JP4260341B2 - 人体検知器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、焦電素子、サーモパイル等の赤外線検出素子を利用して、赤外線の受光量から人体の有無を判定する人体検知器に関し、特にスプレー、ペンキ、その他赤外線を吸収・遮断する液体等により、カバーが遮蔽されたことを検出することができる人体検知器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、焦電素子、サーモパイル等の赤外線を検出する素子を利用し、この素子が受光した赤外線量と、予め実験で求められたしきい値とを比較し、素子が受光した赤外線量がしきい値を超えたときに、その赤外線量が人体より放出されたものと判断して人体を検知する人体検知器が知られている。
【0003】
そして、上記人体検知器を機械警備システムに利用し、人体検知器により監視領域に侵入した賊の検出を行っている。
【0004】
図6は人体検知器を機械警備システムに利用した場合の概略構成を示している。人体検知器21は、店舗や会社等の監視対象の部屋、廊下に複数設置され、その建物が夜間に無人となるときに機械警備を警戒状態とし、その監視領域Sに侵入した賊を人体検知器21が検出する。このときの検出結果は、人体検知信号として人体検知器21から信号線22を介してコントローラ(警備装置)2に出力される。人体検知信号を受信したコントローラ2は、ブザー鳴動、表示灯などで賊への威嚇を行うとともに、不図示の遠隔地にある警備センターや警察に電話回線を介して通報される。なお、人体検知器21が接続される信号線22の末端部に終端器17を設け、信号線の断線、アース落ちなどをコントローラ2が検出できるようにしている。
【0005】
通報を受けた警備センターでは、管制員から通報してきた現地近くにいる対処員に無線、電話などで指示を行い、指示を受けた対処員が現地に駆け付けて店舗や会社等の監視対象の安全を確保していた。
【0006】
ところで、人体検知器21は、カバー内部に配線した焦電素子、サーモパイル等の赤外線検出素子により、監視領域Sの人体から放出される赤外線を検出している。
【0007】
したがって、人体検知器21のカバーは、ポリエチレン等の遠赤外線を透過する素材で形成されている。また、遠赤外線以外の外来光の受光を避けるフィルタの役目をしたり、いたずら防止の為、内部の部品や構成が外部から見えないように白濁色や暗視調の黒色にしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、高額な現金や装飾品を取り扱う店舗等では、工事業者を装った賊が、店員がいる昼間、予め人体検知器21が検出できないようにし、その夜、誰もいなくなった店舗に侵入して高額な現金や装飾品の強奪を試みる事件が発生している。
【0009】
このように、上述した予め人体検知器21が検出できないようにする行為(この行為を画策行為と呼ぶ)としては、人体検知器21のカバーにガムテープ等を貼り付け、遠赤外線の検出ができないようにする方法がある。しかし、この画策行為の方法では、店員などが一目で人体検知器21が人を検出できないように画策されたことが判断できる。
【0010】
そこで、人体検知器21のカバーと同系色の塗料や遠赤外線を透過し難い透明な液体を人体検知器21のカバーに塗り、外部からの遠赤外線を透過させなくする画策行為が行われる可能性がある。この画策行為の方法では、人体検知器21は外見上あまり変化しておらず、その店舗の店員は人体検知器21が画策されていることに気が付かないおそれがあった。
【0011】
そこで、上記画策行為を検出する人体検知器21として、特開平2−287278号公報に開示されるものが知られている。この人体検知器21は、図7に示すように、近赤外線LED23が人体検知器21のカバー24内部に配設されたもので、近赤外線LED23からカバー24に近赤外線を投光することにより、前述のようにカバー24に塗料を塗り、外部からの遠赤外線を遮断された場合は、カバー24からの反射光(近赤外線)が増加することを赤外線検出素子25で検出している。
【0012】
しかしながら、図7に示す従来の人体検知器21では、赤外線を吸収する性質の塗料が人体検知器21のカバー24に塗られた場合、上述した近赤外線LED23による反射光が増加しないので、画策行為を検出することができない可能性があった。
【0013】
さらに、人体検知器21から、人体検知信号をコントローラ2に出力するため信号線22を引き回してコントローラ2に接続しているが、設置工事の利便性から人体検知器21は電池駆動のものが多い。このため、図7に示す従来の人体検知器21では、近赤外線LED23を常時発光駆動して投光する構成なので、その分だけ消費電力が多くなり、電池寿命が短くなるという短所もあった。
【0014】
そこで、本発明は、上記課題を解消するためになされたものであって、スプレー、ペンキ、その他赤外線を吸収・遮断する液体やテープ等を用いた画策行為によりカバーが遮蔽された場合、このカバーの遮蔽を検出することができる人体検知器を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る人体検知器は、赤外線を透過するカバー、前記カバーを透過してくる赤外線を受光する赤外線受光部を有し、前記受光した赤外線の変化量に基づいて人体の有無を検知する人体検知器において、
前記カバーに形成され、熱放射率及び/又は熱伝導率が前記カバーよりも高い表面温度検出面と、
前記表面温度検出面の温度変化を検出する温度検出部と、
前記温度検出部が所定以上の温度変化を検出したときに異常と判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明に係る人体検知器は、赤外線を透過するカバー、前記カバーを透過してくる赤外線を受光する赤外線受光部を有し、前記受光した赤外線の変化量に基づいて人体の有無を検知する人体検知器において、
前記カバーに形成され、熱放射率及び/又は熱伝導率が前記カバーよりも高い表面温度検出面と、
前記表面温度検出面の温度変化を検出する温度検出部と、
前記温度検出部が所定以上の温度変化を検出した後所定時間以内に人体による赤外線を受光しないときに異常と判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明に係る人体検知器は、赤外線を透過するカバー、前記カバーを透過してくる赤外線を受光する赤外線受光部を有し、前記受光した赤外線の変化量に基づいて人体の有無を検知する人体検知器において、
前記カバーに形成され、熱放射率及び/又は熱伝導率が前記カバーよりも高い表面温度検出面と、
前記表面温度検出面の温度変化を検出する温度検出部と、
前記温度検出部が所定以上の温度変化を検出した後の所定時間以内に所定回数以上人体による赤外線を受光しないときに異常と判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明に係る人体検知器は、請求項1乃至3のいずれか一項の人体検知器において、前記温度検出部は、前記表面温度検出面から放射される赤外線を受光することを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明に係る人体検知器は、請求項1乃至3のいずれか一項の人体検知器において、前記温度検出部は、前記表面温度検出面に接触してカバーの温度を検出することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による人体検知器の原理構成を示す側面図、図2は人体検知器の電気的構成を示すブロック図、図3は人体検知器の人体判定部と温度判定部の回路構成の一例を示す図である。
【0023】
本例の人体検知器1は、監視領域S内での人体の移動に伴う赤外線の変化量により人体の有無を検知するとともに、カバー14の温度変化を検出することでスプレー、ペンキ、その他赤外線を吸収・遮断する液体、テープ等によって、カバー14が遮蔽されたか否かを検出する。この人体検知器1は、図6に示すように、例えば監視対象である店舗や会社の部屋、廊下に複数設置され、コントローラ(警備装置)2に信号線3を介して接続される。
【0024】
人体検知器1は、天井や壁等に取り付けられる。人体検知器1には、図1及び図2に示すように、赤外線受光部5、人体判定部6、温度検出部7、温度判定部8、制御部9、表示部10、出力部11、復旧スイッチ12、各部に電源を供給するための電池13が設けられており、これらを覆うようにお碗状のカバー14が取り付けられている。
【0025】
カバー14は赤外線を透過する材質で形成される。カバー14の内面の所定箇所には表面温度検出面16が形成されている。表面温度検出面16は、カバー14の温度変化がより顕著に現れるように、熱放射率(熱吸収率)及び/又は熱伝導率の高い材質で形成される。例えば薄膜のカーボンや樹脂素材からなる黒体テープや金、アルミニウム、鉄等の表面を黒色にした薄膜で表面温度検出面16を形成することができる。
【0026】
本例では、表面温度検出面16として熱放射率が高い黒体テープ(熱放射率=0.94)を使用している。また、熱放射率と熱吸収率とは比例関係にあり、表面温度検出面16は、接しているカバー14の熱を効率良く、吸収・放射することが可能となる。
このため、温度検出部7は、ペンキ、スプレー等の液体をカバー14に吹き付ける画策行為を行った場合、その液体の気化熱によるカバー14の急峻な温度変化を効率良く検出できる。
また、金の薄膜の表面を黒くすることにより、熱伝導率の高い表面温度検出面16を形成すれば、接しているカバー14の熱がより伝わり易くなる。
【0027】
なお、本例ではカバー14の材質にポリエチレンを使用しているが、これは人体から放射される赤外線がカバー14を透過するようにカバー14の赤外線透過率を高くしている。そのため、前述の表面温度検出面16を設けなければ、人体から放射される赤外線等のカバー14外部からの赤外線がカバー14を透過し、温度検出部7にてこの赤外線を受光してしまうため、温度検出部7でカバー14自体の温度変化を検出し難い。そこで、表面温度検出面16に黒体テープを貼ることによりカバー14外部からの赤外線をカットして、カバー14の温度変化を検出し易くしている。
また、表面温度検出面16に当たる部分のカバー14の肉厚を厚くし、この部分の赤外線透過率を下げても良い。
表面温度検出面16は、監視領域Sを避けて監視領域Sの近傍に1つ設ける他、監視領域Sを避けて監視領域Sに近接して複数分散して設けることができる。
【0028】
ここで、監視領域Sを避けるのは熱放射率や熱伝導率が高い表面温度検出面16が、人体が発する赤外線を遮断し、人体検知の妨げとならないようにするためである。なお、表面温度検出面16は、監視領域Sを避けて監視領域Sに近接して2箇所に設けるのが好ましい。また、表面温度検出面16をカバー14の内側に設け、賊が見ても判らないようにした方が好ましい。
【0029】
赤外線受光部5は、監視領域S内での人体の移動に伴う赤外線の変化量を検出しており、人体検出用ミラー5a、人体検出用素子5bを有している。人体検出用ミラー5aは、人体検出用素子5bとにより、所望の監視領域Sを形成するように、上下左右方向に複数の領域に分割された多角ミラーで構成される。
【0030】
図1の例では、人体検知器1が天井に取り付けられた例を示しており、人体検出用ミラー5aは、上下方向に3分割される。そして、上段の分割部分5aaが人体検知器1の直下の監視領域S1を形成し、中段の分割部分5abが人体検知器1から近点に位置する監視領域S2を形成し、下段の分割部分5acが人体検知器1から遠点に位置する監視領域S3を形成している。なお、人体検出用ミラー5aの左右方向の分割については図示していないが、全体の監視領域に応じて適宜分割形成される。人体検出用ミラー5aは、監視領域S1〜S3内における人体の移動に伴って放出される赤外線を反射させ、この人体検出用ミラー5aの光軸上の焦点に位置する人体検出用素子5bの検出面に導いている。
【0031】
図1に示すように、人体検出用素子5bは、焦電素子であって回路基板15上に固設される。なお、焦電素子は、サーモパイル等の赤外線を検出する素子で構成しても良い。人体検出用素子5bは、太陽光などの外乱による誤検出を防止するため、極性の異なる2個の検出素子を差動接続して構成される。人体検出用素子5bは、人体検出用ミラー5aにより反射されて導かれる各監視領域S1〜S3からの赤外線を受光検出している。
【0032】
人体判定部6は、赤外線受光部5の人体検出用素子5bに入力される赤外線受光量に応じて発生する受光信号と、予め実験で定めたしきい値とを比較し人体の有無を判定している。更に説明すると、人体判定部6は、例えば図3に示すように、増幅器6a、比較器6b,6cを備えている。増幅器6aには人体検出用素子5bの受光信号が入力され、比較器6bには増幅器6aの出力としきい値Vref1+が入力される。また、比較器6cには増幅器6aの出力としきい値Vref1−が入力される。
【0033】
すなわち、人体判定部6には、予め算出された人体の有無を判定するために適当なしきい値として、上限しきい値Vref1+と下限しきい値Vref1−がそれぞれ設定入力されている。そして、増幅器6aにて増幅された人体検出用素子5bからの受光信号が上記しきい値Vref1+又はVref1−を超えたときに人体有りと判定し、そうでないときに人体無しと判定する。そして、人体有りと判定したときのみ、人体検知判定信号を制御部9に出力している。
【0034】
温度検出部7は、表面温度検出面16からの放射熱に含まれる赤外線からカバー14の温度変化を検出しており、温度検出用ミラー7a、温度検出用素子7bを有している。温度検出用ミラー7aは、表面温度検出面16からの赤外線を反射させ、この温度検出用ミラー7aの光軸上の焦点に位置する温度検出用素子7bの検出面に導いている。
【0035】
温度検出用素子7bは、焦電素子であり回路基板15上の人体検出素子5bが設置されている面の裏面に固設される。
【0036】
温度判定部8は、温度検出部7の温度検出用素子7bに入力される赤外線受光量に応じて発生する受光信号にて、カバー14に対する画策行為等によって温度変化が生じたか否かを判定している。更に説明すると、温度判定部8は、例えば図3に示すように、増幅器8a、比較器8b,8c、論理和(オア)回路8dを備えている。増幅器8aには温度検出用素子7bの受光信号が入力され、比較器8bには増幅器8aの出力としきい値Vref2+が入力され、比較器8cには増幅器8aの出力としきい値Vref2−が入力される。
【0037】
すなわち、温度判定部8には、予め算出されたカバー14の温度変化の有無を判定するために適当なしきい値として、上限しきい値Vref2+と下限しきい値Vref2−がそれぞれ設定入力されている。そして、増幅器8aにて増幅された温度検出用素子7bからの受光信号が上記しきい値Vref2+又はVref2−を超えたときカバー14の温度変化有りと判定し、そうでないときにカバー14の温度変化無しと判定する。そして、温度変化有りを判定すると、温度変化有判定信号を制御部9に出力している。なお、本実施の形態では温度検出用素子7bに焦電素子を利用しており、温度検出用素子7bでの赤外線受光量の変化が大きければ、その受光信号はオーバーシュートを起こし、しきい値Vref2+,Vref2−の両方を所定時間内に超えることとなる。
【0038】
CPUなどのプロセッサからなる制御部9は、人体判定部6からの判定信号と、温度判定部8からの判定信号に基づいて後述する画策検出処理(図4〜図6)を実行し、出力部11からコントローラ2への接点出力(人体検知出力、遮蔽検知出力)を制御している。なお、図示はしないが、制御部9には、後述する画策検出処理を実行するため、カウンタやタイマを有している。
【0039】
また、制御部9は、後述する画策検出処理によって「画策行為による異常有り」と判定したときに、この異常状態を周囲に報知するべく、表示部10の表示を制御している。本例でいう「画策行為による異常有り」とは、カバー14に温度変化が所定以上有った後、所定時間が経過しても人体検知が無い状態を意味している。
【0040】
さらに、制御部9は、後述する画策検出処理時にラッチされる遮蔽検知出力(出力部11の接点出力)を復帰させるための信号が復旧スイッチ12から入力されたときに、遮蔽検知出力のラッチを解除して復旧させている。
【0041】
表示部10は、人体検知器1の動作状態を表示するもので、例えばLEDランプで構成される。特に、表示部10は、制御部9が画策行為による異常有りと判定したときに、制御部9の制御によって例えば赤色に点灯又は点滅表示し、人体検知器1に異常が有ることを周囲に報知している。
【0042】
出力部11は、人体検知の有無や画策行為による異常の有無を、制御部9の制御により接点出力としてコントローラ2に送出している。なお、出力部11は、画策行為による異常の場合には、接点出力(遮蔽検知出力)状態がラッチされる。
【0043】
復旧スイッチ12は、出力部11の遮蔽検知出力のラッチを解除して復旧させる場合に操作されるスイッチで、例えば第3者が扱えないように特殊工具を用いてカバー14を外したときに、その操作部分が露出してオン・オフ切替が行えるように、人体検知器1の内部に設けられる。復旧スイッチ12は、制御部9にて保持している画策行為による異常を復旧する際にオン操作される。
【0044】
ところで、図2の構成では、出力部11からコントローラ2に出力される信号を接点出力として説明したが、出力部11とコントローラ2との間を通信用インターフェースで接続し、人体検知の有無を示す信号、画策行為による異常の有無を示す信号を通信によって送ることもできる。この場合には、復旧操作をコントローラ2で行なうようにすることで、復旧スイッチ12の構成を省略することができる。
【0045】
図4は上記構成の人体検知器1の制御部9によって実行される画策検出処理のフローチャート、図5は画策検出処理のタイムチャートである。以下、図4及び図5に基づいて画策検出処理について説明する。
【0046】
温度判定部8から温度変化有判定信号を受信することにより、カバー14の温度変化を検知する(ST1)。その後、人体判定部6から人体検知判定信号を受信したか否か判別する(ST2)。
【0047】
その後、人体判定部6が人体検知有りと判別して人体検知判定信号を出力し、この人体検知判定信号を制御部9が受信すると(ST2−Yes)、制御部9内のカウンタをインクリメント(+1)する(ST3)。そして、カウンタの値が所定回数になったか否か判別される(ST4)。ここで、カウンタの値が所定回数に満たなければ、人体判定部6による人体検知有りか否かの判別の動作に戻る(ST2)。これに対し、カウンタの値が所定回数(例えば5回)に達すると、人体検知が可能で、カバー14は遮蔽されていないと判定し、カウンタの値をリセットし(ST5)、動作を終了する。
なお、このカウンタは、偶発的なノイズによって画策行為による異常を判定できなくなるのを防ぐために設けられている。
【0048】
上記人体検知有りか否かの判別(ST2)において、人体検知無しと判別されると、制御部9内のタイマが所定時間(t0:数分)を経過したか否か判別される(ST6)。ここで、タイマが所定時間を経過していなければ、人体検知有りか否かの判別の動作に戻る。これに対し、タイマが所定時間を経過したと判別されると、異常有り(画策行為有り)と判定、出力部11から遮蔽検知を出力し(ST7)、動作を終了する。
【0049】
図5は、画策行為でない温度変化を検出した後に画策行為による温度変化を検出した場合における、温度検出部7、赤外線受光部5、人体判定部6、温度判定部8の各出力、及び、制御部9のタイマーと出力部11の遮蔽検知出力を示すタイミングチャートである。
先ず、雑巾によるカバー14が拭かれるなど何らかの原因で、温度検出部7が黒体テープ16の放射赤外線量の変化を温度制御部7へ出力する。このとき、温度判定部8では、温度検出部7の出力が下限しきい値Vref2−を超えたので、温度変化有判定信号を制御部9に出力する。制御部9では、温度変化有判定信号を受信すると、タイマーにてt0の計時が開始される(図4のST1)。
【0050】
その後、赤外線受光部5は、掃除をしている人が発する赤外線を受光し、人体判定部6へ受光信号を出力している。人体判定部6では、人体判定用の上限しきい値Vref1+又はVref1−を超える毎に人体検知判定信号を制御部9に出力する。
制御部9では、既に計時を開始しているタイマーがt0を計時するまでに、人体検知判定出力を5回受信し、カウンタが所定回数5をカウントするので、カバー14は遮蔽されていないと判断し、カウンタ及びタイマーをリセットして、掃除による温度変化に対する画策行為を検出するための処理を終了する(図4のST2〜ST5)。これにより、掃除による温度変化によって、遮蔽検知出力がされるのを防止できる。
【0051】
その後、カバー14に対してスプレー塗布などの画策行為がされると、温度検出部7は黒体テープ16の放射赤外線量の変化を温度判定部8へ出力する。このとき、温度判定部8では、温度検出部7の出力が下限しきい値Vref2−を超えたので、温度変化有判定信号を制御部9に出力する。制御部9では、温度変化有判定信号を受信すると、タイマーにてt0の計時が開始される(図4のST1)。
制御部9では、既に計時を開始しているタイマーがt0を計時終了するまでに、人体検知判定出力を受信しないので(図4ST6)、異常有りと判定し、出力部11から遮蔽検知をコントローラ2へ出力する(図4ST7)。
【0052】
このように、人体検知器1は、カバー14の急峻な温度変化を検出した後、人体検知可能か否かを確認することで、画策行為により監視領域Sがふさがれているのか、エアコンの風等の誤報要因によりカバー14に急峻な温度変化が起きたのかを識別できる。
【0053】
本例の人体検知器1において、焦電素子、サーモパイル、ボロメータを温度検出部7の温度検出用素子7bとして用いれば、カバーの温度変化を非接触で検出することができる。また、熱電対、サーミスタ等の接触式の温度センサを温度検出部7として用い直接カバー14に取り付けることにより、カバー14の温度を直接検出するのに近い状態でカバー14の温度変化を検出することができる。
【0054】
ところで、上述した実施の形態では、カバー14の温度変化を検出するにあたって、黒体テープ等の表面温度検出面16から放射される熱に含まれる赤外線を温度検出用ミラー7aで反射させて温度検出用素子7bにより検出する場合を例にとって説明したが、例えば表面温度検出面16に当たる部分のカバー14の肉厚を厚くし、カバー外部からの赤外線透過率を下げ、画策行為がなされた時にこの部分から放射される赤外線を温度検出用ミラー7aで反射させて温度検出用素子7bにより検出してカバー14の温度変化を検出するようにしてもよい。
【0055】
また、カバー14の温度変化を検出する温度検出部7の別の構成例として、例えば熱電対、サーミスタ等の接触式の温度センサを温度検出部7として表面温度検出面16に設ける構成としてもよい。この場合、温度検出用ミラー7aが不要となる。なお、上記接触式の温度センサを温度検出用素子7bとして用いる場合、この温度検出用素子7bを表面温度検出面16に当たる位置に設け、直接カバー14の温度変化を検出するようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の人体検知器によれば、スプレー、ペンキ、その他赤外線を吸収・遮断する液体、テープ等を用いた画策行為によりカバーが遮蔽された場合でも、カバーの温度変化から画策行為による人体検知器の異常を検出することができる。
しかも、カバーに熱放射率や熱伝導率の高い箇所を設けたので、この箇所の温度変化がより顕著に現れ、この箇所の温度変化をカバーの温度変化として検出するので、より敏感かつ確実にカバーの温度変化を検出することができる。
【0057】
請求項2の人体検知器によれば、カバーの温度変化が所定以上になった後、所定時間以内に人体による赤外線を検出しないときに異常と判定し、その異常を報知する信号を外部に出力する構成なので、より確実な画策行為の検出が行え、センサの異常を外部に報知することができる。
【0058】
請求項3の人体検知器によれば、カバーの温度変化が所定以上になった後、所定時間以内に所定回数以上人体による赤外線を検出しないときに、異常を報知する信号を外部に出力する構成なので、より確実に画策行為の検出が行える。
【0059】
請求項4の人体検知器によれば、カバーの温度変化を非接触で検出することができる。
【0060】
請求項5の人体検知器によれば、カバーの温度を直接検出するのに近い状態でカバーの温度変化を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による人体検知器の原理構成を示す側面図
【図2】本発明による人体検知器の機能ブロック図
【図3】図2の人体検知器の人体判定部と温度判定部の回路構成の一例を示す図
【図4】本発明による人体検知器の画策検出処理の動作フローチャート
【図5】本発明による人体検知器の画策検出処理のタイミングチャート
【図6】人体検知器を利用した機械警備システムの概略構成図
【図7】従来の人体検知器の一例を示す図
【符号の説明】
1…人体検知器、5…赤外線受光部、6…人体判定部、7…温度検出部、8…温度判定部、9…制御部、11…出力部、13…電池、14…カバー、16…表面温度検出面。
Claims (5)
- 赤外線を透過するカバー、前記カバーを透過してくる赤外線を受光する赤外線受光部を有し、前記受光した赤外線の変化量に基づいて人体の有無を検知する人体検知器において、
前記カバーに形成され、熱放射率及び/又は熱伝導率が前記カバーよりも高い表面温度検出面と、
前記表面温度検出面の温度変化を検出する温度検出部と、
前記温度検出部が所定以上の温度変化を検出したときに異常と判定する判定手段とを具備することを特徴とする人体検知器。 - 赤外線を透過するカバー、前記カバーを透過してくる赤外線を受光する赤外線受光部を有し、前記受光した赤外線の変化量に基づいて人体の有無を検知する人体検知器において、
前記カバーに形成され、熱放射率及び/又は熱伝導率が前記カバーよりも高い表面温度検出面と、
前記表面温度検出面の温度変化を検出する温度検出部と、
前記温度検出部が所定以上の温度変化を検出した後所定時間以内に人体による赤外線を受光しないときに異常と判定する判定手段とを具備することを特徴とする人体検知器。 - 赤外線を透過するカバー、前記カバーを透過してくる赤外線を受光する赤外線受光部を有し、前記受光した赤外線の変化量に基づいて人体の有無を検知する人体検知器において、
前記カバーに形成され、熱放射率及び/又は熱伝導率が前記カバーよりも高い表面温度検出面と、
前記表面温度検出面の温度変化を検出する温度検出部と、
前記温度検出部が所定以上の温度変化を検出した後の所定時間以内に所定回数以上人体による赤外線を受光しないときに異常と判定する判定手段とを具備することを特徴とする人体検知器。 - 前記温度検出部は、前記表面温度検出面から放射される赤外線を受光する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の人体検知器。
- 前記温度検出部は、前記表面温度検出面に接触してカバーの温度を検出する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の人体検知器。
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