JP4261375B2 - 押し形の採取方法 - Google Patents

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Description

本発明は、手形、足形、指紋など、人体の一部の形状や模様の押し形を採取する方法と、その方法に用いられる押し形採取セットおよび押し形採取装置に関する。
従来、子供の成長記録として、あるいは有名人が来訪した証として、人間の手形や足形を採取し、押し形として記念に残すことが行われている。また、個人を特定するために、指紋の押し形が用いられることがある。通常、押し形は、手足に墨やインクをつけ、その手足を色紙などに押し付けて採取することが多い。さらに、最近では紙に押された手形や足形をスキャナで読み込み、デジタルデータとして保存、再生することも行われている(たとえば特許文献1参照)。また、指紋の押し形の場合には、そのようにして保存されたデジタルデータが、指紋の照合に利用されることもある。
特開2002−314795号公報
上記従来の方法では、押し形の採取後に手足に残った墨やインクを洗浄する必要があるため、洗浄設備が無い環境では押し形を採取することは難しかった。また、押し形を採取する際、墨やインクで衣服を汚すおそれもあるため、事前に相応の準備が必要であった。
さらに、近年、敏感肌やアレルギー体質の人が増加しており、インクなどに含まれる化学薬品が肌に与える影響が懸念される。特に、乳幼児の手形や足形を採る場合、押し形の採取に用いられるインクなどには高い安全性が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みて、時、場所、体質に制限されることなく手軽に手形、足形、指紋などを採取できるようにすることを目的とする。
また、本発明は、その方法により押し形を採取するための押し形採取セットおよび押し形採取装置を提供することを目的とする。
本発明の方法は、人体の少なくとも一部の形状や模様の押し形を採取する方法である。形状の押し形とは、人体の輪郭を表す押し形で、例えば手形や足形などがある。また、模様の押し形とは、人体の皮膚表面の凹凸を表す押し形で、例えば指紋、手相の押し形などがある。
本発明の方法では、記録媒体の表面構造に起因して生じる特異な光学特性を利用して、押し形を採取する。具体的には、外形サイズ200nm以下の複数の金属微粒子が表層の全面に分布して設けられた記録媒体の表面に、押し形を採取する部分を接触させ、接触している部分の皮膚表面から分泌される分泌物をその記録媒体の表面に付着せしめて押し形を採取する。上記表面構造を有する記録媒体では、分泌物が付着した際にその領域における光の反射特性などが比較的大きく変化するため、分泌物を付着せしめただけで観察者の目に視認可能な押し形を記録することができる。
なお、外形サイズとは粒子の一番大きい部分のサイズを意味し、例えば金属微粒子が球体(楕円体を含む)であればその粒径、金属微粒子が直方体であれば高さや幅などを意味する。
上記記録媒体の表層は、アルミニウムを主成分とする材料を陽極酸化して得られるアルミナの微細孔内に金属微粒子が設けられた層であることが好ましい。アルミニウムやアルミニウム合金を陽極酸化したときに自然に形成される微細孔は高い規則性をもって配列されるため、この微細孔内に金属微粒子を設ければ、金属微粒子もまた高い規則性をもって配列されることになるからである。
また、記録媒体の表面に分泌物を付着せしめた後は、その分泌物の光屈折率と異なる光屈折率を有するコーティング層を、表層の上に形成することが好ましい。分泌物を空気と遮断することにより分泌物が分解されたり、払拭されたりすることを防止し、記録媒体の長期保存を可能にするためである。
あるいは、記録媒体の表面に分泌物を付着せしめた後に、その記録媒体を光学的に読み取って、分泌物の付着状況を表すデジタル画像を生成し、そのデジタル画像を所定のデータ記憶媒体に記憶せしめることにより、採取した押し形をデジタル画像として保存してもよい。
また、本発明の押し形採取セットは、外形サイズ200nm以下の複数の金属微粒子が表層の全面に分布して設けられた記録媒体と、人間の皮膚から分泌される分泌物のいずれの光屈折率とも異なる光屈折率を有する材料からなる、記録媒体の表面に塗布または貼り付け可能なコーティング部材とを含む押し形採取セットである。コーティング部材は、記録媒体に付着している分泌物を空気と遮断した状態で固定することができる部材であれば材料は問わない。シート状の部材が好ましいが、乾燥すると固まる液剤などでもよい。
また、本発明の押し形採取装置は、外形サイズ200nm以下の複数の金属微粒子が表層の全面に分布して設けられた記録媒体と、その記録媒体を光学的に読み取って、記録媒体への物質の付着状況を表すデジタル画像を生成する画像生成手段と、その画像生成手段により生成されたデジタル画像を所定のデータ記憶媒体に記憶せしめるデータ保存手段とを備えた押し形採取装置である。
本発明の押し形採取方法は、記録媒体の表面構造に起因して生じる特異な光学特性を利用して記録媒体上に押し形を記録するため、墨、インクなどを用いる必要がない。このため、洗浄設備の有無や、服装、体質に拘わらず、手軽に押し形を採取することができる。また、付着せしめた分泌物を除去すれば記録媒体を再利用することができるので、採り直しも容易である。
本発明の押し形採取セットは、上記方法に用いられる記録媒体と、押し形採取後の記録媒体をコーティングするための部材とをセットで提供するものなので、押し形の採取後、直ちに記録媒体にコーティングを施すことができ、採取した押し形を最適な状態で保存することができる。
本発明の押し形採取装置は、上記方法により採取した押し形を光学的に読み取り、その押し形をデジタル画像として保存するため、押し形採取後に分泌物を除去すれば記録媒体を再利用できる。また、採取した押し形は、デジタル画像として加工、再生することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態において、押し形の採取に用いられる記録媒体の層構造の概略を表す図である。図に示すように、記録媒体1は、アルミニウム基板2と、アルミニウム基板2を陽極酸化して得られるアルミナ層3と、アルミナ層3の表面の微細孔4内に設けられた金微粒子5とからなる。記録媒体1の大きさは、採取する押し形の種類に応じて任意の大きさとすることができ、図は記録媒体1の一部のみを表している。
図2は、図1の層構造の断面を表す図である。本実施の形態では、微細孔4の深さおよび孔径は200nmであり、微細孔内の金微粒子5の粒径は200nmより小さい。微細孔4の配置される間隔は、200nm程度である。
アルミナ層3は多孔性の酸化被膜であり、アルミニウム基板2を酸性電解液中で陽極酸化することにより形成される。アルミニウム基板2の表面を陽極酸化するには、まずアルミニウム基板2を陽極酸化装置に付属するホルダに固定した状態で対向電極とともに反応容器内の電解液中に配置する。電解液は、例えばシュウ酸、燐酸、硫酸、クロム酸などの酸性電解液とする。あるいは、電解液は、2種類以上の酸性溶液を混合したものであってもよい。
次に、アルミニウム基板2と対向電極の間に電圧を印加する。電圧を印加するときは、アルミニウム基板2を電源のプラス側に、対向電極を電源のマイナス側に接続する。電圧を印加すると、まずアルミニウム基板2の表面に酸化被膜が形成され、その酸化被膜の表面に酸による溶解作用で微小な孔が形成される。
この中のいくつかの孔は、陽極酸化が進行すると優先的に成長し、ほぼ等間隔に配列される。孔が形成された部分は、他の部分よりも高い電場が加わるため溶解が促進され、アルミニウムの表面に対して垂直な方向に孔が成長する。一方で、孔の周辺は溶解されずに残ることになる。
孔径、深さあるいは間隔は、陽極酸化の条件(例えば陽極酸化に用いる電解液の濃度や温度、電圧の印加方法、電圧値、時間など)によって変化する。通常、微細孔の周期は10〜500nmで、また微細孔の孔径は5〜400nmの範囲で正確に制御することができる。よって、適切な条件を設定することにより、図2に示した層構造が得られる。
アルミナ層3の微細孔4は高い規則性をもって配列されているため、アルミナ層3の微細孔4の中に金微粒子5を設ければ、金微粒子5の規則的な配列を得ることができる。
金微粒子5を微細孔4の中に設けるには、まず微細孔4が形成されている面から金を蒸着する。その後、微細孔4周辺に蒸着された金を除去することにより、微細孔4に充填された金を孤立させる。あるいは、蒸着に代えて、電解メッキにより金を微細孔に充填してもよい。
次に、以上に説明した記録媒体1を用いて押し形を採取する手順について説明する。以下、手形を採取する場合を例にあげて説明する。
手形を採取するには、まず、手よりも大きい表面積を有する記録媒体1を用意する。次に、その記録媒体1の表面、すなわち上記金微粒子5が配列されている面に、手を押し付けるように接触させる。
この際、手は、乾燥した状態ではなく、汗や皮脂が分泌された状態であることが好ましい。手が乾燥している場合には、予め、身体の他の部分から分泌された皮脂や汗あるいは唾液をつけておくとよい。これにより、図3に示すように、手が押し付けられた領域6に、皮脂などの分泌物7が付着することとなる。
発明者は、上記記録媒体1を用いて上記手順により押し形を採取した場合に、他の媒体(例えばガラスなど)に手の皮脂などを付着させた場合よりもコントラストが大きく、鮮明な押し形が得られることを確認している。他の媒体よりもコントラストが大きくなるのは、記録媒体1の表面構造に起因する特異な光学特性によって、記録媒体1表面の反射光の波長や強度が大きく変化するためと考えられる。
特異な光学特性としては、例えば局在プラズモン共鳴現象が考えられる。局在プラズモン共鳴現象は、光の波長よりも小さい金属微粒子に光が照射された場合に、金属微粒子内の自由電子が光の電場に共鳴して振動を始める現象である。電子が振動を始めると、すなわち局在プラズモン共鳴が誘起されると、金属微粒子周辺に強い電場が生じ、特定の波長(以下、共鳴波長という)における散乱や吸収が増大する。共鳴波長は金属微粒子の周辺にある物質の屈折率に依存するため、周辺に何らかの物質が存在する場合と存在しない場合とでは、異なる反射特性が得られる。周辺の物質の屈折率が大きいほど、共鳴波長は長波長側にシフトし、光の散乱や吸収は増大する。
図4は、図3の手が押し付けられた領域6と、それ以外の領域との境界部分の断面を表す図である。図に示すように、領域6では記録媒体の表面に皮脂などの分泌物7が付着している。このため、金微粒子5の周辺(上部)の屈折率は、空気の屈折率n0よりも大きい屈折率n1となる。具体的には、空気の屈折率n0=1に対し、汗や皮脂の屈折率n1=1.45〜1.47程度である。
図5は、金微粒子5に光を照射した場合の光の反射特性を、横軸を光の波長、縦軸を反射光強度として表したグラフであり、破線は付着物がない領域の反射特性を、実線は付着物がある領域の反射特性を表している。グラフに示すように、付着物がない領域の共鳴波長λ1と、付着物がある領域の共鳴波長λ2は異なる。付着物が汗や皮脂の場合、λ1とλ2の差は、150nm前後となる。また、付着物がある領域の反射光強度は付着物がない領域よりも小さくなる。
実際には、人間の手には隆起した部分と窪んだ部分があるため、分泌物の付着状況は必ずしも一様にはならず、分泌物が厚く付着する部分や、ほとんど付着しない部分が生ずる。反射光強度は付着物の厚みによっても変化し、分泌物が厚く付着した部分ほど反射光強度は小さくなる。
分泌物が付着している領域と付着していない領域とで吸収される光の波長が異なれば、人間の目には、付着物がある領域と付着物が無い領域の色が異なって見えることになる。前述のように分泌物が付着していないときと付着したときとで共鳴波長は150nmも変化するので、明確な色の変化が観察されることになる。また、分泌物が厚く付着している領域と薄く付着している領域とで反射光の強度が異なれば、皮膚表面の凹凸もまた色の濃淡として、記録媒体上で区別できることになる。
このように、手などを接触させて皮膚表面から分泌される分泌物を付着させただけで、比較的コントラストが大きく鮮明な押し形が得られるのは、記録媒体の表面構造が局在プラズモン共鳴を誘起し得る構造であるためと考えられる。
特に、金属微粒子の大きさが200nm以下のときには鮮明な押し形が得られる。上記図2に例示した記録媒体1に限らず、前記の大きさの複数の金微粒子が表層の全面に分布して設けられた記録媒体の表面に手の皮脂などを付着させれば、同様に鮮明な押し形を得ることができる。
なお、記録媒体の層構造は、図6に示すように、表面の微細孔以外の部分に金薄膜9を形成した構造としてもよい。金薄膜9は、金の蒸着により形成することができる。この際、金薄膜9と金微粒子5との距離は、金微粒子5の粒径以下となるようにすることが好ましい。すなわち、金微粒子5の上端と金薄膜9の下端との距離が金微粒子5の粒径以下となるようにする。アルミニウム基板2を陽極酸化することにより微細孔を形成する場合には、陽極酸化の条件を制御することにより、微細孔の深さを自由に調整できるので、陽極酸化を行う段階で、金薄膜9と金微粒子5との距離が金微粒子5の粒径以下となるように微細孔の深さを設定すれば上記層構造の記録媒体8を作製することができる。
図6に示す層構造では、金微粒子5に光が照射された際に生じる近接場光が金薄膜9と相互作用し、電気多重極子による吸収スペクトルが発生する。局在プラズモン共鳴と電気多重極子との相乗効果により、金微粒子周辺の媒質の屈折率の変化に対する反射光の変化がさらに鋭敏になり、記録媒体上により鮮明な押し形を採取できるものと考えられる。
また、局在プラズモン現象は、金属微粒子が表層の全面に分布するように複数設けられた記録媒体であれば、その金属微粒子が金の場合に限らず起こり得る。したがって、微細孔に充填する金属、あるいは表面に蒸着する金属は、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)など、金以外の金属の場合でも、同様に視認可能な押し形を採取できるものと考えられる。金は、比較的低い温度下での蒸着が可能なので記録媒体の作製が容易であり、耐食性にも優れるので押し形の長期保存に適している。銀は、酸化しやすいという欠点はあるものの、コントラストという点では金よりも優れている。また、銅やアルミニウムは金、銀よりも安価であるため、記録媒体の製造コストを抑えることができる。このように、各金属にはそれぞれ特徴があるため、金属微粒子の材料は、目的に応じて選択するのがよい。
また、上記実施の形態では、陽極酸化処理により形成された微細孔に金属を充填することにより金属微粒子の規則的な配列を形成しているが、押し形の採取に用いる記録媒体は、他の方法によっても作製可能である。例えば、基板上に電子線露光技術などの半導体加工技術を用いて微細孔を形成し、その中に金属を充填してもよい。あるいは、微粒子が凝集しやすいという難点はあるものの、記録媒体表面を金属コロイド溶液に浸して金属微粒子を表面に固定する方法によっても作製できる。
すなわち、本発明の押し形採取方法に用いる記録媒体は、外形サイズ200nm以下の金属微粒子が、表層の全面にわたって分布している構造であれば、どのような方法で作製されたものであってもよい。但し、採取される押し形の品質という点では、陽極酸化により形成されるアルミナの微細孔の規則性を利用して金属微粒子を規則的に配列する方法で作製することが最も好ましい。
さらに、本発明の押し形採取方法に用いる記録媒体は、表層の構造が前述のような構造であればよく、記録媒体本体の形状は特に限定されない。よって、上記実施の形態ではシート形状の記録媒体を例示したが、押し形の採取に用いる記録媒体は、例えば球体の表面に金属微粒子の配列を形成した球体の記録媒体でもよいし、箱型の基体の各表面に金属微粒子を配列した箱形の記録媒体でもよい。
なお、手の皮脂などが記録媒体に付着した際に反射光の吸収波長や強度が変化する要因としては、局在プラズモン現象以外に光の干渉効果も考えられる。付着物の影響で2以上の方向に反射された光同士が干渉しあって特定波長の光が打ち消された場合、観察者の目には色の変化が観察されるはずだからである。発明者は、干渉により打ち消される波長と局在プラズモンの共鳴波長が一致あるいは重なりあうように記録媒体の表面構造を決定すれば、一方の現象を利用する場合に比べて、さらにコントラストを向上させることができると考えている。
次に、採取した押し形の保存方法について説明する。記録媒体に付着させた分泌物は、時間の経過とともに分解したり、他の物体との接触により払拭されてしまう可能性がある。このため、押し形の採取後は、記録媒体の表面にコーティングを施すことが望ましい。具体的には、例えばシート状のコーティング部材を記録媒体に貼り付けたり、液状のコーティング部材を塗布して乾燥させることにより記録媒体表面にコーティング層を形成するとよい。
この際、コーティング部材は、分泌物の分解や払拭を防止でき、かつ、記録媒体に付着している皮脂、汗などの分泌物と異なる光屈折率を有する部材とする。但し、これらの条件を満たす部材であれば、材質は特に限定されない。
具体的には、透明プラスチックフィルムをコーティング部材として用いることができる。上記条件を満たす透明プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート製の透明フィルム(屈折率1.65)や、ポリカーボネート製の透明フィルム(屈折率1.55)がある。また、コーティング部材は、光学ガラスでもよい。上記条件を満たす光学ガラスとしては、例えば、SF−13(屈折率1.73〜1.75)やBaK4(屈折率1.56〜1.57)がある。
コーティングを施すことにより、押し形採取後の記録媒体の運搬、保存が容易になる。特にコーティング部材を透明プラスチックフィルムの場合、記録媒体は軽量かつ取り扱いが容易なものとなる。
また、押し形を保存する他の方法としては、採取後に、記録媒体を光学的に読み取って、分泌物の付着状況を表すデジタル画像を生成する方法がある。押し形の読み取りは、例えば、押し形採取後の記録媒体に光を照射し、反射光をCCD(Charge Coupled Device)で電気信号に変換することによって画素ごとのデジタルデータを取得し、画像データを生成すればよい。なお、上記方法により記録媒体上に採取された押し形は、従来の墨やインクを用いて採取された押し形と異なり、複数の色を含んでいるので、画像データとして保管する際には、カラー画像として保管することが望ましい。
次に、図7を参照して、本発明の押し形採取セットの実施の形態について説明する。本実施の形態における押し形採取セットは、図に示すように、押し形採取シート10とコーティングシート12からなる。押し形採取シート10は、色紙、プラスチック板などの部材に、図2に示した層構造を有する記録媒体1(あるいは図6に示した層構造を有する記録媒体8)を貼り付けたものである。記録媒体のサイズは、押し形採取シート10よりも小さめであり、押し形採取シート10の余白領域11に、押し形の採取日や、サインなどを記録できるようになっている。
コーティングシート12は、採取された押し形を保護するためのシートであり、前述のようなコーティング部材からなる。記録媒体1に手などを押し付けて押し形を採取した後、記録媒体1を覆うように(図の点線で示す領域13に)コーティングシート12を貼り付ければ、記録媒体1上に付着した分泌物は外部と遮断され、採取された押し形を良好な状態で保存される。コーティングシート12は、予めその端部を押し形採取シート10に貼り付けた状態で提供し、押し形採取後に全体を貼り付けられるようにしてもよい。
本実施の形態の押し形採取セットは、手軽に持ち歩くことができ、また押し形を採取する際に特別な道具を必要としない。さらには、採取した押し形を直ちにコーティングし、最適な状態に保つことができる。
次に、図8を参照して、本発明の押し形採取装置の実施の形態について説明する。本実施の形態における押し形採取装置14は、図に示すように、前述の記録媒体1(あるいは記録媒体8)と、記録媒体1からの反射光を受光して電気信号に変換し画像データを生成する読取ユニット16と、読取ユニット16により生成された画像データに対し所定の画像処理を施す画像処理ユニット17と、画像処理ユニット17により処理された画像データを記憶するメモリ19と、画像処理ユニット17により処理された画像データあるいはメモリ19に記憶されている画像データをディスプレイ20に出力したり、CD−ROM21などの情報記録媒体に記録する機能を提供する出力制御ユニット18を備える。
読取ユニット16は、例えばCCDカメラとすることができる。画像処理ユニット17、出力制御ユニット18およびメモリ19は、汎用パソコンに、CCDカメラの制御プログラムおよび画像処理プログラムを組み込むことにより実現できる。
押し形採取装置14により押し形を採取する場合には、まず記録媒体1上に手などを押し付けて押し形を採取し、読み取りユニット16および画像処理ユニット17により記録媒体への物質の付着状況を表すデジタル画像を生成する。生成されたデジタル画像は、一時メモリ19に記憶される。すなわち、読み取りユニット16、画像処理ユニット17およびメモリ19が画像生成手段として機能する。
メモリ19に記憶されたデジタル画像は、出力制御ユニット18の機能によりディスプレイ20の画面に表示することができる。画面での確認により、生成された画像に不備があることがわかった場合には、記録媒体1に付着している分泌物を除去した後に、押し形の採り直しを行う。最終的に適切な画像が得られた段階で、出力制御ユニット18は、メモリ19から読み出したデジタル画像を、CD−ROM21などの持ち運び可能なメディア、あるいは図示されないハードディスクに記録する。すなわち、出力制御ユニット18が、データ保存手段として機能する。
本実施の形態における押し形採取装置を用いれば、採取した押し形をデジタル画像として保存し、利用することが可能になる。また、所望の画質のデジタル画像が得られるまで何度でも押し形を採り直すことができるので、常に高品質の押し形を採取することができる。
本発明の一実施の形態において、押し形の採取に用いられる記録媒体の層構造の概略を表す図 図1の層構造の断面を表す図 分泌物が付着した記録媒体を表す図 分泌物が付着した記録媒体の断面を表す図 局在プラズモン共鳴現象による反射光強度特性を示すグラフ 記録媒体の他の層構造の断面を表す図 本発明の一実施の形態における押し形採取セットを表す図 本発明の一実施の形態における押し形採取装置を表す図
符号の説明
1,8 記録媒体
2 アルミニウム基板
3 アルミナ層
4 微細孔
5 金微粒子
6 皮脂付着領域
7 分泌物
9 金薄膜
10 押し形採取シート
12 コーティングシート
14 押し形採取装置

Claims (4)

  1. 人体の少なくとも一部の形状および/または模様の押し形を採取する方法であって、
    外形サイズ200nm以下の複数の金属微粒子が表層の全面に分布して設けられた記録媒体の表面に、押し形を採取する部分を接触させ、
    接触している部分の皮膚表面から分泌される分泌物を前記記録媒体の表面に付着せしめることにより前記部分の形状および/または模様の押し形を採取する押し形採取方法。
  2. 前記記録媒体の前記表層が、アルミニウムを主成分とする材料からなる層を陽極酸化することにより得られるアルミナの微細孔内に前記金属微粒子が設けられた層であることを特徴とする請求項1記載の押し形採取方法。
  3. 前記記録媒体の表面に前記分泌物を付着せしめた後、前記分泌物の光屈折率と異なる光屈折率を有するコーティング層を前記表層の上に形成することを特徴とする請求項1または2記載の押し形採取方法。
  4. 前記記録媒体の表面に前記分泌物を付着せしめた後、前記記録媒体を光学的に読み取って、前記分泌物の付着状況を表すデジタル画像を生成し、該デジタル画像を所定のデータ記憶媒体に記憶せしめることを特徴とする請求項1または2記載の押し形採取方法。
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