JP4260837B2 - 波形生成装置、音源用シンセサイザ - Google Patents

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Description

本発明は、波形メモリに記憶されている波形データを読み出して所定の波形を生成する波形生成装置、およびそれを用いた音源用シンセサイザに関するものである。
一般に、音源用シンセサイザは、楽器の音をサンプリングして得られる波形データを記憶した波形メモリを備え、この波形メモリから読み出した波形データに対して所定の処理を行い、楽音を出力するように構成されている。波形データはデジタル値で表現されるが、波をデジタル表現する変調方式として代表的なものにPCM(Pulse Code Modulation)方式がある。PCM方式では、それぞれの時刻における波の高さが数値で表現される。このようなデジタル値で表現された波は、数学的手法によって波長の変換が可能である。波長変換は、楽音のピッチを上げたり下げたりする場合に必要となる処理である。
図3は、PCM方式により変調された波形を示す図であり、S1は波形メモリに記憶されているPCM波形、S2はS1を波長変換した場合のPCM波形である。S1の波長λに対して、S2の波長はλ×n(n倍)に変換されている。なお、ここでは便宜上、PCM波形S1,S2を連続波として描いてあるが、実際のPCM波形S1,S2はもちろん連続波ではなく、所定時間間隔でサンプリングされた離散的な信号となる。
図4は、上述したような波長変換を行う場合の代表的な手法を説明する原理図である。波形S1において黒丸で示したP1,P2,P3,…は、波形メモリに実際に記憶されているPCM波形のサンプル値(=k1,k2,k3,…)である。これらの各サンプル値P1,P2,P3,…は、サンプリング時刻t1,t2,t3,…において読み出され、PCM波形S1が生成される。なお、便宜上サンプリング時間間隔Δtは、実際よりも粗くしてある。
このPCM波形S1に基づいて、波長がn倍のPCM波形S2を生成するには、サンプリング時間間隔をΔt/nにして、各サンプリング時刻(読み出し点)における波形S1のサンプル値を読み出す。ここでは、簡単のためにn=2、すなわち波形S1の波長を2倍に伸張して波形S2を生成する場合を例にとる。この場合、波形S2のある時刻(読み出し点)でのサンプル値は、当該時刻の1/2の時刻(読み出し点)での波形S1のサンプル値が採用される。このため、時刻t2,t4,t6,…については、これらの時刻の1/2に相当する時刻はt1,t2,t3,…であるから、波形S2のサンプル値は、波形メモリに記憶されている波形S1のサンプル値P1,P2,P3,…から容易に取得することができる。すなわち、サンプル値P1,P2,P3,…の波形メモリ上のアドレスを1、2、3、…とした場合、時刻t2における波形S2のサンプル値Q1としてアドレス1のサンプル値P1を採用し(Q1=P1=k1)、時刻t4における波形S2のサンプル値Q2としてアドレス2のサンプル値P2を採用し(Q2=P2=k2)、時刻t6における波形S2のサンプル値Q3としてアドレス3のサンプル値P3を採用し(Q3=P3=k3)、以下同様の処理を行えばよい。
しかしながら、時刻t1,t3,t5,…については、これらの時刻の1/2に相当する時刻における波形S1のサンプル値が波形メモリに存在しない。このことは、これらのサンプル値の読み出し点に対応するアドレスが小数を含むことを意味する。例えば、上記のようにサンプル値P1,P2,P3,…のアドレスを1、2、3、…とした場合、t1,t3,t5,…の1/2の時刻に相当する読み出し点に対応するアドレスは、0.5、1.5、2.5、…となる。PCM波形の波の高さは連続値ではなく、サンプリングごとの離散値であるため、上記のようにアドレスが整数でない読み出し点に対して、小数部を切り捨てると、時刻t1,t3,t5,…における波形S2のサンプル値(白丸)が取得されず、サンプル総数が少なくなって波形S2の誤差が大きくなる。そこで、この白丸のサンプル値を取得するためには、波形S1について補間処理が必要となる。
図5は、補間処理を説明する図である。波形S1のP1’、P2’、P3’、…は、補間により得られたサンプル値であって、それぞれ、時刻t1,t3,t5,…の1/2の時刻に相当する時刻t1’,t2’,t3’,…における補間サンプル値を表している。例えば、サンプル値P2’は、サンプル値P1とサンプル値P2に基づいて数学的演算(後述)によって求められ、サンプル値P3’は、サンプル値P2とサンプル値P3に基づいて数学的演算によって求められる。このような補間処理を行うことで、時刻t1,t3,t5,…における波形S2のサンプル値Q1’、Q2’、Q3’、…を取得することができる。例えば、時刻t3において波形S2のサンプル値Q2’を取得するには、時刻t3の1/2の時刻に相当する時刻t2’
における補間サンプル値P2’を採用すればよい。また、時刻t5において波形S2のサンプル値Q3’を取得するには、時刻t5の1/2の時刻に相当する時刻t3’
における補間サンプル値P3’を採用すればよい。後掲の特許文献1には、このような補間処理の機能を備えた楽音生成装置が記載されている。
補間処理には種々の手法があるが、最も単純なものは2点直線補間である。図6を参照して、2点直線補間の原理を説明する。図6において、aはあるサンプリング時刻に対応するアドレスのサンプル値、bは次のサンプリング時刻に対応するアドレスのサンプル値、wはサンプリング時間間隔である。ab間を直線で近似し、この直線上にある補間点(白丸)における波の高さ(補間値)をcとし、補間点のアドレスの小数部をpとする。pは、時間軸上でみると、サンプル値aの読み出し時点からの時間的ずれであり、位相を表しているとも言える。図6のa,b,cは、図5の例えばP1,P2,P2’に相当し、wは図5のΔtに相当し、pは図5のΔt/2に相当している。
いま、図6でb−a=hと置くと、三角形の定理から、x:h=p:wであるから、
x=hp/w
また、c=a+xであるから、xに上記値を代入すると、
c=a+hp/w …(1)
が得られる。このcの値が、2点直線補間によって得られた波の高さとなる。
特開2003−233378号公報(段落0055−0057、図6)
上述したような2点直線補間を行うには、式(1)の演算を行う演算回路を用意すればよい。しかしながら、式(1)から明らかなように、この演算を行うにあたっては乗算処理が必要となる。wが2の冪乗であれば、除算についてはシフト処理で代替できるが、一般にデジタル回路では、乗算処理にかかるコストは大きく、高速の乗算回路は、加算器等の演算回路と比較してかなり大規模な回路になるのが普通である。それゆえ、PCM波形に対して、2点直線補間の演算を従来通りの方法で高速に行おうとすると、大きなコストを負担しなければならない。
本発明は、上述した問題点に鑑み、高価な乗算回路を必要とせずに、簡単な回路で2点直線補間の演算を高速に行える波形生成装置を提供することを目的とする。
本発明では、波形メモリに記憶されている波形データを読み出して所定の波形を生成する波形生成装置において、波形データに基づき波長の変換された波形を生成する際に、当該波形データに対して2点直線補間処理を行う補間手段を備え、波形データを読み出す場合のサンプリング時間間隔をw、あるサンプリング時刻に対応するアドレスのサンプル値をa、次のサンプリング時刻に対応するアドレスのサンプル値をb、aとbの間の補間点における波の高さをc、補間点のアドレスの小数部をpとしたとき、補間手段は、h=b−aを算出する第1の演算手段と、この第1の演算手段で算出されたhの値に基づいてx=hp/wを算出する第2の演算手段と、この第2の演算手段で算出されたxの値に基づいてc=a+xを算出する第3の演算手段とを備える。そして、第2の演算手段は、pの値に対して1ビット変換を行う1ビットΔΣ変調器と、この1ビットΔΣ変調器の出力にhの値を乗じる乗算器とから構成されている。
本発明においては、乗算処理を行う回路に1ビットΔΣ変調器を用い、入力値に対して1ビット変換を行うようにしているので、1ビットΔΣ変調器からの出力は1と−1の2種類となる。このため、m倍の乗算を行う乗算器での乗算結果はmと−mの2通りしかない。したがって、乗算回路を単純な回路で構成して高速演算を行うことができ、従来の補間処理と比較して、コストを大幅に低減することが可能になる。
本発明では、上記のように第2の演算手段を、pの値に対して1ビット変換を行う1ビットΔΣ変調器と、この1ビットΔΣ変調器の出力にhの値を乗じる乗算器とから構成する代わりに、hの値に対して1ビット変換を行う1ビットΔΣ変調器と、この1ビットΔΣ変調器の出力にpの値を乗じる乗算器とから構成しても、同じ演算結果が得られる。この場合も、乗算回路を単純な回路で構成して高速演算を行うことができ、従来の補間処理と比較して、コストを大幅に低減することが可能になる。
1ビットΔΣ変調器は、フィードバックゲインをτに設定すると、出力値の時間平均が入力値の時間平均の1/τ倍になることが知られている。したがって、フィードバックゲインをwに設定することで、1ビットΔΣ変調器にpの値を入力したとき、出力値の時間平均としてp/wが得られる。また、1ビットΔΣ変調器にhの値を入力したときは、出力値の時間平均としてh/wが得られる。なお、1ビットΔΣ変調器のオーバーフローを防ぐため、フィードバックゲインをwの整数倍に設定し、変調後の出力に対して整数倍の乗算処理を行うようにしてもよい。
本発明に係る音源用シンセサイザは、上述した波形生成装置と、この波形生成装置で生成された音の波形に対して、所定の信号処理を行って音を出力する信号処理部とを備える。取り扱う音としては、楽音に限らず、人の声や擬似音など、あらゆる音を対象とすることができる。
本発明によれば、1ビットΔΣ変調器を用いることによって、高価な乗算回路を必要とせずに簡単な回路で2点直線補間の演算を高速に行うことが可能となり、コストを大幅に低減することができる。
図1は、本発明の実施形態による音源用シンセサイザの全体構成を示すブロック図である。1は、楽音の波形データを記憶した波形メモリであって、従来と同様にPCM波をサンプリングして得られた波形データが、アドレスに対応して記憶されている。2は、波形メモリ1から読み出された波形データに対し、波長変換のための補間処理(2点直線補間)を行う補間処理部であって、本発明における補間手段の一実施形態を構成する。補間処理部2の詳細については後述する。これらの波形メモリ1および補間処理部2により、波形生成装置100が構成される。
3は、デジタルフィルタから構成される時変フィルタ部であって、波形生成装置100から与えられる楽音信号に対して、カットオフ周波数を時間的に変化させてフィルタリングを行うことにより、音色を制御する。4は、アッテネータから構成される時変増幅部であって、時変フィルタ部3の出力に対してゲイン(増幅率)を時間的に変化させて減衰処理を行い、最終的な音量を決定する。5は、時変増幅部4の出力に対してミキシング処理を行うミキサであって、複数の楽音を合成して出力する。6はアナログ・ローパスフィルタであって、ミキサ5の出力から信号成分を取り出してアナログの楽音信号を出力する。7は、スピーカ等からなるオーディオ出力部であって、アナログ・ローパスフィルタ6で得られた楽音信号に基づき楽音を出力する。以上の時変フィルタ部3、時変増幅部4、ミキサ5、アナログ・ローパスフィルタ6およびオーディオ出力部7は、本発明における信号処理部の一実施形態を構成する。
図2は、図1の補間処理部2の具体的構成を示すブロック図である。補間処理部2では、前述した式(1)の演算が行われる。入力値としてはa、b、pの3つがある。これらの各値は、図6で説明したa、b、pと同じものである。40はh=b−aを算出する加算器、41はpの値に対して1ビット変換を行ってp/wを出力する1ビットΔΣ変調器、42は加算器40から出力されるhの値と、1ビットΔΣ変調器41から出力されるp/wの値とを乗算する乗算器、43は乗算器42から出力されるhp/wの値にaの値を加算する加算器である。加算器43からは、(1)式に従う
c=a+hp/w
が補間値として出力される。
以上において、加算器40は、本発明における第1の演算手段の一実施形態を構成し、1ビットΔΣ変調器41および乗算器42は、本発明における第2の演算手段の一実施形態を構成し、加算器43は、本発明における第3の演算手段の一実施形態を構成する。
入力値a、bは、PCM波形のサンプル値であって、前述したように、aはあるサンプリング時刻におけるサンプル値、bは次のサンプリング時刻におけるサンプル値である。これらの値は、波形メモリ1から取得される。実際には、波形メモリ1から読み出した1つのサンプル値を2つに分岐させ、一方は、そのまま補間処理部2にサンプル値bとして入力する(このとき、サンプル値aとしては、1つ前に読み出したサンプル値が入力される)。もう一方は、遅延素子を通して1サンプリング期間だけ遅延させ、次のサンプリング時点で新たなサンプル値aとして補間処理部2に入力する。
入力値pは、前述したように、2点直線補間処理における補間点のアドレスの小数部であって、サンプル値aからの位相を表している。pの値は、波長変換の倍数nに応じて、1/nにより決まる。例えば、図5のようにn=2である場合は、p=0.5となる。算出されたpの値は、複数ビットで表現されたデータとして、記憶素子内のレジスタに保持される。そして、サンプリングごとにレジスタから読み出されたpの値は、補間処理部2の1ビットΔΣ変調器41に入力され、1ビット表現のデータに変換される。
図5のQ1’,Q2’,Q3’,…のように、計算で求めた補間値P1’,P2’,P3’,…からデータを取得する場合(アドレスが整数でない場合)は、小数部pとサンプル値a、bとに基づき、補間処理部2で式(1)の演算が行われ、2点直線補間された補間値cが補間処理部2から出力される。また、図5のQ1,Q2,Q3,…のように、波形メモリに記憶されたサンプル値P1,P2,P3,…から直接データを取得する場合(アドレスが整数の場合)は、小数部pが0なので、1ビットΔΣ変調器41の出力は0、従って乗算器42の出力も0となり、補間処理部2からは波形メモリ1から読み出したサンプル値aがそのまま出力される。こうして、図2のブロック図に沿って補間処理部2の回路を構成し、a、b、pの値を適宜入力してゆくことにより、補間処理部2からは、図5のS2のような波長変換されたPCM波形が出力される。
なお、図3〜図5では、波長を伸張する(音のピッチを下げる)場合について述べたが、波長を縮小する(音のピッチを上げる)場合も、同様の原理に基づき補間処理を行うことができる。
図7は、1ビットΔΣ変調器41の具体的構成を示すブロック図である。50,51は加算器、52は遅延回路、53は量子化器、54はフィードバックゲインがwに設定されている乗算器である。遅延回路52は、入力される信号を1サンプリング期間だけ保持し、次のサンプリングで、保持した信号を出力する。加算器51と遅延回路52は積分器55を構成する。量子化器53は、入力信号uがu≧0であれば、出力信号yとしてy=1を出力し、入力信号uがu<0であれば、出力信号yとしてy=−1を出力する。したがって、1ビットΔΣ変調器41の出力は、1か−1の2通りとなる。
ところで、ΔΣ変調器の場合、フィードバックゲインをτに設定すると、出力値の時間平均が入力値の時間平均の1/τ倍になることが知られている。したがって、乗算器54のフィードバックゲインをwに設定すれば、1ビットΔΣ変調器41にpの値を入力したとき、出力値の時間平均はp/wとなる。このp/wの値は1ビットで表現される。なお、1ビットΔΣ変調器41のオーバーフローを防ぐため、フィードバックゲインを例えば2wに設定し、1ビットΔΣ変調器41で変調した後の出力に、2h(=2×(b−a))を乗じるようにしてもよい。 また、入力がないにも拘わらず出力がゼロとならずに延々と続くリミットサイクルの現象を防止するため、積分器55の直前において、1の補数の切り捨て処理(値が負の場合は1を加算)を行うようにしてもよい。
このように、本実施形態においては、hp/wの乗算処理を行う回路に1ビットΔΣ変調器41を用い、入力値pに対して1ビット変換を行うようにしているので、1ビットΔΣ変調器41からの出力p/wは、1と−1の2種類のみとなる。このため、1ビットΔΣ変調器41の出力に対してh倍の乗算を行う乗算器42での乗算結果は、hと−hの2通りしかない。したがって、乗算回路を単純な回路で構成して高速演算を行うことができ、従来の補間処理と比較して、コストを大幅に低減することが可能になる。
また、図2の回路構成によれば、位相情報であるpを1ビットΔΣ変調器41で変調しており、位相情報はもとのPCM波形の振幅値の影響を受けないので、高品質な波長変換を行うことができる。
図8は、補間処理部2の他の実施形態を示すブロック図である。44はh=b−aを算出する加算器、45はhの値に対して1ビット変換を行ってh/wを出力する1ビットΔΣ変調器、46は1ビットΔΣ変調器45から出力されるh/wの値にpの値を乗算する乗算器、47は乗算器46から出力されるhp/wの値にaの値を加算する加算器である。本実施形態では、サンプル値の差分であるh=b−aを1ビットに変調し、これにpを乗じることで式(1)の右辺第2項を導いている。補間処理部2をこのように構成しても、図2の場合と同じ演算結果を得ることができ、乗算回路を単純な回路で構成してコストを大幅に低減することが可能となる。
なお、図8の実施形態においても、1ビットΔΣ変調器45として、図7に示した1ビットΔΣ変調器41と同じものを用いることができる。そして、乗算器54のフィードバックゲインをwに設定すれば、変調器にhの値を入力したとき、出力値の時間平均はh/wとなる。このh/wの値は1ビットで表現される。また、図7の場合と同様に、オーバーフロー防止のためにフィードバックゲインを2wに設定したり(この場合は変調後の出力に2pを乗じる)、リミットサイクル防止のために1の補数の切り捨て処理を行ったりしてもよい。
図9は、図1におけるブロック3〜7の具体例を示す回路図である。時変フィルタ部3において、10は、図1の補間処理部2から出力されるPCM信号と、乗算器19の出力および後段の積分器31の出力とを加算する加算器である。11は、この加算器10と後段の乗算器12との間に設けられている1ビットΔΣ変調器であって、加算器10の出力を1ビット信号に変換する。12は、1ビットΔΣ変調器11で1ビット信号に変換された出力に対して、所定の係数パラメータβを乗じる乗算器である。係数パラメータβは可変であり、図示しない時変制御部からの指令に基づいて変化する。
13は、乗算器12の出力と遅延回路14の出力とを加算する加算器である。遅延回路14は、入力される信号を1サンプリング期間だけ保持し、次のサンプリングで、保持した信号を出力するものである。加算器13と遅延回路14とは積分器30を構成する。15は、この積分器30と後段の乗算器16との間に設けられている1ビットΔΣ変調器であって、積分器30の出力を1ビット信号に変換する。16は、1ビットΔΣ変調器15で1ビット信号に変換された出力に対して、係数パラメータβを乗じる乗算器である。係数パラメータβは上述したように可変であり、図示しない時変制御部からの指令に基づいて変化する。
17は、乗算器16の出力と遅延回路18の出力とを加算する加算器である。遅延回路18の機能は、上述した遅延回路14の機能と同じである。加算器17と遅延回路18とは積分器31を構成する。19は、1ビットΔΣ変調器15の出力にQ値を乗じて加算器10へフィードバックする乗算器であって、Q値によってカットオフ周波数付近の音を強調して音色を変える、いわゆるレゾナンス効果を与えるためのものである。Q値を決めるパラメータqは可変となっている。
以上が、時変フィルタ部3におけるデジタルフィルタの部分であるが、このようなデジタルフィルタは、1ビットΔΣ変調器11,15を除いて公知のものである。上述したように、乗算器12,16の係数パラメータβは可変となっており、これを時変制御部(図示省略)からの指令に基づいて変化させることにより、カットオフ周波数が係数パラメータβに応じて時間的に変化する。カットオフ周波数が低域側へ変化すると、カットされる倍音が多くなるので音色は暗くなり、反対に、カットオフ周波数が高域側へ変化すると、カットされる倍音が少なくなるので音色は明るくなる。
20はセレクタであって、このセレクタ20が実線の側に切り換えられている場合は、上で説明したフィルタ処理のされたPCM信号が選択される。この場合、積分器31の出力端子LPFは、ローパスフィルタの端子となる。一方、セレクタ20が破線の側にある場合は、10〜19の回路を通らずに素通りしたPCM信号が選択される。この場合は、フィルタ処理は行われない。
セレクタ20の出力側には、1ビットΔΣ変調器21が設けられている。1ビットΔΣ変調器21は、セレクタ20で選択された信号を1ビット信号に変換する。この1ビットΔΣ変調器21の出力側には、セレクタ22が設けられている。このセレクタ22は、3つの端子を選択できるようになっており、図の位置においては、1ビットΔΣ変調器21の出力が選択される。これらの端子のうち、HPFは1ビットΔΣ変調器11の出力側から導出されたハイパスフィルタの端子であり、BPFは1ビットΔΣ変調器15の出力側から導出されたバンドパスフィルタの端子である。すなわち、時変フィルタ部3では、セレクタ20,22の切換によって、PCM信号に対してローパスフィルタ・ハイパスフィルタ・バンドパスフィルタ・素通りの4つのルートを選択することができる。
セレクタ22の出力は、時変増幅部4に与えられる。時変増幅部4において、23は左チャンネルのゲインを決定する乗算器であって、時変フィルタ部3の出力に対してゲインgLを乗算する。24は右チャンネルのゲインを決定する乗算器であって、時変フィルタ部3の出力に対してゲインgRを乗算する。ゲインgL,gRは可変となっており、ゲインを時間的に変化させて減衰処理を行うことで最終的な音量を決定する。
時変増幅部4の出力は、ミキサ5に与えられる。ミキサ5において、25は時変増幅部4からの左チャンネル信号と、他の楽音の左チャンネル信号とを加算する加算器である。26は、加算器25の出力側に設けられた1ビットΔΣ変調器であって、加算器25の出力を1ビット信号に変換する。27は時変増幅部4からの右チャンネル信号と、他の楽音の右チャンネル信号とを加算する加算器である。28は、加算器27の出力側に設けられた1ビットΔΣ変調器であって、加算器27の出力を1ビット信号に変換する。
ミキサ5の1ビットΔΣ変調器26(左チャンネル)から出力される1ビット信号は、アナログ・ローパスフィルタ6に与えられる。アナログ・ローパスフィルタ6は、抵抗R1およびコンデンサC1から構成される低次のフィルタであり、左チャンネルの信号に対して後述する平均化処理を行うことにより、復調された楽音信号を出力する。また、ミキサ5の1ビットΔΣ変調器28(右チャンネル)から出力される1ビット信号も、このフィルタ6と同じ構成を有するアナログ・ローパスフィルタに与えられる。
アナログ・ローパスフィルタ6から出力される楽音信号は、オーディオ出力部7に与えられる。オーディオ出力部7は、差動アンプOP、抵抗R2,R3、コイルL、コンデンサC2などからなるオーディオ回路と、スピーカ29から構成されている。オーディオ出力部7では、入力される楽音信号がオーディオ回路で増幅され、楽音信号に基づきスピーカ29から楽音が出力される。なお、図のオーディオ出力部7は左チャンネル用のものであるが、右チャンネルについても同じ構成のオーディオ出力部(図示省略)が設けられる。
図10は、図9における1ビットΔΣ変調器11,21の一例を示している。ここに示されているのは、無遅延のΔΣ変調器である。図10(a)はディザ処理のない場合の回路、図10(b)はディザ処理のある場合の回路をそれぞれ示している。60,61,63,64は加算器、62,65,67は遅延回路、66は量子化器、68はフィードバックゲインがτに設定されている乗算器である。加算器61と遅延回路62は積分器70を構成し、加算器64と遅延回路65は積分器71を構成する。図10(b)における80は加算器、81はディザ処理用の擬似雑音源である。量子化器66は、入力信号uがu≧0であれば、出力信号yとしてy=1を出力し、入力信号uがu<0であれば、出力信号yとしてy=−1を出力する。したがって、1ビットΔΣ変調器の出力は、1か−1の2通りとなる。
図11は、図9における1ビットΔΣ変調器15,26,28の一例を示している。図11において、図10と同一部分には同一符号を付してある。ここに示されているのは、遅延ありのΔΣ変調器である。遅延ありのΔΣ変調器は、図10のような無遅延のΔΣ変調器と比較して、遅延回路67がない分、構成が簡単となる。図11(a)はディザ処理のない場合の回路、図11(b)はディザ処理のある場合の回路をそれぞれ示している。60,61,63,64は加算器、62,65は遅延回路、66は量子化器、68はフィードバックゲインがτに設定されている乗算器である。加算器61と遅延回路70は積分器70を構成し、加算器64と遅延回路65は積分器72を構成する。図11(b)における80は加算器、81はディザ処理用の擬似雑音源である。量子化器66は、入力信号uがu≧0であれば、出力信号yとしてy=1を出力し、入力信号uがu<0であれば、出力信号yとしてy=−1を出力する。したがって、1ビットΔΣ変調器の出力は、1か−1の2通りとなる。
以上のような1ビットΔΣ変調器を時変フィルタ部3に組み込むことにより、補間処理部2の場合と同様に、乗算器12,16を単純な回路で構成して高速演算を行うことができ、コストを大幅に低減することが可能になる。また、図9では、時変増幅部4の前段に1ビットΔΣ変調器21が設けられているので、乗算器23,24の構成も簡単になる。さらには、ミキサ5にも1ビットΔΣ変調器26,28が設けられており、ミキサ5から1ビットの信号が出力されるので、マルチビット型の高価なD/Aコンバータを用いなくても、安価なアナログ・ローパスフィルタ6によりPCM信号を復調することができる。
上記実施形態においては、時変増幅部4の後段にミキサ5を設けた例を挙げたが、単音のみを出力する場合はミキサ5が不要なので、ミキサ5を省略した構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、アナログの楽音信号を出力する例を挙げたが、本発明はデジタルの楽音信号を出力する場合にも適用が可能である。この場合は、アナログ・ローパスフィルタ6やオーディオ出力部7を省略して、時変増幅部4から直接デジタル出力を取り出すように構成することができる。
また、上記実施形態においては、波形メモリ1に記憶されている楽音信号としてPCM信号を例に挙げたが、本発明は、PCM信号以外の楽音信号を用いる場合においても適用することができる。
さらに、上記実施形態においては、音として楽音を例に挙げたが、本発明は楽音に限らず、人の声(ボイス)や擬似音なども含むあらゆる音を生成する場合に適用することができ、さらには、音以外の波形を生成する場合にも適用することができる。
本発明の実施形態による音源用シンセサイザの全体構成を示すブロック図である。 補間処理部の具体的構成を示す図である。 波長変換を説明する図である。 波長変換を説明する図である。 補間処理を説明する図である。 2点直線補間の原理を説明する図である。 1ビットΔΣ変調器の一例を示す図である。 補間処理部の他の実施形態を示す図である。 時変フィルタ部以降の具体的構成を示す回路図である。 1ビットΔΣ変調器の一例を示す図である。 1ビットΔΣ変調器の一例を示す図である。
符号の説明
1 波形メモリ
2 補間処理部
3 時変フィルタ部
4 時変増幅部
5 ミキサ
6 アナログ・ローパスフィルタ
7 オーディオ出力部
40,43,44,47 加算器
41,45 1ビットΔΣ変調器
42,46 乗算器
100 波形生成装置

Claims (4)

  1. 波形メモリに記憶されている波形データを読み出して所定の波形を生成する波形生成装置において、
    前記波形データに基づき波長の変換された波形を生成する際に、当該波形データに対して2点直線補間処理を行う補間手段を備え、
    前記波形データを読み出す場合のサンプリング時間間隔をw、あるサンプリング時刻に対応するアドレスのサンプル値をa、次のサンプリング時刻に対応するアドレスのサンプル値をb、aとbの間の補間点における波の高さをc、前記補間点のアドレスの小数部をpとしたとき、
    前記補間手段は、h=b−aを算出する第1の演算手段と、この第1の演算手段で算出されたhの値に基づいてx=hp/wを算出する第2の演算手段と、この第2の演算手段で算出されたxの値に基づいてc=a+xを算出する第3の演算手段とを備え、
    前記第2の演算手段は、前記pの値に対して1ビット変換を行う1ビットΔΣ変調器と、この1ビットΔΣ変調器の出力にhの値を乗じる乗算器とから構成されていることを特徴とする波形生成装置。
  2. 波形メモリに記憶されている波形データを読み出して所定の波形を生成する波形生成装置において、
    前記波形データに基づき波長の変換された波形を生成する際に、当該波形データに対して2点直線補間処理を行う補間手段を備え、
    前記波形データを読み出す場合のサンプリング時間間隔をw、あるサンプリング時刻に対応するアドレスのサンプル値をa、次のサンプリング時刻に対応するアドレスのサンプル値をb、aとbの間の補間点における波の高さをc、前記補間点のアドレスの小数部をpとしたとき、
    前記補間手段は、h=b−aを算出する第1の演算手段と、この第1の演算手段で算出されたhの値に基づいてx=hp/wを算出する第2の演算手段と、この第2の演算手段で算出されたxの値に基づいてc=a+xを算出する第3の演算手段とを備え、
    前記第2の演算手段は、前記hの値に対して1ビット変換を行う1ビットΔΣ変調器と、この1ビットΔΣ変調器の出力にpの値を乗じる乗算器とから構成されていることを特徴とする波形生成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の波形生成装置において、
    前記1ビットΔΣ変調器のフィードバックゲインをwまたはwの整数倍としたことを特徴とする波形生成装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の波形生成装置と、
    前記波形生成装置で生成された音の波形に対して、所定の信号処理を行って音を出力する信号処理部と、
    を備えたことを特徴とする音源用シンセサイザ。
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