JP4259003B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、小型のモーターや発電機の鉄心材料としての用途に供して好適な歪取り焼鈍後の鉄損に優れ、かつ打ち抜き加工性が良好な方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電磁鋼板を積層して使用する小型トランスの代表的な形状として、図1に示すようなEI型コアが知られている。このEI型コアは、打ち抜き加工により製造されていて、打ち抜き加工法としては、打ち抜く際に発生するスクラップの量が少ない効率的な加工方法が用いられている。
【0003】
このようなEI型コア用の鉄心材料としては、現在、無方向性電磁鋼板と方向性電磁鋼板の両者が用いられている。
無方向性電磁鋼板を使用した場合、方向性電磁鋼板を使用した場合に比べると磁気特性のレベルが低いために、コアの磁気特性は劣っている。しかしながら、無方向性電磁鋼板は、方向性電磁鋼板に比べると、製造プロセスが単純で価格が低いため、経済的な観点からの判断で使用されている。
一方、方向性電磁鋼板は、圧延方向の磁気特性は良好であるが、圧延直角方向の磁気特性には劣っている。しかしながら、EIコア内での磁束の流れは、圧延直角方向の領域が2割程度あるものの、8割程度は圧延方向であるため、EI型コアの鉄心材料として方向性電磁鋼板を使用した場合、無方向性電磁鋼板よりもはるかに良好な特性が得られる。このため、鉄損を重視する場合の多くは方向性電磁鋼板が用いられている。
【0004】
ところで、方向性電磁鋼板の表面には、通常、フォルステライト(Mg2SiO4)を主体とする下地被膜(グラス被膜)が形成されている。このフォルステライト被膜は、無方向性電磁鋼板に施されている有機樹脂系の被膜に比べると著しく硬質なため、打ち抜き金型の摩耗が大きい。そのため、金型の再研磨または交換が必要となり、需要家における鉄心加工時の作業効率の低下およびコストアップを招くことになる。また、スリット性や切断性も同様に、フォルステライト被膜の存在により劣化する。
【0005】
方向性電磁鋼板の打ち抜き加工性を改善する方法として、フォルステライト被膜を酸洗や機械的手法で除去することも可能であるが、コスト高となるだけでなく、表面性状が悪化し、磁気特性も劣化するという大きな問題がある。
また、特公平6−49948 号公報および特公平6−49949 号公報には、仕上焼鈍時に適用する MgOを主体とする焼鈍分離剤中に薬剤を配合することによってフォルステライト被膜の形成を抑制する技術が、また特開平8−134542号公報には、Mnを含有する素材にシリカ、アルミナを主体とする焼鈍分離剤を適用する技術が、それぞれ提案されている。
しかしながら、これらの方法では、コイルの層間における仕上げ焼鈍雰囲気の変動によってフォルステライトが部分的に形成されることが多く、完全にフォルステライトの生成を抑制した製品板を得ることは極めて困難であった。
【0006】
この点、発明者らは、先に、インヒビタ成分を含有しない高純度素材において、固溶窒素の粒界移動抑制効果を利用して二次再結晶を発現させる技術を、特開2000−129356号公報において提案し、さらにCを低減した成分を用い、再結晶焼鈍における雰囲気を低酸化性とすることによって酸化被膜の生成を抑制する技術を、特開2001−32021 号公報において提案した。
これらの技術により、フォルステライトを形成しない方向性電磁鋼板を安価に製造することができるようになった。そして、このような方向性電磁鋼板は、表面に硬質なフォルステライト被膜を有しないので、EI型コア等の打ち抜き加工性を重視する小型電気機器に有利に適合する。
【0007】
ところで、EI型コアのような比較的小型の鉄心を製造する場合、打ち抜き加工により歪が入るので、そのままでは良好な鉄損が得られない。従って、加工歪を除去して磁気特性を回復させるために、打ち抜き加工後に 700〜900 ℃程度の温度での歪取り焼鈍が需要家によって施される。
需要家における歪取り焼純の場合、必ずしも磁気特性的に有利な非酸化性雰囲気や非窒化性雰囲気中で行われるとは限らず、燃焼ガスなどの安価な焼鈍雰囲気中で行われることがある。フォルステライトを主体とする下地被膜を有さない方向性電磁鋼板では、表面に酸化被膜がほとんど存在せず、雰囲気に対する保護性が低下しているので、酸化や窒化が進行し、その度合いに応じて、歪取り焼鈍時に磁気特性の劣化が生じる。
そのため、フォルステライトを主体とする下地被膜を有さない方向性電磁鋼板を、打ち抜き加工して小型電気機器の鉄心材料を製造する場合には、上記したような焼鈍雰囲気の影響を受けずに、歪取り焼純後に良好な鉄損を呈する材料が特に望ましい。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の要請に有利に応えるもので、打ち抜き加工性に優れるのはいうまでもなく、焼鈍雰囲気の如何に係わらず歪取り焼純後に良好な鉄損を得ることができる方向性電磁鋼板の有利な製造方法を提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、
C: 0.08 %以下、
Si : 2.0 〜 8.0 %
を含み、かつ sol.Al 、N、S、 Se をそれぞれ
sol.Al : 100 ppm 以下、
N: 50 ppm 以下、
S: 50 ppm 以下、
Se : 50 ppm 以下
に低減し、残部は Fe および不可避的不純物からなる溶鋼を用いて製造した鋼スラブを、熱間圧延し、ついで1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施したのち、露点:0℃以下で少なくとも 10 vol %の水素を含有する雰囲気中にて再結晶焼鈍を行い、その後焼鈍分離剤を適用することなく、最終仕上焼鈍を、露点:0℃以下の非酸化性または低酸化性雰囲気中にて 800 ℃以上 975 ℃以下の温度で完了させ、鋼中に sol.Al を 20ppm 以上確保することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
【0010】
2.上記1において、溶鋼が、さらに、質量%で
Mn:0.005〜3.0 %
を含有する組成になることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
【0011】
3.上記1または2において、溶鋼が、さらに、質量%で
Sbおよび/またはSn:0.01〜0.50%
を含有する組成になることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
【0012】
4.上記1,2または3において、溶鋼が、さらに、質量%で
Ni:0.01〜1.50%、
Cu:0.01〜0.50%、
P:0.005〜0.50%および
Cr:0.01〜1.50%
のうちから選んだ一種または二種以上を含有する組成になることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明を由来するに至った実験について説明する。
質量%で、C:0.0020%,Si:3.5 %,Mn:0.04%およびSb:0.04%を含み、sol.Alを 55 ppm 、 Nを7ppm 、その他の成分を 30ppm以下に低減したインヒビター成分を含まない鋼Aと、C:0.0025%, Si:3.5 %およびMn:0.04%を含み、sol.Alを 60ppm、Nを10ppm 、その他の成分を 30ppm以下に低減したインヒビター成分を含まない鋼Bの2種類のスラブを連続鋳造により製造した。ついで、1100℃に加熱後、熱間圧延により 3.0mm厚の熱延板とし、その後窒素雰囲気中にて 900℃, 1分均熱の熱延板焼鈍を施したのち、急冷した。ついで、冷間圧延により0.34mmの最終板厚としたのち、水素:50 vol%、窒素:50 vol%、露点:−30℃の雰囲気中にて 930℃で均熱30秒の再結晶焼鈍を施した。続いて、焼鈍分離剤を塗布することなく最終仕上焼鈍を施した。この最終仕上焼鈍は、露点:−20℃の窒素雰囲気中にて常温から 875℃までは50℃/hの速度で昇温し、この温度に50時間保定したのち、Ar雰囲気に切り替えて20℃/hの速度にて種々の温度に到達させる条件で行った。
【0015】
得られた仕上焼鈍後の各鋼板から、せん断加工によりエプスタイン試料を切り出し、露点:20℃の窒素雰囲気中にて 800℃, 2時間の歪取焼鈍を行ったのち、圧延方向の鉄損を測定した。
最終仕上焼鈍最高到達温度と歪取り焼鈍前後での鉄損の関係について調べた結果を図2に示す。
【0016】
同図に示したとおり、歪取り焼鈍前の鉄損は、Sbを含有する鋼Aのほうが鋼Bよりも幾分良好であるが、いずれの鋼種も最終仕上焼鈍における到達温度によらずほぼ一定の鉄損値が得られている。
しかしながら、歪取り焼鈍後は、鋼A,B共に最終仕上焼鈍の到達温度が 875〜1050℃の範囲で良好な鉄損が得られるものの、到達温度が上昇するに従って鉄損は次第に劣化し、1050℃を超えると急激に劣化することが明らかとなった。
【0017】
この理由は、次のとおりと考えられる。
すなわち、歪取り焼鈍前には、せん断加工による歪が導入されているために鉄損が劣化し、この劣化分は歪取り焼鈍により回復するものであるが、最終仕上焼鈍における到達温度が1050℃を超えた場合には、歪取り焼鈍による歪の回復を打ち消すほどの鉄損劣化が生じているものと考えられる。
【0018】
次に、最終仕上焼鈍到達温度が低温側で良好な鉄損が得られた理由を解明するために、鋼中窒素量について調査した結果を図3に示す。
同図に示したとおり、歪取り焼鈍前の窒素量は、Sbを含有する鋼Aに比べると鋼Bが多く、Sbにより最終仕上焼鈍における窒化が抑制されていることが判る。また、到達温度が高い試料ほど窒素量は減少している。これは 875℃で最終仕上焼鈍雰囲気を窒素からArへと切り替えたため、到達温度が高くなるにつれ、脱窒素反応が進行したものと考えられる。
同様に、歪取り焼純後の窒素量は鋼Aの方が少なく、Sb添加による窒化抑制効果により、特に歪取り焼鈍後に良好な鉄損が得られている。しかしながら、歪取り焼鈍後の窒素量は、鋼A,Bとも最終仕上焼鈍の到達温度が高くなるほど増大し、1050℃を超えると著しく増大している。これは、窒化物の析出により歪取り焼鈍後の大幅な鉄損劣化が生じたものと考えられる。
【0019】
そこで、次に、窒化量の増加原因を調査するために、製品板のsol.Al量について調べた結果、最終仕上焼鈍到達温度との関係で図4に示す。
同図に示したとおり、鋼A,Bともに最終仕上焼鈍の到達温度が1000℃を超えるとsol.Al量が減少し、1050℃を超えると 20ppm未満となっている。
sol.Alの減少に関しては、仕上焼純時の表面酸化によるものと考えられ、高温になるほど酸化が進行して減少したものと考えられる。
【0020】
さらに、発明者らは、再結晶焼鈍雰囲気の影響を調査するため、次の実験を行った。
すなわち、前述した鋼Aのスラブを、同様な方法で板厚:0.34mmに仕上げたのち、表1に示す種々の雰囲気中にて 930℃で均熱30秒の再結晶焼鈍を行った。
ついで、焼鈍分離剤を適用することなく最終仕上焼鈍を施した。この最終仕上焼鈍は、露点:−20℃の窒素雰囲気中にて常温から 875℃までは50℃/hの速度で昇温し、この温度に50時間保定したのち、Ar雰囲気に切り替えて20℃/hの速度で925 ℃まで到達させる条件で行った。
上記の仕上焼鈍後、せん断加工によりエプスタイン試料を切り出したのち、露点:20℃の窒素雰囲気中にて 800℃, 2時間の歪取焼鈍を行ったのち、圧延方向の鉄損を測定した。
仕上焼鈍後のsol.Al量と歪取焼鈍後の鉄損値W17/50 を表1に併記する。
【0021】
【表1】
【0022】
同表に示したとおり、再結晶焼鈍雰囲気における水素分圧が10 vol%を下回ったり、雰囲気の露点が0℃を超えると、仕上焼鈍後のsol.Al量が低減して、歪取焼鈍後の鉄損が劣化している。
【0023】
以上の実験および検討により、最終仕上焼鈍の到達温度が高くなると表面酸化が進行してsol.Al量が減少すること、またsol.Al量の減少に伴い歪取り焼鈍時の窒化が進行して鉄損が劣化することが明らかとなった。
そこで、本発明では、再結晶焼純を、水素を10 vol%以上含有する露点:0℃以下の乾燥雰囲気中で行うことによって、下地被膜や内部酸化層等の形成を極力抑制すると共に、最終仕上焼鈍における到達温度を 975℃以下に抑制することによって、鋼中にsol.Alが極微量確保されて、歪取り焼鈍時における窒化を抑制することにより、歪取り焼鈍後の鉄損を改善したのである。
【0024】
本発明に従い、再結晶焼鈍を上記の乾燥雰囲気中で行い、下地被膜や内部酸化層等の形成を抑制すると共に、最終仕上焼純における到達温度を 975℃以下に抑え、鋼中にsol.Alを 20ppm以上確保することによって、歪取り焼鈍での窒化が抑制されて歪取り焼鈍後の鉄損が改善される理由については、必ずしも明確に解明されたわけではないが、発明者らは以下のように考えている。
まず、再結晶焼鈍および最終仕上焼鈍を乾燥雰囲気で行い、表面酸化物の形成を排除することは、磁気的に平滑な表面を保ち、磁壁の移動を容易にしてヒステリシス損失を低減させると同時に、表面でのAlの酸化を抑制し、sol.Al量を確保するのに有効であると考えられる。また、通常のインヒビタを用いる技術では、1050℃を超える高温焼鈍でインヒビタ成分(S,Se,N等)を純化しなければ低鉄損が得られないが、本発明のようにインヒビタを使用しない方法では、高温での純化を行わなくとも、二次再結晶が完了すれば低鉄損が得られるため、仕上焼鈍における到達温度を低めに抑えることができ、これが特に有効に作用するものと考えられる。
【0025】
さらに、本発明のように、鋼中にsol.Alを極微量確保することにより、歪取り焼鈍時における窒化を抑制して鉄損を改善することに関し、その詳細については明らかでないが、従来のsol.Alをほとんど含まない鋼では、窒化珪素を主体とする窒化物が形成されて鉄損が劣化するが、本発明では、Alが極微量含有されることで形成される窒化物の組成が変化して熱的に不安定になり、析出が抑制されたものと推定される。
【0026】
また、素材中にSbを含有させることにより、仕上焼純時および歪取焼純時の窒化が抑制され、Sbを含有しない場合に比べて格段に良好な歪取り焼鈍後の鉄損が得られ理由は、Sbが表層に濃化して、雰囲気からの窒素の拡散を抑制する効果を発揮していることに起因するものと推定される。なお、発明者らは、Snを含有させることによっても、Sb含有の場合と同等の効果があることを確認している。
【0027】
次に、本発明により得られる鋼板の成分組成範囲について説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%(mass%)を意味する。
Si:2.0 〜8.0 %
Siは、鋼の電気抵抗を増大し鉄損を改善するのに有用な元素であるので、2.0 %以上含有させる。しかしながら、含有量が 8.0%を超えると加工性が著しく低下して冷間圧延が困難となる。そこで、Si量は 2.0〜8.0 %の範囲に限定した。
【0028】
sol.Al:20〜100ppm
前掲図4にも示したとおり、歪取り焼鈍時における窒化を著しく抑制して鉄損を改善するために20ppm 以上のsol.Al量を確保する必要がある。しかしながら、sol.Al量が 100 ppmを超えると、窒化物の析出量が多くなって鉄損および加工性の両者が共に劣化するので、sol.Alは20〜100ppmの範囲で含有させるものとした。
【0029】
以上、必須成分について説明したが、本発明では、その他にも以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Mn:0.005 〜3.0 %
Mnは、熱間加工性を改善するために有用な元素であるが、含有量が 0.005%未満では、その添加効果に乏しく、一方 3.0%を超えると磁束密度の低下を招くので、Mn量は 0.005〜3.0 %の範囲とする。
【0030】
Sbおよび/またはSn:0.01〜0.50%
SbやSnを含有させることによって、歪取焼鈍時の窒化を抑制して、歪取り焼鈍後の鉄損を大きく改善することができる。しかしながら、含有量が0.01%未満では窒化抑制効果が小さく、一方0.50%を超えると脆化が著しくなるので、これらは単独添加または複合添加いずれの場合も0.01〜0.50%の範囲で含有させるものとした。
【0031】
Ni:0.01〜1.50%、Cu:0.01〜0.50%、P:0.005 〜0.50%、Cr:0.01〜1.50%のうちから選んだ一種または二種以上
さらに、熱延板組織を改善して磁気特性を向上させるために、Niを添加することができる。しかしながら、含有量が0.01%未満では磁気特性の向上量が小さく、一方1.50%を超えると二次再結晶が不安定になり磁気特性が劣化するので、Ni量は0.01〜1.50%とした。
また、鉄損を向上させる目的で、Cu, P, CrをそれぞれCu:0.01〜0.50%,P:0.005 〜0.50%,Cr:0.01〜1.5 %の範囲で含有させることができる。それぞれ、含有量が下限値に満たない場合には鉄損の向上効果が小さく、一方上限量を超えると二次再結晶粒の発達が阻害される。
【0032】
次に、本発明の電磁鋼板を製造する際の溶鋼成分を前記の範囲に限定した理由について説明する。
C:0.08%以下
C量が0.08%を超えると、磁気時効の超こらない50ppm 以下までCを低減することが困難になるので、C量は0.08%以下に制限した。なお、このC量は、素材段階で 50ppm以下まで低減しておくことが、再結晶焼鈍を乾燥雰囲気で行い脱炭を省略して平滑な製品表面を得る上で特に望ましいが、最終仕上焼鈍後、平坦化焼鈍時に低酸化性雰囲気で脱炭することも可能である。
【0033】
sol.Al:100 ppm 以下、N:50 ppm以下
sol.Alを100ppm以下、Nを50ppm 以下好ましくは30ppm 以下、に低減しておくことが良好に二次再結晶を発現させるために必要である。二次再結晶を発現させるためのsol.Alの下限量は存在しないが、製品板にsol.Alを20ppm 以上残存させるためには、素材中のsol.Al量は30ppm 以上、好ましくは 40ppm以上とすることが望ましい。
【0034】
また、インヒビタ形成元素であるS, Seについては50ppm 以下、好ましくは30ppm 以下に低減する必要がある。
なお、その他窒化物形成元素であるでTi, Nb, B, Ta, V等はそれぞれ50ppm 以下に低減することも鉄損の劣化を防ぎ、加工性を確保する上で有利である。
【0035】
そして、鋼板表面にはフォルステライト(Mg2SiO4) を主体とした下地被膜を有しないことが、良好な打ち抜き性を確保するための大前提である。
【0036】
次に、本発明の製造工程について説明する。
上記の好適成分組成に調整した溶鋼を、転炉、電気炉などを用いる公知の方法で精錬し、必要があれば真空処理などを施したのち、通常の造塊法や連続鋳造法を用いてスラブを製造する。また、直接鋳造法を用いて 100mm以下の厚さの薄鋳片を直接製造してもよい。
スラブは、通常の方法で加熱して熱間圧延するが、鋳造後、加熱せずに直ちに熱延に供してもよい。また、薄鋳片の場合には、熱間圧延を行っても良いし、熱間圧延を省略してそのまま以後の工程に進めてもよい。
【0037】
ついで、必要に応じて熱延板焼鈍を施す。ゴス組織を製品板において高度に発達させるためには、熱延板焼鈍温度は 800℃以上、1050℃以下程度とするのが好適である。というのは、熱延板焼鈍温度が 800℃未満では、熱延でのバンド組織が残留し、一方1050℃を超えると、熱延板焼純後の粒径が粗大化しすぎて、それぞれ製品板のゴス組織の発達が低下し、磁束密度が低下するからである。
【0038】
熱延板焼鈍後、必要に応じて中間焼鈍を挟む1回以上の冷延を施したのち、再結晶焼鈍を行う。上記の冷間圧延に際し、圧延温度を 100〜250 ℃に上昇させて行うことや、冷間圧延の途中で 100〜250 ℃の範囲での時効処理を1回または複数回行うことは、ゴス組織を発達させる上で有効である。
【0039】
最終冷延後、再結晶焼鈍を施すが、この再結晶焼鈍の雰囲気は、露点:0℃以下で少なくとも10 vol%の水素を含有する雰囲気とすることが、表面酸化物の生成を極力抑制して平滑な表面を保ち、かつ良好な鉄損を得る上で肝要である。
なお、この再結晶焼鈍は、 800〜1000℃の範囲で行うことが好適である。また、最終冷間圧延後、あるいは再結晶焼鈍後に浸珪法によってにSi量を増加させる技術を併用してもよい。
【0040】
その後、焼純分離剤を適用せずに仕上焼鈍を行うことが、フォルステライトの形成を完全に排除し、かつ平滑な表面を保ち、良好な鉄損を得る上で不可欠である。
そして、この最終仕上焼鈍により二次再結晶組織を発達させる。ここに、最終仕上焼鈍の雰囲気は窒素を含有することが、固溶窒素の粒界移動抑制効果で二次再結晶を発現させるために有効である。また、酸化物の生成を抑制するために、露点が0℃以下の非酸化性または低酸化性の雰囲気を用いることが重要である。なお、本発明において、「露点が0℃以下の非酸化性または低酸化性の雰囲気」とは、窒素、水素、不活性ガス(Ar等)雰囲気またはそれらの混合雰囲気であって、酸素を実質的に含まず、露点が0℃以下である雰囲気を意味する。というのは、露点が0℃を超えると表面酸化物の生成量が多くなって鉄損が劣化するだけでなく、打ち抜き性も大きく劣化するからである。
【0041】
なお、最終仕上焼鈍は二次再結晶発現のために 800℃以上で行う必要があるが、 800℃までの加熱速度は、磁気特性に大きな影響を与えないので任意の条件でよい。
一方、最高到達温度は、 975 ℃以下とすることが、Alの表面酸化を抑制してsol.Al量を20ppm 以上確保し、もって歪取り焼鈍での窒化を抑制して歪取り焼鈍後の鉄損を改善するために必要である。
【0042】
仕上焼鈍後には、平坦化焼純を行い張力を付加して形状を矯正する。なお、鋼板を積層して使用する場合には、鉄損を改善するために、平坦化焼鈍後、鋼板表面に絶縁コーティングを施すことが有効である。良好な打ち抜き性を確保するためには、樹脂を含有する有機系コーティングが望ましいが、溶接性を重視する場合には無機系コーティングを適用しても良い。
【0043】
なお、本発明による電磁鋼板の用途はEI型コアに限定されるものではなく、加工後に歪取り焼鈍を施す方向性電磁鋼板の用途すべてに適用することができる。
さらに、素材としてインヒビタを使用せず、スラブの高温加熱、脱炭焼鈍、高温純化焼鈍を施す必要がないので、低コストにて大量生産可能であるという大きな利点がある。
【0044】
実施例1
C:0.003 %,Si:3.4 %,Mn:0.07%およびSb:0.03%を含有し、sol.Alを80ppm, Nを9ppm に低減し、その他の成分もすべて50ppm 以下に低減し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になるスラブを、連続鋳造にて製造した。ついで、1060℃, 30分間のスラブ加熱後、熱間圧延により 2.8mm厚の熱延板としたのち、熱延板焼鈍を 950℃, 60秒均熱の条件で行った。その後、130 ℃の温度の冷間圧延にて0.30mmの最終板厚に仕上げた。
ついで、水素:75 vol%、窒素:25 vol%の雰囲気中にて 930℃, 均熱10秒の再結晶焼鈍を行った。この際、雰囲気露点を表2に示すように種々に変化させた。その後、露点:−20℃の窒素:50 vol%,Ar:50 vol%の混合雰囲気中で800℃まで50℃/hの速度で昇温し、800 ℃以上は10℃/hの速度で表2に示す到達温度まで昇温する、最終仕上焼鈍を行った。その後、900 ℃で20秒間の平坦化焼鈍を行ったのち、重クロム酸アルミニウム、エマルジョン樹脂、エチレングリコールを混合したコーティング液を塗布し、300 ℃で焼き付けて製品とした。
【0045】
得られた製品板を用いて、打ち抜き加工によりEI型コアを作製し、850 ℃の窒素雰囲気中にて歪取り焼鈍を施した後の鉄損W15/50 を測定した。また、打ち抜き性の評価をするために、25トンプレス機にて、10mmφ(材質:SKD−11)、打ち抜き速度:350 ストローク/分、クリアランス:6%で、市販の打ち抜き油を使用して、カエリ高さが50μm に達するまで製品板の連続打ち抜きを行った。
得られた結果を表2に併記する。
【0046】
【表2】
【0047】
同表に示したとおり、再結晶焼純雰囲気の露点が0℃以下で、かつ最終仕上焼鈍到達温度を 975℃以下として製品板のsol.Al量を20ppm 以上確保した場合に、打ち抜き加工に優れ、かつ歪取り焼鈍後のEIコア鉄損に優れる方向性電磁鋼板が得られている。
【0048】
実施例2
表3に示す成分組成になるスラブを、1160℃に加熱したのち、熱間圧延により3.2 mm厚の熱延板とした。なお、表3中に示されない成分に関しては全て50ppm以下に低減した。
ついで、1000℃,均熱60秒の熱延板焼純後、冷間圧延により0.34mmの最終板厚に仕上げた。ついで、水素:75 vol%、窒素:25 vol%、露点:−25℃の雰囲気中にて 940℃, 均熱20秒の再結晶焼鈍を行ったのち、850 ℃まで10℃/hの速度で昇温し、この温度に75時間保持する最終仕上焼純を、露点:−40℃の窒素雰囲気で行った。その後、875 ℃の平坦化焼鈍を施したのち、重クロム酸アルミニウムを主体とした無機コーティング液を塗布し、250 ℃で焼き付けて製品とした。
【0049】
得られた製品板を用いて、打ち抜き加工によりEI型コアを作製し、露点:30℃の非燃焼ガス中にて 800℃, 2時間の歪取り焼鈍を施した後の鉄損W15/50 を測定した。また、打ち抜き性の評価をするために、25トンプレス機にて、10mmφ(材質:SKD−11)、打ち抜き速度:350 ストローク/分、クリアランス:6%で、市販の打ち抜き油を使用して、カエリ高さが50μm達するまで製品板の連続打ち抜きを行った。
得られた結果を表3に併記する。
【0050】
【表3】
【0051】
表3に示したとおり、本発明で規定した成分組成範囲を満足する素材を用いて、製品板においてsol.Al量を20ppm 以上確保することにより、良好な歪取り焼鈍後のEIコア鉄損が得られている。
【0052】
実施例3
C:0.012 %,Si:3.0 %, Mn:0.15%およびSb:0.03%を含有し、sol.Alを50ppm, Nを19ppm に低減し、 その他の成分もすべて50ppm 以下に低減し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼Aと、C:0.013 %,Si:3.0 %,Mn:0.15%,Sb:0.03%を含有し、sol.Alを5ppm ,Nを15ppm に低減し、、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼Bの2種類のスラブを連続鋳造にて製造した。 ついで、1100℃,30分のスラブ加熱後、熱間圧延により2.8mm 厚の熱延板とした、その後 950℃, 60秒均熱の熱延板焼鈍を施したのち、冷間圧延により0.50mmの最終板厚に仕上げた。
ついで、露点:−30℃の水素雰囲気中にて 900℃, 均熱30秒の再結晶焼鈍を行ったのち、露点:−20℃の窒素雰囲気中にて 900℃まで50℃/hの速度で昇温し、この温度に50時間保定する、最終仕上焼鈍を行った。その後、露点:30℃の湿潤水素雰囲気中にて 850℃, 30秒間の脱炭を兼ねる平坦化焼鈍を行ったのち、重クロム酸アルミニウム、エマルジョン樹脂、エチレングリコールを混合したコーティング液を塗布し、300 ℃で焼き付けて製品とした。
なお、鋼Aにおける製品板のsol.Al量は40ppm 、鋼Bは3ppm であった。
【0053】
得られた製品板を用いて、打ち抜き加工にてEI型コアを作製し、 850℃の窒素雰間気で歪取り焼鈍を施した後の鉄損W15/50 を測定した。
その結果、鋼Aを用いて作製したEIコアでは 1.50 W/kgという優れた鉄損が得られたが、鋼Bではそれよりも劣る 1.99 W/kgの鉄損しか得られなかった。
【0054】
また、鋼Aについて、打ち抜き性の評価をするために、25トンプレス機にて、10mmφ(材質:SKD−11)、打ち抜き速度:350 ストローク/分、クリアランス:6%で、市販の打ち抜き油を使用して、カエリ高さが50μm達するまで製品板の連続打ち抜きを行ったところ、打ち抜き回数は 300万回以上であり、良好な打ち抜き性が得られることが確認された。
【0055】
【発明の効果】
かくして、本発明に従い、インヒビタを含有しない高純度成分の素材を用いて方向性電磁鋼板を製造するに際し、表面酸化物の生成を抑制すると共に、鋼中に極微量のsol.Alを積極的に含有させることにより、良好な打ち抜き性を有し、かつ歪取り焼鈍後の鉄損に優れたフォルステライトを主体とする下地被膜を有しない方向性電磁鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 EI型コアの形状を示した図である。
【図2】 鋼Aおよび鋼Bの歪取り焼鈍前後における鉄損の変化を最終仕上焼鈍最高到達温度との関係で示したグラフである。
【図3】 鋼Aおよび鋼Bの歪取り焼鈍前後における窒素量の変化を最終仕上焼鈍最高到達温度との関係で示したグラフである。
【図4】 鋼Aおよび鋼Bの最終仕上焼鈍最高到達温度と最終仕上焼鈍後のsol.Al量との関係を示したグラフである。
Claims (4)
- 質量%で、
C:0.08%以下、
Si:2.0〜8.0 %
を含み、かつsol.Al、N、S、 Seをそれぞれ
sol.Al:100 ppm 以下、
N:50 ppm以下、
S: 50 ppm 以下、
Se : 50 ppm 以下
に低減し、残部は Fe および不可避的不純物からなる溶鋼を用いて製造した鋼スラブを、熱間圧延し、ついで1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施したのち、露点:0℃以下で少なくとも10 vol%の水素を含有する雰囲気中にて再結晶焼鈍を行い、その後焼鈍分離剤を適用することなく、最終仕上焼鈍を、露点:0℃以下の非酸化性または低酸化性雰囲気中にて 800 ℃以上 975℃以下の温度で完了させ、鋼中に sol.Al を 20ppm 以上確保することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。 - 請求項1において、溶鋼が、さらに、質量%で
Mn:0.005〜3.0 %
を含有する組成になることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。 - 請求項1または2において、溶鋼が、さらに、質量%で
Sbおよび/またはSn:0.01〜0.50%
を含有する組成になることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。 - 請求項1,2または3において、溶鋼が、さらに、質量%で
Ni:0.01〜1.50%、
Cu:0.01〜0.50%、
P:0.005〜0.50%および
Cr:0.01〜1.50%
のうちから選んだ一種または二種以上を含有する組成になることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
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