JP4260146B2 - クランプフリーホイール並びに補綴部品のためのクランプフリーホイールの使用 - Google Patents

Description

本発明は、シャフトを囲み、このシャフトが軸方向に移動可能なように設けられているスリーブと、前記シャフトとスリーブとの間に形成されたチャンバ内に配置され、シャフトとスリーブとの間の相対的な回転を果させるために、第１の方向に回転する回転部材と、前記シャフトに設けられた伝達部材と、この伝達部材を軸方向に移動させるためにシャフトに設けられた駆動部材とを具備しており、前記第１の方向の反対方向に作用するトルクにより、前記チャンバ内で回転部材がクランプされる、クランプフリーホイールに関する。

このようなクランプフリーホイールは、標準的な構成部品として公知であり、シャフトが一方向に回転する場合に可能な限りで最も低い抵抗を生じ、また、伝達部材によって対抗方向にトルクが作用したときは即座にクランプする。この結果、シャフトとスリーブとの間の相対的な動きが防がれる。

このようなクランプフリーホイールは、車両用のオーバーランニング・クラッチとしてＤＥ６０５８７９号によって開示されており、また、速度変換ギアリング用のクラッチとしてＡＴ１２５７９７号によって開示されている。

更に、ＤＥ８７４６８４号は、駆動するシャフトおよび駆動されるシャフトの傾斜走行表面を支持可能なボールによって力の伝達が行なわれる係合および非係合シャフト連結部を開示している。これらのシャフトの互いに対する軸方向の移動は、ボールのクランプにつながり、トルクを伝達する。円錐状の走行表面の軸方向の移動によってボールの駆動効果が果たされる同様の解決法が、ＪＰ２００４１２５１４０Ａ号によって開示されている。

ＵＳ３，２７９，５７１号は、駆動シャフトが軸方向に円錐形に傾斜しているシリンダーに対して回転可能にロックされるように接続され、これらの横面がボールの走行表面を形成している、連結構成を開示している。シャフトを互いに対して軸方向に動かすことにより、ボールは、駆動シャフトのチャンバ内で外方に押圧され、一方向で駆動が行なわれ他方向でフリーホイーリングが行なわれるように設計されたチャンバの壁と係合するようになる。この場合、駆動されるシャフトのチャンバの壁は、回転の一方向ではチャンバ上を動くボールによってクランプ効果が生じ、回転の他方向ではボールが自由に動くように、傾斜していてよい。軸方向の回転により、ボールの駆動機能は、駆動ホイールの円錐形シリンダーから解放され得る。

更に、ＷＯ９９／０４１７８号は、フリーホイール歯止め装置用の伝達部材としての円筒形ローラーの使用を開示している。

このようなクランプフリーホイールが応用される１つの分野は、補綴部品内のシャトルロックにおけるその使用である。切断部の移行部は、柔らかいエラストマーでできており、補綴シャンクと切断断端との間の組み込みそうとして“ライナー”が多く使用されている。このライナーを補綴シャンクに取付けるために、このライナーの先端部には、ねじ込みピンを備えた固定キャップが設けられている。ピンは、取り囲む溝を備えており、この溝は、クランプフリーホイールの移行部材としてギアと相互作用する。クランプフリーホイールのシャフトは、ピンの長軸に対して直交している。このようなクランプフリーホイールにより、ライナーの端部は先端方向にのみ移動され、基端方向へは移動されない。ロックを解除するために、フリーホイールのシャフトは、軸方向に移動される。この結果、ギアが、ピンから軸方向に解放され、ピンが引っ込む。このタイプの公知のクランプフリーホイールは、ニードルローラーを備えて構成されている。このニードルローラーは、小さなスペース内に手軽に設けられ得る。しかし実際は、クランプフリーホイールがロックされた状態で相当のクランプ力が生じ、これらのクランプ力はフリーホイール内でのシャフトの軸方向の移動を妨害することが分かっている。かくして、軸方向移動のために駆動部材にかけられる力は、患者による必要不可欠なロックの解除が行なわれ得ないくらいに大きくなる。この原因は、シャンクの不適切なはめ合いであり、この結果、補綴シャンク内の先端ライナープレートが変形することがある。座部内では、ロックを解除する解除力が、切断部のてこの効果により著しく上昇することがある。
ＤＥ６０５８７９号 ＡＴ１２５７９７号 ＤＥ８７４６８４号 ＪＰ２００４１２５１４０Ａ号 ＵＳ３，２７９，５７１号 ＷＯ９９／０４１７８号 ＵＳ６，２６７，７８７Ｂ１号[発明の開示][発明が解決しようとする課題]

従って、本発明の目的は、文初で説明したようなタイプの、シャフトに設けられた伝達部材を軸方向に移動させるために力を減じる、改良されたクランプフリーホイールを提供することである。

本発明に関われば、この目的を果たすために、文初で説明したようなタイプのクランプフリーホイールは、シャフトが中空シャフト部品とこの内部で軸方向には移動可能だが回転はロックされる形で設けられている内側部品とから成っており、また、駆動部材と伝達部材とが、内部部品に配置されていることを特徴としている。

従って、本発明に関わるクランプフリーホイールでは、シャフトが、ツーピースのデザインを有し、そのため、“軸方向に移動する”機能と“クランプする”機能とは分けられている。実際のフリーホイールの機能は、中空シャフト部品の外側でスリーブと共に果たされる。また、軸方向の移動は、中空のシャフト部品に対して内側部品で果たされる。これにより、軸方向の移動がフリーホイールのロック中に生じるクランプ力と実際は無関係とされる効果が果たされる。クランプフリーホイールが補綴部品をロックするために使用されている場合、基本的に均等な解除力によって患者による解除が行なわれ得ることが保証される。従って、解除が難しいフリーホイールによる患者への外傷の可能性は、回避され得る。

中空シャフト部品と内側部品との間の抗回転ロックは、円形の外周からは逸脱した外形を有する内側部品と、この外形に対して相補的な内形を有する中空シャフト部品との両方によって、行なわれ得る。内側部品は、例えば、多角形の外周を有していてよい。しかしながら、抗回転ロックはまた、他の方法で、例えばフェザー・キーによっても確かにされ得る。

更なる好ましい実施形態では、軸方向移動のための内側部品が、ボールによって中空シャフト部品に装着されている。

本発明に関わるクランプフリーホイールは、線形に移動可能な補綴部品をロックするために使用されると好ましい。この補綴部品の動きは、フリーホイールの伝達部材と相互作用する連結部材によってクランプフリーホイールに伝達され得る。また、伝達部材と連結部材とは、シャフトの内側部品を軸方向に移動することによって分離可能である。

本発明は、図に示された典型的な実施形態を参照して以下に詳しく説明される。

図１および図２に示されているフリーホイールは、環状の肩部２の一側に六角形部品３として形成された中空の円筒形ハウジング１を有し、他側に外側ねじ４を有している。内壁にチャンバを有するスリーブ５が、ハウジング１中に挿入されている。ニードルベアリング６（図２）が、公知のフリーホイールの回転部材としてスリーブ５内に取付けられている。このスリーブ５は、中空シャフト部品７の外壁と共にフリーホイールを形成している。中空シャフト部品７は、適合する形でブシュ中に挿入され得る。中空シャフト部品７はまた、正方形の形状の内形８を有している。この中に、対応する正方形の外形１０を有する内側部品９が、回転可能に取付けられる形で挿入されている。内側部品９を中空シャフト部品７の内形部８中に押し込み動作は、内側部品９の端部に配置されたギア１１によって制限されている。これは、このギアの歯部の外径と、ギアの溝の根元の内径とが、中空シャフト部品７の外径よりも大きいことによる。

ハウジング１の他端部には、圧縮ばね１３として使用されているつる巻きばねの環状のストップ・ディスク１２と、ハウジング１中に回転可能に挿入され得るヘッド部品１４とが設けられている。ヘッド部品１４は、締まりばめ、スナップ接続、またはねじ接続によって回転可能に取付けられる形で、内側部品９の延長部品１５に接続されている。回転式ノブ１６が、ラッチ溝１７とラッチビード１８とによって駆動部材としてヘッド部品１４内の所定位置にスナップ留めされ得る。ヘッド部品１４は、これらに対応するデザインの相補的なラッチ溝１９とラッチビード２０とを有している。

図２が示しているように、ハウジング１内のこのハウジング１中に圧入されたスリーブ５の上方には、環状の軸方向に延びたチャンバ２１が設けられており、圧縮ばね１３とヘッド部品１４とが、このチャンバ２１内に収容されている。ヘッド部品１４は、このヘッド部品１４の周囲を囲むように突出している縁部２２がハウジング１の縁部にぶつかってこの押し込み動作が制限されるまで、圧縮ばね１３の復元力に抗してハウジング内部へと動かされ得る。

ヘッド部品１４の押し込み動作は、駆動部材１６で始まり、伝達部材を関連する連結部材から分離するための、伝達部材として働くギア１１の対応する軸方向の動きにつながる。連結部材は、例えば、図において平面に直交する長軸によって方向付けられ、対応する溝部を備えている長手方向に移動可能なピンである。

ギア１１の軸方向の移動は、中空シャフト部品７に対する内側部品９の移動によって影響を受けるのに対して、クランプ効果は、中空シャフト部品７の外壁とスリーブ５の内壁との間の、示された典型的な実施形態ではニードルローラーとして設計された回転部材によって影響を受け、この結果、ギアの軸方向の移動は、ニードルローラー６のクランプとは無関係である事が分かる。

図３および図４は、従来どおり漏斗形状に設計された補綴シャンク２３を示している。このシャンクは、ポットのように閉鎖されてシャンクアダプタ２４が挿入される先端部を備えており、シャンクアダプタ２４は、シャトルロックハウジング２５をこのシャンクに取付けるように働く。切断断端（amputation stump）が、この切断断端に被さったライナー２６によって補綴シャンク２３に接続されている。このライナー２６は、柔らかくて肌に優しい内側材２７と、摺動可能な表面を有するように形成され、閉鎖された先端部の領域に繊維補強部２９が設けられた外側材２８とから構成されている。ライナー２６は、その先端部に、外側ねじを備えたロックピン３１が中にねじ込まれる中心のねじ用スリーブ３０を有している。ロックピンは、径方向に周囲を囲むように互いに平行に延びた複数の溝３２が設けられた細長いボルトとして設計されている。このロックピン３１は、シャトルロックハウジング２５のガイドボア３１’内を軸方向に移動可能にガイドされる。更に、シャトルロックハウジング２５は、水平ボア３３を有しており、図１および図２で説明されたクランプフリーホイールがこの水平ボア中に、ギア１１が図３に示されているように動作状態にあるロックピン３１の溝３２内に係合するように挿入される。クランプフリーホイールは、ロックピン３１が、ライナー２６への圧力によって先端方向へは動かされ得るが、基端方向へは引っ込められないようにする効果を有している。

図４は、垂直平面に沿った断面を示しており、この断面は、図３の垂直平面に対して９０°だけ回転され、クランプフリーホイールの領域内で横方向に向きを変えられている。従って、この断面は、水平ボア３３とクランプフリーホイールとの中心を通っている。図４では、ギア１１を端部に備えたクランプフリーホイールの内側部品９がチャンバ内に設けられていて、従って、ギア１１がロックピン３１の溝３２から分離されるまで、内側部品が回転式ノブ１６によって押圧され得ることが分かる。この結果、ロックピン３１は、中に押圧された回転式ノブ１６によって解放されて、シャトルロックハウジング２５のガイドボア３１’から上方に引張り出され得る。本発明に関わる説明したデザインによれば、ニードルシリンダー６によって与えられるクランプ力とは無関係に、かくして、クランプされた状態であっても、問題なく解除を行なうことが出来る。

本発明に関わるクランプフリーホイールの分解図である。 図１に関わる組立てられたクランプフリーホイールの断面を示している。 図１に関わるクランプホイールを備えた補綴部品用の往復ロックの概略的な垂直断面を示している。 図３に対して９０°だけ回転された平面の垂直断面を示している。

符号の説明

５・・・スリーブ、６・・・回転部材、７，９・・・シャフト、１１・・・伝達部材、１６・・・駆動部材。

Claims (4)

1. 中空のシャフト部品（７）と、この中空のシャフト部品（７）内に、中空のシャフト部品（７）に対して軸方向に移動可能に、かつ中空のシャフト部品（７）と共に回転可能に配置された内側部品（９）とからなるシャフト（７，９）と、
   このシャフト（７，９）が中に設けられているスリーブ（５）と、
   前記シャフト（７，９）とスリーブ（５）との間に形成されたチャンバ内に配置され、シャフト（７，９）のスリーブ（５）に対する一方向の回転を果し、シャフト（７，９）のスリーブ（５）に対する反対方向の回転によりクランプされて反対方向の回転を阻止する回転部材（６）と、
   前記シャフト（７，９）の内側部品（９）に設けられた伝達部材（１１）と、
   この伝達部材（１１）を軸方向に移動させるためにシャフト（７，９）の内側部品（９）に設けられた駆動部材（１６）とを具備しており、
   前記内側部品（９）の外形と、前記中空シャフト部品（７）の内形とは、組み合わさって、内側部品（９）が中空のシャフト部品（７）に対して軸方向に移動可能に、かつ中空のシャフト部品（７）と共に回転可能となるように設定されている、クランプフリーホイール。
2. 前記内側部品（９）の軸方向の移動は、ばね（１３）の復元力に対抗するように行なわれる、請求項１のクランプフリーホイール。
3. 前記伝達部材は、ギア（１１）である、請求項１もしくは２のクランプフリーホイール。
4. 線形に移動可能な補綴部品をロックするための、請求項１ないし３のいずれか１のクランプフリーホイールの使用であって、この補綴部品の動きは、フリーホイールの伝達部材（１１）と相互作用する連結部材によって前記クランプフリーホイールに伝達可能であり、また、前記伝達部材（１１）と前記連結部材とは、シャフト（７，９）の内側部品（９）の軸方向の移動によって分離され得る、使用。

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