以下、本発明の各実施形態について図面を用いて説明する。
<実施形態1>
図1に、本発明一実施形態の金融商品の表示システムの構成例を示す。このシステムは、データの入力を受け付ける入力装置11と、演算及び記憶を行う演算記憶装置12と、表示装置13とから成る。演算記憶装置12は、入力装置11から入力される入力データや後述するファンド(基金)毎のデータや金融指標毎のデータなどを記憶している記憶部14と、記憶部に記憶されているデータ及び入力装置から入力されたデータの演算を行い、表示装置13に出力する演算部15とから成る。
図1に示した本発明一実施形態の構成の詳細構成例を図8に示す。表示装置13には、表示画面上に透明のタッチパネルが重ねて設置されており、利用者により入力ペンや指先で座標データの入力を受け付け、また、画面上に利用者により描かれた評価額推移を座標データから評価額データに変換する指定位置評価額変換回路801を有する。記憶部14は、入力装置11を介して入力された指定評価額を記憶する指定評価額記憶回路802と、金融指標値などを記憶する金融指標値座標記憶回路805と、指標金融商品関係DB806と、を有する。指標金融商品関係DB806は、金融証券市場809から株価などの情報を取り込むファンド情報DB807と、金融指標DB808とを有する。演算部15は、計算表示制御回路803を有しており、この計算表示制御回路803は、回帰式推定回路804を有する。
ここで、指定評価額記憶回路802は、図14(a)に示すように、入力装置11から直接受信したデータ、あるいは一旦計算表示制御回路803に送信され計算された後に受信したデータを記憶している。具体的には、利用者により指定されるファンド名、買付日、運用期間、投資金額、運用期間の各日付とその評価額が記憶される。Mi(0)は入力された投資金額を示す記号であり、Mi(1)は入力された買付日の評価額、Mi(2)は入力された買付日の翌日の評価額を示す記号であり、以降の運用日も同様である。また、図14(b)は、利用者により金融指標値が入力された場合において、金融指標名と、運用期間の各日付の金融指標値が記憶される。この例では、運用期間の各日付の入力されたNASDAQ指数のデータが記憶される。Ci(1)は入力された買付日のNASDAQ指数、Ci(2)は入力された買付日翌日のNASDAQ指数を示す記号であり、以降の運用日も同様である。
金融指標値座標記憶回路805は、図17に示すように、運用期間の各日付の評価額、ファンド収益率、関係指標の値が記憶される。また、図示はしないが、これらデータを座標変換したデータも記憶される。
ファンド情報DB807は、図15に示すように、各ファンドの情報が記憶されており、具体的には、ファンド名、ファンドの評価額を決定する金融指標を意味する関係指標の数、関係指標の名称、関係指標と評価額の関係を表す指標評価額関係式、収益率計算式、及びファンドに関するコメント(一般的説明)などが記憶されている。
金融指標DB808は、図16に示すように、各ファンドの評価額を決定する金融指標の各種情報を記憶しており、具体的には、金融指標を示す記号、金融指標名、及び金融指標の過去データが日次ベースで記憶されており、また、毎日、金融証券市場から金融指標のデータを読み取って記憶している。
ここで、本発明において具体的な説明の対象となるファンドは、金融指標、例えばTOPIX(登録商標)が変動したときに、評価額がTOPIXの変動に対し所定の比率で変動することを目標とした運用が、運用者によりなされるものであり、ファンドの評価額が、複数の金融指標によって変動するものも含まれる。ここで、TOPIXは東証市場第一部上場全銘柄の時価総額が、基準日の時価総額に比較し、どの位増減したかを通して市場全体の株価の動きを表わす指標である。
なお、上記の金融指標に対するファンドの評価額の変化は、全体としては目標に極めて近い運用成果が得られる場合が多いが、実際には比較的少ない金融商品(銘柄数、数量)によりファンドを運用していることや、信託報酬、先物市場と現物市場の相場変動のズレ(例えばTOPIX先物とTOPIXの相場のズレ)、など種々の要因によって、必ずしも目標と全く同じになるとは限らないが、ファンドの構成を変えるなどして同じになるよう運用を行う。このように厳密には「評価額の目標値」であるが、これを以下で簡単に「評価額」として述べる。
次に、図2に示すフローチャートに従って、この実施形態の表示システムの処理の流れを説明する。この実施形態では、1つの金融指標から評価額が決定することを目指すファンドにおいて、利用者が指定する評価額推移から金融指標推移を試算し、グラフ表示する例を示す。
表示装置13は、図3に示すように、表示画面上に複数のファンド名を表示し、利用者に対し商品説明を受けたいファンド名の選択及び決定を、催促する。
入力装置11は、利用者により、説明を受けたいファンドが1つ選択され、図3の決定ボタン31がマウスでクリックされると、ファンド名情報を、図8に示す指定評価額記憶回路802に送信・記憶させるとともに、計算表示制御回路803に送信する。例えば、AAAファンドが選択されたとすると、指定評価額記憶回路802には、選択されたファンドがAAAファンドであることが記憶される。ここで、AAAファンドはTOPIXの変動の2倍程度変動することを目指し運用されるファンドとする(ステップS201)。
次に、計算表示制御回路803は、ファンド名情報を受信した後、指標金融商品関係DB806内にあるファンド情報DB807に照会し、ステップS201で選択されたファンドに関するコメント(一般的説明)を読み取り、そのコメント(一般的説明)を表示装置13に送信する。同時に、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、「ファンドに関する追加情報(ファンド評価額・金融指標の関係をグラフ表示する)」の必要・不要の別を利用者に選択することを催促する画面表示をさせる指示情報を送信する。
表示装置13は、計算表示制御回路803から受信したファンドのコメント(一般的説明)を、表示画面上に表示する。
例えば、ファンドがAAAファンドの場合には、「AAAファンドは、TOPIXの変動の2倍の変動を目指すものであり、ハイリスク・ハイリターン型の金融商品です。」との説明文が画面上に表示される(ステップS202)。
また、表示装置13は、コメント(一般的説明)とともに、「ファンドの追加情報(ファンド評価額・金融指標の関係をグラフ表示する)」が必要かどうかの選択及び決定を行うための画面を表示することにより、利用者にその選択を催促する。利用者により選択及び決定がなされると、入力装置11は、追加情報必要・追加情報不要の別の情報を、指定評価額記憶回路802を経由して、計算表示制御回路803に送信する。
計算表示制御回路803は、追加情報必要との情報を受信した場合には、「買付日」、「運用期間」、「投資金額」の一般条件データ、及び、「評価額推移の入力の際の手動・自動の別」の各欄を提示し、選択又は入力を催促するための画面表示を行う指示情報を、表示装置13に送信する。
一方、計算表示制御回路803は、追加情報不要との情報を受信した場合には、「ファンド説明を終了する」との情報を利用者に知らせるための画面表示をさせる指示情報を、表示装置13に送信し、画面表示させる (ステップS203)。
次に、表示装置13は、図4に示すように、利用者に対し「買付日」、「運用期間」、「投資金額」の一般条件データ、及び評価額推移の入力の際の手動・自動の別の各欄を表示し、選択を催促する。利用者により、各欄が選択され、入力装置11のマウスにより試算ボタン41がクリックされると、入力装置11は、一般条件データを、指定評価額記憶回路802に送信・記憶させるとともに、計算表示制御回路803に送信する。
一般条件データ(「買付日」、「運用期間」、「投資金額」)が、指標評価額記憶回路802のテーブルに直接記憶できない形式のものは、指標評価額記憶回路802を経由し計算表示制御回路803に送信し、テーブルに合致するデータに変換した後に、再び指定評価額記憶回路802に送信・記憶させる。例えば、運用期間が1年と選択された場合、運用期間1年間を日付データに変換する必要もあるが、買付日が本日(平成14年8月25日)であれば、計算表示制御回路803は、平成14年8月25日から平成15年8月25日までの各日付データに変換し、指定評価額記憶回路802に送信・記憶させる。
また、入力装置11は、評価額推移の手動・自動の別の情報を、指定評価額記憶回路802を経由し、計算表示制御回路803に送信する。
尚、一般条件データの入力においては、例えば、「買付日」は6ヶ月前、3ヶ月前、本日から選択入力可能とし、「運用期間」は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年から選択可能とし、更に「投資金額」は10万円、50万円、100万円から選択可能とするなどにより、いくつかの選択肢から選択される。勿論、図4のように予め用意されたものから選択させるだけではなく、これらの入力を直接、キーボードにより入力させるようにしてもよいし、これらの一部を選択入力可能とし、他を直接入力させるようにすることもできる(ステップS204,ステップS205)。
ステップS205により手動が選択されたとの情報を受信した場合、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、その画面上で利用者から入力ペンや指先により評価額推移の指定を受け付けることを催促させる。次に、表示装置13の画面に重ねて設置されているタッチパネルに利用者により入力がなされると、表示装置13内にある指定位置評価額変換回路801が、評価額推移の座標データから、各運用日毎の評価額数値データへと変換し、これらの評価額推移データを、入力装置11に送信する。ここで、指定位置評価額変換回路801には、予め、表示装置13の表示画面上のX座標(横軸方向)には日付、Y座標(縦軸方向)には評価額が関連付けられて記憶されており、また、表示装置13の表示画面上には、横軸に運用日、縦軸に評価額の線及び目盛を表示させているものとする。
次に、入力装置11は、指定位置評価額変換回路801より受信した評価額推移データを、指定評価額記憶回路802に送信・記憶するとともに、計算表示制御回路803に送信する(ステップS206)。
一方、ステップS205で、評価額推移データの入力で自動が選択された場合、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、評価額推移の選択又は入力を催促する指示情報を送信する。次に、表示装置13はその表示画面上に、「年率10%上昇」、「変化無し」、「年率10%下落」の選択肢を表示したり、年率の上昇率・下落率をキーボードにより数値で入力させる欄を表示する。そして、利用者により選択又は入力がなされると、入力装置11はこの自動選択による評価額推移情報を、指定評価記憶回路802に送信・記憶するとともに、計算表示制御回路803に送信する。
ここで、自動選択による評価額推移情報が、指標評価額記憶回路802のテーブルに直接記憶できない形式である場合には、指標評価額記憶回路802を経由させ、計算表示制御回路803に送信し、テーブルに合致する評価額推移データに変換(各運用日毎の評価額データに変換)した後に、再び指定評価額記憶回路802に送信・記憶する。指定評価額記憶回路802には、ファンド名、買付日、運用期間、投資金額、運用期間の各日の評価額が記憶される(ステップS207)。
評価額推移データが、ステップS206で手動で入力された場合も、ステップS207で自動で入力された場合も、計算表示制御回路803は、評価額推移データを受信した後、ファンド情報DB807に照会し、関係指標の数と指標名を読み取り、関係指標の数が1つの場合には、次にファンドに関する指標評価額関係式を、読み取る。
ここで、関係指標とは、ファンドの評価額を決定する金融指標をいう。指標評価額関係式とは、ファンドの評価額と、その評価額を決定する金融指標の関係を表す式である。
例えば、ファンドがAAAファンドの場合には、指標評価額関係式はM(t)=[Mi(0)/Ar(0)]×2×A(t)であるとし、M(t)は運用開始日からt日目(運用開始日を1日目とカウントする)のAAAファンドの評価額、Mi(0)は投資金額、また、Ar(0)はTOPIXの初期値を示す記号であり、TOPIX指数の運用開始日前日の終値を示す記号である。
また、同時に、ファンド情報DB807に記憶されている収益率計算式をも読み取る。収益率計算式はファンドの種類に関係なくSc(t)=[Mi(t)−Mi(0)]/Mi(0)×100が記憶されており、ここで、Sc(t)は運用開始日からt日目におけるファンド収益率、Mi(t)は利用者により入力されるt日目の評価額、Mi(0)は利用者により入力される投資金額を示す記号である。
更に、計算表示制御回路803は、金融指標DB808に照会しファンドの評価額を決定する関係指標である金融指標の初期値のデータ(運用開始日の前日の終値)を、読み取る。ここで、AAAファンドの場合には、TOPIXの初期値であるAr(0)のデータを読み取る(ステップS208)。
計算表示制御回路803は、ステップS208で読み取った指標評価額関係式(式11)、収益率計算式(式12)に、同じくステップS208で読み取った関係指標である金融指標の初期値の実績データ(運用開始日の前日の終値)、ステップS204で受信した投資金額、ステップS206又はステップS207で受信した評価額推移データを代入することで収束計算及び計算を行い、ファンドの金融指標の推移データ、ファンドの収益率推移データを、算出する。
ここで、AAAファンドの場合、収束計算は、各運用日t日において(運用開始日からの日数をt日とし、運用開始日をt=1とする)、指標評価額関係式であるM(t)=[Mi(0)/Ar(0)]×2×A(t) ・・・・・(式11)、収益率計算式であるSc(t)=[Mi(t)−Mi(0)]/Mi(0)×100 ・・・・・(式12)に対して、TOPIXの初期値の実績データAr(0)、投資金額Mi(0)、評価額データMi(1)、・・、Mi(t)、・・Mi(n)(nは運用最終日)を代入して行う。
計算順序は、(式11)に投資金額Mi(0)を、TOPIXの初期値の実績データAr(0)を代入し、また、A(t)の初期値にも例えばAr(0)を与え、M(t)を算出する。
次に、M(t)と、利用者により入力されているMi(t)との差の絶対値を算出し、絶対値が所定値例えば0.01未満となるかを判定する。
判定式|M(t)−Mi(t) |<0.01 ・・・・・・・(式13)
(式13)を満たさない場合は、(|M(t)−Mi(t)|が小さくなる方向で)A(t)の値を適宜増減させ、(式11)、(式13)を繰り返し(式13)を満たすまで続ける。 (式13)を満たした時点で収束計算を終了させ、その時点のA(t)をTOPIX指数の計算結果であるAc(t)として採用する。
この場合、AAAファンドは1指標の変動により評価額が変化するファンドであるので、ファンド情報DB807に指標評価額関係式を記憶させる段階で、予めA(t)を左辺にして解き直した形で記憶させ、その式に諸データを代入し算出するのでもよい。
収益率計算に関しては、(式12)に投資金額Mi(0)、評価額データMi(1)、・・、Mi(t)、・・Mi(n)(nは運用最終日)を代入して行う(ステップS209)。
計算表示制御回路803は、運用期間(及び、各々の運用日)、各運用日におけるファンドの評価額データ、収益率推移データ、金融指標データ、及び、これら諸データを座標データに変換させたデータを、金融指標値座標記憶回路805に送信・記憶させた後、表示装置13の画面上にグラフ表示する。
AAAファンドの場合のグラフ表示の例を示すと、図5は、買付日として平成14年8月25日を、運用期間を同日から平成15年8月25日まで、投資金額として100万円を各々入力した場合であり、線51は利用者が2ヶ月毎に指定したファンドの評価額の値を示している。そのときのTOPIXの試算結果が線52としてグラフ表示される。
この場合、年率10%上昇を選択した場合には、例えば図6において線61に示すように、AAAファンドの評価額が推移することを利用者により指定されたことになり、この評価額に基づいて、TOPIXの推移が計算され、その推移は、直線62に示すように表示されることになる。
また、図7では利用者が任意の線により評価額を指定する場合の結果表示の画面を示す。71は利用者により指定されたファンドの評価額の線であり、72はその結果のTOPIXの時間的推移を示す線である。
尚、下欄に試算結果がデータ及び文章で、例えば「お客様が、仮にAAAファンドを本日(平成14年8月25日)100万円お買い上げになり、その評価額が上記の推移をし、1年後の評価額が121万円になるためには、TOPIXは上記のように推移する必要があります。」と表示することもできる(ステップS210)。
上記実施形態2によれば、利用者は、容易に、評価額から金融指標推移を試算することが可能になり、ファンドの商品性を理解しやすくなるという利点がある。
<実施形態2>
次に、図9に示すフローチャートに従って、この実施形態の表示システムの処理の流れを説明する。実施形態2では、2つの金融指標の値を基準として評価額が決定することを目指すファンドにおいて、利用者が指定する評価額推移から金融指標推移を試算・グラフ表示する例を示す。
例えば、米国株式投信は、米国株価と為替レートの2指標によりその評価額(厳密には評価額の目標値)が決定する。こうした2つの指標により評価額が決定する金融商品に関しても、評価額推移を利用者が指定することで、2つの金融指標の推移値を算出しグラフ表示したい。しかし、実施形態1のように1つの指標により評価額が決定する金融商品とは異なり、評価額を指定しても、各指標の推移値の組合せが無数に存在するため、実施形態1の方法では2つの指標の推移値の組み合わせを1つ抽出しグラフ表示することは困難である。
そこで、以下の実施形態2では、ファンドの評価額が2つの金融指標により決定する場合において、2つの金融指標の推移値の組み合わせを1つ抽出する。ここでは、単に1つの組み合せを抽出するのではなく、回帰式の推定を行うことで、算出する2つの金融指標の推移値が整合性のある推移の組み合わせになるようにする。一般的に、各金融市場(米国株式市場、米国債券市場、外国為替市場、国内株式市場、国内債券市場等)は、各々が無関係に変動しているわけではなく、相互に影響を及ぼしあって相場を形成しているためである。また、回帰式の推定にあたってはその都度直近のデータを読み取り、計算を行うようにすることで、直近の2つの金融指標間の関連を反映させることができる。これは、経済・金融情勢次第では2つの金融指標が正の相関を示したり、あるいは逆に、負の相関を示すケースもあるためである。
表示装置13は、図3に示すように、表示画面上に複数のファンド名を表示し、利用者に対し商品説明を受けたいファンド名の選択及び決定を、催促する。
入力装置11は、利用者により、説明を受けたいファンドが1つ選択され、図3の決定ボタン31がマウスでクリックされると、ファンド名情報を、図8に示す指定評価額記憶回路802に送信・記憶させるとともに、計算表示制御回路803に送信する。例えば、BBBファンドが選択されたとすると、指定評価額記憶回路802には、選択されたファンドがBBBファンドであることが記憶される。ここで、BBBファンドは、NASDAQ指数に連動することを目指し運用されるファンドとし、円建ての評価額は、NASDAQ指数と円/ドルレートにより決定する。ここで、NASDAQ(ナスダック)(指数)とは、一般にナスダック総合指数のことで、米国店頭株で構成されるナスダック・ナショナル・マーケット指数及び小型株指数の採用全銘柄で構成される時価総額加重平均指数のことをいう(ステップS901)。
次に、計算表示制御回路803は、ファンド名情報を受信した後、指標金融商品関係DB806内にあるファンド情報DB807に照会し、ステップS901で選択されたファンドに関するコメント(一般的説明)を読み取り、そのコメント(一般的説明)を表示装置13に送信する。同時に、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、「ファンドに関する追加情報(ファンド評価額・金融指標の関係をグラフ表示する)」の必要・不要の別を利用者に選択することを催促する画面表示をさせる指示情報を送信する。
表示装置13は、計算表示制御回路803から受信したファンドのコメント(一般的説明)を、表示画面上に表示する。
例えば、ファンドがBBBファンドの場合には、「BBBファンドは、NASDAQ指数に連動することを目指して運用されるファンドであり、円建の評価額は、NASDAQ指数と、円/ドルレートにより変動します。」との説明文が画面上に表示される(ステップS902)。
また、表示装置13は、コメント(一般的説明)とともに、「ファンドの追加情報(ファンド評価額・金融指標の関係をグラフ表示する)」が必要かどうかの選択及び決定を行うための画面を表示することにより、利用者にその選択を催促する。利用者により選択及び決定がなされると、入力装置11は、追加情報必要・追加情報不要の別の情報を、指定評価額記憶回路802を経由して、計算表示制御回路803に送信する。
計算表示制御回路803は、追加情報が必要との情報を受信した場合には、「買付日」、「運用期間」、「投資金額」の一般条件データ、及び、「評価額推移の入力の際の手動・自動の別」の各欄を提示し、選択又は入力を催促するための画面表示を行う指示情報を、表示装置13に送信する。
一方、計算表示制御回路803は、追加情報不要との情報を受信した場合には、「ファンド説明を終了する」との情報を利用者に知らせるための画面表示を行う指示情報を、表示装置13に送信し、画面表示させる(ステップS903)。
次に、表示装置13は、図4に示すように、利用者に対し「買付日」、「運用期間」、「投資金額」の一般条件データ、及び評価額推移の入力の際の手動・自動の別の各欄を表示し、選択を催促する。利用者により、各欄が選択され、入力装置11のマウスにより試算ボタン41がクリックされると、入力装置11は、一般条件データを、指定評価額記憶回路802に送信・記憶させるとともに、計算表示制御回路803に送信する。
一般条件データ(「買付日」、「運用期間」、「投資金額」)が、指標評価額記憶回路802のテーブルに直接記憶できない形式のものは、指標評価額記憶回路802を経由し計算表示制御回路803に送信し、テーブルに合致するデータに変換した後に、再び指定評価額記憶回路802に送信・記憶させる。例えば、運用期間が1年と選択された場合、運用期間1年間を日付データに変換する必要もあるが、買付日が本日(平成14年8月25日)であれば、計算表示制御回路803は、平成14年8月25日から平成15年8月25日までの日付データに変換した後に、指定評価額記憶回路802に送信・記憶させる。
また、入力装置11は、評価額推移の手動・自動の別の情報を、指定評価額記憶回路802を経由し、計算表示制御回路803に送信する。
尚、一般条件データの入力においては、例えば、「買付日」は6ヶ月前、3ヶ月前、本日から選択入力可能とし、「運用期間」は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年から選択可能とし、更に「投資金額」は10万円、50万円、100万円から選択可能とするなどにより、いくつかの選択肢から選択される。勿論、図4のように予め用意されたものから選択させるだけではなく、これらの入力を直接、キーボードにより入力させるようにしてもよいし、これらの一部を選択入力可能とし、他を直接入力させるようにすることもできる(ステップS904,ステップS905)。
ステップS905により手動が選択されたとの情報を受信した場合、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、その画面上で利用者から入力ペンや指先により評価額推移の指定を受け付けることを催促させる。次に、表示装置13の画面に重ねて設置されているタッチパネルに利用者により入力がなされると、表示装置13内にある指定位置評価額変換回路801が、評価額推移の座標データから、各運用日毎の評価額数値データへと変換し、これらの評価額推移データを、入力装置11に送信する。ここで、指定位置評価額変換回路801には、予め、表示装置13の表示画面上のX座標データ(横軸方向)には日付データが、Y座標データ(縦軸方向)には評価額データが関連付けられて記憶されており、また、表示装置13の表示画面上には、横軸に運用日、縦軸に評価額の線及び目盛を表示させているものとする。
次に、入力装置11は、指定位置評価額変換回路801より受信した評価額推移データを、指定評価額記憶回路802に送信・記憶するとともに、計算表示制御回路803に送信する(ステップS906)。
一方、ステップS905で、評価額推移データの入力で自動が選択された場合、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、評価額推移の選択又は入力を催促する指示情報を送信する。次に、表示装置13はその表示画面上に、「年率10%上昇」、「変化無し」、「年率10%下落」の選択肢を表示したり、年率の上昇率・下落率をキーボードにより数値で入力させる欄を表示する。そして、利用者により選択又は入力がなされると、入力装置11はこの自動選択による評価額推移情報を、指定評価額記憶回路802に送信・記憶するとともに、計算表示制御回路803に送信する。
ここで、自動選択による評価額推移情報が、指標評価額記憶回路802のテーブルに直接記憶できない形式である場合には、指標評価額記憶回路802を経由させ、計算表示制御回路803に送信し、テーブルに合致する評価額推移データに変換(各運用日毎に評価額データに変換)した後に、再び指定評価額記憶回路802に送信・記憶する。指定評価額記憶回路802には、図14(a)に示すように、ファンド名、買付日、運用期間、投資金額、運用期間の各日の評価額が記憶される。また、Mi(0)は投資金額を示す記号であり、Mi(1)、Mi(2)、…は、評価額を示す記号である(ステップS907)。
次に、計算表示制御回路803は、ファンド情報DB807に照会しファンドの関係指標の数と指標名を読み取り、関係指標の数が2つの場合には、これらの情報を、計算表示制御回路803内にある回帰式推定回路804に送信する。
BBBファンドの場合、計算表示制御回路803は、関係指標は2つであること、また、2指標はNASDAQ指数と円/ドルレートあることを、回帰式推定回路804に送信する。
回帰式推定回路804は、ファンドの関係指標の数と指標名を受信した後、金融指標DB808に照会し、関係指標である金融指標の所定期間の過去データを、読み取る。例えば、BBBファンドは関係指標は2つであり、NASDAQ指数を100日分、円/ドルレートを100日分読み取る(ステップS908)。
次に、回帰式推定回路804は、2つの金融指標に関して、一方の指標を被説明変数に、もう一方の指標を説明変数にし、金融指標DB808から読み取った関係指標である金融指標の所定期間の過去データを用いて回帰式の推定を行うことで指標間関係式を算出し、その指標間関係式を、計算表示制御回路803に送信する。
BBBファンドでは、例えば、円/ドルレートを被説明変数、NASDAQ指数を説明変数にして単純最小二乗法などの回帰式推定を行い、2つの指標の指標間関係式D(t)=αB+βB×C(t)を得る。ここで、D(t)は円/ドルレート、C(t)はNASDAQ指数であり、αB、βBは単純最小二乗法による回帰式の推定の結果得られるパラメータである(ステップS909)。
評価額推移データが、手動で入力された場合も(ステップS906)、自動で入力された場合も(ステップS907)、計算表示制御回路803は、評価額推移データを受信した後、ファンド情報DB807に照会し、ファンドに関する指標評価額関係式を、読み取る。
例えば、ファンドがBBBファンドの場合には、指標評価額関係式はM(t)={Mi(0)/[Cr(0)×Dr(0)]}×C(t)×D(t)であるとし、M(t)は運用開始日からt日目(運用開始日を1日目とカウントする)のBBBファンドの評価額、Mi(0)は投資金額、また、Cr(0)はNASDAQ指数の初期値を示す記号であり、Dr(0)は円/ドルレートの初期値である。初期値は、運用開始日前日の終値である。
また、同時に、ファンド情報DB807に照会し、収益率計算に用いるために、収益率計算式をも読み取る。収益率計算式はファンドの種類に関係なくSc(t)=[Mi(t)−Mi(0)]/Mi(0)×100が記憶されており、ここで、Sc(t)は運用開始日からt日目におけるファンド収益率、Mi(t)は利用者により入力されたt日目における評価額、Mi(0)は利用者により入力された投資金額を示す記号である。
更に、計算表示制御回路803は、金融指標DB808に照会しファンドの評価額を決定する関係指標である金融指標の初期値のデータ(運用開始日の前日の終値)を、読み取る。
例えば、ファンドがBBBファンドの場合には、NASDAQ指数の初期値であるCr(0)のデータ、円/ドルレートの初期値であるDr(0)のデータを読み取る(ステップS910)。
計算表示制御回路803は、ステップS910で読み取った指標評価額関係式(式21)、収益率計算式(式22)、ステップS909で計算した指標間関係式(式23)、また、ステップS910で読み取った関係指標である金融指標の初期値の実績データ(運用開始日の前日の終値)、ステップS904で受信した投資金額、ステップS906又はステップS907で受信した評価額推移データを代入することで収束計算及び計算を行い、ファンドの金融指標の推移データ、ファンドの収益率推移データを、算出する。
ここで、BBBファンドの場合、収束計算は、各運用日t日において(運用開始日からの日数をt日とし、運用開始日をt=1とする)、指標評価額関係式であるM(t)={Mi(0)/[Cr(0)×Dr(0)]}×C(t)×D(t) ・・・・・・・(式21)、
収益率計算式であるSc(t)=[Mi(t)−Mi(0)]/Mi(0)×100 ・・・・(式22)、
指標間関係式であるD(t)=αB+βB×C(t) ・・・・・(式23)、
に対して、NASDAQ指数の初期値の実績データCr(0) 、円/ドルレートの初期値の実績データDr(0)、投資金額Mi(0)、評価額データMi(1)、・・、Mi(t)、・・Mi(n)(nは運用最終日)を代入して行う。計算順序は、(式23)でC(t)に初期値として例えばCr(0)を与え、D(t)を算出する。次に、(式21)にC(t)と(式23)で算出されたD(t)を代入しM(t)を算出する。
次に、M(t)と、利用者により入力されているMi(t)との差の絶対値を算出し、絶対値が所定値例えば0.01未満となるかを判定する。
判定式|M(t)−Mi(t)|<0.01 ・・・・(式24)。
(式24)を満たさない場合は、(|M(t)−Mi(t)|が小さくなる方向で)C(t)の値を適宜増減させ、(式23)、(式21)を繰り返し、(式24)を満たすまで繰り返し計算する。(式24)を満たした時点で収束計算を終了させ、その時点のC(t)をNASDAQ指数の計算結果であるCc(t)に、D(t)を円/ドルレートの計算結果であるDc(t)として採用する。
収益率計算に関しては、(式22)に投資金額Mi(0)、評価額データMi(1)、・・・Mi(n)(nは運用最終日)を代入して行う(ステップS911)。
計算表示制御回路803は、運用期間(及び、各々の運用日)、各日付におけるファンドの評価額推移データ、収益率推移データ、関係指標である金融指標の推移データ、及び、これら諸データを座標データに変換させたデータを、金融指標値座標記憶回路805に送信・記憶させた後、表示装置13の画面上にグラフ表示する。
例えば、BBBファンドの場合、金融指標値座標記憶回路805には、図17に示すように、運用期間の日付、各運用日における利用者により指定された評価額データ、算出されたファンド収益率データ、算出された関係指標であるNASDAQ指数のデータ、算出された関係指標である円/ドルレートのデータが記憶され、また、図示はしないが、これらデータを座標変換したデータが記憶される。
また、図13(a)(b)のグラフは、利用者により、買付日を本日、運用期間を1年間、投資金額として100万円が各々入力された例であり、線1301は利用者により指定されたBBBファンドの評価額の推移を示している。そのとき、計算されたNASDAQ指数を推移線1302、円/ドルレートを推移線1303で示す。
尚、下欄に試算結果がデータ及び文章で、例えば「お客様が、仮にBBBファンド(NASDAQ連動)を本日100万円お買い上げになり、その評価額が上段の推移をし1年後の評価額が110万円になるのは、NASDAQ指数、円/ドルレートが一例として下段のような推移をした場合です。」と表示することもできる(ステップS912)。
上記実施形態2によれば、利用者は、容易に、評価額から2つの金融指標推移を試算することが可能になり、ファンドの商品性を理解しやすくなる。特に、算出して求める2つの指標推移の組み合わせは、整合性のあるものを抽出することができるという利点がある。
<実施形態3>
次に、図10に示すフローチャートに従って、この実施形態の表示システムの処理の流れを説明する。実施形態3も、2つの金融指標の値を基準として評価額が決定することを目指すファンドにおいて、利用者が指定する評価額推移から金融指標推移を試算・グラフ表示する例を示す。実施形態3では、2つの指標間の回帰式の推定に際し、一方を被説明変数、他方を説明変数としたが、各々を入れ替えて回帰式推定を行い、いずれか一方の回帰式を選択するケースを説明する。被説明変数と説明変数を入れ替えて回帰式推定を行う場合、必ずしも決定係数や自由度修正済み決定係数が同じになるわけではないためで、この実施形態3のほうが、実施形態2よりも精度の高い回帰式を選択できる。
表示装置13は、図3に示すように、表示画面上に複数のファンド名を表示し、利用者に対し商品説明を受けたいファンド名の選択及び決定を、催促する。
入力装置11は、利用者により、説明を受けたいファンドが1つ選択され、図3の決定ボタン31がマウスでクリックされると、ファンド名情報を、図8に示す指定評価額記憶回路802に送信・記憶させるとともに、計算表示制御回路803に送信する。
例えば、BBBファンドが選択されたとすると、指定評価額記憶回路802には、選択されたファンドがBBBファンドであることが記憶される。ここで、BBBファンドは、NASDAQ指数に連動することを目指し運用されるファンドとし、円建ての評価額は、NASDAQ指数と円/ドルレートにより決定する(ステップS1001)。
次に、計算表示制御回路803は、ファンド名情報を受信した後、指標金融商品関係DB806内にあるファンド情報DB807に照会し、ステップS1001で選択されたファンドに関するコメント(一般的説明)を読み取り、そのコメント(一般的説明)を表示装置13に送信する。同時に、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、「ファンドに関する追加情報(ファンド評価額・金融指標の関係をグラフ表示する)」の必要・不要の別を利用者に選択することを催促する画面表示をさせる指示情報を送信する。
表示装置13は、計算表示制御回路803から受信したファンドのコメント(一般的説明)を、表示画面上に表示する。
例えば、ファンドがBBBファンドの場合には、「BBBファンドは、NASDAQ指数に連動することを目指して運用されるファンドであり、円建の評価額は、NASDAQ指数と、円/ドルレートにより変動します。」との説明文が画面上に表示される(ステップS1002)。
また、表示装置13は、コメント(一般的説明)とともに、「ファンドの追加情報(ファンド評価額・金融指標の関係をグラフ表示する)」が必要かどうかの選択及び決定を行うための画面を表示することにより、利用者にその選択を催促する。利用者により選択及び決定がなされると、入力装置11は、追加情報必要・追加情報不要の別の情報を、指定評価額記憶回路802を経由して、計算表示制御回路803に送信する。
計算表示制御回路803は、追加情報必要との情報を受信した場合には、「買付日」、「運用期間」、「投資金額」の一般条件データ、及び、「評価額推移の入力の際の手動・自動の別」の各欄を提示し、選択又は入力を催促するための画面表示を行う指示情報を、表示装置13に送信する。
一方、計算表示制御回路803は、追加情報不要との情報を受信した場合には、「ファンド説明を終了する」との情報を利用者に知らせるための画面表示を行う指示情報を、表示装置13に送信し、画面表示させる(ステップS1003)。
次に、表示装置13は、図4に示すように、利用者に対し「買付日」、「運用期間」、「投資金額」の一般条件データ、及び評価額推移の入力の際の手動・自動の別の各欄を表示し、選択を催促する。利用者により、各欄が選択され、入力装置11のマウスにより試算ボタン41がクリックされると、入力装置11は、一般条件データを、指定評価額記憶回路802に送信・記憶させるとともに、計算表示制御回路803に送信する。
一般条件データ(「買付日」、「運用期間」、「投資金額」)が、指定評価額記憶回路802のテーブルに直接記憶できない形式のものは、指定評価額記憶回路802を経由し計算表示制御回路803に送信し、テーブルに合致するデータに変換した後に、再び指定評価額記憶回路802に送信・記憶させる。例えば、運用期間が1年と選択された場合、運用期間1年間を日付データに変換する必要もあるが、買付日が本日(平成14年8月25日)であれば、計算表示制御回路803は、平成14年8月25日から平成15年8月25日までの日付データに変換した後に、指定評価額記憶回路802に送信・記憶させる。
また、入力装置11は、評価額推移の手動・自動の別の情報を、指定評価額記憶回路802を経由し、計算表示制御回路803に送信する。
尚、一般条件データの入力においては、例えば、「買付日」は6ヶ月前、3ヶ月前、本日から選択入力可能とし、「運用期間」は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年から選択可能とし、更に「投資金額」は10万円、50万円、100万円から選択可能とするなどにより、いくつかの選択肢から選択される。勿論、図4のように予め用意されたものから選択させるだけではなく、これらの入力を直接、キーボードにより入力させるようにしてもよいし、これらの一部を選択入力可能とし、他を直接入力させるようにすることもできる(ステップS1004,ステップS1005)。
ステップS1005で、評価額推移データの入力で手動が選択された場合、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、その画面上で利用者から入力ペンや指先により評価額推移の指定を受け付けることを催促させる。次に、表示装置13の画面に重ねて設置されているタッチパネルに利用者により入力がなされると、表示装置13内にある指定位置評価額変換回路801が、評価額推移の座標データから、各運用日毎の評価額数値データへと変換し、これらの評価額推移データを、入力装置11に送信する。ここで、指定位置評価額変換回路801には、予め、表示装置13の表示画面上のX座標データ(横軸方向)には日付データが、Y座標データ(縦軸方向)には評価額データが関連付けられて記憶されており、また、表示装置13の表示画面上には、横軸に運用日、縦軸に評価額の線及び目盛を表示させているものとする。
次に、入力装置11は、指定位置評価額変換回路801より受信した評価額推移データを、指定評価額記憶回路802に送信・記憶するとともに、計算表示制御回路803に送信する(ステップS1006)。
一方、ステップS1005で、評価額推移データの入力で自動が選択された場合、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、評価額推移の選択又は入力を催促する指示情報を送信する。次に、表示装置13はその表示画面上に、「年率10%上昇」、「変化無し」、「年率10%下落」の選択肢を表示したり、年率の上昇率・下落率をキーボードにより数値で入力させる欄を表示する。そして、利用者により選択又は入力がなされると、入力装置11はこの自動選択による評価額推移情報を、指定評価額記憶回路802に送信・記憶するとともに、計算表示制御回路803に送信する。
ここで、自動選択による評価額推移情報が、指標評価額記憶回路802のテーブルに直接記憶できない形式である場合には、指標評価額記憶回路802を経由させ、計算表示制御回路803に送信し、テーブルに合致する評価額推移データに変換(各運用日毎の評価額データに変換)した後に、再び指定評価額記憶回路802に送信・記憶する。指定評価額記憶回路802には、図14(a)に示すように、ファンド名、買付日、運用期間、投資金額、運用期間の各日の評価額が記憶される。ここで、Mi(0)は利用者により入力される投資金額を示す記号であり、Mi(1)、Mi(2)、・・は、利用者により入力される評価額を示す記号である(ステップS1007)。
次に、計算表示制御回路803は、ファンド情報DB807に照会しファンドの関係指標の数と指標名を読み取り、関係指標の数が2つの場合には、これらの情報を、計算表示制御回路803内にある回帰式推定回路804に送信する。
BBBファンドの場合、計算表示制御回路803は、関係指標は2つであること、また、2指標はNASDAQ指数と円/ドルレートあることを、回帰式推定回路804に送信する。
回帰式推定回路804は、ファンドの関係指標の数と指標名を受信した後、金融指標DB808に照会し、関係指標である金融指標の所定期間の過去データを、読み取る。
例えば、BBBファンドは関係指標は2つであり、NASDAQ指数を100日分、円/ドルレートを100日分読み取る(ステップS1008)。
次に、回帰式推定回路804は、2つの金融指標に関して、一方の金融指標(金融指標1)を被説明変数に、もう一方の金融指標(金融指標2)を説明変数にし、金融指標DB808から読み取った関係指標である金融指標の所定期間の過去データを用いて回帰式の推定を行うことで指標間関係式1を算出し、また、金融指標2を被説明変数に、金融指標1を説明変数にし回帰式の推定を行うことで、指標間関係式2を算出する。また、同時に、回帰式推定回路804は、これらの回帰式の推定において、決定係数、自由度修正済み決定係数、t−値なども算出する。
例えば、BBBファンドでは、指標間関係式1はNASDAQ指数を被説明変数にし円/ドルレートを説明変数にし、指標間関係式2は円/ドルレートを被説明変数にしNASDAQ指数を説明変数にし単純最小二乗法などの回帰式推定を行い、指標間関係式を2つ得る。
ここで決定係数は、回帰式推定にあたって、説明変数と被説明変数との関連度合いを示す統計値であり0から1の値をとり、1に近ければ説明力が強く、0に近ければ説明力は弱い。自由度修正済み決定係数は、決定係数はデータの個数が少ない場合など数値の信頼性が損なわれるという問題がありそれを修正したものである。t−値とは、推定されたパラメータが有意かどうかをみる統計値であり一般的に2以上であれば説明力が強いとみなされることが多い(ステップS1009)。
次に、回帰式推定回路804は、ステップS1009で得られた2つの指標間関係式のうち、決定係数又は自由度修正済み決定係数の高い指標間関係式を抽出することにより、指標間関係式1つを選択し、その指標間関係式を、計算表示制御回路803に送信する(ステップS1010)。
評価額推移データが、手動で入力された場合も(ステップS1006)、自動で入力された場合も(ステップS1007)、計算表示制御回路803は、評価額推移データを受信した後、ファンド情報DB807に照会し、ファンドに関する指標評価額関係式を、読み取る。
例えば、ファンドがBBBファンドの場合には、指標評価額関係式はM(t)={Mi(0)/[Cr(0)×Dr(0)]}×C(t)×D(t)であるとし、M(t)は運用開始日からt日目(運用開始日を1日目とカウントする)のBBBファンドの評価額、Mi(0)は投資金額、また、Cr(0)はNASDAQ指数の初期値を示す記号であり、Dr(0)は円/ドルレートの初期値である。初期値は、運用開始日前日の終値である。
また、同時に、ファンド情報DB807に照会し、収益率計算に用いるために、収益率計算式をも読み取る。収益率計算式はファンドの種類に関係なくSc(t)=[Mi(t)−Mi(0)]/Mi(0)×100が記憶されており、ここで、Sc(t)は運用開始日からt日目におけるファンド収益率、Mi(t)は利用者により入力されたt日目における評価額、Mi(0)は利用者により入力された投資金額を示す記号である。更に、計算表示制御回路803は、金融指標DB808に照会しファンドの評価額を決定する関係指標である金融指標の初期値のデータ(運用開始日の前日の終値)を、読み取る。
例えば、ファンドがBBBファンドの場合には、NASDAQ指数の初期値であるCr(0)のデータ、円/ドルレートの初期値であるDr(0)のデータを読み取る(ステップS1011)。
計算表示制御回路803は、ステップS1011で読み取った指標評価額関係式(式31)、収益率計算式(式32)、ステップS1010で選択した指標間関係式(式33)、また、ステップS1011で読み取った関係指標である金融指標の初期値の実績データ(運用開始日の前日の終値)、ステップS1004で受信した投資金額、ステップS1006又はステップS1007で受信した評価額推移データを代入することで収束計算及び計算を行い、ファンドの金融指標の推移データ、ファンドの収益率推移データを、算出する。
ここで、BBBファンドの場合、収束計算は、各運用日t日において(運用開始日からの日数をt日とし、運用開始日をt=1とする)、指標評価額関係式であるM(t)={Mi(0)/[Cr(0)×Dr(0)]}×C(t)×D(t) ・・・・・(式31)、
収益率計算式であるSc(t)=[Mi(t)−Mi(0)]/Mi(0)×100 ・・・・(式32)、
指標間関係式が、(円/ドルレートが被説明変数で回帰式推定を行ったものが選択されている場合には、D(t)=αB+βB×C(t) ・・・(式33)に対して、
NASDAQ指数の初期値の実績データCr(0) 、円/ドルレートの初期値の実績データDr(0)、投資金額Mi(0)、評価額データMi(1)、・・、M(t)、・・、Mi(n)(nは運用最終日)を代入して行う。
計算順序は、(式33)でC(t)に初期値として例えばCr(0)を与え、D(t)を算出する。次に、(式31)にC(t)と(式33)で算出されたD(t)を代入しM(t)を算出する。
次に、M(t)と利用者により入力されているMi(t)との差の絶対値を算出し、絶対値が所定値例えば0.01未満となるかを判定する。
判定式|M(t)−Mi(t)|<0.01 ・・・・・(式34)
(式34)を満たさない場合は、(|M(t)−Mi(t)|が小さくなる方向で)C(t)の値を適宜増減させ、(式33)、(式31)を繰り返し、(式34)を満たすまで繰り返し計算する。(式34)を満たした時点で収束計算を終了させ、その時のC(t)をNASDAQ指数の計算結果であるCc(t)に、D(t)を円/ドルレートの計算結果であるDc(t)として採用する。
収益率計算に関しては、(式32)に投資金額Mi(0)、評価額データMi(1)、・・・Mi(n)(nは運用最終日)を代入して行う。
上記の収束計算は、指標間関係式が円/ドルレートを被説明変数として回帰式推定を行ったものが選択されている場合を説明したが、NASDAQ指数が被説明変数として回帰式推定を行ったものが選択されている場合も、左辺と右辺の違い、パラメータの違いだけであるので、同様の方法で収束計算ができる(ステップS1012)。
計算表示制御回路803は、運用期間(及び、各々の運用日)、各運用日におけるファンドの評価額推移データ、収益率推移データ、関係指標である金融指標の推移データ、及び、これら諸データを座標データに変換させたデータを、金融指標値座標記憶回路805に送信・記憶させた後、表示装置13の画面上にグラフ表示する。
例えば、BBBファンドの場合、金融指標値座標記憶回路805には、図17に示すように、運用期間の日付、各日付における利用者により指定された評価額データ、算出されたファンド収益率データ、算出された関係指標であるNASDAQ指数のデータ、算出された関係指標である円/ドルレートのデータが記憶され、また、図示はしないが、これらデータを座標変換したデータが記憶される。
また、図13(a)(b)のグラフは、利用者により、買付日を本日、運用期間を1年間、投資金額として100万円が各々入力された例であり、線1301は利用者により指定されたBBBファンドの評価額の推移を示している。そのとき、計算されたNASDAQ指数を推移線1302、円/ドルレートを推移線1303で示す(ステップS1013)。
上記実施形態3によれば、利用者は、容易に、評価額から2つの金融指標推移を試算することが可能になり、ファンドの商品性を理解しやすくなる。特に、算出して求める2つの指標推移の組み合わせは、整合性のあるものを抽出することができ、また、金融指標間の整合性の精度を上げることができるという利点がある。
<実施形態4>
次に、図11に示すフローチャートに従って、この実施形態の表示システムの処理の流れを説明する。実施形態4においても、2つの金融指標の値を基準として評価額が決定することを目指すファンドにおいて、利用者が指定する評価額推移から2つの金融指標推移を試算・グラフ表示する例を示す。例えば、実施形態2や実施形態3で回帰式推定の決定係数が所定値よりも低い場合には、1指標の推移を利用者に入力させることで、もう一方の指標推移を算出する。これは、2指標間の関連の薄い時にはあえて回帰式を用いる必要性が薄れてくるためである。
表示装置13は、図3に示すように、表示画面上に複数のファンド名を表示し、利用者に対し商品説明を受けたいファンド名の選択及び決定を、催促する。
入力装置11は、利用者により、説明を受けたいファンドが1つ選択され、図3の決定ボタン31がマウスでクリックされると、ファンド名情報を、図8に示す指定評価額記憶回路802に送信・記憶させるとともに、計算表示制御回路803に送信する。例えば、BBBファンドが選択されたとすると、指定評価額記憶回路802には、選択されたファンドがBBBファンドであることが記憶される。ここで、BBBファンドは、NASDAQ指数に連動することを目指し運用されるファンドとし、円建ての評価額は、NASDAQ指数と円/ドルレートにより決定する(ステップS1101)。
次に、計算表示制御回路803は、ファンド名情報を受信した後、指標金融商品関係DB806内にあるファンド情報DB807に照会し、ステップS1101で選択されたファンドに関するコメント(一般的説明)を読み取り、そのコメント(一般的説明)を表示装置13に送信する。同時に、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、「ファンドに関する追加情報(ファンド評価額・金融指標の関係をグラフ表示する)」の必要・不要の別を利用者に選択することを催促する画面表示をさせる指示情報を送信する。
表示装置13は、計算表示制御回路803から受信したファンドのコメント(一般的説明)を、表示画面上に表示する。
例えば、ファンドがBBBファンドの場合には、「BBBファンドは、NASDAQ指数に連動することを目指して運用されるファンドであり、円建の評価額は、NASDAQ指数と、円/ドルレートにより変動します。」との説明文が画面上に表示される(ステップS1102)。
また、表示装置13は、コメント(一般的説明)とともに、「ファンドの追加情報(ファンド評価額・金融指標の関係をグラフ表示する)」が必要かどうかの選択及び決定を行うための画面を表示することにより、利用者にその選択を催促する。利用者により選択及び決定がなされると、入力装置11は、追加情報必要・追加情報不要の別の情報を、指定評価額記憶回路802を経由して、計算表示制御回路803に送信する。
計算表示制御回路803は、追加情報必要との情報を受信した場合には、「買付日」、「運用期間」、「投資金額」の一般条件データ、及び、「評価額推移の入力の際の手動・自動の別」の各欄を提示し、選択又は入力を催促するための画面表示を行う指示情報を、表示装置13に送信する。
一方、計算表示制御回路803は、追加情報不要との情報を受信した場合には、「ファンド説明を終了する」との情報を利用者に知らせるための画面表示を行う指示情報を、表示装置13に送信し、画面表示させる(ステップS1103)。
次に、表示装置13は、図4に示すように、利用者に対し「買付日」、「運用期間」、「投資金額」の一般条件データ、及び評価額推移の入力の際の手動・自動の別の各欄を表示し、選択を催促する。利用者により、各欄が選択され、入力装置11のマウスにより試算ボタン41がクリックされると、入力装置11は、一般条件データを、指定評価額記憶回路802に送信・記憶させるとともに、計算表示制御回路803に送信する。
一般条件データ(「買付日」、「運用期間」、「投資金額」)が、指定評価額記憶回路802のテーブルに直接記憶できない形式のものは、指定評価額記憶回路802を経由し計算表示制御回路803に送信し、テーブルに合致するデータに変換した後に、再び指定評価額記憶回路802に送信・記憶させる。例えば、運用期間が1年と選択された場合、運用期間1年間を日付データに変換する必要もあるが、買付日が本日(平成14年8月25日)であれば、計算表示制御回路803は、平成14年8月25日から平成15年8月25日までの日付データに変換した後に、指定評価額記憶回路802に送信・記憶させる。
また、入力装置11は、評価額推移の手動・自動の別の情報を、指定評価額記憶回路802を経由し、計算表示制御回路803に送信する。
尚、一般条件データの入力においては、例えば、「買付日」は6ヶ月前、3ヶ月前、本日から選択入力可能とし、「運用期間」は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年から選択可能とし、更に「投資金額」は10万円、50万円、100万円から選択可能とするなどにより、いくつかの選択肢から選択される。勿論、図4のように予め用意されたものから選択させるだけではなく、これらの入力を直接、キーボードにより入力させるようにしてもよいし、これらの一部を選択入力可能とし、他を直接入力させるようにすることもできる(ステップS1104,ステップS1105)。
ステップS1105で評価額推移データの入力で手動が選択された場合、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、その画面上で利用者から入力ペンや指先により評価額推移の指定を受け付けることを催促させる。次に、表示装置13の画面に重ねて設置されているタッチパネルに利用者により入力がなされると、表示装置13内にある指定位置評価額変換回路801が、評価額推移の座標データから、各運用日毎の評価額数値データへと変換し、これらの評価額推移データを入力装置11に送信する。ここで、指定位置評価額変換回路801には、予め、表示装置13の表示画面上のX座標データ(横軸方向)には日付データが、Y座標データ(縦軸方向)には評価額データが関連付けられて記憶されており、また、表示装置13の表示画面上には、横軸に運用日、縦軸に評価額の線及び目盛を表示させているものとする。
次に、入力装置11は、指定位置評価額変換回路801より受信した評価額推移データを、指定評価額記憶回路802に送信・記憶するとともに、計算表示制御回路803に送信する(ステップS1106)。
一方、ステップS1105で、評価額推移データの入力で自動が選択された場合、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、評価額推移の選択又は入力を催促する指示情報を送信する。次に、表示装置13はその表示画面上に、「年率10%上昇」、「変化無し」、「年率10%下落」の選択肢を表示したり、年率の上昇率・下落率をキーボードにより数値で入力させる欄を表示する。そして、利用者により選択又は入力がなされると、入力装置11はこの自動選択による評価額推移情報を、指定評価額記憶回路802に送信・記憶するとともに、計算表示制御回路803に送信する。
ここで、自動選択による評価額推移情報が、指定評価額記憶回路802のテーブルに直接記憶できない形式である場合には、指定評価額記憶回路802を経由させ、計算表示制御回路803に送信し、テーブルに合致する評価額推移データに変換(各運用日毎の評価額推移データに変換)した後に、再び指定評価額記憶回路802に送信・記憶する。指定評価額記憶回路802には、図14(a)に示すように、ファンド名、買付日、運用期間、投資金額、運用期間の各日の評価額が記憶される。また、Mi(0)は投資金額を示す記号であり、Mi(1)、Mi(2)、…は、評価額を示す記号である(ステップS1107)。
次に、計算表示制御回路803は、ファンド情報DB807に照会しファンドの関係指標の数と指標名を読み取り、関係指標が2つの場合には、これらの情報を、計算表示制御回路803内にある回帰式推定回路804に送信する。
BBBファンドの場合、計算表示制御回路803は、関係指標は2つであること、また、2指標はNASDAQ指数と円/ドルレートあることを、回帰式推定回路804に送信する。
回帰式推定回路804は、ファンドの関係指標の数と指標名を受信した後、金融指標DB808に照会し、関係指標である金融指標の所定期間の過去データを、読み取る。
例えば、BBBファンドは関係指標は2つであり、NASDAQ指数を100日分、円/ドルレートを100日分読み取る(ステップS1108)。
次に、回帰式推定回路804は、2つの金融指標に関して、一方の金融指標を被説明変数に、もう一方の金融指標を説明変数にし、金融指標DB808から読み取った関係指標である金融指標の所定期間の過去データを用いて回帰式の推定を行うことで指標間関係式を算出し、同時に、決定係数、自由度修正済み決定係数、t−値を算出する。
BBBファンドでは、例えば、円/ドルレートを被説明変数、NASDAQ指数を説明変数にして単純最小二乗法などの回帰式推定を行い、2つの指標の指標間関係式D(t)=αB+βB×C(t)を得る。ここで、D(t)は円/ドルレート、C(t)はNASDAQ指数であり、αB、βBは単純最小二乗法による回帰式の結果得られるパラメータである(ステップS1109)。
回帰式推定回路804は、回帰式の推定において、決定係数や自由度修正済み決定係数が所定値例えば0.8以上との条件を満たすかどうかを判定し、条件を満たす場合には、条件を満たす旨の情報とステップS1109で算出された指標間関係式を計算表示制御回路803に送信する。一方、条件を満たさない場合には、条件を満たさない旨の情報を、計算表示制御回路803に送信する(ステップS1110)。
評価額推移データが、手動で入力された場合も(ステップS1106)、自動で入力された場合も(ステップS1107)、計算表示制御回路803は、評価額推移データを受信した後、ファンド情報DB807に照会し、ファンドに関する指標評価額関係式を、読み取る。
例えば、ファンドがBBBファンドの場合には、指標評価額関係式はM(t)={Mi(0)/[Cr(0)×Dr(0)]}×C(t)×D(t)であるとし、M(t)は運用開始日からt日目(運用開始日を1日目とカウントする)のBBBファンドの評価額、Mi(0)は投資金額、また、Cr(0)はNASDAQ指数の初期値を示す記号であり、Dr(0)は円/ドルレートの初期値である。初期値は、運用開始日前日の終値である。
また、同時に、ファンド情報DB807に照会し、収益率計算に用いるために、収益率計算式をも読み取る。収益率計算式はファンドの種類に関係なくSc(t)=[Mi(t)−Mi(0)]/Mi(0)×100が記憶されており、ここで、Sc(t)は運用開始日からt日目におけるファンド収益率、Mi(t)は利用者により入力されたt日目における評価額、Mi(0)は利用者により入力された投資金額を示す記号である。
更に、計算表示制御回路803は、金融指標DB808に照会しファンドの評価額を決定する関係指標である金融指標の初期値のデータ(運用開始日の前日の終値)を、読み取る。
例えば、ファンドがBBBファンドの場合には、NASDAQ指数の初期値であるCr(0)のデータ、円/ドルレートの初期値であるDr(0)のデータを読み取る(ステップS1111)。
計算表示制御回路803は、ステップS1111で読み取った指標評価額関係式(式41)、収益率計算式(式42)、ステップS1109で計算した指標間関係式(式43)、また、ステップS1108で読み取った関係指標である金融指標の初期値の実績データ(運用開始日の前日の終値)、ステップS1104で受信した投資金額、ステップS1106又はステップS1107で受信した評価額推移データを代入することで収束計算及び計算を行い、ファンドの金融指標の推移データ、ファンドの収益率推移データを、算出する。
ここで、BBBファンドの場合、収束計算は、各運用日t日において(運用開始日からの日数をt日とし、運用開始日をt=1とする)、指標評価額関係式である
M(t)={Mi(0)/[Cr(0)×Dr(0)]}×C(t)×D(t) ・・・・・・(式41)、
収益率計算式であるSc(t)=[Mi(t)−Mi(0)]/Mi(0)×100 ・・・・(式42)、
指標間関係式であるD(t)=αB+βB×C(t) ・・・・・・(式43)
に対して、NASDAQ指数の初期値の実績データCr(0) 、円/ドルレートの初期値の実績データDr(0)、投資金額Mi(0)、評価額データMi(1)、・・、M(t)、・・Mi(n)(nは運用最終日)を代入して行う。
計算順序は、(式43)でC(t)に初期値として例えばCr(0)を与え、D(t)を算出する。次に、(式41)にC(t)と(式43)で算出されたD(t)を代入しM(t)を算出する。
次に、M(t)と利用者により入力されているMi(t)との差の絶対値を算出し、絶対値が所定値例えば0.01未満となるかを判定する。
判定式|M(t)−Mi(t)|<0.01 ・・・・・・・・(式44)
(式44)を満たさない場合は、(|M(t)−Mi(t)|が小さくなる方向で)C(t)の値を適宜増減させ、(式43)、(式41)を繰り返し、(式44)を満たすまで繰り返し計算する。(式44)を満たした時点で収束計算を終了させ、その時のC(t)をNASDAQ指数の計算結果であるCc(t)に、D(t)を円/ドルレートの計算結果であるDc(t)として採用する。
収益率計算に関しては、(式42)に投資金額Mi(0)、評価額データMi(1)、・・・Mi(n)(nは運用最終日)を代入して行う(ステップS1112)。
ステップS1110で、計算表示制御回路803が条件を満たさない旨の情報を受信した場合には、計算表示制御回路803は、利用者に対し一方の指標推移を入力する旨の画面表示を行う指示情報を表示装置13に送信し、表示装置13はその画面上に一方の指標推移の入力を利用者に促す旨の画面表示を行う。入力者により、一方の指標推移データが入力されると、入力装置11はその指標推移データを、指定評価額記憶回路802に送信・記憶されるとともに、計算表示制御回路803に送信する。
図14(b)は、例えば、各運用日毎のNASDAQ指数のデータが指定評価額記憶回路802に記憶された例を示す(ステップS1113)。
次に、計算表示制御回路803は、
ステップS1111で読み取った指標評価額関係式(式41)、収益率計算式(式42)に、同じくステップS1111で読み取った関係指標である金融指標の初期値の実績データ(運用開始日の前日の終値)、ステップS1104で受信した投資金額、ステップS1106又はステップS1107で受信した評価額推移データ、ステップS1113で入力された一方の金融指標推移データを代入することで収束計算及び計算を行い、もう一方のファンドの金融指標の推移データ、ファンドの収益率推移データを、算出する(ステップS1114)。
計算表示制御回路803は、運用期間(及び、各々の運用日)、各運用日におけるファンドの評価額推移データ、収益率推移データ、関係指標である金融指標の推移データ、及び、これら諸データを座標データに変換させたデータを、金融指標値座標記憶回路805に送信・記憶させた後、表示装置13の画面上にグラフ表示する。
例えば、BBBファンドの場合、金融指標値座標記憶回路805には、運用期間の日付、各日付における利用者により指定された評価額データ、算出されたファンド収益率データ、関係指標であるNASDAQ指数のデータ、関係指標である円/ドルレートのデータが記憶され、また、図示はしないが、これらデータを座標変換したデータが記憶される。ここで、回帰式が採用される場合は、NASDAQ指数のデータ、円/ドルレートのデータの両方が算出されたデータであり、回帰式が採用されない場合には、NASDAQ指数のデータ、円/ドルレートのデータの一方が入力されたもので、他の一方が算出されたデータになる。
図13(a)(b)は、線1301は利用者により指定されたBBBファンドの評価額の推移を示している。そのときの、NASDAQ指数を推移線1302、円/ドルレートを推移線1303で示す。回帰式が条件を満たす場合は両指数とも算出された推移線であり、条件を満たさない場合は、一方の指標は入力されたもので、もう一方の指標は算出されたものになる(ステップS1115)。
上記実施形態4によれば、利用者は、容易に、評価額から2つの金融指標推移を試算することが可能になり、ファンドの商品性を理解しやすくなる。特に、回帰式の推定の精度が高くないときには、自由に1指標を利用者が入力できることで、より幅広い試算が可能になり、利用者がファンドの商品性を理解しやすくなるという利点がある。
<実施形態5>
次に、図12に示すフローチャートに従って、この実施形態の表示システムの処理の流れを説明する。実施形態5では、3つの金融指標の値を基準として評価額が決定することを目指すファンドにおいて、利用者が指定する評価額推移から3つの金融指標推移を試算・グラフ表示する例を示す。
例えば、ある米国株式投信は、米国株価(NASDAQ指数とダウ工業株30種)と円/ドルレートの3指標によりその評価額(厳密には評価額の目標値)が決定する。こうした3つの指標により評価額が決定する金融商品に関しても、評価額推移を利用者が指定することで、3つの金融指標の推移値を算出しグラフ表示する。
表示装置13は、図3に示すように、表示画面上に複数のファンド名を表示し、利用者に対し商品説明を受けたいファンド名の選択及び決定を、催促する。
入力装置11は、利用者により、説明を受けたいファンドが1つ選択され、図3の決定ボタン31がマウスでクリックされると、ファンド名情報を、図8に示す指定評価額記憶回路802に送信・記憶させるとともに、計算表示制御回路803に送信する。例えば、CCCファンドが選択されたとすると、指定評価額記憶回路802には、選択されたファンドがCCCファンドであることが記憶される。ここで、CCCファンドは、NASDAQ指数に50%、ダウ工業株30種に50%連動することを目指し運用されるファンドとし、円建ての評価額は、NASDAQ指数、ダウ工業株30種と円/ドルレートにより決定する(ステップS1201)。
次に、計算表示制御回路803は、ファンド名情報を受信した後、指標金融商品関係DB806内にあるファンド情報DB807に照会し、ステップS1201で選択されたファンドに関するコメント(一般的説明)を読み取り、そのコメント(一般的説明)を表示装置13に送信する。同時に、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、「ファンドに関する追加情報(ファンド評価額・金融指標の関係をグラフ表示する)」の必要・不要の別を利用者に選択することを催促する画面表示をさせる指示情報を送信する。
表示装置13は、計算表示制御回路803から受信したファンドのコメント(一般的説明)を、表示画面上に表示する。
例えば、ファンドがCCCファンドの場合には、「CCCファンドは、NASDAQ指数に50%、ダウ工業株に50%連動することを目指して運用されるファンドであり、円建の評価額は、NASDAQ指数と、ダウ工業株30種、及び円/ドルレートにより変動します。」との説明文が画面上に表示される(ステップS1202)。
また、表示装置13は、コメント(一般的説明)とともに、「ファンドの追加情報(ファンド評価額・金融指標の関係をグラフ表示する)」が必要かどうかの選択及び決定を行うための画面を表示することにより、利用者にその選択を催促する。利用者により選択及び決定がなされると、入力装置11は、追加情報必要・追加情報不要の別の情報を、指定評価額記憶回路802を経由して、計算表示制御回路803に送信する。
計算表示制御回路803は、追加情報必要との情報を受信した場合には、「買付日」、「運用期間」、「投資金額」の一般条件データ、及び、「評価額推移の入力の際の手動・自動の別」の各欄を提示し、選択又は入力を催促するための画面表示を行う指示情報を、表示装置13に送信する。
一方、計算表示制御回路803は、追加情報不要との情報を受信した場合には、「ファンド説明を終了する」との情報を利用者に知らせるための画面表示を行う指示情報を、表示装置13に送信し、画面表示させる(ステップS1203)。
次に、表示装置13は、図4に示すように、利用者に対し「買付日」、「運用期間」、「投資金額」の一般条件データ、及び評価額推移の入力の際の手動・自動の別の各欄を表示し、選択を催促する。利用者により、各欄が選択され、入力装置11のマウスにより試算ボタン41がクリックされると、入力装置11は、一般条件データを、指定評価額記憶回路802に送信・記憶させるとともに、計算表示制御回路803に送信する。
一般条件データ(「買付日」、「運用期間」、「投資金額」)が、指定評価額記憶回路802のテーブルに直接記憶できない形式のものは、指定評価額記憶回路802を経由し計算表示制御回路803に送信し、テーブルに合致するデータに変換した後に、再び指定評価額記憶回路802に送信・記憶させる。例えば、運用期間が1年と選択された場合、運用期間1年間を日付データに変換する必要もあるが、買付日が本日(平成14年8月25日)であれば、計算表示制御回路803は、平成14年8月25日から平成15年8月25日までの日付データに変換した後に、指定評価額記憶回路802に送信・記憶させる。
また、入力装置11は、評価額推移の手動・自動の別の情報を、指定評価額記憶回路802を経由し、計算表示制御回路803に送信する。
尚、一般条件データの入力においては、例えば、「買付日」は6ヶ月前、3ヶ月前、本日から選択入力可能とし、「運用期間」は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年から選択可能とし、更に「投資金額」は10万円、50万円、100万円から選択可能とするなどにより、いくつかの選択肢から選択される。勿論、図4のように予め用意されたものから選択させるだけではなく、これらの入力を直接、キーボードにより入力させるようにしてもよいし、これらの一部を選択入力可能とし、他を直接入力させるようにすることもできる(ステップS1204,ステップS1205)。
ステップS1205で、評価額推移データの入力で手動が選択された場合、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、その画面上で利用者から入力ペンや指先により評価額推移の指定を受け付けることを催促させる。次に、表示装置13の画面に重ねて設置されているタッチパネルに利用者により入力がなされると、表示装置13内にある指定位置評価額変換回路801が、評価額推移の座標データから、各運用日毎の評価額数値データへと変換し、これらの評価額推移データを、入力装置11に送信する。ここで、指定位置評価額変換回路801には、予め、表示装置13の表示画面上のX座標データ(横軸方向)には日付データが、Y座標データ(縦軸方向)には評価額データが関連付けられて記憶されており、また、表示装置13の表示画面上には、横軸に運用日、縦軸に評価額の線及び目盛を表示させているものとする。
次に、入力装置11は、指定位置評価額変換回路801より受信した評価額推移データを、指定評価額記憶回路802に送信・記憶するとともに、計算表示制御回路803に送信する(ステップS1206)。
一方、ステップS1205で、評価額推移データの入力で自動が選択された場合、計算表示制御回路803は、表示装置13に対し、評価額推移の選択又は入力を催促する指示情報を送信する。次に、表示装置13はその表示画面上に、「年率10%上昇」、「変化無し」、「年率10%下落」の選択肢を表示したり、年率の上昇率・下落率をキーボードにより数値で入力させる欄を表示する。そして、利用者により選択又は入力がなされると、入力装置11はこの自動選択による評価額推移情報を、指定評価額記憶回路802に送信・記憶するとともに、計算表示制御回路803に送信する。
ここで、自動選択による評価額推移情報が、指定評価額記憶回路802のテーブルに直接記憶できない形式である場合には、指定評価額記憶回路802を経由させ、計算表示制御回路803に送信し、テーブルに合致する評価額推移データに変換(各運用日毎に評価額データに変換)した後に、再び指定評価額記憶回路802に送信・記憶する。指定評価額記憶回路802には、ファンド名、買付日、運用期間、投資金額、運用期間の各日の評価額が記憶される(ステップS1207)。
次に、計算表示制御回路803は、ファンド情報DB807に照会しファンドの関係指標の数と指標名を読み取り、関係指標の数が3つの場合には、これらの情報を、計算表示制御回路803内にある回帰式推定回路804に送信する。
CCCファンドの場合、計算表示制御回路803は、関係指標は3つであること、また、3指標はNASDAQ指数、ダウ工業株30種と円/ドルレートあることを、回帰式推定回路804に送信する。
回帰式推定回路804は、ファンドの関係指標の数と指標名を受信した後、金融指標DB808に照会し、関係指標である金融指標の所定期間の過去データを、読み取る。
例えば、CCCファンドは関係指標は3つであり、NASDAQ指数を100日分、ダウ工業株30種を100日分、円/ドルレートを100日分読み取る(ステップS1208)。
次に、回帰式推定回路804は、3つの金融指標に関して、金融指標1を被説明変数に金融指標2を説明変数にし、金融指標DB808から読み取った関係指標である金融指標の所定期間の過去データを用いて回帰式の推定を行うことで指標間関係式1を算出し、その指標間関係式1を、計算表示制御回路803に送信する。
CCCファンドでは、例えば、NASDAQ指数を被説明変数、円/ドルレートを説明変数にして単純最小二乗法などの回帰式推定を行い、指標間関係式1を得る(ステップS1209)。
同時に、回帰式推定回路804は、3つの金融指標に関して、金融指標2を被説明変数にし金融指標3を説明変数にし、金融指標DB808から読み取った関係指標である金融指標の所定期間の過去データを用いて回帰式の推定を行うことで指標間関係式2を算出し、その指標間関係式2を、計算表示制御回路803に送信する。
CCCファンドでは、例えば、円/ドルレートを被説明変数、ダウ工業株30種を説明変数にして単純最小二乗法などの回帰式推定を行い、指標間関係式2を得る。
尚、3指標の場合も、回帰式推定回路804は、回帰式推定の際、決定係数及び自由度修正済み決定係数、t−値などの統計値を算出する。これにより、実施形態3と同じように、精度の高い回帰式を選び指標間関係式に用いたり、実施形態4のように回帰式の精度が低い場合には2つの指標を利用者に入力させることで残りの1指標の値を算出することができる。
上記では金融指標1をNASDAQ指数、金融指標2を円/ドルレート、金融指標3をダウ工業株30種としたが、金融指標1、金融指標2、金融指標3を入れ替えることも可能であり、3指標の場合、6通りの組み合せがある(3つの金融指標の順序が、(1)NASDAQ指数、円/ドルレート、ダウ工業株30種、(2)NASDAQ指数、ダウ工業株30種、円/ドルレート、(3)円/ドルレート、NASDAQ指数、ダウ工業株30種、(4)円/ドルレート、ダウ工業株30種、NASDAQ指数、(5)ダウ工業株30種、NASDAQ指数、円/ドルレート、(6)ダウ工業株30種、円/ドルレート、NASDAQ指数)。これら6通りの組み合せ(各々が2つの回帰式)のうち、例えば、決定係数または自由度修正済み決定係数が最も高い回帰式を含む1通りの組み合せを抽出することにより、精度の高い回帰式を選ぶことが可能になる。
また、実施形態5のように、2つの回帰式の双方又は一方が、例えば、決定係数又は自由度修正済み決定係数が所定値例えば0.7未満である場合には、計算表示制御回路803にその情報を送信し、計算表示制御回路803が表示装置13に対し利用者よる2つの金融指標の推移の入力を促す指示情報を出し、入力装置11が2つの金融指標の入力を受け付け、計算表示制御回路803が、残りの1つの金融指標を算出するようにしてもよい(ステップS1210)。
評価額推移データが、手動で入力された場合も(ステップS1206)、自動で入力された場合も(ステップS1207)、計算表示制御回路803は、評価額推移データを受信した後、ファンド情報DB807に照会し、ファンドに関する指標評価額関係式を、読み取る。
例えば、ファンドがCCCファンドの場合には、指標評価額関係式はM(t)=Mi(0)×{[0.5×C(t)/Cr(0) ]+[0.5×E(t)/Er(0)]}×[D(t) /Dr(0)]であるとする。
M(t)は運用開始日からt日目(運用開始日を1日目とカウントする)のCCCファンドの評価額、Mi(0)は投資金額、C(t)はNASDAQ指数、D(t)は円/ドルレート、E(t)はダウ工業株30種を示す記号であり、また、Cr(0)はNASDAQ指数の初期値を、Dr(0)は円/ドルレートの初期値を、Er(0)はダウ工業株30種の初期値を示す記号である。初期値は、運用開始日前日の終値である。
また、同時に、ファンド情報DB807に照会し、収益率計算に用いるために、収益率計算式をも読み取る。収益率計算式はファンドの種類に関係なくSc(t)=[Mi(t)−Mi(0)]/Mi(0)×100が記憶されており、ここで、Sc(t)は運用開始日からt日目におけるファンド収益率、Mi(t)は利用者により入力されたt日目における評価額、Mi(0)は利用者により入力された投資金額を示す記号である。
更に、計算表示制御回路803は、金融指標DB808に照会しファンドの評価額を決定する関係指標である金融指標の初期値のデータ(運用開始日の前日の終値)を、読み取る。
例えば、ファンドがCCCファンドの場合には、NASDAQ指数の初期値であるCr(0)のデータ、ダウ工業株30種の初期値であるEr(0)のデータ、円/ドルレートの初期値であるDr(0)のデータを読み取る(ステップS1211)。
計算表示制御回路803は、ステップS1211で読み取った指標評価額関係式(式51)、収益率計算式(式52)、ステップS1209で計算した指標間関係式1(式53)、ステップS1210で計算した指標間関係式2(式54)また、ステップS1211で読み取った関係指標である金融指標の初期値の実績データ(運用開始日の前日の終値)、ステップS1204で受信した投資金額、ステップS1206又はステップS1207で受信した評価額推移データを、代入することで収束計算及び計算を行い、ファンドの金融指標の推移データ、ファンドの収益率推移データを、算出する。
ここで、CCCファンドの場合、収束計算は、各運用日t日において(運用開始日からの日数をt日とし、運用開始日をt=1とする)、指標評価額関係式である
M(t)=Mi(0)×{[0.5×C(t)/Cr(0) ]+[0.5×E(t)/Er(0)]}×[D(t) /Dr(0)] ・・・・(式51)、
収益率計算式であるSc(t)=[Mi(t)−Mi(0)]/Mi(0)×100・・・(式52)、
指標間関係式1であるC(t)=αC+βC×D(t)・・・(式53)、
指標間関係式2であるD(t)=γC+δC×E(t) ・・・(式54)に対して、
αC、βC、γC、δCは回帰式の結果得られるパラメータである。
NASDAQ指数の初期値の実績データCr(0) 、円/ドルレートの初期値の実績データDr(0)、ダウ工業株30種の初期値の実績データ、投資金額Mi(0)、評価額データMi(1)、・・、M(t)、・・、Mi(n)(nは運用最終日)を代入して行う。
計算順序は、(式54)でE(t)に初期値として例えばEr(0)を与え、D(t)を算出する。次に、(式53)にD(t)を代入しC(t)を算出する。その後、(式51)にこれらデータを代入してM(t)を算出する。
次に、M(t)と利用者により入力されているMi(t)との差の絶対値を算出し、絶対値が所定値例えば0.01未満となるかを判定する。
判定式|M(t)−Mi(t)|<0.01 ・・・・(式55)
(式55)を満たさない場合は、(|M(t)−Mi(t)|が小さくなる方向で)E(t)の値を適宜増減させ、(式54)、(式53)、(式51)を繰り返し、(式55)を満たすまで繰り返し計算する。(式55)を満たした時点で収束計算を終了させ、その時点のC(t)をNASDAQ指数の計算結果であるCc(t)に、D(t)を円/ドルレートの計算結果であるDc(t)、E(t)をダウ工業株30種の計算結果であるEc(t)として採用する。
収益率計算に関しては、(式52)に投資金額Mi(0)、評価額データMi(1)、・・・Mi(n)(nは運用最終日)を代入して行う(ステップS1212)。
計算表示制御回路803は、運用期間(及び、各々の運用日)、各日付におけるファンドの評価額推移データ、収益率推移データ、関係指標である金融指標の推移データ、及び、これら諸データを座標データに変換させたデータを、金融指標値座標記憶回路805に送信・記憶させた後、表示装置13の画面上にグラフ表示する。
例えば、CCCファンドの場合、金融指標値座標記憶回路805には、運用期間の日付、各運用日における利用者により指定された評価額データ、算出されたファンド収益率データ、関係指標であるNASDAQ指数のデータ、関係指標である円/ドルレートのデータ、関係指標であるダウ工業株30種のデータが記憶され、また、図示はしないが、これらデータを座標変換したデータが記憶される(ステップS1213)。
上記実施形態5により、利用者は、3指標から評価額が決定するファンドにおいて、容易に、評価額から金融指標推移を試算することが可能になり、多くのファンドの説明を受けられることになるため、商品性を理解しやすくなるという利点がある。
実施形態1〜実施形態5では、TOPIXの変化に基づいて2倍程度に評価額が変動することを目指して運用されるファンド(投資信託)、NASDAQ指数に連動して評価額が変動するファンド(円建てでは、NASDAQ指数、円/ドルレートにより変動するファンド)、NASDAQ指数、ダウ工業株30種、円/ドルレートにより変動するファンドについて説明したが、本発明の対象となる金融商品は、所定の金融指標に基づいて評価額が変化することを目指すファンドであり、所定の金融指標には、TOPIX(東証株価指数)、日経平均株価指数、NASDAQ指数、ダウ工業株30種、などの株式関連指数のほか、日経公社債インデックスなどの債券関連指数、日経商品指数、CRB商品指数などの商品関連指数、円/ドルレート、円/ユーロレートなどの為替レートが含まれる。
なお、評価額推移の入力を手動で受け付ける場合、表示装置13の表示画面上のアイコンをマウスにより移動させ、クリック又はドラッグにより指定された位置として評価額推移の入力を受け付けたり、あるいは、入力装置11として2次元の指定位置可能な入力装置を用いることで入力を受け付けてもよい。
また、本発明は図1、図8に示したような単独のシステムに限らず、ネットワークを介してサーバとクライアント間で通信を行うようなシステムなどにも適用可能である。
11・・・入力装置、12・・・演算記憶装置、13・・・表示装置、14・・・記憶部、15・・・演算部、16・・・アイコン、31・・・決定ボタン、41・・・試算ボタン、801・・・指定位置評価額変換回路、802・・・指定評価額記憶回路、803・・・計算表示制御回路、804・・・回帰式推定回路、805・・・金融指標値座標記憶回路、806・・・指標金融商品関係DB、807・・・ファンド情報DB、808・・・金融指標DB、809・・・金融証券市場。