JP4261938B2 - 経路探索装置、コスト導出装置、経路探索方法、コスト導出方法、並びにコンピュータプログラム及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

経路探索装置、コスト導出装置、経路探索方法、コスト導出方法、並びにコンピュータプログラム及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、経路探索装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、経路探索装置が利用されている。例えば、いわゆるカーナビゲーションシステムにおいて、現在地・目的地に基づく経路探索が利用されている。
【0003】
また、経路探索装置が渋滞情報を利用する技術も実用となっている。例えば渋滞情報は、VICS(Vehicle Information and Communication System)による情報がある。経路探索装置は、VICSからの情報により、現在又は近い過去の渋滞に係る道路(リンク)を知ることができる。経路探索装置は、渋滞に係るリンクを回避しつつ経路探索する。
【0004】
さらに、将来の渋滞をサーバが予測し、予測される渋滞に係るリンクを回避しつつ経路探索がされる場合もある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−277268
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、渋滞に係る経路であっても、経路全体を総合的に観察すれば有用な経路である場合がある。例えば、渋滞を回避した遠回りにより、逆に到着時刻が遅れる場合がある。また、渋滞の回避により到着時間が少し早まるときでも、一方で、通行料金面等で別の大きな問題が生じるときがある。さらに、ユーザの所望によっては、都市部の道路の渋滞よりも山道での渋滞を特に避けたいとき等がある。一方、都市部の目的地への経路を探索する場合等には、いずれの経路を選択しても何らかの渋滞の甘受が不可避なときもある。このような種々の場合を勘案しつつユーザが所望する経路を的確に探索することはできなかった。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、経路探索装置の実用性の向上を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明では、次の構成を適用した。
本発明の経路探索装置は、
経路を探索する経路探索装置であって、
リンクと、該各リンクに対応して予め設定された標準コストとを含む経路探索用の地図データを参照する地図参照部と、
前記リンクに対応する通路の交通状況に関する交通情報を取得する交通情報取得部と、
前記交通情報と前記標準コストとに基づき、将来の通過時刻における前記リンクのコストを設定するコスト設定部と、
出発地、目的地及び出発時刻を含む経路探索条件を入力する条件入力部と、
前記設定されたコスト及び前記経路探索条件を用いて、経路探索を行う経路探索部とを備えることを要旨とする。
【0009】
このようにすることで、交通情報に応じて、各リンクでの将来の各通過時刻での通行の困難さを予測することができる。予測される困難さに応じてコストが修正されることで、予測される困難さを柔軟に反映した経路探索を行うことができる。
【0010】
ここに、交通情報は、通路の将来の渋滞を予測する渋滞予測情報であってもよい。また、交通情報はVICSによる情報であり、コスト設定部はVICSの情報に基づいて将来のコストを設定するものとしてもよい。例えばVICSの情報より検知された渋滞の情報を、時間経過に応じて重みを減少させつつ、将来の各時刻のコスト設定に反映するものとしてもよい。
【0011】
なお、経路探索条件に含む出発地は、ユーザの現在地や、ユーザに関連付けられた所定地であるものとしてもよい。また、経路探索条件に含む出発時刻は、現在時刻や、ユーザに関連付けられた所定時刻であるものとしてもよい。
【0012】
ここに経路探索装置は、コスト設定部が設定するコストを他の経路探索装置に送信するものとしてもよい。
【0013】
また、本発明の第2の経路探索装置は、
経路を探索する経路探索装置であって、
リンクと、該各リンクに対応して予め設定された標準コストとを含む経路探索用の地図データを参照する地図参照部と、
複数のユーザによる経路の探索結果を、前記経路上の各リンクの通過時刻を把握可能な態様で記録する記録部と、
記録された過去の探索結果と前記標準コストとに基づいて、前記経路上の各リンクについて、そのリンクを通過する各通過時間帯ごとのコストをそれぞれ設定するコスト設定部と、
出発地、目的地及び出発時刻を含む経路探索条件を入力し、前記設定されたコスト及び前記経路探索条件を用いて、経路探索を行う経路探索部とを備えることを要旨とする。
【0014】
このようにすることで、複数のユーザによる経路の探索結果に応じて、各リンクでの将来の各通過時刻での交通量を予測することができる。予測される交通量に応じてコストが修正されることで、予測される交通量を柔軟に反映した経路探索を行うことができる。
【0015】
なお、時間情報は、経路上の少なくとも一部のリンクの通過時刻を特定可能なものであればよい。また、探索結果集約部が取得するデータは、経路上のリンクの通過時刻を各リンクごとに記憶したものとしてもよいし、経路上の少なくとも一箇所の所定地点の通過時刻のみを記憶したものとしてもよい。
【0016】
本発明の経路探索装置において、
前記経路探索部の探索結果を前記探索結果集約部に引き渡す結果蓄積部を備えるものとしてもよい。
【0017】
このようにすることで、本発明の経路探索装置は、自らの過去の経路探索の結果に応じてコスト設定を行うことができる。
【0018】
ここで、経路探索装置は、例えば、経路探索を行うサーバとして構成してもよい。この場合、ネットワークを介して接続する多数のクライアントから経路探索条件を入力し、経路探索の結果をそのクライアントに返送するものとしてもよい。
【0019】
例えば、本発明の経路探索装置において、
ネットワークを介して外部の装置と通信する通信部を備え、
前記条件入力部は、該通信により前記経路探索条件を入力し、
前記経路探索部の経路探索の結果を前記外部の装置に送付する探索結果送付部を備えるものとしてもよい。
【0020】
このようにすることで、複雑ないし高度な経路探索処理を容易に実現することができる。処理能力の高い経路探索サーバが、クライアントに経路探索サービスを提供するものとできるためである。例えば、極めて複雑なデータ構造のコストのデータを利用した複雑な経路探索も容易に実現することができる。また、上記の経路探索装置によれば、コストのデータ等の通信の手間ないし負担を抑制することもできる。さらに、上記の経路探索装置によれば、複数のユーザの経路探索が1つのサーバで行われるために、複雑な通信等の手間なく、経路探索の結果を容易に管理することができる。
【0021】
さらに、上記のように処理能力の高い経路探索サーバが経路探索を行うことで、多数のリンクにより構成された詳細な地図の地図データを利用して、きめ細やかな経路探索を行うことができる。例えば、車載のカーナビゲーション装置のように処理能力の低い経路探索装置が経路探索を行う場合には、国道等以外の細く狭い道路を十分に活用した経路を探索し得ないときが多い。かかる場合、将来の渋滞が予測される国道等の回避を十分に行い得ない。これに対し、処理能力の高い経路探索サーバが経路探索を行う場合、細く狭い道路を十分に活用した経路を探索できるため、将来の渋滞を回避したいわゆる「抜け道」をユーザに容易に提供することができる。
【0022】
また、別の構成として、経路探索装置間で通信可能とし、ネットワークを介して接続する他の多数の経路探索装置からその経路探索の結果を取得し、取得したものに応じて自らの経路探索を行うものとしてもよい。
【0023】
例えば、本発明の経路探索装置において、
ネットワークを介して外部の装置と通信する通信部を備え、
前記探索結果集約部は、該外部の装置から前記探索結果を前記通信により取得し、
前記外部の装置に、前記経路探索の結果を前記通信により送付する探索結果送付部とを備えるものとしてもよい。
【0024】
このようにすることで、外部の装置の経路探索の探索結果に応じたコストを利用することができる。また、自らの経路探索の探索結果を、外部の装置の経路探索等に利用させることができる。
【0025】
なお、経路探索装置は、探索結果の経路と現在時刻等とに基づいて、その経路上の各リンクの通過時刻を特定可能であるものとしてもよい。例えば、その経路の出発地のリンクの通過時刻は現在時刻と特定される。また、出発地のリンクに接続するリンクの通過時刻は、出発地のリンクの属性等に応じた所定時間経過後と特定される。
【0026】
本発明の経路探索装置において、
前記経路探索部は、
前記コストの総和が最適となるよう前記経路の一部を構成するリンクを選択するリンク選択部と、
該リンクの通過時刻を予測する通過時刻予測部と、
該通過時刻の予測結果及び前記コスト設定部での設定に基づいて、前記選択されたリンクに接続されたリンクのコストを特定するコスト特定部と、
前記リンク選択部、通過時刻予測部、コスト特定部を繰り返し用いることにより、経路としてのリンク列を探索する探索制御部とを備えるものとしてもよい。
【0027】
このようにすることで、通過時刻に応じたリンクのコストを参酌しつつ経路探索を行うことができる。
【0028】
本発明の経路探索装置において、
前記コスト設定部は、前記探索結果数の増大に伴い、前記コストを前記標準コストから増大させるものとしてもよい。
【0029】
本発明の経路探索装置において、
前記コスト設定部は、前記探索結果数が予め設定された所定値以上の場合に、前記コストを前記標準コストから増大させるものとしてもよい。
【0030】
上記のようにしてコストを増大させることで、各リンクでの将来の各通過時刻での交通量の予測結果に応じてコストを修正することができる。なお、コスト設定部がコストを設定する態様は種々のものが適用可能である。
【0031】
本発明の経路探索装置において、
各リンクに対応する通路の交通状況に関する情報を取得する交通情報取得部を備え、
前記コスト設定部は、更に、前記交通状況に関する情報を、前記各通過時刻における前記コストの少なくとも一部に反映するものとしてもよい。
【0032】
このようにすることで、各通過時刻での交通状況の態様を的確に予測してコストに反映させることができる。
【0033】
なお、交通状況に関する情報は、例えば、交通量を表す情報とすることができ、渋滞、やや渋滞などのレベルで指標化した情報や、通過所要時間などを用いることができる。これらの情報は、VICSによる情報でもよい。また、交通状況に関する情報には、そのリンクに係る天気の情報を含んでもよい。例えば、雨天であればコストが高めに変更されるものとしてもよい。このとき、各リンク及び各通過時刻に対応付けられた天気予報に応じて、各リンク及び各通過時刻ごとに天気予報がコストに反映されるものとしてもよい。
【0034】
本発明の経路探索装置において、
過去の前記探索に係る前記経路探索条件を用いて、前記コスト設定部での前記設定の変化があった後、前記経路探索部に、再度、前記探索を行わせる確認部を備えるものとしてもよい。
【0035】
このようにすることで、コスト設定部の最新の設定に応じた、的確な経路探索結果を得ることができる。
【0036】
また、本発明のコスト導出装置は、
経路の探索に利用される、リンクに対応して設定されるコストを導出するコスト導出装置であって、
リンクに対応して予め設定された標準コストを含む経路探索用の地図データを参照する地図参照部と、
前記リンクに対応する通路の交通状況に関する交通情報を取得する交通情報取得部と、
前記交通情報と前記標準コストとに基づき、将来の通過時刻における前記リンクのコストを導出するコスト導出部とを備えることを要旨とする。
【0037】
このようにすることで、交通情報に応じて、各リンクでの将来の各通過時刻での通行の困難さを予測することができる。予測されるコストに応じて修正されたコストを得ることができう。
【0038】
本発明の第2のコスト導出装置は、
経路の探索に利用される、リンクに対応して設定されるコストを導出するコスト導出装置であって、
リンクに対応して予め設定された標準コストを含む経路探索用の地図データを参照する地図参照部と、
複数のユーザによる経路の探索結果を、前記経路上の各リンクの通過時刻を把握可能な態様で記録する記録部と、
記録された過去の探索結果と前記標準コストとに基づいて、前記経路上の各リンクについて、そのリンクを通過する各通過時間帯ごとのコストをそれぞれ導出するコスト導出部とを備えることを要旨とする。
【0039】
このようにすることで、複数のユーザによる経路の探索結果に応じて、各リンクでの将来の各通過時刻での交通量を予測することができる。予測される交通量に応じて修正されたコストを得ることができる。係るコストを利用することで、予測される交通量を柔軟に反映した経路探索を行うことができる。
【0040】
ここで、コスト導出装置は、ネットワークを介して接続する多数の経路探索装置からその経路探索の結果を取得し、導出されるコストをそれらの経路探索装置に返送するものとしてもよい。また、コスト導出装置は自ら経路探索を行う機能を有し、導出されるコストを自らの経路探索に利用するものとしてもよい。さらに、コスト導出装置は、導出されるコストを自らの経路探索に利用するとともに、その他の経路探索装置への送付も行うものとしてもよい。
【0041】
また、本発明の第3の経路探索装置は、
外部のサーバとのネットワークを介した通信を利用しつつ、経路を探索する経路探索装置であって、
前記サーバは、複数の経路探索装置と前記通信を行って、前記探索の結果と、前記経路上の各リンクの通過時刻を特定可能な時間情報とを対応付けたデータを取得し、
前記サーバから、各通過時刻における各リンクを通行する経路の探索結果数に基づいたコストであって、当該通過時刻における当該リンクのコストを取得する取得部と、
前記取得したコストを用いて、経路探索を行う経路探索部とを備えることを要旨とする。
【0042】
このようにすることで、経路探索装置は、各リンクでの将来の各通過時刻での交通量の予測結果を反映したコストを取得することができる。経路探索装置は、リンク等の最新の実情に応じたコストを取得することができる。予測される交通量に応じたコストが利用されることで、予測される交通量を柔軟に反映した経路探索を行うことができる。
【0043】
ここで、本発明の第3の経路探索装置は、経路探索を行う度にコストの取得を行うものとしてもよいし、所定期間毎にコストの取得を行うものとしてもよい。また、コストの取得は、無線ネットワークを介して行うものとしてもよい。さらに、本発明の第3の経路探索装置は、取得するコストの更新の有無をサーバに問い合わせる問合せ部を備え、取得部の実際のコスト取得は、更新がある場合に行われるものとしてもよい。
【0044】
なお、本発明の第3の経路探索装置は、上述のコスト導出装置と組み合わせて利用することができる。第3の経路探索装置では、ユーザの所望に柔軟に対応した経路探索が容易に実現可能である。ユーザの所望をコスト導出装置等に伝える必要がないためである。
【0045】
本発明は、経路探索装置、コスト導出装置としての態様の他、経路探索方法、コスト導出方法など種々の態様で構成することが可能である。また、上記の方法をコンピュータによって実現するコンピュータプログラム自身またはこれと同視し得る信号として構成してもよい。更に、これらのコンピュータプログラムを記録した記録媒体として構成してもよい。
【0046】
ここで記憶媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.全体構成:
B.処理:
C.コストサーバの場合:
D.分散システムの場合:
【0048】
A.全体構成:
図1は、経路紹介システム1000の全体構成を示す説明図である。経路紹介システム1000は、紹介サーバ100と、交通情報サーバ101と、複数の地図表示装置200,200a等とからなる。ここに、地図表示装置200等は多数の地図表示装置のうちの2つを例示したものである。実施例で地図表示装置200等は自動車に搭載され、運転者に地図を表示する機能を有する。
【0049】
紹介サーバ100は、地図表示装置200等と無線ネットワークNETを介して通信する。無線ネットワークNETは、例えば携帯電話網であってもよい。紹介サーバ100は地図表示装置200等から要求データを取得する。要求データには、地図表示装置200等の現在地と、地図表示装置200等のユーザが所望する目的地との情報を含む。紹介サーバ100は、要求データに応じた経路を探索する。具体的には、要求データが特定する現在地から目的地までの経路のうちで、最短時間で移動可能な経路を探索する。紹介サーバ100は、探索された経路を地図表示装置200等に返送する。
【0050】
紹介サーバ100は、交通情報サーバ101とも通信する。紹介サーバ100は、交通情報サーバ101から、地図上の経路を構成する各リンクの混雑の情報を取得する。混雑情報は、各リンクの現在又は近い過去の実状を表す。実施例で混雑情報は、各リンクの通過に要する時間であるものとして説明を行う。紹介サーバ100は、交通情報サーバ101から取得する混雑情報を参酌しつつ、前述の経路探索を行う。例えば混雑情報は、VICSによる情報を利用してもよい。
【0051】
図2は、紹介サーバ100の機能ブロック構成を示す説明図である。紹介サーバ100は、経路紹介ソフトウェアを実行することにより図示する各機能ブロックを実現する。ただし、図2に示す機能ブロックの一部又は全部はハードウェア的に構成されても構わない。
【0052】
通信部115は、無線ネットワークNETを介した地図表示装置200等との通信を実現する。前述の通り紹介サーバ100はこの通信により要求データを取得し、探索結果の経路を返送する。
【0053】
データ部111は、経路探索の対象となる地図を記憶する。データ部111は地図上のリンクを記憶する。また、データ部111は各リンクに対応付けて、各リンクの基本コストも記憶する。基本コストは、そのリンクの一方のノードから他方のノードまでの移動時間及び距離に応じた値が設定される。さらに、データ部111は、各リンクの属性の1つとして、そのリンクの交通混雑や天候等の実情が平均的な場合における、平均的な移動時間を保持している。なお、データ部111は、後述のように、コスト調製部112に利用される上記以外のデータも併せて記憶する。
【0054】
受信部110は、交通情報サーバ101と通信して混雑情報を取得する。
【0055】
記録部113は、探索部114が過去に行った経路探索結果を記録する。記録は、その経路を紹介した時刻等と対応づけて行われる。具体的には、経路上の各リンクの通過時刻が予測可能な形式で行われる。
【0056】
コスト調製部112は、探索部114が経路探索に利用するコストをコスト保持部116に調製する。コスト調製部112は、データ部111が記憶する基本コストと、受信部110が入力する混雑情報と、記録部113の記憶内容とに基づいてコストの調製を行う。コスト値は、コスト保持部116を介して探索部114に受け渡される。なお、コスト調製部112は、各リンクの各通過時間帯ごとにコスト値を導出して探索部114に受け渡す。コスト保持部116には、各リンクについての各通過時間帯ごとのコストが保持される。
【0057】
ここで、受信部110が入力する混雑情報は、各リンクの現在又は近い過去の実状を表す。また、記録部113の記憶内容は、紹介サーバ100から経路の探索紹介を受けた各ユーザが、その後に通過する各リンクを表す。コスト調製部112は、これらを参酌しつつ、探索部114が実際に利用すべきコストを作成する。
【0058】
実際の経路探索は探索部114が行う。探索部114は、通信部115が入力する要求データに応じた経路を探索する。このとき、データ部111に記憶された地図上のリンクの情報と、コスト保持部116に格納されたコストとが参酌される。
【0059】
図3は、基本コストを記憶するデータ構造を示す説明図である。データ部111が図3のデータ構造を利用する。
【0060】
地図上において道路を表すリンクは、2つのノードを有する。例えば、図3のリンクAはノードs,tを有する。データ部111は、リンクAを両端点のノードs,tにより記憶する。両端点のノードs,tは、別途、その位置が記録されている。位置の記録は、地図上の緯度・経度を利用して行われる。データ部111は、このようにして各リンクを記憶する。
【0061】
データ部111は、リンクに対応付けて、そのリンクの基本コストを記憶する。例えば、リンクAに対応付けて記憶された基本コストは15である。基本コストは、そのリンクの混雑や天候等の実状が平均状態にある場合における、そのリンクの移動時間や距離に基づき設定することができる。
【0062】
なお、以下では図3の地図における経路探索を例に挙げて説明を行う。また、要求データとして、現在地及び目的地を各々ノードs,uとするものを例に挙げて説明を行う。
【0063】
図4は、記録部113が過去の経路探索結果を記録するデータ構造を示す説明図である。記録部113は、複数のユーザによる経路の探索結果を、経路上の各リンクの通過時刻を予測可能な形式で記録する。
【0064】
図4の場合、1号車〜9号車等の地図表示装置200等に対して、過去、経路の探索紹介を行ったことが記録されている。例えば、一号車については、リンクA→B→Eより構成される経路が紹介されたことが記録されている。記録部113は、1号車への紹介について、各リンクA,B,Eを10:00〜10:30,10:30〜11:00,11:00〜11:30の各時間帯に対応付けて記録している。リンクA→B→Eより構成される経路が10:00頃に紹介され、リンクA,B,Eの通過時刻が各々10:00〜10:30,10:30〜11:00,11:00〜11:30と予測されたためである。
【0065】
B.処理:
図5は、経路紹介処理を示すフローチャートである。ステップSa1では、通信部115が要求データを取得する。これに基づいて、ステップSa1〜Sa5の処理で、探索部114が実際に利用すべきコストがコスト調製部112に作成される。
【0066】
ここで、図6は、コストが調製される処理を示す説明図である。これは、図5のステップSa2〜Sa6の処理によるデータ操作を示すものである。
【0067】
ステップSa2では、コスト調製部112がデータ部111から基本コストを読み出す。図6では、図3で示したリンクA〜Dの基本コストを再掲している。
【0068】
ステップSa3では、受信部110を介して混雑情報がコスト調製部112に入力される。混雑情報は、各リンクごとに、そのリンクでの交通混雑の実状を特定する情報である。前述のように、混雑情報は、各リンクの通過に要する時間である。混雑情報が表す時間は、現在のそのリンクの実状に応じて交通情報サーバ101が特定したものである。
【0069】
ステップSa4では、基本コストを、混雑情報に応じて修正する。具体的には、「基本コスト+α×混雑情報が特定する時間」なる式を計算する。ここにαは混雑状況を反映させるための重み係数である。定数αは、混雑情報が特定する時間と基本コストとの性質などに応じつつ、経路探索に最適なコストが得られるように設定しておくことが望ましい。
【0070】
図6では、係数α=0.5とした場合を示しており、リンクA〜Dについての基本コスト15,35,30,31は、混雑情報30分,10分,12分,10分に応じて、それぞれ30,40,36,36と修正計算される。なお、コスト調製部112は、混雑情報を加味せずにコストの設定を行うものとしてもよい。また、コスト調整部112は、前述の式に代えて、「基本コスト×β×(混雑情報が特定する時間/基本通過時間)」を計算するものとしてもよい。ここに、βは前述のαと同様の重み係数である。また、基本通過時間は、データ部111にリンクごとに記憶された、そのリンクの平均的な移動時間である。
【0071】
ステップSa5では、コスト調製部112が、記録部113に記憶された過去の経路紹介結果に基づいて予測データを作成する。予測データは、ステップSa4で計算された数値に更に乗ずべき値を列挙したデータである。図6に示すように、予測データでは、各リンク及び各通過時刻ごとに当該乗ずべき値が列挙される。
【0072】
図7は、リンク及びその通過時刻に応じて経路紹介回数をまとめたデータのデータ構造を示す説明図である。コスト調製部112は、記録部113が記録する過去の経路紹介結果に応じて、図7のデータをまとめる。具体的にはコスト調製部112は、各時間帯及び各リンクごとに、過去の経路紹介回数を合計する。例えば図4の場合では、10:30〜11:00の時間帯におけるリンクBについて、少なくとも1号車及び6号車に探索紹介を行っている。図7では、10:30〜11:00の時間帯のリンクBについて、1号車及び6号車を含む合計110台への紹介が行われていた場合について示した。
【0073】
図8は、リンクの紹介数と、コストに乗じるべき数値との対応関係を示す説明図である。図8に示すグラフはデータ部111に記憶され、コスト調製部112に参酌される。図8に示す各グラフは、各リンク毎に、リンクの紹介数とコストに乗じるべき数値との対応関係を表したものである。図8の各グラフは、各リンクの紹介数に応じて渋滞が生じる確率を過去の実績等から推測し、これをコストに反映させるように設定されたグラフである。図8の各グラフは、各リンク毎の長さや車線数、交通規制、信号数等、道路毎の事情を考慮したグラフとなっている。コスト調製部112は、図8のグラフを参酌することで、リンク紹介数(図7)から予測データの各数値(図6参照)を導くことができる。
【0074】
例えば図7において、時間帯10:00-10:30のリンクCは紹介数「300台」と計算されている。一方、図8のグラフではリンクCについて、紹介数300台と数値1.1とが対応付けられている。そこで、コスト調製部112は、図6の予測データにおける10:00-10:30のリンクCについての数値「1.1」を特定する。同様に、リンクCの時間帯10:30-11:00については、図7で「400台」と計算されており、図8のグラフにより数値1.4が特定され、図6の予測データの該当欄に記入されている。
【0075】
図5のステップSa6では、ステップSa4で修正されたコストに対して、更に、予測データに記憶された各値を乗じる。これにより、探索部114が実際に利用すべきコストの値が、各リンク及び各時間帯毎にコスト保持部116に書き込まれる。例えば図6の場合におけるリンクCでは、ステップSa4で計算された値36に対して、時間帯10:00-10:30及び10:30-11:00についての値1.1及び1.4が乗ぜられる。これにより、コスト保持部116にコスト39.6及び50.4が、時間帯10:00-10:30及び10:30-11:00に各々対応づけて記憶されることとなる。
【0076】
以上、ステップSa2〜Sa6の処理により、基本コストと混雑情報と過去の経路紹介結果とに基づいたコスト調製を終えることができた。
【0077】
図5のステップSa7では、現在時刻がチェックされる。探索対象の経路における各リンクの実際の通過時刻の予測に利用するためである。コスト調製部112は、各リンクまでの移動時間を現在時刻に加算することで、当該リンクの通過時刻を予測することができる。
【0078】
図5のステップSa8では、経路探索処理を実行する。
図9は、経路探索処理を示すフローチャートである。また、図10は、経路探索処理の一例を示す説明図である。以下では、いわゆるダイクストラ法を応用した、ダイクストラ法に類似した経路探索処理を行う場合について例示する。ただし、紹介サーバ100が利用すべき経路探索は種々の態様を採用可能である。
【0079】
図9のステップSb1では、まず要求データが特定する現在地が把握される。前述の場合にはノードsが現在地である。ステップSb2では、現在地に接続するリンクを調べる。現在地sに接続するリンクとしてリンクAが存在する。図10のSTEP1で示すように、図9のステップSb2で探索部114は、リンクAに対応付けたラベルを作成する。ラベルには、リンクAを通過する時間帯10:00-10:30に応じたコストが付される。具体的には、コスト保持部116(図6)を参照することでコスト33.0が付される。
【0080】
図9のステップSb3では、作成したラベルのうちの1つが選択される。図10のSTEP1で存在するラベルはリンクAのラベルのみであり、これが選択される。このラベルが特定する経路は、目的地uに到達していないことがステップSb4で把握されるため、ステップSb2の処理に戻って、さらに経路の延伸が図られる。なお、ステップSb2の処理に戻る前に、ノードtへの予測到着時間が算出される。ノードtから更にリンクB,C,Dに進む場合のリンクB,C,Dにおけるコストを、ノードtへの予測到着時間に応じて特定するためである。例えば、ノードtへの予測到着時間は、「ノードsにおける時刻+ノードAの移動時間×(ノードAのコスト/ノードAの基本コスト)」なる式の計算により行われてもよい。ここで、ノードsにおける時刻は図5のステップSa7で把握されている。また、ノードAの移動時間は、データ部111に記憶された時間が利用される。さらに、ノードAのコストは調整されたコストであり、また、ノードAの基本コストは、調整の基礎とされた基本コストである(図6参照)。
【0081】
2度目以降のステップSb2では、ステップSb3で選択されたラベルについての処理が行われる。具体的には、ラベルが付されたリンクに接続するリンクが調べられる。図10のSTEP2では、リンクAに接続するリンクB,C,Dが調べられる。リンクB,C,Dにはそれぞれ新たにラベルが付される。付されるラベルには、各々、通過時間に応じたそのリンクのコストが記入される。リンクB,C,Dを通過する時間帯は10:30-11:00であるため、当該時間に応じたコスト44.0,50.4,39.6が各々ラベルに付される。よって、各ラベルが特定する経路A→B,A→C,A→Dのコストは、各々、77.0,83.4,72.0となる。なお、リンクB,C,Dへの延伸が完了したため、リンクAに付されたラベルはステップSb2の処理過程で取り除かれる。
【0082】
続くステップSb3(図9)の処理では、コストの和が最小のラベルである、リンクDに付されたラベルが選択される。このラベルが特定する経路A→Dは既に目的地に到達していることがステップSb4で把握される。
【0083】
図5のステップSa9で、紹介サーバ100は探索結果の経路を地図表示装置200等に返送する。この後、ステップSa10では、探索結果の経路を記録部113に追加記録する処理を行う。記録は、前述の通り、経路上の各リンクの通過時刻を把握可能な態様で行われる。図10で経路A→Dを記録する場合、10:00-10:30にリンクAを通過し、10:30-11:00にリンクDを通過することが追加記録される。
【0084】
以上説明した経路紹介システム1000によれば、複数のユーザによる経路の探索結果に応じて、各リンクでの将来の各通過時刻での交通量を予測することができる。予測される交通量に応じてコストが修正されることで、予測される交通量を柔軟に反映した経路探索を行うことができる。
【0085】
図11は、リンクの紹介数と、コストに乗じるべき数値との対応関係の変形例を示す説明図である。図11は、実施例における図8に相当する。図11のグラフは階段形状を有する。紹介数h等はしきい値である。紹介数がh未満の場合には、数値1.0が導かれ、紹介数がh以上の場合には、数値1.0+kが導かれる。なお、図8のような滑らかな曲線の部分と、図11のような階段状の部分とを組み合わせた態様も考えられる。
【0086】
なお、実施例では、経路探索を行う度に、その経路探索で利用するコストの調製を行う(図5のステップSa2〜Sa6)ものとしたが、かかる場合に限定されることはない。経路探索で利用するコストは、実際の探索処理に先立って予め準備されているものとしてもよい。例えば、経路探索の結果が記録部113に追加記録される度に行われるものとしてもよい。また、交通情報サーバ101は定期的等に混雑情報の通知を行うサーバであり、紹介サーバ100は、新たな混雑情報が通知される度に、コストの再計算を行うものとしてもよい。
【0087】
ここで、経路を構成する各リンクの実際の通過時刻の予測の態様については種々の態様を採ることができる。例えば、図4では各時間帯ごとに1つのリンクの通過が予測される場合のみを例示したが、例えば1号車がリンクAを通過するために10:00-10:30から10:30-11:00に渡る両時間帯を要することが予測されてもよい。また、図4では時間帯ごとに通過リンクを記憶するものとしたが、経路を構成する各リンク毎に予測される通過時刻を記憶するものとしてもよい。また、実施例では経路の出発地点での時刻に基づいて、その後の各地点での通過時刻が予測されるものとしたが、係る場合に限定されることも無い。探索結果を記録する図4の場合と同様に、コスト保持部116に保持されるコストの態様(図6参照)も、種々のものを採ることができる。
【0088】
ここで、経路の探索紹介を受けた地図表示装置200等は、その後の実際の移動状況を紹介サーバ100に時々刻々報告するものとしてもよい。例えば図4の場合において、リンクBを通行する1号車から報告を受けた紹介サーバ100が、10:30-11:00のみでなく11:00-11:30にも1号車がリンクBを通行しており、リンクEを通行するのは11:30-12:00の時間帯であるように記録内容を変更してもよい。
【0089】
また、紹介サーバ100は、図5のステップSa9で探索した経路を出力したときからさらに所定時間経過した後に、確認のために再度の経路探索を行うものとしてもよい。先の探索と同一の要求データについての再探索が行われる。経路探索の基礎となる記録部113の記録内容が変更された後等には、探索結果が変わってくる可能性があるためである。このようにすることで、地図表示装置200等は、実状に応じた最適な経路を取得することができる。なお、地図表示装置200等が報告する実際の移動状況に応じて出発地を変更して再探索が行われるものとしてもよい。
【0090】
ここで、コスト保持部116へのコストの設定にあたっては、混雑情報と過去の経路紹介結果とが参酌されるものとしたが、他の種々の情報も併せて参酌するものとしてもよい。例えば、雨天であればコストを高めにするものとしてもよい。このとき、各リンク及び各通過時刻に対応付けられた天気予報に応じて、各リンク及び各通過時刻ごとに天気予報を反映させてもよい。また、図8に示したグラフは、1つのリンクについて複数のものが、季節や時間帯に応じて設定されているものとしてもよい。
【0091】
ここで、混雑情報の利用態様についても種々のものが考えられる。実施例では単に「基本コスト+α×混雑情報が特定する時間」なる式を、固定の定数αについて計算するものとしたが、係る場合に限定されることはない。例えば、各リンク又は各通過時刻の少なくとも1つに応じて異なる値αを利用してもよい。
【0092】
C.コストサーバの場合:
図12は、経路探索用コストが配付されるシステム1000aの構成を示す説明図である。図12のシステム1000aにおいて経路探索は地図表示装置200m等により行われる。図12の場合におけるコストサーバ100mは、図1,2の場合の紹介サーバ100に相当する。ただし、コストサーバ100mは経路探索を行わない。コストサーバ100mは、地図表示装置200m等と通信し、地図表示装置200m等の経路探索結果を取得するとともに、地図表示装置200m等が経路探索に利用するコストのデータを送付する。
【0093】
図12にはコストサーバ100mと地図表示装置200mとの機能ブロック構成を併せて示した。図12の各機能ブロックにおいて、実施例における機能ブロック(図2)と同様のものには同じ符号を付して示した。ここで、地図表示装置200mは、CPU,ROM,RAM等より構成されるコンピュータを内蔵している。地図表示装置200mについて図示する各機能ブロックは、そのコンピュータがソフトウェア的に実現するものである。なお、図示する機能ブロックの全部又は一部はハードウェア的に実現されるものとしてもよい。
【0094】
コストサーバ100mにおいて通信部115は、コスト保持部116の記憶内容を地図表示装置200m等に送付する。また、通信部115は、地図表示装置200m等から取得する経路探索結果を記録部113に入力する。
【0095】
地図表示装置200m等において通信部200xは、コストサーバ100mからコストのデータを取得する。探索部114は、従前の場合と同様に、コストサーバ100mのコスト調製部112が調製したコストに基づいて経路探索を行う。入力部115mは、ユーザ入力に基づく要求データを探索部114に入力する。地図表示装置200mのデータ部116mは、経路探索に必要なリンクやノード等のデータを記憶する。一方、出力部115qは、探索部114が行った経路探索の結果を、液晶パネルdvによりユーザに提示する。
【0096】
ここで、地図表示装置200mからコストサーバ100mへの経路探索結果の送付は、経路上の各リンクの通過時刻が予測可能な形式で行われる。例えば、経路を構成する各リンクを、そのリンクの通過時刻と対応付けて記録したデータが送付されるものとしてもよい。
【0097】
また、コストサーバ100mから地図表示装置200mへ送付されるコストのデータにおいては、実施例においてコスト保持部116が利用したデータ構造を利用することができる。
【0098】
ここで、図12の場合、コストサーバ100mにおけるコストデータの作成処理(図5のステップSa2〜Sa6に相当)は、地図表示装置200m等へのコストデータの送付の度に行われてもよいし、実際の送付に先立って予め作成されているものとしてもよい。例えば、経路探索の結果が記録部113に追加記録される度等に行われるものとしてもよい。
【0099】
以上説明した経路探索用コストが配付されるシステム1000aによれば、複数のユーザによる経路の探索結果に応じて、各リンクでの将来の各通過時刻での交通量を予測することができる。各リンクで各通過時刻に予測される交通量に応じたコストを配布することができる。係るコストを利用することで、地図表示装置200m等は、予測される交通量を柔軟に反映した経路探索を行うことができる。
【0100】
なお、実施例では紹介サーバ100で経路探索が行われる場合を説明し、図12では地図表示装置200m等で行われる場合を説明した。図12の場合のように、地図表示装置200m等で経路探索が行われる場合には、ユーザの所望に柔軟に対応した経路探索が容易に実現可能である。ユーザの所望を紹介サーバ100に詳細に伝える必要がないためである。また、実施例のように紹介サーバ100で経路探索が行われる場合には、高度な経路探索処理を容易に実現することができる。処理能力の高い紹介サーバ100による経路探索を利用可能だからである。例えば、極めて複雑なデータ構造のコストデータを利用した複雑な経路探索も容易に実現することができる。また、自ら経路探索を行う紹介サーバ100によれば、コストデータ等の通信の手間を軽減することも可能となる。
【0101】
D.分散システムの場合:
図13は、互いに通信する地図表示装置よりなるシステム1000bの構成を示す説明図である。システム1000bは、互いに無線通信する地図表示装置200p,200q,200r等よりなる。各地図表示装置200p等は、各々自ら経路探索を行う機能を有する。また、各地図表示装置200pは、他の地図表示装置200q,200r等より、それらの装置が行った経路探索の結果を取得する。地図表示装置200p等は、他の地図表示装置200q,200r等より取得した経路探索結果に基づいて自らの経路探索を行う。なお、以下では、地図表示装置200pが経路探索を行う場合について説明するが、地図表示装置200q,200r等が行う場合も同様である。
【0102】
図13には、地図表示装置200pの機能ブロック構成を併せて示した。これは、図12の地図表示装置200mの機能ブロックと同様に、ソフトウェアにより構成される。ただし、各機能ブロックの全部又は一部はハードウェア的に構成されるものとしてもよい。
【0103】
通信部115は、他の地図表示装置200q,200r等より、それらの装置が行った経路探索の結果を取得して記録部113に入力する。また、通信部115は、自らの探索部114が行った経路探索の結果を、他の地図表示装置200q,200r等に送付する。ここで、経路探索の結果の送付は、経路上の各リンクの通過時刻が予測可能な形式で行われる。一方、出力部115pは、自らの探索部114が行った経路探索の結果を、液晶パネルdvによりユーザに提示する。
【0104】
以上説明した、互いに通信する地図表示装置よりなるシステム1000bによれば、複数のユーザによる経路の探索結果に応じて、各リンクでの将来の各通過時刻での交通量を予測することができる。予測される交通量に応じてコストが修正されることで、予測される交通量を柔軟に反映した経路探索を行うことができる。
【0105】
以上、実施例に基づき本発明にかかる経路探索装置、コスト導出装置を説明してきたが、上述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 経路紹介システム1000の全体構成を示す説明図である。
【図2】 紹介サーバ100の機能ブロック構成を示す説明図である。
【図3】 基本コストを記憶するデータ構造を示す説明図である。
【図4】 記録部113が過去の経路探索結果を記録するデータ構造を示す説明図である。
【図5】 経路紹介処理を示すフローチャートである。
【図6】 コストが調製される処理を示す説明図である。
【図7】 リンク及びその通過時刻に応じて経路紹介回数をまとめたデータのデータ構造を示す説明図である。
【図8】 リンクの紹介数と、コストに乗じるべき数値との対応関係を示す説明図である。
【図9】 経路探索処理を示すフローチャートである。
【図10】 経路探索処理の一例を示す説明図である。
【図11】 リンクの紹介数と、コストに乗じるべき数値との対応関係の変形例を示す説明図である。
【図12】 経路探索用コストが配付されるシステム1000aの構成を示す説明図である。
【図13】 互いに通信する地図表示装置よりなるシステム1000bの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1000…経路紹介システム
200,200a…地図表示装置
101…交通情報サーバ
NET…無線ネットワーク
100…紹介サーバ
110…受信部
111…データ部
112…コスト調製部
113…記録部
114…探索部
115…通信部
116…コスト保持部
1000a…経路探索用コストを配付するシステム
100m…コストサーバ
200m…地図表示装置
200x…通信部
115m…入力部
116m…データ部
1000b…互いに通信する地図表示装置よりなるシステム
200p,200q,200r…地図表示装置
115p…出力部
dv…液晶パネル

Claims (10)

  1. 経路を探索する経路探索装置であって、
    リンクと、該各リンクに対応して予め設定された標準コストとを含む経路探索用の地図データを参照する地図参照部と、
    複数のユーザによる経路の探索結果を、前記経路上の各リンクの通過時刻を把握可能な態様で記録する記録部と、
    記録された過去の探索結果と前記標準コストとに基づいて、前記経路上の各リンクについて、そのリンクを通過する各通過時間帯ごとのコストをそれぞれ設定するコスト設定部と、
    出発地、目的地及び出発時刻を含む経路探索条件を入力し、前記設定されたコスト及び前記経路探索条件を用いて、経路探索を行う経路探索部とを備える経路探索装置。
  2. 請求項1記載の経路探索装置であって、
    ネットワークを介して外部の装置と通信する通信部を備え、
    該通信部は、通信により、前記外部の装置から前記経路探索条件を取得すると共に、前記経路探索部の経路探索の結果を前記外部の装置に送付する経路探索装置。
  3. 請求項1記載の経路探索装置であって、
    ネットワークを介して外部の装置と通信する通信部を備え、
    該通信部は、通信により、前記外部の装置から前記探索結果を取得すると共に、前記経路探索部の経路探索の結果を前記外部の装置に送付する経路探索装置。
  4. 請求項1記載の経路探索装置であって、
    前記経路探索部の経路探索の結果をネットワークを介して外部の装置に送付したときから所定時間経過した後に、前記経路探索部に、再度、前記探索を行わせる確認部を備える経路探索装置。
  5. 経路の探索に利用される、リンクに対応して設定されるコストを導出するコスト導出装置であって、
    リンクに対応して予め設定された標準コストを含む経路探索用の地図データを参照する地図参照部と、
    複数のユーザによる経路の探索結果を、前記経路上の各リンクの通過時刻を把握可能な態様で記録する記録部と、
    記録された過去の探索結果と前記標準コストとに基づいて、前記経路上の各リンクについて、そのリンクを通過する各通過時間帯ごとのコストをそれぞれ導出するコスト導出部とを備えるコスト導出装置。
  6. 経路を探索する経路探索方法であって、
    コンピュータが、リンクと、該各リンクに対応して予め設定された標準コストとを含む経路探索用の地図データを参照する工程と、
    コンピュータが、複数のユーザによる経路の探索結果であって、前記経路上の各リンクの通過時刻を把握可能な態様で記録された過去の探索結果と前記標準コストとに基づいて、前記経路上の各リンクについて、そのリンクを通過する各通過時間帯ごとのコストをそれぞれ設定する工程と、
    コンピュータが、出発地、目的地及び出発時刻を含む経路探索条件を入力する工程と、
    コンピュータが、前記設定されたコスト及び前記経路探索条件を用いて、経路探索を行う工程とを備える経路探索方法。
  7. コンピュータに、経路を探索させるためのコンピュータプログラムであって、
    リンクと、該各リンクに対応して予め設定された標準コストとを含む経路探索用の地図データを参照する機能と、
    複数のユーザによる経路の探索結果であって、前記経路上の各リンクの通過時刻を把握可能な態様で記録された過去の探索結果と前記標準コストとに基づいて、前記経路上の各リンクについて、そのリンクを通過する各通過時間帯ごとのコストをそれぞれ設定する機能と、
    出発地、目的地及び出発時刻を含む経路探索条件を入力する機能と、
    前記設定されたコスト及び前記経路探索条件を用いて、経路探索を行う機能とを前記コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
  8. 経路の探索に利用される、リンクに対応して設定されるコストを導出するコスト導出方法であって、
    コンピュータが、リンクに対応して予め設定された標準コストを含む経路探索用の地図データを参照する工程と、
    コンピュータが、複数のユーザによる経路の探索結果であって、前記経路上の各リンクの通過時刻を把握可能な態様で記録された過去の探索結果と前記標準コストとに基づいて、前記経路上の各リンクについて、そのリンクを通過する各通過時間帯ごとのコストをそれぞれ導出する工程とを備えるコスト導出方法。
  9. コンピュータに、経路の探索に利用される、リンクに対応して設定されるコストを導出させるためのコンピュータプログラムであって、
    リンクに対応して予め設定された標準コストを含む経路探索用の地図データを参照する機能と、
    複数のユーザによる経路の探索結果であって、前記経路上の各リンクの通過時刻を把握可能な態様で記録された過去の探索結果と前記標準コストとに基づいて、前記経路上の各リンクについて、そのリンクを通過する各通過時間帯ごとのコストをそれぞれ導出する機能とを前記コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
  10. 請求項7または請求項9記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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