメージの帯域幅を変える低域入力フィルタを入力イメージに対して適用することによって行われる。このフィルタの通過帯域幅は必要なデータ・レートにおける誤差で変わる。誤差が少なくなるにつれて、入力フィルタの帯域幅は増加し、CODECにより多くの情報が到着できるようにする。逆に所望のデータ・レートでの誤差が増加すると、入力フィルタの帯域幅が減少し、CODECに到達する情報を制限する。時間的解像度に対する全体的変化は、現在と前のフレームの間の差を判定することによって行われる。もし変化が閾値以下なら、現在のフレームはスキップされる。閾値はデータ・レート誤差から決定される。時間的帯域幅が減少する別の全体的メカニズムは2つのフレームの間の誤差の定義を拡張することによって、誤差計算の前にフレームの変形を可能にすることである。このような変形はパン(pan)やズームの補償を含むが、それらに限定されるものではない。
望ましい実施例において、イメージ・ベクトルをコード化するか「無変化」ブロックのタグを送るかを決めるために一連の決定が行われる。「無変化」ブロックの場合、そのイメージ・ブロックに関してインデックスは送られる必要がないので、圧縮は殆ど常に向上する。コードブックを作成し、そのインデックスを見つけるイメージ・ベクトルが少ないので、コード化速度は向上する。前のフレームからのデコードされたブロックの上にスクリーン上で新しいブロックを配置しなくて良いため、デコード時間も向上する。従って、コードブックのエレメントを参照するインデックスを送る代わりに、プリ・プロセッサ320によって無変化タグが送られ、同一位置で、前のフレームのブロックからそのブロックが実質的に変わっていないことを示してベクトル量子化装置330を素通りする。これは図4を参照して示され、論じられる。処理400はステップ401で始まり、ステップ402でフレームNの次のブロックを取り出す。ステップ403でフレームNのこのイメージ・ブロックは次にプリ・プロセッサ320によって、デコードされたフレームN−1からの同一位置のイメージ・ブロックと比較される(デコードされたフレームN−1はエンコーダのビット・ストリームの出力から抽出されデコードされる。)。もしステップ404で検出されるように、2つのブロック間の誤差が閾値μより大きいと、ステップ406でそのブロックは変更されずにベクトル量子化装置330にコード化のために渡される。それ以外の場合、そのブロックはVQ330に対して「無変化」のタグが付けられ、ステップ405に示すようにベクトル量子化は行われない。別の実施例では、無変化ブロックは前のフレームのブロックのうち、どれがサーチ領域内で良好な一致がとれたかを示す画素オフセットを持つことができることに留意されたい。
望ましい実施例においてプリ・プロセッサ320によって行われる別の技術は空間的サブ・サンプリングである。サブ・サンプリングはベクトル量子化装置330によってコード化される情報量を低減するのに用いられる。これによっていくらかの空間的画質の犠牲で高速のコード化と高度の圧縮が得られる。主なチャレンジは高画質、高圧縮を維持することである。望ましい実施例で取り得る2つのアプローチがあり、それぞれ異なった利点がある。第1のアプローチでは、イメージは「スムーズ」と「ディテイル」の領域に分けられ、「スムーズ」のブロックはデータ・レートの要求に従ってサブ・サンプリングされる。例えば、「スムーズ」領域は元のブロックと対応するサブ・サンプリング及びアップ・サンプリング(upsampling)されたブロックの間で平均2乗誤差を比較することによって決まる。これはサブ・サンプリングされた「スムーズ」領域は、通常最小の産物すなわち誤差を生成するので有利である。このアプローチに対する別の利点は、2つの別々のコードブックがサブ・サンプリングされた2×2C(「変化」)ブロックに関して生成され、各コードブックが数フレームに亘って共有されるときに発生する。「円滑性(smoothness)」に完全に依存するサブ・サンプリングによって、2つのコードブックは「スムーズ」及び「ディテイル」の領域を多くのフレームに亘って表すことができる。これは「スムーズ」領域のイメージ・ベクトルは通常多くのフレーム間で類似しており、また同じことが「ディテイル」領域についても云えるためである。ゾーン(zone)が用いられる第2のアプローチでは、イメージ内のブロックの位置もサブ・サンプリングの決定に影響を与える。第2のアプローチの利点はイメージのどの領域がポスト・フィルタに行くのかをデコーダに対して効率的に通信する(ビットに関して)能力を有することであり、サブ・サンプリングのブロックを集めることによって、より効率的ブロック・ヘッダのコード化の能力を有することである。
a3の代わりに送られる。平均γはブロッキネス(blockiness)を低減するのに役立つ。従って図5を参照して示されるように、値γは、ブロック530の元の4つの画素値a0−a3の代わりに送られる。次に2乗誤差εは加重係数κによってスケーリングされ、人間のシステム輝度に対する感度に近似される(MSEの代わりにSNRをおおよその近似として用いることもできる)。従って、サブ・サンプリング誤差が同じであると仮定して高輝度の領域は容易にサブサンプリングすることができる。4つのスケーリングされた誤差は加算されて560のような各2×2ブロックに関連する誤差を生成する。
サブ・サンプリングのための候補として4×4ブロック500を順位づけるため、4×4 500の角に配置された4つの2×2ブロックからのサブ・サンプリング誤差εのそれぞれが加算される。レート制御が、所望のフレーム・サイズに合うように十分なブロックがサブ・サンプリングされたことを判定するまで、ブロックは最小の誤差ブロックから最大の誤差ブロックに向けてサブ・サンプリングのために選択される。別の実施例では、イメージの端がサブ・サンプリングされるのを防止するため、当業者には既知の端検出方法によってイメージの端が抽出される。サブ・サンプリングの決定をサブ・サンプリング誤差に依存することは、サブ・サンプリング及び端を越えるアップ・サンプリングが最大誤差を生ずる傾向があるため、多くの端を保護する傾向がある。しかし、端検出で見つかった端をはっきり保護することは、ある場合には有用である。
edge_msen=edge_mse(n−1)+x*long_term_error
別の実施例ではedge_mseは重み付けることができ、当業者に既知の端検出方法で抽出されたイメージの端は、サブ・サンプリングから保護される。
空間的冗長度も、別の実施例における「方向性」フィルタリングを行うことによって端とディテール(detail)の最少の損傷で低減することができる。この処理は、画素を囲む領域に対して水平、垂直、上向き対角線、下向き対角線のフィルタを実行し、最小誤差を生成するフィルタを選択する。もしフィルタの長さが3タップ(tap) 、(フィルタ係数)であれば、図5aの画素6のフィルタをかけた値を計算することは、画素6に関するフィルタをかけた値を生成するため、画素5、6及び7に対して水平フィルタを適用し、画素2、6及び10に対して垂直フィルタを適用し、画素1、6及び11に対して下向き対角線フィルタを適用し、画素9、6及び3に対して上向き対角線フィルタを適用することを意味する。例えば、「水平フィルタ」を実行するために値はfhであらわされ、fhは次のように計算される。
fh=a1・画素5+a2・画素6+a3・画素7
ここで、a1、a2及びa3は重み係数であり、それぞれ0.25、0.5及び0.25であり、3×3ブロックの中央画素に多くの重みが与えられ、結果のfhは計算的に安価なシフト演算で計算される。これらのフィルタは3次元空間に適用でき、追加の次元は、別の実施例では、時間であることに留意されたい。
・最小誤差を生成した最小誤差フィルタの方向と直交する方向
・最大誤差のフィルタは特にそれ自身と直交する方向と比較したとき、他の3方向よりも格別に大きな誤差を有する。フィルタをかけた領域が互いに他と非常に近い方向性誤差を有する場合、その領域は「無方向」である。「無方向」のブロックの領域は、再びその領域に対してフィルタをかけることができる。最小誤差のフィルタは、画素の周囲の特徴に従ってどの画素に対してもその特性を変えるので、非常に順応性がある。
望ましい実施例はまた、コードブックの生成とベクトル量子化装置330に関してベクトルの輝度とクロミナンス値(YUV)を用いて速度や画質を向上させる。YUV値は、ベクトルにおける画素の赤、緑、青(RGB)値からその再構築が計算的に安価な単純な変換を通して計算できる。例えば乗算の代わりにビット・シフトで実現できる次の変換である。
ベクトル量子化(VQ)はブロック又はデータのベクトルを表すのに効率的方法である。一連のデータ、画素、オーディオ・サンプル又はセンサー・データはしばしば各データを独立して取り扱うことによって量子化される。これをスカラー量子化という。一方、VQはデータのブロック又はベクトルを量子化する。主なVQの問題は、データ・セットの許容し得る近似であり、コードブックと呼ばれる代表的ベクトルのセットを見つける必要があることである。許容性は通常元のデータ・セットと再生されたデータ・セットの間の平均2乗誤差を用いて測定される。コードブック生成の一般的技術はLinde,Y、BuSO,A及びGray,Rによる「An Algorithm for Vector Quantizer Design(ベクトル量子化装置設計のアルゴリズム)」COM−28IEEE Transactions on Communications1(1980年1月)(LGBアルゴリズムとして知られている)に記載されている。コードブックを生成するためにLGBアルゴリズムを採用した技術は、コードブックの初期予測を生成するためイメージからの入力ベクトルをサンプリングすることで始まる。次に各入力ベクトルはコードブックの項目と比較され、最も近いコードブックの項目と関連させられる。コードブックの項目は各コードブックの項目と関連する平均ベクトルを計算し、現在の項目を平均ベクトルで置き換えることによって繰り返し更新される。次にコードブックが前回より大幅に向上したかどうかの判定が行われ、もし向上していなければ、入力ベクトルをコードブックの項目と比較し、再関連させる等によって処理をくり返す。このコードブックの生成は大きなイメージ・シーケンスすなわちトレーニング・セットに対して行われるか、又はコードブックは各フレームに対して再生される。更に、この技術は効率向上のため、特定の従来技術のベクトル量子化システムに用いられるバイナリ・ツリーに適用できる。
typedef struct model{
unsigned long *centroid: // このノードに関するセントロイドに対するポインタ
unsigned long *vert_index_list: // このノードに関するベクトル・インデックスのリストに対するポインタ
unsigned long *num_vect: // このノードに関するベクトル数
unsigned long distortion: // このノードに関する合計歪
unsigned long avg_dist: // このノードに関する平均歪
unsigned long peak_dist: // このノードに関するピーク歪
unsigned long percent_dist: // このノードに関する歪のパーセンテージ
unsigned long num_children: // 子供の数
unsigned long ic_method: // このノードの初期化方法
struct mode **children: // このノードの子供ノードに関する構造のリストに対するポインタ
struct mode *parent: // このノードの親に対するポインタ
unsigned char terminal: // これがターミナル・ノードかどうかを示すフラグ
unsigned long *childrencptrs: // 次に対するポインタのアレイに対するポインタ
// 子供のセントロイド(歪計算を単純化し高速化するために用いられる)
}
600のようなツリーVQを構成するノードは、それぞれが上で定義したようなデータを有し、色々な歪尺度、ビンニングされたベクトル数、子供の数などのノードに関する特定の情報を維持する。この情報は上で論じたツリーの生成に役立つ。
1.もし完全なツリーが更新されることになれば、ゆるい収束基準が初期のN個のノードに適用される。完全なツリーは場面の変更が起こったか又はイメージが前のイメージから著しく変わった場合に更新される必要がある。
2.もし前のツリーからのルート・ノードが現在のツリー構築に用いられるとすれば、そのルート・ノードには繰り返しは行われない。ルート・ノードは類似のイメージ・シーケンスがコード化され、場面変化が検出されない場合再使用できる。従って610のようなN個の初期ノードは、前のフレームのVQから再使用できる。
1.特定のノードに関する合計歪。
2.特定のノードに関する平均歪。
3.特定のノードに関する個体数。
4.特定のノードに関する歪のパーセンテージ。
5.特定のノードに関する最大歪。
6.特定のノードに関する最大歪と最小歪の比。
ノードに関する合計歪は望ましい実施例で用いられる。しかし、別の実施例のツリー生成の最終段階では、もし個体数を尺度として用いれば良好な画質の結果が達成できる。もし平均2乗誤差が歪尺度として用いられれば、歪の合計は平均2乗誤差の合計である。他の歪尺度又はそれらの組み合わせの使用は、他の実施例で用いることができ、それぞれは、イメージの内容や所望の画質に応じて特定の利点を有する。
1.そのノードに関するベクトルのリストをサブ・サンプリングすることによって初期ノードのK個の候補を生成する。
2.これらの初期ノードを用いてベクトル・リストをクラスタリングする。
3.もしクラスタリングが失敗すれば(すなわち、全てのベクトルが1つのノードに集中する)、このノードをこの方法でクラスタリングするのに失敗したとして識別する。
4.このノードを分割する次の試行が行われるとき、ノード・セントロイドに対する異なった初期予測を用いる。この予測を生成するテクニックには次のものが含まれるが、これに限定されない。
a.親ノードのセントロイドを乱れさす。
b.ノード・ベクトル・リストの中の最も歪んだベクトルを初期セントロイドとして捕らえる。
5.これらの初期ノードを用いてクラスタリングの試行が更に行われる。もし全ての方法がベクトル・リスト中で分割を生成するのに失敗すると、そのノードはターミナル・ノードとしてタグが付けられ、更に分割の試行が行われることはない。
固定コードブックと適合性コードブックの組み合わせも別の実施例では可能であるが、望ましい実施例では各イメージはそのイメージの特性に適合したコードブックに関連しており、訓練された普遍的コードブックではない。別の実施例では、各イメージは正確に1個のコードブックまたはある固定サイズのコードブックを有するように限定される必要はない。別の実施例は可変サイズであり、複数のフレーム又は一連のフレームの間で共用でき、イメージをコード化する複数のコードブックを使用することを含む。これら全ての別の実施例において、利点は画質の損失を最小にして圧縮度を増大できることである。
可変サイズのコードブックに関して、ツリー内のノードはある基準に達するまで分割され、これは指定した数のターミナル・ノードが存在する以前に起こる。1実施例ではコードブック・ベクトルの数は前のフレームから変化するブロックの数と共に増加する。言い換えれば、無変化ブロックの数が多ければ多いほどコードブックは小さい。この実施例では、コードブックのサイズは明らかに絵のサイズに関係する。望ましい実施例で用いられる確固とした基準はフレームの平均2乗誤差(無変化ブロックは含まない)の維持に依存する。もし256個でなく128個の2×2コードブック・ベクトルが用いられれば、正味節約はそのフレームで768バイトである。この節約は、各2×2ブロックが輝度情報に関して画素毎に1バイトを含み、UとVのクロミナンス情報(YUV4:1:1の場合)に対しては2×2ブロック毎に1バイトであるので達成される。コードブック・ベクトルの数を256から128に減らすことによって128・6=768バイトの合計節約を生ずる。128のコードブック・ベクトルがMSEについて適切な画質を与えるイメージに関して、節約された768バイトはサブ・サンプリングされるブロックの数を低減するのに用いられ、従って見る人に対して画質を向上させる。
望ましい実施例によって与えられる別の特徴は、共用コードブックの使用である。1つのコードブックを1つ又は多くのフレームに共用させることは、コードブックのオーバーヘッドを低減するために類似の内容を有するフレームを利用できる。共用コードブックの使用は、無変化のブロックを用いて効率的にコード化できない時間的相関関係を利用する。このような場合の例はパン(pan)されたシーケンスである。もし2つのフレームが1つの256エレメントのコードブックを共用するとすれば、節約は各フレームに128エレメントのコードブックを別々に使用させるのと等しい。しかし、もしフレームが完全に異なっていなければ画質は向上する。明らかに、別々に128エレメントのコードブックを用いる場合は、8ビットでなく7ビットのインデックスを用いることができるが、バイトの不整合によってビット・ストリームのパック/アンパックが扱いにくくなる。コードブックのオーバーヘッドの低減だけが共用コードブックの利点ではない。例えば、同一のコードブックを用いてイメージ間の時間的相関を増加することによって、時間的フリッカを低減できる。全く新しいコードブックがビット・ストリームからアンパックされなくても良く、また各フレームに関してRGBに逆変換されなくても良いので、デコード速度の利益もある。
別の実施例では、別々のコードブックを各ブロック・タイプに対して生成することによって、又はそのイメージの異なった領域に対して別々のコードブックを生成することによって、複数のコードブックを1つのイメージと関連づけることができる。前者は、圧縮の損失を最小(コードブックが共用の場合損失なし)にして画質を向上するのに効果的であり、後者は画質の損失を最小にして圧縮比を増大させるのに非常に効果的である。
レート制御345は圧縮された素材が限定された帯域幅チャネルでデコードされると考えられるとき、改良ビデオ圧縮システムの重要なエレメントである。同期体系又はネットワーク又は電話線においてNフレーム/秒を維持するため、デコーダ351は1/N秒間に限定された帯域幅チャネルから1フレームのデータを読み、情報をデコードし、イメージをスクリーン上に表示しなければならない。レート制御345は最大フレーム・サイズを、ある数(アプリケーションによって異なる)以下に維持し、限定された帯域幅チャネルからデータを読むのに要する時間を短縮しようとする。これは2つのステップで行われる。すなわち、(1)データ・レートの観点から望ましいデータ・レートは何かを決定する。(2)画質の要件(ユーザによって定義されるか又はその他の方法で定義される)と共にこの望ましいフレーム・サイズを用いてコード化処理のパラメータを制御する。
desired_frame_length=target_frame_length+frame_error
許容されるオーバーシュート又はアンダーシュートであるframe_errorはIIR(無限インパルス応答)フィルタとして帰納的に平均されることに留意されたい。これはまた、FIR(有限インパルス応答)フィルタとして別の実施例で実施できる。αの値は、どれ位速く現在のフレーム誤差(target_frame_length-avg_frame_length)が長期フレーム誤差に応答させるかに影響する。現在の誤差はtarget_frame_lengthといくつかのフレーム(例えば1秒分)の平均フレーム長(avg frame length)として定義される。このレート制御体系は、望ましいデータ・レートを超えない過去1秒の平均データ・レートを維持する。フレーム・サイズのばらつきはフレーム単位で起こるが、これらのばらつきは平均効果で低下する。これらの関係は次のように決まる。
(long_term_error)n=(1-β)(long_term_error)n−1+
β(target_frame_length)-(avg_frame_length)n
従って、long_term_error(長期誤差)に対する計算とフレーム誤差に対する計算の差異はαとβの差である。効果的であると決められた値は、α=0.20でβ=0.02で、これらは望ましい実施例で用いられる。当業者は他のα、βの加重値が使えることが分かるであろう。
イメージが改良された処理330によって、ベクトル量子化を通してコードブックに対するインデックスと関連づけられた後、ビット・ストリームは従来技術より効果的にパックされ、将来の変化と両立する柔軟性を可能にし、余分なコード化オーバーヘッドを生成することなしに、イメージをデコードするのに必要な情報を通信する。インデックスは、それぞれコードブックに対するインデックス又はコードブックのベース・インデックスからのオフセットとして伝送される。前者の場合、256項目のコードブックのどのベクトルが最も良くマッチするかを示すのに、イメージ・ベクトル当たり8ビットを必要とする。後者の場合、インデックス間の差は一般に256よりも大幅に小さいので、インデックス間に多くの相関があればより少ないビットでよい。イメージのある部分は互いに大きく離れたインデックスを有し、他の部分は強く相関するインデックスを有するので、通常2つの組み合わせが必要である。
もしイメージ・ブロックがコードブック内で近接しており、類似のRGBカラー空間にあれば、ビット・ストリームに単にリストするのでなく、インデックスをコード化するとき、ベース・アドレスを用いるのが有利である。コードブック・ベクトルは「最悪」誤差のノードを分割して生成されるので、類似のイメージ・ベクトルがコードブック内に近く集まる傾向がある。似たイメージ・ブロックがイメージ空間で発生する傾向があるので(すなわちブロック間で空間的相関がある)、互いに近いインデックス値が一緒に発生する傾向がある。コードブック・インデックスの割り当てもまた、空間でのインデックスの差が最小となる方法で行うことができる。どのようにこれを用いてロスなしにビット数を減らすかの例が図15及び16に示され、説明されている。このパッキング処理は、図3のエンコーダ301の340で行われ、アンパックはデコーダ351の処理370で行われる。
105:コードブック、131、351:デコーダ、132:圧縮解除されたイメージ、
151:イメージのトレーニング・セット、152:コードブック生成器、
200:イメージ、201、202:ベクトル、300:CODEC、
320:プリ・プロセッサ、330:ベクトル量子化装置、
340:パック/コード化装置、345:レート制御、360:コードブック再生器、
370:アンパッカー、375:ポスト・フィルタ、380:ディザリング、
390:ディスプレイ、
600:VQツリー、610:子供ノード、900、910、920、930:ツリー、
1000:シーケンス、1402、1421:インデックス、
1500、1600:ビット・ストリーム
Claims (5)
- コードブックを作成するベクトル量子化処理ならびにこのベクトル量子化処理に先行する空間的サブ・サンプリング処理に従ってコード化されたイメージをデコードする装置であって、
a. 下記のi.とii.の手段を含み、ベクトル量子化処理によって作成された前のコードブックから現在のコードブックを作成する手段と、
i. イメージをコード化するときに作成され、かつ受け取ったビット・ストリームの、前のコードブックで更新されるべき第1のコードブック項目に対する参照を検出する手段
ii. 受け取ったビット・ストリームの、受け取ったコードブック項目から上記前のコードブックの上記第1のコードブック項目を更新し、上記前のコードブックを現在のコードブックに変換する手段
b. 受け取ったビット・ストリームのコードブック・インデックスであって、ベクトル量子化処理に従ってイメージをコード化する現在のコードブックの項目を参照するコードブック・インデックスを受け取る手段と、
c. 上記コードブック・インデックスを受け取る手段によって受け取られた上記コードブック・インデックスに基づいて、上記現在のコードブックから項目を検索する手段と、
d. イメージをコード化すると共に、上記コードブック・インデックスが、ベクトル量子化処理の前にサブ・サンプリングされたイメージのイメージ・ブロックのベクトルを参照しているかどうか判定する手段と、
e. 上記判定する手段によって、サブ・サンプリングされると判定された上記ベクトルに対する上記検索されたコードブック項目を、即ち、そのベクトルをアップ・サンプリングする手段と、
f. 上記検索する手段によって検索された上記コードブック項目に含まれるベクトルのそれぞれを表示装置上に表示する手段とを、含むイメージをデコードする装置。 - コードブックを作成するベクトル量子化処理ならびにこのベクトル量子化処理に先行する空間的サブ・サンプリング処理に従ってコード化されたイメージをデコードする装置であって、
a. コード化手段から送られ、かつイメージをコード化するときに作成されたビット・ストリームに受け取った、前のコードブックのコードブック項目から上記イメージをデコードするための現在のコードブックを作成する手段と、
b. ビット・ストリームのコードブック・インデックスであって、現在のコードブックの項目を参照するコードブック・インデックスを受け取る手段と、
c. 上記コードブック・インデックスを受け取る手段によって受け取られた上記コードブック・インデックスに基づいて、上記現在のコードブックから項目を検索する手段と、
d. イメージをコード化すると共に、上記コードブック・インデックスが、ベクトル量子化処理の前にサブ・サンプリングされたイメージのイメージ・ブロックのベクトルを参照しているかどうか判定する手段と、
e. 上記判定する手段によって、サブ・サンプリングされると判定された上記ベクトルに対する上記検索されたコードブック項目を、即ち、そのベクトルをアップ・サンプリングする手段とを含むイメージをデコードする装置。 - コードブックを作成するベクトル量子化処理ならびにこのベクトル量子化処理に先行する空間的サブ・サンプリング処理に従ってコード化されたイメージをデコードする装置であって、
a. 下記のi.とii.の手段を含み、ベクトル量子化処理の一部として作成された前のコードブックから現在のコードブックを作成する手段と、
i. イメージをコード化するときに作成され、かつ受け取ったビット・ストリームの、前のコードブックで更新されるべき第1のコードブック項目に対する参照を検出する手段
ii. 受け取ったビット・ストリームの、受け取ったコードブック項目から上記前のコードブックの上記第1のコードブック項目を更新し、上記前のコードブックを現在のコードブックに変換する手段
b.イメージをコード化するときに作成され、それぞれが下記のi.、ii.、iii.のいずれか1つを含む複数のブロック・ヘッダ識別子を含むコード化されたビット・ストリームを受け取る手段と、
i. 上記コード化されたビット・ストリームの後続のブロックが前のイメージから変化しなかったことを示す第1の値
ii. 上記コード化されたビット・ストリームの後続のブロックがベクトル量子化される前にサブ・サンプルされたことを示す第2の値
iii.上記コード化されたビット・ストリームの後続のブロックがベクトル量子化されたことを示す第3の値
c. 上記コード化されたビット・ストリームの、上記現在のコードブックの項目を参照するコードブック・インデックスを受け取る手段と、
d. 上記コードブック・インデックスを受け取る手段によって受け取られた上記コードブック・インデックスに基づいて、上記現在のコードブックから項目を検索する手段と、
e. 上記コードブック・インデックスが、上記ブロック・ヘッダ識別子によってサブ・サンプリングされたイメージのイメージ・ブロックのベクトルを参照しているかどうか判定する手段と、
f. 上記判定する手段によって、サブ・サンプリングされたと判定された上記ベクトルに対する上記検索されたコードブック項目を、即ち、そのベクトルをアップ・サンプリングする手段と、
g. 上記検索する手段によって検索された上記コードブック項目に含まれるベクトルのそれぞれを表示装置上に表示する手段と、を含むイメージをデコードする装置。 - コードブックを作成するベクトル量子化処理ならびにこのベクトル量子化処理に先行する空間的サブ・サンプリング処理に従ってコード化されたイメージをデコードする装置であって、
a. コード化手段から送られたコードブック項目から現在のコードブックを作成する手段と、
b.イメージをコード化するときに作成され、それぞれが下記のi.、ii.、iii.のいずれか1つを含む複数のブロック・ヘッダ識別子を含むコード化されたビット・ストリームを受け取る手段と、
i. 上記コード化されたビット・ストリームの後続のブロックが前のイメージから変化しなかったことを示す第1の値
ii. 上記コード化されたビット・ストリームの後続のブロックがサブ・サンプルされ、かつ、ベクトル量子化されたことを示す第2の値
iii.上記コード化されたビット・ストリームの後続のブロックがサブ・サンプリングはされずにベクトル量子化だけされたことを示す第3の値
c. 上記コード化されたビット・ストリームの、上記現在のコードブックの項目を参照するコードブック・インデックスを受け取る手段と、
d. 上記コードブック・インデックスを受け取る手段によって受け取られた上記コードブック・インデックスに基づいて、上記現在のコードブックから項目を検索する手段と、
e. 上記コードブック・インデックスが、上記ブロック・ヘッダ識別子によってサブ・サンプリングされたイメージのイメージ・ブロックのベクトルを参照しているかどうか判定する手段と、
f. 上記判定する手段によって、サブ・サンプリングされたと判定された上記ベクトルに対する上記検索されたコードブック項目を、即ち、そのベクトルをアップ・サンプリングする手段と、を含むイメージをデコードする装置。 - イメージの複数の異なる領域をコード化するコード化処理中にそのイメージに対して個別のコードブックが作成される該イメージをデコードする装置であって、
a. コード化処理によって作成された、前のコードブックに対する参照、ここで、この前のコードブックに対する参照は前記装置において複数のコードブックのうちの1つを参照し、複数のコードブックのそれぞれは前記イメージの異なる空間領域をデコードするために使われる、を受け取る手段と、
b. 下記のi.とii.の手段を含み、上記前のコードブックから現在のコードブックを作成する手段と、
i. コード化処理によって作成された、前のコードブックで更新されるべき第1のコードブック項目に対する参照を検出する手段
ii.受け取ったコードブック項目から上記前のコードブックの上記第1のコードブック項目を更新し、上記前のコードブックを上記現在のコードブックに変換する手段
c. コード化処理によって作成された、上記現在のコードブックの項目を参照するコードブック・インデックスを受け取る手段と、
d. 上記コードブック・インデックスを受け取る手段によって受け取られた上記コードブック・インデックスに基づいて、上記現在のコードブックから項目を検索する手段と、を含むイメージをデコードする装置。
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