JP4261669B2 - 医療用酸素吸入装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素供給源からの酸素を加湿器により所定湿度に加湿するとともに、前記加湿された酸素(以下、単に加湿酸素という。)の所定量を慢性の呼吸不全患者などの患者(以下、単に患者という。)に吸入させるべく供給することができる医療用酸素吸入装置に関する。
【0002】
更に詳しくは、本発明は、酸素供給源と患者側に配設されるカニューラ等の酸素吸入手段の間に配設される酸素吸入上不可欠な加湿器であって、かつ、取付けやリークなどの不具合により流動・流速が大きく変動する加湿器において、その正常運転を正確に検知することができる安全性の高い医療用酸素吸入装置に関する。
【0003】
更にまた、本発明は、前記した加湿器の不具合の検知に加えて、加湿器と患者側に配設されるカニューラ等の酸素吸入手段の間における加湿酸素の流量の不具合を正確に検知することができる安全性の高い医療用酸素吸入装置に関する。
【0004】
【従来の技術】
慢性呼吸器疾患に対する在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy;HOT) において、その重要なツールとして酸素濃縮装置は広く使用されている。
前記HOTにおいて、酵素供給源としては、酸素ボンベ、液体酸素などを使用するもの、あるいは空気をゼオライトなどの吸着体で窒素(N2) ガスを吸着除去して濃縮酸素(O2) ガスを製造する吸着型酸素濃縮装置を使用するものがある。なお、本発明においては、酸素供給源は前記していずれのものであってもよいことはいうまでもないことである。
【0005】
前記した後者の吸着型酸素濃縮装置は、近年、めざましい改良技術により安定した酸素供給が確保されるとともに、簡便、軽量小型、かつ低騒音性などに優れていることから広く普及している。
【0006】
この種の吸着型酸素濃縮装置の概要は、図3に示されている。以下、ゼオライト等のN2 吸着剤を充填したシーブベッド(吸着筒)を利用し、連続的に高濃度の酸素を製造する吸着型酸素濃縮装置の概要について、図3を参照して説明する。
【0007】
前記した吸着剤であるゼオライトは、アルミナや珪酸を主成分とするものであり、高圧下で空気中の窒素を選択的に吸着し、低圧下で吸着した窒素を放出する性質をもっている。
このため、空気中から高濃度の酸素ガスを製造する方法として、一本の吸着筒のもとでは窒素吸着により酸素分離能が結果的に低下してくるため、二本の吸着筒を使用して高圧と低圧を切替えることにより効率よく窒素を吸着、脱着させながら濃縮酵素を製造する方式が採用されている。
即ち、一本のシーブベッド(吸着筒)が加圧されて窒素を吸着している時は、他のシーブベッドを減圧して所望のパージガス(例えば生成した濃縮酸素ガスの一部)をフラッシュして窒素を放出させるようにし、同様な切替えにより濃縮酸素を効率的に製造する酸素濃縮装置が提案されている。
【0008】
前記したゼオライトを充填したシーブベッド(吸着筒)を使用して加圧と減圧を繰り返し、連続的に高濃度の酸素を取り出す方式は、PSA法(Pressure Swing Adsorption法、圧力変動式吸着法)と呼ばれている。
【0009】
前記したPSA法を組込んだ酸素濃縮装置において、ゼオライト吸着剤を充填した吸着筒は、高圧下で窒素と同時に水分も吸着するため、濃縮酸素はほとんど湿度ゼロに近い状態で製造される。
【0010】
このため、製造される濃縮酸素ガスは乾燥した状態のものとなり、濃縮酸素を利用する患者などに対して好ましくないものである。即ち、乾燥した濃縮酸素は、患者の鼻腔粘膜を乾燥させるなど患者に苦痛を与える。
【0011】
図3は、前記した従来のPSA法(圧力変動式吸着法)を利用した医療用酸素濃縮装置のブロック図(配管系統図)を示すものである。
図示されるように、従来のPSA法(圧力変動式吸着法)を組込んだ酸素濃縮装置(A´)は、大きな構成要件としては、
1´.原料空気(AIR)の前処理部、
2´.二本のシーブベッド(吸着筒)(21´,22´)から成るシーブベッド部、
3´.二本のシーブベッド(吸着筒)のN2吸着(濃縮O2生成)とN2パージ(O2 生成能の回復)を切替える電磁弁部、
4´.製品タンク(濃縮酸素の貯蔵部)
から構成されるものである。
【0012】
前記原料空気(AIR)の前処理部(1´)は、所定の環境相対湿度(RH)をもつ原料空気(11´)を前処理するものであり、吸気フィルタ(12´)、コンプレッサ(13´)、熱交換器(14´)、冷却ファン(15´)、HEPAフィルタ(16´)などで構成される。なお、前記HEPAフィルタは、前記原料空気(AIR)に含まれる塵、細菌等がシーブベッド(吸着筒)部(2´)に進入するのを防ぐためのものである。
【0013】
ゼイライトを充填してなるシーブベッド(吸着筒)部(2´)は、高圧下で空気中の窒素を選択的に吸着させる吸着筒(21´)と低圧下で吸着した窒素を放出させる吸着筒(再生パージタワー)(22´)から構成されている。なお、前記した二つの吸着筒(21´、22´)は、所定時間後に切替えられ、効率よく濃縮酸素を製造することができるものである。
【0014】
前記シーブベッド(2´)の高圧、低圧の切替えは、図示しないコントロール部のコントロール指令のもとで電磁弁部(3´)により行なわれるものである。
図3において、前記シーブベッド部(2´)の配管構成としては、高圧、低圧の切替えに関連して、パージオリフィス(23´)、切圧弁(24´)、逆止弁(25´、25´)などが示されている。
また、図3において、電磁弁部(3´)に付属する配管部(31´)は、再生パージ中の吸着筒(例えば22´)からパージされるN2 ガス用の排気マフラを示す。
【0015】
前記シーブベッド(吸着筒)部(2´)により製造された濃縮酸素は、製品タンク(4´)に貯蔵される。
【0016】
前記のようにして製造された濃縮酸素は、所望の流量、圧力に調整される。次いで、流量と圧力が調整された乾燥状態の濃縮酸素は、精製水中へのバブリングにより加湿する加湿部へ供給され、所望程度に調湿したのち患者へ供給される。
【0017】
前記したように、医療用酸素吸入装置は、酸素供給源から送出する濃縮酸素を流量設定器により所定の流量に設定したのち、加湿器を経てチューブ・カニューラなどの酸素吸入手段により患者に加湿酸素として供給するものである。そして、従来からこの種の医療用酸素吸入装置において、患者に対して適切な量の酸素が供給されているかどうかをチェックするために、種々の方式が提案ないしは採用されている。以下、この点について考察する。
【0018】
(1).酸素供給源から送出する酸素を流量設定器により所定の流量に設定し、これを単に加湿器を経由させて酸素吸入手段により患者に加湿酸素を供給する方式の酸素吸入装置がある。
この方式のものは、加湿器のリーク(漏れ)、加湿器の取付けの不完全さ、加湿器の内部に配設されたフィルターの目詰りなど、あるいは加湿器の下流側に配設されるチューブやカニューラ(酸素吸入手段)のつぶれや閉塞などにより、設定された所定の酸素量が患者に供給されないという欠点がある。
【0019】
(2).特開平9−66107号公報には、酸素供給源から送出する酸素の流量を設定するための流量設定器、及び、加湿器を経由させたあとの加湿酸素の流量を表示する流量計を配設した構造の酸素吸入装置が開示されている。
なお、前記特開平9−66107号公報には、前記流量計に代えて、酸素供給源の近傍部位に一定圧以上の圧力が作用したとき作動する警報器を配設し、下流側の酸素供給回路の異常を監視する構成の酸素吸入装置も開示されている。
【0020】
前記方式のものは、酸素の供給回路中に流量計、具体的にはフロート式流量計を配設するものであり、流量の確認(チェック)を目視により行なうものである。
このため、目視する者(患者、看護婦、医者など)の感覚により流量を確認することとなり、十分な確認手段であるとはいえない。
特に、詳しくは後述するが、近年、患者の酸素吸入量の処方が病状や疾患などにより細分化されており、この面からも流量の確認をフロー式流量計で目視により行なうことは問題である。
【0021】
(3).特開平7−171216号公報には、酸素供給源と加湿器の間に酸素供給源から送出する酸素の流量を設定するため流量設定器を配設するとともに当該流量設定器の前後の差圧(又は流速)を検出し、酸素供給回路中の酸素の流量を感知する方式の酸素吸入装置が開示されている。
【0022】
前記方式のものにおいては、この種の酸素吸入装置において不可欠であり、かつ、酸素の流動・流速に大きな変動をもたらす加湿器の不具合を検出することができないという欠点がある。別言すれば、加湿器において、リークや取付け不完全さに基づく供給酸素量の変動がある場合、前記システムではこれを正しく検出することができないという欠点がある。
【0023】
前記したように、加湿器の不具合を十分に考慮に入れた酸素供給システムの安全性の確立は、次の点からも大切なことである。
即ち、加湿器は、(i) ほぼ毎日のように水の補給や水の変換のために医療用酸素吸入装置に対して着脱されること、(ii)特に装着時において、体力の乏しい患者の力では加湿器の蓋が締めきれずにリークが起こったり、装置本体の加湿器の取付けが不完全になされたりすること、がある。このような場合、酸素供給回路にリークが生じることになる。従って、前記した従来のシステムのように、加湿器サイドの不具合を正確に感知、検出できないものは不十分である。
【0024】
この種の医療用酸素吸入装置において、前記したもの以外に、例えば、以下のような改良型も提案されている。
(4).実開平6−39008号公報には、加湿器の取付けが不完全なときに、警報を発生して操作者などに知らせるようにした医療用酸素濃縮気体供給装置が開示されている。しかしながら、前記のものは加湿器の取付け時の不具合については解消されるが、他の原因による流量異常を検出することができない。
【0025】
(5).特開平10−290836号公報には、加湿器の受器手段と蓋手段の間における酸素のシール洩れを可視化したものが提案されている。しかしながら、このシステムにおいては、加湿器の取付け時の酸素のリークについて注視していれば感知することができるが、注視していないと気がつかないため、使用中にリークが発生した場合には感知できないという欠点がある。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した医療用酸素吸入装置における欠点を解消するために創案されたものである。
本発明は、安全性を高度に維持する手段を組込んだ医療用酸素吸入装置、特にこの種の医療用酸素吸入装置の不可欠な構成要素であり、かつ、不具合時に供給酸素の流量に大きな影響を与える加湿器の不具合を正確に検知することができる安全性の高い医療用酸素吸入装置を提供しようとするものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明を概説すれば、本発明の第一の発明は、酸素供給源からの酸素を使用に供するために流量設定器により所定流量に設定し、次いで加湿器を経由させて酸素吸入手段により加湿酸素を供給する医療用の酸素吸入装置において、前記加湿器の下流側に加湿酸素の流量を検知する流量検出手段を配設したことを特徴とする医療用酸素吸入装置に関する。
【0028】
また、本発明を概説すれば、本発明の第二の発明は、酸素供給源からの酸素を使用するために流量設定器により所定流量に設定し、次いで加湿器を経由させて酸素吸入手段により加湿酸素を供給する医療用の酸素吸入装置において、
(i).前記加湿器の下流側に加湿酸素の流量を検知する流量検出手段を配設し、かつ、
(ii). 前記流量検出手段とカニューラ等の酸素吸入手段の間に圧力検出手段を配設したこと、を特徴とする医療用酸素吸入装置に関する。
【0029】
更に、本発明の前記第一の発明において、流量設定器により検出された加湿酸素の流量と流量検出手段により検出された加湿酸素の流量を比較する第一演算処理部を配設し、酸素供給回路中に供給される加湿酸素の流量が所定の公差を外れているときには、警報機能部に警報信号を送信して警報器を作動させ、一方、所定の公差内であるときには正常状態表示部に正常流動状態を知らせる信号を送信して正常流動を表示させるように構成した医療用酸素吸入装置に関する。
【0030】
更にまた、本発明の前記第二の発明において、前記第一の発明の警報報知機能と正常流動表示機能に加えて、各流量における正常圧力値と圧力検出手段により検出された実測圧力値を比較する第二演算処理部を配設し、前記第一及び/又は第二演算処理部の出力により、正常流動であること、圧力検出手段の上流側に異常があること、または圧力検出手段の下流側に異常があること、を表示または警報させるように構成した医療用酸素吸入装置に関する。
【0031】
以下、本発明の医療用酸素吸入装置の技術的構成について図面を参照して詳しく説明する。
なお、本発明の医療用酸素吸入装置において、例示のものは単なる実施態様であると解すべきであり、本発明の医療用酸素吸入装置はこれら例示のものに限定されないことはいうまでもないことである。
【0032】
まず、この種の医療用酸素吸入装置において、酸素供給量、別言すれば供給酸素の流量を高精度に検出し、コントロールすることが強く求められているという点について説明する。近年、患者の酸素吸入量の処方が、病状や疾患などにより細分化されており、酸素供給量の正確なコントロールが強く求められている。下記の表1は、A〜Cの三患者に対する酸素吸入の処法例を示すものである。
【0033】
【表1】
Figure 0004261669
【0034】
前記したように、医療用酸素吸入装置においては、正確な処方流量、例えば、0.25L/分、0.5L/分、0.75L/分、1.0L/分、1.25L/分、1.5L/分、1.75L/分、……3.0L/分などの処方流量の正確なコントロールが強く求められている。前記した濃縮酸素の供給量のコントロール、別言すれば流量のコントロールの方式としては、前記従来の技術の項で説明したように、フロート式の流量計によるものが知らされている(特開平9−66107号公報参照)。
【0035】
しかしながら、フロート式流量計での流量のチェックは、極めて不満足のものである。この点、測定部位の長さ(流量計の長さ)が約100mm長さで、フルスケールが3L/分のフロート式流量計を用いて実測したときの流量(最小読み取り値/最大読み取り値)を下記の表2に示す。なお、フロート式流量計において、測定部位の長さが長いほど誤差は小さくなる傾向にある。前記した測定部位の長さ(流量計の長さ)が約100mm、フルスケールが3L/分のフロート式流量計の場合、流量が1.0L/分以下の場合、フロートの浮き上がり量が小さいため読み取り精度は小さいものになる。
【0036】
【表2】
Figure 0004261669
【0037】
本発明の医療用酸素吸入装置は、前記したニーズ及び従来技術の限界に鑑み創案されたものである。
以下、本発明の医療用酸素吸入装置の構成について、図面を参照して詳しく説明する。
【0038】
図1は、本発明の第一実施態様の医療用酸素吸入装置(A)の回路図(フローチャート)である。
図1において、参照符号(1)は吸着型酸素濃縮装置などの酸素供給源を示す。また、(2)は減圧弁などの所望の圧力調整手段、(3)は加湿器、(4)は患者(p)サイドに近接した部位に配設されたカニューラや酸素供給チューブなどの酸素吸入手段を示す。なお、本発明の医療用酸素吸入装置(A)において、図示しないが、除菌のためのフィルターなどを所望の部位に配設してもよいことはいうまでもないことである。
【0039】
図1において、参照符号(5)は、前記圧力調整手段(2)と加湿器(3)の間に配設された流量設定器を示す。また、(6)は前記加湿器(3)と酸素吸入手段(4)の間に配設された流量検出手段を示す。更に(X1)は第一演算処理部、(Y1)は第一警報機能部、(Z)は正常状態表示部を示す。
【0040】
本発明において、前記流量設定器(5)としては、例えば圧力調整手段(2)により調整された所定圧力下においてオリフィス(細孔)を選択して流量を設定するタイプのものなどが使用される。そして、図1に示されるように前記流量設定器(5)により設定流量値(a)を設定する。
【0041】
本発明において、前記流量検出手段(6)としては、例えば、層流式流量計、乱流式流量計(ベンチュリー管式またはオリフィス式などがある。)、または、ガスの流量を重さ(質量流量、マスフロー)で検知する質量流量計などが使用される。そして、図1に示されるように前記流量検出手段(6)により実測流量値(b)を実測する。
【0042】
前記のようにして構成した本発明の第一実施態様の医療用酸素吸入装置(A)において、第一演算処理部(X1 )は、流量設定器(5)の設定流量値(a)と流量検出手段()により実測された実測流量値(b)を比較し、流量異常を検出する。そして、第一演算処理部(X1 )は、流量異常(a≠b)のとき、異常流量信号を第一警報機能部(Y1 )に送信し、警報表示を行なったり警報アラームを作動させる。この場合、加湿器(3)にリークや流動抵抗の異常(例えばフィルターの目詰りなど)または酸素吸入手段(4)に異常(例えばカニューラやチューブのつぶれ、閉塞など)があることになり、緊急の対応措置をとる必要がある。 また、第一演算処理部(X1 )は、流量正常(a=b)のとき、正常信号を正常状態表示部(Z)に送信し、正常状態を通報したり表示したりする。
【0043】
図2は、本発明の第二実施態様の医療用酸素吸入装置(A)の回路図(フローチャート)であり、前記図1に対応するものである。
図2に示される第二実施態様の医療用酸素吸入装置(A)は、前記図1の第一実施態様のものと比較して、
(i).流量検出手段(6)とカニューラなどの酸素吸入手段(4)の間に圧力検出手段(7)を配設したこと、
(ii). 圧力調整手段(2)と流量設定器(5)により設定された所定の流量における正常圧力値(c)と前記圧力検出手段(7)により実測される実測圧力値(d)とを比較する第二演算処理部(X2) を配設したこと、
(iii).第一演算処理部(X1)及び第二演算処理部(X2)により出力される信号に基づいて作動する第一〜第三警報機能部(Y1〜Y3)及び正常状態表示部(Z)を配設したこと、
が異なり、他の構成は実質的に同じである。
【0044】
本発明において前記圧力検出手段(7)としては、例えば、半導体圧力センサー、容量変換型圧力センサーなどを使用することができる。
【0045】
図2に示される本発明の第二実施態様の医療用酸素吸入装置(A)は、以下に示す酸素供給系の正常、異常を確実に監視することができる。
(i).第一演算処理部(X1)が正常流量(a=b)を示すとき、正常流量信号を正常状態表示部(Z)に送信し、加湿器(3)の作動が正常で、また酸素吸入手段(4)のカニューラやチューブにつぶれや閉塞がなく酸素供給系の酸素流量が正常であることを表示させる。
また、本発明において、正常圧力値(c)と実測圧力値(d)を比較する第二演算処理部(X2) において、正常圧力値(c=d)のとき、正常圧力信号を正常状態表示部(Z)に送信し、前記正常流量信号とともに酸素供給系の全てが正常状態にあることを表示させてもよい。
本発明において、第一演算処理部(X1)は酸素供給系の正常、異常の判定をするものであり、加湿器(3)のリークやフィルターの閉塞などによる作動不良や酸素吸入手段(4)のカニューラやチューブのつぶれ、閉塞などによる酸素流量の異常を確実に監視するものである。更に、以下に示すように第一の演算処理部(X1)は第二演算処理部(X2)と共働して酸素供給系の異常の箇所を特定し表示することができる。
【0046】
(ii). 第一演算処理部(X1 )が異常流量(a≠b)を示すとき、あるいは、これに加えて第二演算処理部(X2 )が正常圧力値(c=d)を示すとき、第警報機能部( 1 )に警報表示や警報アラームを作動させる。この場合、圧力検出手段(7)より上流側の加湿器(3)側においてリークや流動抵抗の増大があることを示す。
【0047】
(iii).第一演算処理部(X1)が異常流量(a≠b)を示し、かつ、第二演算処理部(X2)が異常圧力値(c≠d)を示すとき、第二警報機能部(Y2)に警報表示や警報アラームを作動させる。この場合、圧力検出手段(7)より下流側のカニューラ等の酸素吸入手段においてリークや流動抵抗の増大があることを示す。
【0048】
(iv). 第二演算処理部(X2)が異常圧力値(c≠d)を示すとき、第三警報機能部(Y3)に警報表示や警報アラームを作動させる。この場合、圧力検出手段(7)より下流側のカニューラやチューブなどの酸素吸入手段(4)において閉塞などの異常が発生していることを示す。
【0049】
【実施例】
図2に示される本発明の第二実施態様の医療用酸素吸入装置(A)を用い、かつ、次ぎの酸素供給条件で実験した。
(i).流量設定器(5)により圧力調整手段(2)との関連において設定流量を、3L(リットル)/分に設定した。
そして、加湿器(3)におけるリーク(洩れ)とフィルターの目詰り(目詰りにより流動抵抗を大きくした状態)の状態、更には、カニューラ(4)に潰れの状態を作り、これら流量低下の要因により患者(p)サイドで吐出流量が2L/分の酸素が供給される状態を作った。
(ii). 前記した酸素の流動異常が設定された酸素供給システムにおいて、流量設定器(5)により3L/分〜0.25L/分(10段階)に流量設定し、各流量設定(10段階)において各部の流量と圧力(圧力計に測定)を測定した。
【0050】
結果を下記の表3に示す。なお、圧力単位は、mmH2Oである。
【0051】
【表3】
Figure 0004261669
【0052】
同様にして、設定流量3L/分に対し吐出流量が1.0L/分になる条件を作ったときの実験結果を、下記の表4に示す。なお、圧力単位は、mmH2Oである。
【0053】
【表4】
Figure 0004261669
【0054】
ここで、前記表3に示される設定流量3L/分、吐出流量2L/分の実験例のデータをベースにして、図2に示される制御系、即ち、X1 〜X2 の演算処理部、Y1 〜Y3 の警報機能部、及びZの正常状態表示部をどのように動作させるかについて、その一例を説明する。なお、以下の説明において、c値とd値の比較において、正常値と異常値の間の閾値(threshold )は、実際の装置により適正値を決定しなければならないが、ここでは0〜200mm 2 の範囲であれば正常値であるとみなして取扱うことにする。前記閾値の設定は、カニューラの潰れ時におけるd値=37.7×102 mmH2 (3770mmH2 O)の値からして妥当なものである。
【0055】
(1).Z(正常状態表示部)の動作の場合:
正常時の各検出側の流量圧力は、次の通りである。a=3.0L/分、b=3.0L/分(従ってa=b)、c=0〜200mmH2O、 d=40mmH2O(従ってc=dとみなし得る)。
この場合、流量、圧力ともに正常とみなし、Z(正常状態表示部)を作動させる。
【0056】
(2)-1.Y1 (第一警報機能部)の動作の場合:
実験としては、加湿器(3)に漏れ(リーク)を発生させた。各検出部の流量、圧力は、次の通りである。
a=3.0L/分、b=2.0L/分(従ってa≠b)、c=0〜200mmH2 O、d=32mmH2 O(従ってc=d)。
この場合、圧力は正常、流量に異常があるとして、Y1 (加湿器の異常警報)を作動させる。
(2)-2.Y1 (第一警報機能部)の動作の場合:
実験としては、加湿器(3)内のフィルターの抵抗を大きくした。各検出部の流量、圧力は、次の通りである。
a=3.0L/分、b=2.0L/分(従ってa≠b)、c=0〜200mmH2 O、d=24mmH2 O(従ってc=d)。
この場合、圧力は正常、流量に異常があるとして、Y1 (加湿器の異常警報)を作動させる。
【0057】
(3).Y2 (第二警報機能部)の動作の場合:
実験としては、カニューラ(4)を潰して流量を低下させた。各検出部の流量、圧力は次の通りである。
a=3.0L/分、b=2.0L/分(従ってa≠b)、c=0〜200mmH2 O、d=37.7×102 mmH2 O(従ってcd)。
この場合、流量及び圧力ともに異常であるとして、Y2 (カニューラ異常警報)を作動させる。
【0058】
(4).Y3(第三警報機能部)の動作の場合:
本発明において、第一演算処理部(X1)が正常流量(a=b)を示し、かつ、第二演算処理部(X2)において異常圧力値(c≠b)を示すとき、例えば、酸素吸入手段(4)のカニューラやチューブにつぶれや閉塞などがあって異常圧力値(c≠b)を示すとき、第三警報機能部(Y3)を作動させてもよい。この場合、圧力検出手段(7)より下流側の酸素吸入手段(4)側に異常があることを警報することになる。
【0059】
【発明の効果】
本発明により、酸素供給回路中の酸素供給量の正常、異常を確実に監視することができるとともに、酸素供給回路中の加湿器などの構成要素のどの部位が異常であるかを正確につきとめることができる高信頼性の医療用濃縮酸素吸入装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施態様の医療用酸素吸入装置の回路図(フローチャート)である。
【図2】 本発明の第二実施態様の医療用酸素吸入装置の回路図(フローチャート)である。
【図3】 圧力変動式吸着法を採用した酸素濃縮装置のブロック図である。
【符号の説明】
A ………… 医療用酸素吸入装置
1 ………… 酸素供給源
2 ………… 圧力調整手段
3 ………… 加湿器
4 ………… 酸素吸入手段
5 ………… 流量設定器
6 ………… 流量検出手段
7 ………… 圧力検出手段
p ………… 患者
1 ………… 第一演算処理部
2 ………… 第二演算処理部
1 ………… 第一警報機能部
2 ………… 第二警報機能部
3 ………… 第三警報機能部
Z ………… 正常状態表示部

Claims (5)

  1. 酸素供給源からの酸素を使用に供するために流量設定器により所定流量に設定し、次いで加湿器を経由させて酸素吸入手段により加湿酸素を供給する医療用の酸素吸入装置において、前記加湿器の下流側に加湿酸素の流量を検知する流量検出手段を配設し、かつ、流量検出手段と酸素吸入手段の間に圧力検出手段を配設し、流量設定器により設定された酸素の流量と流量検出手段により検出された加湿酸素の流量とを比較する第一演算処理部を配設し、更に、酸素供給源から圧力調整手段を経て流量設定により設定された所定流量下での正常圧力値と圧力検出手段により検出された実測圧力値を比較する第二演算処理部を配設し、第一演算処理部及び第二演算処理部の出力により、正常流動であること、圧力検出手段の上流側に異常があること、または圧力検出手段の下流側に異常があることのいずれの状態にあるか、を表示または警報させるように構成したことを特徴とする医療用酸素吸入装置。
  2. 第一演算処理部及び第二演算処理部が、正常状態表示部に正常を知らしめる信号を送信する際は、正常状態の表示を作動させるものである請求項に記載の医療用酸素吸入装置。
  3. 第一演算処理部が異常流量信号を、かつ、第二演算処理部が正常圧力信号を、第一警報機能部に送信する際は、圧力検出手段より上流側の異常を警報させるものである請求項に記載の医療用酸素吸入装置。
  4. 第一演算処理部が異常流量信号を、かつ、第二演算処理部が異常圧力信号を、第二警報機能部に送信する際は、圧力検出手段より下流側の異常を警報させるものである請求項に記載の医療用酸素吸入装置。
  5. 第二演算処理部が異常圧力信号を第三警報機能部に送信する際は、圧力検出手段より下流側の異常を警報させるものである請求項に記載の医療用酸素吸入装置。
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