JP4261884B2 - 水溶性金属加工油剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶性金属加工油剤組成物に関し、更に詳しくは、消泡性に優れ、鉄系金属に対する防食性、防錆性に優れ、環境への負荷が少ない水溶性金属加工油剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、水溶性の金属加工油剤、特に切削加工、研削加工及び切断加工において使用される水溶性加工油剤には、被削材はもとより、加工装置等に使用されている鉄鋼等の腐食を防止するための防錆剤が配合されている。特に発泡を嫌う加工現場では、非常に低泡性で防錆力を有するホウ酸及びその塩を防錆剤として使用することが多かった。
【0003】
しかし、平成13年7月1日から水質汚濁防止法の排水基準を定める省令の一部を改正する省令が施行され、ホウ素及びその化合物(ホウ酸及びその塩がこれに該当する)の排水基準が、以下の通り定められた。
・海域以外の公共用水域に排出されるもの: 1リットルにつきホウ素10ミリグラム
・海域に排出されるもの: 1リットルにつきホウ素230ミリグラム
ホウ素及びその化合物は、一般的な排水処理法(凝集沈澱処理法、活性汚泥処理法)では処理しにくく、水溶性金属加工油剤に防錆剤としてホウ酸を用いると上記の排水基準を満足するのが非常に困難である。このような状況に伴ない、ホウ酸及びその塩に代わる非常に低泡性の防錆剤が求められている。
【0004】
また、水溶性金属加工油剤では、使用する防錆剤も水溶性であって、界面活性を有するものが多い。そのために、泡立ちが問題になって使用できないことがある。この場合に、消泡剤を添加して泡を消す方法も採られるが、消泡剤には、長期間持続する消泡効果は期待できず、定期的に添加しなければならないため、作業効率が悪くなり、また希釈液の透明性が失われるといった問題がある。
【0005】
一方、特定の多価フェノール系化合物又はその塩を有効成分として含有する塩化カルシウムブライン用防食剤(特許文献1参照)、フェノール性化合物と脂肪族アルデヒドの共重合体を含む金属防食剤(特許文献2参照)、フェノール性化合物と平均分子量の比較的小さい部分鹸化ポリビニルアルコールと脂肪族アルデヒドの共重合体を含む金属防食剤(特許文献3参照)、フェノール性化合物とオキシスチレン重合物と脂肪族アルデヒドの共重合体を含む金属防食剤(特許文献4)、及び、特定のチオアミド誘導体及び特定のアミド誘導体を添加することにより、カーボンスチールの腐食を抑制することを特徴とするアルカリ性H2S/NH3/CN-/Cl-水溶液中におけるカーボンスチールのチオアミド及びアミド誘導体腐食抑制剤(特許文献5)が、それぞれ知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−133382号公報
【特許文献2】
特開平5−148671号公報
【特許文献3】
特開平5−148672号公報
【特許文献4】
特開平5−148673号公報
【特許文献5】
特開平11−269674号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景の下で、本発明は、金属加工処理に使用するのに適した水溶性金属加工油剤組成物であって、特に消泡性に優れ、鉄系金属に対する防食性、防錆性に優れ、しかも環境への負荷が少ない、ホウ酸及びその塩に代替できる水溶性金属加工油剤組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ホウ酸及びその塩に代わるものとして、特に消泡性に優れ、鉄系金属に対する防食性、防錆性に優れ、しかも環境への負荷が少ない化合物を求めて検討した結果、特定の芳香族(ヘテロ原子を含んでもよい)性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物又はその塩が、消泡性、鉄系金属に対する防食性、防錆性に優れた効果を発揮する事実を見出し、これに基づいて本発明を完成させた。本発明の発明者の知る限り、特定の芳香族性ヒドロキシルを有するアミド系化合物又はその塩が水溶性金属加工油剤の防錆、防食剤に適用できることは、これまで報告されていない。
【0009】
即ち、本発明の水溶性金属加工油剤組成物は、芳香族性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物又はその塩を1種又は2種以上含有することを特徴とする。本発明において、「芳香族」は、環構成原子にヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0010】
この構成になる水溶性金属加工油剤組成物は、機械加工時において特に消泡性に優れると共に、鉄系金属に対する防食性、防錆性に優れ、しかも環境への負荷が少ないという利点を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、芳香族性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物及びその塩としては、下記の一般式(I)、
【0012】
【化1】
【0013】
(式中、R1、R2及びR3は、これらのうち少なくとも1つが−X−Aを表し、他は、同一又は異なって、水素又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、
Aは、ヒドロキシル基で置換されている10員環までの芳香族環を表し、Xは、単結合を表すか又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、そして
R1、R2、R3又はXによって炭化水素基が表されるときは、それらの炭化水素基は、それぞれヒドロキシル基、オキソ基、カルボキシル基、アミド基、ニトリル基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、チオール基、スルホン酸基、硫酸エステル基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、燐酸エステル基よりなる群より選ばれる置換基を有していてよい。)で示される化合物及びその塩が含まれる。
【0014】
上記において、R1、R2及びR3について、「炭素数1〜8の炭化水素基」というときは、該「炭化水素基」は、飽和又は不飽和の、直鎖状、分岐鎖状及び脂環式の炭化水素基、並びに芳香族基を含む。そのような基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、シクロヘキシル基及びシクロペンチル基等のような飽和炭化水素基、これらに対応する炭素骨格よりなる不飽和炭化水素基、並びにフェニル基、ベンジル基、トリル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
また、Aにつき、「ヒドロキシル基で置換されている10員環までの芳香族環」というときの、「芳香族環」の例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ナフタレン環、キノリン環、イソキノリン環、インドール環、イソインドール環等が挙げられる。
【0016】
本発明において、芳香族性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物及びその塩としては、特に好ましくは下記の一般式(I’)、
【0017】
【化2】
【0018】
(式中、R1’、R2’及びR3’は、これらのうち少なくとも1つが下記の一般式(II)〜(VII)、
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
で示される基を表し、他は、同一又は異なって、水素又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、
Y及びZは、同一又は異なって、水素又はヒドロキシル基を表し、
R4、R5及びR6は、炭素数1〜10の炭化水素基を表し、そして
R1’、R2’、R3’、R4、R5又はR6によって表される炭化水素基は、それぞれヒドロキシル基、オキソ基、カルボキシル基、アミド基、ニトリル基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、チオール基、スルホン酸基、硫酸エステル基、スルホンアミド基、ホスホン酸基及び燐酸エステル基よりなる群より選ばれる置換基を有していてよい。)で示される化合物又はその塩である。
【0026】
上記において、R1’、R2’及びR3’について、「炭素数1〜8の炭化水素基」というときは、該「炭化水素基」は、飽和又は不飽和の、直鎖状、分岐鎖状及び脂環式の炭化水素基、並びに芳香族基を含む。そのような基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、シクロヘキシル基及びシクロペンチル基等のような飽和炭化水素基、これらに対応する炭素骨格よりなる不飽和炭化水素基、並びにフェニル基、ベンジル基、トリル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
また上記において、R4、R5及びR6について「炭素数1〜10の炭化水素基」というときは、該「炭素数1〜10の炭化水素基」は、飽和又は不飽和の、直鎖状、分岐鎖状及び脂環式の炭化水素基、並びに芳香族基を含む。そのような基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基、メチルエチレン基、2−メチルプロピレン基、シクロヘキシレン基及びシクロペンチレン基等のような飽和炭化水素基、これらに対応する炭素骨格よりなる不飽和炭化水素基、フェニレン基、ナフチレン基、メチルフェニレン基、フェニレンメチル基、フェニレンエチル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
上記芳香族性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物又はその塩の例としては、2−ヒドロキシベンズアミド、4−ヒドロキシベンズアミド、4−ヒドロキシフェニルアセトアミド、5−アセチル−2−ヒドロキシベンズアミド、4−ヒドロキシアセトアニリド、3−ヒドロキシアセトアニリド、2−ヒドロキシアセトアニリド、2−ヒドロキシベンズアニリド、3−ヒドロキシピコリンアミド、N−(2−アセトアミドフェネチル)−1−ヒドロキシ−2−ナフトアミド、3,4,5−トリヒドロキシベンズアミド等又はそれらの塩が挙げられるが、それら限定されない。
【0029】
本発明の水溶性金属加工油剤組成物における上記芳香族性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物又はその塩の濃度は、好ましくは、0.001〜50重量%(より好ましくは0.001〜30重量%、更に好ましくは0.01〜10重量%)である。これは、上記芳香族性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物又はその塩の濃度が0.001重量%以上で十分な防錆性が得られ、また濃度が50重量%以下であれば液の安定性の維持が容易だからである。
【0030】
また、本発明の更なる水溶性金属加工油剤組成物は、上記芳香族性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物又はその塩に加えて、有機アミン又は無機アルカリを更に含有することを特徴とする。
【0031】
本発明の尚も更なる水溶性金属加工油剤組成物は、前記芳香族性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物又はその塩を好ましくは0.001〜50重量%(より好ましくは0.001〜30重量%、更に好ましくは0.01〜10重量%)含有し、且つ、有機アミンを0.01〜80重量%(より好ましくは0.05〜60重量%、更に好ましくは0.1〜30重量%)含有することを特徴とする。有機アミンの濃度をこの範囲とするのは、濃度が0.01重量%以上で防錆性を高めるのに十分であり、また濃度が80重量%以下であれば液の安定性の維持が容易となり、引火の懸念も実質的になくなるからである。
【0032】
本発明の尚も更なる水溶性金属加工油剤組成物は、前記芳香族性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物又はその塩を好ましくは0.001〜50重量%(より好ましくは0.001〜30重量%、更に好ましくは0.01〜10重量%)含有し、且つ、無機アルカリを好ましくは0.001〜50重量%(より好ましくは0.005〜30重量%、更に好ましくは0.01〜10重量%)含有するものであることを特徴とする。無機アルカリの濃度をこの範囲とするのは、濃度が0.001重量%以上で防錆性を高めるのに十分であり、また濃度が50重量%以下であれば溶解が完全であり、液の安定性の維持が容易となるからである。
【0033】
本発明の水溶性金属加工油剤組成物は水溶液状であり、その元々の濃度及び金属加工時に求められる性能に応じて、適宜の希釈倍率(通常は、5〜100倍)で水で希釈して使用に供することができる。本発明の水溶性金属加工油剤組成物の使用時における(即ち、該当する場合水で希釈した後の)上記芳香族性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物又はその塩及び上記無機アルカリの濃度はそれぞれ通常0.001重量%以上、有機アミンの濃度は通常0.01重量%以上あれば十分であるが、より高濃度としてもよい。使用時における本発明の水溶性金属加工油剤組成物のpHは、好ましくは7〜12.5、より好ましくは8〜11である。十分な防錆性を得るにはpHが7以上であることが好ましく、手荒れの原因となる皮膚刺激性や、廃棄物処理における特定管理産業廃棄物たる廃アルカリの処理等を考慮すると、pHが12.5以下であることが望ましいためである。
【0034】
上記有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ノルマルブタノールアミン、イソブタノールアミン、tert−ブタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、m−キシリレンジアミン等が挙げられる。また、無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。これらの中でも、特に好ましい例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ノルマルブタノールアミン、イソブタノールアミン、tert−ブタノールアミン等のアルカノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン等のアルキルエーテルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン等のアルキルアミンが挙げられる。
【0035】
また、本発明の組成物には、有機酸、基油、界面活性剤、極圧添加剤、無機塩類、消泡剤、防腐剤、防食剤等を、低泡性、防錆性を阻害しない範囲において適宜配合して調製し、使用することができる。上記有機酸としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、イソノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。
【0036】
上記基油としては、鉱物油、合成炭化水素油、エステル油、植物油等が挙げられる。鉱物油は、天然の原油から分離されるものであり、これを適当に蒸留、精製等することにより製造される。鉱物油の主成分は炭化水素(多くはナフテン類である)であり、その他パラフィン分、芳香族分等を含有しているものである。
【0037】
合成炭化水素油としては、化学的に合成された炭化水素であって、具体的には、ポリ−α−オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)等が挙げられ、ポリ−α−オレフィンは、具体的には、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン等をポリマー化又はオリゴマー化したもの或いはこれらを水素化したもの等が挙げられる。
【0038】
エステル油としては、化学的に合成された潤滑油であって、ジエステル、ポリオールエステル、リン酸エステル、ケイ酸エステル等が挙げられる。具体的には、ジエステルとしては、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の二塩基酸と、2−エチルヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、トリデカノール等のアルコールのジエステル等が挙げられる。ポリオールエステルとしては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、或いはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のポリオールと、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等の脂肪酸とのエステル等が挙げられる。
【0039】
植物油としては、具体的には、綿実油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ひまわり油、やし油、パーム油、トール油、大豆油、ヒマシ油、亜麻仁油等が挙げられる。
【0040】
界面活性剤としては、具体的には、脂肪酸アミン石鹸、石油スルホネート、硫酸化油、アルキルスルホンアミドカルボン酸塩、カルボキシ化油脂等のアニオン系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルキロールアミド等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。
【0041】
極圧添加剤としては、塩素系、硫黄系、リン系等が代表的であるが、具体的には、塩素系としては、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸、塩素化脂肪油等が挙げられる。硫黄系としては、硫化オレフィン、硫化ラード、アルキルポリサルファイド、硫化脂肪酸等が挙げられる。リン系としては、リン酸エステル(塩)系、亜リン酸エステル(塩)系、チオリン酸エステル(塩)系、ホスフィン系、リン酸トリクレジル等が挙げられる。
【0042】
無機塩類としては、リン酸塩、炭酸塩等が挙げられ、具体的には、リン酸ソーダ、リン酸カリウム、炭酸ソーダ、炭酸カリウム等が挙げられる。
【0043】
消泡剤としては、シリコン系消泡剤、ポリオキシアルキレン系消泡剤、鉱油系消泡剤等が挙げられる。具体的には、シリコン系消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン、変性ポリシロキサン等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系消泡剤としては、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等が挙げられる。また、鉱油系消泡剤としては、ナフテン系、パラフィン系等が挙げられる。
【0044】
防腐剤としては、トリアジン系、イソチアゾリン系又はフェノール系等が代表的であるが、具体的には、トリアジン系としては、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。イソチアゾリン系としては、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。フェノール系としては、オルトフェニルフェノール、2,3,4,6−テトラクロロフェノール等が挙げられる。
【0045】
防食剤としては、トリアゾール類等が挙げられ、具体的には、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、3−アミノトリアゾール等が挙げられる。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて更に具体的に説明する。
〔実施例1〜9および比較例1〜5〕
表1及び2に示す成分組成(数値は重量%)に従って、水に各成分を溶解させることにより水溶性金属加工油剤組成物を調製し、それらの性能試験として下記に示す防錆試験、消泡試験を行った。
【0047】
防錆試験:
φ50mmのシャーレに、表1及び2の水溶性金属加工油剤組成物の10倍水希釈液と鋳物切粉5gを入れ、10分放置後液を切り、温度30℃、湿度80%の環境下で放置し、発錆状態を目視で観察した。評価は最大防錆期間に応じて3段階で行った。その結果を以下の表3に示す。表3において、◎は「4時間以上発錆なし」の評価を示し、○は「1時間以上発錆なし」の評価を示し、×は「1時間以内に発錆」の評価を示す。
【0048】
消泡試験:
表1及び2の水溶性金属加工油剤組成物の30倍水希釈液500mlを、容量1400mlの家庭用ミキサーに入れて、室温下で1分間攪拌した後、一定時間毎に泡の体積を測定した。その結果を表3に示す。表3において、◎は「30秒以内に0ml」の評価を示し、○は「3分以内に0ml」の評価を示し、×は「完全消泡に3分より長くを要する」の評価を示す。なお、表1及び2の水溶性金属加工油剤組成物の30倍水希釈液の25℃におけるpHを、(株)堀場製作所製のガラス電極式水素イオン濃度計を用いて測定した。その結果を表3に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【発明の効果】
本願発明によって、特に消泡性に優れ、鉄系金属に対する防食性、防錆性に優れ、環境への負荷も少ない水溶性金属加工油剤が得られる。
Claims (6)
- 芳香族性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物又はその塩を1種又は2種以上含有することを特徴とする水溶性金属加工油剤組成物であって、該芳香族性ヒドロキシル基を有するアミド系化合物又はその塩が、5−アセチル−2−ヒドロキシベンズアミド、4−ヒドロキシアセトアニリド、3−ヒドロキシアセトアニリド、2−ヒドロキシアセトアニリド、2−ヒドロキシベンズアニリド、3−ヒドロキシピコリンアミド、若しくは3,4,5−トリヒドロキシベンズアミドより選ばれる化合物又はその塩である、水溶性金属加工油剤組成物。
- 該アミド系化合物又はその塩を0.001〜50重量%含有するものである、請求項1の水溶性金属加工油剤組成物。
- 有機アミン又は無機アルカリを更に含有するものである、請求項1又は2の水溶性金属加工油剤組成物。
- 該アミド系化合物又はその塩を0.001〜50重量%含有し、且つ、有機アミンを0.01〜80重量%含有するものである、請求項3の水溶性金属加工油剤組成物。
- 該アミド系化合物又はその塩を0.001〜50重量%含有し、且つ、無機アルカリを0.001〜50重量%含有するものである、請求項3の水溶性金属加工油剤組成物。
- 使用時のpHが7〜12.5である、請求項1ないし5の何れかの水溶性金属加工油剤組成物。
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